JP2002276661A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

Info

Publication number
JP2002276661A
JP2002276661A JP2001073849A JP2001073849A JP2002276661A JP 2002276661 A JP2002276661 A JP 2002276661A JP 2001073849 A JP2001073849 A JP 2001073849A JP 2001073849 A JP2001073849 A JP 2001073849A JP 2002276661 A JP2002276661 A JP 2002276661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dynamic pressure
oil
pressure bearing
thrust
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001073849A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshito Oku
義人 奥
Yoichi Sekii
洋一 関井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP2001073849A priority Critical patent/JP2002276661A/ja
Publication of JP2002276661A publication Critical patent/JP2002276661A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Brushless Motors (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 バッファオイルの量に偏りが生じることな
く、モータの回転を所望の期間安定して支持することが
可能な動圧軸受を備えたスピンドルモータを提供する。 【解決手段】 ラジアル動圧軸受22,24の一方のス
ラスト動圧軸受側26,28とは反対側の端部には、外
気に連通可能なテーパ状シールS1,S2,S3,S
4,S5が形成されており、このテーパ状シール内でオ
イルと空気の気液界面が形成され保持される。またスラ
ストプレート4の外周面には、相互に対向する一対の傾
斜面が設けられて一対のテーパ状シールが形成されてお
り、スリーブ10には、一対のテーパ状シールが外気と
連通可能となるよう外気に連通するよう半径方向に延設
される連通孔が形成される。一方のスラスト動圧軸受と
他方のスラスト動圧軸受とにそれぞれ保持されるオイル
は、一対のテーパ状シールに保持される空気によって分
離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作動流体としてオイ
ルを使用する動圧軸受を備えたスピンドルモータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等のディスク状記録媒体
を回転駆動するために使用されるスピンドルモータは、
ディスクの記憶容量の増大やヘッドによるデータへのア
クセス速度の向上にともない、これまでロータの回転を
支持するための軸受手段として主に採用されてきたボー
ルベアリングの限界性能近くにまで回転速度が高速化し
つつあり、これに代わって回転時に動圧発生溝のポンピ
ングアクションによってオイル等の作動流体に誘起され
る動圧を利用し、非接触状態でロータの回転を支持する
ことが可能な動圧軸受が採用されるようになってきた。
【0003】オイルを作動流体とする動圧軸受において
は、モータの回転/停止を問わず、常時シャフトとスリ
ーブとの間にオイルが介在されるため、低動圧時のシャ
フトとスリーブとの接触や摺動を回避することが可能で
ある。また、オイルの粘性によるダンピング効果で、ス
ピンドルモータに印加される外的な振動や衝撃が吸収さ
れ、記録ディスクとヘッドとの衝突(ヘッドクラッシ
ュ)を回避することが可能となるといったメリットを有
する。しかしながら、軸受部からオイルが漏出すると、
軸受部でのオイル保持量が不足して軸受剛性が低下し、
スピンドルモータの振れ回り特性が悪化したり、スピン
ドルモータの外部環境を汚染してヘッドのリードライト
エラーを誘発するといった問題が生じる。
【0004】そのため、動圧軸受の端部に特開昭58−
50321号公報等に開示されるように動圧軸受の端部
に空気が保持されるテーパ状シールを配設し、このシー
ル内でオイルと空気との気液界面を形成する構成が採用
されている。テーパ状シールは、動圧軸受内で動圧を誘
起する部分、つまり動圧発生溝が形成される軸受部に規
定される間隙が軸受から離間するにつれて拡大するよう
構成されている。テーパ状シール内において、モータの
