JP2002270065A - 中点自動復帰式シャトルスイッチ機構 - Google Patents

中点自動復帰式シャトルスイッチ機構

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JP2002270065A
JP2002270065A JP2001071802A JP2001071802A JP2002270065A JP 2002270065 A JP2002270065 A JP 2002270065A JP 2001071802 A JP2001071802 A JP 2001071802A JP 2001071802 A JP2001071802 A JP 2001071802A JP 2002270065 A JP2002270065 A JP 2002270065A
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JP
Japan
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rod
rotating body
switch
switch mechanism
case
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JP2001071802A
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English (en)
Inventor
Akihiro Koseki
明宏 小関
Hiroyo Saito
広世 斎藤
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Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
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  • Rotary Switch, Piano Key Switch, And Lever Switch (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スイッチオンとなったことを視覚の他にシャ
トルスイッチの回動抵抗変化によって効果的に操作者に
認識させることが可能なスイッチ構造・作動原理を有
し、しかも安価で、耐久性のある中点自動復帰式のシャ
トルスイッチ機構を提供する。 【解決手段】 裏面が平坦で、該裏面の中央部に平坦な
凸部を形成した突起板を外周面に設けた回動体20と、
突起板の回動方向の一端部と接触して前記回動体の最大
回動位置を決定するための左右回転止め33を有し、棒
体50の上端が突起板の凸部に規制されながら押し下げ
られるととも棒体50の下端も押し下げられてスイッチ
のオン作動を行ない、かつ回動体20の回動復帰に伴っ
て、棒体の上端が前記突起板の裏面に規制されながら押
し上げられるとともに棒体の下端も押し上げられてスイ
ッチのオフ作動を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ、カー
エアコン等のコントロールユニットに設けられる中点自
動復帰式のシャトルスイッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーエアコン等の制御を行なうス
イッチは各種多様あり、例えばノブスイッチに設けた指
示点を希望する状態の示された指示点に回動一致させる
回動型のノブスイッチや、ノブスイッチを左右どちらか
に回動させてスイッチを一回作動させ、ノブスイッチを
中点復帰させた後さらに左右どちらかに回動させてスイ
ッチをもう一回作動させるという操作を繰り返すことに
よって、スイッチの操作回数に応じてルーチン的にカー
エアコンの状態を制御する、いわゆる中点自動復帰式の
シャトルスイッチがある。
【0003】後者のシャトルスイッチでは左右どちらか
の回動動作を行なったときにスイッチが一回オンとなる
が、カーエアコンの場合運転中に制御を行なうことが多
いため、スイッチがオンとなる状態の確認を視覚以外で
できることが好ましい。また、デザイン上の観点からシ
ャトルダイヤル径は、スイッチ構造・作動原理に制約さ
れにくく、厚さも薄く出来ることが好ましい。
【0004】しかし、シャトルスイッチで回動操作を行
なった時に、スイッチオンとなったことをシャトルスイ
ッチの回動抵抗の変化によって効果的に運転者に認識さ
