JPH10309403A - 粉体状凝集剤組成物及び凝集処理方法 - Google Patents

粉体状凝集剤組成物及び凝集処理方法

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JPH10309403A
JPH10309403A JP15728397A JP15728397A JPH10309403A JP H10309403 A JPH10309403 A JP H10309403A JP 15728397 A JP15728397 A JP 15728397A JP 15728397 A JP15728397 A JP 15728397A JP H10309403 A JPH10309403 A JP H10309403A
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Masujiro Arita
益二郎 有田
Fumiaki Tokuoka
文明 徳岡
Masahiko Miyanoki
雅彦 宮軒
Yutaka Tsutsui
豊 筒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被対象物に単品添加し、撹拌或いは分散作用
を与える簡単な操作にて浮遊汚濁物或いは粗凝集物溶液
の凝集反応を完結し、固液分離を達成し得る粉体状凝集
剤組成物の提供及び該組成物を用いる凝集処理方法の提
供。 【解決手段】 少なくとも一種の水可溶性の天然又は合
成の高分子凝集剤に、少なくとも一種の隔離剤を添加配
合して微粉砕手段にて混合粉砕して構成される粉体組成
物を基本とし、これに必要に応じ他の粉体状機能剤を添
加して目的機能を強化した組成物である。ここで、採用
する高分子凝集剤の粒径分布は、従来慣用されている粗
粒体よりも更に粉粒体として使用するが、混合過程にお
ける隔離剤効果の活用により、高分子凝集剤凝集剤本来
の吸湿性を防止ないし改善するものである。本発明で構
成された組成物は直接被対象物に単品添加し、撹拌或い
は分散作用を与える簡単な操作にて浮遊汚濁物或いは粗
凝集物溶液の凝集反応を完結し、簡単に固液分離を達成
し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体状凝集剤組成
物及びそれを用いる凝集処理方法に関する。更に詳細に
は、特定物質の配合により形成された本発明組成物並び
に、該組成物を処理対象に適用して汚濁成分を短時間に
凝集し、固液分離を容易にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、殆どの凝集処理などにおいて、対
象とする汚濁物質を含む廃水に凝結剤として硫酸バン
ド、ポリ塩化アルミニウムなどに代表される無機系電解
質を投入し、次いでpHの調整などにより小フロックを
生成させ、更にこれに必要に応じ適切な液状の天然又は
合成の高分子凝集剤を注入し撹拌することにより、排水
中より汚濁成分を大フロックとして分離する方式が採用
されている。これらの手法は、それぞれ異なる機能を有
する薬剤を、目的ごとに活用することにより処理の目標
を達成する方式と見ることができる。
【0003】ところが、使用する薬剤の貯蔵や輸送コス
トに改善が必要で、とくに高分子凝集剤においては、吸
湿性で取扱上も注意を要するうえ、現場で粒体を直接水
に溶解して使用するために、溶解調製に手間と長時間を
要する場合が多い。更に、高分子凝集剤は通常0.05
ないし0.1重量%の溶液として使用するが、正常に機
能するポットライフも短く、大量に作り溜めが出来ない
など種々問題点を抱えている。この対策の一つとして、
予め高分子凝集剤をエマルション状態にて水中に分散せ
しめ、高濃度化した製品が開発され、タンクローリーに
て供給するなどの試みも実用化されているが、数々の理
由で未だ十分に満足すべき状態にまで普及していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな現状に鑑み、先ず第一の課題として従来より行われ
ている処理方法において、高分子凝集剤に代替して、こ
れを改善する形にて適用可能で、かつ操作面でも簡単
で、イニシャルコスト、ランニングコスト共にすぐれた
凝集剤組成物の開発ならびにその処理方法を見出だすこ
