JP2002271934A - 防鼠性合成樹脂製ケーブル保護管及びそれを用いたケーブル布設方法 - Google Patents

防鼠性合成樹脂製ケーブル保護管及びそれを用いたケーブル布設方法

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JP2002271934A
JP2002271934A JP2001069924A JP2001069924A JP2002271934A JP 2002271934 A JP2002271934 A JP 2002271934A JP 2001069924 A JP2001069924 A JP 2001069924A JP 2001069924 A JP2001069924 A JP 2001069924A JP 2002271934 A JP2002271934 A JP 2002271934A
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rat
synthetic resin
laying
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JP2001069924A
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Hidemi Nishiyama
秀美 西山
Shunji Yamamoto
俊司 山本
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鼠咬害が発生しやすく、曲がり部も多い下水
道管内に、鼠咬害防止用の金属外装を有しない可とう性
の良好なケーブルを布設できるようにする。 【解決手段】 下水道管18内に、管壁が防鼠剤を含有す
る合成樹脂で構成された防鼠性合成樹脂製ケーブル保護
管10を布設し、このケーブル保護管10内に、鼠咬害防止
用の金属外装を有しないケーブル32を布設する。ケーブ
ル保護管10は、管壁が、防鼠剤を含有する合成樹脂層
と、その外側に設けられた防鼠剤を含有しない合成樹脂
層との複合構造であり、波付けされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、防鼠性を有する
合成樹脂製ケーブル保護管と、それを用いたケーブル布
設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、電線、ケーブルを屋外の地下や
管路内もしくは屋内天井裏などに布設した場合、鼠の咬
害による損傷で、漏電、火災、断線などの事故が発生す
る場合がある。このため、電力ケーブルやメタル通信ケ
ーブルでは、鼠咬害対策として、ケーブルシースに防鼠
剤を配合した防鼠ケーブルが開発されている(特開平5-
342921号公報、特開平3-30316号公報)。
【0003】 また近年、大容量の情報を高速通信する
需要が高まり、光ファイバ網の構築が進められている。
光ファイバケーブルの布設には、その布設環境に適した
様々な方法が採用されているが、最近では、下水道管を
利用した光ファイバケーブルの布設工法が検討されてい
る。下水道管に布設される光ファイバケーブルの場合
は、下水道管内で発生する腐食性ガスや湿気に起因する
腐食防止及び防鼠対策として、ステンレステープや鉄線
などの金属外装を施すのが一般的である。下水道管内へ
のケーブル布設方法としては、次のような4つの工法が
公知である。
【0004】 1つ目は、ロボット工法と呼ばれる工法
で(特開平11-285136号公報)、専用ロボットにより管
内頂部にケーブル固定フックを取り付け、このフックで
ケーブルを保持する方法である。2つ目は、サドル工法
と呼ばれる工法で、作業員が下水道管内に入り、人力で
直接管内壁にサドルを用いてケーブルを固定する方法で
ある。以上の2つの工法には、鼠などからケーブルを保
護するため、主にステンレス外装を施した光ケーブルが
用いられている。
【0005】 3つ目は、さや管工法であり、シールド
工法の二次被覆工コンクリートなどの中にさや管を設置