せることが可能なスイッチ構造・作動原理を有するシャ
トルスイッチはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シャ
トルスイッチで回動操作を行なった時に、スイッチオン
となったことを視覚の他にシャトルスイッチの回動抵抗
変化によって効果的に操作者に認識させることが可能な
スイッチ構造・作動原理を有し、しかも安価で、耐久性
のある中点自動復帰式のシャトルスイッチ機構を提供す
ることである。
【0006】本発明の第2の目的は、操作リングと回動
体を一体構造とすることで、内部構造がより簡素な中点
自動復帰式シャトルスイッチを提供することである。
【0007】本発明の第3の目的は、クリック感を有す
るプッシュスイッチの作動部を金属、天然ゴム、合成ゴ
ム、又は熱可塑性エラストマーのいずれか、又はこれら
を組合せて形成することで、操作者が操作リングを回動
させてスイッチをいれた時に、操作者に不快感を与えな
い、適切な回動抵抗変化を発生させることが可能な中点
自動復帰式シャトルスイッチ機構を提供することであ
る。
【0008】本発明の第4の目的は、棒体の上端に、棒
体を挿通する孔部に係止する大きさの頭部を設け、頭部
を収納する収納部をケースに設けることで、棒体組付け
時において、棒体をケースの表側から組付けでき、かつ
棒体が落ちない構造となり、組付者の労力を低減するこ
とが可能な中点自動復帰式シャトルスイッチ機構を提供
することである。
【0009】本発明の第5の目的は、棒体の上端を、凸
の湾曲形状等の、円滑に昇降可能な形状に形成すること
で、棒体の上端の磨耗を低減し、操作者が快適に操作リ
ングを回動させることができ、しかも認識しやすい回動
抵抗変化を発生させることが可能な中点自動復帰式シャ
トルスイッチ機構を提供することである。
【0010】本発明の第6の目的は、突起板の凸部と突
起板の裏面との境界を、裏面に対し20〜50°の傾斜面と
することで、回動円滑性及び棒体上端の耐磨耗性を向上
させ、より適切な回動抵抗変化の発生を図ることであ
る。
【0011】本発明の第7の目的は、回動体の最大回動
角度を左右各々15〜50°とすることで運転者が無理なく
操作ダイヤルを回動させることが出来る中点自動復帰式
シャトルスイッチ機構を提供することである。
【0012】本発明の第8の目的は、孔部を回動体の回
動軸の同心円上に形成することで、左右に回動させると
きの回動力を等しくして操作時に違和感のない中点自動
復帰式シャトルスイッチ機構を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく、中点自動復帰式シャトルスイッチの構
造、作動原理について鋭意開発を行なった結果、操作リ
ングにかけられる回動力を効果的に棒体軸方向の昇降運
動に変換してプッシュスイッチに伝達することで、操作
リングを回動させた運転者に、スイッチオンとなったこ
とを視覚の他に回動抵抗変化によって効果的に認識させ
ることが可能であることを見出した。
【0014】すなわち、本発明の中点自動復帰式シャト
ルスイッチ機構は、裏面が平坦で、該裏面の中央部に平
坦な凸部を形成した突起板を外周面に設けた回動体と、
前記突起板の回動方向の一端部と接触して前記回動体の
最大回動位置を決定するための左右回転止めを有し、か
つ該回動体を回動自在に支承するケースと、前記回動体
と前記ケース間に設置し、該回動体を中点に向かって回
動復帰させる弾性体と、前記左右回転止め間で前記ケー
スに設けた孔部に昇降可能に挿通された棒体と、前記突
起板の回動に伴って、前記棒体の上端が前記突起板の凸
部に規制されながら押し下げられるとともにスイッチの
作動部と接触している該棒体の下端も押し下げられてス
イッチのオン作動を行ない、かつ前記回動体の回動復帰
に伴って、該棒体の上端が前記突起板の裏面に規制され
ながら押し上げられるとともに該棒体の下端も押し上げ
られてスイッチのオフ作動を行なう、該作動部と非作動
部とから形成されたクリック感を有するプッシュスイッ
チと、を具備したことを特徴とする。
【0015】本発明の中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構では、例えば図1における回動体と操作リングとは
別々の部品であるが、回動体と操作リングとを一体に形
成することも可能である。部品数を減らし、内部構造を
より簡素とすることが出来るからである。
【0016】本発明の中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構では、前記プッシュスイッチの作動部は、金属、天
