JP2002269648A - 防犯装置 - Google Patents

防犯装置

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JP2002269648A
JP2002269648A JP2001071693A JP2001071693A JP2002269648A JP 2002269648 A JP2002269648 A JP 2002269648A JP 2001071693 A JP2001071693 A JP 2001071693A JP 2001071693 A JP2001071693 A JP 2001071693A JP 2002269648 A JP2002269648 A JP 2002269648A
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microphone
sound wave
detection
speaker
security device
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JP2001071693A
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English (en)
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Toshio Akaha
俊夫 赤羽
Kaoru Nakanishi
馨 中西
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Sharp Corp
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】監視対象である外壁やガラス板などが破壊或い
は穿孔されたことを高精度に検知することができる防犯
装置を低コストで提供することを目的とする。 【解決手段】本発明に係る防犯装置は、境界面20を挟
んだ一方側の空間に設けられて所定の検知音波を出力す
るスピーカ2と、他方側の空間に設けられて前記検知音
波を検出するマイク3と、マイク3の出力強度が所定レ
ベルを上回った場合に警報を発する検出手段5と、を有
する構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の外壁やシ
ョウケースのガラス板などが破壊或いは穿孔されたこと
を検知して、不法侵入や窃盗の発生を警報する防犯装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の防犯装置の一つに、建造物の壁や
ショウケースのガラス板など(以下、監視対象と呼ぶ)
が破壊或いは穿孔された際に生じる音波や振動を検知す
ることで、不法侵入や窃盗の発生を警報する防犯装置が
ある。このような防犯装置としては、監視対象に直接振
動センサを密着させるタイプ、監視対象の破壊音に含ま
れる超音波をマイクロホンで検出するタイプ、監視対象
によって囲まれた密閉空間内にできる定在波の変化を検
出するタイプ、前記密閉空間内での音波の反射強度を検
出するタイプ、前記密閉空間内外での騒音の音圧差を検
出するタイプ、など数多くのタイプの防犯装置が提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記した種々
の防犯装置を用いれば、監視対象が破壊或いは穿孔され
たことを検知して、不法侵入や窃盗の発生を警報するこ
とが可能である。
【0004】しかし、監視対象に直接振動センサを密着
させるタイプの防犯装置では、監視対象が大きくなるに
従って多数の振動センサが必要となるため、防犯装置の
設置コストが高くなってしまうといった課題を有してい
た。また、振動センサの設置が美観上好ましくない場合
もあった。
【0005】一方、監視対象の破壊音に含まれる超音波
をマイクロホンで検出するタイプの防犯装置では、監視
対象が叩き割られるなどして所定レベル以上の超音波が
発生しなければ、その破壊或いは穿孔を検知することが
できないため、ガラスカッターのように大きな破壊音が
発生しない方法で監視対象が破壊或いは穿孔された状況
には対応できないという課題を有していた。また、監視
対象の材質によっては検出すべき超音波が発生しない場
合もあり、材質による適用範囲の制限があることも課題
であった。さらに、監視対象の周辺で発生した超音波
(例えば、ブラインドや鍵の開閉に伴って発生した超音
波)による誤報の発生が避けられないという課題もあっ
た。
【0006】また、監視対象によって囲まれた密閉空間
内にできる定在波の変化を検出するタイプの防犯装置
や、該密閉空間内での音波の反射強度を検出するタイプ
の防犯装置では、密閉空間があまりに大きいと異常検出
の精度が低下して誤報が生じやすくなるといった課題を
有していた。これは、密閉空間内で人が動いたり、密閉
空間内の気温や気流が変化したりすることによって、検
出すべき定在波や音波の反射強度が変化するためであ
る。従って、このようなタイプの防犯装置を店舗やビ
ル、倉庫などの比較的大きな空間に適用することは困難
であった。
【0007】また、監視対象によって囲まれた密閉空間
内外での騒音の音圧差を検出するタイプの防犯装置で
は、密閉空間内に騒音源が存在すると異常検出の精度が
低下して誤報が生じやすくなるといった課題を有してい
た。そのため、このようなタイプの防犯装置は、例えば
自動車のような内部に騒音源が存在しない小さな密閉空
間にしか適用することができなかった。また、このよう
なタイプの防犯装置を冷蔵庫や換気扇等の騒音源が存在
する店舗などに適用する場合には、異常検出の精度を向
上させるために多数の音圧センサが必要となるので、防
犯装置の設置コストが高くなるという課題があった。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑み、監視対象で
ある壁やガラス板などが破壊或いは穿孔されたことを、
その監視対象の材質や大きさに依らず、高精度に検知す
ることができる防犯装置を低コストで提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る防犯装置においては、境界面を挟んだ