とである。また、第二の課題として、得られた凝集物の
厚密性にすぐれた脱水促進剤効果を有する凝集剤組成物
を得ることにある。更に、第三の課題として特に合成高
分子凝集剤が、取扱い段階で示す吸湿性による作用特性
の減衰又は消滅を改善防止すると共に、凝集剤が本来有
する活性度を水溶液形態を経ずに直接現出することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、高分子凝集
剤を従来使用ならびに実用化されている粒径よりも更に
小さくすると共に、それ自体は本来特に潮解性を有しな
いが、ある程度の吸湿性を有する粉体化可能な物質を隔
離剤として採用する事により達成できる事を見出だし本
発明を完成した。
【0006】即ち、本発明の要旨とするところは、少な
くとも一種の水可溶性の天然又は合成の高分子凝集剤
に、少なくとも一種の隔離剤を添加配合してなることを
特徴とする粉体状凝集剤組成物で、更にはこれら粉体状
凝集剤組成物を構成する粒径が例えば主として少なくと
も80メッシュアンダーより小さい粒径で構成されるも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の組成物を構成する薬品の
中には、それぞれ排水処理の分野で一部凝集剤の成分と
して既に使用されている公知のものを含むが、本発明の
組成物を構成するには特定の特殊な組成形成を必要と
し、これまでに知られている凝集剤では容易に実現し得
なかった極めて強力な作用効果を発揮するものである。
【0008】本発明組成物の第一の特徴は、粉体凝集剤
組成物単一を処理対象中に添加混合するのみで効果が得
られるので、従来用いられている高分子凝集剤などの如
く一定の濃度に水溶液を調整し、添加するなどの複雑な
工程などを経ずに目的を達成出来る点にある。
【0009】即ち、凝集作用と架橋作用の両方の性質を
損なうこと無く脱水、凝集ひいては凝集物の圧密化が達
成出来るうるようにした点にある。このような素早い効
果を引き出すために、従来であれば吸湿面で極めて不利
である高分子凝集剤を出来るだけ微粉状として配合する
点に特徴がある。本発明の手段によれば、個々の高分子
凝集剤微粒子が処理対象物質中に添加された時点で活性
を保持したまま溶解或いは分散するので、極めて短時間
に凝集反応が完結するものである。
【0010】本発明組成物の第二の特徴は、凝集反応の
適用範囲が極めて広く、例えば対象排水として無機凝集
処理後の凝集反応の完結、土木工事現場での濁水への直
接投入、生物処理工程で排出する余剰汚泥の脱水などに
有効で、特別なpH調整を必要とせずに適用できる点で
ある。この理由については、本発明の凝集剤組成物は水
中では略中性で、構成する主成分の高分子凝集剤が直接
高濃度にて作用出来る点にあるものと考える。
【0011】本発明で使用する高分子凝集剤は、天然又
は合成のいずれでもよく、特に、合成のものではアニオ
ン系、ノニオン系、カチオン系および両性系高分子凝集
剤が使用出来る。又、これらの凝集剤は単独に使用され
るばかりでなく、必要に応じ2種以上を混合して用いる
ことが出来る。この発明で用いられるこれらの合成高分
子凝集剤は、市販品のいずれをも対象とすることが出来
る。
【0012】これら凝集剤の粒径構成は通常使用される
粒径より小さく、略80メッシュアンダー、好ましくは
100メッシュアンダーの如く、より微粉末であること
が本発明の組成物構成上極めて重要であり、少なくとも
80メッシュアンダーより小さい粒径で使用することが
好ましい。一方、天然系では種々の多糖類を用いること
が出来るが、とりわけ微生物培養したβ−1,3グルカ
ンを主体的に含む酸性多糖高分子水溶液を凍結乾燥又は
スプレー乾燥して得られる微粉末が好ましい。
【0013】また、本発明で用いる隔離剤は、全体の少
なくとも80%が常態では粉体で、少なくとも80メッ
シュアンダー程度或いはこれより小さい粒径の微粉体に
加工出来るもので、かつ潮解性を有せず水分散性で有っ
て、好ましくは多少の吸湿性があれば、天然、合成のい
ずれでも対象とする事が出来る。その代表例を示せば、
ペントナイト、二酸化チタン、コロイダルシリカ、ゼオ
ライト、炭酸カルシウム、亜鉛華などの無機粉粒体、或
いは澱粉、グルコース、ポリサッカライド、セルロー
ス、マンナンなどの常温で粉体の多糖類である有機粉粒