然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマーのいずれ
か、又はこれらを組合せて形成することが好ましい。
【0017】また、本発明の中点自動復帰式シャトルス
イッチ機構では、前記棒体の上端に、該棒体を挿通する
孔部に係止する大きさの頭部を設け、該頭部を収納する
収納部を前記ケースに設けることが好ましい。
【0018】また本発明の中点自動復帰式シャトルスイ
ッチ機構では、前記棒体の上端は、凸の湾曲形状等の、
円滑に昇降可能な形状に形成することが好ましい。凸の
湾曲形状としては、例えば球状形状が例示できる。
【0019】さらに本発明の中点自動復帰式シャトルス
イッチ機構では、前記突起板の凸部と該突起板の裏面と
の境界は、該裏面に対し20〜50°の傾斜面であることが
より好ましい。
【0020】また本発明の中点自動復帰式シャトルスイ
ッチ機構は、前記回動体の最大回動角度は、左右各々15
〜50°であることを特徴とする。
【0021】本発明の中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構では、前記孔部は、前記回動体の回動軸の同心円上
に形成することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中点自動復帰式シ
ャトルスイッチ機構について詳細に説明するが、本発明
はこれらの実施形態に限定して解釈されない。
【0023】例としてカーエアコンのコントロールユニ
ットの制御に使用する、本発明に係る中点自動復帰式シ
ャトルスイッチ機構の一形態を図1に示す。本発明の中
点自動復帰式シャトルスイッチ機構100は、操作リング1
0、操作リング10を固定する回動体20、回動体20を回動
自在に支承するケース30、ケース30内に収納される回路
基板40上に設けられたプッシュスイッチ41、回動体20の
回動力を一軸方向の前後力に変換する棒体50、及び回動
体20とケース30に取り付けられ、かつ回動体20を中点に
向かって回動復帰させるコイルばね61,62とを具備す
る。
【0024】操作リング10は、運転者がカーエアコン等
の制御を行なうときに直接触れて操作するリングであ
り、円柱形状であることが好ましく、滑り止めの凹凸形
状等が適宜付加される。
【0025】回動体20は、円筒形状をしており、円筒側
部に突起板21を備える。突起板21の表面22は、平坦であ
っても凹凸があっても良い。裏面23は平坦であり、かつ
その中央部に平坦な凸部24を有する。凸部24と裏面23と
の境界は裏面23に対し20〜50°傾いた傾斜面25である。
なお、本発明の中点自動復帰式シャトルスイッチ機構で
は、例えば図1における回動体20と操作リング10とは別
々の部品であるが、回動体20と操作リング10とを一体に
形成することも可能である。部品数を減らし、内部構造
をより簡素とすることが出来るからである。
【0026】ケース30は、回動体20を回動自在に支承す
る支承部31と、突起板21の回動方向の端部27と接触して
回動体20の最大回動位置を決定するための左右回転止め
33を有する。本実施形態では、回動体20の一部及び突起
板21の全部は、ケース30表面に設けられた凹部32に入る
状態で組付けされるが、この凹部32はなくても良い。さ
らに、ケース30は、左右回転止め33間に設けた孔部34を
有する。
【0027】なお、突起板21の回動方向の長さと左右回
転止め33の位置は、回動体20の最大回動角度が左右各々
15〜50°となるように調整することが好ましい。
【0028】コイルばね61は、ケース30に設けたピン35
aと突起板21の表面22上に設けたピン26に固定され、コ
イルばね62は、ケースに設けたピン35bとピン26に固定
される。コイルばね61,62として金属ばねやゴム弾性を
有する天然ゴムや合成ゴム、或いは熱可塑性エラストマ
ーを例示することができる。なお、コイルばね61,62
は、回動体20を左右それぞれ最大回動角度まで回動した
としても、それぞれ伸長状態、少なくとも一方が最大伸
長した時に他方が自由長であることが必要である。なお
ピン26は、表面22上ではなく、回動軸以外の回動体20の
いずれかの箇所に設けることも可能であるが、回動体20
の構造を容易とするためには、図1のような形態を有す
る方が好ましい。また図1は、コイルばね61,62とピン2
6,35a,35bはケース30の表側に設けているが、ケース内
