JP2002270584A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2002270584A
JP2002270584A JP2001064534A JP2001064534A JP2002270584A JP 2002270584 A JP2002270584 A JP 2002270584A JP 2001064534 A JP2001064534 A JP 2001064534A JP 2001064534 A JP2001064534 A JP 2001064534A JP 2002270584 A JP2002270584 A JP 2002270584A
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pattern
organic
mask
etching
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JP2001064534A
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Inventor
Junko Ouchi
淳子 大内
Hisataka Hayashi
久貴 林
Norihisa Oiwa
徳久 大岩
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多層レジスト法では、被加工部材上に多層膜
(例:上層膜/中間膜/下層膜)形成し、これら各層を
順次加工し、マスクパターンを形成する。中間膜をマス
クにして下層膜をエッチング加工する途中、膜厚の薄い
中間膜が発泡、または破裂し、マスクパターンの加工精
度を低下させる。従って、半導体装置を製造する上で、
各被加工部材を精度良く形成することができないという
問題が生じる。 【解決手段】シリコン窒化膜104上に多層膜(例:フ
ォトレジスト膜(105=下層膜、107=上層膜)、
有機シリコン酸化膜106(=中間膜))を形成し、こ
れら各層を順次加工して、マスクパターンを形成する。
この場合、有機シリコン酸化膜106のパターンをマス
クにして、フォトレジスト膜105をエッチング加工す
るときに、エッチングガス108に、原子数の割合にお
いて、総流量の2%以下の弗素成分(F)を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層膜を加工して
形成されたマスクパターンを用い、被加工部材を加工す
る半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を製造する過程では、リソグ
ラフィー技術を用いて各構成要素(配線層、電極層等)
を形成する工程が行われる。このリソグラフィー技術で
は、以下のように、露光光を用いて露光用マスク(=レ
ティクル)に描かれたパターンを感光性のフォトレジス
ト膜に形成する、所謂、パターンの転写が行われる。こ
のフォトレジスト膜に形成されたパターンは、半導体装
置の各構成要素を形成する上で、エッチング加工時にマ
スクとして用いられる。
【0003】具体的には、まず、シリコン基板、または
シリコン基板上の被加工膜(絶縁膜、金属膜等)等の、
被加工部材上に、フォトレジストを塗布し、このフォト
レジストの所定の領域に露光光の照射を行う。その後、
フォトレジストの露光部と未露光部を現像処理して不要
な部分を除去し、フォトレジストに所定のパターンを形
成する。このフォトレジストに形成されたパターンは、
被加工部材をドライエッチング技術等で加工する際に、
マスクとして用いられる。
【0004】近年、半導体装置の高集積化に伴って各パ
ターンの微細化が進み、主に以下の2つの理由から、フ
ォトレジストをマスクとして用いる場合には、これを薄
膜化する必要性が生じてきている。一つは、パターンの
微細化に伴って、フォトレジストパターンの幅を狭める
ために、その厚さについても薄膜化する必要性があるこ
と。もう一つは、パターンの微細化に伴い、解像度の点
から照射する露光光の短波長化が進み、光を透過させる
ためには、フォトレジストを薄膜化する必要性があるこ
とである。
【0005】例えば、メモリーまたはロジック系の製品
では、パターン幅の寸法が0.2μmを下回るようにな
り、前述したような理由から、フォトレジストマスクも
0.2μm程度まで膜厚を薄くする必要が生じてきてい
る。しかしながら、製造工程の一部では、この程度の膜
厚ではマスク材として厚さが不十分となり、エッチング
によって所定の加工を行うことが不可能になる等の問題
が生じてきている。つまり、フォトレジストマスクの薄
膜化が進むと、マスク材としてのエッチング耐性が十分
に確保されず、反応性イオンエッチング法(Reactive-I
on-Etching法、以下これをRIE法とする。)等で被加
工部材を所定寸法のパターンに加工する時に、加工が終
了する前にマスク材が消費されてしまう等の問題が生じ
る。従って、半導体装置の微細化に伴って、フォトレジ
ストマスクの薄膜化が進むと、パターンの加工精度が低
下し、半導体装置の信頼性を著しく低下させるという問
題が生じることになる。
【0006】このような問題を解決するために、所謂、
多層レジスト法を用いて、被加工部材を加工する手法が
考えられる。多層レジスト法では、フォトレジスト膜及
びそれとは別種の薄膜を積層させて、二層構造または三
層構造の多層膜を形成し、この多層膜の各層を、上から
順次加工しながら、所定の寸法及び形状を有するマスク
パターンを被加工部材上に形成する。被加工部材には、
このようにして形成されたマスクパターンを用いて所定
のエッチング加工が行われる。
【0007】例えば、被加工部材上に下層膜、中間膜及
び上層膜の順に積層させて三層構造の多層膜を形成し、
その後、この多層膜を、上層膜、中間膜及び下層膜と順
次各層を加工しながら被加工部材上にマスクパターンを
形成する。ここでは、露光用マスク(=レティクル)に
描かれたパターンを多層膜の各層に順次形成する、所
謂、パターンの転写を行い、被加工部材上にマスクパタ
ーンを形成する。
【0008】この場合、上層膜及び下層膜にはフォトレ
ジスト膜を、また、中間膜にはフォトレジストより選択
比の高い(即ち、単位時間毎の被エッチング量が少な
い)、別種の組成を有する薄膜を用いる。
【0009】上層のフォトレジスト膜には、リソグラフ
ィー技術によって露光工程及び現像工程が施され、露光
用マスク(=レティクル)に描かれたパターンが形成さ
れる。従って、上層のフォトレジスト膜の膜厚は、露光
光に対する高解像性を維持しながら、中間膜にパターン
を形成する過程でマスク材として作用する程度に設定す
る。
【0010】一方、中間膜及び下層のフォトレジスト膜
には、ドライエッチング技術によってパターンが形成さ
れる。中間膜には、上層及び下層のフォトレジスト膜に
対して選択比の高い(即ち、単位時間毎の被エッチング
量が少ない)材質の膜を用い、その膜厚は、下層のフォ
トレジスト膜にパターンを形成する過程でマスクとして
作用する程度であれば良い。具体的には、公知のSpin-O
n-Glass膜(以下これをSOG膜とする)として、有機
成分または無機成分を含むシリコン酸化膜等の塗布膜が
用いられる。また、下層のフォトレジスト膜は、被加工
部材をエッチング加工する過程で直接マスク材に用いら
れるので、その膜厚は被加工部材の被エッチング量に応
じて設定する必要がある。
【0011】尚、多層レジスト法に関する内容は、Soli
d State Technology,26(5),105(1983)に開示されて
いる。
【0012】以降、多層レジスト法に関し、具体的な従
来技術の工程を図7(a)〜(e)を用いて説明する。
【0013】まず、シリコン基板501上に、被加工部
材の一例として絶縁膜502を形成する。被加工部材と
しては、他に、シリコン基板、シリコン基板上に絶縁膜
を介して形成された金属膜等が例として挙げられる。
【0014】その後、図7(a)に示すように、被加工
部材である絶縁膜502上にフォトレジスト膜503、
有機シリコン酸化膜504、及びフォトレジスト膜50
5を、順次、所定の膜厚で塗布形成して、三層構造の多
層膜を形成する。
【0015】この多層膜の各層において、フォトレジス
ト膜505は上層の有機系の膜、有機シリコン酸化膜5
04は中間膜、フォトレジスト膜503は下層の有機系
の膜として位置付けられる。
【0016】ここで、上層のフォトレジスト膜には、リ
ソグラフィー技術によって露光工程及び現像工程が施さ
れ、露光用マスク(=レティクル)に描かれたパターン
が形成される。従って、前述の如く、上層のフォトレジ
スト膜の膜厚は、露光光に対する高解像性を維持しなが
ら、中間膜にパターンを形成する過程でマスク材として
も作用する程度に設定する。
【0017】一方、中間膜及び下層のフォトレジスト膜
には、ドライエッチング技術によってパターンが形成さ
れる。中間膜には、上層及び下層のフォトレジスト膜に
対して選択比の高い(即ち、単位時間毎の被エッチング
量が少ない)SOG膜等を用いる。また、その膜厚は、
下層のフォトレジスト膜にパターンを形成する過程でマ
スクとして作用する程度に薄く形成すれば良い。具体的
には、公知のSOG膜として、前述の如く、有機成分
(炭化水素(CH)成分等)または無機成分を含むシリ
コン酸化膜等の塗布膜を用いる。また、下層のフォトレ
ジスト膜は、被加工部材をエッチング加工する過程で直
接マスク材に用いられるので、その膜厚は被加工部材の
被エッチング量に応じて設定する。
【0018】次に、リソグラフィー技術を用いて露光工
程及び現像工程を施し、図7(b)に示すように、フォ
トレジスト膜505には、所定の寸法及び形状を有する
パターンを形成する。ここでは、パターンが描かれた露
光用マスク(=レティクル)を介して露光光をフォトレ
ジスト膜505に照射した後、現像液を用いて不要な部
分を除去し、フォトレジスト膜505に所定のパターン
を形成する。
【0019】尚、フォトレジスト膜505の膜厚は、露
光光に対する高解像性を維持しながら、有機シリコン酸
化膜504を所定の寸法及び形状を有するパターンに加
工する上で、マスク材として作用するように必要な厚さ
だけ形成されていれば良い。
【0020】次に、図7(c)に示すように、フォトレ
