JP2002271180A - クロック信号デューティ比補正回路及び補正方法 - Google Patents

クロック信号デューティ比補正回路及び補正方法

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JP2002271180A
JP2002271180A JP2001069587A JP2001069587A JP2002271180A JP 2002271180 A JP2002271180 A JP 2002271180A JP 2001069587 A JP2001069587 A JP 2001069587A JP 2001069587 A JP2001069587 A JP 2001069587A JP 2002271180 A JP2002271180 A JP 2002271180A
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clock signal
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duty ratio
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Hitoshi Atsukawa
仁 厚川
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望のデューティ比を有するクロック信号を
生成することができるューティ比補正回路およびデュー
ティ比補正方法を提供する。 【解決手段】 入力クロック信号S1をn時間毎ずらし
て複数遅延させ、この複数の遅延信号から1つを選択
し、選択した選択クロック信号S2と、それをさらにn
時間だけ遅延させた遅延クロック信号S3とよりリセッ
ト信号S4を生成し、データ端子Dを”H”レベルに設
定したDフリップフロップ回路15のクロック端子CK
へ入力クロック信号S1を入力し、リセット端子Rへリ
セット信号S4を入力することにより、Dフリップフロ
ップ回路15よりデューティ比の補正された補正クロッ
ク信号S5が得られる。この補正クロック信号S5のデ
ューティ比を判定し、判定結果に基づいて選択する選択
クロック信号S2を変更することにより、所望するデュ
ーティ比を有する補正クロック信号S5が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば通信装置
で用いられる、クロック信号のデューティ比補正回路に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】通信機器の装置内では、同一クロックに
て各回路部を動作させるために、装置内各部へクロック
信号を供給している。このクロック信号においては、他
の回路部の信号の影響を受けパルス幅などが変動するこ
とがある。このため、クロック信号の供給先におけるク
ロック信号のデューティ比が供給元のクロック信号のデ
ューティ比から変動し、クロック信号の供給先におい
て、回路が正常に動作しない場合がある。
【0003】このような場合は、供給先でクロック信号
のデューティ比補正回路を用いて、クロック信号の補正
が必要となる。
【0004】図7は、従来のクロック信号のデューティ
比補正回路70のブロック図である。図8は図7に示す
クロック信号のデューティ比補正回路70の各部の動作
を示すタイミングチャートである。図8の入力クロック
信号S71は、クロックの供給元では50%のデューテ
ィ比であったものが、クロック信号の供給先において、
デューティ比が50%でなくなった状態を示す。
【0005】図7における従来のクロック信号のデュー
ティ比補正回路70の動作を説明する。入力クロック信
号S71を、n時間ごとに順次遅延させるnステップ遅
延回路71に入力し、nステップ遅延回路71の出力ク
ロック信号を、遅延時間の小さいものと、大きいものの
2つの群に分け、それぞれジャンパ線72、ジャンパ線
73へ入力する。
【0006】ジャンパ線72にて、入力されたクロック
信号のうちいずれか1つのクロック信号を選択し、その
選択したクロック信号をクロック信号S72とする。ク
ロック信号S72を、m(m<n)時間ごとに順次遅延
させるmステップ遅延回路74に入力する。ジャンパ線
73でもジャンパ線72と同様に、入力されたクロック
信号のうちいずれか1つの信号を選択し、その選択した
信号をクロック信号S73とする。mステップ遅延回路
74の出力は、ジャンパ線75へ入力され、ジャンパ線
75においてもジャンパ線72、73と同様に入力され
たクロック信号のうちいずれか1つのクロック信号を選
