JP2002275240A - エポキシ系樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ系樹脂組成物及び半導体装置Info
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Abstract
性、および成形時の充填性がすぐれたエポキシ樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
材(C)を含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記
充填材(C)の割合が樹脂組成物全体の88〜96重量
%であり、かつエポキシ樹脂(A)が下記化学式(I)
で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)及び
下記化学式(II)で表されるテトラメチルビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂(b)を含有することを特徴とする
エポキシ系樹脂組成物。
Description
及び成形性に優れ、特に半導体封止用として好適なエポ
キシ系樹脂組成物に関するものである。
性および接着性などに優れており、さらに配合処方によ
り種々の特性が付加できるため、塗料、接着剤、電気絶
縁材料など工業材料として利用されている。
封止方法として、従来より金属やセラミックスによるハ
ーメッチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されてお
り、一般にこのような封止に使用される樹脂を封止材樹
脂と呼んでいる。その中でも、経済性、生産性、物性の
バランスの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が最も盛
んに行われている。そして、エポキシ樹脂による封止方
法は、エポキシ樹脂に硬化剤、充填材などを添加した組
成物を用い、半導体素子を金型にセットしてトランスフ
ァー成型法などにより封止する方法が一般的に行われて
いる。
ージの実装において高密度化、自動化が進められてお
り、従来のリードピンを基板の穴に挿入する“挿入実装
法式”に代わり、基板表面に半導体装置パッケージを半
田付けする“表面実装方式”が盛んになってきた。それ
に伴い、半導体装置パッケージも従来のDIP(デュア
ル・インライン・パッケージ)から、高密度実装・表面
実装に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック・
パッケージ)に移行しつつある。その中でも最近では、
微細加工技術の進歩により、厚さ2mm以下のTSO
P、TQFP、LQFPが主流となりつつある。そのた
め湿度や温度など外部からの影響をいっそう受けやすく
なり、半田耐熱性、高温信頼性、耐熱信頼性などの信頼
性が今後ますます重要となってくる。
よる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体
装置パッケージを乗せ、これらを200℃以上の高温に
さらし、基板にあらかじめつけられた半田を溶融させて
半導体装置パッケージを基板表面に接着させる。このよ
うな実装方法では半導体装置パッケージ全体が高温にさ
らされるため封止樹脂の吸湿性が高いと封止樹脂と半導
体チップ、あるいは封止樹脂とリードフレームの間の剥
がれが生じたり、吸湿した水分が半田リフロー時に爆発
的に膨張してクラックが生じるという現象が起こる。ま
た薄型パッケージの場合、銀ペースト層が吸湿してリフ
ロー時にシリコンチップまたはリードフレームとの界面
から剥離し、パッケージ底部が押し下げられてパッケー
ジ底部が膨らむ現象(膨れ特性)が起こり問題になって
いる。更に、近年では環境保護の点から鉛を含んでいな
い鉛フリー半田の使用が進んでいる。鉛フリー半田は融
点が高く、そのためリフロー温度も上がることになりこ
れまで以上の耐リフロー信頼性が求められている。
は封止樹脂組成物中の充填材の割合を上げることが有効
であることが知られていた。封止樹脂組成物中の樹脂成
分を減らすことにより吸湿性が低下するからである。し
かしながら、封止樹脂組成物中の充填材の割合をあまり
大きくすると、硬化物の弾性率が増大することに起因す
る応力の増大により半導体部材との密着性が悪化し、リ
フロー時に剥離が発生するという問題が起こってしま
う。また充填材の割合を増やすことにより流動性が悪化
し、パッケージ未充填やステージシフトなどの問題が起
こる。
段としてテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂
を配合することが提案されている(特開平8−1341
38号公報)が、さらに耐リフロー信頼性、硬化性に優
れる樹脂組成物が求められている。さらに耐リフロー信
頼性、特に密着性に優れた樹脂組成物が求められている
のような事情に鑑みてなされたものであり、より高温の
リフロー温度において、耐リフロー信頼性に優れ、成型
時の充填性に優れるエポキシ系樹脂組成物、及び該エポ
キシ系樹脂組成物で封止してなる半導体装置の提供を目
的とする。
的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。 すなわち本発明は、主として次の構成を有する。
すなわち、「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
材(C)を含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記
