JP2002274009A - インクジェット記録用シートおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用シートおよびその製造方法

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JP2002274009A
JP2002274009A JP2001075358A JP2001075358A JP2002274009A JP 2002274009 A JP2002274009 A JP 2002274009A JP 2001075358 A JP2001075358 A JP 2001075358A JP 2001075358 A JP2001075358 A JP 2001075358A JP 2002274009 A JP2002274009 A JP 2002274009A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一な厚みのインク受容層が形成されたインク
ジェット記録用シートを提供する。 【解決手段】基材の表裏面の少なくとも一方の面に、ノ
ニオン系界面活性剤とカチオン系インク定着剤とバイン
ダーを含む塗工液を、カーテンコーターによって塗工し
てインク受容層を形成したインクジェット記録用シート
によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基材の表裏面の少な
くとも一方の面にインク受容層が形成されたインクジェ
ット記録用シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を記録用シートに直接噴射
して、画像、文字、各種図形などを記録する装置であ
る。このインクジェット記録装置は、精細な記録が可能
であり、銀塩写真に匹敵するカラー記録も可能であるこ
とから、近年、広く普及している。このインクジェット
記録装置に好適に用いられるシートとして、上質紙、合
成紙、合成樹脂フィルムなど基材の表裏面の少なくとも
一方の面に、顔料、バインダーおよびインク定着剤等を
含む塗工液を塗工してインク受容層を設けた、いわゆる
塗工紙タイプのインクジェット記録用シートが知られて
いる。この種のインクジェット記録用シートは、インク
が均一に吸収されて画像むらが生じないように、インク
受容層の厚みが均一で、かつ、塗工むらや塗工欠点がな
いことが特に重要となる。
【0003】一方、基材等に塗工液を塗工するのに用い
られる塗工機として、ブレードコーター、エアナイフコ
ーター、カーテンコーターなどが知られている。ブレー
ドコーターは、比較的、平滑な表面形状を有する塗工層
を得ることができるが、パルプや合成繊維を抄造して作
製された紙等表面の平滑性の低い基材を用いると、基材
の表面形状に対応した塗工量むらを生じる。また、エア
ナイフコーターは、エアナイフ特有のパターンが塗工層
に発生することが不可避で、均一な塗工量の塗工層を得
ることが難しい。上記塗工機のなかでは、カーテンコー
ターが、基材の地合の影響を受けずに、均一な厚さの塗
工層を形成するのに適している。このカーテンコーター
は、基材上にスリット状のコーターリップから塗工液を
膜状に垂らして塗工するもので、塗工液の成膜性や基材
へのぬれ性を改善して塗工むらや塗工欠点を防止するた
めに、塗工液中に表面張力低下能力の高い界面活性剤を
含有させる必要がある。表面張力低下能力が低い界面活
性剤では、成膜性の改善が不充分となりカーテン膜の膜
割れが生じやすくなり、また、基材へのぬれ性も悪く未
塗工部が発生し、さらにはカーテンコーターのコーター
リップ幅よりも塗工幅が狭くなる現象いわゆるネックイ
ンが大きくなる。前記表面張力低下能力の高い界面活性
剤としては、スルホ琥珀酸ジアルキルエーテルなどアニ
オン系界面活性剤であることが知られており、カーテン
コーターの塗工においてもこのアニオン系界面活性剤を
用いるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録方式に採用される水性インクのほとんどは
アニオン系であるため、インク受容層を形成するための
塗工液に含有されるインク定着剤はカチオン系のもので
ある。しかるに、従来どおりにカーテンコーターを用い
てインクジェット記録用のインク受容層を形成しようと
しても、表面張力を低下させるために必要となるアニオ
ン系界面活性剤とインク定着性を向上させるためのカチ
オン系インク定着剤とが反応して凝集または過剰に粘度
が増大するため、塗工を行うことはできない。したがっ
て、カーテンコーターを用いてインクジェット記録用の
インク受容層を形成するには、アニオン系以外の界面活
性剤を用いる方法があるが、アニオン系以外の界面活性
剤は、表面張力低下能力が低く好適ではない。
【0005】そこで、本発明者らが研究を重ねた結果、
アニオン系以外の界面活性剤でもノニオン系界面活性剤
であれば、従来カーテンコーターの塗工に用いられてい
るアニオン系界面活性剤と同様の表面張力低下性を有
し、また、ノニオン系界面活性剤は、非イオン系に属す
るため塗工液中でインク定着剤と反応することがなく、
カーテンコーターを用いて好適に塗工でき、均一な厚さ
のインク受容層を形成することが可能であることを知見
し本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明請求項
1記載の発明は、基材の表裏面の少なくとも一方の面
に、インク受容層が形成されたインクジェット記録用シ
ートであって、前記インク受容層が、ノニオン系界面活
性剤とカチオン系インク定着剤と顔料とを含む塗工液
を、カーテンコーターによって塗工して形成されたもの
であることを特徴とするインクジェット記録用シートで
ある。
【0007】本発明請求項2記載の発明は、前記のノニ
オン系界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルであり、かつ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
のHLBが8〜16であるインクジェット記録用シート