択し、その選択したクロック信号をクロック信号S74
とする。
【0007】クロック信号S73の反転信号と、クロッ
ク信号S74の論理積をとり、その信号をリセット信号
S75としてDフリップフロップ回路77のリセット端
子Rに入力し、また、入力クロック信号S71をクロッ
ク信号としてDフリップフロップ回路77のクロック端
子CKに入力する。Dフリップフロップ回路77のデー
タ端子Dを”H”レベルに設定しておくと、Dフリップ
フロップ回路77の出力信号は、入力クロック信号S7
1の立ち上がりに同期して立ち上がり、リセット信号S
75の立ち上がりに同期して立ち下がる、デューティ比
が補正された補正クロック信号S76となる。
【0008】図7の従来のクロック信号デューティ比補
正回路70のブロック図の各部の動作を示す、図8のタ
イミングチャートより明らかなように、補正クロック信
号S76のデューティ比を調整するには、各ジャンパ線
72、73、75におけるジャンパ線接続を変更し、す
なわち、入力クロック信号の遅延時間を変更してリセッ
ト信号S75の立ち上がりタイミングを調整すればよ
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のクロック信号のデューティ比補正回路では、ジ
ャンパ線による調整作業が必要となり、また、装置内の
各部により、他の回路部からの影響が異なるため入力ク
ロック信号のデューティ比の変動量が異なり、この調整
作業は困難なものとなっていた。
【0010】本発明の目的は、入力クロック信号のデュ
ーティ比の調整作業を必要とせず、また、入力クロック
信号が、装置内で設定されたデューティ比に補正される
クロック信号デューティ比補正回路を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めの第1の手段は、入力クロック信号よりこの入力クロ
ック信号のパルス幅より短い時間であるn時間ごとに順
次遅延させた、m個(mは2以上の整数)のクロック信
号を生成し出力するnステップ遅延回路と、遅延させた
m個のクロック信号が入力されその中から1つのクロッ
ク信号を選択し選択クロック信号として出力する選択回
路と、選択クロック信号をn時間だけ遅延させ、n遅延
クロック信号として出力するn遅延回路と、n遅延クロ
ック信号および選択クロック信号が入力され、このn遅
延クロック信号と選択クロック信号とを論理演算しリセ
ット信号として出力するリセット信号生成回路と、入力
クロック信号がクロック端子へ入力され、リセット信号
がリセット端子へ入力され、この入力クロック信号の立
ち上がりに同期して立ち上がり、このリセット信号の立
ち上がりに同期して立ち下がる補正クロック信号を生成
して出力するフリップフロップ回路と、補正クロック信
号が入力され、この補正クロック信号のデューティ比に
基づいて”H”レベルあるいは”L”レベルのカウント
信号を生成して出力するカウント信号生成回路と、カウ
ント信号が入力され、このカウント信号の“H”レベル
あるいは“L”レベルによりカウント値をアップあるい
はホールドしカウント値を変更させ、このカウント値を
選択信号として出力するカウンタを備え、選択信号は選
択回路に入力され、この選択回路はこの選択信号に応じ
てm個のクロック信号より選択するクロック信号を変更
し出力する機能を有することを特徴とするクロック信号
デューティ比補正回路である。
【0012】前述の課題を解決するための第2の手段
は、第1の手段におけるカウント信号生成回路が、補正
クロック信号のデューティ比を判定し、この判定結果に
応じたパルス占有率を有するパルス信号を生成し出力す
るデューティ比判定回路と、パルス信号が入力されこの
パルス信号のパルス占有率に応じた値の電圧信号を生成
しレベル信号として出力する電圧変換回路と、レベル信
号の波形を整形する低域通過フィルタと、この整形され
たレベル信号の電圧値を監視し、電圧値に応じて”H”
レベルあるいは”L”レベルのカウント信号を生成して
出力する電圧監視回路で構成されることを特徴とする請
求項1記載のクロック信号デューティ比補正回路であ
る。
【0013】前述の課題を解決するための第3の手段
は、入力クロック信号よりこの入力クロック信号のパル
ス幅より短い時間であるn時間ごとに順次遅延させたm
個(mは2以上の整数)のクロック信号を生成し、m個
のクロック信号より1つのクロック信号を選択し、選択
したクロック信号と、この選択したクロック信号をn時
間遅延させた遅延クロック信号とを論理演算し、選択し
たクロック信号の立ち上がりに同期して立ち上がり、遅
延クロック信号の立ち上がりに同期して立ち下がるパル
ス幅nのリセット信号を生成し、入力クロック信号の立