体などである。これらは、単品或いは二種以上の混合品
として採用する事が出来る。
【0014】上記の隔離剤の中で、採用しやすいものと
して、無機系のベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシ
ウムなどがある。このうち、ベントナイトはベントナイ
ト系土壌鉱物粉粒体で、主成分が珪酸とアルミナよりな
り、これに微量の酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化
マグネシウムなどを含有し、水中では微アルカリ性を示
す土壌鉱物より作られる粉粒体である。
【0015】又、ゼオライトはゼオライト系粉粒体で、
主として天然の土壌鉱物を砕いて作られ、構成主成分と
してはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属と副成
分としてカルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類
金属を少々含み、水分子を結晶水の形で保有するアルミ
ノ珪酸塩鉱物である。本発明で採用する粉粒体として
は、天然品又は合成品のゼオライト粉粒体製品のいずれ
でも対象とすることができる。
【0016】更に、上記隔離剤の配合時に、高分子凝集
剤の水溶解性向上剤として、少なくとも一種の無機或い
は有機化合物を添加混合することにより、溶解時の凝集
剤溶液の粘度を低下させて溶解速度を早めることによ
り、本発明組成物の凝集速度を早めることが出来、本発
明の効果を一層強化する事が出来る。この際、採用する
水溶解性向上剤は対象とする高分子凝集剤類との組合わ
せにより、適宜選択使用する。
【0017】ここで用いる主な水溶解性向上剤は、塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ア
ンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酸性
リン酸カリウム、硫酸ナトリウム、酸性硫酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどの
粉体状の無機塩類、硼酸、スルファミン酸、マレイン
酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン
酸、安息香酸、乳酸、グルタミン酸などの有機、無機の
粉体状の酸類を例示することが出来る。
【0018】本発明を代表する粉体凝集剤において各素
材を配合するとすれば、組成物全体の構成重量割合を1
00%として、採用する上記高分子凝集剤を少なくとも
50重量%含有して構成される組成物とする。しかしな
がら、本発明で採用する隔離剤を少なくとも20重量%
程度を添加配合することが、構成粉体組成物の長時間の
安定保持面で好ましい。しかしながら、50重量%を越
えて配合すると、高分子凝集剤の効果が低下するため、
本発明の効果に影響を及ぼす傾向となる。
【0019】更に、高分子凝集剤の水溶解性向上剤とし
て無機或いは有機化合物を配合する場合には、当該化合
物の特性を考慮の上、隔離剤効果を有する場合ば、隔離
剤に代えて配合添加する事も出来る。しかし、本来該化
合物の配合量は全体の組成物を100重量%として、5
ないし35重量%で十分である。ただし、隔離剤との混
合配合の場合には、トータルで、多くとも50重量%程
度とするのが好ましい。
【0020】本発明の組成物を実際に配合するに際して
その概要を示すと、選択した所定量の高分子凝集剤と隔
離剤を調湿した室内にて素早く予備的に粗混合した後、
例えばハンマーミル型の粉砕混合機にて粉砕混合する。
この際に、高分子凝集剤の吸湿に十分留意する事が必要
である。特に、高分子凝集剤の種類により硬度が異なる
ため、粉砕混合条件を適宜選択する事が重要である。ま
た、必要に応じマスターバッチ方式にて、予め特定の高
濃度粉体混合物を作成し、これを粉体状態で配合混合す
る方式も採用出来る。
【0021】本発明組成物自体にpH調整機能を付加す
る必要がある場合には、アルカリ金属の炭酸塩又はセメ
ント粉粒体と混合する。即ち、炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、ポルトランドセメントなど
