JP2002273103A - 人工ゼオライト組成凝集剤及びそれを用いた汚水処理方法 - Google Patents

人工ゼオライト組成凝集剤及びそれを用いた汚水処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 珪酸成分、アルミニウム成分を含有する廃液
を有効資源として活用し、凝集性に優れ、コストがかか
らず、操作性の容易な人工ゼオライト組成凝集剤及び汚
水処理方法を提供する。 【解決手段】 珪酸成分及び/又はアルミニウム成分を
含有する廃棄物に珪酸富化剤又はアルミニウム富化剤の
いずれかを所定の珪礬比で混合し、アルカリ水性媒質と
加熱して反応させて得られた反応生成物を酸に浸漬し風
乾したものと水溶性の天然高分子化合物とを、凝集剤の
総重量に対し、水溶性の天然高分子化合物:30〜45
重量%、酸に浸漬処理した人工ゼオライト組成物:55
〜70重量%で配合したものを人工ゼオライト組成凝集
剤として汚水処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪酸成分及び/又
はアルミニウム成分を含有する廃棄物をアルカリ水性媒
質と加熱反応させて得られる高い陽イオン交換能および
吸着能を有する反応生成物を酸に浸漬処理し風乾したも
のと、水溶性の天然高分子化合物とを配合することによ
り、被処理汚水中に存在する汚濁成分または着色成分を
短時間で凝集し、分離除去する人工ゼオライト組成凝集
剤およびそれを用いた汚水処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、汚水処理に用いる凝集剤とし
ては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムのような無機
系の凝集剤が用いられている。通常の汚水処理では、こ
れらの凝集剤を用いて前処理を行なった後にpHの調整
を行ない、液状の高分子凝集剤を添加し撹拌することに
より、処理水中の汚濁成分をフロックとして分離除去す
る方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、凝集沈澱処理の際にフロックの形成時間が30
分近くかかるため、凝集沈殿を行なうための沈殿槽、沈
澱処理装置等の設置が必要であるため施設費が高額にな
り、また被処理汚水のpHに適した凝集剤を選ばなけれ
ばならなかったり、高分子凝集剤を現場で調整すること
が多いなど処理操作の面でも煩雑であった。また、回収
した凝固物については、焼却、埋め立て等で廃棄処分す
る方法が採られるのみであった。そこで本発明は上記の
問題点を解決するためになされたものであり、処理汚水
中の汚濁成分を短時間で凝集し、コストが低く、沈澱処
理操作の簡単であり、汚濁物質によっては凝集物を再利
用することのできる凝集剤及びそれを用いた汚水処理方
法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のうち、請求項1の発明は、珪酸成分及び/又はアル
ミニウム成分を含有する廃棄物に珪酸富化剤又はアルミ
ニウム富化剤を所定の珪礬比に応じて混合し、アルカリ
水性媒質と加熱して反応させて得られた反応生成物を酸
に浸漬後風乾したものと水溶性の天然高分子化合物とを
配合して人工ゼオライト組成凝集剤とするものである。
請求項2は反応性生物に配合する水溶性の天然高分子化
合物として多糖類を用いるものである。請求項3は 人
工ゼオライト組成凝集剤を構成する水溶性の天然高分子
化合物と酸に浸漬処理した人工ゼオライト組成物の配合
割合を、凝集剤の総重量に対し、水溶性の天然高分子化
合物:30〜45重量%、酸に浸漬処理した人工ゼオラ
イト組成物:55〜70重量%とするものである。請求
項4は請求項1乃至3記載の人工ゼオライト組成凝集剤
を用い、水処理時における汚水及び凝集剤のpH調整を
不要にするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0006】本発明の人工ゼオライト組成凝集剤は、珪