ち上がりに同期して立ち上がり、リセット信号の立ち上
がりに同期して立ち下がる補正クロック信号を生成し、
補正クロック信号のデューティ比に基づいて“H”レベ
ルあるいは“L”レベルのカウント信号を生成して出力
し、カウント信号が“H”レベルあるいは“L”レベル
のときにカウントアップあるいはホールドされるカウン
ト値が、カウントアップされたときは選択したクロック
信号よりさらにn時間遅延したクロック信号を選択し、
カウント値がホールドされたときは選択したクロック信
号を選択し続けることを特徴とするクロック信号デュー
ティ比補正方法である。
【0014】前述の課題を解決するための第4の手段
は、第3の手段におけるカウント信号の生成と出力が、
補正クロック信号のデューティ比を判定し、この判定結
果に応じたパルス占有率を有するパルス信号を生成し、
パルス信号のパルス占有率に応じた電圧値を有する電圧
信号に変換し、この電圧信号の電圧値に応じた2値のレ
ベル信号に変換することにより行われることを特徴とす
る請求項3記載のクロック信号デューティ比補正方法で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例を示
す、クロック信号デューティ比補正回路10のブロック
図である。このクロック信号デューティ比補正回路10
は、nステップ遅延回路11、選択回路12、n遅延回
路13、リセット信号生成回路14、Dフリップフロッ
プ回路15、カウント信号生成回路16、カウンタ17
より構成される。またリセット信号生成回路14は、反
転回路141、論理積回路142より構成され、カウン
ト信号生成回路16は、デューティ比判定回路161、
電圧変換回路162、低域通過フィルタ163、電圧監
視回路164より構成される。
【0016】nステップ遅延回路11は、入力された入
力クロック信号S1をn時間ごとに順次遅延させ、遅延
させた各クロック信号を出力する。nステップ遅延回路
11より出力された各クロック信号は選択回路12に入
力される。選択回路12は、カウンタ17からの信号が
選択信号S9として入力され、選択信号S9のカウント
値によりnステップ遅延回路11から入力された各クロ
ック信号のうち1つを選択し出力する。選択回路12で
選択され出力される選択クロック信号S2は、n遅延回
路13、およびリセット信号生成回路14の一方の端子
へ入力される。n遅延回路13は、入力された信号をn
時間遅延させて出力するものである。n遅延回路13の
出力である遅延クロック信号S3は、リセット信号生成
回路14の他の一方の端子へ入力される。リセット信号
生成回路14では、選択回路12からの選択クロック信
号S2と、その選択クロック信号S2をn時間遅延させ
たn遅延回路13の出力である遅延クロック信号S3を
反転した信号を、論理積演算することにより、パルス幅
がn時間のパルス信号であるリセット信号S4を生成す
る。リセット信号生成回路14の出力であるリセット信
号S4は、Dフリップフロップ回路15のリセット端子
Rに入力される。このDフリップフロップ回路15のク
ロック端子CKには、入力クロック信号S1が入力さ
れ、データ端子Dは”H”レベルに固定されている。D
フリップフロップ回路15では、入力クロック信号S1
の立ち上がりに同期して立ち上がり、リセット信号S4
の立ち上がりに同期して立ち下がる波形をした、デュー
ティ比を補正した補正クロック信号S5が生成される。
この補正クロック信号S5は装置内各部へ供給されると
ともに、カウント信号生成回路16に入力される。
【0017】カウント信号生成回路16においては、ま
ず、補正クロック信号S5がデューティ比判定回路16
1に入力される。デューティ比判定回路161は、入力
された補正クロック信号S5のデューティ比を、デュー
ティ比判定回路161内で予め設定したデューティ比と
比較し、予め設定したデューティ比との間に差があると
きは、その差に基づいたパルス占有率を有するパルス信
号S6を出力し、予め設定したデューティ比と一致する
場合は、パルス占有率を持たない、すなわち、“L”レ
ベルの信号S6を出力する。電圧変換回路162は、デ
ューティ比判定回路161の出力であるパルス信号S6
を、その信号のパルス占有率に基づいた電圧値を有する
電圧信号S7に変換する。低域通過フィルタ163は、
電圧信号S7の波形を整形等するものである。
【0018】電圧監視回路164は、低域通過フィルタ
163で波形整形された電圧信号を予め電圧監視回路1
64内で設定したしきい値電圧と比較して、低域通過フ
ィルタ163の出力電圧信号の電圧値が、しきい値電圧
以上の場合は電圧監視回路164の出力のレベル信号で