一方側の空間に設けられて第1検知音波を出力する第1
のスピーカと、前記境界面を挟んだ他方側の空間に設け
られた第1のマイクロホンと、第1のマイクロホンによ
って受波された第1検知音波の強度が所定レベルを上回
った場合に第1の警報を発する第1の検出手段と、を有
する構成としている。
【0010】また、上記構成から成る防犯装置では、第
1のスピーカに接続されて、搬送波となる音波を所定の
変調信号によって変調することで第1検知音波を生成す
る第1の送波手段と、第1のマイクロホンに接続され
て、第1検知音波から前記変調信号を復調する第1の受
波手段と、を有する構成にするとよい。
【0011】なお、上記構成から成る防犯装置では、前
記変調信号として用いる乱数信号を生成する乱数発生器
と、第1の送波手段及び第1の受波手段における送受信
動作を同期させる同期手段と、を有する構成にするとよ
い。
【0012】さらに、上記構成から成る防犯装置では、
第1のスピーカと同じ側の空間に設けられた第2のマイ
クロホンと、第2のマイクロホンによって受波された第
1検知音波の強度が所定レベルを下回った場合に第2の
警報を発する第2の検出手段と、を有する構成にすると
よい。
【0013】または、第1のマイクロホンと同じ側の空
間に設けられて第1検知音波とは異なる第2検知音波を
出力する第2のスピーカと、第1のマイクロホンによっ
て受波された第2検知音波の強度が所定レベルを下回っ
た場合に第3の警報を発する第3の検出手段と、を有す
る構成にしてもよい。
【0014】或いは、第1のスピーカと同じ側の空間に
設けられた第2のマイクロホンと、第1のマイクロホン
と同じ側の空間に設けられて第1検知音波とは異なる第
2検知音波を出力する第2のスピーカと、第2のマイク
ロホンによって受波された第1検知音波の強度が所定レ
ベルを下回った場合に第2の警報を発する第2の検出手
段と、第1のマイクロホンによって受波された第2検知
音波の強度が所定レベルを下回った場合に第3の警報を
発する第3の検出手段と、第2のマイクロホンによって
受波された第2検知音波の強度が所定レベルを上回った
場合に第4の警報を発する第4の検出手段と、を有する
構成にしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る防犯装置の第
1実施形態について説明する。図1は本発明に係る防犯
装置の第1実施形態を示す概略構成図である。本図に示
すように、本実施形態における防犯装置は、第1の送波
手段1、第1のスピーカ2、第1のマイクロホン3(以
下、第1のマイク3と呼ぶ)、第1の受波手段4、及び
第1の検出手段5を有しており、監視対象である境界面
20(建造物の外壁やショウケースのガラス板など)を
挟んだ一方側の空間に第1のスピーカ2が設置され、他
方側の空間に第1のマイク3が設置されている。なお、
ビルや店舗などの内部は境界面20のどちら側と考えて
もよい。また、第1のスピーカ2及び第1のマイク3は
それぞれ1つずつ設置してもよいし、建物等の周囲を囲
むように複数ずつ設置してもよい。
【0016】第1のスピーカ2には第1の送波手段1が
接続されており、第1のマイク3には第1の受波手段4
が接続されている。さらに、第1の受波手段4には第1
の検出手段5が接続されている。これらの各手段1、
4、5(第1のスピーカ2と第1のマイク3以外)は境
界面20のどちら側に配置しても構わない。
【0017】第1の送波手段1は発振器101、変調器
102、及び増幅器103を有している。発振器101
は搬送波となる音波A(一般的には超音波を用いるが、
可聴音波を用いることも可能)を生成し、該音波Aを変
調器102に送出する。変調器102は発振器101か
ら入力された音波Aに所定の変調(例えば、パルス列信
号による振幅変調)を施し、その被変調信号Bを増幅器
103に送出する。増幅器103は変調器102から入
力された被変調信号Bを増幅し、第1のスピーカ2を駆
動する。このような動作により、第1のスピーカ2から
は第1検知音波が出力される。
【0018】第1の受波手段4はマイクアンプ401と
復調器402を有している。マイクアンプ401は第1
のマイク3で受波された第1検知音波を増幅し、その増
幅信号Cを復調器402に送出する。復調器402はマ
イクアンプ401から入力された増幅信号Cを復調する
ことで変調信号Dを取り出し、該変調信号Dを第1の検
出手段5に送出する。
【0019】第1の検出手段5はコンパレータ501と
閾値設定回路502を有している。コンパレータ501
は第1の受波手段4から入力された変調信号Dの振幅
と、閾値設定回路502によって設定された閾値電圧と
を比較し、変調信号Dの振幅が所定の閾値電圧を上回っ
た場合に第1の警報を出力する。閾値設定回路502は
例えば電源電圧を分圧することで所定の閾値電圧を生成
し、該閾値電圧をコンパレータ501の一入力端子に供
給する。なお、該閾値電圧の電圧値は、境界面20が正
常状態(破壊や穿孔が為されていない状態)である場合
に検出される変調信号Dの振幅よりも高く、非正常状態
(破壊や穿孔が為された状態)である場合に検出される
変調信号Dの振幅よりも低くなるように設定すればよ
い。
【0020】境界面20が正常状態である場合、第1の
スピーカから出力された第1検知音波は境界面20によ
って遮断され、第1のマイク3にはほとんど伝播しな
い。従って、変調信号Dの振幅は閾値電圧を下回るた
め、第1の検出手段5は第1の警報を出力しない。一
方、境界面20が破壊或いは穿孔された場合、その破壊
箇所を通して第1のスピーカから出力された第1検知音
波が第1のマイク3に伝播する。従って、変調信号Dの
振幅が閾値電圧を上回った時点で、第1の検出手段5は
境界面20が破壊或いは穿孔されたと判断して、第1の
警報を出力する。
【0021】このような構成とすることにより、検知音
波の届く広範囲で境界面20の破壊及び穿孔を検知可能
な防犯装置を実現することができる。従って、境界面2
0が大きくなってもスピーカやマイクをそれほど追加す
る必要がないので、防犯装置の設置コストを低く抑える
ことができる。また、境界面20に多数のセンサを直接
