JP2002267831A - カラーフィルター用インク組成物、カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル - Google Patents

カラーフィルター用インク組成物、カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル

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JP2002267831A
JP2002267831A JP2001070562A JP2001070562A JP2002267831A JP 2002267831 A JP2002267831 A JP 2002267831A JP 2001070562 A JP2001070562 A JP 2001070562A JP 2001070562 A JP2001070562 A JP 2001070562A JP 2002267831 A JP2002267831 A JP 2002267831A
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color filter
ink
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liquid crystal
ink composition
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JP2001070562A
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English (en)
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Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
Yoshihisa Yamashita
佳久 山下
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
Koichiro Nakazawa
広一郎 中澤
Masafumi Hirose
雅史 広瀬
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消偏性の低下を起こすことのないカラーフィ
ルター用インク組成物を提供し、着色層形成にコスト的
に有利なインクジェット方式を用いて光学特性及び表示
品位に優れたカラーフィルターを提供する。 【解決手段】 カラーフィルターの着色層の着色をイン
クジェット法により行うためのカラーフィルター用イン
ク組成物であって、着色剤として染料を含有し、該イン
ク中に含有されるレーザー散乱法による測定対象粒径と
して0.5、1.0、2.0μmのパーティクル数の合
計値が9000個/10cc以下まで除去されたカラーフ
ィルター用インク組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ、パチンコ遊戯台等に使用される
カラー液晶ディスプレイに好適に使用されるカラーフィ
ルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用のパーソナルコンピュータの発達に伴い、液
晶ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要が
増加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のた
めにコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の
高いカラーフィルターのコストダウンに対する要求が高
まっている。
【0003】従来からカラーフィルターの要求特性を満
足しつつ上記要求に堪えるべく種々の方法が試みられて
いるが、全ての要求性能を満足する方法は確立されてい
ないのが現状である。
【0004】以下に、それぞれの方法について説明す
る。
【0005】最も多く用いられる第1の方法は染色法で
ある。染色法は、ガラス基板上に染色用の材料である水
溶性高分子材料に感光剤を添加して感光化し、それをフ
ォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニン
グした後、得られたパターンを染色浴に浸漬し着色パタ
ーンを得る。これを3回繰り返してR(赤色)、G(緑
色)、B(青色)の着色層を形成するものである。
【0006】次に多く用いられている第2の方法は顔料
分散法であり、近年、染色法に取って代わりつつある。
この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層
を形成し、それをパターニングすることにより単色のパ
ターンを得る。さらに、その工程をさ3回繰り返すこと
によってR、G、Bの3色の着色層を形成する。
【0007】第3の方法としては電着法がある。この方
法は、まず基板上に透明電極をパターニングする。次
に、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬
し、第1の色を電着する。この工程を3回繰り返して、
R、G、Bの着色層を形成し、最後に焼成する。
【0008】第4の方法としては、熱硬化性樹脂に顔料
を分散させた塗料を、繰返し印刷により3色R、G、B
に塗り分けた後、着色層である樹脂を加熱硬化させ、着
色層を形成する印刷法がある。
【0009】また、各方法とも着色層の上に保護層を形
成するのが一般的である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の第3
の方法である電着法では、形成可能なパターンが限定さ