停止時においては、気液界面に働く表面張力の総和、オ
イルが接する空気の圧力(大気圧)、オイルの内部圧力
及び重力が相互にバランスしてオイルを押し留めるよう
に作用することでシールとして機能する。また、モータ
の回転時には、これらに加えて遠心力と動圧発生溝によ
って誘起されるオイル内動圧とが作用するが、気液界面
に作用する力や圧力の変化に応じて、テーパ状シール内
における気液界面の形成位置や曲率半径を変化せしめる
ことによってこれらが相互にバランス可能となる。
【0005】このように軸受部の端部にテーパ状シール
を配置することで、オイルを軸受部に押し留める、すな
わちシール効果を得るのみではなく、オイル内に混在す
る気泡をオイルから分離して軸受外部に排出することも
可能となる。テーパ状シールは、軸受部に連続して間隙
が僅かづつではあるが拡大するよう構成されるため、軸
受部よりも低圧な状態に維持される。通常オイル内に混
在する気泡は、圧力の高い側から低い側へと移動するた
め、最も低圧となるテーパ状シール内に形成される気液
界面側へと移動し、オイルと分離して空気中に排出され
ることとなる。
【0006】このようにオイル内に混在する気泡を自動
的にオイルと分離して排出可能とすることで、モータの
外部環境の温度や圧力の変化で気泡が膨張/収縮して軸
受部内でのオイル保持が不安定になったり、軸受外部へ
漏出したりすることが防止されるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このテ
ーパ状シール内では前述のとおり空気が保持されて気液
界面が形成されており、軸受部と軸受部との間にテーパ
状シールを配設することによって、各軸受部に保持され
るオイルは分断されることになる。その場合、テーパ状
シールの配置される位置並びにテーパ状シールのテーパ
角や軸受端部からの寸法によっては、軸受部に保持され
るオイルの増減を吸収するためのバッファオイルとして
機能するオイルの保持量が各軸受部間で不均一になるこ
とがある。
【0008】軸受部間でのバッファオイルとして機能す
るオイルの保持量、すなわち軸受部でのオイル保持量と
テーパ状シールでのバッファオイルの保持量に格差が生
じると、例えば蒸発等に起因してオイルが減少した場合
に、バッファオイルの保持量が少ない軸受部では、他の
軸受部よりも早期にオイルが枯渇し、軸受としての機能
が失われる。このため当初設定した期間軸受としての機
能を維持することができず、軸受としての耐久性並びに
信頼性が低下する。
【0009】本発明は、バッファオイルの量に偏りが生
じることなく、モータの回転を所望の期間安定して支持
することが可能な動圧軸受を備えたスピンドルモータを
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のスピンドルモータは、シャフトと、該シ
ャフトの先端部外周面から半径方向外方に突設される円
板状のスラストプレートと、前記シャフトが挿通される
貫通孔並びに前記スラストプレートを収納する段部とを
有する円筒状のスリーブと、該スリーブの貫通孔の一方
開口を閉塞し前記スラストプレートと軸線方向に対向す
るキャップとを備えたスピンドルモータであって、前記
シャフト並びに前記スラストプレートと前記貫通孔及び
前記段部並びに前記キャップとの間には、オイルが保持
される微小間隙が規定され、前記シャフトと前記貫通孔
との間には、少なくとも1つのラジアル動圧軸受部が構
成され、前記スラストプレートと前記段部との間には、
一方のスラスト動圧軸受が前記ラジアル動圧軸受に隣接
して構成され、前記スラストプレートと前記キャップと
の間には、他方のスラスト動圧軸受が構成されており、
前記ラジアル動圧軸受と前記一方のスラスト動圧軸受と
の間には前記オイルが途切れることなく連続して保持さ
れており、前記ラジアル動圧軸受には、前記オイルを前
記一方のスラスト動圧軸受側へとポンピングするよう、
軸線方向にアンバランスな形状のヘリングボーン溝が動
圧発生溝として形成され、また前記一方のスラスト動圧
軸受には、前記オイルを前記ラジアル動圧軸受側にポン
ピングするようポンプインタイプのスパイラル溝が動圧
発生溝として形成され、前記他方のスラスト動圧軸受に
は、前記オイルを前記シャフトの軸芯方向へとポンピン
グするようポンプインタイプのスパイラル溝が形成さ
れ、前記ラジアル動圧軸受の前記一方のスラスト動圧軸
受側とは反対側の端部には、前記シャフトと前記貫通孔
との間に規定される微小間隙の間隙寸法が、前記ラジア
ル動圧軸受から離間するにつれて漸次拡大し且つ外気に
連通可能な空気が保持されるテーパ状シールが形成され
ており、前記スラストプレートの外周面には、該外周面
と半径方向に対向する前記段部の内周面との間に規定さ
れる間隙の間隙寸法が、前記一方及び他方のスラスト動
圧軸受側から前記スラストプレートの厚み方向略中央部
に向かって拡大するよう相互に対向する一対の傾斜面が
設けられ、該一対の傾斜面によって該段部の内周面との
間に外気と連通可能な空気が保持される一対のテーパ状