ジスト膜505のパターンをマスクにして、ドライエッ
チング技術で、有機シリコン酸化膜504にパターンを
形成する。ここで、ドライエッチング技術には、微細加
工に適したRIE法を用いる。また、エッチングガスに
は、CF4、酸素(O2)及びアルゴン(Ar)からなる
混合ガスを用いる。
【0021】次に、フォトレジスト膜505及び有機シ
リコン酸化膜504をマスクにして、ドライエッチング
技術で、フォトレジスト膜503にパターンを形成す
る。ドライエッチング技術には、微細加工に適したRI
E法を用い、エッチングガスには、酸素(O2)と窒素
(N2)を含む混合ガスを用いる。ここでは、図7
(d)に示すように、被加工部材である絶縁膜502上
には、フォトレジスト膜503及び有機シリコン酸化膜
504からなる積層状のパターンが形成される。
【0022】中間膜として形成される薄膜は、上層のフ
ォトレジスト膜505のパターンをマスクにして、ドラ
イエッチング技術で容易にパターンを形成することがで
き、尚且つ、下層のフォトレジスト膜503にパターン
を形成する過程で、マスク材として充分作用することが
必要となる。そして、この条件に基づく一例として、有
機シリコン酸化膜504が中間膜の材料として選択され
ている。
【0023】尚、フォトレジスト膜503にパターンを
形成する過程で、中間膜である有機シリコン酸化膜50
4の表面には、シリコン酸化膜(SiO2膜)506が
形成される。
【0024】次に、有機シリコン酸化膜504及びフォ
トレジスト膜503のパターンをマスクにして、図7
(e)に示すように、絶縁膜502を所定の形状及び寸
法に加工する。その後、RIE法等のドライエッチング
技術で残存するフォトレジスト膜503を除去する。
【0025】以上のように、多層レジスト法では、フォ
トレジスト膜を従来よりも膜厚の薄い複数の層、即ち、
上層及び下層の膜に分け、これらのフォトレジスト膜の
間に、有機シリコン酸化膜等、エッチング選択比のより
高い(即ち、単位時間毎の被エッチング量が少ない)別
種の薄膜を介在させた多層膜を用いてマスクパターンを
形成する。この多層膜において、上層のフォトレジスト
膜をリソグラフィー技術で加工し、続いて、中間膜及び
下層のフォトレジスト膜をドライエッチング技術で各々
加工すれば、露光光に対する解像性を維持しながら、マ
スクパターンを寸法精度良く形成し、引いては、被加工
部材を所定の形状及び寸法に加工することができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな多層レジスト法では、フォトレジスト膜503と有
機シリコン酸化膜504との密着度が低く、フォトレジ
スト膜503をエッチングしてパターンを形成する過程
で、エッチングガスの一部が有機シリコン酸化膜504
を透過し、その後、図7(d')に示すように、有機シ
リコン酸化膜504が発泡、あるいは破裂するという問
題が生じている。従って、下層のフォトレジスト膜50
3に、所定の寸法及び形状を有するパターンを形成する
ことができず、半導体装置を製造する上で、図7(e)
に示すようには、各被加工部材を精度良く形成すること
ができないという問題が生じている。
【0027】この問題の原因は、有機シリコン酸化膜
等、中間膜として用いられるSOG膜の結晶構造が疎な
状態にある為に、粒子間の隙間からガスが透過しやすい
こと、また、一般的に、中間膜に用いられたSOG膜と
下層の有機系の膜(ここでは、フォトレジスト膜)との
密着度が低いこと等にあると考えられる。このような状
況では、プラズマ化したエッチングガス中に存在する窒
素ラジカル(N*)が、SOG膜である有機シリコン酸
化膜504を透過しながら、再度結合して窒素分子(N
2)となり、そのまま有機シリコン酸化膜504と下層
のフォトレジスト膜503との界面に滞留することにな
る。
【0028】一方、中間膜である有機シリコン酸化膜5
04の表面は、フォトレジスト膜505が消費された
後、スパッタリング反応によってシリコン酸化膜(Si
2膜)506が形成され、緻密な状態に変化する。従
って、一度滞留した窒素分子(N2)は、シリコン酸化
膜(SiO2膜)506に遮蔽されて外部に排出されに
くくなる。このような状況下で、一度滞留した窒素(N
2)は、時間とともにガス化して充満し、薄膜状に形成
された有機シリコン酸化膜504(=SOG膜)には、
発泡あるいは破裂が生じるものと考えられる。
【0029】このように、多層レジスト法の一例とし
て、中間膜に有機シリコン酸化膜、また、下層膜にフォ
トレジスト膜を用いた場合について説明したが、これに
限らず、中間膜にSOG膜、及び下層膜に有機系の膜を
用いた場合には、前述の理由から同様の問題が生じるこ
とになる。
【0030】尚、二層構造の多層膜からマスクパターン
を形成する場合、上層膜にはシリコン等の無機元素を含
む有機系の膜(例:フォトレジスト膜)を用い、下層膜
には有機系の膜(例:フォトレジスト膜)が用いられ
る。また、酸素(O2)と窒素(N2)の混合ガスをエッ
チングガスに用い、RIE法等のドライエッチング技術
で、上層膜のパターンをマスクにして下層膜にパターン
を形成する。この場合、上層膜からエッチングガス中の
窒素ラジカル(N*)成分が透過し、一方で、上層膜の
表面にはシリコン酸化膜(SiO2膜)が形成される。
従って、前述の三層構造の多層膜からマスクパターンを
形成する場合と同様に、上層膜と下層膜の界面には、窒
素分子(N2)等のエッチングガスの成分が滞留するこ
とになり、前述したような問題が生ずる場合がある。
【0031】以上のように、従来の多層レジスト法にお
いては、マスクパターンの加工精度を低下させ、引いて
は半導体装置を製造する上で、各被加工部材を精度良く
形成することができないという問題が生じている。
【0032】本発明の目的は、以上の点に鑑み、多層膜
より寸法精度の高いマスクパターンを形成し、このマス
クパターンを用いて被加工部材を精度良くエッチング加
工する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、多層膜を加工
してマスクパターンを形成する過程で、被加工部材上の
下層膜をエッチングするガスの成分を検討することで見
出された。本発明は、多層膜を加工する過程で、このエ
ッチングガスに、原子数において、総流量の2%以下の
弗素成分を添加して下層膜をエッチングし、被加工部材
上にマスクパターンを形成する半導体装置の製造方法で
ある。
【0034】即ち、本発明は、被加工部材上に第1の有
機系の膜を形成する工程と、この第1の有機系の膜上
に、無機元素を含む第2の有機系の膜を形成する工程
と、この第2の有機系の膜にパターンを形成する工程
と、総流量の2%以下の弗素原子数を含むエッチングガ
スを用い、前記第2の有機系の膜に形成されたパターン
をマスクにして、第1の有機系の膜にパターンを形成す
る工程と、前記第1の有機系の膜に形成されたパターン
をマスクにして、被加工部材をエッチングする工程とを
有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供す
ることができる。
【0035】また、本発明は被加工部材上に第1の有機
系の膜を形成する工程と、この第1の有機系の膜上にシ
リコンを含む膜を形成する工程と、このシリコンを含む
有機系の膜上に第2の有機系の膜を形成する工程と、前
記第1の有機系の膜、前記シリコンを含む膜及び前記第
2の有機系の膜にパターンを形成する工程と、総流量の
2%以下の弗素原子数を含むエッチングガスを用い、前
記シリコンを含む膜に形成されたパターンをマスクにし
て、前記第1の有機系の膜にパターンを形成する工程
と、前記第1の有機系の膜に形成されたパターンをマス
クにして被加工部材をエッチングする工程とを有するこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法を提供することが
できる。
【0036】本発明によれば、エッチングガスに添加す
る弗素成分の量は、原子数において、エッチングガスの
総流量の2%以下としているので、下層膜を過渡にエッ
チングすることなく、直上の膜の表面に形成される酸化
膜を除去し、多層膜間に発生し易いガスの滞留を抑制す
ることができる。従って、多層膜を順次加工して、被加
工部材上に所定の寸法及び形状で、精度良くパターンを
形成し、このパターンをマスクにして、被加工部材をエ
ッチングして寸法精度良く加工することができる。以上
より、信頼性の高い半導体装置を製造することができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至6を参照しなが
ら、本発明の各実施形態について説明する。 (第1の実施形態)本実施形態を、図1(a)〜(f)を
用いて説明を行う。
【0038】また、本実施形態では、多層膜を加工して
被加工部材上にマスクパターンを形成し、このマスクパ
ターンを用いて被加工部材をエッチング加工する半導体
装置の製造方法について説明する。また、被加工部材
は、所定の形状及び寸法のパターンにエッチング加工さ
れた後、一例として、ゲート配線層またはゲート電極層
のパターン等、半導体装置の構成要素を形成する過程で
マスク材として用いられるものとする。
【0039】尚、図1(a)〜(f)は、マスクパターン
及びゲート配線層のパターン等の長さ方向に垂直な方向
の断面図を表す。
【0040】まず、図1(a)に示すように、シリコン
基板101上に、絶縁膜102を介して、多結晶シリコ
ン膜103をCVD(Chemical-Vapour-Deposition)法
で形成する。その後、減圧CVD(Low-Pressure-CV
D)法を用いて、多結晶シリコン膜103上に、被加工
部材であるシリコン窒化膜104を200nm程度の膜
厚で形成する。
【0041】尚、多結晶シリコン膜103は、ゲート配
線層またはゲート電極層等の材料として用いられる。ま
た、シリコン窒化膜104は、後の工程で、多結晶シリ
コン膜103をゲート配線層、またはゲート電極層等の
形状にエッチング加工する際に、マスク材として使用さ
れる。
【0042】次に、被加工部材であるシリコン窒化膜1
04上に、図1(b)に示すように三層構造の多層膜を
形成する。この多層膜において、フォトレジスト膜10