を第三成分として添加する事が出来る。この際の添加量
としては上記隔離剤に含める範囲内で対処するのが好ま
しい。
【0022】本発明の粉体状凝集剤組成物の適用分野
は、従来使用されている高分子凝集剤の用途範囲に限定
されるものではなく、土木建設現場の土砂濁水処理、生
物処理工程よりの余剰汚泥の凝集脱水、含油排水、鉄鋼
圧延排水、水溶性切削油排水などの一般工場排水処理な
どの凝集剤及びその他の各種産業廃水の処理工程よりの
スカムなどの凝集脱水などに適用する事が出来る。この
ように、広範な分野に極めて有用なものであり、ひいて
は地球環境保護に大きく寄与するものである。
【0023】以下に、実施例及び比較例を示して本発明
を説明する。
【実施例】
実施例1 カチオン系高分子凝集剤として、市販のダイヤフロック
社製KP−1200Bの粗粒体をそれぞれ50、60、
75重量%、隔離剤として天然のベントナイト粉体をこ
れに対応して夫々50、40、25重量%を採り、トー
タル各300gとして、いずれも乾燥雰囲気下にて10
分間Vブレンダーにて粗混合を行った。その後引続き、
粗混合物を更に約6000回転の粉砕ミキサーにて均一
に粉砕混合して、約250メッシュアンダー程度の本発
明の粉粒体組成物を得た。得られた組成物の粉体夫々を
用いて生物処理汚泥の脱水性を検討する為に、高分子凝
集剤含有量の変化に合わせ実験例を夫々1、2、3とし
た。
【0024】製パン工場における活性汚泥処理設備より
発生する余剰汚泥(pH値6.7、固形分濃度1.5
%)夫々500mlをビーカーに採り、いずれも粉体の
凝集剤組成物80mg(160mg/l)を添加し、3
0秒間均一に撹拌したところ、いずれの実験例でも目視
で約5mm程度のフロックが生成し、液量の増加は認め
られなかった。次いで、フロックの脱水性を検討する
為、吸引ビンに直径9cmのブフナー漏斗を装着し、東
洋濾紙NO.2をセットして濾過ユニットを吸引しなが
ら、上記凝集処理を行った各実験例1ないし3について
吸引脱水し、30秒間で約280ないし290mlの濾
液を得た。1分後濾過を終了し、濾紙と脱水ケーキの剥
離性を調査したところ、実験例1ないし3のすべてが良
好であった。
【0025】比較例1 本発明との比較のため、実施例1で使用したものと同一
量の余剰汚泥を用い、同じダイヤフロック社のカチオン
系高分子凝集剤KP−1200Bの0.1%水溶液を使
用して、添加量の差で1で40ml及び比較実験例2で
は60mlについて実施例1と同様に濾過テストを試み
た。その結果、30秒後の濾液量は同等であったが、完
全に濾過を終了するのに、比較実験例1では約1分40
秒、比較実験例2では約1分50秒であった。目視観察
では、いずれの比較例でも凝集汚泥の圧密化が悪く、実
施例1に比べ少し膨化しており、全液量も増加した。濾
紙と脱水ケーキの剥離性を調査したところ、実験例1な
いし3に比べベトツキがあった。
【0026】実施例2 アニオン系高分子凝集剤として、市販のダイヤフロック
社製AP−350の粗粒体をそれぞれ60、75重量
%、隔離剤として沈降性炭酸カルシウム粉末をこれに対
応して夫々40、25重量%を採り、トータル各300
gとして、いずれも乾燥雰囲気下にて10分間Vブレン
ダーにて粗混合を行った。その後引続き、粗混合物を更
に約6000回転の粉砕ミキサーにて均一に粉砕混合し
て、約250メッシュアンダー程度の本発明の粉粒体組
成物を得た。得られた組成物の粉体夫々を用いて土木工
事現場で発生する泥水の硫酸バンド及び苛性ソーダによ
る中和処理後の粗凝集物質に対する仕上げ凝集性及び凝
集物の脱水性を検討する為に、高分子凝集剤含有量の変
化に合わせ実験例を夫々4、5とした。
【0027】土木工事現場で発生した泥水(SS分で約
20000mg/l)に液体硫酸バンド1000mg/
lを添加した後、5%苛性ソーダ水溶液にて中和処理を
行い撹拌後フロックが発生した。この粗凝集溶液を50
0ml採り、これに上記で得た本発明の組成物を実験例
4、5について夫々10mg(20mg/l)を添加
し、1分間均一に撹拌したところ、いずれの実験例でも
フロックが成長し、10分間静置後フロックが沈降し
た。上澄水は極めて透明となり、底部に約17%前後の
スラッジ層が目視観測された。この現象は、本発明の組