シールが形成されており、前記一方のスラスト動圧軸受
と前記他方のスラスト動圧軸受とにそれぞれ保持される
前記オイルは、該一対のテーパ状シールに保持される空
気によって分離され、前記スリーブには、前記一対のテ
ーパ状シールに保持される空気が外気と連通可能となる
よう、前記段部の内周面に開口し外気に連通するよう半
径方向に延設される連通孔が形成されている、ことを特
徴とする。
【0011】このようにスラストプレートの上下面側に
それぞれ配置されるスラスト動圧軸受に保持されるオイ
ルが、スラストプレートの厚み方向(軸線方向)におい
て線対称となるよう形成される一対のテーパ状シール内
でそれぞれ空気との気液界面を形成して保持されるよう
構成すると各スラスト動圧軸受でのバッファオイルの量
が均等となり、いずれか一方に偏ることがないので、所
望の期間安定してモータの回転を軸支持することが可能
となる。
【0012】この場合、スラストプレートの上面側に構
成される一方のスラスト動圧軸受は、ラジアル動圧軸受
との間に連続してオイルが保持されており、一対のテー
パ状シール内における気液界面の形成位置は、少なくと
も動圧や遠心力の作用しないモータの停止時には、ラジ
アル動圧軸受のスラスト動圧軸受側の端部とは反対側の
端部に隣接して配置されるテーパ状シールとのバランス
により決定される。
【0013】すなわち、ラジアル動圧軸受に隣接するテ
ーパ状シールの形状を、スラストプレートの外周面に設
けられた一対のテーパ状シールにおける気液界面の曲率
半径と同等の曲率半径で気液界面が形成可能となるよう
構成することで、ラジアル動圧軸受及び各スラスト動圧
軸受に保持されるオイルの内圧が等しくなり、すべての
テーパ状内シールでの気液界面の曲率半径が等しくなる
こととなる。つまり軸受部に保持されるオイルの量に対
するバッファオイルの量が実質的に等しくなり、モータ
の耐久性や信頼性を損なうことなく、所望の期間モータ
の回転を安定して支持することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図1及び図2を参照して説明する。尚、図1は、本発
明に係るスピンドルモータの実施形態を示す断面図であ
り、図2は、図1に示すスピンドルモータにおけるスラ
ストプレートまわりの構成を拡大して示す部分拡大断面
図である。
【0015】図1において、シャフト2とこのシャフト
2の下端部の外周面から半径方向外方に同軸状に突出す
る円板状のスラストプレート4とが一体的に形成されて
いる。シャフト2の上端部は、シャフト2の外径が上方
に向かって漸次縮小するテーパ状の傾斜面を有する第1
の環状溝2aが形成されている。シャフト2の外周面の
軸線方向中間部にはシャフト2の軸線方向中央部方向に
向かって傾斜する一対の傾斜面を有する第2の環状溝2
bが形成されている。シャフト2のスラストプレート4
側の端部とは反対側の端部は、カップ状のロータハブ6
に取付けられる。ロータハブ6の内周面にはロータマグ
ネット8が装着される。
【0016】シャフト2は、固定の円筒状スリーブ10
内に設けられた貫通孔内に挿通されている。貫通孔の一
方の端部には、スラストプレート4と協働して後に詳述
する上部スラスト軸受部を構成する段部が設けられてい
る。また、スリーブ10の貫通孔の段部が形成される側
の開口は、スラストプレート4の下面と協働して後に詳
述する下部スラスト軸受部を構成するカウンタプレート
12によって閉塞される。スリーブ10の貫通孔の上方
側開口は、シャフト2の第1の環状溝2aの傾斜面との
間に規定されるテーパ状シールS1において外気に開放
されている。また、スリーブ10の外周部はブラケット
16に設けられた環状の円筒壁16a内に装着される。
円筒壁16aの外周部にはステータ18が取付けられ、
ロータマグネット8と半径方向に対向する。
【0017】スリーブ10の貫通孔の内周面は、シャフ
ト2の外周面に形成された第2の環状溝2bと半径方向
に対向して、スリーブ10の貫通孔の内周面とシャフト
2の外周面との間の半径方向の微小間隙が拡大する間隙
拡大部20が規定されている。スリーブ10には、間隙
拡大部20を軸受外部に開放するために半径方向に延設
される第1の通気孔10aが設けられている。間隙拡大
部20には、第1の通気10aを通じて取り込まれた空
気が保持されている。
【0018】間隙拡大部20の軸線方向上下部には、シ
ャフト2の外周面とスリーブ10の貫通孔の内周面との
間にオイルが保持されて、それぞれ上部ラジアル軸受部
22と下部ラジアル軸受部24とが構成されている。ス
リーブ10の貫通孔の内周面のシャフト2の外周面との
間に上部ラジアル軸受部22を規定する部分には、動圧
発生溝22aとして中心位置(溝の曲折部分の位置)が
上部ラジアル軸受部22の軸線方向中間位置に位置する
よう形成される軸線方向に対称な形状のヘリングボーン
溝が設けられており、モータの回転時には、このヘリン
グボーン溝によって上部ラジアル軸受部22に保持され
たオイルにヘリングボーン溝の両端側(軸線方向上下部