設置する必要がないので美観を損なうことがない。さら
に、本実施形態の防犯装置は境界面20の破壊音を受動
的に検知する方式ではないので、監視対象の材質や破壊
手段等に依ることなく、常に高精度な異常検知を行うこ
とができる。また、境界面20によって囲まれた密閉空
間内にできる定在波の変化や音波の反射強度を検出する
方式でもないので、店舗やビル、倉庫などの比較的大き
な空間に適用した場合であっても、高精度に異常検知を
行うことができる。
【0022】なお、第1のスピーカ2及び第1のマイク
3を境界面20から離れた位置に設置することで、より
広い面積における境界面20の破壊及び穿孔の検知が可
能となる。ただし、第1のスピーカ2や第1のマイク3
と境界面との間に道路等が存在すると、その道路を通過
する大型自動車等によって第1検知音波が遮断され、検
知精度が低下するおそれがある。従って、検知精度の向
上を図る観点から言えば、第1のスピーカ2及び第3の
マイク3は境界面20の近傍に設置することが望まし
い。
【0023】また、第1のスピーカ2と第1のマイク3
とは、必ずしも対向して設置する必要はなく、境界面2
0の破壊が予想される箇所での音波の回折によって、第
1検知音波が届く範囲であれば、天井面や床面、壁面に
設置することも可能である。ただし、第1のスピーカ2
及び第1のマイク3の代わりに、圧電素子などの超音波
振動子(例えば、村田製作所製MA40)のような指向
性の強い素子を用いる場合には、発振素子と受信素子を
ほぼ対向させて設置することが望ましい。
【0024】続いて、上記した第1実施形態における第
1検知音波の変調及び復調動作について、図2〜図4を
用いて説明を行う。図2は変調器102の一例を示す概
略構成図であり、図3は復調器402の一例を示す回路
図である。また、図4は図1〜図3の各部における信号
波形を示すタイムチャートである。
【0025】図2に示すように、変調器102はパルス
発生器102aと乗算器102bで構成されている。パ
ルス発生器102aは変調信号となるパルス信号A’を
生成し、該パルス信号A’を乗算器102bに送出す
る。乗算器102bは発振器101から入力された所定
周期の音波Aと、パルス発生器102aから入力された
パルス信号A’とを掛け合わせることで、変調器102
から増幅器103を通して第1のスピーカ2に送出され
る被変調信号B(すなわち第1検知音波)を生成する。
具体的には、搬送波となる音波Aを20kHzとし、該
音波Aにパルス信号A’による変調を施すことで、10
0ms周期で20ms幅程度の振幅出力部分を有する被
変調信号Bを出力するようにすればよい。
【0026】一方、第1のスピーカ2から出力された第
1検知音波は、空間を伝播して第1のマイク3で受波さ
れた後にマイクアンプ401によって増幅信号Cとさ
れ、復調器402に入力される。復調器402の入力端
はコイルL1とコンデンサC1の一端にそれぞれ接続さ
れる一方で、演算増幅器OP1の一入力端にも接続され
ている。なお、コイルL1とコンデンサC1の他端はと
もにグランドに接続されている。
【0027】演算増幅器OP1の他入力端は抵抗R1を
介してグランドに接続される一方で抵抗R2を介して自
身の出力端にも接続されている。また、演算増幅器OP
1の出力端はダイオードD1のアノードにも接続されて
いる。ダイオードD1のカソードはコンデンサC2と抵
抗R3の一端にそれぞれ接続される一方で、コンデンサ
C3を介して第1の検出回路5にも接続されている。な
お、コンデンサC2と抵抗R3の他端はともにグランド
に接続されている。
【0028】上記構成から成る復調器402は、コイル
L1とコンデンサC1で構成される同調回路部によって
搬送波Aの周波数成分のみを選択的に抽出し、その抽出
信号を演算増幅器OP1から成る増幅回路部によって増
幅する。そして、その増幅信号をダイオードD1、コン
デンサC2、及び抵抗R3から構成される平滑回路部に
よって整流することで所望の信号成分のみを取り出し、
最後にコンデンサC3によって直流成分を取り除くこと
で変調信号Dを復調し、該変調信号Dを第1の検出回路
5に送出する。
【0029】このような構成とすることにより、第1検
知音波と同じ周波数帯域の環境騒音等による影響(S/
N比の悪化等)を低減し、異常検知の精度を向上するこ
とができる。
【0030】なお、上記したように、パルス信号を用い
た変調を行うと、パルス信号に含まれる高次高調波のた
めに検知信号が人間の可聴帯域の信号を含む場合があ
る。このような可聴帯域への影響を低減するためには、
搬送波周波数を40kHz程度と高くすることや、変調
信号の高調波を低次のローパスフィルタなどで取り除い
てから変調に用いることなどが考えられる。
【0031】次に、本発明に係る防犯装置の第2実施形
態について説明する。図5は本発明に係る防犯装置の第
2実施形態を示す概略構成図である。本図に示すよう
に、本実施形態における防犯装置は、前述の第1実施形
態に加えて、第1の同期手段6を設けるとともに、第1
の送波手段1の内部に乱数発生器104、第1の受波手
段4の内部に相関計算器403、乱数発生器404、遅
延器405を追加した構成である。よって、第1実施形
態と同様の構成及び機能を有する部分については同一の
符号を付すことで説明を省略し、以下では本実施形態に
おける新規な構成部分について重点をおいた説明を行
う。
【0032】第1の送波手段1の内部に設けられた乱数
発生器104と、第1の受波手段4の内部に設けられた
乱数発生器404は、ともに第1の同期手段6から入力
される同期信号A(及びその遅延信号a)に同期して同
じ乱数系列の乱数信号B、bを発生する。変調器102
はこの乱数信号Bを用いて搬送波の変調を行い、被変調
信号C(すなわち第1検知信号)の生成を行う。
【0033】一方、第1の受波手段4の内部では、復調
器402によってマイクアンプ401の出力信号Dから
変調信号Eが取り出され、相関計算器403によって該
変調信号Eと乱数信号bとの乗算結果を時間的に平均す
ることで両信号の相関が求められる。この結果、両信号
の相関が所定の閾値よりも高ければ境界面20が破壊或
いは穿孔されていると判断することができる。この判定
動作については、後ほど詳細に説明を行う。