れるため、現状の技術ではTFTカラーには適用が困難
である。
【0011】また、第4の方法においては、解像性、平
滑性が悪いという欠点があり、ファインピッチのパター
ンの形成には不向きである。
【0012】さらに、着色剤として顔料が選択される場
合は、着色層形成後に保護膜上にスパッタリングによる
電極形成等を行うことから、耐熱性に優れた着色剤が望
ましいためであり、さらに、実際に液晶パネルに組み込
んで使用すると、長時間バックライトによる光照射を受
けることになることから、一般に染料より耐光性に優れ
た顔料が好ましいためである。
【0013】しかしながら、顔料は染料に比べて粒子性
が高いため、液晶パネルの偏光板を通過してきた偏光を
分散させるため、偏光の解消を起こす(消偏性)という
問題がある。そのため、液晶パネルの光学特性に好まし
くない影響がある。
【0014】また、染料を着色剤として用いても、染料
の合成中で生じる微小粒子、即ちパーティクルの除去が
不充分な場合には同様に消偏性が問題となる場合があ
る。
【0015】これらの方法に共通しているのは、R、
G、Bを形成するために同一工程を3回要することであ
り、必然的にコストが高くなる。また、工程が多ければ
多いほど歩留りが低下するという問題もある。
【0016】そこで、着色層形成の工程を減らしてコス
トを低減させる手法として、特開昭59−75205号
公報、特開昭63−235901号公報、特開平1−2
17302号公報、特開平4−123005号公報に
は、インクジェット方式を用いてカラーフィルターを製
造する方法が記載されている。
【0017】これらに記載の方法は前記の方法とは異な
り、R、G、Bの各色素を含有する着色液(以下、イン
クと称する)をフィルター基板にノズルより噴射し、そ
のインクをフィルター基板上で乾燥させて着色層を形成
させるものである。この方法によれば、R、G、Bの各
着色層の形成を一度に行うことができ、さらに、着色液
の使用量にも無駄が生じないため、大幅な生産性向上、
コストダウン等の効果を得ることができる。
【0018】ところが、インクジェット方式で着色層形
成を行う場合にも、使用するインク中でそのようなパー
ティクルが多く存在すると、インクジェット方式を用い
てカラーフィルターを形成する際、インクの吐出特性が
低下し、インク滴の着弾位置精度が落ちるといった問題
を生じやすくなる。その結果、隣接画素間で異色インク
同士が混色し、カラーフィルターの表示品位を著しく低
下させてしまう。
【0019】このように、従来の技術では、カラーフィ
ルターに求められる全ての性能を満足する形でカラーフ
ィルターを形成する方法は確立されていないのが現状で
ある。
【0020】そこで本発明の目的は、上記のような消偏
性の低下を起こすことのないカラーフィルター用インク
組成物を提供し、着色層形成にコスト的に有利なインク
ジェット方式を用いて光学特性及び表示品位に優れたカ
ラーフィルターを製造する方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、インク中の染
料の合成中に発生するパーティクル(微小粒子)がカラ
ーフィルターの消偏性を低下させ、更にインクジェット
法にてカラーフィルターを形成する際にインクの着弾精
度を低下させるという知見に基づいて達成されたもので
ある。
【0022】すなわち本発明は、カラーフィルターの着
色層の着色をインクジェット法により行うためのカラー
フィルター用インク組成物であって、着色剤として染料
を含有し、該インク中に含有されるレーザー散乱法によ
る測定対象粒径として0.5、1.0、2.0μmのパ
ーティクル数の合計値が9000個/10cc以下まで
除去されたカラーフィルター用インク組成物を提供す
る。
【0023】さらに本発明は、基板上の所定の位置に着
色剤を含有するインク組成物を噴射して、複数の着色層
が配列されてなる画素を形成・配列するカラーフィルタ
ーの製造方法において、着色剤として染料を含有し、該
インク中に含有されるレーザー散乱法による測定対象粒
径として0.5、1.0、2.0μmのパーティクル数
の合計値が9000個/10cc以下まで除去されたカ
ラーフィルター用インク組成物を調製し、該インク組成
物をインクジェット記録ヘッドで噴射することを特徴と
するカラーフィルターの製造方法に関するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルター用イン
ク組成物は、着色剤として染料を含有し、該インク中に
含有されるレーザー散乱法による測定対象粒径として
0.5、1.0、2.0μmのパーティクル数の合計値
が9000個/10cc以下まで除去されたものである。
【0025】ここで、パーティクル数の測定は、図3に
示すように、測定対象のインクまたは、その希釈液(超
純水希釈)である試料液1を半導体レーザー2が照射さ
れた検出位置(透明セル3)を通過させ、90°方向に
おける前記レーザー光の側方散乱強度をセンサー(光電
変換器4)で検知させることにより上記粒径のパーティ
クル数をカウントし、合計値を求める。このような測定
原理に基づくパーティクル数の測定は、リオン株式会社
製の液中パーティクルカウンター「KE−40」、「K
L−11」等を使用して行うことができる。
【0026】パーティクルの除去方法は、前記合計値が
9000個/10cc以下とすることができれば、どのよ
うな方法でもよいが、好ましくは、PVDF製メンブラ
ンフィルターによる精密ろ過法あるいは限外濾過法によ
って除去することが望ましい。これにより、主として染
料等の不充分物に由来する2価以上の多価金属イオンが
除去される。その結果、パーティクル発生の一因とな
る、染料の多価金属塩凝集物(レーキ化状態)の発生を
防止することができる。
【0027】インク中のパーティクル数としては、0.