したり、下水道管内面に小径のさや管を布設するなどし
て、その中にケーブルを布設する方法である。例えば特
開平10-110868号公報には、下水道管内にケーブル布設
用のさや管を固定し、その中にケーブルを収納する方法
が開示されている。4つ目は、引き流し工法であり、下
水道管内底部にケーブルを直接布設する方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 防鼠ケーブルは、ケ
ーブルシース材料に防鼠剤を練り込み、押出加工するこ
とにより製造される。この場合、押出加工時の加熱やダ
イスなどとの摩擦によりシース材料に練り込んだ防鼠剤
の一部が揮発する。特に光ケーブルの場合は、溝付きス
ペーサ内に光ファイバを収納した後、押出機に通してシ
ースを押出被覆するが、前述のように押出加工時に、そ
の熱によりシース材料に練り込んだ防鼠剤の一部が揮発
すると、揮発分がケーブル内部に残留して、光ファイバ
の伝送特性に影響を及ぼす懸念がある。
【0007】 従来の光ケーブルの防鼠対策は、前述の
ようにケーブルシース内に金属外装を設けることにより
機械的強度を向上させて、鼠の歯が食い込めないように
するものである。しかしこの対策では、ステンレステー
プや鉄線などの金属外装を設けることから、外装を持た
ない光ケーブルに比べると、コスト高になり、ケーブル
重量が増加し、さらにはケーブルの可とう性が損なわれ
て施工性がわるくなる等の問題がある。
【0008】 ケーブルの布設環境が狭い空間である
と、上記の問題は一層深刻なものとなる。例えば下水道
管内に光ケーブルを布設する場合には、管内が狭い空間
であるだけでなく、各住宅などの需要者まで布設すると
なると施工現場の状況に合わせて下水道管の曲がりや勾
配があったりする。さらには、マンホール内でのケーブ
ル接続、分岐箱設置部分でのケーブル余長処理や、下水
道の点検や洗浄作業などに支障のないようにするためマ
ンホールやますの内壁にケーブルを固定することも必要
である。このような場合、ケーブルの可とう性がわるい
と曲げ半径を大きく取らなくてはならず、布設上の制約
が増えて適用範囲がせばめられたり、布設スペース確保
のために大型のマンホールが必要になったりして、資材
及び布設コストが増大するという問題がある。
【0009】 特にFTTH(Fiber To The Home)な
どで、下水道管を利用して各住宅へ光ケーブルを布設す
る場合には、直径150mm以下の小口径管内への布設、小
半径の曲がり部を多数有するルートへの布設となるた
め、光ケーブルの可とう性は、より重要な要求特性とな
る。また屋内配線などの布設環境でも、比較的小半径の
曲がり部を多数有するルートへの布設となるため、光ケ
ーブルの可とう性は重要な要求特性となる。
【0010】 また、前述した従来の下水道管へのケー
ブル布設工法には次のような問題がある。
【0011】 ロボット工法では、専用のロボットが下
水道管内を移動してケーブルを布設するため、管内に不
陸がないこと、目地部分にズレ等がないことを事前調査
する必要がある。調査で不陸やズレ等が発見された場合
には、管の修理、改良等が必要となり、施工期間及びコ
ストの増大が問題となる。またロボットの移動が阻害さ
れないように、管内径がある程度以上大きくなければな
らず、小径管や曲がり部の多い布設環境には不向きな工
法である。さらに布設される光ケーブルは、下水道管内
に曝されることから防鼠性が求められ、一般にはステン
レス外装ケーブルが用いられるが、このケーブルは通常
の光ケーブルより可とう性がわるいため、管内での小径
の曲げや、マンホールやます内での余長処理が困難にな
る場合がある。
【0012】 サドル工法は、管内に直接作業者が入っ
て布設作業をするため、比較的大口径の管(内径1200mm
以上)にしか適用できず、管内での作業者の安全確保も
重要な課題となる。また布設されるケーブルは、下水道
管内に曝されるため防鼠性が求められ、ロボット工法の
場合と同様な問題がある。
【0013】 さや管工法では、二次被覆工コンクリー
トなどの中にさや管を設置したり、下水道管内面に硬質