5を下層膜、有機シリコン酸化膜106を中間膜、また
フォトレジスト膜107を上層膜とする。以下に、これ
ら各層の成膜方法について具体的に説明する。
【0043】まず、被加工部材であるシリコン窒化膜1
04上に、下層膜として、有機系の膜を形成する。ここ
では、有機系の膜として、感光性を有するポジ型のフォ
トレジスト膜105を500nm程度の膜厚でシリコン
窒化膜104上に形成する。ポジ型のフォトレジスト膜
105は、スピンコーティング法等、公知の塗布法を用
いて形成される。即ち、回転するシリコン基板101上
に、直接、ポジ型のフォトレジスト溶液を膜状に塗布形
成し、その後、この膜を300℃程度で熱処理して、フ
ォトレジスト膜105を500nm程度の膜厚でシリコ
ン窒化膜104上に形成する。
【0044】次に、中間膜として、有機シリコン酸化膜
106をフォトレジスト膜105上に70nm程度の膜
厚で形成する。ここで、有機シリコン酸化膜106は、
スピンコーティング法等、公知の塗布法を用いて形成す
る。即ち、まず、有機溶媒に材料を溶かして所定の溶液
を調製し、直接、この溶液を回転するシリコン基板10
1上に塗布して膜状に形成する。その後、この膜を20
0〜300℃程度で熱処理して焼成させ、有機シリコン
酸化膜106を70nm程度の膜厚でフォトレジスト膜
105上に形成する。
【0045】本実施形態において、中間膜には、フォト
レジスト膜105(=下層膜)をエッチングする酸素プ
ラズマに対してエッチング耐性を有し、不揮発な成分を
含む材料であれば特に限定する必要はない。具体的に
は、公知のSOG(Spin-On-Glass)膜に分類される材
料が有効であり、有機成分(炭化水素(CH)成分等)
を含む酸化物として、有機シリコン酸化膜、また、無機
成分を含む酸化物としては、シリコン酸化膜(Si
2)等が例として挙げられる。
【0046】一般に、三層構造の多層膜よりマスクパタ
ーンを形成する場合、中間膜に公知のSOG膜を用いる
とよい。SOG膜は、塗布法によって形成されたシリコ
ン酸化膜であり、回転するシリコン基板上に、遠心力を
利用して塗布形成されるために、その表面は平坦で、尚
且つ、薄膜状に形成され易いという特長を有する。ま
た、下層のフォトレジスト膜よりもエッチング選択比が
高い(即ち、単位時間あたりの被エッチング量が少な
い)。
【0047】従って、本実施形態のように、三層構造の
多層膜よりマスクパターンを形成する場合、上層膜と下
層膜の厚さ、及び上層膜と下層膜のエッチング選択比
(即ち、単位時間あたりの被エッチング量の差)に基づ
いて、中間膜の厚さを容易に薄く形成することができ
る。
【0048】本実施形態では、有機シリコン酸化膜10
6は、フォトレジスト膜107(=上層膜)及びフォト
レジスト膜105(=下層膜)の厚さとエッチングの選
択比(=単位時間毎の被エッチング量の差)に基づき、
所定の薄い膜厚に容易に形成することができる。
【0049】以上に基づいて、本実施形態では、中間膜
の一例として、公知のSOG膜の一種である有機シリコ
ン酸化膜を採用する。
【0050】尚、中間膜には、シリコン酸化膜ではな
い、シリコンを主成分として含む膜を用いることもでき
る。この場合、スピンコーティング法等、公知の塗布法
で、シリコンを主成分とする溶液を回転するシリコン基
板101上に直接塗布し、その後、所定の温度で熱処理
して焼結させ、中間膜として、フォトレジス膜105
(=下層膜)上に形成する。
【0051】次に、上層膜として、有機系の膜、即ち、
ポジ型のフォトレジスト膜107を有機シリコン酸化膜
106上に300nm程度の膜厚で形成する。ここで
は、スピンコーティング法等、公知の塗布法を用いて、
フォトレジスト膜107を形成する。即ち、まず、回転
するシリコン基板101上に、直接、ポジ型のフォトレ
ジスト溶液を膜状に塗布形成し、その後、この状態で所
定の温度で熱処理して膜を焼成させ、フォトレジスト膜
107を300nm程度の膜厚で有機シリコン酸化膜1
06上に形成する。
【0052】前述の如く、SOG膜の一例として、有機
シリコン酸化膜106は70nm程度の膜厚で形成され
ているが、その膜厚が30nm乃至100nmの範囲に
あれば、フォトレジスト膜105(=下層膜)にパター
ンを形成する過程で、マスク材として十分に作用する。
【0053】以上、図1(b)に示すように、フォトレ
ジスト膜105(=下層膜)、有機シリコン酸化膜10
6(=中間膜)及びフォトレジスト膜107(=上層
膜)からなる三層構造の多層膜を、被加工部材であるシ
リコン窒化膜104上に形成する。
【0054】次に、リソグラフィー技術及びドライエッ
チング技術を用いて、三層構造の多層膜を所定の寸法及
び形状を有するマスクパターンに加工形成する。
【0055】まず、リソグラフィー技術を用いて露光工
程及び現像工程を行い、図1(c)に示すように、フォ
トレジスト膜107に所定の寸法及び形状を有するパタ
ーンを形成する。ここでは、配線等のパターンが描かれ
た露光用マスク(レティクル)を介して露光光をフォト
レジスト膜107に照射し、その後、現像液を用いて不
要な部分を除去して、フォトレジスト膜107に所定の
寸法及び形状を有するパターンを形成する。
【0056】次に、ドライエッチング技術によって、フ
ォトレジスト膜107に形成されたパターンを有機シリ
コン酸化膜106に転写する。ここでは、フォトレジス
ト膜107のパターンをマスクに用い、フォトレジスト
膜107のパターンの寸法及び形状に従ったパターン
が、図1(d)に示すように、有機シリコン酸化膜10
6に形成される。ドライエッチング技術には、微細加工
に適する反応性イオンエッチング法(以下、RIE法と
する。)を採用し、所定の条件に設定された反応性イオ
ンエッチング装置の反応容器内において、有機シリコン
酸化膜106にパターンが形成される。エッチングガス
には、CF4、酸素(O2)及びアルゴン(Ar)を含む
混合ガスを用いる。
【0057】ここで、フォトレジスト膜107のエッチ
ング量は約100nm程度であるので、有機シリコン酸
化膜106にパターンを形成した後、フォトレジスト膜
107の膜厚は、約200nm程度になる。
【0058】次に、フォトレジスト膜107と有機シリ
コン酸化膜106の積層パターンをマスクにして、ドラ
イエッチング技術でフォトレジスト膜105にパターン
を転写する。ここでは、フォトレジスト膜107と有機
シリコン酸化膜106の積層パターンの寸法及び形状に
従ったパターンが、図1(e)に示すように、フォトレ
ジスト膜105に形成される。ドライエッチング技術に
は、微細加工に適するRIE法を採用し、所定の条件に
設定された反応性イオンエッチング装置の反応容器内に
おいて、フォトレジスト膜105にパターンが形成され
る。
【0059】フォトレジスト膜105にパターンを形成
する過程では、エッチングガス108に、酸素(O2
と窒素(N2)の混合ガスに弗素成分(F)を添加した
ものを用いる。添加する弗素成分(F)は、原子数での
割合において、エッチングガスの総流量の2%以下とす
る。また、エッチングガスには、例えば、酸素(O2
と窒素(N2)の混合ガスに、弗素単体(F2)、あるい
は弗酸(HF)、SF6、CH22等の弗素系化合物の
状態で弗素成分(F)を添加させたものを用いることが
できる。また、酸素(O2)と窒素(N2)の混合ガスの
替わりに、アンモニア(NH3)と酸素(O2)の混合ガ
スを用い、これに、弗素単体(F2)あるいは弗酸(H
F)、SF6、CH22等の弗素化合物の状態で、弗素
成分(F)を添加させたものをエッチングガスとして用
い、フォトレジスト膜105にパターンを形成すること
ができる。本実施形態では、一例として、酸素(O2
10sccm、窒素(N2)100sccmからなる混
合ガスに、弗素化合物であるCH22を1sccm程度
添加したエッチングガスを用いる。
【0060】尚、フォトレジスト膜107のパターン
は、フォトレジスト膜105と同質の材料であるので、
フォトレジスト膜105にパターンを形成する過程で、
同時にエッチングされて消費される。その後は、有機シ
リコン酸化膜106に形成されたパターンが、フォトレ
ジスト膜105にパターンを形成する過程で、主たるマ
スクとして作用する。また、フォトレジスト膜105に
パターンを形成する過程で、マスクに用いられる有機シ
リコン酸化膜106のパターンは、エッチングによって
膜厚を減らした状態でフォトレジスト膜105上に残
る。
【0061】フォトレジスト膜105をRIE法等でド
ライエッチングする場合、有機シリコン酸化膜106の
表面には、エッチングガス中でイオン化した酸素成分等
が衝突する。従って、フォトレジスト膜105をエッチ
ングする過程で、マスクとして用いられる有機シリコン
酸化膜106のパターンの表面には、所謂、スパッタリ
ング反応によって、膜質の緻密なシリコン酸化膜(Si
2膜)が形成される。しかしながら、フォトレジスト
膜105にパターンを形成すると同時に、エッチングガ
スに含まれる弗素成分(F2またはF*)によって、シリ
コン酸化膜(SiO2膜)は容易に除去されるので、有
機シリコン酸化膜106とフォトレジスト膜105との
界面に残留する窒素(N2)ガス等を外部に放出するこ
とができる。これによって、有機シリコン酸化膜106
は、発泡あるいは破裂を起こさず、フォトレジスト膜1
05に、所定の寸法及び形状のパターンを形成すること
が可能となる。
【0062】尚、このような効果は、中間膜に有機シリ
コン酸化膜を用いた場合に限らず、無機系のシリコン酸
化膜等、一般にSOG膜として分類される材料を用いる
場合であれば、本実施形態と同様に得ることができる。
【0063】また、フォトレジスト膜105にパターン
を形成する過程で、エッチングガスに含まれる窒素(N
2)は、フォトレジスト膜105に含まれる炭素(C)
成分と反応する。そして、フォトレジスト膜105の側
壁には反応生成物が付着し、徐々に堆積膜が形成されて
いく。この堆積膜によって、パターンの側壁方向のエッ
チング量(=サイドエッチング量)を減らし、寸法精度
が高く、尚且つ、垂直に近い形状のパターンをフォトレ
ジスト膜105に形成することができる。
【0064】従って、エッチングガスにおける弗素成分
(F)の添加量は、有機シリコン酸化膜106の表面に
