JP2002276649A - 動圧型軸受ユニット - Google Patents

動圧型軸受ユニット

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JP2002276649A
JP2002276649A JP2001074308A JP2001074308A JP2002276649A JP 2002276649 A JP2002276649 A JP 2002276649A JP 2001074308 A JP2001074308 A JP 2001074308A JP 2001074308 A JP2001074308 A JP 2001074308A JP 2002276649 A JP2002276649 A JP 2002276649A
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Takatsugu Furubayashi
卓嗣 古林
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを低廉化すると共に、傾斜軸受隙
間で均一な動圧効果を得る。 【解決手段】 軸部材10の外周と軸受部材20の内周
との間に、軸方向一方側を小径に、他方側を大径にした
傾斜軸受隙間C1を形成する。軸受部材20の内周に傾
斜軸受隙間C1と対向させて複数の動圧溝42を有する
傾斜軸受面41を形成し、傾斜軸受隙間C1で生じた流
体動圧により軸部材10を非接触支持する。軸受部材2
0は、焼結金属で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸部材と軸受部材
との間の軸受隙間に生じる潤滑流体の動圧により、軸部
材をラジアル方向およびスラスト方向に非接触支持する
動圧型軸受ユニットに関するものであり、特に情報機器
用スピンドルモータのスピンドル支持用に好適な軸受ユ
ニットに関する。ここでいう「情報機器用スピンドルモ
ータ」には、例えばCD−R/RW、DVD−ROM/
RAMなどの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、
ハードディスクなどの磁気ディスクを駆動するスピンド
ルモータ、あるいはレーザビームプリンタ(LBP)や
複写機のポリゴンスキャナモータなどが含まれる。この
中でも本発明は、小型情報機器に装備される磁気ディス
クドライブ用スピンドルモータのスピンドル支持用とし
て特に優れた特性を備えるものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクドライブに代表される情報
機器用スピンドルモータのスピンドルを支持する軸受と
しては、従来、転がり軸受が一般的であったが、近年で
はこれを高回転精度・高減衰性・低騒音性等の優れた特
徴を備える動圧型軸受に置き換える事例が増えている。
動圧型軸受を使用したスピンドルモータは、従来、例え
ば図6に示す構造であり、軸部材100の外周または軸
受部材200の内周に動圧発生溝(動圧溝)を有するラ
ジアル軸受面(図示せず)を形成すると共に、軸部材1
00のフランジ部160両端面あるいはこれに対向する
面に動圧溝を有するスラスト軸受面(図示せず)を形成
することにより構成される。軸部材100を回転させる
と、ラジアル軸受面を有するラジアル軸受部400によ
って軸部材がラジアル方向で非接触支持され、スラスト
軸受面を有するスラスト軸受部500によって軸部材1
00がスラスト方向で非接触支持される。
【0003】一方、近年の磁気ディスクドライブは、デ
スクトップ型パーソナルコンピュータのみならず、デジ
タルカメラやノート型パーソナルコンピュータ等にもリ
ムーバブルメディアとして使用されている。このような
用途に要求される仕様は、小型・軽量であり、特にコン
パクトフラッシュ(登録商標)のサイズのメモリでは薄
型化が必須である。
【0004】しかしながら、図6に示す構造では、ラジ
アル荷重とスラスト荷重をそれぞれラジアル軸受部40
0とスラスト軸受部500で支持するため、軸受ユニッ
ト全体の軸方向寸法が大きく、スピンドルモータのさら
なる小型化・薄型化には限界がある。
【0005】このような問題点に鑑み、例えば特開平6-
315242号公報では、軸部材を円錐台状に形成し、その外
周に配した軸受部材との間に傾斜した軸受隙間(傾斜軸
受隙間)を形成すると共に、軸部材の端面とこれに対向
するスラスト板との間にスラスト軸受隙間を形成したも
のが開示されている。この場合、傾斜軸受隙間やスラス
ト軸受隙間とそれぞれ対向する面に動圧溝を有する軸受