ポリ塩化ビニル管を布設するなどして、ケーブルを布設
するため、屈曲した布設ルートへの適用は難しく、布設
ルートが比較的直線的な場合に限られるか、布設ルート
を予め曲がりの少ないルートに設計する必要があるなど
制約が多い。また一般にシールド工法では、マンホール
間の距離が長くなるため、ケーブルの布設張力が大きく
なる。このためケーブルに布設張力に耐える強度を持た
せるか、途中にプルボックスを設けて布設張力を低減す
るなどの工夫が必要となる。また硬質ポリ塩化ビニル管
をさや管として用いる場合、通常5m程度の定尺に切断
された下水道管の布設と同時にさや管を布設するため、
下水道管内に保持されるさや管を接着剤にて接続しなが
らの下水道構築となり、しかも曲がり部があるときは別
途さや管専用の曲がり部材も必要となり、資材費がかか
り、施工時間も長くなり、結果として施工コストが高く
なる。またさや管は防鼠性がないことや、比較的小径な
管となることから、鼠の歯が立ちやすく、鼠の咬害を受
けることがある。
【0014】 引き流し工法では、ケーブルを直接管底
部に布設することから、下水道本来の目的である汚水を
スムーズに流下させる機能を阻害するおそれがある。ま
た水流によるケーブルの振動防止、鼠咬害防止、汚水に
混ざって流れる様々な流下物からのケーブル保護のため
に、ケーブルに鉄線外装を施す必要がある。その結果ケ
ーブル重量が重くなり、曲げ半径が大きくなることか
ら、マンホール内でのケーブルの取扱いや余長収納スペ
ースの確保が困難になるなど、ケーブルの布設性が悪化
する。またケーブルは汚水中に水没することが多く、流
下物がケーブルに絡まりやすいため、布設後の洗浄など
維持管理に支障をきたす場合がある。
【0015】 本発明の目的は、以上のような問題点に
鑑み、鼠咬害が発生するおそれのあるルートに、鼠咬害
防止用の外装を有しない可とう性の良好なケーブルを布
設できるようにするための、防鼠性合成樹脂製ケーブル
保護管と、それを用いたケーブル布設方法を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決する
ため本発明は、合成樹脂製ケーブル保護管の管壁に防鼠
剤を含有させて、合成樹脂製ケーブル保護管に防鼠性を
持たせたことを特徴とするものである。本発明のケーブ
ル保護管は防鼠性を有するため、その中に引き込むケー
ブルは鼠咬害防止用の外装を有しない可とう性の良好な
ものを使用することができ、小口径で曲がり部の多い布
設環境であっても容易に、かつ安価にケーブルを布設す
ることが可能となる。
【0017】 防鼠剤を含有する合成樹脂製ケーブル保
護管は、管壁に含まれている防鼠剤が揮発し、製造作業
者や布設作業者の目や鼻などの粘膜に刺激を与えたり、
長期的には防鼠性能が低下するなどの問題がある。この
対策としては、管壁を、防鼠剤を含有する層と、その外
側に設けた防鼠剤を含有しない層とを備えた複合構造に
することが好ましい。防鼠剤を含まない層の厚さは、鼠
がかじったときに鼠の歯が防鼠剤を含む層まで達するよ
うに設定すればよい。このようにすると、管壁の外面か
ら防鼠剤が揮発するのを抑制できるため、作業者への刺
激をなくすことができると共に、長期にわたって防鼠性
能を維持することができる。
【0018】 またケーブル保護管の内部への防鼠剤の
揮発を防止するためには、防鼠剤を含有する層の内側に
も防鼠剤を含有しない層を設けるとよい。このように防
鼠剤を含む層の内外両面に防鼠剤を含まない層を設けれ
ば、防鼠剤の揮発はほとんどなくなり、管を切断したと
きの作業者への刺激もなくすことができると共に、防鼠
性能をより長期にわたって維持することができる。
【0019】 また本発明の防鼠性合成樹脂製ケーブル
保護管は、直管でもよいが、管壁が波付けされた波付け
管とすることが、より好ましい。
【0020】 その理由の一つは次のとおりである。管
形状が直管の場合、波付け管よりも曲げ剛性が高いこと
から、布設時に管外面が地面その他の周囲物体に擦れる
時の圧力が高く、かつ管外面が擦れる面積も大きくな
り、このため防鼠剤が多量に飛散して、防鼠性能が低下
