JP2018194297A - 測距装置及び侵入検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、非特許文献1には、反射光なりすまし攻撃を用いてレーザ光測距装置を騙す技術が開示されている。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る、測距装置101の全体構成を示すブロック図である。
LED102は、電流制限抵抗R103を通じて第一直流電源104から流れ込む電流によって発光する。
一方、低周波パルス生成部105は第二直流電源106によって駆動され、測距装置101の主目的となる、およそ数Hz〜数10Hz程度の低周波パルスを生成する。低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスの波形は図3にて後述する。この低周波パルス生成部105が生成する信号は、主たる情報を搬送するメインチャネルの信号になる。
LED102の発光は、Nチャネル型MOSFET(以下「MOSFET」)107のゲートに印加される、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスによってオン・オフ制御される。
LED102を流れる電流は乱数生成演算部106に流れ込む。
つまり、FPGAやマイコン等で構成されるデジタル回路である乱数生成演算部108は、論理ゲートの集合体である。このため、乱数生成演算部108が所定の乱数を生成する演算処理を実行すると、演算処理の過程において、乱数生成演算部108に流れる負荷電流に、演算処理によって生成する乱数に起因する変動が生じる。
MOSFET107は、媒体であるLED102が発光する光に、主たる情報を搬送するために低周波パルス生成部105によって生成された、メインチャネルの信号(低周波パルス)を重畳する変調部としての役割を持っている。
メインチャネルの信号を生成する低周波パルス生成部105とサイドチャネルの信号を生成する乱数生成演算部108は、併せて送信信号源を構成する。
送信信号源から得られる送信信号は、送信側サイドチャネル処理部201に入力される。
バンドパスフィルタ(以下「BPF」)202aは送信信号からサイドチャネル信号を含む周波数成分のみを選択的に出力する。
A/D変換器203aはサイドチャネルの信号をデジタルデータであるサイドチャネルデータに変換する。
バッファ204aは所定の記憶容量を有するメモリであり、A/D変換器203aから出力されるデジタルデータを格納する。
比較検証処理部206は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を算出する。受信側サイドチャネルデータはノイズ等の影響を受ける。しかし、サイドチャネルデータは正確に復調される必要はなく、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータとがある程度以上、似ていればよい。このため、データ同士の完全な一致を求めるのではなく、統計の観点から一致の度合い、すなわち類似度を算出する。この際に測距情報を、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータの遅延差の補正に利用することができれば、一致の度合いの計算を容易にすることができる。そこで比較検証処理部206は、測距処理部116が出力する測距情報を、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータの遅延差、すなわちサイドチャネルデータのサンプル数に変換する。そして、送信側サイドチャネル処理部201のバッファ204aから送信側サイドチャネルデータを読み出すアドレス情報と、受信側サイドチャネル処理部205のバッファ204aから受信側サイドチャネルデータを読み出すアドレス情報をずらすことで、送信側サイドチャネルデータと受信側サイドチャネルデータの遅延差を補正する。
サイドチャネルのデータは、1次元のデータ列である。同じ要素数を有する1次元の数列同士の類似度を算出するには、例えば残差平方和の算出等が挙げられる。
受信信号は、マクロ的に見ると低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスと同じ波形である。しかし、受信信号が高電位を示している期間(時点T301からT302の間及び時点T303からT304の間)の波形を拡大すると、乱数生成演算部108の乱数生成演算処理によってサイドチャネル信号が重畳されている。図1で説明したように、測距装置101におけるサイドチャネル信号は、受信信号が高電位を示している期間にのみ発生する。このため、送信信号と受信信号との間の時間軸上の確からしさを確認することができる。
更に、このサイドチャネル信号は、その電圧振幅が小さいため、例えばメインチャネル信号を波形整形するためのコンパレータを通過させると、容易に失われてしまう。
すなわち、サイドチャネル信号は、メインチャネル信号を搬送する媒体に、複製困難性と時間軸上の確からしさを与えることで、信号伝送系のセキュリティを向上させる効果がある。
本発明の第一の実施形態に係る測距装置101は、低周波パルス光にサイドチャネル信号が重畳され、これを照合処理部117で確認する。したがって、仮に悪意ある第三者が媒体受信部であるフォトダイオード110に偽の低周波パルス光を照射して、測距処理部116を誤動作させようとしても、照合処理部117の比較検証処理部206が偽の低周波パルス光であることを推定し、測距処理部116が出力する測距情報が怪しい旨の判定結果を、自動運転システム等の上位装置に出力する。自動運転システムは、悪意ある第三者による妨害工作が行われている可能性を認識し、自動運転動作を中止する等の安全確保処理に移行することができる。
