JP2002272159A - ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置

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JP2002272159A
JP2002272159A JP2001064794A JP2001064794A JP2002272159A JP 2002272159 A JP2002272159 A JP 2002272159A JP 2001064794 A JP2001064794 A JP 2001064794A JP 2001064794 A JP2001064794 A JP 2001064794A JP 2002272159 A JP2002272159 A JP 2002272159A
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output voltage
inverter output
inverter
brushless
voltage phase
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JP2001064794A
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English (en)
Inventor
Hironobu Mizobe
浩伸 溝部
Tomoo Taniguchi
智勇 谷口
Sumikazu Matsuno
澄和 松野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータ出力電圧位相がインバータ出力電
圧位相制限値に達したときのモータ電流または負荷を電
源電圧の変動に拘わらずほぼ一定にする。 【解決手段】 インバータ出力電圧位相制限値を、イン
バータの直流部電圧に基づいて、直流部電圧が所定電圧
である場合にインバータ出力電圧位相がインバータ出力
電圧位相制限値に達したときの負荷と等しい負荷になる
ように補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はブラシレスDCモ
ータ制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえ
ば、インバータ出力電圧位相に制限値を設定した状態で
ブラシレスDCモータを制御するための方法およびその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ブラシレスDCモータをイン
バータを用いて駆動するに当たって、ブラシレスDCモ
ータの回転子磁極位置に対してインバータ出力電圧の通
電位相と出力電圧を設定してブラシレスDCモータの効
率・速度制御を行うために、例えば、図4に示す構成の
ブラシレスDCモータ制御装置が採用されている。
【0003】図4に示すブラシレスDCモータ制御装置
においては、インバータ22の3相出力電圧とモータ2
1の固定子巻線の中性点電圧とに基づいて位置検出器2
3によって回転子の回転位置を示す位置信号を生成し、
位置検出信号をレベル検出器24に供給して位置信号の
レベルを示すレベル検出信号を生成し、位置信号および
レベル検出信号をインバータ制御用のマイコン20に供
給してインバータ制御信号を生成し、インバータ制御信
号をドライブ回路32を通してインバータ22に供給し
ている。
【0004】前記マイコン20においては、レベル検
出信号に基づいてインバータ22の出力電圧振幅を制御
して効率制御を達成すべく出力電圧振幅指令を生成する
とともに、位置信号の周期を測定して速度を算出し、イ
ンバータ22の出力電圧通電位相を制御して速度制御を
達成すべく出力電圧通電位相指令を生成し、または、
レベル検出信号に基づいてインバータ22の出力電圧通
電位相を制御して効率制御を達成すべく出力電圧通電位
相指令を生成するとともに、位置信号の周期を測定して
速度を算出し、インバータ22の出力電圧振幅を制御し
て速度制御を達成すべく出力電圧振幅指令を生成する。
は任意に選択することが可能であるが、回転数、モ
ータ負荷状態、運転状況などに応じて切り替えてもよ
い。
【0005】そして、上記の何れかの制御演算により得
られた出力電圧通電位相指令および出力電圧振幅指令を
基にPWM(パルス幅変調)波形を逐次演算し、インバ
ータ22のスイッチング素子を駆動するためにインバー
タ制御信号(ゲート波形制御信号)をドライブ回路32
に出力する。
【0006】そして、上記の構成のブラシレスDCモー
タ制御装置を空気調和機用の圧縮機を駆動するために採
用した場合には、圧縮機の運転範囲は例えば、図5に示
すようになり、インバータの出力電圧が飽和していない
領域では、ブラシレスDCモータの効率・速度制御を行
うことができる反面、インバータの出力電圧が飽和した
領域では電圧制御を行うことができないため、位相のみ
を制御する弱め磁束制御(例えば、図5中の弱め磁束制
御領域参照)を行う。また、インバータ出力電圧の電圧
利用率に制限を設けることで弱め磁束制御領域を運転に
支障がない範囲で自由に変更することができる。
【0007】この弱め磁束領域では位相による速度制御
を行っており、電圧位相に回転数、負荷などに応じた制
限を持たせることによって図5中に太線で示す位相制限
ラインよりも外の領域で運転しないようにする場合があ
る。このように位相制限を持たせれば、ある回転数で負
荷が上昇した場合に、図6中に太線で示すように、速度