充填材(C)の割合が樹脂組成物全体の88〜96重量
%であり、かつエポキシ樹脂(A)が化学式(I)で表
されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)及び化学
式(II)で表されるテトラメチルビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂(b)を含有することを特徴とするエポキシ
系樹脂組成物。」である。
が下記式(I)で表されるビスフェノールF型エポキシ
樹脂(a)及び下記式(II)で表されるテトラメチルビ
スフェノールF型エポキシ樹脂(b)を必須成分として
含有することを特徴とする。
ェノールF型エポキシ樹脂(a)を含有させることによ
り粘度を下げることができ、成形性が大幅に向上する。
さらに硬化物の弾性率が向上し膨れ特性が向上するが、
エポキシ樹脂(a)の単独使用ではチップ表面の密着性
が不十分である。
テトラメチルビスフェノールF型エポキシ(b)を含有
させることにより吸湿性を低下させることができ、膨れ
特性が向上する。また、硬化物の弾性率を低下させるこ
とができ、高い密着性が得られ、さらには粘度が下げ成
形性を向上する効果も得られるが、式(II)で表される
テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)の
単独使用では硬化性が不十分である。すなわち式(I)
で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)、式
(II)で表されるテトラメチルビスフェノールF型エポ
キシ樹脂(b)をそれぞれ単独使用しても総合的に優れ
る樹脂組成物は得られない。
エポキシ樹脂(b)を併用することにより、膨れ特性、
密着性、硬化性、成形性すべてにおいて優れる樹脂組成
物を得ることができる。
脂(A)全量に対して5〜95重量%が好ましい。5%
以下であれば流動性が低下することがなく、95%以下
であればチップ表面の密着性が低下することもない。
エポキシ樹脂(a)の含有量はエポキシ樹脂(A)全量
に対して10〜90重量%がさらに好ましい。
キシ樹脂(A)全量に対して5〜95重量%が好まし
い。5%以上であれば密着性が低下することがなく、9
5%以上であれば硬化性が低下することもない。エポキ
シ樹脂(b)の含有量はエポキシ樹脂(A)全量に対し
て10〜90重量%がさらに好ましい。
に対する配合比率は重量比で10/90〜90/10が
好ましく、さらに好ましくは30/70〜70/30が
良い。
よび(b)以外のエポキシ樹脂を併用しても良い。その
他のエポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキ
シ基を有する化合物であれば特に限定されず、モノマ
ー、オリゴマー、ポリマー全般である。例えばクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビ
フェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3´,5,5´−テトラエチルビフェニル、
4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,
3´,5,5´−テトラブチルビフェニルなどのビフェ
ニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、トリフェノール型エポキシ樹脂、ジシク
ロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェニルメ
タン型エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂な
どが挙げられる。その他のエポキシ樹脂として2種以上
用いても良い。
脂組成物全体に対して通常0.5〜15重量%、特に1
〜10重量%が好ましい。
樹脂(A)と反応して硬化させるものであれば特に限定
されず、それらの具体例としては、例えばフェノールノ
ボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラッ
クなどのノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹
脂、、ビフェニル骨格含有フェノールアラルキル樹脂、
ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、、ナフ
トールアラルキル樹脂、ビスフェノールAなどのビスフ
ェノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水
ピロメリット酸などの酸無水物およびメタフェニレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげられこれらを
単独で用いても、2種以上の硬化剤を併用しても良い。
硬化剤(B)の溶融粘度はICI(150℃)粘度で6
Pa・s以下、さらには4Pa・s以下のものが特に好
ましく使用される。
から下記化学式(III)で表されるフェノールアラルキ
ル樹脂が特に好ましく使用される。
物全体に対して通常0.5〜10重量%、特に1〜6重
量%が好ましい。さらにはエポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の配合比機械的性質、及び耐湿性も点からエポキ
シ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の化学当量比が0.