酸成分及び/又はアルミニウム成分を含有する廃棄物に
珪酸富化剤及び/又はアルミニウム富化剤を所定の珪礬
比に応じて混合し、アルカリ水性媒質と加熱して反応さ
せて、廃棄物を高い陽イオン交換能と吸着能を有する人
工ゼオライト組成物に改質し、該組成物を酸に浸漬処理
し風乾したものと天然高分子化合物とを配合して凝集剤
とするものである。
【0007】本発明に述べる珪酸成分及びアルミニウム
成分を含有する廃棄物とは、珪酸成分とアルミニウム成
分とを主体的に含有する廃棄物のことをいうものであ
り、降下火山噴出物、焼却灰、集塵ダクトから回収され
た灰、ショットブラストから排出された砂などがあげら
れる。前記の降下火山噴出物は、火山の噴火に伴って排
出された自然廃棄物のことであり、火山ガラスや火山灰
を例示することができる。
【0008】前記の焼却灰としては、フライアッシュ等
の石炭灰、可燃性廃棄物の焼却灰、ゴミ固形化燃料の焼
却灰、都市ゴミや古紙を解離した後、繊維を回収する工
程において、除塵操作により生じた汚泥や廃水処理によ
り生じた活性汚泥などの可燃性廃棄物の焼却灰を例示す
ることができる。また、前記の石炭灰は、通常未燃焼炭
素を5%程度含有しているが、最近では石炭火力発電所
や製鉄所などで石炭を燃焼させる際に発生する窒素酸化
物の発生量を押えるため、ボイラーの燃焼温度を160
0℃から1400℃に低下させた結果に生じる未燃焼炭
素を多く含み、該未燃焼炭素が石炭灰の中に略3分の1
含有されるものもある。また、前記の石炭灰を低温で燃
焼させて得られたフライアッシュは、JIS規格のフラ
イアッシュの灰粒子形状が直径10μm程度の球形であ
るのに対して、灰粒子の形状が不定形であるものが多
い。
【0009】本発明にのべるアルミニウム成分を含有す
る廃棄物とは、アルミニウム成分を主体として含有する
廃棄物のことであり、アルミニウム型枠のアルカリ洗浄
廃液、アルマイト製造時のアルミニウムスラッジをアル
カリ水溶液に溶解したもの、アルミニウムドロスなどを
例示することができる。
【0010】前記のアルミニウム型枠のアルカリ洗浄廃
液としては、アルミサッシ、軸受、バルブ、精密工具、
バルブ、線材、板材等のアルミニウム製品を製造する際
の型枠をアルカリで洗浄した際に生じる廃液を例示する
事ができる。
【0011】また、前記のアルマイト製造時のアルミス
ラッジをアルカリ溶解したものとは、アルミニウムを陽
極酸化して耐食性酸化皮膜を施すプロセスで生じるアル
ミニウム酸性廃液をアルカリで中和し、水溶性成分を分
離して得た水酸化アルミニウムの沈殿ゲル、またはアル
カリで中和した後、分離して得た沈殿物又はケーキ状物
質にアルカリを添加することにより溶出したアルミン酸
塩を含有する廃液のことをいう。
【0012】また、前記のアルミニウムドロスとは、ア
ルミニウム溶解工程において発生した酸化アルミニウム
が金属アルミニウムとからまって、ドロスとなり、溶融
アルミニウムの表面を覆ったものであって、アルミニウ
ムの圧延業および合金業などにおいて、アルミニウム溶
解工程で発生する。その組成は発生の状況により異な
り、溶解炉から掻きだしたばかりのアルミニウムドロス
の組成は大半が金属アルミニウムであり、酸化アルミニ
ウムは15〜40%であるが、ドロス処理業において発
生するアルミニウムドロスの組成は、酸化アルミニウム
が50%を超えるものもある。その他の成分としては、
窒化アルミニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、
ナトリウム、カリウム等の成分が存在しているが、本発
明においては、アルミニウムドロスの組成は特に限定さ
れるものではない。
【0013】本発明にのべる珪酸成分を含有する廃棄物
とは、珪酸成分を主体として含有する廃棄物のことをい
うものであり、珪藻土や廃ガラスのカレットを例示する
ことができる。前記の珪藻土とは、主要成分が含水非晶