形成されるシリコン酸化膜(SiO2膜)を除去すると
同時に、フォトレジスト膜105の側壁に形成される反
応生成物の堆積物を必要以上に減らす等、悪影響を与え
ない程度に留める必要がある。
【0065】これらの条件に基づいて、本実施形態で
は、添加する弗素(F)成分の量を、原子数での割合に
おいて、エッチングガスの総流量の2%以下とすること
にした。
【0066】次に、ドライエッチング技術を用い、有機
シリコン酸化膜106とフォトレジスト膜105の積層
パターンをマスクにして、被加工部材であるシリコン窒
化膜104にパターンを形成する。ここでは、有機シリ
コン酸化膜106とフォトレジスト膜105の積層パタ
ーンに従って、所定の寸法及び形状のパターンが被加工
部材であるシリコン窒化膜104に形成される。ここ
で、ドライエッチング技術には、微細加工に適するRI
E法を採用し、エッチングガスには、一例として、CF
4、酸素(O2)及びアルゴン(Ar)を含む混合ガスを
用いることが適当である。
【0067】被加工部材であるシリコン窒化膜104に
パターンを形成する過程では、途中で有機シリコン酸化
膜106は消費され、フォトレジスト膜105のパター
ンが主たるマスクとなってシリコン窒化膜104にエッ
チング加工が行われる。
【0068】尚、フォトレジスト膜105は有機系の膜
であり、シリコン窒化膜104にパターンを形成した
後、酸素プラズマを含むガスで公知のアッシング処理を
行い、容易に灰化除去することができる。
【0069】次に、シリコン窒化膜104に形成された
パターンをマスクにして、公知のドライエッチング技術
を行い、図1(f)に示すように、導電材である多結晶
シリコン膜103に、ゲート配線層やゲート電極層等の
導電層パターンを形成する。
【0070】また、本実施形態では、三層構造の多層膜
に替えて、二層構造の多層膜よりマスクパターンを形成
し、被加工部材をエッチング加工することもできる。
【0071】以下に、図2(a)〜(f)を参照して、
二層構造の多層膜を加工してマスクパターンを形成し、
このマスクパターンを用いて被加工部材をエッチング加
工する半導体装置の製造方法について説明する。被加工
部材は、所定の寸法及び形状に加工された後、一例とし
て、ゲート配線層またはゲート電極層等の半導体装置の
構成要素を形成する過程で、マスク材として用いられ
る。
【0072】尚、図2(a)〜(f)は、マスクパターン
及びゲート配線層等のパターンの長さ方向に垂直な方向
の断面図を表す。
【0073】本実施形態では、まず、シリコン基板20
1上に、絶縁膜202を介して、多結晶シリコン膜20
3をCVD法で形成する。その後、図2(a)に示すよ
うに、減圧CVD法を用いて、多結晶シリコン膜203
上に、被加工部材であるシリコン窒化膜204を200
nm程度の膜厚で形成する。
【0074】尚、本実施形態で三層構造の多層膜を用い
た場合と同様に、多結晶シリコン膜203は、ゲート配
線層またはゲート電極層等の材料として用いられる。ま
た、被加工部材であるシリコン窒化膜204は、後の工
程で、多結晶シリコン膜203を、ゲート配線層または
ゲート電極層等の形状にエッチング加工する際に、マス
ク材として使用される。
【0075】次に、図2(b)に示すように、シリコン
窒化膜204上に、二層構造の多層膜を形成する。この
二層構造の多層膜において、フォトレジスト膜205を
下層膜、フォトレジスト膜206を上層膜とする。以下
に、これら各層の成膜方法について具体的に説明する。
【0076】まず、下層膜として、有機系の膜、即ち、
感光性を有するポジ型のフォトレジスト膜205を50
0nm程度の膜厚でシリコン窒化膜204上に形成す
る。
【0077】下層膜であるフォトレジスト膜205を形
成する過程で、使用する材料及び成膜条件は、本実施形
態で用いた、三層構造の多層膜からパターンを形成する
場合と同様であるものとする。ここでは、スピンコーテ
ィング法等、公知の塗布法で、ポジ型のフォトレジスト
膜205を形成する。即ち、回転するシリコン基板20
1上に、直接、ポジ型のフォトレジスト溶液を膜状に塗
布形成し、その後、この膜を300℃程度で熱処理し
て、フォトレジスト膜205を500nm程度の膜厚で
シリコン窒化膜204上に形成させる。また、フォトレ
ジスト膜205の膜厚は、被加工部材であるシリコン窒
化膜204の被エッチング量に応じて、500nm程度
とされている。
【0078】次に、上層膜には、無機元素を少量含む有
機系の膜として、シリコンを含有するフォトレジスト膜
を用いる。本実施形態では、シリコンを含有し、尚且つ
感光性を有するポジ型のフォトレジスト膜206を、フ
ォトレジスト膜205上に300nm程度の膜厚で形成
する。
【0079】二層構造の多層膜において、上層膜は、三
層構造の多層膜を構成する上層膜及び中間膜双方の役割
を果たし、下層膜をエッチングしてパターンを形成する
過程で、マスク材として用いられることになる。従っ
て、上層膜は、下層膜よりもエッチング耐性を高めるた
めに、無機元素を成分として含む必要がある。本実施形
態では、下層膜がフォトレジスト膜であることから、シ
リコンを含有するフォトレジスト膜206を用いること
にする。
【0080】尚、無機元素としては、前述のシリコンの
他に、アルミニウム、チタン、タングステン、ゲルマニ
ウム等を用いることが可能である。
【0081】上層膜であるフォトレジスト膜206は、
スピンコーティング法等の公知の塗布法を用いて成膜す
ることができる。即ち、まず、シリコンを所定の含有量
になるようにポジ型のフォトレジスト溶液に溶解させ、
これを回転するシリコン基板201上に、直接、膜状に
塗布形成し、その後、所定の温度で熱処理を行って焼結
させ、フォトレジスト膜206を300nm程度の膜厚
でフォトレジスト膜205上に形成する。ここで、シリ
コンを含有するフォトレジスト膜206は、フォトレジ
スト膜205にパターンを形成する過程で、マスクとし
て作用する程度の厚さに形成されていれば良い。本実施
形態では、下層膜であるフォトレジスト膜205の膜厚
は500nm程度であり、上層膜であるフォトレジスト
膜206は300nm程度に形成されていれば良い。
【0082】その後、この二層構造の多層膜に、リソグ
ラフィー技術とドライエッチング技術を順次施して、被
加工部材であるシリコン窒化膜204上にマスクパター
ンを形成する。
【0083】二層構造の多層膜をマスクパターンに加工
する場合、まず、リソグラフィー技術を用いて、上層膜
に露光工程及び現像工程を行ってパターンを形成する。
ここでは、配線やコンタクトホール等のパターンが描か
れた露光用マスク(=レティクル)を介して、露光光
を、上層膜であるシリコン等の無機元素を含むフォトレ
ジスト膜206に照射する。その後、現像液を用いて不
要な部分を除去して、図2(c)に示すように、フォト
レジスト膜206に、所定の寸法及び形状のパターンを
形成する。
【0084】次に、フォトレジスト膜206に形成され
たパターンをマスクにして、ドライエッチング技術を用
い、図2(d)に示すように、フォトレジスト膜205
にパターンを形成する。
【0085】ここでは、フォトレジスト膜206に形成
されたパターンの寸法及び形状に従って、フォトレジス
ト膜205のパターンを、シリコン窒化膜204上に形
成する。この場合、パターンを形成する条件は、以下の
如く、本実施形態で三層構造の多層膜よりマスクパター
ンを形成する場合と同様の要領で設定することができ
る。
【0086】即ち、ドライエッチング技術にはRIE法
等を採用し、エッチングガス207には、酸素(O2
と窒素(N2)の混合ガスに弗素成分(F)を添加した
ものを用いる。また、弗素成分(F)の添加量は、原子
数での割合にして、エッチングガスの総流量の2%以下
とする。
【0087】また、エッチングガス207の種類につい
ては、例えば、酸素(O2)と窒素(N2)の混合ガス
に、弗素単体(F2)、あるいは弗酸(HF)、SF6
CH22等の弗素系化合物の状態で弗素成分(F)を添
加させたものを用いることができる。また、酸素
(O2)と窒素(N2)の混合ガスの替わりに、アンモニ
ア(NH3)と酸素(O2)の混合ガスを用い、これに弗
素単体(F2)、あるいは弗酸(HF)、SF6、CH2
2等の弗素化合物の状態で弗素成分(F)を添加させ
たものをエッチングガスとして、フォトレジスト膜20
5にパターンを形成することができる。
【0088】本実施形態では、一例として、酸素
(O2)10sccm、窒素(N2)100sccmから
なる混合ガスに、弗素化合物であるCH22を1scc
m程度添加したエッチングガスを用いる。
【0089】次に、フォトレジスト膜205、206か
らなる積層パターンをマスクにして、ドライエッチング
技術を施し、図2(e)に示すように、被加工部材であ
るシリコン窒化膜204にパターンを形成する。ドライ
エッチング技術には、微細加工に適したRIE法を採用
し、エッチングガスには、一例として、CF4 、酸素
(O2)及びアルゴン(Ar)を主体とする混合ガスを
用いる。ここでは、フォトレジスト膜206のパターン
は、シリコン窒化膜204をエッチングする過程で消費
され、その後は、フォトレジスト膜205のパターンが
主たるマスクとして作用しながら、被加工部材であるシ
リコン窒化膜204にパターンを形成することになる。
【0090】尚、フォトレジスト膜205は有機系の膜
であり、シリコン窒化膜204のエッチングが終了した
後、酸素プラズマを含むガスで公知のアッシング処理を
行い、容易に灰化除去することができる。
【0091】次に、図2(f)に示すように、シリコン
窒化膜204に形成されたパターンをマスクにして、公
知のドライエッチング技術を用い、導電材である多結晶
シリコン膜203を所定の寸法及び形状に加工し、ゲー
ト配線層またはゲート電極層等の導電層パターンを形成
する。
【0092】本実施形態において、二層構造の多層膜か
らマスクパターンを被加工部材上に形成する場合、三層
構造の多層膜からマスクパターンを形成する場合より
も、工程数を少なくすることができる。
【0093】一方、三層構造の多層膜からマスクパター
ンを形成する場合では、下層膜である有機系の膜にパタ
ーンを形成する過程で、この下層膜よりエッチング選択
比の大きい(即ち、単位時間毎の被エッチング量が少な
