JP2012112713A - 検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の実施形態における検査装置は、検査容器の内部に設置された缶体を検査して、缶体に存在する孔の有無を検出する。このとき、検査装置は、缶体の内部空間に設置されたスピーカ40から特定周波数の音波を出力させ、マイクロフォン30により検出させる。検査装置における孔検出部10において、スピーカ40から出力させた音波を示す電気信号と、マイクロフォン30により検出された音波から変換された電気信号と同期検波させる。これにより、検査装置は、缶体を透過した音波の影響をほとんど受けずに、孔を通過した音波の振幅成分を得ることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、検査対象物に存在する孔の検出精度を向上させることを目的とする。
図1は、本発明の実施形態における検査装置1の構成を説明する図である。検査装置1は、検査対象物の一例である缶体50(図2参照)を検査して、缶体50に存在する孔を検出する装置である。検査装置1は、検査対象物である缶体50を収容する概ね直方体の形状をしている検査容器20と、検査容器20に収容された缶体50に存在する孔を検出するための構成を有する孔検出部10を具備する。
[検査容器20の構成]
スピーカ40は、入力された電気信号を音波に変換して出力する。この例においては、スピーカ40は、上記の特定周波数の音波を周囲に向けて出力することができる構成になっている。なお、特定周波数とは、上記のように可聴帯域以外の周波数に限らず、可聴帯域の周波数であってもよい。
後述するようにして、スピーカ40に電気信号が入力されると、スピーカ40から出力される音波は周囲に広がり、缶体50に到達すると缶体50を振動させることにより、その一部が透過してマイクロフォン30に検出される。また、図3に示すように、缶体50に孔51が存在する場合には、スピーカ40から出力された音波は、孔51を通過してマイクロフォン30に検出される。缶体50の孔51を通過した音波(例えば、図3におけるw1)、および、缶体50を透過した音波(例えば、図3におけるw2)は、これらの音波が到達する部分の近傍におけるマイクロフォン30によって検出される。
図4は、本発明の実施形態における孔検出部10の構成を説明するブロック図である。孔検出部10は、缶体50の検査が開始されると動作する構成である。孔検出部10は、信号生成部101および報知部102を有し、さらに、各マイクロフォン30(マイクロフォン30−1、30−2、…を総称してマイクロフォン30という)に対応した検出部100(検出部100−1、100−2、…を総称して検出部100という)を有する。このように、孔検出部10は、マイクロフォン30の数の検出部100を有している。
なお、その他のマイクロフォン30、例えばマイクロフォン30−2に対応する検出部100−2における移相部110−2には、スピーカ40とマイクロフォン30−2との位置関係に応じて決められた量が、移相処理により移相される量として設定される。
LPF130−1は、乗算部120−1から出力された乗算信号のうち、直流成分を抽出して出力するローパスフィルタである。
判定部140−1は、LPF130−1から出力された乗算信号の直流成分の信号レベルが予め決められた検出レベルを越えた場合に、缶体50のうちマイクロフォン30−1の近傍において孔が存在すると判定する。そして、判定部140−1は、判定結果を示す判定情報を出力する。
以上が、検出部100−1の構成についての説明である。
以上が、孔検出部10の構成についての説明である。
次に、孔検出部10における孔の検出原理について説明する。まず、スピーカ40から出力される音波について、移相部110において移相処理された音波を示す電気信号をsin(ωt)とする。マイクロフォン30において検出される音波のうち、孔51を通過した音波w1が示す電気信号をAsin(ωt)、缶体50を透過した音波w2が示す電気信号をBsin(ωt+θ)とする。すなわち、マイクロフォン30において検出される音波はAsin(ωt)+Bsin(ωt+θ)と表される。
(pi+pr)−pt=Zw・vw = jωm・vw
vw = vi−vr = vt
vi = pi/ρc、vr = pr/ρc、vt =pt/ρc
したがって、
pi=pt・(1+jωm/2ρc)
となる。
sin(ωt)×{Asin(ωt)+Bsin(ωt+θ)}
= Asin2(ωt)+Bsin(ωt)sin(ωt+θ)
= (A/2){1+cos(2ωt)}+(B/2){cos(θ)+cos(2ωt+θ)}
= (A/2)+(B/2)cos(θ)+(A/2)cos(2ωt)+(B/2)cos(2ωt+θ)
となる。
SL=(A/2)+(B/2)cos(θ)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態において、缶体50を透過する音波がマイクロフォン30に到達するときに、缶体50とマイクロフォン30との最短距離で到達する音波以外の斜め方向からの音波についてもマイクロフォン30において検出される場合には、以下に示すような仕切部材を各マイクロフォン30に対応した位置に設けてもよい。このように構成することにより、缶体50の振動により透過した音波が斜め方向からマイクロフォン30に到達しないようにすることができる。
ΔL = (D+G)(1/(sin(α)−1))
tan(α)=D/(W/2)
上述した実施形態において、検査対象物は、缶体50であったが、容器となる形状ではなく板状の部材であってもよい。この場合には、図6に示すように、検査容器20Bの蓋部21Bを構成すればよい。
この状態において、孔検出部10は、スピーカ40から音波を出力させて、マイクロフォン30により検査対象物50Bを透過した音波、および孔51Bを通過した音波を検出することにより、検査対象物50Bにおける孔51Bの存在の有無を判定することができる。
