JPH06335604A - 汚濁水の無機高速清澄処理剤 - Google Patents

汚濁水の無機高速清澄処理剤

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JPH06335604A
JPH06335604A JP2562691A JP2562691A JPH06335604A JP H06335604 A JPH06335604 A JP H06335604A JP 2562691 A JP2562691 A JP 2562691A JP 2562691 A JP2562691 A JP 2562691A JP H06335604 A JPH06335604 A JP H06335604A
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Fujio Hotta
堀田不二夫
Kiyoko Hotta
清子 堀田
Keitaro Hotta
堀田慶太郎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の上水、排水等の処理設備は大型で設備
費がかかり、処理時間もかかるという欠点があった。
の欠点を改善し、更に近年公害物質が河川を汚染してい
るので、それ等を除去し、安全な飲用水を提供すること
を目的とし、また従来地震等の災害時に緊急用水を確保
する簡便な方法も確立されていないので、この問題も
決しようとするものである。 【構成】 破璃質石アルカリ長石等の火成岩、堆積岩
微粉をそれぞれ異なる熱処理等の物理変化、化学反応
と、酸アルカリその他の薬品による化学反応によって3
種の成分製品を製造し、それを適宜の割合で混合して被
処理水に混入して処理する。又成分製品の混合物を造粒
パックする等により携帯に便な様にして、災害時に利用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の概要】本発明は汚濁水を高速に清澄化する際に
使用する無機処理剤に係り、更に詳細には玻璃質、アル
カリ長石、斜長石を主成分とし、多孔、空晶、含水性を
特長とする浮岩、真珠岩、沸石群、シラス等の火成岩微
粉である原料成分は玻璃質、斜長石、アルカリ長石を主
成分とし、多孔、空晶性を特長とする微粉に熱処理を施
し又は岩石、金属を補足し、硫酸、塩酸等の酸類および
水酸化ナトリウム等のアルカリ類を作用させて成る
(a)、(b)、(c)各成分製品を乾燥精製し、所定
割合で混合した無機塩性のシリカアルミニウムからなる
無機高速清澄処理剤に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は上水の浄化処理、有害物
質の除却処理、または食品、染色、化学、薬品、澱粉、
鍍金等の工業用排水の処理、病院、学校、ホテル、厨房
等の産業排水、または生活排水の処理に際して、従来に
比べて格段に効率のよい汚濁水の無機高速清澄処理剤に
関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、上水、工業排水、産業排水等の浄
化処理においては、いずれの場合にも、篩分槽、沈殿
槽、濾過槽等の設備を設置し、その設備において、適宜
吸着、凝集、活性化等の処理操作を行なうことによっ
て、清澄化が行なわれている。たとえば、上水の浄化処
理においては、塩素によるマンガン、鉄の化学的分離ま
たは滅菌処理、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、塩化鉄等の凝集剤と、消石灰、ソーダ灰等の凝集助
剤による沈殿等重力利用の物理的、化学的処理、汚泥、
活性菌による生物学的処理等を適宜組合わせることによ
って処理が行なわれている。しかしながらこれ等の汚濁
水を処理する従来の処理法においてはいずれも大型の処
理設備が必要で、大きな設備費と、設置場所を必要と
し、また処理にはかなりの時間を必要とし又有害物質等
の除却を困難とする欠点があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は汚濁水を清澄化する従来の処理
法の以上述べた欠点を改善し、従来の有機、汚濁物分離
除却の能力に加え水質界で環境破壊の元凶とされている
農薬汚染、金属類、有機、無機物、臭気等の公害物質も
併せて容易に除却することを目的としている。また処理
能力が強力であるため、当然大型の処理設備を必要とせ
ず、容易にしかも極めて短時間に汚濁水を清澄化する処
理法を提供し、併せて、災害時等における緊急用水確保
又は海外水道水の浄化等の簡便な方法を提供することを
目的としている。
【0005】
【発明の構成・作用】汚濁水に処理用として凝集剤が使
用されたのはかなり以前からであるが、産業、工業の発
展に伴なって、急速な発展、変遷を経ており、1960年代
に英国、米国で塩基性塩化アルミニウムが発見され、我
国においては、その改良品が発明されて(特公昭47-214
01)広く使用されている。それらの特徴は加水分解およ
びイオンによる吸着、フロック架橋、凝集による汚濁分
の分離にある。本発明の発明者は全く新規な分野から従
来の無機凝集剤よりも効果を高める為、長年にわたり適
用研究を重ね、先願(平成 1年特許願第192232号)にお
いて、高速清澄処理法を提示したが(この処理法を以下