質二酸化珪素である珪藻の遺骸の堆積物であり、通常は
粘土、火山灰、有機物などが混じって存在している。珪
藻土は通常、吸着材、ろ過助剤、保温材、保冷材、充填
剤、研摩材等に利用されている。
【0014】また、前記の廃ガラスのカレットとは、ケ
イ酸塩組成の廃ガラスカレットのことをいい、ケイ酸ガ
ラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、
バリウムガラス、ホウケイ酸ガラスなどの廃ガラスカレ
ットを例示することができる。また、ソーダ石灰ガラス
としては、板ガラス、ビンガラス、クラウンガラスなど
を例示することができる。従って、本発明では板ガラ
ス、ビンガラス、食卓用品ガラス、家庭用品ガラス、電
気用ガラス、照明用ガラス、理化学用ガラス、医療用ガ
ラス、光学ガラス、などを使用したあとの廃棄物である
カレットを使用することができる。さらには、廃棄物と
してのガラスを回収するために粉砕した際に生じるガラ
スの粉末をも含むものである。
【0015】本発明に述べるケイ酸富化材とは、成分と
してSiOを有する物質のことをいい、ケイ酸ソーダ
(水ガラス)や、ケイ酸ガラス、ソ−ダ石灰ガラス、カ
リ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸
ガラスといったケイ酸塩ガラスなどを例示することがで
きる。
【0016】本発明に述べるアルミニウム富化材とは、
成分としてアルミニウムを含む物質のことをいい、アル
ミニウムを溶かす工程で廃棄物としてでてきたアルミド
ロスや塩化アルミニウムのようなアルミニウム化合物な
どを例示することができる。
【0017】また、本発明にのべる珪礬比とは、ニ酸化
ケイ素とアルミナのモル比のことである。珪礬比は、人
工ゼオライトの製造に際しては、生成する人工ゼオライ
トの種類に影響を与えるものである。即ち、反応に供す
る原料の珪礬比が1.5以下の場合には、生成する人工
ゼオライトはヒドロキシソーダライトが多く、珪礬比が
2.0〜2.5になるとフィリップサイトが多く、3.
0を超えるとホージャサイトが多く生成する。また、珪
礬比が4になるとゼオライトAが多く、4〜5になると
ゼオライトXが多く生成する。
【0018】本発明にのべるアルカリ水性媒質とは、ア
ルカリ金属の水酸化物であって水に溶解する物質、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化リチウムなどの水溶液をい
い、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶
液を用いるのが反応を迅速に行なう上で好ましい。ま
た、反応時のアルカリの濃度は0.5〜4.5Nでゼオ
ライト化を行なうことができるが、本発明を実施する上
では2乃至4Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いること
が操作を行なう上で好ましい。
【0019】反応時の耐圧反応容器への加熱は80℃以
上であれば本発明を実施するうえで差し支えないが、ゼ
オライト転換率は230℃付近で略一定となるので23
0℃を加熱温度の上限とする。反応時間を短縮するため
には、耐圧反応容器を使用して80〜230℃に加熱す
るとゼオライト化が迅速に行われる。また、耐圧容器を
使用してゼオライト化反応をおこなう際に、耐圧容器に
超音波振動の付加をすると反応が促進され、粒子の内部
にまでゼオライト化が進行する。超音波処理は、音波の
振動数が高音領域である18kHzから超音波領域であ
る500kHzの振動数であることが好ましく、その強
さは特に限定されるものではなく、超音波発振器の性能
に依存するものである。アルカリ水溶液中に超音波を与
えることにより、該水溶液中に振動およびキャビテーシ
ョンが生じ、ゼオライト原料の表面のアルカリ水溶液の
循環を促進し、且つゼオライト化反応により生じた細孔
の奥までアルカリ水溶液を浸透させる効果をもつもので
ある。