するだけでなく、作業者への刺激も大きくなる。これに
対し波付け管の場合は、可とう性があるため、布設時に
地面等と擦れる圧力は軽く抑えられると共に、擦れる部
分は波形の山部であって、谷部は擦れないから、谷部か
らの防鼠剤の飛散を抑制でき、防鼠性能を長持ちさせる
ことができる。
【0021】 もう一つの理由は次のとおりである。波
付け管とすることで、直管に比べ表面積が大きくなるこ
とから、前記溶解した防鼠剤成分がより多くの面積から
拡散され、その成分が、鼠が管に咬みつく以前の段階か
ら、防鼠性を助けるのに有効に働き、防鼠剤を浪費しな
い。なお前述のように、防鼠剤を含む層の外側に防鼠剤
を含まない層を設けておけば、外側の層で防鼠剤の揮発
分を樹脂内に留めることができ、時間の経過と共に徐々
に防鼠剤が外側の層に浸透して行き、その後管外部に拡
散するようになるため、より有効に防鼠剤を利用でき
る。
【0022】 次に本発明のケーブル布設方法は、上記
のような防鼠性合成樹脂製ケーブル保護管を所定のルー
トに布設し、このケーブル保護管の中に鼠咬害防止用の
外装を有しないケーブルを布設することを特徴とするも
のである。本発明のケーブル保護管は、防鼠剤の添加に
より防鼠機能が付与されているので、この中に布設する
ケーブルは、金属外装などによる防鼠対策を施す必要が
ない。このためケーブルの可とう性が増し、重量も軽量
化され、布設性が著しく向上する。特に下水道管や屋内
配線など、曲がり部の多いルートや、小半径の曲がり部
がある布設ルートにおける施工性が良好になる。
【0023】 本発明のケーブル布設方法は、下水道管
内に光ケーブルを布設するのに特に効果的である。すな
わち、下水道管内に、上記のような防鼠性合成樹脂製ケ
ーブル保護管を布設し、このケーブル保護管の中に鼠咬
害防止用の外装を有しない光ケーブルを布設するのであ
る。このようにすれば、鼠咬害が発生する可能性が高
く、しかも布設ルートに曲がり部の多い下水道管内に布
設する光ケーブルとして、鼠咬害防止用の金属外装を有
しない可とう性の良好な光ケーブルを使用できるため、
下水道管内に容易に光ケーブルを布設することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施形態を、図
面を参照して詳細に説明する。
【0025】 図1は本発明に係る防鼠性合成樹脂製ケ
ーブル保護管の一実施形態を示す。このケーブル保護管
10は、管壁12が防鼠剤を含有する合成樹脂で構成されて
いるものである。管壁12は波付けされている。ケーブル
保護管10の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂組成物、又は軟質ポリ塩
化ビニル組成物などを用いることが、可とう性、成形
性、コストの面から好ましい。これらの材料に防鼠性を
持たせるため、シクロヘキシミド、テルペノイド化合
物、カプサイシン等の防鼠剤が配合する。防鼠剤は、取
扱いを容易にするため、マイクロカプセルに収納した状
態で用いるとよい。防鼠剤の添加量は、防鼠効果などを
勘案して適宜調整されるが、0.15〜1.0重量%にするこ
とが好ましい。この範囲より少ないと、防鼠性が十分で
なく、多いと管材料の成形性及び強度が低下する。
【0026】 図2は本発明に係る防鼠性合成樹脂製ケ
ーブル保護管の他の実施形態を示す。このケーブル保護
管10は、管壁12が、防鼠剤を含有する合成樹脂層14と、
その外側に設けられた防鼠剤を含有しない合成樹脂層16
とで構成されているものである。管壁12が波付けされて
いること、使用する管材料及び防鼠剤などは図1の実施
形態と同じである。
【0027】 防鼠剤を含有しない合成樹脂層16を設け
ると、防鼠剤を含有する合成樹脂層14からの防鼠剤の揮
発を抑制できるため、製造作業者や布設作業者に防鼠剤
の揮発による刺激を与えるのを防止できると共に、防鼠
性能を長持ちさせることができる。防鼠剤を含まない層
16の厚さは、鼠がケーブル保護管10をかじった時に、鼠
の歯が防鼠剤を含む層14まで容易に達するように設定さ
れる。具体的には、防鼠剤を含まない層16の厚さは、0.