あるカウント信号S8を”H”レベルとし、しきい値電
圧未満の場合はカウント信号S8を”L”レベルとす
る。カウンタ17は、カウント信号S8が”H”レベル
の期間中は、カウンタ17の出力である選択信号S9の
カウント値を一定時間ごとに1カウントアップする。ま
た、カウント信号S8が”L”レベルのときカウンタ1
7は、カウントアップを停止する。カウンタ17の出力
である選択信号S9は選択回路12に入力され、選択回
路12は選択信号S9のカウント値がカウントアップす
ると、選択回路12で選択するクロック信号を、現在選
択しているクロック信号よりさらにn時間遅延されたク
ロック信号へと変更する。
【0019】選択回路12で選択されるクロック信号の
遅延時間が変化することにより、リセット信号生成回路
14より出力されるリセット信号S4の立ち上がりタイ
ミングが変化し、Dフリップフロップ回路15より出力
される補正クロック信号S5のデューティ比が変化す
る。Dフリップフロップ回路15よりデューティ比判定
回路161内で設定したデューティ比を有する補正クロ
ック信号S5が出力されるまで、以上の動作を繰返し、
最終的にはデューティ比判定回路161内で設定したデ
ューティ比を有する補正クロック信号S5が得られる。
【0020】次に、本実施例の動作について説明する。
【0021】図2乃至図6は、図1に示したクロック信
号デューティ比補正回路10の各部の動作を説明する図
である。この説明では、入力クロック信号S1のデュー
ティ比が25%であり、デューティ比判定回路161内
で設定したデューティ比が50%の補正クロック信号S
5を得るまでの場合を示している。
【0022】図2乃至図5は、選択回路12で選択し出
力する選択クロック信号S2の遅延時間がそれぞれ、
n、2n、3n、4nの場合を示す。図2乃至図5のS
1に示す波形は、クロック信号デューティ比補正回路1
0に入力される入力クロック信号のものである。
【0023】入力クロック信号S1は、nステップ遅延
回路11の入力端子INとDフリップフロップ回路15
のクロック端子CKへ入力される。nステップ遅延回路
11に入力された入力クロック信号S1は、n時間〜8
n時間までn時間毎に遅延されて出力され、各々遅延さ
れたクロック信号は選択回路12に入力される。遅延時
間nの時間幅は、入力クロック信号S1の正パルス幅よ
り小さいものであり、本説明においては遅延時間nの時
間幅を入力クロック信号S1の1周期の1/8としてい
る。選択回路12は、n時間遅延したクロック信号を選
択することを初期動作とする。
【0024】図2を用い、その初期動作を説明する。選
択回路12で選択されたクロック信号は、選択クロック
信号S2としてn遅延回路13とリセット信号生成回路
14の一方の入力端子に入力される。n遅延回路13に
入力された選択クロック信号S2は、さらにn時間遅延
されn遅延回路13の出力信号である遅延クロック信号
S3として、リセット信号生成回路14の他の一方の入
力端子に入力される。リセット信号生成回路14では、
遅延クロック信号S3の反転信号と選択クロック信号S
2の論理積演算を行う。リセット信号生成回路14では
論理積演算の結果としてパルス幅がn時間であるパルス
信号が得られ、リセット信号生成回路14は出力信号と
して、図2に示すリセット信号S4を出力する。
【0025】リセット信号S4は、Dフリップフロップ
回路15のリセット端子Rに入力される。データ端子D
が”H”レベルに固定され、入力クロック信号S1がク
ロック端子CKへ、リセット信号S4がリセット端子R
へそれぞれ入力されるDフリップフロップ回路15の出
力信号は、図2のS5に示すように、入力クロック信号
S1の立ち上がりに同期して立ち上がり、リセット信号
S4の立ち上がりに同期して立ち下がるパルス波形とな
る。この信号がデューティ比を補正した補正クロック信
号S5として装置内各部へ供給されるとともに、カウン
ト信号生成回路16にも入力される。
【0026】前述したように、この実施例では、デュー
ティ比50%の補正クロック信号S5を得ることを目的
としている。初期動作にて得られた補正クロック信号S
5は、図2の補正クロック信号S5でありデューティ比
は50%となっていない。そこで、この補正クロック信
号S5よりデューティ比が50%の補正クロック信号S
5を得る動作を以下に説明する。
【0027】カウント信号生成回路16に入力された、
補正クロック信号S5は、まず、デューティ比判定回路
161に入力される。補正クロック信号S5が入力され
たデューティ比判定回路161は、入力された補正クロ
ック信号S5のデューティ比を、予めデューティ比判定
回路161内で設定したデューティ比と比較して、予め