【0034】また、上記した相関計算器403における
判定動作を高精度に行うためには、第1のスピーカ2か
ら第1のマイク3までの距離に応じた音波の到達時間T
dを考慮して第1の受波手段4で生成される乱数信号b
を、第1の送波手段1で生成される乱数信号Bに対して
遅らせる必要がある。そこで、第1の受波手段4の内部
に設けられた遅延器405では、第1の同期手段6から
入力された同期信号Aに対して音波の到達時間Tdに概
略相当する遅延を行う。例えば、音速を340mとし、
第1のスピーカ2から第1のマイク3までの距離を5m
とした場合、音波の到達時間Tdは約14.7msとな
る。
【0035】さらに厳密に言えば、破壊或いは穿孔され
た箇所によって音波の到達に要する経路長が変化するの
で、その経路に応じて音波の到達時間Tdも変化する。
例えば、破壊箇所の違いによる経路長の変動が1mであ
る場合は、到達時間Tdは約2.9ms変動する。従っ
て、理想的には、このような経路変化に伴う到達時間T
dの変動も考慮して遅延器405における遅延を制御す
ることが望ましい。
【0036】ただし、変調信号である乱数信号BがHレ
ベルとなり、第1検知音波として振幅出力が為されてい
る時間が上記変動に対して2倍よりも十分に大きけれ
ば、精度は若干悪くなるものの両信号の相関計算は可能
である。従って、前述の第1実施形態で例示したよう
に、100ms周期で20ms幅程度の振幅出力部分を
有する被変調信号を第1検知音波として出力するように
すれば、その差は6倍以上なので充分相関計算が可能で
ある。なお、経路長の変動がさらに大きな場合は第1検
知音波の振幅出力幅を大きくすることが望ましい。その
結果、場合によっては変調周期を長くする必要が生じる
場合もある。
【0037】続いて、上記した第2実施形態における乱
数信号の生成動作、及び相関計算動作について、図6〜
図8を用いて説明を行う。図6は乱数発生器104の一
例を示す概略構成図であり、乱数発生器404の構成も
同様である。また、図7は相関計算器403の一例を示
す回路図であり、図8は図5〜図7の各部における信号
波形を示すタイムチャートである。
【0038】図6に示すように、ここでは乱数発生器1
04として、最も構成の簡単なM系列の乱数信号発生回
路を示しており、この乱数発生器104はシフトレジス
タ104aと、加算器104b及び104cと、AND
回路104dと、によって構成されている。なお、乱数
発生器104としては、この他にもGold系列の発生
回路や、乱数ではないがWalsh系列のテーブルをR
AMで持つなどが考えられる。
【0039】シフトレジスタ104aは、第1の同期手
段6から入力される同期信号Aの立ち下がりに同期して
レジスト値を右方向へシフトさせる。また、シフトレジ
スタ104aの出力は加算器104b、104cによっ
て所定のレジスタ値と加算(桁上げなし)されて、シフ
トレジスタ104aに再入力される。従って、シフトレ
ジスタ104aは同期信号Aの立ち下がりに同期して、
ランダムに1または0となる乱数パルスA’を送出す
る。ここで、乱数発生器104の出力としては、同期信
号Aと乱数パルスA’との論理積が出力される。従っ
て、乱数発生器104から変調器102に対して送出さ
れる乱数信号Bは、乱数パルスA’に基づいてパルスの
出力有無が決定されたランダムなパルス信号となる。
【0040】なお、第1の送波手段1の内部に設けられ
た乱数発生器104と、第1の受波手段4の内部に設け
られた乱数発生器404とは回路構成が等しいため、両
乱数発生器のシフトレジスタに与える初期値が等しけれ
ば、同じ乱数系列の乱数信号B、bを発生することがで
きる。従って、第1の送波手段1及び第1の受波手段4
に設けられた両乱数発生器104、404に、他の送波
手段及び受波手段とは異なる同一初期値を与えること
で、その機器に固有の乱数系列を生成することが可能で
ある。
【0041】一方、変調器102は発振器101から入
力された所定周期の音波と、乱数発生器104から入力
された乱数信号Bとを掛け合わせることで被変調信号C
を生成し、該被変調信号Cを第1検知音波として第1の
スピーカ2から出力する。第1のスピーカ2から出力さ
れた第1検知音波は、空間を伝播して第1のマイク3で
受波された後にマイクアンプ401によって増幅され
る。復調器402はマイクアンプ401の出力信号Dか
ら変調信号Eを取り出し、該変調信号Eを相関計算器4
03に送出する。
【0042】変調信号Eが入力される相関計算器403
の一入力端は、抵抗R4を介してスイッチsw1の共通
端子sに接続されている。スイッチsw1の一選択端子
s0はコンデンサC4を介してグランドに接続される一
方で、スイッチsw2の一選択端子t0にも接続されて
おり、抵抗R5を介して演算増幅器OP2の反転入力端
子(−)にも接続されている。なお、スイッチsw2の
共通端子tは抵抗R7を介してグランドに接続されてい
る。
【0043】一方、スイッチsw1の他選択端子s1は
コンデンサC5を介してグランドに接続される一方で、
スイッチsw2の他選択端子t1にも接続されており、
抵抗R6を介して演算増幅器OP2の非反転入力端子
(+)にも接続されている。なお、演算増幅器OP2の
非反転入力端子(+)は抵抗R8を介してグランドに接
続されており、演算増幅器OP2の出力端子は第1の検
出手段5に接続される一方で、抵抗R9を介して自身の
反転入力端子(−)にも接続されている。
【0044】なお、乱数発生器404から送出された乱
数信号bは、相関計算器403を構成するスイッチsw
1、sw2にそれぞれ入力されている。乱数信号bが0
(Lレベル)であるとき、スイッチsw1、sw2の各
共通端子s、tはそれぞれ一選択端子s0、t0に接続
される。また、乱数信号bが1(Hレベル)であると
き、スイッチsw1、sw2の各共通端子s、tはそれ
ぞれ他選択端子s1、t1に接続される。
【0045】すなわち、本実施形態の相関計算器403
は2系列の平滑化回路部を有しており、乱数発生器40
4からの乱数信号bが0か1かによって、復調器402
からの変調信号Eを振り分け、それぞれの平滑化回路部
によって平均出力(積分値)を求める構成である。そし