成物が従来の高分子凝集剤と同様の効果を有し、且つ簡
単な操作にて適用出来る事を示しているものである。
【0028】次いで、フロックの脱水性を検討する為、
実施例1と同様に吸引ビンに直径9cmのブフナー漏斗
を装着し、東洋濾紙NO.2をセットして濾過ユニット
を吸引しながら、上記凝集処理を行った各実験例4及び
5について吸引脱水し、30秒間で約440ないし45
0mlの濾液を得た。1分後濾過を終了し、濾紙と脱水
ケーキの剥離性を調査したところ、実験例4及び5共に
良好であった。
【0029】比較例2 本発明との比較のため、実施例2で使用したものと同一
量の粗凝集溶液を500ml用い、同じダイヤフロック
社製アニオン系高分子凝集剤AP−350の粗粒体の
0.1%水溶液を使用して、添加量の差で比較実験例3
で10ml及び4では15mlについて実施例2と同様
に凝集反応の完結テストを試みた。その結果、いずれの
比較実験例でもフロックが成長し、10分間静置後フロ
ックが沈降し、上澄水は実施例2と同様に透明となった
が、底部に実施例2より多い約27ないし30%のスラ
ッジ層が目視観測された。又、目視観察で凝集汚泥の圧
密化は実施例2に比べ悪く、膨化傾向に有った。実施例
2にならい、濾紙と脱水ケーキの剥離性を調査したとこ
ろ、実験例4及び5に比ベサラットしていない。
【0030】実施例3 アニオン系高分子凝集剤として、市販のダイヤフロック
社製AP−520の粗粒体をそれぞれ50重量%、隔離
剤としてゼオライト粉末を夫々30、40、50重量
%、水溶解性向上剤として硫酸ナトリウム粉末を夫々に
対応して20、10、0重量%混合して夫々を100重
量%組成を構成して各々3種類を300gとし、いずれ
も乾燥雰囲気下にて10分間Vブレンダーにて粗混合を
行った。その後引続き、粗混合物を更に約6000回転
の粉砕ミキサーにて均一に粉砕混合して、約200メッ
シュアンダー程度の本発明の粉粒体組成物を得た。
【0031】得られた組成物の粉体夫々を用いて塗装工
場で発生する廃水(COD:145mg/l、SS:8
17mg/l、n−ヘキサン抽出物:48mg/l)に
対し約8%の液体硫酸バンドを500mg/l注入して
撹拌し、約3%の苛性ソーダ溶液にて中和し、フロック
を発生させた。この粗凝集溶液の500mlを夫々3ヶ
のビーカーに採り、上記で調製した3種類の本発明の組
成物夫々2mg(4mg/l)を添加して均一に撹拌し
て実験例6、7、8とした。
【0032】その結果、実験6の例では撹拌開始約1分
で直径約5mm程度迄フロックが成長した。10分間の
静置後、フロックは沈降し、透明な上澄水が得られ、目
視観察でビーカー底部に約10%前後のスラッジ層が確
認出来た。上澄水を採取し、水質を簡易分析したとこ
ろ、SS:5mg/l以下、n−ヘキサン抽出物:5m
g/l以下、COD:60mg/l以下で極めて満足す
べき結果と認識出来る。
【0033】一方、実験例7及び8については、同様に
フロックの直径が約5mm程度に成長するのに、夫々約
2分間、4分間の如く、実験例6に比べ時間を要した
が、略同様の結果が得られた。この結果より、本発明の
組成物が従来の高分子凝集剤単体と同様の作用効果を示
し、且つ極めて簡単な操作にて適用出来るばかりでな
く、更に得られた凝集物の圧密化を達成し得るものと確
信出来る。
【0034】比較例3 本発明との比較のため、実施例3で使用したものと同一
量の粗凝集溶液を500ml用い、同じダイヤフロック
社製アニオン系高分子凝集剤AP−350の粗粒体の
0.1%水溶液を使用して1ml添加し撹拌しフロック
を生成させ比較実験例5とした。その結果、実施例3と
同様にフロックが沈降し、透明な上澄水が得られた。ビ
ーカー底部のスラッジの量は実施例3よりも多く、約1
7%程度のスラッジ層が目視観測されたが、圧密化が悪
く膨化傾向が認められた。本実験では、ダイヤフロック
社製アニオン系高分子凝集剤AP−350の粗粒体の
0.1%水溶液を調製するのに難溶解性のために約5時
間を要した。
【0035】
【発明の効果】本発明の粉体状凝集剤組成物は、少なく
とも一種の水可溶性の天然又は合成の高分子凝集剤に、
少なくとも一種の隔離剤を添加配合することを基本とす
る粉体であるが、必要に応じ他の粉体状機能剤を添加し
て、目的機能を強化出来るものである。これらを、被対