5、1.0、2.0μmのパーティクル数の合計値が9
000個/10cc以下、好ましくは4000個/10
cc以下、更に好ましくは1000個/10cc以下と
することが好ましい。上記パーティクルの合計値が90
00個/10ccを超えるとカラーフィルターのコント
ラストが極端に低下するため好ましくない。
【0028】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0029】図1は本発明における液晶用カラーフィル
ターの製造方法を示したものであり、本発明の液晶用カ
ラーフィルターの構成の1例が示されている。
【0030】図1(a)は、ブラックマトリクス12が
形成された透明基板11を示したものである。
【0031】まず、ブラックマトリクス12の形成され
た基板11上に硬化可能な樹脂組成物を含む層を形成
し、これを硬化させることにより、基板11上にインク
受容層13を形成する(図1(b))。
【0032】さらに、必要に応じてプリベークを行った
後、インクジェット方式により本発明において定義され
るR,G,Bの各色インクを用いて着色する(図1
(c))。
【0033】図1(c)の工程の後、硬化可能なインク
受容層を硬化させる(図1(d))。硬化方法には、主
に加熱手段が用いられる。更に、必要に応じて保護層を
形成する(図1(e))。
【0034】図1のフィルターにおける透明基板11と
しては、一般にガラスが用いられるが、液晶用カラーフ
ィルターとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有
するものであればプラスチックなどでもよく、ガラス基
板に限定されるものではない。
【0035】着色液は、インクジェット記録ヘッド14
から液滴を噴射して記録を行うインクジェット法によっ
て透明基板11上に吐出され、乾燥によってそれぞれの
着色層15を形成する。その場合、着色液を受容する受
容層としてさらに着色液の定着性向上を目的として、着
色部分に予めインク吸収性の樹脂などからなる受容層1
3を設けておいてもよい。
【0036】基板および/または受容層に用いるインク
吸収性の樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリウレタ
ン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリ
アクリル酸(エステル)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メラミン樹脂、あ
るいはそれらの変性物等の合成樹脂、また、アルブミ
ン、ゼラチンカゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷ
ん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。これらの中では特に、ヒドロキシプロピルセルロー
ス等のセルロース類が好ましく用いられる。そしてこれ
らを複数同時に用いることもできる。
【0037】また、これらの化合物の薄膜をインク付着
面に形成させるには、スピンコート、ロールコート、バ
ーコート、スプレーコート、ディップコートなどの方法
を用いることができる。
【0038】R、G、Bの着色部位の形成に使用される
インク中に含有される着色剤(色材)としては、従来の
インクジェット記録法で用いられてきた各種の染料が用
いられる。
【0039】また、本発明のカラーフィルターにおける
ブラックマトリクスの形成方法としては、基板上に直接
設ける場合はスパッタまたは蒸着により金属薄膜を形成
し、フォトリソ工程によりパターニングする方法を、ま
た、樹脂組成物上に設ける場合は、一般的なフォトリソ
工程によるパターニングの方法が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0040】着色層15を形成した透明基板11または
受容層13上には、必要に応じて保護層16を形成して
もよい。その保護層としては、光硬化タイプ、熱硬化タ
イプあるいは光熱併用タイプの樹脂材料、蒸着やスパッ
タ等によって形成される無機膜などを用いることがで
き、カラーフィルターとした場合の透明性を有し、配向
膜形成プロセス等に耐え得るものであれば使用可能であ
る。
【0041】次に、本発明のカラーフィルターを用いた
液晶表示装置の液晶パネルの例(TFTカラー液晶パネ
ル)を図2に示す。
【0042】本図において、21は偏光板、22はガラ
スなどの透明基板、23はブラックマトリクス、24は
インク受容層、25は保護層、26は共通電極、28は
液晶化合物、31はカラーフィルター、27は配向膜、
29は画素電極、32は対向基板、30はバックライト
光である。
【0043】カラー液晶パネルは一般に、カラーフィル
ター31と対向基板32とを合わせ込み、その間に液晶
化合物28を封入することにより形成される。液晶パネ
ルの一方の基板の内側には、TFT(不図示)と透明な
画素電極29がマトリクス状に形成されている。また、
もう一方の基板の内側には、画素電極29に対向する位