て、乱数信号bが1であるときの平均出力(F)と、乱
数信号bが0であるときの平均出力(G)との差を計算
して両信号の相関を計算し、その結果を第1の検出手段
5に出力する。つまり、(−1、1)の2値の信号との
乗算をする代わりに、(+)、(−)に振り分けること
により相関を求めている。
【0046】ここで、境界面20が正常状態である場
合、第1のスピーカから出力された第1検知音波は境界
面20によって遮断され、第1のマイク3にはほとんど
伝播しない。従って、変調信号Eの振幅は減衰し、平均
出力(F)の値と平均出力(G)の値との差は小さくな
るため、第1の検出手段5は第1の警報を出力しない。
一方、境界面20が破壊或いは穿孔された場合、その破
壊箇所を通して第1のスピーカから出力された第1検知
音波が第1のマイク3に伝播する。従って、変調信号D
の振幅は増大し、平均出力(F)の値と平均出力(G)
の値との差は大きくなる。そこで、第1の検出手段5で
は平均出力(F)の値と平均出力(G)の値との差が所
定の閾値を上回った場合に、境界面20が破壊或いは穿
孔されたと判断して、第1の警報を出力する。
【0047】このような構成とすることにより、第1検
知信号の変調信号が装置に固有のものとなるため、同様
の防犯装置が近隣に複数存在する場合であっても混信に
よる誤報を招くおそれが低減される。もちろん、第1実
施形態の防犯装置と同様に、第1検知音波と同じ周波数
帯域の環境騒音等による影響(S/N比の悪化等)を低
減し、異常検知の精度を向上することもできる。また、
第1の送波手段1と第1の受波手段4とにそれぞれ乱数
発生器104、404を設けるとともに、これらの同期
をとる第1の同期手段6を設けることにより、第1の送
波手段1と第1の受波手段4とが離れて設置されている
場合でも、第1検知音波の変調に用いる乱数信号が電気
的に盗聴されにくいため、詐称などの妨害を防ぐことが
できる。
【0048】なお、上記した第1、第2実施形態では、
第1検知音波の変調方式として、振幅変調方式(AS
K)を用いた例を挙げて説明を行ったが、周波数変調方
式(FSK)やパルス幅変調方式等、他の変調方式を用
いることも可能である。また、装置毎に乱数発生器や内
部の乱数テーブルを変更するのではなく、乱数発生器を
構成する回路(シフトレジスタ等)の初期値を同じ値に
セットすることで実現するのがコストの面で望ましい。
また、第1の送波手段と第1の受波手段にそれぞれ同じ
乱数発生回路を設けるのではなく、第1の送波手段で生
成した乱数信号を第2の送波手段に送信して用いたり、
同期手段内に乱数発生器を設けることで、コストを下げ
ることができる場合もある。
【0049】次に、本発明に係る防犯装置の第3実施形
態について説明する。図9は本発明に係る防犯装置の第
3実施形態を示す概略構成図である。本図に示すよう
に、本実施形態における防犯装置は、前述の第2実施形
態に加えて、第2のマイク9、第2の受波手段10、及
び第2の検出手段11を追加した構成である。よって、
第2実施形態と同様の構成及び機能を有する部分につい
ては同一の符号を付すことで説明を省略し、以下では本
実施形態における新規な構成部分について重点をおいた
説明を行う。
【0050】第2のマイク9は境界面20に対して第1
のスピーカ2と同じ側の空間に設置されており、第1の
スピーカ2から出力された第1検知音波は第2のマイク
9を通して第2の受波手段10に送られる。第2の受波
手段10は第1の受波手段4と同様の処理により変調信
号の復調を行い、第2の検出手段11は該変調信号の振
幅と所定の閾値との比較を行う。なお、第1の同期手段
6を設ける場合、第1の送波手段1と同期した同期信号
を第1の受波手段4と第2の受波手段10に入力する必
要がある。
【0051】ここで、第2の検出手段11は、第1の検
出手段5とは逆の条件が満たされた場合、すなわち、第
1検知音波が第2のマイク9に伝播されなくなり、第2
の検出手段11に対して入力される変調信号の振幅が所
定の閾値を下回った場合に、第2の警報を出力する構成
である。
【0052】このような構成とすることにより、第1の
送波手段1、第1のスピーカ2、第2のマイク9、第2
の受波手段10、もしくは第2の検出手段11のいずれ
かが異常であることを検知して第2の警報を発すること
ができる。例えば、何者かが第1の送波手段1や第1の
スピーカ2に妨害工作を施すことで、第1のマイク3に
伝播されるべき第1検知信号を遮断し、その間に境界面
20の破壊や穿孔を企てた場合であっても、第2のマイ
ク9に第1検知音波が伝播されなくなった時点で第2の
警報を発することができるため、より信頼性の高い防犯
装置を実現することができる。
【0053】次に、本発明に係る防犯装置の第4実施形
態について説明する。図10は本発明に係る防犯装置の
第4実施形態を示す概略構成図である。本図に示すよう
に、本実施形態における防犯装置は、前述の第2実施形
態に加えて、第2の送波手段7、第2のスピーカ8、第
3の受波手段13、第3の検出手段14、及び第2の同
期手段12を追加した構成である。よって、第2実施形
態と同様の構成及び機能を有する部分については同一の
符号を付すことで説明を省略し、以下では本実施形態に
おける新規な構成部分について重点をおいた説明を行
う。
【0054】第2のスピーカ8は境界面20に対して第
1のマイク3と同じ側の空間に設置されており、第2の
スピーカ8から出力された第2検知音波は、第1のマイ
ク3を通して第3の受波手段13に送られる。なお、第
2検知音波は第1検知音波とその搬送波の周波数、或い
はその変調信号等が異なる検知音波である。第3の受波
手段13は第1の受波手段4と同様の処理により変調信
号の復調を行い、第3の検出手段14は該変調信号の振
幅と所定の閾値との比較を行う。
【0055】なお、第2の送波手段と第3の受波手段1
3における送受信動作は、第2の同期手段12から出力
される同期信号に基づいて同期がとられている。本実施
形態では、第1の同期手段6と第2の同期手段12を異
なる構成としたが、第1の送波手段1と第2の送波手段
7との間で搬送波の周波数や変調信号が異なっていれ
ば、第1の同期手段6と第2の同期手段12は、それ自
体同じでも構わない。