側)から溝の曲折部分に向かって作用する動圧が発生す
る。つまり、上部ラジアル軸受部22では、軸線方向中
間位置において圧力ピークが発生し、両端部において最
も圧力が低くなるよう構成されている。
【0019】また、スリーブ10の貫通孔の内周面のシ
ャフト2の外周面との間に下部ラジアル軸受部24を規
定する部分には、動圧発生溝24aとして中心位置(溝
の曲折部分の位置)が下部ラジアル軸受部24の下方に
偏倚して位置するよう形成される軸線方向に非対称な形
状のヘリングボーン溝が設けられており、モータの回転
時には、ヘリングボーン溝によって下部ラジアル軸受部
24に保持されたオイルにヘリングボーン溝の両端側
(上下部側)から溝の曲折部分に向かって作用する動圧
が発生する。つまり、下部ラジアル軸受部24では、軸
線方向下端部近傍において圧力ピークが発生し、上端部
において最も圧力が低くなるよう構成されている。
【0020】上部ラジアル軸受部22の上側には第1の
テーパ状シールS1が位置しており、スリーブ10の貫
通孔の内周面とシャフト2の外周面との間の間隙の半径
方向寸法が軸線方向上方に向かうにつれて漸次拡大す
る。また、上部ラジアル軸受部22の下側と下部ラジア
ル軸受部24の上側との間には、シャフト2の外周面に
一対の傾斜面を有する第2の環状溝2bが位置してお
り、第2の環状溝2bの一対の傾斜面とスリーブ10の
貫通孔の内周面との間に規定される間隙拡大部20は、
スリーブ10の貫通孔の内周面の第1の通気孔10aの
開口部から軸線方向上下方向に向かって間隙寸法が漸次
縮小し、それぞれ第2のテーパ状シールS2と第3のテ
ーパ状シールS3と規定される。上部ラジアル軸受部2
2及び下部ラジアル軸受部24に保持されるオイルと間
隙拡大部20に保持される外気との気液界面は、第2の
テーパ状シールS2及び第3のテーパ状シールS3にお
いて、オイルに作用する外気の表面張力等の圧力がバラ
ンスする位置に位置する。
【0021】上部ラジアル軸受部22に保持されるオイ
ルが長期間にわたる使用によって減少した場合には、第
1のテーパ状シールS1側のオイルと空気との気液界面
と第2のテーパ状シールS2側のオイルと空気との気液
界面とに作用する空気の表面張力による圧力が等しくな
るよう作用し、これら気液界面がそれぞれ上部ラジアル
軸受部22側へ移動する。従って、第1及び第2のテー
パ状シールS1,S2に保持されていたオイルが、上部
ラジアル軸受部22に補充される。
【0022】スラストプレート4の上面とこれと軸線方
向に対向するスリーブ10の段部の下面との間には、下
部ラジアル軸受部に連続してオイルが保持されると共
に、スラストプレート4の上面に動圧発生用溝26aと
してポンプイン型のスパイラル溝が形成されて上部スラ
スト軸受部26が構成される。
【0023】また、スラストプレート4の下面とこれと
軸線方向に対向するカウンタプレート12との間にはオ
イルが保持されると共に、スラストプレート4の下面に
は、動圧発生用溝28aとして、上部スラスト軸受部2
6と同様にポンプイン型のスパイラル溝28aが形成さ
れて下部スラスト軸受部28が構成される。
【0024】モータの回転時には、スパイラル溝によっ
て、上部及び下部スラスト軸受部26及び28に保持さ
れたオイルに半径方向内方に向かって圧力が高くなるよ
う作用する動圧が発生する。
【0025】上部スラスト軸受部26に保持されるオイ
ルには、モータの回転時にスパイラル溝によって半径方
向内方に作用する動圧が発生するが、スラストプレート
4の回転中心側にはシャフト2が位置するため、スパイ
ラル溝によるオイルに対する半径方向内方への作用は、
このシャフト2によって阻止される。しかしながら、上
部スラスト軸受部26に隣接する下部ラジアル軸受部2
4には、軸線方向下端部近傍において圧力ピークが発生
するよう軸線方向にアンバランスなヘリングボーン溝が
形成されていると共に、下部ラジアル軸受部24と上部
スラスト軸受部26との間には連続してオイルが保持さ
れていることから、これら下部ラジアル軸受部24と上
部スラスト軸受部26との境界部近傍において、オイル
に作用する動圧の圧力ピークが発生する。従って、下部
ラジアル軸受部24と上部スラスト軸受部26とは、協
働して回転シャフト部12を支持するために必要な動圧
を発生する。
【0026】また、下部スラスト軸受部28において
は、スパイラル溝によるオイルに対する半径方向内方へ
の作用によってシャフト2の軸芯近傍においてオイルに
作用する動圧の圧力ピークが発生し、その分布形状は概
ね軸心に関して対称である。
【0027】上部及び下部スラスト軸受部26,28に
形成される動圧発生用溝26a,28aをスパイラル溝
とすることで、オイルの粘性に起因する抵抗が小さくな
るとともに、スラスト軸受部の動圧発生用溝をヘリング
ボーン溝とする場合に比べて、スラストプレート4を小
径化することができるため、モータの回転時に生じる損
失(回転負荷の増加)を抑制し、モータの消費電力を少