本発明は、測距装置にのみ適用されるものではない。メインチャネルが無変調であり、媒体の有無のみを検出する侵入検出装置401にも適用可能である。
図4は、本発明の第二の実施形態に係る、侵入検出装置401の全体構成を示すブロック図である。
図4に示す侵入検出装置401の、図1に示す第一の実施形態に係る測距装置101との違いは、
・MOSFET107がないので、LED102は常時発光し続けること、
・乱数生成演算部402は、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスによってオン・オフ動作すること、
・LED102の光は対象物109で反射せず、直接フォトダイオード110に入射され、侵入者403によって遮られること、
・アンプ115の出力信号が侵入者403の侵入を検出する侵入検出信号として出力されること、
・低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスは照合処理部404に入力されること、
・測距処理部116がないこと
である。
一方、低周波パルス生成部105は第二直流電源106によって駆動され、およそ数Hz〜数10Hz程度の低周波パルスを生成する。低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスの波形は図6にて後述する。この低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスは、乱数生成演算部402をオン・オフ制御する制御信号となる。第一の実施形態に係る侵入検出装置401とは違い、この低周波パルスはメインチャネルではない。
侵入検出装置401におけるメインチャネルは、無変調である。すなわち、侵入者403によってLED102の光が遮られることで、フォトダイオード110の出力信号が途絶える。したがって、侵入者403の存在を検出できる。
乱数生成演算部402は、低周波パルス生成部105が生成する低周波パルスによってオン制御されると、乱数を生成する演算処理を行う。この乱数生成演算部402は、低周波パルスでオン・オフ制御される以外は、特に乱数を生成する演算処理において、前述の乱数生成演算部108と同じ機能を有する。
乱数生成演算部402が所定の乱数を生成する演算処理を実行すると、演算処理の過程において、乱数生成演算部402に流れる負荷電流に、演算処理によって生成する乱数に起因する変動が生じる。
サイドチャネルの信号を生成する乱数生成演算部402は、送信信号源を構成する。
図5に示す照合処理部404の、図2に示す第一の実施形態に係る照合処理部117との違いは、比較検証処理部501に低周波パルスが入力されていることである。これ以外の、送信側サイドチャネル処理部201及び受信側サイドチャネル処理部205と、これらを構成するBPF202a、BPF202b、A/D変換器203a、A/D変換器203b、バッファ204a及びバッファ204bは全て機能的に同一であるので、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
比較検証処理部501は、低周波パルス生成部105から入力される低周波パルスが論理の真を示している期間内に、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を算出する。受信側サイドチャネルデータはノイズ等の影響でビット抜け等のエラーが多々含まれている可能性があるため、データ同士の完全な一致を求めるのではなく、確率の観点から一致の度合い、すなわち類似度を算出する。
サイドチャネルのデータは、1次元のデータ列である。同じ要素数を有する1次元の数列同士の類似度を算出するには、例えば残差平方和の算出等が挙げられる。
比較検証処理部501はこの判定結果を、図示しない侵入者監視システム等の上位装置へ出力する。
受信信号は、マクロ的に見ると無変調の直流信号に見える。しかし、低周波パルスが高電位(論理の真)を示している期間の波形を拡大すると、乱数生成演算部402の乱数生成演算処理によってサイドチャネル信号が重畳されている。図4で説明したように、サイドチャネル信号は、低周波パルスが論理の真を示している期間にのみ発生する。このため、送信信号と受信信号との間の時間軸上の確からしさを確認することができる。また、低周波パルスが論理の偽を示している期間の波形を拡大すると、サイドチャネル信号が重畳されていないことがわかる。
更に、このサイドチャネル信号は、その電圧振幅が小さいため、例えばメインチャネル信号を波形整形するためのコンパレータを通過させると、容易に失われてしまう。
すなわち、サイドチャネル信号は、メインチャネル信号を搬送する媒体に、複製困難性と時間軸上の確からしさを与えることで、信号伝送系のセキュリティを向上させる効果がある。
本発明の第二の実施形態に係る侵入検出装置401は、無変調光にサイドチャネル信号が重畳され、これを低周波パルスと共に照合処理部404で確認する。したがって、仮に悪意ある第三者が媒体受信部であるフォトダイオード110にLED懐中電灯等の光を照射して、侵入者監視システムを誤動作させようとしても、照合処理部404の比較検証処理部501が偽の無変調光であることを推定し、フォトダイオード110から出力される信号が極めて疑わしい旨の判定結果を、侵入者監視システム等の上位装置に出力する。侵入者監視システムは、悪意ある第三者、すなわち侵入者403による妨害工作が行われている可能性を認識し、警報を発する等の処理を実行することができる。