を垂下させ、運転を継続することができる。
【0008】また、上述のように位相制限を行う理由と
しては、例えば、 ブラシレスDCモータの回転子に装着された永久磁石
を減磁から保護するべく電流制限を持たせるため、 インバータ主回路に使用されるスイッチング素子を保
護すべく電流制限を持たせるため、 上記のブラシレスDCモータ制御装置が採用されたシ
ステム側の要求により、所定の負荷よりも重い負荷で運
転させないため、などが例示できる。
【0009】さらに、インバータ出力電圧位相制限値
は、例えば、図7に示すようにモータ回転数の関数にな
っている。ここで、インバータ出力電圧位相は、図8に
示すように、モータ逆起電圧に対するインバータ出力電
圧の位相δである。
【0010】そして、マイコン20の構成として、例え
ば、図9に示すように、位置信号を入力として速度を演
算する速度演算部26と、速度指令と演算された速度と
の差分を入力としてPI制御演算を行ってインバータ出
力電圧位相を出力するPI制御部28と、インバータ出
力電圧位相および演算された速度を入力として位相制限
処理を行う位相制限部30と、レベル検出信号を入力と
して電圧振幅演算を行って電圧振幅指令を出力する電圧
振幅演算部27と、位相制限処理後のインバータ出力電
圧位相および電圧振幅指令を入力として波形演算を行っ
てゲートドライブ信号を出力する波形演算部31とを有
する構成が採用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成のブラシレ
スDCモータ制御装置を採用した場合において、インバ
ータ22の入力電圧(直流電圧)が変動した場合には、
インバータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限
値に達する負荷は、例えば図10に示すように、インバ
ータ主回路の入力電圧の変動に応じて変動する。このと
き、モータ電流は図11に示すように、インバータ主回
路の入力電圧の低下に伴って増加し、上昇に伴って減少
する。なお、図10、図11はあくまで一例を示してい
るだけであり、ブラシレスDCモータの設計仕様により
変化する。
【0012】この結果、次の不都合が生じる。
【0013】(1)インバータ出力電圧位相制限値に達
したときのモータ電流が電源電圧に依存して変化するた
め、ブラシレスDCモータの回転子に装着された永久磁
石の減磁保護に対する余裕がなくなってしまう可能性が
ある。
【0014】(2)減磁保護に対する余裕を確保するよ
うにインバータ出力電圧位相制限値を設定すると、ブラ
シレスDCモータの運転範囲が狭くなってしまう。
【0015】(3)十分な運転範囲を確保するようにイ
ンバータ出力電圧位相制限値を設定すると、ブラシレス
DCモータの回転子に装着される永久磁石を減磁しない
ように設計することが必要になり、コストアップを招い
てしまう。
【0016】(4)インバータ出力電圧位相制限値に達
したときのモータ電流が電源電圧に依存して変化するた
め、インバータ主回路に使用されるスイッチング素子の
保護に対する余裕がなくなってしまう可能性がある。
【0017】(5)スイッチング素子の保護に対する余
裕を確保するようにインバータ出力電圧位相制限値を設
定すると、ブラシレスDCモータの運転範囲が狭くなっ
てしまう。
【0018】(6)十分な運転範囲を確保するようにイ
ンバータ出力電圧位相制限値を設定すると、インバータ
主回路に使用されるスイッチング素子の容量を大きく設
定することが必要になる場合があり、この場合にはコス
トアップを招いてしまう。
【0019】(7)インバータ出力電圧位相制限値に達
したときの負荷が電源電圧に依存して変化するため、任
意の負荷範囲で運転することができなくなってしまう。
【0020】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、インバータ出力電圧位相がインバータ出
力電圧位相制限値に達したときのモータ電流または負荷
を電源電圧の変動に拘わらずほぼ一定にすることができ
るブラシレスDCモータ制御方法およびその装置を提供
することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1のブラシレスD
Cモータ制御方法は、ブラシレスDCモータの回転子磁
極位置を検出し、磁極位置検出信号に基づいてインバー
タ出力電圧および回転子磁極位置に対するインバータ出
力電圧位相を算出し、算出されたインバータ出力電圧
と、インバータ出力電圧位相もしくはインバータ出力電
圧位相制限値とに基づいてインバータを制御し、インバ
ータ出力電圧をブラシレスDCモータに供給してブラシ
レスDCモータを制御するに当たって、インバータの直
流部の電圧を検出し、インバータの直流部の電圧に基づ
いて、インバータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位
相制限値に達したときのインバータ出力電流が等しくな
るようにインバータ出力電圧位相制限値を補正する方法
である。
【0022】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
は、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検出し、
磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧および
回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相を算出