単に『SACS』と呼ぶことにする。)、その後適用研
究を重ねた結果、更に卓越した処理剤を開発した。すな
わち、玻璃とアルカリ長石と斜長石とを熱処理による物
理的手法による高率化、アルカリ性および酸性物質に反
応させる効果的手法によりそれぞれ新規な処理剤の製造
に成功し、それらを適宜混合することによって、本発明
を達成することを得たのである。
【0006】すなわち、玻璃質はガラス質から成り、結
晶を含まぬもので、SiO2を成分とする。又アルカリ長石
はカリを含むカリ長石 K(AlSi3)O8 とソーダを含む長石
Na(AlSi3)O8が混合した成分となっている。また斜長石
はソーダ灰とも呼ばれ、ソーダを含む曹長石(NaAlSi3)O
8 と石灰を含む灰長石Ca(AlSi3)O8 が混合した成分とな
っている。又フッ石はアルミニウム分の多い含水珪酸塩
であり構造式は多数あるが、ソーダフッ石を例に取ると
その組成式はNa16Al16Si24O30・16H2O 等である。これら
の玻璃質、アルカリ長石、斜長石を成分とする粒度調整
された原料微粉に熱処理を加えた後、塩酸または硫酸、
苛性ソーダ等のアルカリ類、酸類のうちの1を加え、ま
たは2以上を逐次加えると、玻璃質、アルカリ長石、斜
長石はアルカリおよび酸の作用を受けて、それらを主成
分とする『浮岩等微粉』に、ある種の反応が発生する。
この反応による生成物が本発明に係る処理剤の主要成分
を成すものである。以下にこれらの成分製品について詳
述する。
【0007】
【各成分製品の詳述】
(a)成分製品:原料微粉に熱処理を施し、これに硫酸
の適量を加え、低温加熱反応させ、活性化し更に硫酸カ
リミョウバン石等を補足添加して精製し、Si(OH)n・Al
2(SO4)3・K2SO4 の凝集剤の乾燥微粉が生成されこれが
(a)成分製品となる。
【0008】(b)成分製品:原料微粉に熱処理を施
し、これに塩酸の適量を加え、低温加熱し反応させ活性
化したものを(b´)とする。またアルミニウムに苛性
ソーダを反応させ、水酸化アルミニウムを加え、アルミ
ニウム塩を生成し、可溶性硫酸塩を加え精製したものを
(b″)とする。(b′)、(b″)を併せ精製して縮
合塩化アルミニウム珪酸塩を生成し、(b)成分製品と
なる。 前記(a)、(b)における原料微粉の熱処理は原料微
粉を加熱、急冷して多孔体への内外に分相及びクラック
(ヒビ割れ)を生成させる。又酸による、低温加熱、活
性化とはナトリウム、ホウ酸、カリウム、等のアルカリ
ガラスの可溶相を溶出し多孔体の内外に極めて多数の細
孔体を生成させることにある。
【0009】(a)、(b)成分製品の特徴は多孔、多
細孔の構成骨格はそのままで、細孔には活性豊かなイオ
ンの要因を持ち、内部に正イオン凝集剤を主として内蔵
するため水中でも比重が高いにも拘らず、自由に浮遊
し、汚濁物を確実に凝集沈降するところに意義がある。
【0010】(c)成分製品:原料微粉に苛性ソーダの
適量を加え、加熱、加圧して反応させる。加熱温度は玻
璃質を侵さない程度の温度以下とし、可溶相を溶解すれ
ば、溶解度の変化に応じ各種のSi(OH)n が生成する。又
多量に含むアルミニウム部分ではNaAlO2となり更に反応
してAl(OH)3 とNaOHが生じ可溶しない玻璃質と各種長石
の多孔構造内に上記の特性が内蔵される水酸化珪酸塩を
(c)成分製品とする。
【0011】(c)成分製品の特徴は前記した通り水酸
化物として、(OH)を水中で多量に放出し、加水分解を起
こし、正負イオンの架橋を促進する。又c成分製品は玻
璃質多孔構造に、負イオンで最も強力なオルコ珪酸SiO3
が主力となり、NaOH、Al(OH)による正イオンが分散的に
内蔵される強力な負イオン体である。
【0012】
【本発明に係る処理剤】本発明に係る処理剤は乾燥粉体
として上記(a)、(b)、(c)成分製品が前記した
ような特異な特徴を持って混合しているため以下に述べ
るような驚異的な特性を有する凝集剤となるのである。
各種の試験を行なった結果、この物質は極めて優れた汚
濁水の凝集剤であることが判明したのである。すなわ
ち、この処理剤を汚濁水に投入し、撹拌すれば、前記し
た『SACS』法よりも更に優れた処理効果が得られる
のである。この本発明に係る処理剤を以下『SACS
改』、処理法を『SACS改』法と呼ぶことにする。
【0013】
【各原料成分の詳述】次にこの『SACS改』の各原料
成分について詳述する。 原料成分の『流紋岩質浮岩等』:前記したように浮岩等
は噴出岩の一種であり、玻璃質にアルカリ長石、斜長石
を主成分とするものを指しており、アルカリ長石は正長
石、微斜長石、曹微斜長石の総括名称である。また斜長
石はソーダ石灰長石とも言い、曹長石、灰曹石、中性長
石、曹灰長石、亜灰長石、灰長石の総括名称であり、ま
たフッ石とは玻璃質に多くのアルミニウムとCa,Na,K 等
の塩類長石を含むアルミノ珪酸塩の総括名称である。ま
た『浮岩等』とは浮岩、シラス沸石群等の多孔性を特長
とする火成岩である。化学反応用に使用される薬品およ
びカリミョウバン石等は前記原料成分と反応を起こして
処理剤を作る作用を持つものであり、薬品としては塩
酸、硫酸、苛性ソーダ、水酸化カルシュウム、炭酸ソー
ダ等がある。また上水道用の凝集剤として使用されてい
る無機塩物質としてはJISK−1475で規格が定められ
ているものがある。
【0014】