設定したデューティ比との間に差があるときは、その差
に比例した大きさのパルス占有率を有するパルス信号S
6を出力し、予め設定したデューティ比と一致する場合
は、パルス占有率を持たない、すなわち“L”レベルの
信号S6を出力する。
【0028】図2に示す、補正クロック信号S5のデュ
ーティ比は、遅延時間nの時間幅が入力クロック信号S
1の1周期の1/8であることより、12.5%であ
り、説明するクロック信号デューティ比補正回路10で
得ようとする、補正クロック信号S5のデューティ比5
0%とは、37.5%の差がある。
【0029】補正クロック信号S5を、デューティ比判
定回路161に入力したときのデューティ比判定回路1
61の出力は、図2のパルス信号S6に示す波形とな
り、このパルス信号S6のパルス占有率は75%となっ
ており、前記デューティ比の差である37.5%の2倍
となっている。
【0030】デューティ比判定回路161の出力である
パルス信号S6は、電圧変換回路162に入力される。
電圧変換回路162は入力されたパルス信号のパルス占
有率に比例した電圧値を有する電圧信号S7を発生す
る。パルス信号S6のパルス占有率が100%のときの
電圧信号S7の値を5[V]とすると、いま、図2のパル
ス信号S6のパルス占有率は75%であるので、電圧変
換回路162が出力する電圧信号S7の値は3.75
[V]となる。この電圧信号S7は、低域通過フィルタ
163を介して電圧監視回路164に入力される。低域
通過フィルタ163は、電圧信号S7の波形の急峻な変
化をなだらかにするため、あるいは、電圧信号S7に含
まれる高周波の雑音を除去するために設けられたもので
ある。
【0031】電圧監視回路164は、入力された電圧信
号S7の値が、予め電圧監視回路164内で設定したし
きい値電圧以上であるか否かを判定する。電圧信号S7
の値が、しきい値電圧以上である場合は電圧監視回路1
64はその出力電圧であるカウント信号S8を”H”レ
ベルとする。一方、電圧信号S7の値が、しきい値電圧
未満である場合は、電圧監視回路164はカウント信号
S8を”L”レベルとする。
【0032】すなわち、カウント信号生成回路16は、
入力する補正クロック信号S5のデューティ比とデュー
ティ比判定回路161内で予め設定した目標とするデュ
ーティ比との差が一定以上の場合に、出力であるカウン
ト信号S8を”H”レベルとし、一定未満の場合に”
L”レベルとするものである。
【0033】カウンタ17は、カウント信号生成回路1
6の出力であるカウント信号S8が”H”レベルのと
き、つまり、補正クロック信号S5のデューティ比と目
標とするデューティ比の差が一定値以上のとき、出力す
る選択信号S9のカウント値を1カウントアップし、一
定期間その状態を保持する。また、カウンタ17は、カ
ウント信号生成回路16の出力であるカウント信号S8
が”L”レベルのとき、つまり、補正クロック信号S5
のデューティ比と目標とするデューティ比の差が一定値
未満のとき、出力する選択信号S9のカウント値のカウ
ントアップを中止する。
【0034】選択信号S9は選択回路12に入力されて
おり、カウンタ17が選択信号S9のカウント値を1カ
ウントアップすると、選択回路12では、選択するクロ
ック信号をさらにn時間遅延させたクロック信号へと変
更し、カウンタ17がカウントアップを中止すると選択
回路12は選択するクロック信号を変更しない。
【0035】ここで、カウント信号生成回路16の動作
について説明する。前述したように、電圧変換回路16
2は、デューティ比判定回路161からのパルス信号S
6のパルス占有率に比例した大きさの電圧値である電圧
信号S7を発生する。したがって、パルス信号S6のパ
ルス占有率が0%のとき、電圧変換回路162の出力で
ある電圧信号S7は0[V]となる。パルス信号S6の
パルス占有率が0%となるのは、補正クロック信号S5
のデューティ比がデューティ比判定回路161内で予め
設定したデューティ比と一致したときである。
【0036】つまり、目標とするデューティ比を有する
補正クロック信号S5が得られたとき、電圧変換回路1
62の出力である電圧信号S7の値は0[V]となる。
しかし、実際には各回路の動作遅延時間の影響や、nス
テップ遅延回路11およびn遅延回路13における、遅
延時間nの設定により、補正クロック信号S5のデュー
ティ比が目標とするデューティ比と完全に一致しない場
合も考えられる。
【0037】そこで、カウント信号生成回路16におい
ては、補正クロック信号S5のデューティ比と目標とす
るデューティ比の差が一定の範囲内に入れば、一致した
とみなして判断させるために、電圧監視回路164にお
いて予めしきい値電圧を設定し、電圧変換回路162の