し、算出されたインバータ出力電圧と、インバータ出力
電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値とに基
づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧をブラ
シレスDCモータに供給してブラシレスDCモータを制
御するに当たって、インバータの直流部の電圧を検出
し、インバータの直流部の電圧に基づいて、インバータ
出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達した
ときの負荷が等しくなるようにインバータ出力電圧位相
制限値を補正する方法である。
【0023】請求項3のブラシレスDCモータ制御方法
は、インバータの直流部の電圧の取りうる範囲を複数の
領域に区分するとともに、各領域に対応させてインバー
タ出力電圧位相制限値を設定しておき、インバータの直
流部の電圧が含まれる領域を検出し、検出領域に対応す
るインバータ出力電圧位相制限値を採用する方法であ
る。
【0024】請求項4のブラシレスDCモータ制御方法
は、インバータの直流部の電圧検出に代えて、インバー
タの入力交流部の電圧検出を行う方法である。
【0025】請求項5のブラシレスDCモータ制御装置
は、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検出し、
磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧および
回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相を算出
し、算出されたインバータ出力電圧と、インバータ出力
電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値とに基
づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧をブラ
シレスDCモータに供給してブラシレスDCモータを制
御するものであって、インバータの直流部の電圧を検出
する電圧検出手段と、インバータの直流部の電圧に基づ
いて、インバータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位
相制限値に達したときのインバータ出力電流が等しくな
るようにインバータ出力電圧位相制限値を補正するイン
バータ出力電圧位相制限値補正手段とを含むものであ
る。
【0026】請求項6のブラシレスDCモータ制御装置
は、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検出し、
磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧および
回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相を算出
し、算出されたインバータ出力電圧と、インバータ出力
電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値とに基
づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧をブラ
シレスDCモータに供給してブラシレスDCモータを制
御するものであって、インバータの直流部の電圧を検出
する電圧検出手段と、インバータの直流部の電圧に基づ
いて、インバータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位
相制限値に達したときの負荷が等しくなるようにインバ
ータ出力電圧位相制限値を補正するインバータ出力電圧
位相制限値補正手段とを含むものである。
【0027】請求項7のブラシレスDCモータ制御装置
は、前記インバータ出力電圧位相制限値補正手段とし
て、インバータの直流部の電圧の取りうる範囲を複数の
領域に区分しておく区分手段と、各領域に対応させてイ
ンバータ出力電圧位相制限値を設定しておくインバータ
出力電圧位相制限値設定手段とを含むものを採用するも
のである。
【0028】請求項8のブラシレスDCモータ制御装置
は、前記電圧検出手段として、インバータの直流部の電
圧検出に代えて、インバータの入力交流部の電圧検出を
行うものを採用するものである。
【0029】
【作用】請求項1のブラシレスDCモータ制御方法であ
れば、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検出
し、磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧お
よび回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相を
算出し、算出されたインバータ出力電圧と、インバータ
出力電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値と
に基づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧を
ブラシレスDCモータに供給してブラシレスDCモータ
を制御するに当たって、インバータの直流部の電圧を検
出し、インバータの直流部の電圧に基づいて、インバー
タ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達し
たときのインバータ出力電流が等しくなるようにインバ