なくすることができる。
【0028】更に、図2においてより詳細に図示される
ように、スラストプレート4の外周面には、上部スラス
ト軸受部26を構成するスラストプレート4の上面側か
らスラストプレート4の厚み方向(軸線方向)中央部に
向かってスリーブ10に設けられた段部の内周面との間
に規定される半径方向の間隙の間隙寸法が拡大するテー
パ状の傾斜面と下部スラスト軸受部28を構成するスラ
ストプレート4の下面側からスラストプレート4の厚み
方向(軸線方向)中央部に向かってスリーブ10に設け
られた段部の内周面との間に規定される半径方向の間隙
の間隙寸法が拡大するテーパ状の傾斜面とから構成され
る断面形状が略V字状の第3の環状溝4aが設けられて
いる。これら第3の環状溝4aを規定する一対の傾斜面
は、それぞれスラストプレート4の上面及び下面側から
スラストプレート4の厚み方向の略中央部に向かって実
質的に同一の傾斜角をもって傾斜している。
【0029】スリーブ10には、スリーブ10の段部の
内周面及びスリーブ10の外周面に開口するよう半径方
向に延設される複数の第2の通気孔10bが設けられて
おり、各第2の通気孔10bは、ブラケット16に設け
られた環状の円筒壁16aの内周面に全周にわたって形
成された環状凹溝16a1によって連結されている。ま
た、この環状凹溝16a1に連続するようにスリーブ1
0の外周面の一部には軸線方向の切欠き10b1が設け
られており、これら切欠き10b1、環状凹溝16a1
及び第2の通気孔10bを通じて、第3の環状溝4aと
スリーブ10に設けられた段部の内周面との間に規定さ
れる一対のテーパ状の空間内に外気が取り入れられ保持
されている。上部スラスト軸受部26及び下部スラスト
軸受部28に保持されるオイルと外気との気液界面は、
この第3の環状溝4aとスリーブ10の段部の内周面と
の間に規定される一対のテーパ状の空間において、オイ
ルに作用する外気の表面張力等の圧力がバランスする位
置に形成される。すなわち、第3の環状溝4aとスリー
ブ10の段部の内周面との間に規定される一対のテーパ
状の空間は、それぞれ第4のテーパ状シールS4及び第
5のテーパ状シールS5とを規定する。
【0030】上記のようにスラストプレート4の外周面
に設けられた第3の環状溝4aは、実質的に同一の傾斜
角を有する一対の傾斜面から構成されるので、第4及び
第5のテーパ状シールS4,S5も実質的に同一のテー
パ角及びシール長(シール機能を発揮する領域の寸法)
を有している。また、上部スラスト軸受部26に連続し
てオイルが保持される下部ラジアル軸受部に保持される
オイルの端部である、第3のテーパ状シールS3は、第
4並びに第5のテーパ状シールS4,S5内に保持され
るオイルとオイルの内部圧力が等しくなるようバランス
可能な形状を有する。従って、スラストプレート4の外
周部に保持されるオイルは、スラストプレート4の厚み
方向略中央部を介して実質的に均等となるよう分離され
ており、そのため下部ラジアル軸受部24、上部スラス
ト軸受部26並びに下部スラスト軸受部28に保持され
るオイルのバッファオイルとして機能するオイルの量に
アンバランスが生じることはない。
【0031】尚、上部ラジアル軸受部22に保持される
オイルの気液界面が位置する第1のテーパ状シールS1
及び第2のテーパ状シールS2の形状は、上部ラジアル
軸受部22に保持されるオイルの量を勘案し、下部ラジ
アル軸受部24、上部及び下部スラスト軸受部26,2
8における軸受部に保持されるオイルに対するバッファ
オイルが実質的に同等となるよう設定される。これによ
り、スピンドルモータにおける各軸受部で保持されるオ
イルの量に対するバッファオイルの量が実質的に等しく
なり、蒸発等によってオイルが減少した場合の各軸受部
間での減少率も実質的に等しくなる。よって、一部の軸
受部のみバッファオイルとして機能する、テーパ状シー
ル内に保持されるオイルの量が少なくなり、早期に枯渇
するといった軸受としての耐久性及び信頼性を低下させ
る問題の発生が防止される。
【0032】この場合のテーパ状シールを構成する各傾
斜面の傾斜角は、軸受部の寸法、軸受を構成するシャフ
トやスリーブといった部材の材質、軸受部に保持される
オイルの量や粘性等を考慮し、適宜選択可能であるが、
概ね5度乃至50度、好ましくは15度から40度の範
囲に設定するのが良い。
【0033】以上、本発明のスピンドルモータの実施形
態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定
されるものではなく、発明の範囲を逸脱することなく種
々の変形乃至修正が可能である。
【0034】例えば上記実施形態におけるスピンドルモ
ータでは、スラストプレート4の外周部に形成される第
4及び第5のテーパ状シールS4,S5に外気を取り込
むために設けられた第2の通気孔10bを回転軸芯に対
して180度対向する位置に一対もうけた構成を有して
いるが、第2の通気孔は第4及び第5のテーパ状シール
S4,S5に外気を取り込むことが可能となるよう、少