である。
【0008】本発明請求項3記載の発明は、基材の表裏
面の少なくとも一方の面に、インク受容層が形成された
インクジェット記録用シートの製造方法であって、前記
インク受容層を、ノニオン系界面活性剤とカチオン系イ
ンク定着剤と顔料とを含む塗工液をカーテンコーターに
よって塗工して形成することを特徴とするインクジェッ
ト記録用シートの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に詳述
する。
【0010】本発明のインクジェット記録用シートは、
基材の表裏面の少なくとも一方の面に、カーテンコータ
ーによって塗工液を塗工して形成されるインク受容層を
備えたものである。本発明においては、塗工液の表面張
力を調整するため、前記塗工液中にノニオン系界面活性
剤、特にポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有さ
せる。このポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノ
ニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコ
ール系のET102(第一工業製薬製)、合成アルコー
ル系のET115(第一工業製薬製)等が挙げられる。
【0011】また、このポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルのHLBは、HLBが8〜16、より好ましく
は、9.5〜14が好適である。8以下であると、疎水
性となりカラーとの相溶性が低くなるため、表面張力は
下がってもハジキやそれに伴う膜割れを生じる。16よ
り高くなると、親水性となり表面張力低下能力が低くな
り、目標とする表面張力を得ることができない。さらに
かかる界面活性剤は、塗工液の顔料100重量部に対し
て0.1〜20重量部とするのが好適である。0.1重
量部以下であると、表面張力が充分に低下せず、20重
量部以上であると、発泡が多くなる問題がある。
【0012】一方、本発明にかかる塗工液には、インク
の定着性を促進させるために塗工液中にカチオン系イン
ク定着剤を用いる。本発明におけるカチオン性インク定
着剤としては、水に溶解したとき離解してカチオン性を
呈する1級〜3級アミン又は4級アンモニウム塩のモノ
マー、オリゴマー、ポリマーの少なくとも1種以上を使
用するのが好ましい。特に好ましくは、オリゴマー又は
ポリマーである。
【0013】他方、本発明にかかる塗工液には、従来既
知のバインダーを問題なく用いることができるが、水溶
性インクの溶媒を定着させる必要性から水溶性インクの
溶媒との親和性の点で水溶性バインダーであるのが望ま
しい。かかるバインダーとしては、例えば、ポリビニル
アルコール、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合
物、PVP、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
大豆蛋白などが挙げられる。
【0014】他方、本発明にかかる塗工液には、従来既
知の顔料を問題なく用いることができる。前記顔料とし
ては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウ
ム、多孔性アルミナ等の白色無機顔料、スチレン系プラ
スチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメン
ト、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。なかでも、多孔
性の無機顔料である、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性
炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が好適である。ま
た、それらのなかでも細孔容積の大きい多孔性合成非晶
質シリカが特に好適である。
【0015】ここで、本発明の塗工液におけるノニオン
系界面活性剤以外の含有物の配合割合、すなわち、顔
料、カチオン系インク定着剤、バインダー、その他の添
加剤などの配合割合は、従来既知のインクジェット記録
用のインク受理層を形成するための塗工液と同様でよ
く、それら従来既知の塗工液を参考に適宜変更すればよ
い。当業者であればこれらの変更は容易にできるであろ
う。
【0016】一方、本発明に用いられる基材としては、
カーテンコーターで塗工可能な、紙、熱可塑性樹脂フィ
ルム、合成紙、写真用基材のような合成樹脂ラミネート
紙、木材繊維や合成繊維を主体とした不織布の如き様々
なシート状物質を問題なく用いることができる。
【0017】紙の原料パルプは特に限定されない。古紙
パルプ、LBKPやNBKPなどの化学パルプ、ケナフ
やバガスなどの非木材繊維、合成繊維などの生パルプな
どを問題なく用いることができる。これらを2種以上混
合したものであってもよい。なかでも、低コストでのイ
ンクジェット記録用シートの製造が可能になり、また、
環境保護にも貢献できる、古紙パルプを原料パルプとす
るのが望ましい。古紙パルプは、同一秤量の他のパルプ
と比較して不透明度が高く、これを原料パルプとした紙
を基材とすると、不透明度の高いインクジェット記録用
シートが得られることにもなる。
【0018】また、古紙パルプを用いるのであれば、雑
誌古紙由来の雑誌古紙パルプを30〜100質量%含む
古紙パルプ、好適には80〜100質量%含む古紙パル
プ、特別には雑誌古紙パルプを100質量%含むパルプ
すなわち雑誌古紙パルプのみからなる古紙パルプである
のが望ましい。さらに、雑誌古紙由来の雑誌古紙パルプ
を用いるのであれば、ハンター白色度が80%以上のも
のであるのがインクジェット記録における記録の映えか
ら望ましい。
【0019】古紙パルプ含有による紙質強度の低下に対
しては、前記古紙パルプを分級処理して短繊維分を除去
し、長繊維分のみとした古紙パルプを使用することによ
り、紙質強度の低下を防止することができる。除去する