ータ出力電圧位相制限値を補正するのであるから、イン
バータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に
達したときのモータ電流を電源電圧の変動に拘わらず一
定にすることができる。
【0030】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検
出し、磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧
および回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相
を算出し、算出されたインバータ出力電圧と、インバー
タ出力電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値
とに基づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧
をブラシレスDCモータに供給してブラシレスDCモー
タを制御するに当たって、インバータの直流部の電圧を
検出し、インバータの直流部の電圧に基づいて、インバ
ータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達
したときの負荷が等しくなるようにインバータ出力電圧
位相制限値を補正するのであるから、インバータ出力電
圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達したときの
負荷を電源電圧の変動に拘わらず一定にすることができ
る。
【0031】請求項3のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、インバータの直流部の電圧の取りうる範囲を
複数の領域に区分するとともに、各領域に対応させてイ
ンバータ出力電圧位相制限値を設定しておき、インバー
タの直流部の電圧が含まれる領域を検出し、検出領域に
対応するインバータ出力電圧位相制限値を採用するので
あるから、簡単な処理で、インバータ出力電圧位相がイ
ンバータ出力電圧位相制限値に達したときのモータ電流
または負荷を電源電圧の変動に拘わらずほぼ一定にする
ことができる。
【0032】請求項4のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、インバータの直流部の電圧検出に代えて、イ
ンバータの入力交流部の電圧検出を行うのであるから、
インバータの入力交流部の電圧を検出することによっ
て、請求項1から請求項3の何れかと同様の作用を達成
することができる。
【0033】請求項5のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検
出し、磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧
および回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相
を算出し、算出されたインバータ出力電圧と、インバー
タ出力電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値
とに基づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧
をブラシレスDCモータに供給してブラシレスDCモー
タを制御するに当たって、電圧検出手段によってインバ
ータの直流部の電圧を検出し、インバータ出力電圧位相
制限値補正手段によって、インバータの直流部の電圧に
基づいて、インバータ出力電圧位相がインバータ出力電
圧位相制限値に達したときのインバータ出力電流が等し
くなるようにインバータ出力電圧位相制限値を補正する
ことができる。
【0034】したがって、インバータ出力電圧位相がイ
ンバータ出力電圧位相制限値に達したときのモータ電流
を電源電圧の変動に拘わらず一定にすることができる。
【0035】請求項6のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、ブラシレスDCモータの回転子磁極位置を検
出し、磁極位置検出信号に基づいてインバータ出力電圧
および回転子磁極位置に対するインバータ出力電圧位相
を算出し、算出されたインバータ出力電圧と、インバー
タ出力電圧位相もしくはインバータ出力電圧位相制限値
とに基づいてインバータを制御し、インバータ出力電圧
をブラシレスDCモータに供給してブラシレスDCモー
タを制御するに当たって、電圧検出手段によってインバ
ータの直流部の電圧を検出し、インバータ出力電圧位相
制限値補正手段によって、インバータの直流部の電圧に
基づいて、インバータ出力電圧位相がインバータ出力電
圧位相制限値に達したときの負荷が等しくなるようにイ
ンバータ出力電圧位相制限値を補正することができる。
【0036】したがって、インバータ出力電圧位相がイ
ンバータ出力電圧位相制限値に達したときの負荷を電源
電圧の変動に拘わらず一定にすることができる。
【0037】請求項7のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、前記インバータ出力電圧位相制限値補正手段
として、インバータの直流部の電圧の取りうる範囲を複
数の領域に区分しておく区分手段と、各領域に対応させ
てインバータ出力電圧位相制限値を設定しておくインバ
ータ出力電圧位相制限値設定手段とを含むものを採用す
るのであるから、簡単な処理で、インバータ出力電圧位