面がそれぞれ形成される。この構造であれば、図6に示
す軸部材100のフランジ部160が不要となるので、
その分だけ軸受ユニットの軸方向寸法を小型化すること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、動圧型軸受
の軸受隙間は、一般にμmオーダーでかつ平行に形成さ
れなければならず、高度の加工精度が要求される。従来
では、軸部材や軸受部材を、ステンレス鋼や銅合金、真
鍮といった金属材料を機械加工することにより形成して
いるが、このような高度の加工精度を確保するため、加
工コストが高騰しているのが実状である。特に上記公報
記載の軸受のように、軸受隙間が傾斜している場合は、
ワークの形状が複雑化するため、この種の問題がより一
層顕在化する。加えて動圧溝もμmオーダーの深さであ
り、上記金属材料を使用しての溝加工は、機械加工やエ
ッチング等により別工程で行わざるを得ず、さらなる加
工コストの上昇を招く。
【0007】また、上記公報記載の軸受では、回転部材
が回転すると、遠心ポンプ作用によって傾斜軸受隙間中
の潤滑油が大径側に押し込まれる。そのため、傾斜軸受
隙間の小径側で油不足を生じ、十分な動圧効果が得られ
ないおそれがある。
【0008】そこで、本発明は、製造コストを低廉化で
き、かつ傾斜軸受隙間で均一な動圧効果を発生させるこ
とのできる動圧型軸受ユニットの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のため、
本発明では、軸部材と、軸部材の外周に配置した軸受部
材と、軸部材の外周と軸受部材の内周との間に形成さ
れ、軸方向一方側で小径に、他方側で大径に形成された
傾斜軸受隙間とを有し、傾斜軸受隙間で生じた流体動圧
により軸部材を非接触支持する動圧型軸受ユニットにお
いて、軸受部材を焼結金属で形成した。
【0010】軸受部材を焼結金属で形成することによ
り、軸受部材の成形は焼結金属を押型に入れて圧力を加
える、いわゆる圧縮成形により高精度に成形することが
可能となる。従って、機械加工する場合に比べて軸受部
材を低コストに成形することができ、軸受ユニットの製
造コストが低廉化する。
【0011】また、焼結金属は多孔質材料であるから、
気孔に油等の潤滑剤を保持できる。気孔に保持された潤
滑剤は軸受の運転に伴う圧力発生や熱膨張によって軸受
部材の表面に滲み出す。そのため、遠心ポンプ作用で傾
斜軸受隙間の大径側に潤滑剤が押し込まれた場合でも小
径側に潤滑剤の不足分を補充することができる。従っ
て、傾斜軸受隙間の全域で安定して油膜を形成すること
ができ、傾斜軸受隙間での動圧効果を高めることが可能
となる。
【0012】この場合、軸部材の外周、または軸受部材
の内周のうち何れか一方に、傾斜軸受隙間と対向させて
複数の動圧溝を有する傾斜軸受面を形成することによ
り、傾斜軸受隙間で潤滑剤の流体動圧を発生させること
ができる。軸受部材の内周に傾斜軸受面を形成した場
合、一般には動圧溝の加工が困難となるが、上述のよう
に軸受部材を焼結金属製とすることにより、圧縮成形に
際して傾斜軸受面の動圧溝形状に対応した成形型を焼結
金属の内周に配置し、焼結金属を圧迫して成形型を焼結
金属の内周に押し当てることにより、高精度の動圧溝が
低コストに得られる。
【0013】傾斜軸受面の動圧溝としては、ヘリングボ
ーン型に配列したものや、軸方向の直線状として円周方
向の複数箇所に配列したもの等が使用できる。
【0014】軸部材の外周、または軸受部材の内周のう
ち何れか一方に、傾斜軸受隙間と対向させて断面非真円
の傾斜軸受面を形成することにより、軸受の運転中に傾
斜軸受隙間に複数のくさび形潤滑膜が形成されるため、
上記動圧溝と同様の動圧効果により軸部材を非接触支持
することができる。
【0015】この場合、断面非真円の傾斜軸受面は、例
えば調和波形からなる波状面に形成することができる。
【0016】軸部材の端面とスラスト軸受隙間を介して
対向するスラスト支持面を有する動圧型軸受ユニット
は、スラスト軸受隙間に発生した流体動圧で軸部材に浮
上力を付与し、軸部材をスラスト方向で非接触支持する
ことができる。
【0017】この場合、軸部材の端面、またはスラスト
支持面のうち何れか一方に複数の動圧溝を有するスラス
ト軸受面が形成される。スラスト軸受面の動圧溝は、例
えばヘリングボーン型やスパイラル型に配列することが
できる。
【0018】上記各構成の動圧型軸受ユニットで情報機
器用スピンドルモータのスピンドルを支持することによ
り、高回転精度で薄型のスピンドルモータを提供するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜
図5に基づいて説明する。
【0020】図1は、情報機器用スピンドルモータの一
例として、ハードディスク(HDD)用スピンドルモー
タを例示している。このスピンドルモータは、軸部材1
0を回転自在に支持する軸受ユニット1と、軸部材10
に取り付けられ、磁気ディスク2を一枚(または複数
枚)保持するディスクハブ3と、ギャップを介して対向
させたステータ4およびモータロータ5とを有する。ス
テータ4は、円筒状のケーシング6外周に取り付けら
れ、ロータ5はディスクハブ3の内周面に取り付けられ
ている。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータ
5との間の励磁力でロータ5が回転し、ディスクハブ3
および軸部材10が回転する。
【0021】軸受ユニット1を他の情報機器用スピンド
ルモータ、例えば光ディスクドライブあるいは光磁気デ
ィスクのスピンドルモータに使用する場合は、これらの
ディスクを支持固定するターンテーブル(図示省略)が
軸部材10に固定され、LBPのポリゴンスキャナモー
タに使用する場合は、ポリゴンミラー(図示省略)が軸
部材10に固定される。
【0022】軸受ユニット1は、スピンドルとなる軸部
材10と、軸部材10の外周側に配置した軸受部材20
と、軸受部材20の一端開口部を封口する閉塞部材30
とを主な構成要素とする。図1の実施形態では、軸受部
材20および閉塞部材30がそれぞれケーシング6の内
周に固定されている。ケーシング6を省略し、軸受部材
20の外周に直接ステータ4を装着したり、閉塞部材3
0を軸受部材20の内周に直接固定してもよい。
【0023】なお、以下の説明では、軸受部材20の一
端側(閉塞部材30によって封口されている側:図面下
方)を「封口側」、その反対側(図面上方)を「反封口
側」と呼ぶ。
【0024】軸部材10は、機械加工性や耐摩耗性に優
れる金属材料、例えばステンレス鋼等で形成される。軸
部材10には、軸方向の一方側(本実施形態では封口
側)を大径に、他方側を小径にした円錐台状の円錐部1
1が設けられ、この円錐部11の反封口側に円筒状の円
筒部12が一体形成されている。軸部材10の円筒部1
2をディスクハブ3の内周に圧入等で固定することによ
り、ディスクハブ3と軸部材10が一体化されている。
【0025】閉塞部材30は銅合金や真鍮等の金属材料
で板状に形成される。この閉塞部材30の反封口側の端
面31は、軸部材10の端面13との対向位置にあり、
回転時にスラスト荷重を支持するスラスト支持面として
機能する。
【0026】軸受部材20は、焼結金属に潤滑油あるい
は潤滑グリースを含浸させて気孔内に油を保有させた含
油焼結金属によって形成される。焼結金属としては、例
えば銅系、あるいは鉄系、またはその双方を主成分とす
るものが使用でき、望ましくは銅を20〜95%使用し
て形成される。
【0027】軸受部材20の内周面21は、軸部材10
の円錐部11の外周形状に対応したテーパ面状に形成さ
れる。この軸受部材20のテーパ面21と軸部材10の
円錐部11の外周面とは互いに平行に形成されており、
これより軸受部材20の内周と軸部材10の円錐部11
の外周との間には、軸方向の一方側(本実施形態では封
口側)を大径とし、他方側を小径とした傾斜軸受隙間C
1が形成される。なお、傾斜軸受隙間C1の隙間幅はそ
の全域で均一である。
【0028】軸受部材20のテーパ面21には、複数の
動圧溝42を有する傾斜軸受面41が形成される。図2
は、テーパ面21の軸方向二箇所に形成した傾斜軸受面
41を例示するもので、この傾斜軸受面41には、それ
ぞれμmオーダーの深さでヘリングボーン型に配列した
動圧溝42が形成されている。
【0029】このように焼結金属製の軸受部材20の内
周に傾斜軸受面41を形成する場合、動圧溝42は、圧
縮成形、すなわち焼結金属の内周に、外周面に傾斜軸受
面41の動圧溝形状に対応した溝型を有する成形型(コ
アロッド等)を配置し、その状態で焼結金属を圧迫し
て、焼結金属の内周に溝型形状に対応した動圧溝を転写
することにより、低コストにかつ高精度に成形すること
ができる。この場合、焼結金属の成形型からの脱型は、
圧迫力を解除することによる焼結金属のスプリングバッ
クを利用して簡単に行える。脱型後の焼結金属に潤滑油
や潤滑グリース等の潤滑剤を含浸して内部の気孔に油を
保有させることにより、軸受部材20が得られる。
【0030】図1に示すように、軸部材10の封口側端
面13と、これに対向する閉塞部材30の端面(スラス
ト支持面31)との間には、スラスト軸受隙間C2が形
成される。このスラスト軸受隙間C2に面するスラスト