短繊維分の平均繊維長は、抄紙方法および抄紙後の製品
の特徴などを考慮して適宜変更することができる。好適
には、フリーネス(CSF)が、300ミリリットル以
上となるように分級処理する。また、残存させる長繊維
分の平均繊維長と除去する短繊維分の平均繊維長との差
は、少なくとも10%以上であることが望ましい。古紙
パルプの分級は、既知の分級機、分級技術を用いて分級
すればよく、例えば、ジョンソンフランクショネータ
ー、アトマイジングホール、X−クロン等の分級機によ
る水力学的分級によって分級することができ、マルチフ
ラクター、CH−Fスクリーン、ファイバークラフター
等の機械的ふるい分けによっても分級することができ
る。上記分級機のなかで、特に好適なものは、マルチフ
ラクター(フォイト製)、CH−Fスクリーン(相川鉄
工製)である。
【0020】さらに、前記古紙パルプは、従来の漂白方
法に基づいて、二酸化チオ尿素によって漂白されたもの
であるのが望ましい。前記古紙パルプを、二酸化チオ尿
素を用いて漂白することにより、インクジェットインク
の定着性が向上し、インクの滲みが防止される。
【0021】また、本発明にかかる基材には、内添サイ
ズ剤、中性サイズ剤、ポリマーサイズ剤、酸性サイズ剤
等のサイズ剤、填料、サイズプレスが含有されていても
よい。白色顔料として、例えば、軽質炭酸カルシウム、
重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポ
ン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグ
メント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチ
レン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のよ
うな有機顔料等が1種あるいは2種以上含有されていて
もよい。
【0022】本発明における基材には、その他の添加剤
として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、
抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔
料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、
防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強
剤、インクジェット染料定着剤等が配合されていてもよ
い。
【0023】一方、本発明のインクジェット記録用シー
トに記録するのに好適なアニオン系水性インクの一例と
しては、下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からな
る記録用液体がある。着色剤としては、直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料或は食品用色素等の水溶
性染料が挙げられる。前記水性インクの溶媒としては、
水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケト
ン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が
2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチ
レングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール
メチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテル類等が挙げられる。これらの多くの水溶性有
機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコ
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アル
コールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0024】また、前記溶媒中には、その他の添加剤と
して、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘
度調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が含有さ
れていてもよい。
【0025】他方、本発明に用いるカーテンコーターの
機種については、特に限定されない。また、本発明にお
いてはカーテンコーターの運転条件、すなわち、吐出量
や塗工速度等も特に限定されない。それら運転条件は、
塗工幅および塗工量を参考にして、従来技術に基づき適
宜変更すればよい。上記に詳述した本発明にかかる塗工
液の表面張力は、25〜35dyn/cmとなるため、
従来既知のカーテンコーターを用いて好適に基材に塗工
できる。
【0026】ここで、本発明におけるインクジェット記
録用シートは、インクジェット記録装置の使用のみに限
定されるものではない。アニオン系水性インクを用いる
記録方式において好適に用いられる。 (装置例)次いで、カーテンコーターの装置例を図1に
示す。図示されるカーテンコーターを用いて基材に塗工
液を塗工すれば、本発明のインクジェット記録用シート
を得ることができる。なお、本発明は、図示されるカー
テンコーターの使用に限定されるものではない。
【0027】図1に示されるカーテンコーター1におい
ては、予め調製されたインク受容層塗液iは、塗液貯蔵
タンクより給液ポンプ等によってコーターヘッド2へ送
られる。前記コーターヘッド2の内部は、マニホールド
2aおよびスリット2bからなり、それぞれ高精度の仕
上げが施されている。供給された塗液は、前記マニホー
ルド2aに満たされ、更にスリット2bに送られるとき
に通過する狭い間隙において、給液ポンプの送液による
動圧の影響が軽減され、幅方向における圧力分布が均一
化され、コーターリップ3より流出し、垂直なカーテン
膜4を形成する。
【0028】幅方向でプロファイルが均一となった垂直