出力である電圧信号S7が、そのしきい値電圧未満の値
ならば、デューティ比が一致したと判断させている。
【0038】例えば、補正クロック信号S5のデューテ
ィ比と目標とするデューティ比の差が1%のとき、電圧
変換回路162の電圧信号S7の値は0.1[V]とな
る。デューティ比の差が1%より小さくならないとき、
電圧信号S7の値は0.1[V]以下とはならないの
で、電圧監視回路164で設定するしきい値電圧をを
0.2[V]とし、電圧変換回路162の出力である電
圧信号S7の値が0.2[V]未満になればデューティ
比が一致したとみなす。
【0039】次に、目標とするデューティ比を有する補
正クロック信号S5が得られるまでの、クロック信号デ
ューティ比補正回路10の各部の動作について説明す
る。
【0040】本発明のクロック信号デューティ比補正回
路10の初期動作は、前述したように選択回路12にお
いて、n時間遅延したクロック信号を選択するものであ
る。この選択して出力した選択クロック信号S2を処理
して、補正クロック信号S5のデューティ比を目標とす
る値にするものであり、目標値のデューティ比を有する
補正クロック信号S5が得られるまで、選択回路12に
おいて選択するクロック信号を順次変更していくもので
ある。
【0041】カウンタ17へ入力されるカウント信号S
8、カウンタ17より出力される選択信号S9と選択ク
ロック信号S2の遅延時間の関係を示したものが図6で
ある。図6では、選択回路12の出力である選択クロッ
ク信号S2の遅延時間がn、2n、3nのときは、カウ
ント信号S8が”H”レベルであり、カウンタ17は選
択信号S9のカウント値を一定時間毎にカウントアップ
し、選択クロック信号S2の遅延時間が4nになると、
補正クロック信号S5のデューティ比と、デューティ比
判定回路161内で予め設定したデューティ比との差が
一定未満となりカウント信号S8が”L”レベルとな
り、カウント17のカウントアップが停止したことを示
している。
【0042】図2は、本発明のクロック信号デューティ
比補正回路10の初期動作を説明する図であり、既に説
明した。初期動作の結果として、補正クロック信号S5
のデューティ比は12.5%であり、目標値とする50
%ではないので、カウント信号生成回路16の出力は”
H”レベルとなり、カウンタ17は選択信号S9のカウ
ント値を1カウントアップする。選択信号S9のカウン
ト値が1カウントアップされることより、選択回路12
が選択し出力する選択クロック信号S2は、さらにn時
間、すなわち、2n時間遅延された選択クロック信号S
2に変更される。
【0043】2n時間遅延された選択クロック信号S2
が選択されたときの各部の信号波形が、図3に示されて
いる。図3では、選択クロック信号S2が2n時間遅延
していることにより、リセット信号S4は、その立ち上
がりタイミングが、入力クロック信号S1の立ち上がり
タイミングから2n時間遅れたパルス波形となってい
る。これにより、補正クロック信号S5の立ち下がりタ
イミングも入力クロック信号S1の立ち上がりタイミン
グから2n時間遅れたものとなり、補正クロック信号S
5のデューティ比は25%に改善されている。
【0044】デューティ比判定回路161は、デューテ
ィ比が改善された補正クロック信号S5のデューティ比
と、目標値とするデューティ比(この説明では50%)
の差に比例した、パルス占有率を有するパルス信号S6
を出力する。補正クロック信号S5のデューティ比は2
5%であり、目標とするデューティ比50%との差は2
5%である。補正クロック信号S5のデューティ比が1
2.5%、つまり、目標とするデューティ比50%との
差が37.5%のときのパルス信号S6のパルス占有率
は75%であったので、この比例関係と同様にデューテ
ィ比判定回路161はパルス占有率50%のパルス信号
S6を出力する。(図3のパルス信号S6)。
【0045】電圧変換回路162は、入力されたパルス
信号S6のパルス占有率に比例した電圧値を有する電圧
信号S7を出力する。前述したように、パルス占有率1
00%のときの出力電圧の値を5[V]としたので、パ
ルス占有率50%のパルス信号S6を入力された電圧変
換回路162は、2.5[V]の電圧信号S7を出力す
る。
【0046】低域通過フィルタ163を介して、電圧信
号S7が入力された電圧監視回路164は、予め設定し
たしきい値電圧0.2[V]より大きいと判断し、カウ
ント信号S8を”H”レベルのままにする。カウント信
号S8の”H”レベルの状態が続き、一定時間経過する
と、カウンタ17は選択信号S9のカウント値を1カウ
ントアップする。選択信号S9のカウント値が1カウン