なくとも1つ形成されていればよく、また2つ以上形成
することも可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明のスピンドルモータでは、各軸受
部に保持されるオイルの量に対するバッファオイルの量
が実質的に等しくなり、モータの回転を所望の期間安定
して支持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピンドルモータの実施形態を示
す断面図である。
【図2】図1に図示されるスピンドルモータにおけるス
ラストプレートまわりの構成を拡大してしめす、拡大部
分断面図である。
【符号の説明】
2 シャフト 4 スラストプレート 10 スリーブ 10a,10b 通気孔 12 カウンタプレート(キャップ) 22,24 ラジアル軸受部 26,28 スラスト軸受部 22a,24a,26a,28a 動圧発生溝 S1,S2,S3,S4,S5 テーパ状シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 29/00 H02K 29/00 Z Fターム(参考) 3J011 AA04 AA07 BA05 BA06 CA03 5H019 AA00 AA06 CC04 FF03 5H605 AA05 BB05 BB19 CC04 EB03 EB17 EB28 5H607 AA00 AA04 BB01 BB07 BB17 CC01 GG03 GG12 GG15 5H621 HH01 JK19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、該シャフトの先端部外周面
    から半径方向外方に突設される円板状のスラストプレー
    トと、前記シャフトが挿通される貫通孔並びに前記スラ
    ストプレートを収納する段部とを有する円筒状のスリー
    ブと、該スリーブの貫通孔の一方開口を閉塞し前記スラ
    ストプレートと軸線方向に対向するキャップとを備えた
    スピンドルモータであって、 前記シャフト並びに前記スラストプレートと前記貫通孔
    及び前記段部並びに前記キャップとの間には、オイルが
    保持される微小間隙が規定され、 前記シャフトと前記貫通孔との間には、少なくとも1つ
    のラジアル動圧軸受部が構成され、 前記スラストプレートと前記段部との間には、一方のス
    ラスト動圧軸受が前記ラジアル動圧軸受に隣接して構成
    され、 前記スラストプレートと前記キャップとの間には、他方
    のスラスト動圧軸受が構成されており、 前記ラジアル動圧軸受と前記一方のスラスト動圧軸受と
    の間には前記オイルが途切れることなく連続して保持さ
    れており、前記ラジアル動圧軸受には、前記オイルを前
    記一方のスラスト動圧軸受側へとポンピングするよう、
    軸線方向にアンバランスな形状のヘリングボーン溝が動
    圧発生溝として形成され、また前記一方のスラスト動圧
    軸受には、前記オイルを前記ラジアル動圧軸受側にポン
    ピングするようポンプインタイプのスパイラル溝が動圧
    発生溝として形成され、 前記他方のスラスト動圧軸受には、前記オイルを前記シ
    ャフトの軸芯方向へとポンピングするようポンプインタ
    イプのスパイラル溝が形成され、 前記ラジアル動圧軸受の前記一方のスラスト動圧軸受側
    とは反対側の端部には、前記シャフトと前記貫通孔との
    間に規定される微小間隙の間隙寸法が、前記ラジアル動
    圧軸受から離間するにつれて漸次拡大し且つ外気に連通
    可能な空気が保持されるテーパ状シールが形成されてお
    り、 前記スラストプレートの外周面には、該外周面と半径方
    向に対向する前記段部の内周面との間に規定される間隙
    の間隙寸法が、前記一方及び他方のスラスト動圧軸受側
    から前記スラストプレートの厚み方向略中央部に向かっ
    て拡大するよう相互に対向する一対の傾斜面が設けら
    れ、該一対の傾斜面によって該段部の内周面との間に外
    気と連通可能な空気が保持される一対のテーパ状シール
    が形成されており、前記一方のスラスト動圧軸受と前記
    他方のスラスト動圧軸受とにそれぞれ保持される前記オ
    イルは、該一対のテーパ状シールに保持される空気によ
    って分離され、 前記スリーブには、前記一対のテーパ状シールに保持さ
    れる空気が外気と連通可能となるよう、前記段部の内周
    面に開口し外気に連通するよう半径方向に延設される連
    通孔が形成されている、ことを特徴とするスピンドルモ
    ータ。