1〜1.0mmにすることが好ましく、さらに好ましくは0.1
〜0.5mmにするとよい。
【0028】 次に、以上のような防鼠性合成樹脂製ケ
ーブル保護管10を用いた、本発明に係る下水道管内への
光ケーブルの布設方法を説明する。この布設方法では、
まず図3のようにして下水道管18内に防鼠性合成樹脂製
ケーブル保護管10を布設する。すなわち、下水道管18
の、ある区間の一端側のマンホール20A付近にケーブル
保護管10の送出しドラム22を設置し、他端側のマンホー
ル20B付近に牽引ロープ24の引取り機26を設置し、下水
道管10内に通した牽引ロープ24の後端にケーブル保護管
10の先端を接続し(28がその接続部)、牽引ロープ24を
引取り機26で引っ張ることにより、下水道管18内に防鼠
性合成樹脂製ケーブル保護管10を布設する。下水道管18
内の頂部には予めブラケット30が取り付けられており、
ケーブル保護管10はこのブラケット30内を通すようにし
て布設される。
【0029】 以上のようにして下水道管10内に防鼠性
合成樹脂製ケーブル保護管10を布設した後、図4に示す
ようにケーブル保護管10内に光ケーブル32を引き込んで
布設する。ケーブル保護管10は防鼠性を有しているた
め、その中に引き込む光ケーブル32は金属外装などの防
鼠対策を施す必要はなく、鼠咬害防止用の外装を有しな
い通常の光ケーブルを使用できる。このため光ケーブル
32は、従来の下水道管10内に布設されていた光ケーブル
より、可とう性が良好で、重量も軽くなるため、布設作
業性が著しく向上する。したがってこの布設方法は、曲
がり部が多く、鼠咬害が発生する可能性の高い下水道管
内への光ケーブルの布設に特に好適である。
【0030】
【実施例】 高密度ポリエチレン100重量部に対し、防
鼠剤としてカプサイシンのマイクロカプセルをカプサイ
シン添加量換算で0.2重量部配合したものを、押出機で
管形状に押出成形すると共に、その外側に高密度ポリエ
チレンの層を0.2mmの厚さになるように押出成形し、波
付け加工を施して、図2に示すような外径28mm、内径22
mm、平均肉厚1.2mmの、2層構造の波付けケーブル保護
管10を製造した。
【0031】 このケーブル保護管10を図3のような方
法で下水道管内に布設した。図5に布設実験ルートを平
面図で示す。マンホール20A(内径900mm)から下水道
管18a(内径250mm)内に矢印A方向にケーブル保護管1
0を引き込み、マンホール20B(内径900mm)内の曲がり
部32、下水道管18b(内径150mm)を経て、公共ます34
まで引き込み、公共ます34(内径500mm)内で余長取り
を行った。36は余長部である。公共ます34内には分岐接
続箱38が設置されている。マンホール20Aから20Bまで
の距離は10m、マンホール20Bから公共ます34までの距
離は5mである。さらに公共ます34と住宅40をつなぐ、
途中に直角曲がり部42のある下水道管18c(内径100m
m)内に、矢印B方向にケーブル保護管10を引込み布設
した。公共ます34から住宅40までの距離は10mである。
ケーブル保護管10は施工ルートの曲がり部32、42で柔軟
に曲がり、きわめて容易に布設することができた。また
ケーブル保護管10は各部で擦られて若干の外傷を受けた
が、外傷は波形の山部のみであり、防鼠剤の揮発は極少
量に抑えられたため、作業者への刺激は全くなかった。
布設後、公共ます34内で、ケーブル保護管10の端部を分
岐接続箱38に接続した。
【0032】 次に、布設されたケーブル保護管10内
に、金属外装を有しない光ケーブル(外径16mm)を引
き込んだ。光ケーブルの可とう性は良好で、マンホール
20Aから分岐接続箱38まで、そして分岐接続箱38から住
宅まで、光ケーブルを容易に布設することができた。
【0033】 以上のようにして下水道管18内にケーブ
ル保護管10と光ケーブルを布設した後、図5の実験ルー
トのすべての出口を塞ぎ、下水道管18a〜18c、マンホ
ール20A、20B及び公共ます34内を行き来できる空間と
し、この空間内にウイスター系ラット(鼠)を5匹放
ち、下水道管路内に閉じ込めた状態で3日間放置し、防
鼠性能を評価した。その結果、ケーブル保護管10の表面
には鼠による試しかじり程度の外傷は見られたが、管外
部から内部の光ケーブルを目視できるような外傷はなか
った。
【0034】 比較のため、防鼠剤を含まないケーブル
保護管を布設したこと以外は、上記実施例と同じ試験を
行った。その結果、ケーブル保護管の表面に鼠にかじら
れたことによる外傷が多数見られ、そのうち光ケーブル
が外部から目視できるような孔が多数確認された。
【0035】 さらに比較のため、ステンレス外装を有
する光ケーブル(外径16mm)を図5の実験ルートの下水
道管18内に布設することを試みたところ、曲がり部32で
引込み張力が急上昇し、公共ます34までは何とか引き出
せたが、公共ます34内で余長取りをすることはできなか