い)中間膜をマスク材に用いる。従って、ドライエッチ
ング技術を用いて、下層膜である有機系の膜を精度良く
加工し、マスクパターンを所定の寸法及び形状に形成す
ることができる。
【0094】以下、エッチングガスに添加する弗素
(F)成分の原子数を変化させ、下層膜である有機系の
膜(例:フォトレジスト膜)の加工後の寸法及び形状に
ついて検討してみる。
【0095】ここでは、下層膜である有機系の膜のエッ
チング加工精度を、三層構造の多層膜よりマスクパター
ンを形成する場合を例にとり説明する。従って、前述の
三層構造の多層膜において、中間膜である有機シリコン
酸化膜106、下層膜であるフォトレジスト膜105、
また、被加工部材であるシリコン窒化膜104(以上図
1に図示)を再度引用して説明を行うものとする。
【0096】図3は、エッチングガスの総流量に対する
弗素原子(F)数の割合とSOG膜のエッチングレート
(=単位時間(分)当たりの被エッチング量(nm))
との関係を表している。(尚、このエッチングガスは、
酸素(O2)と窒素(N2)の混合ガスに弗素(F)成分
を添加したものである。)これより、添加する弗素原子
(F)数の割合に比例して、SOG膜のエッチングレー
トは増加することが分かる。従って、本実施形態の場
合、添加する弗素原子(F)数の割合が増えれば、表面
に形成されたシリコン酸化膜(SiO2)をより確実に
除去し、中間膜であるSOG膜(例:有機シリコン酸化
膜106)の発泡及び破裂を抑制する効果が大きくなる
ことが予測される。
【0097】しかしながら、添加する弗素原子(F)数
の割合が所定の値を超えれば、中間膜であるSOG膜
(例:有機シリコン酸化膜膜106)の側壁方向のエッ
チング量(=サイドエッチング量)が過剰になり、更
に、下層膜(例:フォトレジスト膜105)に堆積さ
れ、側壁方向のエッチングを抑制する前述の反応生成物
までもが必要以上に除去されることになる。それゆえ、
中間膜(例:有機シリコン酸化膜106)の発泡や破裂
を抑制することができても、下層膜である有機系の膜
(例:フォトレジスト膜105)に、寸法精度良くパタ
ーンを形成することができなくなる。
【0098】図4(a)乃至(c)に示すように、エッ
チングガスに添加する弗素原子(F)の割合に応じて、
有機シリコン酸化膜106(=中間膜)とフォトレジス
膜105(=下層膜)への側壁方向のエッチング量は変
化する。(尚、図4(a)乃至(c)は、図3に示す
(a)乃至(c)の各事例についてのエッチング状態を
表している。)図4(a)に示すように、弗素原子
(F)を全く添加しない場合には、下層膜であるフォト
レジスト膜105は、ドライエッチング技術でパターン
を形成する過程で、側壁方向からは殆どエッチングされ
ることはない。
【0099】また、図4(b)に示すように、添加する
弗素原子(F)数の割合をエッチングガスの総流量の2
%程度とする場合には、マスクである有機シリコン酸化
膜106(=中間膜)も少量だけ側壁方向からエッチン
グされるため、下層膜であるフォレジスト膜105は、
その上部において側壁方向から少量だけエッチングされ
る。しかしながら、被加工部材であるシリコン窒化膜1
04を所定の寸法及び形状に加工する上で、マスク材と
して用いることはできる。
【0100】これに対して、図4(c)に示すように、
添加する弗素原子(F)数の割合がエッチングガスの8
%程度になると、マスク材である有機シリコン酸化膜1
06(=中間膜)は、側壁方向から多量にエッチングさ
れる。それゆえ、下層膜であるフォトレジスト膜105
は、その上部が必要以上に除去された順テーパー状に形
成され、これをマスクに用いた場合、被加工部材である
シリコン窒化膜104を所定の寸法及び形状に加工する
ことができなくなる。
【0101】以上のことから、本実施形態では、フォト
レジスト膜105に対するエッチングの加工精度を考慮
し、エッチングガスへ添加する弗素原子(F)の量を、
原子数の割合において、エッチングガスの総流量の2%
以下とすることが適当であるとする。
【0102】尚、前述の二層構造の多層膜においては、
上層膜にはシリコン等の無機元素を含む有機系の膜
(例:フォトレジスト膜206)を用い、また、下層膜
には、有機系の膜(例:フォトレジスト膜205)が用
いられている。従って、エッチングガスへの弗素(F)
成分の添加量と下層膜である有機系の膜のエッチング加
工精度に関し、以上の見解は、本実施形態の二層構造の
多層膜に関しても得られるものである。 (第2の実施形態)本実施形態では、多層膜を加工して
被加工部材にマスクパターンを形成し、このマスクパタ
ーンを用いて被加工部材をエッチング加工する半導体装
置の製造方法について説明する。
【0103】また、被加工部材は、所定の形状及び寸法
のパターンにエッチング加工された後、一例として、ゲ
ート配線層またはゲート電極層のパターン等、半導体装
置の構成要素を形成する過程でマスク材として用いられ
るものとする。
【0104】本実施形態では、被加工部材上の下層膜に
は、一般に用いられる感光性のフォトレジスト膜よりも
炭素(原子の)含有量が高い有機系の膜を用いる。下層
膜は、被加工部材をエッチング加工する過程でマスク材
として用いられるので、炭素(原子の)含有量を増加さ
せたエッチング耐性の高い有機系の膜を用いることが望
ましい。
【0105】従って、本実施形態を用いれば、所謂、エ
ッチングの寸法変換差(=設計値に対する寸法誤差)等
の問題を解決し、下層膜に一般の感光性フォトレジスト
を用いた場合より、精度良くマスクパターンを加工形成
することができ、ひいては、被加工部材の加工精度を高
めることが可能となる。
【0106】尚、一般の感光性フォトレジスト膜の炭素
(原子の)含有量は70wt%程度(wt%:重量%に
相当する単位)であり、本実施形態に用いる下層膜に
は、炭素(原子の)含有量が、少なくとも80wt%以
上の有機系の膜を用いるものとする。この範囲の炭素
(原子の)含有量を有する有機系の膜であれば、各被加
工部材をエッチング加工する過程で、マスク材として充
分なエッチング耐性を得ることができる。
【0107】以下、本実施形態を、図5(a)〜(f)を
用いて説明を行う。
【0108】ここで、図5(a)〜(f)はマスクパター
ン及びゲート配線層のパターンの長さ方向に垂直な方向
の断面図を表すものとする。
【0109】まず、シリコン基板301上に、絶縁膜3
02を介して、多結晶シリコン膜303をCVD法(Ch
emical-Vapour-Deposition法)で形成する。その後、減
圧CVD法(Low-PressureCVD法)を用い、図5
(a)に示すように、多結晶シリコン膜303上に、被
加工部材であるシリコン窒化膜304を200nm程度
の膜厚で形成する。
【0110】尚、多結晶シリコン膜303は、ゲート配
線層またはゲート電極等の材料として用いられる。ま
た、被加工部材であるシリコン窒化膜304は、後に、
多結晶シリコン膜303をゲート配線層、またはゲート
電極層等の形状にエッチング加工する過程で、マスク材
として使用される。
【0111】次に、被加工部材であるシリコン窒化膜3
04上に、図5(b)に示すように三層構造の多層膜を
形成する。この多層膜において、有機系の膜305を下
層膜、有機シリコン酸化膜306を中間膜、またフォト
レジスト膜307を上層膜とする。
【0112】以下に、これら各層の成膜方法について具
体的に説明する。
【0113】ここでは、下層膜として、炭素(原子の)
含有量が90wt%以上(100wt%未満)の有機系
の膜を用いるものとする。ここでは、一例として、炭素
(原子の)含有量が93wt%程度(wt%は重量%に
相当する)の有機系の膜305を、シリコン窒化膜30
4上に250nm程度の膜厚で形成する。
【0114】有機系の膜305は、スピンコーティング
法等、公知の塗布法を用いて形成する。ここでは、ま
ず、炭素を含有する化合物を、所定の溶媒、即ち、有機
系の溶剤に溶かし込むことで溶液を調製し、回転するシ
リコン基板301上に、直接、この溶液を膜状に塗布形
成する。その後、この状態でシリコン基板301に30
0℃程度の熱処理を行い、溶剤を気化させて膜を焼成さ
せ、下層膜として、炭素(原子の)含有量が93wt
%、また、膜厚が250nm程度の有機系の膜305を
シリコン窒化膜304上に形成する。ここで用いられる
塗布法には、CVD法やスパッタリング法と比較して、
条件設定等を含めたプロセスが容易であり、時間的及び
経済的コストを抑えるという特長がある。
【0115】有機系の膜305を形成する過程では、炭
素を含有する化合物として、例えば、ポリアリーレン、
ポリアリーレンエチル、フェノール樹脂、フェノールノ
ボラック、芳香族多環状樹脂等を使用することができ
る。また、これらの単体に限らず、この中の数種類の化
合物を混合して使用することもできる。即ち、所謂、芳
香環を含む化合物であれば、所定の溶媒に溶かし込み、
炭素(原子の)含有量が90wt%以上(100wt%
未満)の有機系の膜を容易に形成することができる。本
実施形態では、炭素を含有する化合物に芳香族多環状樹
脂を用い、炭素(原子の)含有量は90〜95wt%程
度の範囲に収まるように、一例として93wt%に定
め、有機系の膜305を形成する。
【0116】また、溶媒として用いられる有機系の溶剤
には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテ
ート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸エチル等
のエステル系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶剤、その他アニソール、トルエン等を使用する
ことができる。
【0117】有機系の膜の炭素(原子の)含有量を高
め、これを塗布法で形成するためには、炭素(原子の)
含有量が高く、尚且つ、高分子状の化合物(以下、炭素
系のポリマー材とする)を溶媒に溶かす必要がある。そ
のためには、酸素(O)、水素(H)、または窒素(N)の単
体、またはそれらを含む化合物等を、修飾基として炭素
系のポリマー材に付加しておく必要がある。これらの修
飾基を媒介物として、前述した有機系の溶剤と炭素(原
子の)含有量の高いポリマー材を化学結合させ、塗布溶