支持面31には、μmオーダーの深さで複数の動圧溝5
2を有するスラスト軸受面51が形成される。スラスト
軸受面51の動圧溝形状は任意に定めることができ、例
えばヘリングボーン型やスパイラル型等が使用可能であ
る。
【0031】以上の構成において、軸部材10と軸受部
材20とを相対回転させると(本実施形態では軸部材1
0を回転させると)、傾斜軸受隙間C1に存在するμm
オーダーの厚みの油膜が流体潤滑的な動圧効果を発揮
し、図3に示すように軸部材10に対して水平方向(ラ
ジアル方向)の分力Frと垂直方向(スラスト方向)の
分力Ftが作用する。同時にスラスト軸受隙間C2に存
在する油膜による動圧効果により軸部材10に浮上力が
作用する。水平方向の分力Frによって軸部材10と軸
受部材20が互いに離間され、これにより軸部材10が
ラジアル方向で非接触支持される。同時に鉛直下向きの
部力Ftと軸部材10の重力(ディスクハブ3等の自重
も含む)の合計がスラスト軸受隙間C2で生じる浮上力
と釣り合い、軸部材10がスラスト方向で非接触支持さ
れる。以上より、軸部材10を含む軸系が回転自在に非
接触支持される。
【0032】本発明では、上述のように軸受部材20を
焼結金属で形成している。焼結金属は、ステンレス鋼や
銅合金、真鍮といった従来の素材に比べて塑性変形させ
やすいので、テーパ面21を有する軸受部材20を精度
よく低コストに成形することができる。特に図2に示す
ように、テーパ面21に動圧溝付きの傾斜軸受面41を
形成する場合、上述のように傾斜軸受面41を圧縮成形
できるので、機械加工やエッチングで動圧溝を加工せざ
るを得なかった従来品に比べ、製造コストを大幅に低廉
化することができる。
【0033】また、焼結金属は多孔質材料であり、軸受
の運転中は、内部の油が熱膨張や圧力の発生等によって
常時表面から滲み出すので、軸受隙間C1,C2で安定
して油膜を形成することができる。従って、軸部材10
の回転に伴う遠心ポンプ作用で傾斜軸受隙間C1の大径
側に油が押し込まれた場合でも、軸受部材20から滲み
出した油が潤滑不足となる傾斜軸受隙間C1の小径側に
速やかに補充されるため、傾斜軸受隙間C1の全域で確
実に油膜を形成することができ、安定した動圧効果が得
られる。
【0034】さらに、油は軸受部材20の内部と軸受隙
間C1,C2の間で循環するため、せん断による油の劣
化を抑制することができ、軸受寿命の向上が図られる。
【0035】図2では、軸受部材20の傾斜軸受面41
にヘリングボーン型の動圧溝42を形成しているが、動
圧溝42を、図4に示すように軸方向の直線状(軸方向
平面に配置した直線状)として、これを円周方向の複数
箇所に等間隔に配列することもできる。
【0036】傾斜軸受面41は、上記のような動圧溝4
2,52付きとする他、その半径方向断面の輪郭線を非
真円形状としてもよい(非真円軸受)。図5はその一例
として軸受部材20内周の傾斜軸受面41を調和波形か
らなる波状面に形成したものであり、この場合、非真円
の傾斜軸受面41に対向する軸部材10の円錐部11外
周は真円状に形成される。
【0037】この場合の傾斜軸受隙間C1の幅hは、偏
心がない場合(軸心O)には次式によって近似的に表さ
れる。
【0038】h=c+aw・cos(Nw・θ) 但し、上式において、c、aw、Nwは定数で、cは平
均軸受半径隙間、awは波の振幅、θは円周方向の位
相、Nwは波数を表す(但し、Nw≧2とする。本実施
形態ではNw=3である)。
【0039】この非真円の傾斜軸受面41では、軸受の
運転時に円周方向の複数箇所でくさび形流体膜が形成さ
れるため、流体潤滑的な動圧が発生し、図2および図4
に示す動圧溝42付きの傾斜軸受面41の場合と同様
に、軸部材10を含む軸系を回転自在に非接触支持する
ことができる。図面では、軸部材10と軸受部材20の
軸心Oを同軸にしているが、軸部材10を軸心O’に偏
心させて使用することもできる。
【0040】このように軸受部材20に非真円の傾斜軸
受面41を形成する場合、傾斜軸受面41は、上記と同
様の圧縮成形により成形することができる。すなわち焼
結金属の内周に非真円形状に対応した成形型を配置した
後、焼結金属を圧迫して塑性変形させることにより、傾
斜軸受面41の全領域を非真円形状も含めて同時成形す
ることができる。これにより、傾斜軸受面41の後加工
を不要にして加工工数を削減し、高い成形精度で安定し
た品質の製品を大量生産することが可能となり、製造コ
ストの大幅な抑制が図られる。
【0041】以上の説明では軸受部材20内周のテーパ
面21に傾斜軸受面41を形成する場合を例示したが、
上述した各種の傾斜軸受面41を軸部材10の円錐部1