【作用】以上説明した各成分を用い、前記した方法によ
って製造した『SACS改』を汚濁水に加えて(汚濁水
の性質如何によっては適切な高分子凝集剤および凝集助
剤を加えれば更によい結果が得られる。) 撹拌すれば、
従来法に比べてフロックの生成速度、沈降性はきわめて
大きくなり、また水質の浄化程度は格段に優れている。
又最近新しく種々の公害物質が発生しているが、それら
未知の公害物質を含めてそれらの除却は困難を極め、又
は現在除却不可能な物質もある。例えばゴルフ場の農薬
汚染は地下水脈を通して全国各地で拡散し始めている。
それで出願人が某ゴルフ場の農薬汚染水をテストした
所、高濁度の赤水が『SACS改』を投入することによ
り、即フロックが生成し、透明となった。このような事
実は、当業者にとっても全く予想もできないことであ
り、従来何人もよくなし得なかったことである。
【0015】このような汚濁水の高速清澄化の作用機構
は、未だ明らかではないが、次のように推測することが
できる。すなわち、原料微粉の主成分である玻璃質アル
カリ長石、斜長石が熱処理によるヒビ割れ分相又は薬品
による多細孔体生成等の物理的、化学的要因または無機
塩物質に含まれるアルカリ性または酸性物質により活性
化され、または諸反応により各々特殊な作用を発生し、
または陰イオン性形態のある種の鎖状構造の高分子重合
性オルト珪酸または硫酸アルミニウムアルミノ珪酸また
は縮合塩化アルミニウム珪酸塩の浸潤等であり、その各
々が異なった個性を持ち、更にそれらの多数の細孔体の
活性イオンの作用を含めて更にその両特性である負電
荷、正電荷を共有するものと思われる。
【0016】また(c)成分製品の高分子性オルト珪酸
の強力な負電荷は汚濁水中の金属分、無機金属類等の吸
着、沈降およびフロックの架橋を促進し、さらにフロッ
クを縮小する作用を行ない、また更に(a)、(b)成
分製品の活性化された多孔性細孔体の骨格構成は陰電荷
を持ち、内部から正電荷を溶出する特長ある作用効果は
水に溶解している不純物を強力に吸着する作用があるも
のと推測される。以上のような物理的、化学的作用によ
って汚濁水の高速清澄化が達成されたものではないかと
考えられる。
【0017】実際に『SACS改』法によって得られた
凝集沈殿物を顕微鏡で調べると、成分製品(a)(b)
と(c)との反応によって生成された微粉が核となり、
周囲に汚濁物フロック凝集体が縮小結合し更に(c)核
の周囲には有機汚濁物を吸着した(a)、(b)核およ
び微細なフロックが重なって吸着され清澄水からはっき
り分離沈降されている。更に前述された(a)、
(b)、(c)成分製品の各作用が如実に実証されてい
る様子が確認できる。フロックの大きさも 2.0mm前後
で架橋も密になっており、『SACS改』の効果がよく
観察される。これに対して従来法で行なった場合、凝集
のフロックの大きさは約 4〜7 mmで塩化アルミニウム
角錐の間のからみ合い、凝集性が粗であることが観察さ
れる。従来法では汚濁物を含む20〜1,000 μ程度のアル
ミニウム微細結合体は酸化した有機物の妨げ等もあり、
沈降も浮上もせず、長時間水中に浮遊するが、『SAC
S改』はそれらすべての微細結合体の浮上を抑え、水か
ら分離沈降させている実態がよく観察される。
【0018】また『SACS改』は乾燥状態で使用す
る。『SACS改』は、水分による溶融固化等がない限
り、長期間性能は安定している。本発明に係る高速清澄
処理法の対象となる水は上水、産業排水、工業排水等で
あるが、『SACS改』の(a)(b)(c)成分製品
の微粉粒径は一般汚濁水には30〜100 μ程度が好まし
く、高粘度汚濁水には30〜200 μ程度(特例としては更
に粒径の大なるもの)が適している。『SACS改』に
おける(a)(b)(c)成分製品の配合は上水の場合
一般には重量比で1:1:1で混合するのを建前とする
が、都市周辺又は拡散して立地した工業団地等で公害物
質等の混入した河川地域の上水ではその水質の種類によ
りその混合比は異なり、その適正に分類された混合比と
成る。
【0019】本発明の処理剤『SACS改』の添加量
は、被処理水の性質すなわち濁度、懸濁粒子の大きさ、
pH、電荷性、成分の種類等の外処理濁度、処理装置の
機構、処理用添加剤の有無その他で一概に言うことはで
きない。しかしながら、一般的には微細粒子懸濁液に対
しては『SACS改』は約10〜10,000ppm程度であ
り、より具体的にいえば、下水汚泥に準ずるような懸濁
粒子の濃度が大きい場合には『SACS改』は約100 〜
10,000ppmの範囲で使用する。地下水河川水等比較的
低濁度原液の場合、『SACS改』は10〜100 ppmの
範囲基準で使用する。
【0020】本発明の特筆すべき利用法としては、災害
時の緊急用水が考えられる。地震等の災害時に際して最
も不自由するのは水であるというのは定説であるが、災
害時に風呂水、池水、溜水等を『SACS改』で処理し
た後、次亜塩素酸ソーダを使用することによって簡単に
飲用水が得られる。
【0021】従来の無機凝集剤は陰性疎水コロイドの凝
集の作用を主として行なってきたが、『SACS改』で
は従来の陰性疎水コロイドの凝集作用を行なうと共に、
被処理水中の金属、重金属類等の吸着沈降にも優れた特
性を発揮する。『SACS改』の原料である原料微粉は
すべて粒径30〜200 μのもの70%以上含有するごとく粒