相がインバータ出力電圧位相制限値に達したときのモー
タ電流または負荷を電源電圧の変動に拘わらずほぼ一定
にすることができる。
【0038】請求項8のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、前記電圧検出手段として、インバータの直流
部の電圧検出に代えて、インバータの入力交流部の電圧
検出を行うものを採用するのであるから、インバータの
入力交流部の電圧を検出することによって、請求項5か
ら請求項7の何れかと同様の作用を達成することができ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のブラシレスDCモータ制御方法およびその装置の
実施の態様を詳細に説明する。
【0040】図1はこの発明のブラシレスDCモータ制
御装置の一実施態様を示すブロック図である。
【0041】このブラシレスDCモータ制御装置は、ブ
ラシレスDCモータ1の固定子巻線に3相交流電圧を供
給するインバータ主回路2と、インバータ主回路2の3
相出力電圧とブラシレスDCモータ1の固定子巻線の中
性点電圧とに基づいて回転子の回転位置を示す位置信号
を生成する位置検出部3と、位置検出信号を入力として
位置信号のレベルを示すレベル検出信号を生成するレベ
ル検出部4と、インバータ主回路2の直流部電圧を検出
する直流部電圧検出部5と、位置信号の周期を検出する
ことにより速度(回転数)fを演算する速度演算部6
と、レベル検出信号を入力として電圧振幅演算処理を行
い電圧振幅指令Vを出力する電圧振幅演算部7と、速度
指令f*と演算された速度fとの差分を入力としてPI
制御演算を行ってインバータ出力電圧位相δを出力する
PI制御部8と、A/D変換器9によりデジタル値に変
換された直流部電圧、演算された速度f、およびインバ
ータ出力電圧位相δを入力としてインバータ出力電圧位
相制限値補正処理を行う位相制限補正処理部10と、位
相制限補正処理部10から出力されたインバータ出力電
圧位相および電圧振幅指令Vを入力として波形演算処理
を行ってインバータ制御信号(ゲート波形制御信号)を
出力し、図示しないドライブ回路を通してインバータ主
回路2に供給する波形演算部11とを有している。ただ
し、直流部電圧検出部5に代えて、インバータ主回路2
の交流入力部の電圧を検出するものを採用することが可
能である。この場合には、交流入力部の電圧と直流部電
圧との間に所定の関係があるので、この関係を用いて交
流入力部の電圧から直流部電圧を得るようにしてもよ
く、または位相制限補正処理部10において、交流入力
部の電圧に基づいて補正処理を行うようにしてもよい。
【0042】前記位相制限補正処理部10は、予め設定
した直流部電圧に対応するインバータ出力電圧位相制限
値を基準とし、検出した直流部電圧が予め設定した直流
部電圧と異なる場合に、検出した直流部電圧に対応する
インバータ出力電圧位相制限値を予め設定した直流部電
圧に対応するインバータ出力電圧位相制限値と等しくす
べく補正処理を行うものである。
【0043】図2は位相制限補正処理部10の作用を説
明するフローチャートである。
【0044】ステップSP1において、直流部電圧また
は交流入力部の電圧V1を検出し、ステップSP2にお
いて、実回転数fを検出し、ステップSP3において、
検出された電圧V1および実回転数fに基づいてインバ
ータ出力電圧位相制限値を計算することにより、インバ
ータ出力電圧位相制限値の補正を達成する。なお、ステ
ップSP3の処理は、電圧V1、実回転数fに対応させ
て補正後のインバータ出力電圧位相制限値を予め設定し
たテーブルを参照することによって行ってもよいが、補
正後のインバータ出力電圧位相制限値を電圧V1、実回
転数fの関数として保持しておき、この関数に電圧V
1、実回転数fを与えて計算することによって行っても
よい。ただし、電圧V1の取りうる範囲を複数の領域に
区分しておくとともに、領域、実回転数fに対応させて
補正後のインバータ出力電圧位相制限値を予め設定した
テーブルを採用することも可能であり、この場合には、
テーブルの容量を小さくすることができる。この場合に
おいて、電圧V1が何れの領域に該当するかは、マイコ
ンのソフトウエア処理で判定してもよいが、比較器を用
いて判定してもよい。
【0045】直流部電圧検出部5およびA/D変換器9
を除く他の構成部分の作用は図9の対応する構成部分の
作用と同様である。
【0046】上記の構成のブラシレスDCモータ制御装
置の作用は次のとおりである。
【0047】負荷と回転数で規定される運転範囲が図3
中にaで示すように与えられ、予め設定した直流部電圧
が200Vである場合に対応するインバータ出力電圧位
相制限値が図3中にbで示すように与えられている場合
に、位相制限補正処理を行わず、かつ直流部電圧が18
0V、220Vであれば、インバータ出力電圧位相制限
値が図3中にc、dで示すように、前記インバータ出力
電圧位相制限値と大きく異なることになり、前述の不都
合が生じる。
【0048】しかし、この実施態様においては、位相制
限補正処理部10においてインバータ出力電圧位相制限
値の補正処理が行われるのであるから、図3中に矢印で
示すように、直流部電圧が200Vである場合に対応す
るインバータ出力電圧位相制限値が得られる。換言すれ
ば、直流部電圧に拘わらず、インバータ出力電圧位相が
インバータ出力電圧位相制限値に達したときの負荷を、
直流部電圧が200Vの場合の負荷と等しく(一定に)
することができる。
【0049】この結果、ブラシレスDCモータの回転子
に装着された永久磁石の減磁に対する余裕を十分に確保