った。その後、公共ます34から住宅40に向けて同光ケー
ブルを引き込んだが、曲がり部42に差しかかったところ
で、引込み張力が増大して布設できなくなった。
【0036】
【発明の効果】 以上説明したように本発明の合成樹脂
製ケーブル保護管は防鼠性を有しているため、これを鼠
咬害が発生する可能性のあるルートに布設すれば、その
中に引き込むケーブルとしては鼠咬害防止用の外装を有
しない可とう性の良好なケーブルを使用することができ
るので、曲がり部のある布設ルートにも、また途中でケ
ーブル余長取りを行う布設ルートにも、容易にケーブル
布設を行うことができる。
【0037】 また本発明のケーブル保護管は、防鼠剤
を含む合成樹脂層の外側に防鼠剤を含まない合成樹脂層
を設けた複合構造とすることにより、防鼠剤の揮発を抑
制することができるので、ケーブル保護管の製造時及び
布設時に、防鼠剤の揮発による作業者への刺激をなくす
ことができると共に、長期にわたって防鼠性能を維持す
ることができる。
【0038】 さらに本発明のケーブル保護管は、波付
け管とすることにより、単位長さ当たりに含まれる防鼠
剤の量を多くすることができるので、防鼠効果を高める
ことができる。特に上記のような複合構造にして、かつ
波付け構造にすると、ケーブル保護管の布設時に表面が
擦られてできる外傷は波形の山部だけとなり、谷部は外
傷を受けないため、外傷による防鼠剤の損失を少なく留
めることができ、したがって外傷による防鼠性能の低下
を抑制することができる。
【0039】 また本発明のケーブル布設方法を採用す
れば、鼠咬害が発生する可能性のある布設ルートに鼠咬
害防止用の外装を有しない可とう性の良好なケーブルを
布設できるので、曲がり部のあるルートや途中でケーブ
ルの余長取りをするルートにも、容易にケーブルを布設
することができる。
【0040】 特に本発明のケーブル布設方法を採用す
ると、鼠咬害が発生する可能性が高く、しかも曲がり部
の多い下水道管内に、途中で余長取りをする必要のある
光ケーブルを布設することが可能となり、下水道管を利
用した各住宅等への光ケーブルの布設を大きく前進させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る防鼠性合成樹脂製ケーブル保護
管の一実施形態を示す半分切開側面図。
【図2】 同じく他の実施形態を示す半分切開側面図。
【図3】 本発明に係るケーブル布設方法の一実施形態
で、下水道管内にケーブル保護管を布設している状態を
示す説明図。
【図4】 同実施形態で、ケーブル保護管内にケーブル
を布設した状態を示す断面図。
【図5】 本発明に係るケーブル布設方法の実験ルート
を平面的に示す説明図。
【符号の説明】
10:防鼠性合成樹脂製ケーブル保護管 12:管壁 14:防鼠剤を含む合成樹脂層 16:防鼠剤を含まない合成樹脂層 18:下水道管 20A、20B:マンホール 24:牽引ロープ 28:接続部 30:ブラケット 32:光ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 9/12 F16L 9/12 G02B 6/46 H02G 9/06 Z H02G 9/06 G02B 6/00 351 Fターム(参考) 2D063 BA11 BA32 2H038 CA68 3H111 AA01 BA15 BA31 CA42 CB03 DA26 DB05 DB23 EA04 5G369 AA07 BA04 DC03 DC04 DC06 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管壁が防鼠剤を含有する合成樹脂で構成
    されていることを特徴とする防鼠性合成樹脂製ケーブル
    保護管。
  2. 【請求項2】 管壁が、防鼠剤を含有する合成樹脂層
    と、その外側に設けられた防鼠剤を含有しない合成樹脂
    層とを備えていることを特徴とする防鼠性合成樹脂製ケ
    ーブル保護管。
  3. 【請求項3】 管壁が波付けされていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の防鼠性合成樹脂製ケーブル保護
    管。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の防
    鼠性合成樹脂製ケーブル保護管を所定のルートに布設
    し、このケーブル保護管の中にケーブルを布設すること
    を特徴とするケーブル布設方法。
  5. 【請求項5】 下水道管内に、請求項1ないし3のいず
    れかに記載の防鼠性合成樹脂製ケーブル保護管を布設
    し、このケーブル保護管の中に光ケーブルを布設するこ
    とを特徴とする下水道管内への光ケーブル布設方法。
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