【0020】本発明にのべる人工ゼオライト組成物は、
珪酸成分および/又はアルミニウム成分を含む廃棄物に
珪酸富化剤又はアルミニウム富化剤を所定の珪礬比に応
じて混合(珪酸富化剤、アルミニウム富化剤を添加しな
い場合も含む)し、アルカリ条件下で加熱することによ
り人工的に転換して得られたゼオライト組成物である。
その主成分はフィリップサイト、モルデナイト、ホージ
ャサイト、ゼオライトA、ヒドロキシソーダライトなど
であり、他のゼオライト成分を少量含むこともある。ま
た、ゼオライト以外の部分、すなわち非ゼオライト成分
として、未燃焼炭素に由来する活性炭類似物質、有機
物、鉄分、その他の不純物およびゼオライトに至るまで
の中間生成物なども共存することもある。陽イオン交換
容量は、吸着能に優れたフィリップサイトでは凡そ38
0cmol(+)kg−1、モルデナイトでは凡そ30
0cmol(+)kg−1であり、石炭灰等の未処理試
料の陽イオン交換容量が3〜20cmol(+)kg
−1、栃木県産の大谷石等のゼオライト質凝灰岩を粉砕
したもので130〜150cmol(+)kg−1であ
ることを考慮するとかなり大きくなっている。
【0021】前記の人工ゼオライト組成物を酸に浸漬処
理する時に使用する酸としては、塩酸、35%硫酸、硝
酸等の鉱酸や、酢酸、乳酸、ギ酸等の有機酸を用いるこ
とができる。前記の酸処理は、生成した人工ゼオライト
組成物を前記の酸の中に30〜60分浸漬するものであ
る。一般に凝集剤はアルカリ条件下では凝集しにくいた
め、前記の組成物を酸の中に浸漬することにより、ゼオ
ライトがナトリウム型(アルカリ水性媒質がNaOHで
ある場合)から水素型に置換し、凝集剤として利用する
際には水素イオンが処理水中の金属陽イオンと置換し、
廃液のアルカリ性を低下させるようにしたものである。
【0022】本発明にのべる水溶性の天然高分子化合物
は、デンプン及びその誘導体からなる多糖類のノニオン
性の高分子であり、コーンスターチ、いなごまめ、グア
ーガム等の多糖類を例示することができ、上記の多糖類
は汚水中に存在する粒子表面に吸着され、他の粒子と架
橋することにより凝集を行なう。前記の多糖類は、土壌
細菌によって分解されるため、人工ゼオライト組成凝集
剤として使用し、植物の栄養となる成分を含有する汚水
を処理する場合には、その凝集物を肥料として使用する
ことができる。
【0023】人工ゼオライト組成凝集剤を構成する水溶
性の天然高分子化合物の割合は、前記凝集剤の総重量に
対し、30〜45重量%であることが好ましく30%以
下では凝集が弱く、45%以上では天然高分子化合物が
過剰になって濁り、清澄な水と凝集物とに分離し難くな
る。
【0024】本発明の人工ゼオライト組成凝集剤は以上
の構成態様にてなるものであり、該凝集剤を汚水中に添
加した場合には、前記の凝集剤中に含有されている水素
型の人工ゼオライト組成物が汚水中の金属陽イオンとイ
オン交換し、汚水中の金属陽イオン濃度を減少させると
ともにアルカリ濃度をも低下させる効果がある。また、
人工ゼオライト組成物には、未燃焼炭素に由来する活性
炭類似物質が含有される場合があり、特に未燃焼炭素の
含有量が石炭灰の略3分の1である石炭灰を用いて人工
ゼオライト組成凝集剤としたものは、活性炭類似物質の
含有量が多いために吸着効果が更に増大しているため、
有色汚水の凝集剤として用いることができる。また、前
記の凝集剤に配合されている水溶性の天然高分子化合物
は、凝集効果を有するものであり、人工ゼオライト組成
物の吸着・凝集効果によって形成された各々のフロック
を架橋して大きな沈殿物を形成する。
【0025】また、本発明の人工ゼオライト組成凝集剤
を用いて汚水処理を行なう場合には、攪拌沈殿槽に導入
された汚水に前記凝集剤を添加し、攪拌しながら凝集を
行なう。凝集剤の添加量としては、通常、処理汚水1リ
ットルに対して人工ゼオライト組成凝集剤を100mg
〜2gの割合で添加し攪拌するが、凝集状態がよくない
場合には添加量を増やして凝集状態を調整する。凝集に