でき、インバータ主回路に使用されるスイッチング素子
の保護に対する余裕を十分に確保でき、しかも十分な運
転範囲を確保できるとともに、永久磁石の大型化、スイ
ッチング素子の大容量化を不要にすることができる。
【0050】なお、図3は負荷と回転数で規定される運
転範囲および対応するインバータ出力電圧位相制限値を
示しているが、インバータ出力電流と回転数で規定され
る運転範囲および対応するインバータ出力電圧位相制限
値も同様に得ることができ、この場合には、直流部電圧
に拘わらず、インバータ出力電圧位相がインバータ出力
電圧位相制限値に達したときのインバータ出力電流を一
定にすることができる。
【0051】また、以上の実施態様において、インバー
タ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達す
る前に速度垂下制御を行うことも可能である。
【0052】
【発明の効果】請求項1の発明は、インバータ出力電圧
位相がインバータ出力電圧位相制限値に達したときのモ
ータ電流を電源電圧の変動に拘わらず一定にすることが
できるという特有の効果を奏する。
【0053】請求項2の発明は、インバータ出力電圧位
相がインバータ出力電圧位相制限値に達したときの負荷
を電源電圧の変動に拘わらず一定にすることができると
いう特有の効果を奏する。
【0054】請求項3の発明は、簡単な処理で、インバ
ータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達
したときのモータ電流または負荷を電源電圧の変動に拘
わらずほぼ一定にすることができるという特有の効果を
奏する。
【0055】請求項4の発明は、インバータの入力交流
部の電圧を検出することによって、請求項1から請求項
3の何れかと同様の効果を奏する。
【0056】請求項5の発明は、インバータ出力電圧位
相がインバータ出力電圧位相制限値に達したときのモー
タ電流を電源電圧の変動に拘わらず一定にすることがで
きるという特有の効果を奏する。
【0057】請求項6の発明は、インバータ出力電圧位
相がインバータ出力電圧位相制限値に達したときの負荷
を電源電圧の変動に拘わらず一定にすることができると
いう特有の効果を奏する。
【0058】請求項7の発明は、簡単な処理で、インバ
ータ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達
したときのモータ電流または負荷を電源電圧の変動に拘
わらずほぼ一定にすることができるという特有の効果を
奏する。
【0059】請求項8の発明は、インバータの入力交流
部の電圧を検出することによって、請求項5から請求項
7の何れかと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブラシレスDCモータ制御装置の一
実施態様を示すブロック図である。
【図2】位相制限補正処理部の作用を説明するフローチ
ャートである。
【図3】負荷と回転数で規定される運転範囲および対応
するインバータ出力電圧位相制限値を示す図である。
【図4】従来のブラシレスDCモータ制御装置の構成を
示す概略図である。
【図5】空気調和機用圧縮機の運転範囲、位相制限ライ
ン、および弱め磁束制御領域の一例を示す図である。
【図6】速度垂下時の運転軌跡を説明する図である。
【図7】インバータ出力電圧位相制限値と回転数との関
係の一例を説明する図である。
【図8】インバータ出力電圧とモータ逆起電圧との位相
関係の一例を説明する図である。
【図9】マイコンの内部構成を詳細に示す従来のブラシ
レスDCモータ制御装置のブロック図である。
【図10】インバータの直流部電圧に応じた負荷−回転
数特性の一例を示す図である。
【図11】インバータの直流部電圧に応じたモータ電流
−回転数特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスDCモータ 2 インバータ主回路 5 直流部電圧検出部 10 位相制限補正処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 澄和 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 株式会社ダイキン空調技術研究所内 Fターム(参考) 5H560 AA02 BB04 BB12 DA13 DA19 DB13 DC13 EB01 EB07 JJ02 JJ04 RR10 SS02 TT15 UA06 XA04 XA05 XA06 XA10 XA12 XA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスDCモータ(1)の回転子磁
    極位置を検出し、磁極位置検出信号に基づいてインバー
    タ出力電圧および回転子磁極位置に対するインバータ出
    力電圧位相を算出し、算出されたインバータ出力電圧
    と、インバータ出力電圧位相もしくはインバータ出力電
    圧位相制限値とに基づいてインバータ(2)を制御し、
    インバータ出力電圧をブラシレスDCモータ(1)に供
    給してブラシレスDCモータ(1)を制御する方法であ
    って、 インバータ(2)の直流部の電圧を検出し、 インバータ(2)の直流部の電圧に基づいて、インバー
    タ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達し
    たときのインバータ出力電流が等しくなるようにインバ