象物に添加撹拌する簡単な基本操作にて、従来の高分子
凝集剤と同様の画一的凝集反応の完結、凝集生成物の脱
水を促進する圧密効果を示す為に、優れた脱水剤として
活用する事も出来る。以上本文中に詳説したとおり、本
発明の組成物を被対象物に単品添加し撹拌する簡単な操
作で完結処理を達成できる点で、各種の廃水、汚水処理
分野において工業的に寄与出来るところが極めて大であ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種の水可溶性の天然又は合成
    の高分子凝集剤に、少なくとも一種の隔離剤を添加配合
    してなることを特徴とする粉体状凝集剤組成物。
  2. 【請求項2】前記粉体状凝集剤の構成に際し、隔離剤を
    少なくとも20重量%を添加配合する請求項1に記載の
    粉体状凝集剤組成物。
  3. 【請求項3】前記粉体の粒径が主として、少なくとも8
    0メッシュアンダーより小さい粒径で構成される請求項
    1ないし2に記載の粉体状凝集剤組成物。
  4. 【請求項4】前記高分子凝集剤として、アニオン系、ノ
    ニオン系又はカチオン系又は両性の天然又は合成の高分
    子凝集剤を用いる請求項1ないし3に記載の粉体状凝集
    剤組成物。
  5. 【請求項5】前記隔離剤の少なくとも80%の粒径が、
    少なくとも80メッシュより小さい粒径で構成される請
    求項1ないし4に記載の粉体状凝集剤組成物。
  6. 【請求項6】前記隔離剤として、ベントナイト、二酸化
    チタン、コロイダルシリカ、ゼオライト、炭酸カルシウ
    ム、亜鉛華などの無機粉粒体、或いは澱粉、グルコー
    ス、ポリサッカライド、セルロース、マンナンなどの常
    温で粉体の多糖類である有機粉粒体の少なくとも一種で
    構成される請求項1ないし5に記載の粉体状凝集剤組成
    物。
  7. 【請求項7】前記隔離剤と共に、少なくとも一種の該高
    分子凝集剤に対する水溶解性向上剤を添加混合して構成
    される請求項1ないし6に記載の粉体状凝集剤組成物。
  8. 【請求項8】組成物全体の構成重量割合を100%とし
    て、前記高分子凝集剤を少なくとも50重量%含有して
    構成される請求項1ないし7に記載の粉体状凝集剤組成
    物。
  9. 【請求項9】上記の請求項各項のいずれかに記載される
    粉体状凝集剤組成物を被処理対象に添加し、攪拌しなが
    ら反応させることを特徴とする凝集処理方法。
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JP (1) JPH10309403A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1176706A (ja) * 1997-09-10 1999-03-23 Masujiro Arita 特殊固体微粉末状凝集剤組成物
JP2002273103A (ja) * 2001-03-19 2002-09-24 Etsuro Sakagami 人工ゼオライト組成凝集剤及びそれを用いた汚水処理方法
JP2004305893A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Junsuke Haruna 人工ゼオライトを使用した固体系排水処理剤
JP2008055342A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Kadoya Kogyo Kk セメント等懸濁水バッチ処理用砂状の無機系凝集剤
JP2009248006A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Zeo Sorb:Kk 吸着・凝集方式の廃水処理剤
JP2018176042A (ja) * 2017-04-08 2018-11-15 東北環境開発株式会社 凝集剤とその製造方法、並びに水処理方法
CN114965849A (zh) * 2022-05-12 2022-08-30 江苏奥莱特新材料股份有限公司 一种用于判断水洗砂中存在絮凝剂的测试粉及判断方法

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