部に設けても良い。
【0029】図1に示した回動体と弾性体、及び弾性体
を固定するピンに相当する形態は、図2、3、4、5、
又は6に示す形態であっても良い。
【0030】図2に示したものは、弾性体として板ばね
70を用い、片方をケース固定部71に固定し、他方を回動
体外周部に切込み72を入れて、切込み72に板ばね70を差
し込んで、板ばね70によって回動体20aを中点に向かっ
て回動復帰させる形態を有する。
【0031】図3(a)に示したものは、突起板に設けた
ピン73に巻ばね74を固定し、巻ばね74をケースに設けた
ピン75に引っ掛け、この巻ばね74によって回動体20bを
中点に向かって回動復帰させる形態を有する。図3(a)
は、回動体20bが中点にある場合を示しており、回動さ
せた場合には、巻ばね74は図3(b)に示すように曲がる。
なお、回動体20bをある程度回動させたときに巻ばね74
の一方が、ケース30bに設けた一方のピン76から離れる
ように、突起板上にストッパーとしてのピン77a,77bを
左右それぞれ設けてある。
【0032】図4(a)に示したものは、回動体20cの周り
にねじりばね78を巻き、このねじりばね78によって回動
体20cを中点に向かって回動復帰させる形態を有する。
回動体20cとケース30cにそれぞれ2つのピン79a,79b,80
a,80bがストッパーとして設けてある。図4(b)には、回
動体20cを回動させたときの状態を示している。
【0033】図5(a)に示したものは、回動体20dの外周
のいずれかの箇所に設けた突起部81を設け、この突起部
81とケース30dに取り付けられた弾性体82が接触し、こ
の弾性体82によって回動体20dを中点に向かって回動復
帰させる形態を有する。図5(b)は、回動体20dが中点に
ある場合を示しており、図5(c)は、回動体20dを右に回
動させて、回動体20d及び突起部81を回動させたときの
弾性体82の変形を示す。弾性体82は、熱可塑性エラスト
マーや天然ゴム、合成ゴムで成形されていることが好ま
しい。
【0034】図6(a)に示したものは、回動体20eの外周
のいずれかの箇所に弾性体に相当する突起部83を設け、
回転体20eと突起部83をポリプロピレンやポリアセター
ル樹脂等の弾性変形し易い素材で一体に成形し、ケース
30eに突起部固定用のピン84a,84bを設け、この突起部83
によって回動体20eを中点に向かって回動復帰させる形
態を有する。図6(b)に回動体20eが中点にある場合、図6
(c)に回動体が回動したときの突起部83の変形を示す。
【0035】図2、3、4、5、又は6において種々の
他の形態を示したが、要するに回動体を中点に自動復帰
させることが可能な形態となっていれば良い。
【0036】次に図1を参照して棒体について説明す
る。棒体50は、孔部34に挿通される。棒体50の胴径と孔
部34の内径の関係は、棒体50が横振動せず、かつ棒体50
が軸方向に昇降した時の摩擦が大きくないようにクリア
ランスを適度に設けた関係であることが好ましい。ま
た、棒体50の上端は、突起板21の凸部24あるいは裏面2
3、あるいは傾斜面25と接し、昇降運動の規制を受け
る。また、図7に示すように、棒体50の上端に、棒体50
を挿通する孔部34に係止する大きさの頭部85を設け、頭
部を収納する収納部86をケース30に設けることはより好
ましい形態である。棒体組付け時において、棒体をケー
スの表側から組付けでき、かつ棒体が落ちない構造とな
り、組付者の労力を低減することが可能となるからであ
る。さらに、棒体50の上端は、図8(a)(b)に示したよう
に凸の湾曲形状等の、円滑に昇降可能な形状に形成する
ことが好ましい。なお、図8(b)に示した棒体の上端の形
状は、棒体を落ちない構造とした形態の具体例である。
【0037】プッシュスイッチ41は、作動部と非作動部
で形成され、作動部を押した状態でオン、作動部に外力
を加えない状態でオフとなるスイッチであり、ケース30
内に収納される回路基板40上に設けられる。棒体の下端
とプッシュスイッチの作動部は、常に接していることが
好ましい。なお、本実施例でのプッシュスイッチ41は、
作動部を金属、天然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性エラ
ストマーのいずれか、又はこれらを組合せて形成したも
ので、押圧時に抗力変化を発生、すなわちクリック感を
発生させるものを使用する。
【0038】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイ
ッチ機構は、プッシュスイッチを用いるので、ブラシ式
の接点を用いる場合と比較して耐久性を向上させること
ができる。
【0039】本発明では、孔部34は回動体20の回動軸の
同心円上に形成することが好ましい。左右に回動させる
ときの回動力を等しくして操作時に違和感を与えないた
めである。
【0040】次に、回動体20、突起板21、孔部34、左右
回転止め33、棒体50及びプッシュスイッチ41の位置関係
について図9(a)〜(d)を参照しながら説明する。孔部34a
によって位置決めされた棒体50aの下端はプッシュスイ
ッチ41aの作動部42aと接触し、孔部34bによって位置決
めされた棒体50bの下端は、プッシュスイッチ41bの作動
部42bと接触している。図9(a)に示したように回動体20
が、コイルばね61,62の釣り合っている位置である、中
点にある時には、棒体50a,50bの上端は両方とも裏面23
a,23bと接触する。次に図9(c)に示したように突起板21
が左に回動したときは、棒体50aの上端は裏面23aと接触
するが、棒体50bの上端は突起板21の凸部24と接触す
る。図9(d)に示したようにさらに突起板21が左に回動し
たときは、突起板21の左回動方向の端部27bと左側の左
右回転止め33bとが接する。このときも図9(c)の場合と
同様に棒体50aの上端は突起板21の裏面23aと接触する
が、棒体50bの上端は凸部24と接触する関係が保たれ
る。なお、右側に回動した場合については、左側に回動
した場合と同様である。
【0041】上記した位置関係を保つ限りにおいて突起
板21、裏面23及び凸部24の回動方向の長さ等は調整可能
であるが、スイッチオンの信号が発生しはじめるときの
回動角度と左右回転止め33によって最大回動角度となる
までの角度差があまり大きくならないことが好ましい。
角度差が大きすぎると、スイッチがオン状態の時間が長
くなり、たとえば所定時間スイッチオン状態とすると順
次、モードを切替えるようにした場合には、運転者に違
和感を与えるからである。いずれにしても、上記の位置
関係及び突起板21、裏面23及び凸部24の回動方向の長さ
等を調整することで、容易に最適な操作角をチューニン
グすることが可能である。
【0042】次に傾斜面25、棒体50、及びプッシュスイ
ッチ41との関係について説明する。傾斜面25は、突起板
21における凸部24と裏面23との境界の面であるが、上述
したように裏面23に対し20〜50°となるように傾斜して
いることが好ましい。すなわち、所定の速度で運転者が
操作リング10を回動した場合、傾斜が50°よりも大きい
と、棒体50の上端が傾斜面25上を円滑に滑らずに引っ掛
ってしまう。一方、傾斜が20°よりも小さいと棒体50の
上端と傾斜面25との動摩擦抵抗が小さくなるとともに、
プッシュスイッチによる充分な回動抵抗が得られない。
ただし、大きなクリック感が不要である場合には、当該
傾斜角度は適宜選択される。なお、棒体50の上端は、図
8(a)(b)に示したように、凸の湾曲形状等の、円滑に昇
降可能な形状に形成することが好ましい。棒体50の上端
と傾斜面25とを点で接するように棒体50の上端を形成す
ることで動摩擦抵抗の発生を抑制するためである。
【0043】運転者が操作リング10を回動するときの回
動抵抗は、式1で表すことが出来る。
【式1】回動抵抗=弾性体による抵抗+プッシュスイッチ
の押圧抵抗の回動方向成分
【0044】棒体50が傾斜面25を通過することにより、
操作リング10の回動力が棒体50を介してプッシュスイッ
チ41を押圧する力に変換される。プッシュスイッチ41と
して、クリック感のあるスイッチを用いるので、図10に
概略して示した、操作リング10の回動角度と回動抵抗と
の関係が得られる。図10(a)は、傾斜が20°より小さい
場合(図11(a))で、操作リング回動時の回動抵抗変化が
小さく、クリック感の伝達が悪い。図10(c)は、傾斜が5
0°より大きい場合(図11(c))で、回動抵抗変化も大きく
生じるため、クリック感の伝達が過大となるか、あるい
は棒体50の上端が傾斜面25で引っ掛りやすく、磨耗も生
じ易いため適切でない。図10(b)は、傾斜が20〜50°の
場合(図11(b))であり、回動抵抗変化も適切で運転者に
不快感を与えず、前記磨耗の問題も生じにくい。
【0045】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイ
ッチ機構では、プッシュスイッチ、棒体長さ、突起板厚