度調整をしたものであるが、この粒度調整の範囲は概略
の目安を定めたものであって、この範囲を多少逸脱した
ものでも本発明が有効に実施できるのは当然である。同
様のことは処理剤『SACS改』の注入量についても言
うことができる。本発明においては注入量は10〜10,000
ppmと限定しているがこれもまた概略の目安を示した
もので、原水の性状如何によっては、この範囲を多少逸
脱したものでも本発明が有効に実施できる。
【0022】
【発明の効果】本発明は適宜粒度を調整した原料微粉を
熱処理、薬剤反応せしめて生成した(a)、(b)、
(c)成分の混合製品『SACS改』を汚濁水に注入し
て撹拌し生成した沈殿物を除去することによって、汚濁
水を高速に清澄処理することを可能としており、次に示
すようなすぐれた効果を有するものである。
【0023】(1) 従来使用されている各種凝集剤に比べ
て凝集沈降時間は大幅に短縮される。前記した河川水の
例によれば、従来法の1/5 〜1/15の短時間で処理でき
る。
【0024】(2) 高速清澄処理が行なわれるにも拘わら
ず、従来使用されている凝集剤の機能(有機物の除去、
濁度の低下)を更に向上し、濁度の低下は極めて促進さ
れる。
【0025】(3) ケーキの含水率は低く剥離性も優れて
いる。本発明に係る方法によって凝集沈降したケーキは
含水率が従来の凝集剤に比べ1/2 以下と低く、剥離性、
脱水性も優れているため、沈降槽下部導管から容易に抜
き取ることができる。また抜き取られたケーキは自然乾
燥で容易に固化できるため処理が容易であるという特性
を有している。
【0026】(4) この処理剤『SACS改』は安価であ
る。すなわち、その原料成分は浮岩質火成岩等の微粉か
ら成っているが、火山帯の大地を形成している砂を篩で
粒度を選別するだけで容易に使用できるからである。
【0027】(5) 腐敗物等の有機物を容易に液中から分
離沈降せしめ、沈降状態を維持する。
【0028】(6) 水処理設備を新設するに際して、本発
明に係る方法によれば、撹拌、凝集、沈降、排出等の設
備費、敷地を大幅に節約することができる。
【0029】(7) 現在可動中の水処理設備にも本発明に
係る方法は容易に利用でき、利用することによってその
設備能力を増大することができる。
【0030】(8) 特に本発明における『SACS改』の
水質高清澄性は近年上水道水源にて発生している有機物
汚染など、またIC製造等の際に必要な純水処理等の前
水処理剤としての利用価値は多大である。
【0031】(9) この処理剤には脱塩効果、金属、重金
属等の除去効果がある。
【0032】(10) 以上要するに水処理設備の性能を向
上し、その設備費を低減し、公害防除等に大きな貢献を
もたらし、また特に災害時における緊急用水の確保をき
わめて容易にする。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 汚濁水の無機高速清澄処理剤
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の概要】本発明は汚濁水を高速に清澄化する際に
使用する無機処理剤に係り、更に詳細には玻璃質、アル
カリ長石、斜長石を主成分とし、多孔、空晶、含水性を
特長とする浮岩、真珠岩、沸石群、シラス等の火成岩微
粉である原料成分は玻璃質、斜長石、アルカリ長石を主
成分とし、多孔、空晶性を特長とする微粉に熱処理を施
し又は岩石、金属を補足し、硫酸、塩酸等の酸類および
水酸化ナトリウム等のアルカリ類を作用させて成る
(a)、(b)、(c)各成分製品を乾燥精製し、所定
割合で混合した無機塩性の塩化珪酸アルミニウム、硫化
珪酸アルミニウム、苛性化珪酸からなる無機高速清澄処
理剤に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は上水の浄化処理、有害物
質の除却処理、または食品、染色、化学、薬品、澱粉、
鍍金等の工業用排水の処理、病院、学校、ホテル、厨房
等の産業排水、または生活排水の処理に際して、従来に
比べて格段に効率のよい汚濁水の無機高速清澄処理剤に
関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、上水、工業排水、産業排水等の浄
化処理においては、いずれの場合にも、篩分槽、沈殿
槽、濾過槽等の設備を設置し、その設備において、適宜
吸着、凝集、活性化等の処理操作を行なうことによっ
て、清澄化が行なわれている。たとえば、上水の浄化処
理においては、塩素によるマンガン、鉄の化学的分離ま
たは滅菌処理、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、塩化鉄等の凝集剤と、消石灰、ソーダ灰等の凝集助
剤による沈殿等重力利用の物理的、化学的処理、汚泥、
活性菌による生物学的処理等を適宜組合わせることによ
って処理が行なわれている。しかしながらこれ等の汚濁
水を処理する従来の処理法においてはいずれも大型の処
理設備が必要で、大きな設備費と、設置場所を必要と
し、また処理にはかなりの時間を必要とし又有害物質等
の除却を困難とする欠点があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は汚濁水を清澄化する従来の処理
法の以上述べた欠点を改善し、従来の有機、汚濁物分離