5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲にあることが好
ましい。
と硬化剤(B)の硬化反応を促進するため硬化触媒を用
いても良い。硬化触媒は硬化反応を促進するものであれ
ば特に限定されず、たとえば2−メチルイミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルメチ
ルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7などの3級アミン化合物、ジルコニウムテトラメト
キシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラキス
(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ(アセチル
アセトナト)アルミニウムなどの有機金属化合物および
トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリ
エチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−
メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)
ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物があげられる。
なかでも信頼性および成形性の点から有機ホスフィン化
合物が好ましく、トリフェニルホスフィンが特に好まし
く用いられる。
以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
が望ましい。
機充填材が好ましく、具体的には非晶性シリカ、結晶性
シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミ
ナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、
酸化チタンや酸化アンチモンなどの金属酸化物、アスベ
スト、ガラス繊維およびガラス球などが挙げられるが、
中でも非晶性シリカは線膨脹係数を低下させる効果が大
きく、低応力化に有効ななため好ましく用いられる。形
状としては、破砕状のものや球状のものが用いられ、流
動性の点から球状のものが好ましく使用される。
比重が2.3以下のものを意味する。この非晶性シリカ
の製造においては石英を溶融して製造される(溶融シリ
カ)のが一般的であるが必ずしも溶融状態を経る必要は
なく、公知の任意の製造方法を用いることができ、例え
ば結晶性シリカを溶融する方法および金属ケイ素の酸化
による方法、アルコキシシランの加水分解など、各種原
料からの合成方法が使用できる。
特に限定はないが、流動性、成形時のバリ低減の点か
ら、平均粒径(メディアン径を意味する。以下同じ。)
が5〜30μmの範囲にあることが特に好ましい。ま
た、平均粒径または粒度分布の異なる充填材を2種以上
組み合わせることもできる。
樹脂組成物に対して88〜96重量%であることが必要
である。充填剤(C)の含有量が88重量%未満である
と封止樹脂の吸湿性が増加する傾向があり、また良好な
耐リフロー信頼性が得られない。また96重量%を超え
ると接着性やパッケージ充填性が低下してしまう。耐リ
フロ−性の向上のため充填剤(C)の含有量は90〜9
6重量%であることが特に好ましい。
と難燃性が高くなり、従来使用されていた難燃剤を使用
しなくても難燃性を維持することができる。このことに
より、従来から難燃剤として使用してきたハロゲン成分
を封止材成分に添加する必要がなくなり、環境保護の点
で好ましい。
問題を回避するために、エポキシ樹脂組成物中のウラ
ン、トリウムなどα線放出物質の濃度を、極めて少な
く、具体的にはそれぞれ10ppb以下とすることが好
ましい。
ンカップリング剤などのカップリング剤を配合すること
ができる。これらのカップリング剤で充填材を、他の構
成成分とブレンドする以前に処理しておくことがより好
ましい。カップリング剤としてはシランカップリング剤
が好ましく使用され、シランカップリング剤としては、
アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基などの加水分解
性基および有機基がケイ素原子に直結したもの、および
その部分加水分解縮合物が一般的に用いられる。シラン
カップリング剤中の有機基としては、窒素原子、酸素原
子、ハロゲン原子、硫黄原子などによって置換された炭
化水素基のものが使用される。 シランカップリング剤
の具体的な例としては、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシシラン、γ−(2,3−エポキシシクロヘキシ
ル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(N−フェニル
アミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(N−フェ
ニルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ
−(N−メチルアミノプロピル)メチルジメトキシシラ
ン、γ−(N−エチルアミノ)プロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(N−エチルアミノ)プロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(N−エチルアミノ)プロピルメチルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカトプロピルメチルジメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリエチルシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシ
ランなどが挙げられる。
シ樹脂組成物全量に対して0.1〜2重量%添加するこ
とが流動性及び充填性の点で好ましい。
ように無機物の割合が高いため、難燃性が高くなり、従
来使用されていた難燃剤を使用しなくても難燃性を維持
することができる。しかし、必須成分ではないが難燃性
をさらに向上させる目的でブロム化合物を配合できる。
ブロム化合物は、通常、エポキシ樹脂組成物に難燃剤と
して添加されるものであれば、特に限定されない。 ブ
ロム化合物の好ましい具体例としては、ブロム化ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ樹脂、ブロ
ム化ポリカーボネート樹脂、ブロム化ポリスチレン樹
脂、ブロム化ポリフェニレンオキサイド樹脂、テトラブ
ロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルエーテル
などがあげられ、なかでも、ブロム化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂などのブロム化エポキシ樹脂が、成形性の点か
ら特に好ましい。
は、必須成分ではないがアンチモン化合物を配合でき
る。これは通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難燃
助剤として添加されるもので、特に限定されず、公知の