液を形成することができる。ここで、炭素系のポリマー
材は、溶媒、即ち、有機系の溶剤に溶解して塗布溶液を
形成するように、その分子量を調整する。
【0118】その後、この塗布溶液を所定の温度で熱処
理すると、溶剤の一部を気化すると同時に、炭素系のポ
リマー材の分子同士が熱架橋型の反応によって化学結合
し、炭素(原子の)含有量が90wt%以上(100w
t%未満)の有機系の膜を焼結形成させることができ
る。このようにして形成された有機系の膜は、通常のフ
ォトレジスト膜よりも硬質性を有し、エッチング耐性の
度合いも高いものとなる。
【0119】次に、中間膜として、有機シリコン酸化膜
306を有機系の膜305上に70nm程度の膜厚で形
成する。ここでは、スピンコーティング法等、公知の塗
布法を用いて有機シリコン酸化膜306形成する。即
ち、まず、有機溶媒に材料を溶かして所定の溶液を調製
し、直接、この溶液を回転するシリコン基板301上
に、塗布して膜状に形成する。その後、この膜を200
〜300℃程度で熱処理して焼成させ、有機系の膜30
5上に70nm程度の膜厚で形成する。有機シリコン酸
化膜306は、フォトレジスト膜307(=上層膜)及
び有機系の膜305(=下層膜)の厚さに基づき、所定
の膜厚(ここでは、70nm程度の薄膜)に容易に形成
することができる。
【0120】本実施形態において、中間膜には、下層の
有機系の膜305をエッチングする酸素プラズマに対し
てエッチング耐性を有し、不揮発な成分を含む材料であ
れば特に限定する必要はない。具体的には、公知のSO
G膜に分類される材料が有効であり、有機成分(炭化水
素(CH)成分等)を含む酸化物として有機シリコン酸
化膜、また、無機成分を含む酸化物としてシリコン酸化
膜(SiO2膜)等が例として挙げられる。
【0121】一般に、三層構造の多層膜よりマスクパタ
ーンを形成する場合、中間膜には公知のSOG(Spin-O
n-Glass)膜を用いるとよい。SOG膜は、塗布法によ
って形成されたシリコン酸化膜であり、遠心力を利用し
て、回転するシリコン基板上に塗布形成されるために、
その表面は平坦で、尚且つ、薄膜状に形成され易いとい
う特長を有する。また、下層の有機系の膜よりもエッチ
ング選択比が高い(即ち、単位時間あたりの被エッチン
グ量が少ない)。
【0122】従って、本実施形態のように、三層構造の
多層膜を用いてマスクパターンを形成する場合には、上
層膜と下層膜の厚さ、及び上層膜と下層膜のエッチング
選択比(=単位時間毎の被エッチング量の差)に基づい
て、中間膜の厚さを容易に薄くすることができる。
【0123】以上に基づいて、本実施形態では、中間膜
の一例として、公知のSOG膜の一種である有機シリコ
ン酸化膜を採用する。
【0124】尚、中間膜には、シリコン酸化膜ではな
い、シリコンを主成分として含む膜を用いることもでき
る。この場合、スピンコーティング法等、公知の塗布法
を用いて、シリコンを主成分とする膜を有機系の膜30
5上に形成すると良い。例えば、回転するシリコン基板
301上に、直接、シリコンを主成分とする溶液を膜状
に塗布し、その後、所定の温度で熱処理して焼結させ、
中間膜として、有機系の膜305上に形成する等の方法
が有効である。
【0125】次に、上層膜として、有機系の膜、即ち、
ポジ型のフォトレジスト膜307を有機シリコン酸化膜
306上に200nm程度の膜厚で形成する。ここで
は、スピンコーティング法等、公知の塗布法を用いて、
フォトレジスト膜307を形成する。即ち、まず、ポジ
型のフォトレジスト溶液を回転するシリコン基板301
上に直接膜状に塗布形成し、その後、所定の温度で熱処
理を加えて膜を焼成させ、フォトレジスト膜307を2
00nm程度の膜厚で形成する。
【0126】以上、図5(b)に示すように、有機系の
膜305(=下層膜)、有機シリコン酸化膜306(=
中間膜)及びフォトレジスト膜307(=上層膜)から
なる多層膜を被加工部材であるシリコン窒化膜304上
に形成する。
【0127】次に、リソグラフィー技術及びドライエッ
チング技術を用いて、多層膜を所定の寸法及び形状を有
するマスクパターンに加工形成する。
【0128】まず、リソグラフィー技術を用いて露光工
程及び現像工程を行い、図5(c)に示すように、フォ
トレジスト膜307にパターンを形成する。ここでは、
配線等のパターンが描かれた露光用マスク(=レティク
ル)を介して露光光をフォトレジスト膜307に照射
し、その後、現像液を用いて不要な部分を除去して、フ
ォトレジスト膜307に所定の寸法及び形状を有するパ
ターンを形成する。
【0129】次に、ドライエッチング技術によって、図
5(d)に示すように、フォトレジスト膜307に形成
されたパターンを有機シリコン酸化膜306に転写す
る。ここでは、フォトレジスト膜307のパターンをマ
スクにして、フォトレジスト膜307のパターンの寸法
及び形状に従ったパターンが、有機シリコン酸化膜30
6に形成される。ドライエッチング技術には、微細加工
に適したRIE法を採用し、所定の条件に設定された反
応性イオンエッチング装置の反応容器内において、有機
シリコン酸化膜306にパターンが形成される。ここ
で、エッチングガスには、CF4、酸素(O2)及びアル
ゴン(Ar)を含む混合ガスが用いられる。
【0130】尚、フォトレジスト膜307の被エッチン
グ量は約100nm程度であるので、有機シリコン酸化
膜306にパターンを形成した後、フォトレジスト膜3
07の膜厚は約200nm程度になる。
【0131】次に、ドライエッチング技術によって、図
5(e)に示すように、有機系の膜305にパターンを
転写する。ここでは、フォトレジスト膜307と有機シ
リコン酸化膜306の積層パターンをマスクに用い、有
機系の膜305には、このマスクの寸法及び形状に従っ
たパターンが形成される。ドライエッチング技術には、
微細加工に適したRIE法を採用し、所定の条件に設定
された反応性イオンエッチング装置の反応容器内におい
て、有機系の膜305にパターンが形成される。
【0132】一般に、炭素(原子の)含有量が高い膜
は、膜質が緻密になる一方で 直上の膜との密着性が悪
い。従って、中間膜に、有機シリコン酸化膜等のSOG
膜、下層膜に、フォトレジスト膜よりも炭素(原子の)
含有量の高い有機系の膜を、各々用いた場合には、中間
膜と下層膜の隙間にはエッチングガスの成分が滞留し易
く、中間膜の発泡を起こし、やがて破裂することにもな
る。
【0133】本実施形態では、有機系の膜305にパタ
ーンを形成する過程で、エッチングガス308には、酸
素(O2)と窒素(N2)の混合ガスに、弗素成分(F)
成分を添加したものを用いる。ここで、添加する弗素成
分(F)の量は、原子数での割合にして、エッチングガ
スの総流量の2%以下とする。また、有機系の膜305
にパターンを形成する過程で、エッチングガス308に
関する条件は、第1の実施形態で述べたものと同様の理
由によって設定される。
【0134】例えば、酸素(O2)と窒素(N2)の混合
ガスに、弗素(F2)の単体、あるいは弗酸(HF)、
SF6、CH22等の弗素化合物の状態で、弗素(F2
成分を添加させたものを用いることができる。また、酸
素(O2)と窒素(N2)の混合ガスの替わりに、アンモ
ニア(NH3)と酸素(O2)の混合ガスを用い、これ
に、弗素(F2)の単体、あるいは弗酸(HF)、S
6、CH22等の弗素化合物の状態で弗素(F2)成分
を添加させたものをエッチングガスに用い、有機系の膜
305にパターンを形成することができる。本実施形態
では、一例として、酸素(O2)10sccm、窒素
(N2)100sccmからなる混合ガスに、弗素化合
物であるCH22を1sccm程度添加したエッチング
ガスを用いる。
【0135】尚、フォトレジスト膜307のパターン
は、有機系の膜305とほぼ同質の材料からなり、有機
系の膜305にパターンを形成する過程で、エッチング
によって消費される。その後、有機シリコン酸化膜30
6に形成されたパターンは、有機系の膜305にパター
ンを形成する過程で、主たるマスクとして作用する。
【0136】有機系の膜305をRIE法等でドライエ
ッチングする場合、有機シリコン酸化膜306の表面に
は、エッチングガス中でイオン化した酸素成分等が衝突
する。このような場合、有機シリコン酸化膜306の表
面には、所謂、スパッタリング反応によって、膜質の緻
密なシリコン酸化膜(SiO2膜)が形成される。
【0137】しかしながら、本実施形態では、エッチン
グガスに含まれる弗素成分(F2またはF*)によって、
シリコン酸化膜(SiO2膜)は容易に除去されるの
で、有機シリコン酸化膜306と有機系の膜305との
界面に残留する窒素(N2)ガス等を外部に放出するこ
とができる。従って、有機シリコン酸化膜306は、発
泡または破裂を起こさずに、その形状を保ち、有機系の
膜305に所定の寸法及び形状を有するパターンを精度
良く形成することができる。
【0138】また、有機系の膜305は、炭素(原子
の)含有量が93wt%であり、一般の感光性フォトレ
ジスト膜を用いた場合よりも、炭素(原子の)含有量が
高いので、その分エッチング耐性が高くなる。従って、
第1の実施形態と比較して、下層膜には、寸法精度の高
いパターンを、エッチング加工によって形成することが
可能となる。
【0139】一方、有機系の膜305にパターンを形成
する過程で、エッチングガスに含まれる窒素(N2
は、有機系の膜305に含まれる炭素(C)成分と反応
する。そして、有機系の膜305の側壁には反応生成物
が付着し、徐々に堆積膜が形成されていく。この堆積膜
によって、パターンの側壁方向のエッチング量、即ちサ
イドエッチング量を減らし、寸法精度が高く、シリコン
基板301に対して垂直に近い形状のパターンを有機系
の膜305に形成することができる。
【0140】従って、エッチングガスにおける弗素
(F)の添加量は、有機シリコン酸化膜306の表面に
形成されるシリコン酸化膜(SiO2)を除去すると同
時に、有機系の膜305の側壁に形成される反応生成物
の堆積物を必要以上に減らす等、悪影響を与えない程度
に留める必要がある。
【0141】また、中間膜である有機シリコン酸化膜3
06は、SOG膜であり、有機系の膜305にパターン
を形成する過程で、マスク材として作用する。従って、