除却の能力に加え水質界で環境破壊の元凶とされている
農薬汚染、金属類、有機、無機物、臭気等の公害物質も
併せて容易に除却することを目的としている。また処理
能力が強力であるため、当然大型の処理設備を必要とせ
ず、容易にしかも極めて短時間に汚濁水を清澄化する処
理法を提供し、併せて、災害時等における緊急用水確保
又は海外水道水の浄化等の簡便な方法を提供することを
目的としている。
【0005】
【発明の構成・作用】汚濁水に処理用として凝集剤が使
用されたのはかなり以前からであるが、産業、工業の発
展に伴なって、急速な発展、変遷を経ており、1960
年代に英国、米国で塩基性塩化アルミニウムが発見さ
れ、我国においては、その改良品が発明されて(特公昭
47−21401)広く使用されている。それらの特徴
は加水分解およびイオンによる吸着、フロック架橋、凝
集による汚濁分の分離にある。本発明の発明者は全く新
規な分野から従来の無機凝集剤よりも効果を高める為、
長年にわたり適用研究を重ね、先願(平成1年特許願第
192232号)において、高速清澄処理法を提示した
が(この処理法を以下単に『SACS』と呼ぶことにす
る。)、その後適用研究を重ねた結果、更に卓越した処
理剤を開発した。すなわち、玻璃とアルカリ長石と斜長
石とを熱処理による物理的手法による高率化、アルカリ
性および酸性物質に反応させる効果的手法によりそれぞ
れ新規な処理剤の製造に成功し、それらを適宜混合する
ことによって、本発明を達成することを得たのである。
【0006】すなわち、玻璃質はガラス質から成り、結
晶を含まぬもので、SiOを成分とする。又アルカリ
長石はカリを含むカリ長石K(AlSi)Oとソー
ダを含む長石Na(AlSi)Oが混合した成分と
なっている。また斜長石はソーダ灰とも呼ばれ、ソーダ
を含む曹長石(NaAlSi)Oと石灰を含む灰長
石Ca(AlSi)Oが混合した成分となってい
る。又フッ石はアルミニウム分の多い含水珪酸塩であ
り構造式は多数あるが、ソーダフッ石を例に取るとその
組成式はNa16Al16Si2430・16H
等である。これらの玻璃質、アルカリ長石、斜長石を成
分とする粒度調整された原料微粉に熱処理を加えた後、
塩酸または硫酸、苛性ソーダ等のアルカリ類、酸類のう
ちの1を加え、または2以上を逐次加えると、玻璃質、
アルカリ長石、斜長石はアルカリおよび酸の作用を受け
て、それらを主成分とする『浮岩等微粉』に、ある種の
反応が発生する。この反応による生成物が本発明に係る
処理剤の主要成分を成すものである。以下にこれらの成
分製品について詳述する。
【0007】
【各成分製品の詳述】 (a)成分製品:原料微粉に熱処理を施し、これに硫酸
の適量を加え、低温加熱反応させ、活性化し更に硫酸カ
リミョウバン石等を補足添加して精製し、Si(OH)
・Al(SO・KSOの凝集剤の乾燥微
粉が生成されこれが(a)成分製品となる。
【0008】(b)成分製品:原料微粉に熱処理を施
し、これに塩酸の適量を加え、低温加熱し反応させ活性
化したものを(b′)とする。またアルミニウムと水酸
化アルミニウムを塩酸で加熱反応溶融精製し、更に可溶
性硫酸塩を加え精製したものを(b″)とする。
(b′)、(b″)を併せ精製して縮合塩化アルミニウ
ム珪酸塩を生成し、(b)成分製品となる。 前記(a)、(b)における原料微粉の熱処理は原料微
粉を加熱、急冷して多孔体の内外にクラック(ヒビ割
れ)を生成させる。又酸による、低温加熱、活性化とは
ナトリウム、ホウ酸、カリウム、等のアルカリガラスの
可溶相を溶出し多孔体の内外に極めて多数の細孔体を生
成させることにある。
【0009】(a)、(b)成分製品の特徴は多孔、多
細孔の構成骨格はそのままで、細孔には活性豊かなイオ
ンの要因を持ち、表層は正イオン凝集剤となり、内部は
負イオンを内蔵し、真比重は高いに拘らず見掛け比重が
軽いので、水中でも自由に浮遊し、汚濁物を確実に凝集
沈降するところに意義がある。
【0010】(c)成分製品:原料微粉に苛性ソーダの
適量を加え、加熱、加圧して反応させる。加熱温度は玻
璃質を侵さない程度の温度以下とし、可溶相を溶解すれ
ば、加熱、加圧の変化に応じ各種のSi(OH)が生
成する。又多量に含むアルミニウム部分ではNaAlO
となり更に反応してアルミナ珪酸塩が生じ可溶しない
玻璃質と各種長石の多孔構造内に上記の特性が内蔵され
る水酸化珪酸塩を(c)成分製品とする。
【0011】(c)成分製品の特徴は前記した通り水酸
化物として、(OH)を水中で多量に放出し、加水分解
を起こし、正負イオンの架橋を促進する。又 (C)
成分製品は玻璃質多孔構造に、負イオンで最も強力なオ
珪酸SiOが主力となり、NaOH、NaAl
(OH) によるイオンが分散的に内蔵される強力な
負イオン体である。
【0012】
【本発明に係る処理剤】本発明に係る処理剤は乾燥粉体
として上記(a)、(b)、(c)成分製品が前記した
ような特異な特徴を持って混合しているため以下に述べ
るような驚異的な特性を有する凝集剤となるのである。
各種の試験を行なった結果、この物質は極めて優れた汚
濁水の凝集剤であることが判明したのである。すなわ
ち、この処理剤を汚濁水に投入し、撹拌すれば、前記し
た『SACS』法よりも更に優れた処理効果が得られる
のである。この本発明に係る処理剤を以下『SACS
改』、処理法を『SACS改』法と呼ぶことにする。