カーテン膜Mは、連続走行している基材Sと接触し、基
材Sに塗工される。ここでエッジガイド4、4はコータ
ーヘッド2の幅を超えず、更に基材Sの幅を超えて設け
られ、垂直カーテン膜は基材Sの幅を超えて形成され
る。垂直カーテン膜Mが基材Sの幅を超えて形成されて
いるのは、垂直カーテン膜Mの両端部における塗層の厚
塗りを防止するためである。基材Sの幅を超えて流下す
る塗液は、受液槽5に回収され、塗液貯蔵タンクに戻さ
れた後再び塗工される。また、基材Sが切断され塗工が
中断された場合も、塗液は受液槽5に回収される。
【0029】連続走行している基材Sと垂直カーテン膜
Mとの接触部(以後、「塗工部」という。)には基材S
に同伴する空気流を遮蔽し、カーテン周辺の空気の回流
などで垂直カーテン膜Mが乱れることなく基材Sに達す
るようにするため遮風板6が設けられている。また、基
材Sの搬送方向は、塗工部の直前でロール7により方向
転換することにより、基材Sに同伴する空気の塗工部へ
の影響を最小限にとどめるように構成されている。
【0030】形成させた垂直カーテン膜Mを安定した状
態で塗工するためには、基材Sからコーターヘッド1下
部の流出部までの高さがある程度必要とされるが、垂直
カーテン膜4の安定に適した高さは60〜300mm、
好ましくは100〜250mm、更に好ましくは120
〜180mmである。 <実験例>次いで、本発明の実施例および比較例を示
し、本発明をさらに詳述する。なお、本発明は、下記実
施例に限定されるものではない。また、本実験例におい
て部とは重量部を表す。
【0031】実施例1:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、本発明にかかるポリオキシ
エチレンラウリルエーテル系のノニオン系界面活性剤と
してET102(第一工業薬品製 HLB10.8)1
部を含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に
塗工した。
【0032】実施例2:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、本発明にかかるポリオキシ
エチレンアルキルエーテル系のノニオン系界面活性剤と
してET115(第一工業薬品製 HLB12.1)1
部を含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に
塗工した。
【0033】実施例3:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、本発明にかかるポリオキシ
エチレンアルキルエーテル系のノニオン系界面活性剤と
してNL−30(第一工業薬品製 HLB8.1)5部
を含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に
塗工した。
【0034】実施例4:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、本発明にかかるポリオキシ
エチレンラウリルエーテル系のノニオン系界面活性剤と
してET170(第一工業薬品製 HLB15.8)5
部を含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に
塗工した。
【0035】比較例1:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して、バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部を含み、界面活性剤を含有し
ない塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工社
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で上質紙に塗
工した。
【0036】比較例2:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のカチオン系界面活性
剤であるSF−75PA(三洋化成株式会社製)1部を
含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工製)
を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度180m
/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に塗工
した。
【0037】比較例3:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のカチオン系界面活性
剤であるSF−75PA(三洋化成株式会社製)10部
を含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に
塗工した。
【0038】比較例4:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のカチオン系界面活性
剤であるレボンTM16(三洋化成株式会社製)1部を
含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工製)
を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度180m
/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に塗工
した。
【0039】比較例5:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のカチオン系界面活性
剤であるレボンTM16(三洋化成株式会社製)10部
を含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工
製)を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度18
0m/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に