第1の実施形態で述べたように、エッチングガスにおけ
る弗素(F)の添加量は、有機シリコン酸化膜306の
側壁方向のエッチング(=サイドエッチング)を過剰に
行い、有機系の膜305のエッチング加工に悪影響を与
えないように調整することも必要になる。
【0142】これらの条件に基づいて、本実施形態で
は、添加する弗素(F)成分の量を、原子数での割合に
して、エッチングガスの総量の2%以下とすることにし
た。
【0143】その後、有機系の膜305と有機シリコン
酸化膜306の積層パターンをマスクにしてドライエッ
チング技術を施し、被加工部材であるシリコン窒化膜3
04にパターンを形成する。このドライエッチング技術
には、微細加工に適したRIE法を採用し、一例とし
て、エッチングガスにはCF4、酸素(O2)及びアルゴ
ン(Ar)を主体とする混合ガスを用いる。ここで、有
機シリコン酸化膜306は、シリコン窒化膜304をエ
ッチングする過程で消費され、その後は、有機系の膜3
05のパターンが主たるマスクとして作用し、被加工部
材であるシリコン窒化膜304にパターンを形成する。
【0144】尚、シリコン窒化膜304のエッチング加
工が終了した後、酸素プラズマを含むガスで公知のアッ
シング処理を行い、残存する有機系の膜305のパター
ンは容易に灰化除去することができる。
【0145】次に、シリコン窒化膜304に形成された
パターンをマスクにして、公知のドライエッチング技術
で所定の寸法及び形状に加工し、図5(f)に示すよう
に、導電材である多結晶シリコン膜303に、ゲート配
線層またはゲート電極層等の導電層パターンを形成す
る。
【0146】従来、ドライエッチング技術を用いて、膜
厚が200nm程度のシリコン窒化膜にパターンを形成
する場合、マスク材となる下層膜には、炭素(原子の)
含有量が70%程度の一般のフォトレジスト膜が使用さ
れ、その膜厚は少なくとも500nm程度必要であっ
た。これに対して、本実施形態のように、下層膜に炭素
(原子の)含有量が93wt%程度の有機系の膜を使用
すると、その膜厚を250nm程度にまで薄くすること
ができた。これより、下層膜をドライエッチング技術で
加工する過程では、一般のフォトレジスト膜を使用した
場合と比較して、所謂、パターン形成時の寸法変換差
(=設計値に対する寸法誤差)を抑制することもでき
た。
【0147】また、本実施形態では、三層構造の多層膜
に替えて、二層構造の多層膜を加工してマスクパターン
を形成し、被加工部材をエッチング加工することもでき
る。
【0148】以下に、図6(a)〜(f)を参照して、
二層構造の多層膜よりマスクパターンを形成し、このマ
スクパターンを用いて被加工部材をエッチング加工する
半導体装置の製造方法について説明する。
【0149】また、被加工部材は、所定の形状及び寸法
のパターンにエッチング加工された後、一例として、ゲ
ート配線層またはゲート電極層のパターン等、半導体装
置の構成要素を形成する過程でマスク材として用いられ
るものとする。
【0150】また、本実施形態において、三層構造の多
層膜からマスクパターンを形成する場合と同様に、下層
膜には、一般に用いられる感光性のフォトレジスト膜よ
りも炭素(原子の)含有量が高い有機系の膜を用いる。
下層膜は、被加工部材をエッチング加工する過程でマス
ク材として用いられ、炭素(原子の)含有量を増加させ
たエッチング耐性の高い有機系の膜を用いることが望ま
しい。
【0151】従って、本実施形態を用いれば、所謂、エ
ッチングの寸法変換差(=設計値に対する寸法誤差)等
の問題を解決し、下層膜に一般の感光性フォトレジスト
を用いた場合より、精度良くマスクパターンを加工形成
することができ、ひいては、被加工部材の加工精度を高
めることが可能となる。
【0152】尚、従来の感光性フォトレジスト膜の炭素
(原子の)含有量は70wt%程度(wt%:重量%に
相当する単位)であり、本実施形態に用いる下層膜に
は、炭素(原子の)含有量が、少なくとも80wt%以
上の有機系の膜を用いるものとする。この範囲の炭素
(原子の)含有量を有する有機系の膜であれば、各被加
工部材をエッチング加工する過程で、マスク材としての
エッチング耐性を得ることができる。
【0153】尚、図6(a)〜(f)はマスクパターン及
びゲート配線層のパターンの長さ方向に垂直な方向の断
面図を表す。
【0154】シリコン基板401上に、絶縁膜402を
介して、ゲート配線層またはゲート電極層等の材料とな
る多結晶シリコン膜403をCVD法で形成する。その
後、減圧CVD法を用いて、図6(a)に示すように、
多結晶シリコン膜403上にシリコン窒化膜404を2
00nm程度形成する。
【0155】次に、図6(b)に示すように、シリコン
窒化膜404上に、下層膜である有機系の膜405を2
50nm程度の膜厚で、上層膜である有機系の膜、即
ち、フォトレジスト膜406を150nm程度の膜厚
で、順次、塗布形成し、二層構造の多層膜を形成する。
【0156】ここでは、本実施形態において、三層構造
の多層膜からマスクパターンを形成する場合と同様に、
下層膜には、炭素(原子の)含有量が90wt%以上
(100wt%)である有機系の膜405を用いるもの
とする。具体的には、炭素を含有する化合物に芳香族多
環状樹脂を用い、炭素(原子の)含有量は90〜95w
t%程度の範囲に収まるように、一例として93wt%
に定め、有機系の膜405を形成する。
【0157】また、上層膜には、無機元素を含む有機系
の膜として、シリコンを含有するフォトレジスト膜40
6を用いる。二層構造の多層膜からマスクパターンを形
成する場合、上層膜は、三層構造の多層膜における上層
膜及び中間膜双方の役割を果たし、下層膜をエッチング
してパターンを形成する過程では、マスク材として用い
られる。従って、上層膜は、無機元素を成分として含む
必要があり、その無機元素の例としては、前述のシリコ
ンの他に、アルミニウム、チタン、タングステン、ゲル
マニウム等が挙げられる。
【0158】尚、有機系の膜405を形成する過程で使
用する材料及び成膜条件は、本実施形態において、三層
構造の多層膜よりマスクパターンを形成する場合と同様
であるものとする。
【0159】一方、シリコンを含有するフォトレジスト
膜406は、公知の塗布法を用いて成膜することができ
る。即ち、シリコンを所定量含むようにポジ型のフォト
レジスト溶液に溶解させ、直接、回転するシリコン基板
401上に膜状に塗布し、その後、所定の温度で熱処理
を行って焼結させれば、フォトレジスト膜406を所定
の膜厚で形成することができる。また、有機系の膜40
5にパターンを形成する過程で、上層膜、即ち、シリコ
ンを含有するフォトレジスト膜406の膜厚は、マスク
として作用する程度の厚さに形成されていれば良い。
【0160】次に、二層構造の多層膜に、リソグラフィ
ー技術とドライエッチング技術を順次施して、被加工部
材であるシリコン窒化404上にマスクパターンを形成
する。
【0161】二層構造の多層膜をマスクパターンに加工
する場合、まず、図6(c)に示すように、リソグラフ
ィー技術を用いて、フォトレジスト膜406に露光工程
及び現像工程を行ってパターンを形成する。ここでは、
配線やコンタクトホール等のパターンが描かれた露光用
マスク(=レティクル)を介して、露光光を上層膜、即
ち、フォトレジスト膜406に照射し、現像液を用いて
不要な部分を除去して、所定の寸法及び形状にパターン
を形成する。
【0162】次に、フォトレジスト膜406に形成され
たパターンをマスクにして、図6(d)に示すように、
有機系の膜405をドライエッチング技術で加工し、フ
ォトレジスト膜406に形成されたパターンの寸法及び
形状に従って、被加工部材上であるシリコン窒化膜40
4上にパターンを形成する。
【0163】一般に、炭素(原子の)含有量が高い膜
は、膜質が緻密になる一方で 直上に位置する膜との密
着性が悪い。従って、上層膜にフォトレジスト膜、下層
膜に、フォトレジスト膜よりも炭素(原子の)含有量の
高い有機系の膜を、各々用いた場合、上層膜と下層膜の
隙間にはエッチングガスの成分が一部滞留し易く、上層
膜は発泡を起こし、やがて破裂することにもなる。
【0164】ドライエッチング技術には、RIE法等を
採用し、エッチングガス407には、酸素(O2)と窒
素(N2)の混合ガスに弗素(F)を添加したものを用
いる。この場合、添加する弗素原子(F)数の割合を、
本実施形態において、三層構造の多層膜よりマスクパタ
ーンを形成する場合と同様に、エッチングガスの総流量
の2%以下とする。また、エッチングガスの種類につい
ても、三層構造の多層膜よりマスクパターンを形成する
場合と同様に、例えば、酸素(O2)と窒素(N2)の混
合ガスに、弗素(F2)の単体で、あるいは弗酸(H
F)、SF6、CH22等の弗素系化合物の状態で弗素
(F2)成分を添加させたものを用いることができる。
また、酸素(O2)と窒素(N2)の混合ガスの替わり
に、アンモニア(NH3)と酸素(O2)の混合ガスを用
い、これに、弗素(F2)の単体で、あるいは弗酸(H
F)、SF6、CH22等の弗素化合物の状態で弗素
(F2)成分を添加させたものをエッチングガスとし
て、有機系の膜405にパターンを形成することができ
る。
【0165】本実施形態では、一例として、酸素
(O2)10sccm、窒素(N2)100sccmから
なる混合ガスに、弗素化合物であるCH22を1scc
m程度添加したエッチングガスを用いる。
【0166】次に、フォトレジスト膜406(=上層
膜)と有機系の膜405(=下層膜)からなる積層パタ
ーンをマスクにしてドライエッチング技術を施し、被加
工部材であるシリコン窒化膜404にパターンを形成す
る。このドライエッチング技術には、微細加工に適した
RIE法を採用し、エッチングガスにはCF4、酸素
(O2)及びアルゴン(Ar)を主体とする混合ガスを
用いる。
【0167】ここで、フォトレジスト膜406のパター
ンは、シリコン窒化膜404をエッチングする過程で消
費され、その後は、図6(e)に示すように、有機系の
膜405のパターンが主たるマスクとして作用し、被加
工部材であるシリコン窒化膜404にパターンを形成す
る。
【0168】尚、シリコン窒化膜404のエッチングが
終了した後、酸素プラズマを含むガスで、公知のアッシ
ング処理を行い、残存する有機系の膜405のパターン