【0013】
【各原料成分の詳述】次にこの『SACS改』の各原料
成分について詳述する。 原料成分の『浮岩等』:前記したように浮岩等は噴出岩
の一種であり、玻璃質にアルカリ長石、斜長石を主成分
とするものを指しており、アルカリ長石は正長石、微斜
長石、曹微斜長石の総括名称である。また斜長石はソー
ダ石灰長石とも言い、曹長石、灰曹石、中性長石、曹灰
長石、亜灰長石、灰長石の総括名称であり、またフッ石
とは玻璃質に多くのアルミニウムとCa,Na,K等の
塩類長石を含むアルミノ珪酸塩の総括名称である。また
『浮岩等』とは浮岩、真珠岩、シラス沸石群等の多孔性
を特長とする火成岩及び堆積岩である。化学反応用に使
用される薬品およびカリミョウバン石等は前記原料成分
と反応を起こして処理剤を作る作用を持つものであり、
薬品としては塩酸、硫酸、苛性ソーダ、水酸化カルシュ
ウム、炭酸ソーダ等がある。
【0014】
【作用】以上説明した各成分を用い、前記した方法によ
って製造した『SACS改』を汚濁水に加えて(汚濁水
の性質如何によっては適切な高分子凝集剤および凝集助
剤を加えれば更に良い結果が得られる。)撹拌すれば、
従来法に比べてフロックの生成速度、沈降性はきわめて
大きくなり、また水質の浄化程度は格段に優れている。
又最近新しく種々の公害物質が発生しているが、それら
未知の公害物質を含めてそれらの除却は困難を極め、又
は現在除却不可能な物質もある。例えばゴルフ場の農薬
汚染は地下水脈を通して全国各地で拡散し始めている。
それで出願人が某ゴルフ場の農薬汚染水をテストした
所、高濁度の赤水が『SACS改』を投入することによ
り、即フロックが生成し、透明となった。依って本発明
の『SACS改』を使用して最も身近な問題となってい
る、公害物質トリハロメタンを生成する最大要因である
フミン酸及び汚染の激しい江戸川の水に対する浄化試験
を従来の水道水に使用されているJISK−1475規
格の無機凝集剤(以下単に『従来品』と呼ぶことにす
る)と比較しながら行なった。その結果は後記するよう
に非常に優れたものである。このような事実は、当業者
にとっても全く予想もできないことであり、従来何人も
よくなし得なかったことである。
【0015】このような汚濁水の高速清澄化の作用機構
は、未だ明らかではないが、次のように推測することが
できる。すなわち、原料微粉の主成分である玻璃質アル
カリ長石、斜長石が熱処理によるヒビ割れ又は薬品によ
る多細孔体生成等の物理的、化学的要因または無機塩物
質に含まれるアルカリ性または酸性物質により活性化さ
れ、または諸反応により各々特殊な作用を発生し、また
は陰イオン性形態のある種の鎖状構造の高分子重合性オ
ルト珪酸または硫酸アルミニウムアルミノ珪酸または縮
合塩化アルミニウム珪酸塩の浸潤等であり、その各々が
異なった個性を持ち、更にそれらの多数の細孔体の活性
イオンの作用を含めて更にその両特性である負電荷、正
電荷を共有するものと思われる。
【0016】また(c)成分製品の高分子性オルト珪酸
の強力な負電荷は汚濁水中の金属分、無機金属類等の吸
着、沈降およびフロックの架橋を促進し、さらにフロッ
クを縮小する作用を行ない、また更に(a)、(b)成
分製品の活性化された多孔性細孔体の骨格構成は電荷
を持ち、表層から正電荷を溶出する特長ある作用効果は
水に溶解している不純物を強力に吸着する作用があるも
のと推測される。以上のような物理的、化学的作用によ
って汚濁水の高速清澄化が達成されたものではないかと
考えられる。
【0017】実際に『SACS改』法によって得られた
凝集沈殿物を顕微鏡で調べると、成分製品(a)(b)
と(c)との反応によって生成された微粉が核となり、
周囲に汚濁物フロック凝集体が縮小結合し更に(c)核
の周囲には有機汚濁物を吸着した(a)、(b)核およ
び微細なフロックが重なって吸着され清澄水からはっき
り分離沈降されている。更に前述された(a)、
(b)、(c)成分製品の各作用が如実に実証されてい
る様子が確認できる。フロックの大きさも2.0mm前
後で架橋も密になっており、『SACS改』の効果がよ
く観察される。これに対して従来法で行なった場合、凝
集のフロックの大きさは約4〜7mmで塩化アルミニウ
ム角錐の間のからみ合い、凝集性が粗であることが観察
される。従来法では汚濁物を含む20〜500μ程度
のアルミニウム微細結合体は酸化した有機物の妨げ等も
あり、沈降も浮上もせず、長時間水中に浮遊するが、
『SACS改』はそれらすべての微細結合体の浮上を抑
え、水から分離沈降させている実態がよく観察される。
【0018】また『SACS改』は乾燥状態で使用す
る。『SACS改』は、水分による溶融固化等がない限
り、長期間性能は安定している。本発明に係る高速清澄
処理法の対象となる水は上水、産業排水、工業排水等で
あるが、『SACS改』の(a)(b)(c)成分製品
の微粉粒径は一般汚濁水には30〜100μ程度が好
ましく、高粘度汚濁水には30〜200μ程度(特例
としては更に粒度の大なるもの)が適している。『SA
CS改』における(a)(b)(c)成分製品の配合は
上水の場合一般には重量比で標準配合をするのを建前と
するが、都市周辺又は拡散して立地した工業団地等で公
害物質等の混入した河川地域の上水ではその水質の種類
によりその混合比は異なり、その適正に分類された混合
比と成る。