置にカラーフィルター31が設置され、その上に透明な
(対向)共通電極26が一面に形成されている。
【0044】さらに、両基板上の内側には配向膜33が
形成されており、これをラビング処理することによって
液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、
それぞれの基板の外側には偏光板21が接着されてお
り、液晶化合物28は、これらの基板の間隙(2〜5μ
m程度)に充填される。また、バックライトとしては、
蛍光灯と散乱板(両者とも不図示)の組み合わせが一般
に用いられており、液晶化合物をバックライト光30の
透過率を変化させる光シャッターとして機能させること
により表示を行う。
【0045】本発明のカラーフィルターを形成する際に
用いるインクジェット記録ヘッドとしては、特にインク
ジェット方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔液滴
を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッド
が好ましい。
【0046】そのインクジェット記録ヘッドの代表的な
構成や原理については、例えば、米国特許第47231
29号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型の
いずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の
場合には、液体(インク)が保持されているシートや液
路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報
に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える
少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電
気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの
熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号
に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成でき
るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用
開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも
一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応
答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好
ましい。
【0047】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0048】インクジェット記録ヘッドの構成として
は、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液
路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路また
は直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置
されている構成を開示する米国特許第4558333号
明細書、米国特許第4459600号明細書を用いたも
のとしてもよい。
【0049】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としてもよい。
【0050】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0051】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0052】また、記録装置の構成として設けられる、
インクジェット記録ヘッドに対しての回復手段、予備的
な補助手段等を付加することは記録ヘッドによるインク
吐出を一層安定できるので好ましいものである。これら
を具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピン
グ手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電
気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれ
らの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出
を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行う
ために有効である。
【0053】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、以下の説明において、「部」はいずれも質
量基準である。
【0054】(実施例1)55μm×140μmの大き