1外周に形成しても同様の動圧効果が得られる。また、
以上の説明では、スラスト軸受面51をスラスト支持面
31に形成しているが、これをスラスト支持面31と対
向する軸部材10の端面13に形成しても同様の動圧効
果が得られる。また、傾斜軸受隙間C1は、図1および
図2と傾斜方向を逆にし、封口側を小径に、反封口側を
大径に形成してもよい。
【0042】以上に説明した軸受ユニットを情報機器用
スピンドルモータ、例えば図1に示すHDD用ディスク
ドライブモータに使用することにより、ディスクに対す
る読み取り精度や書き込み精度を害することなく、スピ
ンドルモータの薄型化を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、軸方向寸法を小さくし
た小型の動圧型軸受ユニットを安価に提供することがで
きるので、HDD等の情報機器用スピンドルモータの薄
型化も容易に実現できる。また、傾斜軸受隙間の全域で
安定した動圧効果が得られるので、高い回転精度を確保
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる動圧型軸受ユニットの軸方向の
断面図である。
【図2】図1に示す動圧型軸受ユニットの要部拡大断面
図である。
【図3】傾斜軸受隙間での動圧効果を説明する概略断面
図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す軸方向の断面図で
ある。
【図5】本発明の他の実施形態を示す半径方向の断面図
である。
【図6】従来の動圧型軸受ユニットを示す軸方向の断面
図である。
【符号の説明】
10 軸部材 11 円錐部 13 端面 20 軸受部材 21 テーパ面 31 スラスト支持面 41 傾斜軸受面 42 動圧溝 51 スラスト軸受面 52 動圧溝 C1 傾斜軸受隙間 C2 スラスト軸受隙間

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材と、軸部材の外周に配置した軸受
    部材と、軸部材の外周と軸受部材の内周との間に形成さ
    れ、軸方向一方側で小径に、他方側で大径に形成された
    傾斜軸受隙間とを有し、傾斜軸受隙間で生じた流体動圧
    により軸部材を非接触支持する動圧型軸受ユニットにお
    いて、 軸受部材を焼結金属で形成したことを特徴とする動圧型
    軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 軸部材の外周、または軸受部材の内周の
    うち何れか一方に、傾斜軸受隙間と対向させて複数の動
    圧溝を有する傾斜軸受面を形成した請求項1記載の動圧
    型軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 動圧溝をヘリングボーン型に配列した請
    求項2記載の動圧型軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 動圧溝を軸方向の直線状として円周方向
    の複数箇所に配列した請求項2記載の動圧型軸受ユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 軸部材の外周、または軸受部材の内周の
    うち何れか一方に、傾斜軸受隙間と対向させて断面非真
    円の傾斜軸受面を形成した請求項1記載の動圧型軸受ユ
    ニット。
  6. 【請求項6】 断面非真円の傾斜軸受面を調和波形から
    なる波状面に形成した請求項5記載の動圧型軸受ユニッ
    ト。
  7. 【請求項7】 さらに、軸部材の端面とスラスト軸受隙
    間を介して対向するスラスト支持面を有する請求項1〜
    6何れか記載の動圧型軸受ユニット。
  8. 【請求項8】 軸部材の端面、またはスラスト支持面の
    うち何れか一方に複数の動圧溝を有するスラスト軸受面
    を形成した請求項7記載の動圧型軸受ユニット。
  9. 【請求項9】 スラスト軸受面の動圧溝をヘリングボー
    ン型に配列した請求項8記載の動圧型軸受ユニット。
  10. 【請求項10】 スラスト軸受面の動圧溝をスパイラル
    型に配列した請求項8記載の動圧型軸受ユニット。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10何れか記載の動圧型軸
    受ユニットでスピンドルを支持した情報機器用スピンド
    ルモータ。
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