トアップされると、選択回路12が選択し出力する選択
クロック信号S2は、3n時間遅延された選択クロック
信号S2に変更される(図4に示される。)図4では、
補正クロック信号S5のデューティ比は、37.5%に
改善されている。この改善により、電圧変換回路162
の出力である電圧信号S7の値は1.25[V]とな
る。電圧監視回路164により、予め設定したしきい値
電圧である0.2[V]より大きいと判断され、前述し
た動作と同様に、カウンタ17の出力である選択信号S
9のカウント値が1カウントアップされ、選択回路12
からの選択クロック信号S2は、4n時間遅延された信
号となる(図5に示される)。
【0047】図5においては、補正クロック信号S5の
デューティ比は50%になり、目標とするデューティ比
50%を有する補正クロック信号S5が得られた。この
補正クロック信号S5のデューティ比は、目的とするデ
ューティ比50%と一致するので、デューティ比判定回
路161の出力であるパルス信号S6は、パルス占有率
が0%、すなわち”L”レベルの信号となるが、デュー
ティ比判定回路161の回路構成によっては、パルス信
号S6にひげ状のパルスが発生することがある(図5の
信号S6)。
【0048】ひげ状のパルス信号S6を入力された、電
圧変換回路162は、0[V]に近い値の電圧信号S7
を発生する。この電圧信号S7を予め設定したしきい値
電圧0.2[V]と比較すると、電圧信号S7の値の方
が小さいので、電圧監視回路164はカウント信号S8
を”L”レベルとする。カウント信号S8が”L”レベ
ルとなると、カウンタ17のカウントアップ動作は中止
され、選択回路12からの選択クロック信号S2は変更
されず、以後、得られた目標とするデューティ比を有す
る補正クロック信号S5にて装置内の各回路が動作する
ことになる。
【0049】以上述べたように、このクロック信号デュ
ーティ比補正回路10においては、補正クロック信号S
5のデューティ比と、目標とするデューティ比の差によ
り、カウンタ17のカウントアップ動作を制御すること
により、選択クロック信号S2の遅延時間を変更し、リ
セット信号S4の立ち上がりタイミングを調整すること
で、補正クロック信号S5のデューティ比を補正するこ
とができ、遅延時間を設定するジャンパ線が不要にな
る。さらに、nステップ遅延回路11およびn遅延回路
の遅延時間の幅を小さくすることにより、目的とする補
正クロック信号S5のデューティ比の微調整が可能とな
る。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、所望のデューティ比を
有する補正されたクロック信号を得ることができ、さら
に、デューティ比補正幅を細かく設定できるクロック信
号デューティ比補正回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すクロック信号デューティ
比補正回路のブロック図である。
【図2】選択クロック信号S2の遅延時間がnの場合の
本発明実施例の動作を説明するタイミングチャートであ
る。
【図3】選択クロック信号S2の遅延時間が2nの場合
の本発明実施例の動作を説明するタイミングチャートで
ある。
【図4】選択クロック信号S2の遅延時間が3nの場合
の本発明実施例の動作を説明するタイミングチャートで
ある。
【図5】選択クロック信号S2の遅延時間が4nの場合
の本発明実施例の動作を説明するタイミングチャートで
ある。
【図6】カウンタ17のカウントアップの状態を示すタ
イミングチャートである。
【図7】従来のクロック信号デューティ比補正回路のブ
ロック図である。
【図8】従来のクロック信号デューティ比補正回路の動
作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10、70…………クロック信号デューティ比補正回路 11、71…………nステップ遅延回路 12…………選択回路 13…………n遅延回路 14…………リセット信号生成回路 15、77…………Dフリップフロップ 16…………カウント信号生成回路 161…………デューティ比判定回路 162…………電圧変換回路 163…………低域通過フィルタ 164…………電圧監視回路 17…………カウンタ 72,73,75…………ジャンパ 74…………mステップ遅延回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力クロック信号よりこの入力クロック
    信号のパルス幅より短い時間であるn時間ごとに順次遅
    延させた、m個(mは2以上の整数)のクロック信号を
    生成し出力するnステップ遅延回路と、 前記遅延させたm個のクロック信号が入力されその中か