さにより回動軸方向のケース厚さが決まり、操作ダイヤ
ルの厚さを加えてもコンパクトな中点自動復帰式シャト
ルスイッチ機構を提供できる。
【0046】なお、本実施形態は、ケース30に一つの中
点自動復帰式シャトルスイッチ機構を設けた場合を説明
しているが、複数の中点自動復帰式シャトルスイッチ機
構を設けても良い。
【0047】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイ
ッチ機構について別の制御スイッチを付加することは可
能である。例えば、操作リング10の天面に回動軸方向に
プッシュするスイッチを設けても良い。
【0048】次に本発明に係る中点自動復帰式シャトル
スイッチ100の作動原理について図9を参照しながら説明
する。図9(a)は、運転者が操作する前のシャトルスイッ
チの状態(中点に位置する)を示している。次に運転者
が操作リング(不図示)を回動させて突起板21を左に移
動させる。このとき運転者は、回動体20を中点に向かっ
て回動復帰させるコイルばね61,62が発生させるばね応
力に逆らって操作リングを回動させるため、回動抵抗を
感ずる。さらに回動体20を回動させると図9(b)に示すよ
うに傾斜面25と棒体50bの上端とが接触し、棒体50bを介
してプッシュスイッチ41bが作動開始する。さらに回動
体20を回動させると図9(c)に示すように棒体50bの上端
と凸部24が接触し、プッシュスイッチ41bが完全にオン
状態となる。図9(b)(c)の移行の段階で、運転者にクリ
ック感、すなわち回動抵抗変化が伝達される。さらに回
動体20を回動させると図9(d)に示すように突起板21の端
部27bと左右回転止め33bが接触し、最大回動角度となっ
てストッパーが効く。
【0049】運転者がスイッチを1回のみオンとしたい
場合には、操作リングを放すので、コイルばね61,62の
作用によって自動的にシャトルスイッチは中点に復帰す
る。
【0050】運転者がスイッチを複数回オンさせて、カ
ーエアコン等のモードを順次、切り替えたい場合には、
操作リングを最大回動角度まで回動させた後、中点に戻
して再び同様の回動操作を行なうこととなる。或いは、
最大回動角度に保持してスイッチオン状態を継続させる
ことで、順次モード切替えを行なうように制御回路を組
んでも良い。
【0051】なお、左に回動させる場合について説明し
たが、右に回動させる場合も同様に作動する。
【0052】図2〜図6に示した弾性体の構造を有する
シャトルスイッチにおいても、突起板、棒体、プッシュ
スイッチの組合せによる作動原理は同様となるので、使
用方法についても上述と同様である。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の発明により、シャトルス
イッチで回動操作を行なった時に、スイッチオンとなっ
たことを視覚の他にシャトルスイッチの回動抵抗変化に
よって効果的に操作者に認識させることが可能なスイッ
チ構造・作動原理を有し、しかも安価で、耐久性のある
中点自動復帰式のシャトルスイッチ機構を提供すること
ができた。
【0054】請求項2記載の発明では、操作リングと回
動体を一体構造とすることで、内部構造がより簡素な中
点自動復帰式シャトルスイッチを提供することができ
た。
【0055】請求項3記載の発明では、クリック感を有
するプッシュスイッチの作動部を金属、天然ゴム、合成
ゴム、又は熱可塑性エラストマーのいずれか、又はこれ
らを組合せて形成することで、操作者が操作リングを回
動させてスイッチをいれた時に、操作者に不快感を与え
ない、適切な回動抵抗変化を発生させることが可能な中
点自動復帰式シャトルスイッチ機構を提供することがで
きた。
【0056】請求項4記載の発明では、棒体の上端に、
棒体を挿通する孔部に係止する大きさの頭部を設け、頭
部を収納する収納部をケースに設けることで、棒体組付
け時において、棒体をケースの表側から組付けでき、か
つ棒体が落ちない構造となり、組付者の労力を低減する
ことが可能な中点自動復帰式シャトルスイッチ機構を提
供することができた。
【0057】請求項5記載の発明では、棒体の上端を、
凸の湾曲形状等の、円滑に昇降可能な形状に形成するこ
とで、棒体の上端の磨耗を低減し、操作者が快適に操作
リングを回動させることができ、しかも認識しやすい回
動抵抗変化を発生させることが可能な中点自動復帰式シ
ャトルスイッチ機構を提供することができた。
【0058】請求項6記載の発明より、突起板の凸部と
突起板の裏面との境界を、裏面に対し20〜50°の傾斜面