【0056】ここで、第3の検出手段14は、第1の検
出手段5とは逆の条件が満たされた場合、すなわち、第
2検知音波が第1のマイク3に伝播されなくなり、第3
の検出手段14に対して入力される変調信号の振幅が所
定の閾値を下回った場合に、第3の警報を出力する構成
である。
【0057】このような構成とすることにより、第1の
マイク3、第2の送波手段7、第2のスピーカ8、第3
の受波手段13、もしくは第3の検出手段14のいずれ
かが異常であることを検知して第3の警報を発すること
ができる。例えば、何者かが第1のマイク3に妨害工作
を施すことで、第1のマイク3に伝播されるべき第1検
知信号を遮断し、その間に境界面20の破壊や穿孔を企
てた場合であっても、第1のマイク3に第2検知音波が
伝播されなくなった時点で第3の警報を発することがで
きるため、より信頼性の高い防犯装置を実現することが
できる。
【0058】次に、本発明に係る防犯装置の第5実施形
態について説明する。図11は本発明に係る防犯装置の
第5実施形態を示す概略構成図である。本図に示すよう
に、本実施形態における防犯装置は、前述の第2実施形
態に加えて、第2の送波手段7、第2のスピーカ8、第
2のマイク9、第2の受波手段10、第2の検出手段1
1、第2の同期手段12、第3の受波手段13、第3の
検出手段14、第4の受波手段15、及び第4の検出手
段16を追加した構成である。よって、第2実施形態と
同様の構成及び機能を有する部分については同一の符号
を付すことで説明を省略し、以下では本実施形態におけ
る新規な構成部分について重点をおいた説明を行う。
【0059】第2のスピーカ8は境界面20に対して第
1のマイク3と同じ側の空間に設置されており、第2の
マイク9は境界面20に対して第1のスピーカ2と同じ
側の空間に設置されている。第2のスピーカ8から出力
された第2検知音波は、第1のマイク3を通して第3の
受波手段13に送られる一方で、第2のマイク9を通し
て第4の受波手段15にも送られる。第1のスピーカ2
から出力された第1検知音波は第1のマイク3を通して
第1の受波手段4に送られる一方で、第2のマイク9を
通して第2の受波手段10にも送られる。
【0060】第2、第3、第4の受波手段10、13、
15はいずれも、第1の受波手段4と同様の処理により
変調信号の復調を行い、第2、第3、第4の検出手段1
1、14、16はいずれも、該変調信号の振幅と所定の
閾値との比較を行う。なお、第1の送波手段と第1、第
2の受波手段4、10における送受信動作は、第1の同
期手段6から出力される同期信号に基づいて同期がとら
れている。また、第2の送波手段と第3、第4の受波手
段13、15における送受信動作は、第2の同期手段1
2から出力される同期信号に基づいて同期がとられてい
る。本実施形態では、第1の同期手段6と第2の同期手
段12を異なる構成としたが、第1の送波手段1と第2
の送波手段7との間で搬送波の周波数や変調信号が異な
っていれば、第1の同期手段6と第2の同期手段12
は、それ自体同じでも構わない。
【0061】ここで、第2の検出手段11は、第1の検
出手段5とは逆の条件が満たされた場合、すなわち、第
1検知音波が第2のマイク9に伝播されなくなり、第2
の検出手段11に対して入力される変調信号の振幅が所
定の閾値を下回った場合に、第2の警報を出力する構成
である。また、第3の検出手段14は、第1の検出手段
5とは逆の条件が満たされた場合、すなわち、第2検知
音波が第1のマイク3に伝播されなくなり、第3の検出
手段14に対して入力される変調信号の振幅が所定の閾
値を下回った場合に、第3の警報を出力する構成であ
る。さらに、第4の検出手段16は、第1の検出手段5
とは同様の条件が満たされた場合、すなわち、第2検知
音波が第2のマイク9に伝播され、第4の検出手段16
に対して入力される変調信号の振幅が所定の閾値を上回
った場合に、第4の警報を出力する構成である。
【0062】このような構成とすることにより、境界面
20の異常検出を上記したいずれの実施形態よりも確実
にするとともに、侵入者や窃盗者による妨害を一層困難
なものとし、より信頼性の高い防犯装置を実現すること
ができる。
【0063】次に、本発明に係る防犯装置の第6実施形
態について説明する。図12は本発明に係る防犯装置の
第6実施形態を示す概略構成図である。本図では境界面
20を上から見たところを示している。境界面20を保
持する左の壁面21の外側に第1のスピーカ2、内側に
第2のスピーカ8、右の壁面22の外側に第2のマイク
9、内側に第1のマイク3を設置する。第1のスピーカ
2と第2のマイク9、第2のスピーカ8と第1のマイク
3がそれぞれ対向するように設置するが、スピーカやマ
イクの指向性が鋭い場合には、境界面20に開いた小さ
な穴を通してより検知音波が通過しやすいように、境界
面20と平行よりも少し境界面20に向けてスピーカ及
びマイクを設置するのが望ましい。
【0064】このような設置を行うことにより、第1の
スピーカ2から第2のマイク9、或いは第2のスピーカ
8から第1のマイク3へは直接音或いは境界面20での
1回反射音が到達することになる。従って、境界面20
が正常状態である場合、第2の受波手段10及び第3の
受波手段13で検出される伝播強度は大きいものとな
る。一方、境界面20に対して人間などが接近した場
合、上記した伝播強度は小さくなるため、第2の検出手
段11及び第3の検出手段14における閾値を通常より
も少し低く設定しておけば、境界面20の外部または内
部に対する人間の接近を検出して、第2の警報出力或い
は第3の警報出力を報知することができる。これによ
り、境界面20が破壊或いは穿孔されることを未然に防
止することが可能となる。
【0065】また、何者かがこれらのスピーカ2、8、
及びマイク3、9を遮蔽することによって妨害を加えた
場合には、第2、第3の受波手段10、13のいずれか
における伝播強度が極端に小さくなるため、上記と同様
に異常を検知することが可能である。なお、境界面20
の破壊或いは穿孔と、境界面20に対する何者かの接近
を両方検知したい場合には、第2の検出手段11及び第
3の検出手段14における閾値を複数設けることで、警
報レベルを複数設けることも有効である。