測距装置101は、対象物109との相対距離を測定するためのメインチャネルの信号に、複製や模倣が困難な乱数を生成するハードウェアロジック回路を用いたサイドチャネルの信号を重畳する。メインチャネルの信号の周波数と、サイドチャネルの信号の周波数は、信号の分離を容易にするため、3桁以上の差を設けることが好ましい。
比較検証処理部206は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を検証することで、受信信号の正当性を確認する。
本発明の第一の実施形態では、従来の測距装置に乱数生成演算部108と照合処理部117を追加することで、容易にサイドチャネルに複製や模倣が困難な乱数を重畳することができ、悪意の第三者による測距装置101のクラッキングを防止することが可能になる。
比較検証処理部501は、送信側サイドチャネルデータと、受信側サイドチャネルデータを照合し、類似度を検証することで、受信媒体の正当性を確認する。
本発明の第二の実施形態では、従来の侵入検出装置401に乱数生成演算部402と照合処理部404を追加することで、容易にサイドチャネルに複製や模倣が困難な乱数を重畳することができ、悪意の第三者による侵入検出装置401のクラッキングを防止することが可能になる。
Claims (3)
- 任意の対象物に照射して反射させる媒体を発する媒体発生源と、
前記媒体に、主たる情報を搬送するために生成されたメインチャネルの信号を重畳する変調部と、
前記媒体に、前記メインチャネルの信号とは異なる周波数帯の、副次的な情報を生成するサイドチャネルの信号として乱数を生成し、前記媒体に前記乱数の生成に起因する信号を重畳する乱数生成演算部と、
前記対象物から反射された前記媒体を受信する媒体受信部と、
前記変調部と前記乱数生成演算部から得られる送信信号から、前記サイドチャネルの信号成分を抽出してデータ列に変換する送信側サイドチャネル処理部と、
前記受信部から得られる受信信号から、前記サイドチャネルの信号成分を抽出してデータ列に変換する受信側サイドチャネル処理部と、
前記送信側サイドチャネル処理部から得られる前記データ列である送信側サイドチャネルデータと、前記受信側サイドチャネル処理部から得られる前記データ列である受信側サイドチャネルデータの類似度を算出し、受信信号の正当性を判定する比較検証処理部と、
前記変調部と前記乱数生成演算部から得られる送信信号から前記メインチャネルの信号成分を抽出して、前記受信部から得られる受信信号から前記メインチャネルの信号成分を抽出して、得られた相互の信号に所定の処理を施して測距処理を実行する測距処理部と
を具備する、測距装置。 - 前記送信側サイドチャネル処理部と前記受信側サイドチャネル処理部は、
入力される信号から前記サイドチャネルの信号に相当する周波数成分を通過させるバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力信号をデジタルデータに変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器が出力するデータ列を記憶するバッファと
を具備する、請求項1に記載の測距装置。 - 侵入者の有無を検出するための媒体発生源と、
前記媒体に、副次的な情報を生成するサイドチャネルの信号として乱数を生成し、前記媒体に前記乱数を重畳する乱数生成演算部と、
前記媒体発生源から発生した前記媒体を受信する媒体受信部と、
前記乱数生成演算部から得られる送信信号から、前記サイドチャネルの信号成分を抽出してデータ列に変換する送信側サイドチャネル処理部と、
前記媒体受信部から得られる受信信号から、前記サイドチャネルの信号成分を抽出してデータ列に変換する受信側サイドチャネル処理部と、
前記送信側サイドチャネル処理部から得られる前記データ列である送信側サイドチャネルデータと、前記受信側サイドチャネル処理部から得られる前記データ列である受信側サイドチャネルデータの類似度を算出し、受信信号の正当性を判定する比較検証処理部と
を具備する、侵入検出装置。
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JP2017095232A JP2018194297A (ja) | 2017-05-12 | 2017-05-12 | 測距装置及び侵入検出装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017095232A JP2018194297A (ja) | 2017-05-12 | 2017-05-12 | 測距装置及び侵入検出装置 |
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JP2017095232A Pending JP2018194297A (ja) | 2017-05-12 | 2017-05-12 | 測距装置及び侵入検出装置 |
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2017
- 2017-05-12 JP JP2017095232A patent/JP2018194297A/ja active Pending
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