    ータ出力電圧位相制限値を補正することを特徴とするブ
    ラシレスDCモータ制御方法。
  2. 【請求項2】 ブラシレスDCモータ(1)の回転子磁
    極位置を検出し、磁極位置検出信号に基づいてインバー
    タ出力電圧および回転子磁極位置に対するインバータ出
    力電圧位相を算出し、算出されたインバータ出力電圧
    と、インバータ出力電圧位相もしくはインバータ出力電
    圧位相制限値とに基づいてインバータ(2)を制御し、
    インバータ出力電圧をブラシレスDCモータ(1)に供
    給してブラシレスDCモータ(1)を制御する方法であ
    って、 インバータ(2)の直流部の電圧を検出し、 インバータ(2)の直流部の電圧に基づいて、インバー
    タ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達し
    たときの負荷が等しくなるようにインバータ出力電圧位
    相制限値を補正することを特徴とするブラシレスDCモ
    ータ制御方法。
  3. 【請求項3】 インバータ(2)の直流部の電圧の取り
    うる範囲を複数の領域に区分するとともに、各領域に対
    応させてインバータ出力電圧位相制限値を設定してお
    き、 インバータ(2)の直流部の電圧が含まれる領域を検出
    し、 検出領域に対応するインバータ出力電圧位相制限値を採
    用する請求項1または請求項2に記載のブラシレスDC
    モータ制御方法。
  4. 【請求項4】 インバータ(2)の直流部の電圧検出に
    代えて、インバータ(2)の入力交流部の電圧検出を行
    う請求項1から請求項3の何れかに記載のブラシレスD
    Cモータ制御方法。
  5. 【請求項5】 ブラシレスDCモータ(1)の回転子磁
    極位置を検出し、磁極位置検出信号に基づいてインバー
    タ出力電圧および回転子磁極位置に対するインバータ出
    力電圧位相を算出し、算出されたインバータ出力電圧
    と、インバータ出力電圧位相もしくはインバータ出力電
    圧位相制限値とに基づいてインバータ(2)を制御し、
    インバータ出力電圧をブラシレスDCモータ(1)に供
    給してブラシレスDCモータ(1)を制御する装置であ
    って、 インバータ(2)の直流部の電圧を検出する電圧検出手
    段(5)と、 インバータ(2)の直流部の電圧に基づいて、インバー
    タ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達し
    たときのインバータ出力電流が等しくなるようにインバ
    ータ出力電圧位相制限値を補正するインバータ出力電圧
    位相制限値補正手段(10)とを含むことを特徴とする
    ブラシレスDCモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 ブラシレスDCモータ(1)の回転子磁
    極位置を検出し、磁極位置検出信号に基づいてインバー
    タ出力電圧および回転子磁極位置に対するインバータ出
    力電圧位相を算出し、算出されたインバータ出力電圧
    と、インバータ出力電圧位相もしくはインバータ出力電
    圧位相制限値とに基づいてインバータ(2)を制御し、
    インバータ出力電圧をブラシレスDCモータ(1)に供
    給してブラシレスDCモータ(1)を制御する装置であ
    って、 インバータ(2)の直流部の電圧を検出する電圧検出手
    段(5)と、 インバータ(2)の直流部の電圧に基づいて、インバー
    タ出力電圧位相がインバータ出力電圧位相制限値に達し
    たときの負荷が等しくなるようにインバータ出力電圧位
    相制限値を補正するインバータ出力電圧位相制限値補正
    手段(10)とを含むことを特徴とするブラシレスDC
    モータ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記インバータ出力電圧位相制限値補正
    手段(10)は、インバータの直流部の電圧の取りうる
    範囲を複数の領域に区分しておく区分手段と、各領域に
    対応させてインバータ出力電圧位相制限値を設定してお
    くインバータ出力電圧位相制限値設定手段とを含むもの
    である請求項5または請求項6に記載のブラシレスDC
    モータ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記電圧検出手段(5)は、インバータ
    (2)の直流部の電圧検出に代えて、インバータ(2)
    の入力交流部の電圧検出を行うものである請求項5から
    請求項7の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012147520A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Denso Corp 回転機の制御装置
JP2013034315A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Fuji Electric Co Ltd インバータの制御装置
US11793223B2 (en) 2018-03-09 2023-10-24 Conopco Inc. Antioxidant composition

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