要する時間は、汚水の種類、状態にもよるが2〜6分程
度が目安である。沈殿したフロックは脱水装置で脱水し
た後、固形廃棄物として廃棄される。また、凝集終了時
の清澄な上澄み液は、必要に応じてpH調整を行なった
後に排水される。
【0026】次に実施例を示すが、本発明は下記の実施
例に限定されるものではない。 (実施例1)1リットル容の攪拌機付オートクレーブ
(東洋高圧株式会社製)に超音波発信機(株式会社日本
精機製作所製、MODEL US−600T)を設置
し、この反応容器に非結晶性のケイ酸アルミニウムの含
有量が(65%)であり、珪礬比約(2.5)のフライ
アッシュ(神戸製鋼株式会社製)20gおよび4Nの水
酸化ナトリウム水溶液200mlをオートクレーブにい
れ、蓋を閉めた後、600Wで25kHzの超音波を発
信させながら加熱し、内部の温度が120℃に達するま
で加熱した。この状態を3時間保った後、常温にもど
し、内部の反応生成物を取りだした。この反応生成物を
水洗することなく、X線回折により結晶構造を確認した
結果、細孔の奥までフィリップサイトが生成しているこ
とを認めた。このフィリップサイトを主体とするゼオラ
イト組成物の陽イオン交換容量は350cmol(+)
kg−1であった。この結果、フィリップサイトと活性
炭類似物質の混合した人工ゼオライト組成物が得られ、
該組成物の陽イオン交換容量は230cmol(+)k
−1であった。次に、前記の方法で得られた人工ゼオ
ライト組成物を塩酸水溶液に浸漬して水素イオンで飽和
し風乾したもの55gにコーンスターチ45gを配合し
て人工ゼオライト組成凝集剤を作成した。この凝集剤を
染色排水、沖縄の赤土の廃水、プリント配線基板レジス
ト廃液の各1リットル中に2g添加し攪拌を2分行なっ
た結果、無色透明な上澄み液と沈殿物に分離した。
【0027】(実施例2)非結晶性の珪酸アルミニウム
の含有量が95%であり、珪礬比約2.5のフライアッ
シュ(電源開発株式会社松浦発電所製、フライアッシュ
協会より入手)20gおよび4N水酸化ナトリウム水溶
液200mlを実施例1で用いた反応容器に入れ、蓋を
閉めた後、600Wで25kHzの超音波を発振させな
がら加熱し、内部の温度が120℃に達するまで加熱し
た。この状態を3時間保った後、常温に戻し、内部の反
応生成物を取り出した。この反応生成物を水洗すること
なく、X線回折法により構造を確認した結果、細孔の奥
までフィリップサイトが生成していることを認めた。こ
のフィリップサイトの陽イオン交換容量は350cmo
l(+)kg−1であった。次に、前期の方法で得られ
た人工ゼオライト組成物を塩酸水溶液に浸漬して水素イ
オンで飽和し風乾したもの55gにコーンスターチ45
gを配合して人工ゼオライト組成凝集剤を作成した。
【0028】前記の凝集剤をレンズ研磨廃水、モップ洗
濯廃水、コンプレッサードレイン廃水、切削金属部品の
洗浄排水の其々1リットル中に1g添加し攪拌を5分行
なった結果、清澄な上澄み液と沈殿物に分離し、この上
澄み液について分析を行ない、表1に示す結果が得られ
た。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例3)アルマイト製造プロセスにお
けるクロム酸の酸性廃液に4Nの水酸化カリウムを加え
て中和し、得られたアルミニウムの沈殿ゲルを加熱し乾
固したもの100gと水ガラス110gとを混合し珪礬
比を約2としたものを1L容の攪拌き付きオートクレー
ブに入れ、4Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlを
入れ、蓋を閉めた後、600Wで25kHzの超音波を
発振させなが120℃に加熱した。120℃に到達後、
この状態を1時間保った後、常温に戻し、内部の反応性
生物を取り出して風乾し、純白色の粉末を得た。X線回
折を行った結果、フィリップサイトを主体とする人工ゼ
オライト組成物が生成しており、そのイオン交換容量は
410cmol(+)kg−1であった。次に、前記の