上述した実施形態においては、缶体50の下面側(設置台22側)にはマイクロフォン30が設けられていなかったが、マイクロフォン30が設けられた構成としてもよい。この場合の構成について、図7を用いて説明する。
上述した実施形態において、音波を検出するマイクロフォン30は、複数設けられていたが、単数であってもよい。孔検出部10は、単数のマイクロフォン30であっても、そのマイクロフォン30の近傍における検査対象物に存在する孔の有無を検出することができる。
上述した実施形態においては、缶体50を透過する音波w2は、缶体50の透過により、変化する位相θは、概ね90°であったが、必ずしも90°にならなくてもよい。すなわち、90°であるのは理想的な場合であって、缶体50の材質、スピーカ40から出力される音波における特定周波数の設定内容などの影響により、変化する位相θが60°であったとしても、信号レベルSLのうち、音波w2の振幅に応じたレベルをcos(60°)=1/2に低減することができるから、孔検出部10の構成を用いない場合に比べて、孔の検出精度は向上する。
上述した実施形態においては、スピーカ40から出力される音波の特定周波数は、一つの周波数として決められていたが、複数の周波数を特定周波数としてもよい。この場合には、孔検出部10は、信号生成部101において生成する電気信号の周波数を、時系列に分割して切り替えて、それぞれの周波数の音波を用いて、孔の検出を行うようにしてもよい。
上述した実施形態においては、孔検出部10は、ハードウエアの構成として説明したが、コンピュータが特定のプログラムを実行することによって実現してもよい。この場合には、スピーカ40およびマイクロフォン30と接続するインターフェイスを有するコンピュータに、この特定のプログラムをインストールしておく。そして、コンピュータのCPUなどを有する制御部は、特定のプログラムを実行して、孔検出部10の各構成をソフトウエアの構成として実現する。そして、コンピュータの制御部は、インターフェイスを解してスピーカ40に電気信号を出力し、マイクロフォン30から電気信号を取得して、ソフトウエアの構成として実現されている孔検出部10の乗算部120に出力するようにすればよい。
Claims (5)
- 検査対象物を検査して、貫通する孔の有無を判定する検査装置であって、
特定周波数の第1の電気信号を生成する生成手段と、
前記生成された第1の電気信号を音波に変換して出力するスピーカと、
前記検査対象物を透過した前記音波を検出する位置に配置され、当該検出した音波を第2の電気信号に変換して出力するマイクロフォンと、
前記第1の電気信号に対して、前記マイクロフォンと前記スピーカとの位置関係に応じて決められた量の移相処理を施して出力する移相部と、
前記移相部から出力された第1の電気信号と、前記マイクロフォンから出力された第2の電気信号とを乗算した乗算信号を出力する乗算部と、
前記乗算信号の直流成分の信号レベルが予め決められた検出レベルを越えた場合に、前記検査対象物に前記孔が存在すると判定する判定部と
を具備することを特徴とする検査装置。 - 前記マイクロフォンは、複数設けられ、
前記移相部は、前記複数のマイクロフォンの各々に対応した量の移相処理を施した第1の電気信号を、各マイクロフォンに対応して出力し、
前記乗算部は、前記移相部から出力された第1の電気信号と、当該第1の電気信号に対応するマイクロフォンから出力された第2の電気信号とを乗算した前記乗算信号を、当該マイクロフォンに対応して出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。 - 内面が吸音材により構成された部材により、前記複数のマイクロフォンの各々が互いに異なる筒状の空間内に位置するように仕切る仕切部材をさらに具備し、
前記筒状の空間は、前記マイクロフォンから前記検査対象物に向けて延びている
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。 - 前記検査対象物が内部の空間に配置され、内面に吸音材を有する検査容器をさらに具備し、
前記検査対象物が前記内部の空間に配置された状態において、前記内部の空間は、前記検査対象物によって前記スピーカが位置する第1の空間と前記マイクロフォンが位置する第2の空間とに分離される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の検査装置。 - 前記検査対象物は缶体であり、
前記缶体の内部空間が前記第1の空間となり、前記缶体の外面と前記検査容器の内面とに挟まれる空間が前記第2空間となる
ことを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
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JP2018040725A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 地上構造物の損傷検査装置及び方法 |
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JPH0228552A (ja) * | 1988-07-19 | 1990-01-30 | Haabesuto:Kk | フィルム材料のピンホール検出装置 |
JPH08110329A (ja) * | 1994-10-07 | 1996-04-30 | Rion Co Ltd | ピンホール検査装置及びピンホール検査方法 |
JP2002269648A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-20 | Sharp Corp | 防犯装置 |
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2010
- 2010-11-22 JP JP2010260247A patent/JP5707895B2/ja active Active
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