JP2001073849A 2001-03-15 2001-03-15 スピンドルモータ Pending JP2002276661A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073849A JP2002276661A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 スピンドルモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073849A JP2002276661A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 スピンドルモータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002276661A true JP2002276661A (ja) 2002-09-25

Family

ID=18931216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001073849A Pending JP2002276661A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 スピンドルモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002276661A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5658080A (en) Motor with a hydro-dynamic bearing
JP3955949B2 (ja) スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置
JP3665549B2 (ja) スラスト動圧軸受及びこれを備えたスピンドルモータ
US20030197438A1 (en) Spindle motor, and disk drive utilizing the spindle motor
JP4056416B2 (ja) 動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置
US20060002638A1 (en) Fixed shaft type fluid dynamic bearing motor
US6888278B2 (en) Spindle motor and disk drive utilizing the spindle motor
JP2004019705A (ja) スピンドルモータ及びこれを備えたディスク駆動装置
KR100811201B1 (ko) 유체동압베어링모터
US7350975B2 (en) Hydrodynamic bearing device and spindle motor
JP2004270820A (ja) 流体動圧軸受、スピンドルモータ及び記録ディスクドライブ装置
JP2008051133A (ja) 軸受ユニットおよびこれを用いたモータ
JP2002276661A (ja) スピンドルモータ
JP3549367B2 (ja) 動圧流体軸受装置及び電動機
JP4121144B2 (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP2003074543A (ja) 動圧流体軸受装置及びこれを備えたモータ
US20080279492A1 (en) Fluid Dynamic Bearing Mechanism
JP2002310146A (ja) スピンドルモータ
JP4617606B2 (ja) 動圧軸受モータ
JP3745675B2 (ja) 動圧軸受装置およびこの装置を備えたモータ、並びにこのモータを用いたディスク装置
JP2003158861A (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP3878838B2 (ja) 動圧軸受及びこれを備えたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを有するディスク駆動装置
JP3699378B2 (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP3828458B2 (ja) 動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置
JP3558728B2 (ja) 動圧流体軸受を備えたモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050606

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060612

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060615

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20060811

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912