とすることで、回動円滑性及び棒体上端の耐磨耗性を向
上させ、より適切な回動抵抗変化の発生を図ることがで
きた。
【0059】請求項7記載の発明では、回動体の最大回
動角度を、左右各々15〜50°とすることで運転者が無理
なく操作ダイヤルを回動させることが出来る中点自動復
帰式シャトルスイッチ機構を提供することができた。
【0060】請求項8記載の発明では、孔部を回動体の
回動軸の同心円上に形成することで、左右に回動させる
ときの回動力を等しくして操作時に違和感のない中点自
動復帰式シャトルスイッチ機構を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構の一形態を示す図である。
【図2】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、板ばねを用いて中点に向かって回動復帰さ
せる構成の一形態を示す図である。
【図3】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、巻ばねを用いて中点に向かって回動復帰さ
せる構成の一形態を示す図であって、(a)は回動体が中
点にある場合、(b)は回動体を右に回動させた場合、を
示す図である。
【図4】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、ねじりばねを用いて中点に向かって回動復
帰させる構成の一形態を示す図であって、(a)は回動体
が中点にある場合、(b)は回動体を右に回動させた場
合、を示す図である。
【図5】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、熱可塑勢エラストマー等の弾性体を用いて
中点に向かって回動復帰させる構成の一形態を示す図で
あって、(a)はその構成を示す図、(b)は回動体が中点に
ある場合、(c)は回動体を右に回動させた場合、を示す
図である。
【図6】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、回動体の外周に弾性体に相当する突起部を
設け、回転体と突起部をポリプロピレンやポリアセター
ル樹脂等の弾性変形し易い素材で一体に成形したものを
用いて中点に向かって回動復帰させる構成の一形態を示
す図であって、(a)はその構成を示す図、(b)は回動体が
中点にある場合、(c)は回動体を右に回動させた場合、
を示す図である。
【図7】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、棒体がケースから抜け落ちない構造を持つ
場合の一形態を示す図である。
【図8】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、棒体の上端の形態例を示す図であり、(a)
棒体上端が凸の湾曲形状の場合、(b)は棒体上端が凸の
湾曲形状であって頭部を有する場合、を示す図である。
【図9】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構のうち、回動体、突起板、孔部、左右回転止め、棒
体及びプッシュスイッチの位置関係、並びにスイッチオ
ンオフの作動状態の一形態を示す図であり、(a)は回動
体が中点にある場合、(b)は回動方向のスイッチが作動
開始した場合、(c)は回動方向の一方のスイッチが完全
オンの状態である場合、(d)は回動体が最大回動角度ま
で回動された場合、を示す図である。
【図10】本発明に係る中点自動復帰式シャトルスイッチ
機構における操作リングの回動角度と回動抵抗との概略
関係を示す図であって、(a)は傾斜面の傾斜が20°より
小さい場合、(b)は傾斜面の傾斜が20〜50°の場合、(c)
は傾斜面の傾斜が50°より大きい場合、を示す図であ
る。
【図11】図10において突起板の回動体回動方向の断面図
の一形態を表す図であって、(a)は傾斜面の傾斜(θ)が2
0°より小さい場合、(b)は傾斜面の傾斜(θ)が20〜50°
の場合、(c)は傾斜面の傾斜(θ)が50°より大きい場
合、を示す図である。
【符号の説明】
10,10d,10e,操作リング 20,20a,20b,20c,20d,20e,回動体 21,突起板 22,突起板の表面 23,23a,23b,突起板の裏面 24,凸部 25,25a,25b,傾斜面 26, 35a,35b,73,75,76,77a,77b, 79a,79b,80a,80b, 84