【0066】さらに、何者かが境界面20に対して破
壊、穿孔等を行った場合、第1のスピーカ2から第1の
マイク3、及び第2のスピーカ8から第2のマイク9の
両方の伝播強度が大きくなるため、その破壊或いは穿孔
を検知することができる。仮に何者かによって外部に設
けられた第1のスピーカ2或いは第2のマイク9のどち
らかが遮蔽された場合であっても、他方の経路を通じて
境界面20が破壊されたことを検知することができる。
【0067】なお、第1のスピーカ2と第2のマイク9
の両方が遮蔽された場合には、境界面20が破壊された
ことを検知することができなくなるが、この場合には第
2の警報によって第1のスピーカ2か第2のマイク9の
いずれかが遮蔽されていることが既に警報されているた
め、その警報が発生した時点で、監視カメラ(図示せ
ず)等による近辺の監視や、該監視カメラの画像記録等
を行うこともできる。
【0068】
【発明の効果】上記に説明した通り、本発明に係る防犯
装置においては、境界面を挟んだ一方側の空間に設けら
れて第1検知音波を出力する第1のスピーカと、前記境
界面を挟んだ他方側の空間に設けられた第1のマイクロ
ホンと、第1のマイクロホンによって受波された第1検
知音波の強度が所定レベルを上回った場合に第1の警報
を発する第1の検出手段と、を有する構成としている。
【0069】このような構成とすることにより、検知音
波の届く広範囲で境界面の破壊及び穿孔を検知可能な防
犯装置を実現することができる。従って、境界面が大き
くなってもスピーカやマイクをそれほど追加する必要が
ないので、防犯装置の設置コストを低く抑えることがで
きる。また、境界面に多数のセンサを直接設置する必要
がないので美観を損なうことがない。さらに、本発明に
係る防犯装置は境界面の破壊音を受動的に検知する方式
ではないので、境界面の材質や破壊手段等に依ることな
く、常に高精度な異常検知を行うことができる。また、
境界面によって囲まれた密閉空間内にできる定在波の変
化や音波の反射強度を検出する方式でもないので、店舗
やビル、倉庫などの比較的大きな空間に適用した場合で
あっても高精度に異常検知を行うことができる。
【0070】また、上記構成から成る防犯装置では、第
1のスピーカに接続されて、搬送波となる音波を所定の
変調信号によって変調することで第1検知音波を生成す
る第1の送波手段と、第1のマイクロホンに接続され
て、第1検知音波から前記変調信号を復調する第1の受
波手段と、を有する構成にするとよい。
【0071】このような構成とすることにより、第1検
知音波と同じ周波数帯域の環境騒音等による影響を低減
し、異常検知の精度を向上することができる。
【0072】なお、上記構成から成る防犯装置では、前
記変調信号として用いる乱数信号を生成する乱数発生器
と、第1の送波手段及び第1の受波手段における送受信
動作を同期させる同期手段と、を有する構成にするとよ
い。
【0073】このような構成とすることにより、第1検
知信号の変調信号が装置に固有のものとなるため、同様
の防犯装置が近隣に複数存在する場合であっても混信に
よる誤報を招くおそれが低減される。また、第1検知音
波と同じ周波数帯域の環境騒音等による影響を低減し、
異常検知の精度を向上することもできる。なお、第1の
送波手段と第1の受波手段とにそれぞれ乱数発生器を設
けるとともに、これらの同期をとる同期手段を設けるこ
とにより、第1の送波手段と第1の受波手段4が離れて
設置されている場合でも、第1検知音波の変調に用いる
乱数信号が電気的に盗聴されにくいため、詐称などの妨
害を防ぐことができる。
【0074】さらに、上記構成から成る防犯装置では、
第1のスピーカと同じ側の空間に設けられた第2のマイ
クロホンと、第2のマイクロホンによって受波された第
1検知音波の強度が所定レベルを下回った場合に第2の
警報を発する第2の検出手段と、を有する構成にすると
よい。
【0075】このような構成とすることにより、第1の
送波手段、第1のスピーカ、第2のマイク、第2の受波
手段、もしくは第2の検出手段のいずれかが異常である
ことを検知して第2の警報を発することができる。例え
ば、何者かが第1の送波手段や第1のスピーカに妨害工
作を施すことで、第1のマイクに伝播されるべき第1検
知信号を遮断し、その間に境界面の破壊や穿孔を企てた
場合であっても、第2のマイクに第1検知音波が伝播さ
れなくなった時点で第2の警報を発することができるた
め、より信頼性の高い防犯装置を実現することができ
る。
【0076】または、第1のマイクロホンと同じ側の空
間に設けられて第1検知音波とは異なる第2検知音波を
出力する第2のスピーカと、第1のマイクロホンによっ
て受波された第2検知音波の強度が所定レベルを下回っ
た場合に第3の警報を発する第3の検出手段と、を有す
る構成にしてもよい。
【0077】このような構成とすることにより、第1の
マイク、第2の送波手段、第2のスピーカ、第3の受波
手段、もしくは第3の検出手段のいずれかが異常である
ことを検知して第3の警報を発することができる。例え
ば、何者かが第1のマイクに妨害工作を施すことで、第
1のマイクに伝播されるべき第1検知信号を遮断し、そ
の間に境界面の破壊や穿孔を企てた場合であっても、第
1のマイクに第2検知音波が伝播されなくなった時点で
第3の警報を発することができるため、より信頼性の高
い防犯装置を実現することができる。
【0078】或いは、第1のスピーカと同じ側の空間に
設けられた第2のマイクロホンと、第1のマイクロホン
と同じ側の空間に設けられて第1検知音波とは異なる第
2検知音波を出力する第2のスピーカと、第2のマイク
ロホンによって受波された第1検知音波の強度が所定レ
ベルを下回った場合に第2の警報を発する第2の検出手
段と、第1のマイクロホンによって受波された第2検知
音波の強度が所定レベルを下回った場合に第3の警報を
発する第3の検出手段と、第2のマイクロホンによって
受波された第2検知音波の強度が所定レベルを上回った
場合に第4の警報を発する第4の検出手段と、を有する
構成にしてもよい。
【0079】このような構成とすることにより、境界面
の異常検出を上記したいずれの構成から成る防犯装置よ
りも確実にするとともに、侵入者や窃盗者による妨害を