【0019】本発明の処理剤『SACS改』の添加量
は、被処理水の性質すなわち濁度、懸濁粒子の大きさ、
pH、電荷性、成分の種類等の外処理濁度、処理装置の
機構、処理用添加剤の有無その他で一概に言うことはで
きない。しかしながら、一般的には微細粒子懸濁液に対
しては『SACS改』は約10〜10,000ppm程
度であり、より具体的にいえば、下水汚泥に準ずるよう
な懸濁粒子の濃度が大きい場合には『SACS改』は約
100〜10,000ppmの範囲で使用する。地下水
河川水等比較的低濁度原液の場合、『SACS改』は1
0〜300ppmの範囲基準で使用する。
【0020】本発明の特筆すべき利用法としては、災害
時の緊急用水が考えられる。地震等の災害時に際して最
も不自由するのは水であるというのは定説であるが、災
害時に風呂水、池水、溜水等を『SACS改』で処理し
た後、次亜塩素酸ソーダを使用することによって簡単に
飲用水が得られる。
【0021】従来の無機凝集剤は陰性疎水コロイドの凝
集の作用を主として行なってきたが、『SACS改』で
は従来の陰性疎水コロイドの凝集作用を行なうと共に、
被処理水中の金属、重金属類等の吸着沈降にも優れた特
性を発揮する。『SACS改』の原料である原料微粉は
すべて粒径30〜200μのもの70%以上含有する
ごとく粒度調整をしたものであるが、この粒度調整の範
囲は概略の目安を定めたものであって、この範囲を多少
逸脱したものでも本発明が有効に実施できるのは当然で
ある。同様のことは処理剤『SACS改』の注入量につ
いても言うことができる。本発明においては注入量は1
0〜10,000ppmと限定しているがこれもまた概
略の目安を示したもので、原水の性状如何によっては、
この範囲を多少逸脱したものでも本発明が有効に実施で
きる。
【0022】
【実施例】以下本発明の効果等を具体的に理解するた
め、本発明の凝集剤『SACS改』と『従来品』との凝
集性能効果の比較試験を行なった。試験としては世界の
環境汚染が進む中で、人類の健康に多大の影響を及ぼす
飲料水に係る2つの例をとりあげた。 [実施例1]トリハロメタン発生の要因とされているフ
ミン酸を用いて色度試験を行ない、また排水汚染を想定
して濁度溶液を用いて濁度試験を行なう造水による方法
で試験をした。 [実施例2]現実に飲料水として使用されている工場、
産業、家庭排水及びフミン酸等公害汚染の最も激しい江
戸川で、川底の濁質を添加して高濁水として水質の主要
項目のみについて実際河川での試験をした。
【0023】[実施例1の試験機器等]前記のように本
発明品『SACS改』と『従来品』凝集剤の性能効果を
比較検討するために実験室で、造水方法により次の試験
機器等を使用して色度、濁度の試験を行なった。 (a)主要試験機器 (1)SK式凝集反応試験器 (2)Spectro Photo Meter (3)ポイック積分球式濁度計 (b)標準試薬 (1)色度:フミン酸試薬 (2)濁度:濁度標準溶液 (3)水:水道水をイオン浄化した精製水 (4)フミン酸試薬を水に秤量投入し標準色度2.5溶
液を造水する (5)濁度標準溶液を水に投入して濁度50ppm溶液
を造水する [実施例1の(1)色度試験] (a)選定した色度溶液(色度2.5)に『SACS
改』及び『従来品』を各々60ppmを添加する。 (b)SK式凝集反応試験器で下記のように回転数と時
間とを変えて連続して合計15分間撹拌反応させる。 (1)90rpm×2min (2)60rpm×10min (3)30rpm×3min (c)撹拌後15分間静置する。 (d)15分間静置後各々2種類の上澄液を所定量(2
0ml)を採取して濾紙(5B)で濾過し濾過液を色度
計で測定する。 色度試験の結果は表1に示す通りである。 [実施例1の(2)濁度試験] (a)設定した濁度溶液(濁度50ppm)に『SAC
S改』及び『従来品』を各々10ppm、20ppm、
30ppm、50ppmを添加する。 (b)前記試験の(b)に準じて行なう。 (c)前記試験の(c)に準じて行なう。 (d)15分間静置後、各々2種類の上澄液を所定量
(100ml)を採水して濁度計で濁度を測定する。 濁度試験の結果は表2に示す通りである。
【0024】[実施例2の目的等] (a)目的:汚染の激しい江戸川の高濁度河川水につい
て実地に本発明品『SACS改』と『従来品』凝集剤の
主要項目について比較試験を行なった。 (b)凝集試験:ジャーテスターを用いて『SACS
改』と『従来品』との凝集効果の比較試験を行なった。
原水(江戸川)に河底の濁質を添加して高濁水とした。 (c)実験の経過と結果:原水(江戸川)の高濁度河川
水に凝集剤の『従来品』と本発明品『SACS改』を注
入し、ジャーテスターを用いて急速撹拌120rpm3
分間、緩速撹拌12分間を行ない、静置10分後の上澄
水について、主要項目(濁度、色度、過マンガン酸カリ
(KMnO)消費量)の比較試験を行なった。その結
果は表3及び図1〜図3に示す通りである。
【0025】
【発明の効果】本発明は適宜粒度を調整した原料微粉を
熱処理、薬剤反応せしめて生成した(a)、(b)、
(c)成分の混合製品『SACS改』を汚濁水に注入し
て撹拌し生成した沈殿物を除去することによって、汚濁
水を高速に清澄処理することを可能としており、次に示
すようなすぐれた効果を有するものである。 (1)従来使用されている各種凝集剤に比べて凝集沈降