a,84b,ピン 27, 27a,27b,突起板の端部端部 30,30b,30c,30d,30e,ケース 31,支承部 32,凹部 33,33a,33b,左右回転止め 34,34a,34b,孔部 40,回路基板 41,41a,41b,プッシュスイッチ 42a,42b,プッシュスイッチの作動部 50,50a,50b,棒体 61,62,82,コイルばね(弾性体) 70,板ばね(弾性体) 71,ケース固定部 72,切込み 74,巻ばね(弾性体) 78,ねじりばね(弾性体) 81,83,突起部(弾性体) 82, 熱可塑性エラストマーや天然ゴム、合成ゴムで成形
された弾性体 85,棒体の頭部 86,棒体の頭部を収納する収納部 100,中点自動復帰式シャトルスイッチ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 広世 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39 株 式会社ゼクセルヴァレオクライメートコン トロール内 Fターム(参考) 5G019 AA01 AM55 CY01 CY21 CZ10 CZ14 CZ15 CZ16 SK02 SY01 SY10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏面が平坦で、該裏面の中央部に平坦な凸
    部を形成した突起板を外周面に設けた回動体と、 前記突起板の回動方向の一端部と接触して前記回動体の
    最大回動位置を決定するための左右回転止めを有し、か
    つ該回動体を回動自在に支承するケースと、 前記回動体と前記ケース間に設置し、該回動体を中点に
    向かって回動復帰させる弾性体と、 前記左右回転止め間で前記ケースに設けた孔部に昇降可
    能に挿通された棒体と、 前記突起板の回動に伴って、前記棒体の上端が前記突起
    板の凸部に規制されながら押し下げられるとともにスイ
    ッチの作動部と接触している該棒体の下端も押し下げら
    れてスイッチのオン作動を行ない、かつ前記回動体の回
    動復帰に伴って、該棒体の上端が前記突起板の裏面に規
    制されながら押し上げられるとともに該棒体の下端も押
    し上げられてスイッチのオフ作動を行なう、該作動部と
    非作動部とから形成されたクリック感を有するプッシュ
    スイッチと、 を具備したことを特徴とする中点自動復帰式シャトルス
    イッチ機構。
  2. 【請求項2】前記回動体の外周部に操作リングを一体に
    形成したことを特徴とする請求項1記載の中点自動復帰
    式シャトルスイッチ機構。
  3. 【請求項3】前記プッシュスイッチの作動部は、金属、
    天然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマーのいず
    れか、又はこれらを組合せて形成したことを特徴とする
    請求項1又は2記載の中点自動復帰式シャトルスイッチ
    機構。
  4. 【請求項4】前記棒体の上端に、該棒体を挿通する孔部
    に係止する大きさの頭部を設け、該頭部を収納する収納
    部を前記ケースに設けたことを特徴とする請求項1、
    2、又は3記載の中点自動復帰式シャトルスイッチ機
    構。
  5. 【請求項5】前記棒体の上端は、凸の湾曲形状等の、円
    滑に昇降可能な形状に形成したことを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載の中点自動復帰式シャトルスイッ
    チ機構。
  6. 【請求項6】前記突起板の凸部と該突起板の裏面との境
    界は、該裏面に対し20〜50°の傾斜面であることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、又は5記載の中点自動復
    帰式シャトルスイッチ機構。
  7. 【請求項7】前記回動体の最大回動角度は、左右各々15
    〜50°であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、又は6記載の中点自動復帰式シャトルスイッチ機
    構。
  8. 【請求項8】前記孔部は、前記回動体の回動軸の同心円
    上に形成したことを特徴とする1、2、3、4、5、
    6、又は7記載の中点自動復帰式シャトルスイッチ機
    構。
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