ものが使用できる。アンチモン化合物の好ましい具体例
としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸
化アンチモンがあげられる。
エポキシ樹脂組成物から発生する不要物の廃棄の容易
さ、および半導体装置の信頼性の観点からハロゲン原子
およびアンチモン原子それぞれが、エポキシ樹脂組成物
に対して0.2重量%以下が好ましい。
に挙げる各種添加剤を任意に含有することができる。カ
ーボンブラックおよび酸化鉄などの各種着色剤や各種顔
料、シリコーンゴム、オレフィン系共重合体、変性ニト
リルゴム、変性ポリブタジエンゴムなどの各種エラスト
マー、シリコーンオイル、ポリエチレンなどの各種熱可
塑性樹脂、フッ素系、シリコーン系などの界面活性剤、
長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステ
ル、長鎖脂肪酸のアミドおよびパラフィンワックスなど
の各種離型剤およびハイドロタルサイト類などのイオン
捕捉剤、有機過酸化物などの架橋剤。
を溶融混練によって製造することが好ましい。たとえば
各種原料をミキサーなどの公知の方法で混合した後、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二
軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用
いて溶融混練することにより製造される。溶融混練時の
樹脂温度としては、通常70〜150℃の範囲が使用さ
れる。
で溶融し、冷却さらに粉砕した粉末の形状、粉末を打錠
して得られるタブレットの形状、加熱混練で溶融し型内
で冷却固化したタブレットの形状、加熱混練で溶融し押
し出ししてさらに切断したペレットの形状などの状態で
使用できる。
に供され半導体装置の製造が行われる。半導体を基板に
固定した部材に対して、本発明のエポキシ樹脂組成物
を、例えば120〜250℃、好ましくは150〜20
0℃の温度で、トランスファ成形、インジェクション成
形、注型法などの方法で成形して、エポキシ樹脂組成物
の硬化物によって封止された半導体装置が製造される。
また必要に応じて追加熱処理(例えば、150〜200
℃、2〜16時間)を行うことができる。
るが、本発明はここに掲げた実施例によって限定される
ものではない。なお、実施例中の%は重量%を示す。
した成分を表2〜3に示す組成比(重量比)で、ミキサ
ーによりドライブレンドした後、ロール表面温度90℃
のミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却、
粉砕して半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を得た。
樹脂組成物について176pinLQFP(外形:24
mm×24mm×1.4mm、フレーム材料:銅)用金
型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型温度17
5℃、キュアータイム35秒の条件でパッケージを成形
した。成形時ランナー折れが発生しなかったものを○、
ランナー折れが発生したものを×とした。ここでランナ
ーとは成形時のタブレットからパッケージへの樹脂の通
り道のことをいい、ランナーの断面は2mm×1.5m
m、長さ25mmである。
られた樹脂組成物について176pinLQFP(外
形:24mm×24mm×1.4mm、フレーム材料:
銅)用金型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型
温度175℃、キュアータイム1分間の条件でパッケー
ジを成形した。なお評価用のチップとしては表面に窒化
珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チップサイズ1
0mm×10mm×0.3mmのものを用いた。上記成
形により得られた176pinLQFPのパッケージ1
0個を180℃、6時間の条件でポストキュアーした
後、85℃/60%RHで24時間加湿した。これを温
度260℃のIRリフロー炉で10秒間加熱処理した
後、サンプルを超音波探傷機を用いて、チップ表面から
の剥離を観察した。剥離が発生した不良パッケージを除
く、良好に得られたパッケージ数を求めた。
上記成形により得られた176pinLQFPのパッケ
ージ10個を180℃、6時間の条件でポストキュアー
した後、マイクロメーターにてパッケージ中央部の厚み
I(μm)を計測した。なお、パッケージ1個につき3
回測定しその平均値を算出した。これを85℃/60%
RHで24時間加湿後、最高温度260℃のIRリフロ
ー炉で10秒間加熱処理した直後、リフロー出5秒後再
びパッケージの中央部の厚みII(μm)を計測した。厚
みIIも厚みI同様、パッケージ1個につき3回測定しそ
の平均値を算出した。さらに10個それぞれのパッケー
ジについて(厚みII(3回平均)−厚みI(3回平
均))を算出し、この10個の平均値を「膨れ」(μ
m)とした。なお、膨れは小さい方が好ましく、80μ
m以下であることが特に好ましい。
成形により得られた176pinLQFPパッケージ1
0個を成形後に目視および断面切断後、20倍の顕微鏡
を用いて観察し、ステージ変位・未充填の有無を調べ
た。ステージ変位・未充填が発生した不良パッケージを
除く、良好に得られたパッケージ数を求めた。
ように本発明のエポキシ樹脂組成物はリフロー時の耐剥
離性、膨れ特性、パッケージ充填性に優れている。
フロー時の耐剥離性、膨れ特性などの耐リフロー信頼
性、成形時の充填性および硬化性が優れた半導体封止用
エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ系樹脂組成物によっ
て封止してなる半導体装置を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
材(C)を含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記
充填材(C)の割合が樹脂組成物全体の88〜96重量
%であり、かつエポキシ樹脂(A)が下記化学式(I)
で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)及び
下記化学式(II)で表されるテトラメチルビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂(b)を含有することを特徴とする
エポキシ系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】エポキシ樹脂(A)が下記化学式(I)で
表される化合物を全エポキシ樹脂(A)中5〜95重量
%及び下記化学式(II)で表される化合物を全エポキシ
樹脂中5〜95重量%含有することを特徴とする請求項
1に記載のエポキシ系樹脂組成物。 - 【請求項3】硬化剤(B)が下記化学式(III)で表さ
れる化合物を含有することを特徴とする請求項1または
2のいずれかに記載のエポキシ系樹脂組成物。 【化3】 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ
系樹脂組成物の硬化物によって封止されたことを特徴と
する半導体装置。
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