時間は大幅に短縮される。前記した河川水の例によれ
ば、従来法の1/5〜1/15の短時間で処理できる。 (2)高速清澄処理が行なわれるにも拘わらず、従来使
用されている凝集剤の機能(有機物の除去、濁度の低
下)を更に向上し、濁度の低下は極めて促進される。 (3)ケーキの含水率は低く剥離性も優れている。本発
明に係る方法によって凝縮沈降したケーキは含水率が従
来の凝集剤に比べ1/2以下と低く、剥離性、脱水性も
優れているため、沈降槽下部導管から容易に抜き取るこ
とができる。また抜き取られたケーキは自然乾燥で容易
に固化できるため処理が容易であるという特性を有して
いる。 (4)この処理剤『SACS改』は安価である。すなわ
ち、その原料成分は浮岩質火成岩等の微粉から成ってい
るが、火山帯の大地を形成している砂を篩で粒度を選別
するだけで容易に使用できるからである。 (5)腐敗物等の有機物を容易に液中から分離沈降せし
め、沈降状態を維持する。 (6)水処理設備を新設するに際して、本発明に係る方
法によれば、撹拌、凝集、沈降、排出等の設備費、敷地
を大幅に節約することができる。 (7)現在稼働中の水処理設備にも本発明に係る方法は
容易に利用でき、利用することによってその設備能力を
増大することができる。 (8)特に本発明における『SACS改』の水質高清澄
性は近年上水道水源にて発生している有機物汚染など、
またIC製造等の際に必要な純水処理等の前水処理剤と
しての利用価値は多大である。 (9)この処理剤には脱塩効果、金属、重金属等の除去
効果がある。 (10) 以上要するに水処理設備の性能を向上し、そ
の設備費を低減し、公害防除等に大きな貢献をもたら
し、また特に災害時における緊急用水の確保をきわめて
容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2の試験結果のうち凝集剤の添
加量と濁度との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例2の試験結果のうち凝集剤の添
加量と色度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例2の試験結果のうち凝集剤の添
加量と過マンガン酸カリ消費量との関係を示すグラフで
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 清子 神奈川県横浜市港北区新吉田町2756番地 (72)発明者 堀田慶太郎 神奈川県横浜市港北区新吉田町2756番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記原料成分を下記のように粒度調整を
    したもの(以下単に「原料微粉」という)に、下記に示
    すような熱処理を加えて物理変化を起こし更に化学薬品
    を加えて化学反応を起こして生成した(a)、(b)、
    (c)各成分製品を乾燥精製したものを所定割合で混合
    して成る汚濁水の無機高速清澄処理剤。 原料成分:玻璃質石アルカリ長石、斜長石を主成分と
    し、多孔性、空晶性等を特長とする流紋岩質浮岩、沸石
    群、シラス等の火成岩微粉 粒度調整:30〜200 μのもの60%以上 (a)成分製品:原料微粉に熱処理を施し、硫酸の適量
    を加えて低温加熱反応させ活性化したものに、硫酸、カ
    リミョウバン石等を加え精製して成るもの (b)成分製品:原料微粉に熱処理を施し塩酸の適量を
    加えて低温加熱して反応させ活性化したものにアルミニ
    ウムを水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸で反応させたもの
    を加え、精製して成るもの (c)成分製品:原料微粉に苛性ソーダの適量を加えて
    中温で加熱し反応させ精製して成るもの
  2. 【請求項2】前記原料微粉は前記原料成分の単体または
    又は複数体から成ることを特徴とする請求項1に記載の
    汚濁水の無機高速清澄処理剤。
  3. 【請求項3】 前記各成分製品の乾燥精製混合の後、携
    帯用に造粒、真空パック等して成る、請求項1又は請求
    項2の汚濁水の無機高速清澄処理剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2753111A1 (fr) * 1996-09-11 1998-03-13 Centre Nat Rech Scient Materiau adsorbant selectif vis-a-vis de polluants metalliques, procede de preparation de ce materiau adsorbant, et procede d'epuration utilisant un tel materiau
WO2013035314A1 (ja) * 2011-09-09 2013-03-14 鹿児島県 凝集剤
JP2013176721A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Japan Organo Co Ltd シリコン含有排水の処理方法

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