    ら1つのクロック信号を選択し選択クロック信号として
    出力する選択回路と、 前記選択クロック信号をn時間だけ遅延させ、n遅延ク
    ロック信号として出力するn遅延回路と、 前記n遅延クロック信号および前記選択クロック信号が
    入力され、このn遅延クロック信号と選択クロック信号
    とを論理演算しリセット信号として出力するリセット信
    号生成回路と、 前記入力クロック信号がクロック端子へ入力され、前記
    リセット信号がリセット端子へ入力され、この入力クロ
    ック信号の立ち上がりに同期して立ち上がり、このリセ
    ット信号の立ち上がりに同期して立ち下がる補正クロッ
    ク信号を生成して出力するフリップフロップ回路と、 前記補正クロック信号が入力され、この補正クロック信
    号のデューティ比に基づいて”H”レベルあるいは”
    L”レベルのカウント信号を生成して出力するカウント
    信号生成回路と、 前記カウント信号が入力され、このカウント信号の
    “H”レベルあるいは“L”レベルによりカウント値を
    アップあるいはホールドしカウント値を変更させ、この
    カウント値を選択信号として出力するカウンタを備え、 前記選択信号は前記選択回路に入力され、この選択回路
    はこの選択信号に応じて前記m個のクロック信号より選
    択するクロック信号を変更し出力する機能を有すること
    を特徴とするクロック信号デューティ比補正回路。
  2. 【請求項2】 前記カウント信号生成回路が、 前記補正クロック信号のデューティ比を判定し、この判
    定結果に応じたパルス占有率を有するパルス信号を生成
    し出力するデューティ比判定回路と、 前記パルス信号が入力されこのパルス信号のパルス占有
    率に応じた値の電圧信号を生成しレベル信号として出力
    する電圧変換回路と、 前記レベル信号の波形を整形する低域通過フィルタと、 この整形されたレベル信号の電圧値を監視し、電圧値に
    応じて”H”レベルあるいは”L”レベルのカウント信
    号を生成して出力する電圧監視回路で構成されることを
    特徴とする請求項1記載のクロック信号デューティ比補
    正回路。
  3. 【請求項3】 入力クロック信号よりこの入力クロック
    信号のパルス幅より短い時間であるn時間ごとに順次遅
    延させたm個(mは2以上の整数)のクロック信号を生
    成し、 前記m個のクロック信号より1つのクロック信号を選択
    し、 前記選択したクロック信号と、この選択したクロック信
    号をn時間遅延させた遅延クロック信号とを論理演算
    し、前記選択したクロック信号の立ち上がりに同期して
    立ち上がり、前記遅延クロック信号の立ち上がりに同期
    して立ち下がるパルス幅nのリセット信号を生成し、 前記入力クロック信号の立ち上がりに同期して立ち上が
    り、前記リセット信号の立ち上がりに同期して立ち下が
    る補正クロック信号を生成し、 前記補正クロック信号のデューティ比に基づいて“H”
    レベルあるいは“L”レベルのカウント信号を生成して
    出力し、 前記カウント信号が“H”レベルあるいは“L”レベル
    のときにカウントアップあるいはホールドされるカウン
    ト値が、カウントアップされたときは前記選択したクロ
    ック信号よりさらにn時間遅延したクロック信号を選択
    し、前記カウント値がホールドされたときは前記選択し
    たクロック信号を選択し続けることを特徴とするクロッ
    ク信号デューティ比補正方法。
  4. 【請求項4】 前記カウント信号の生成と出力が、 前記補正クロック信号のデューティ比を判定し、この判
    定結果に応じたパルス占有率を有するパルス信号を生成
    し、前記パルス信号のパルス占有率に応じた電圧値を有
    する電圧信号に変換し、この電圧信号の電圧値に応じた
    2値のレベル信号に変換することにより行われることを
    特徴とする請求項3記載のクロック信号デューティ比補
    正方法。
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JP2012520042A (ja) * 2009-03-09 2012-08-30 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 非対称な遅延に関して通信システムを診断する方法及び装置
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