塗工した。
【0040】比較例6:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のカチオン系界面活性
剤であるレボンTM18(三洋化成株式会社製)1部含
む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工製)を
用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度180m/
分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に塗工し
た。
【0041】比較例7:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のカチオン系界面活性
剤であるレボンTM18(三洋化成株式会社製)10部
含む塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工製)
を用いて、吐出量10リットル/分、塗工速度180m
/分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に塗工
した。
【0042】比較例8:顔料としてシリカ100部を含
み、かつ、前記顔料100部に対して;バインダーとし
てPVA25部および酢酸ビニル25部、定着剤として
4級アンモニウム塩10部、従来のアニオン系界面活性
剤であるネオコールSWC(第一工業製薬製)1部含む
塗工液を、カーテンコーター(石川島播磨重工製)を用
いて、吐出量10リットル/分、塗工速度180m/
分、コーター幅1000mmの条件で、上質紙に塗工し
た。
【0043】上記の実施例および比較例について、表面
張力を測定するとともに、塗工性、印字性、発泡性の評
価を行ったので、結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】評価方法は、下記のとおりである。 [表面張力の測定]デュヌーイ氏表面張力計(大平理化
工業株式会社製)を用いて、24℃で測定した。 [塗工性]塗工時に膜割れが生じるか否かを目視にて確
認した。塗工時に膜割れが生じなかったものを○、膜割
れが生じたものを×と評価した。 [印字評価]インクジェットプリンタ(PM−800
C:エプソン社製)を用いて、温度23℃、湿度50%
の条件下で、シアン、マゼンタ、イエローの各色インク
の重ね色で構成される赤、緑、紫を、それぞれベタ印字
(大きさ3.0cm×3.0cm)し、印字30分経過
後のにじみ度合いを目視にて確認した。にじみが全くな
いものを○、にじみが若干見られるものを△、にじみが
はっきりと見られるものを×と評価した。 [発泡性]界面活性剤を含有することに起因してサービ
スタンク内で塗工液が発泡し塗工性能に影響を及ぼすこ
とがあるので、塗工時にサービスタンク内にて、塗工液
が発泡するか否かを目視にて確認した。発泡がほとんど
生じなかったものを○、やや発泡が生じたものを△、発
泡が多く生じたものを×と評価した。 [ネックイン]塗工時のリップコーターから吐出される
塗工液の形状を、目視にて確認した。ネックインが確認
されなかったものを○、ネックインが確認されたものを
×とした。
【0046】表1を見てみると、本発明の実施例1〜3
はいずれも、塗工性、印字性、発泡性、ネックインのす
べての評価において良好な結果であることが読み取ら
れ、所望の効果が得られることが確認された。対して、
比較例1〜7は、いくつかの項目において不適当な評価
があることが読み取られ、所望の効果が得られないこと
が確認された。
【0047】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、イン
ク定着性に優れた均一なインク受容層が形成されたイン
クジェット記録用シートが提供される。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカーテンコーターの装置例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1…カーテンコーター、2…コーターヘッド、3…コー
ターリップ、4…エッジガイド、5…受液層、6…遮風
板、7…ロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA02 BA15 BA31 BA33 BA35 BA41 4D075 AC14 CA35 CA48 DA04 DB18 DB31 DB63 DC27 EA05 EA06 EB07 EB19 EC01 EC02 EC03 EC07 EC35 EC52

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表裏面の少なくとも一方の面に、イ
    ンク受容層が形成されたインクジェット記録用シートで
    あって、前記インク受容層が、ノニオン系界面活性剤と
    カチオン系インク定着剤と顔料とを含む塗工液を、カー
    テンコーターによって塗工して形成されたものであるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】ノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチ
    レンアルキルエーテルであり、かつ、ポリオキシエチレ
    ンアルキルエーテルのHLBが8〜16である請求項1
    記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】基材の表裏面の少なくとも一方の面に、イ
    ンク受容層が形成されたインクジェット記録用シートの
    製造方法であって、前記インク受容層を、ノニオン系界
    面活性剤とカチオン系インク定着剤と顔料とを含む塗工
    液をカーテンコーターによって塗工して形成することを
    特徴とするインクジェット記録用シートの製造方法。
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