は、容易に灰化除去することができる。
【0169】次に、シリコン窒化膜404に形成された
パターンをマスクにして、図6(f)に示すように、公
知のドライエッチング技術で、導電材である多結晶シリ
コン膜403を所定の寸法及び形状に加工し、ゲート配
線層またはゲート電極等の導電層パターンを形成する。
【0170】二層構造の多層膜からマスクパターンを被
加工部材上に形成する場合、前述の三層構造の多層膜か
らマスクパターンを形成する場合よりも、工程数を少な
くすることができる。
【0171】一方、本実施形態において、三層構造の多
層膜からマスクパターンを形成する場合は、下層膜であ
る有機系の膜にパターンを形成する過程で、この下層膜
よりエッチング選択比(=単位時間毎の被エッチング量
の差)の大きい中間膜をマスク材に用いることができ
る。従って、ドライエッチング技術を用いて、下層の有
機系の膜を精度良く加工し、マスクパターンを所定の寸
法及び形状に形成することができる。
【0172】以上述べたように、本発明の第1及び第2
の各実施形態の要領で、多層膜より寸法精度の高いマス
クパターンを形成し、これを直接または間接的に用い
て、被加工部材をエッチング加工すると有効である。
【0173】尚、本発明の各実施形態では、二層構造、
または三層構造の多層膜からマスクパターンを形成す
る、いずれの場合においても、前述した要領で形成され
たマスクパターンを用いてエッチング加工できるもので
あれば、被加工部材の材料は特に限定されない。
【0174】また、本発明の各実施形態では、ドライエ
ッチング技術として反応性イオンエッチング(RIE)
法を用いているが、二層構造、または三層構造の多層膜
からマスクパターンを形成するいずれの場合において
も、マグネトロン型反応性イオンエッチング法、電子ビ
ームイオンエッチング法、ICPエッチング法、または
ECRイオンエッチング法等、半導体装置の微細加工に
適したものであれば特に限定されることはない。
【0175】
【発明の効果】本発明では、多層膜を加工してマスクパ
ターンを形成する過程で、弗素成分を添加したエッチン
グガスを用いて、下層膜にパターンを形成する。この弗
素成分の添加量は、原子数において、エッチングガスの
総流量の2%以下としているので、下層膜を過渡にエッ
チングすることなく、直上の膜の表面に形成される酸化
膜を除去し、多層膜間に発生し易いガスの滞留を抑制す
ることができる。従って、多層膜を加工して、所定の寸
法及び形状で、被加工部材上に精度良くパターンを形成
し、このパターンをマスクにして、被加工部材をエッチ
ングして寸法精度良く加工することができる。
【0176】以上より、本発明によって、信頼性の高い
半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す工程の断面図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す工程の断面図で
ある。
【図3】図3は、エッチングガスに添加する弗素(F)
原子数の割合とSOG(Spin−On−Glass)膜の被エッ
チング速度との関係を示す図である。
【図4】図4は、下層膜であるフォトレジスト膜のエッ
チング形状に関する断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態を示す工程の
断面図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態を示す工程の
断面図である。
【図7】図7は、従来技術を示す工程の断面図である。
【符号の説明】
101、201、301、401、501・・・シリコ
ン基板 102、202、302、402、502・・・絶縁膜 103、203、303、403・・・多結晶シリコン
膜 104、204、304、404・・・シリコン窒化膜 105、107、205、206、307、406、 503、505・・・フォトレジスト膜 305、405・・・有機系の膜 106、306、504・・・有機シリコン酸化膜 108、207、308、407、507・・・エッチ
ングガス 506・・・シリコン酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大岩 徳久 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 CC05 DD43 DD66 DD71 EE05 EE15 EE17 EE18 GG09 GG10 GG14 HH14 5F004 AA16 DA00 DA01 DA15 DA18 DA23 DA25 DA26 DB02 DB03 DB07 DB26 EA02 EA03 EA06 EB02 5F033 HH04 PP06 QQ09 QQ11 QQ13 QQ15 QQ28 QQ29 RR04 RR06 RR09 RR25 SS13 SS22 VV06 WW04 XX03 5F046 NA05 NA07 NA17

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工部材上に第1の有機系の膜を形成す
    る工程と、 この第1の有機系の膜上に、無機元素を含む第2の有機
    系の膜を形成する工程と、 この第2の有機系の膜にパターンを形成する工程と、 総流量の2%以下の弗素原子数を含むエッチングガスを
    用い、前記第2の有機系の膜に形成されたパターンをマ
    スクにして、第1の有機系の膜にパターンを形成する工
    程と、 前記第1の有機系の膜に形成されたパターンをマスクに
    して、被加工部材をエッチングする工程とを有すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記無機元素は、シリコン、アルミニウ
    ム、チタン、タングステン、及びゲルマニウムの少なく
    とも何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載
    の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】前記エッチングガスは、酸素及び窒素の成
    分を有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1および第2の有機系の膜は、フォ
    トレジスト膜であることを特徴とする請求項1乃至3の
    何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1の有機系の膜は、芳香環を有し、
    炭素原子の含有量が80wt%以上であることを特徴と
    する請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記第1の有機系の膜は、炭素原子の含有
    量が90〜95wt%であることを特徴とする請求項5
    に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記第1の有機系の膜は、芳香族多環状樹
    脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の半
    導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記第1の有機系の膜は、塗布法で形成す
    ることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載
    の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】被加工部材上に第1の有機系の膜を形成す
    る工程と、この第1の有機系の膜上にシリコンを含む膜
    を形成する工程と、このシリコンを含む有機系の膜上に
    第2の有機系の膜を形成する工程と、 前記第1の有機系の膜、前記シリコンを含む膜及び前記
    第2の有機系の膜にパターンを形成する工程と、 総流量の2%以下の弗素原子数を含むエッチングガスを
    用い、前記シリコンを含む膜に形成されたパターンをマ
    スクにして、前記第1の有機系の膜にパターンを形成す
    る工程と、 前記第1の有機系の膜に形成されたパターンをマスクに
    して被加工部材をエッチングする工程とを有することを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記シリコンを含む膜は、有機成分また
    は無機成分を含むシリコン酸化膜であることを特徴とす
    る請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】前記エッチングガスは、酸素及び窒素の
    成分を有することを特徴とする請求項9または10に記
    載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第1および第2の有機系の膜は、感
    光性のフォトレジスト膜であることを特徴とする請求項
    9乃至11の何れか一項に記載の半導体装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記第1の有機系の膜は、芳香環を有
    し、炭素原子の含有量が80wt%以上であることを特
    徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載の半導体
    装置の製造方法。
  14. 【請求項14】前記第1の有機系の膜は、炭素原子の含
    有量が90〜95wt%であることを特徴とする請求項
    13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】前記第1の有機系の膜は、芳香族多環状
    樹脂であることを特徴とする請求項14に記載の半導体
    装置の製造方法。
  16. 【請求項16】前記第1の有機系の膜は、塗布法で形成
    することを特徴とする請求項9乃至15の何れか一項に
    記載の半導体装置の製造方法。
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