一層困難なものとし、より信頼性の高い防犯装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る防犯装置の第1実施形態を示す
概略構成図である。
【図2】 変調器102の一例を示す概略構成図であ
る。
【図3】 復調器402の一例を示す回路図である。
【図4】 図1〜図3の各部における信号波形を示すタ
イムチャートである。
【図5】 本発明に係る防犯装置の第2実施形態を示す
概略構成図である。
【図6】 乱数発生器104の一例を示す概略構成図で
ある。
【図7】 相関計算器403の一例を示す回路図であ
る。
【図8】 図5〜図7の各部における信号波形を示すタ
イムチャートである。
【図9】 本発明に係る防犯装置の第3実施形態を示す
概略構成図である。
【図10】 本発明に係る防犯装置の第4実施形態を示
す概略構成図である。
【図11】 本発明に係る防犯装置の第5実施形態を示
す概略構成図である。
【図12】 本発明に係る防犯装置の第6実施形態を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
1 第1の送波手段 2 第1のスピーカ 3 第1のマイクロホン(マイク) 4 第1の受波手段 5 第1の検出手段 6 第1の同期手段 7 第2の送波手段 8 第2のスピーカ 9 第2のマイクロホン(マイク) 10 第2の受波手段 11 第2の検出手段 12 第2の同期手段 13 第3の受波手段 14 第3の検出手段 15 第4の受波手段 16 第4の検出手段 101 発振器 102 変調器 102a パルス発生器 102b 乗算器 103 増幅器 104 乱数発生器 104a シフトレジスタ 104b 加算器 104c 加算器 104d AND回路 401 マイクアンプ 402 復調器 403 相関計算器 404 乱数発生器 405 遅延器 501 コンパレータ 502 閾値設定回路
フロントページの続き Fターム(参考) 5C084 AA03 AA15 BB40 CC08 CC10 DD02 DD79 GG74 HH13 5J083 AA02 AB16 AC28 AD30 AE06 AF01 BA02 BA06 BE08 BE19 CA03 EB11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】境界面を挟んだ一方側の空間に設けられて
    第1検知音波を出力する第1のスピーカと、前記境界面
    を挟んだ他方側の空間に設けられた第1のマイクロホン
    と、第1のマイクロホンによって受波された第1検知音
    波の強度が所定レベルを上回った場合に第1の警報を発
    する第1の検出手段と、を有することを特徴とする防犯
    装置。
  2. 【請求項2】第1のスピーカに接続されて、搬送波とな
    る音波を所定の変調信号によって変調することで第1検
    知音波を生成する第1の送波手段と、第1のマイクロホ
    ンに接続されて、第1検知音波から前記変調信号を復調
    する第1の受波手段と、を有することを特徴とする請求
    項1に記載の防犯装置。
  3. 【請求項3】前記変調信号として用いる乱数信号を生成
    する乱数発生器と、第1の送波手段及び第1の受波手段
    における送受信動作を同期させる同期手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の防犯装置。
  4. 【請求項4】第1のスピーカと同じ側の空間に設けられ
    た第2のマイクロホンと、第2のマイクロホンによって
    受波された第1検知音波の強度が所定レベルを下回った
    場合に第2の警報を発する第2の検出手段と、を有する
    事を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    防犯装置。
  5. 【請求項5】第1のマイクロホンと同じ側の空間に設け
    られて第1検知音波とは異なる第2検知音波を出力する
    第2のスピーカと、第1のマイクロホンによって受波さ
    れた第2検知音波の強度が所定レベルを下回った場合に
    第3の警報を発する第3の検出手段と、を有する事を特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の防犯装
    置。
  6. 【請求項6】第1のスピーカと同じ側の空間に設けられ
    た第2のマイクロホンと、第1のマイクロホンと同じ側
    の空間に設けられて第1検知音波とは異なる第2検知音
    波を出力する第2のスピーカと、第2のマイクロホンに
    よって受波された第1検知音波の強度が所定レベルを下
    回った場合に第2の警報を発する第2の検出手段と、第
    1のマイクロホンによって受波された第2検知音波の強
    度が所定レベルを下回った場合に第3の警報を発する第
    3の検出手段と、第2のマイクロホンによって受波され
    た第2検知音波の強度が所定レベルを上回った場合に第
    4の警報を発する第4の検出手段と、を有する事を特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の防犯装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100958430B1 (ko) * 2004-10-26 2010-05-18 주식회사 에스원 진동 센서 및 그의 침입 감지 방법
JP2012112713A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Yamaha Corp 検査装置
JP2018036964A (ja) * 2016-09-01 2018-03-08 セコム株式会社 行動記録システム、端末装置及び行動記録方法
JP2018194297A (ja) * 2017-05-12 2018-12-06 国立大学法人電気通信大学 測距装置及び侵入検出装置

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