方法で得られた人工ゼオライト組成物を酢酸水溶液に浸
漬して水素イオンで飽和し風乾したもの65gにコーン
スターチ35gを配合して人工ゼオライト組成凝集剤を
作成した。この凝集剤をレンズ研磨廃水、モップ洗濯廃
水、コンプレッサードレイン廃水、切削金属部品の洗浄
排水の其々1リットル中に1g添加し攪拌を6分行なっ
た結果、清澄な上澄み液と沈殿物に分離し、この上澄み
液について分析を行なった結果、実施例2と同様の結果
であった。
【0031】(実施例4)1リットル容の攪拌機付オー
トクレーブ(東洋高圧株式会社製)に超音波発信機(株
式会社日本精機製作所製、MODEL US−600
T)を設置し、この反応容器に非結晶性シリカの含有量
が93%であり、アルミナの含有量が0.1%のミヤン
マーのクンヤンゴン火力発電所(燃料として籾殻使用)
より入手した籾殻の焼却灰20gおよび塩化アルミニウ
ム結晶粉末20gを入れ珪礬比を約2とし、その上から
3Nの水酸化カリウム水溶液200mlを注ぎ、蓋を閉
めた後、600Wで25kHzの超音波を発信させなが
ら加熱し、内部の温度が230℃に達するまで加熱し
た。この状態を1時間保った後、常温にもどし、内部の
反応生成物を取りだした。この反応生成物を水洗せずに
風乾し、X線回折により結晶構造を確認した結果、細孔
の奥までフィリップサイトが生成していることを認め
た。このフィリップサイトを主体とする人工ゼオライト
組成物の陽イオン交換容量は410cmol(+)kg
−1であった。次に、前記の方法で得られた人工ゼオラ
イト組成物を酢酸水溶液に浸漬して水素イオンで飽和し
風乾したもの65gにグアーガム35gを配合して人工
ゼオライト組成凝集剤を作成した。この凝集剤をレンズ
研磨廃水、モップ洗濯廃水、コンプレッサードレイン廃
水、切削金属部品の洗浄排水の其々1リットル中に1g
添加し攪拌を6分行なった結果、清澄な上澄み液と沈殿
物に分離し、この上澄み液について分析を行なった結
果、実施例2と同様の結果であった。
【0032】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、環境保全
上問題となっている珪酸成分および/又はアルミニウム
成分を含有する廃棄物を原料として人工ゼオライト組成
物を製造することができ、前記の組成物を酸に浸漬し水
素イオンを飽和したものと水溶性の天然高分子化合物と
配合することにより、凝集効果に優れ、コストがかから
ず、汚水処理操作の容易な凝集剤を製造することがで
き、更に、産業廃棄物の有効利用に新たな技術を提供す
ることとなる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸成分及び/又はアルミニウム成分を
    含有する廃棄物に珪酸富化剤又はアルミニウム富化剤を
    所定の珪礬比に応じて混合し、アルカリ水性媒質と加熱
    反応させて得られた人工ゼオライト組成物を酸に浸漬処
    理し風乾したものと水溶性の天然高分子化合物とを配合
    してなることを特徴とする人工ゼオライト組成凝集剤。
  2. 【請求項2】 水溶性の天然高分子化合物が多糖類であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の人工ゼオライト組
    成凝集剤。
  3. 【請求項3】 凝集剤の総重量に対し、30〜45重量
    %の水溶性の天然高分子化合物と55〜70重量%の酸
    に浸漬処理した人工ゼオライト組成物とからなることを
    特徴とする請求項1に記載の人工ゼオライト組成凝集
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の人工ゼオライト組
    成凝集剤を用い、水処理時における汚水及び凝集剤のp
    H調整を不要にしたことを特徴とする汚水処理方法。
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