さの光透過部を有するブラックマトリクスを有するブラ
ックマトリクスを備えたガラス基板上にインク受容層と
して、ヒドロキシプロピルセルロース「HPC−H」
(商品名、日本曹達製)およびメチロール化メラミン
「M−3」(商品名、住友化学製)の混合物からなる樹
脂組成物をスピンコートし、90℃、10分間のプリベ
ークを行った。
【0055】次いで、インクジェットプリンターを用い
て、下記処方のインクにより幅70μmのストライプ状
着色部を形成した。
【0056】次に、225℃、1時間のベーキングを行
ったのち、その上に2液型の熱硬化型樹脂材料を膜厚1
μmとなるようにスピンコートし、240℃、30分間
の熱処理を行って硬化させることにより、液晶用カラー
フィルターを作製した。
【0057】インク処方 ジエチレングリコール 20部 下記の各R、G、B染料 3部 水 72部 R(赤色)染料:C.I.アシッドレッド51/ダイレ
クトイエロー142の混色 G(緑色)染料:C.I.ダイレクトブルー87/アシ
ッドイエロー142の混色 B(青色)染料:C.I.ダイレクトブルー87/アシ
ッドレッド35の混色
【0058】上記染料は、水溶液の状態でPVDF製メ
ンブランフィルター(孔径0.2μm)にて精製したも
のを用い、上記インク組成にてインク化を行った。イン
ク化の際も再度上記メンブランフィルターにてろ過し
た。こうして作製したインク中のパーティクル数を、リ
オン社製液中パーティクルカウンター「KL−20A」
で測定した。その結果、0.5、1.0、2.0μmの
パーティクル数の合計値は、Rインク、Gインク、Bイ
ンクでそれぞれ150個/10cc、45個/10c
c、500個/10ccであった。
【0059】このようにして作製した液晶用カラーフィ
ルターを光学顕微鏡で観察したところ、R、G、Bの各
着色部における偏光解消等の障害は全く観察されなかっ
た。
【0060】また、得られたカラーフィルターを用い
て、ITOおよび配向膜の形成、液晶材料の封入等の一
連の作業を行い、図2に示すようなカラー液晶パネルを
作製した。このようにして作製されたカラー液晶パネル
を用いて種々の画像パターンをパネル上に形成し、画像
の鮮明度を評価したが、良好な結果が得られた。特に、
画像鮮明度に優れていた。また、カラーフィルター面内
にインクの混色は発生しなかった。
【0061】(実施例2)ガラス基板上に黒色顔料含有
レジスト(商品名:BK−739P,新日鐵化学社製)
をスピンコート法により塗布し、露光、現像、熱処理に
より厚さ1.0μmのブラックマトリクス、即ち遮光層
を形成した。次いで、インクジェットヘッドにより該ブ
ラックマトリクスの開口部にR、G、Bの各インクを付
与した。インクとしては下記の組成のものを用いた。
【0062】 (Rインク) C.I.ダイレクトレッド37 4部 以下の組成のアクリル系共重合体 5部 アクリル酸、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、 N−メチロールアクリルアミドの共重合体 9部 エチレングリコール 20部 エチルセロソルブ 15部 エチルアルコール 2部 イオン交換水 45部
【0063】(Gインク) C.I.アシッドグリーン25 5部 その他は、Rインクに同じ
【0064】(Bインク) C.I.ダイレクトブルー86 4部 その他は、Rインクに同じ
【0065】こうして調製されたインク中のパーティク
ル数を、リオン社製液中パーティクルカウンターKL−
20Aで測定した。その結果、0.5、1.0、2.0
μmのパーティクル数の合計値は、Rインク、Gイン
ク、Bインクでそれぞれ300個/10cc、90個/
10cc、510個/10ccであった。
【0066】上記インクを実施例1と同様にして、イン
クジェットプリンターにて付与した後、220℃、30
分間の熱処理により該インクを硬化させた。
【0067】このようにして作製した液晶用カラーフィ
ルターを光学顕微鏡で観察したところ、R、G、Bの各
着色部における偏光解消等の障害は観察されなかった。
また、カラーフィルター面内にインクの混色は発生しな
かった。
【0068】また、得られたカラーフィルターを用い
て、ITOおよび配向膜の形成、液晶材料の封入等の一
連の作業を行い、図2に示すようなカラー液晶パネルを
作製した。このようにして作製されたカラー液晶パネル
を用いて種々の画像パターンをパネル上に形成し、画像
の鮮明度を評価したが、良好な結果が得られた。
【0069】(比較例1)実施例1で使用した染料と同
一のものを、再生セルロース製メンブランフィルター
(孔径0.2μm)で精密ろ過した以外は実施例1と同様
にして、カラーフィルターおよびそのカラーフィルター
を用いた液晶パネルを作製した。
【0070】この時、R、G、Bの各インク中の0.
5、1.0、2.0μmのパーティクル数の合計値は、
R(赤色)インクが13000個/10cc、G(緑
色)インクは20000個/10cc、B(青色)イン
クは110000個/10ccであった。
【0071】このようにして得られた液晶パネルを介し
て得られた画像は、コントラストの低い、鮮明性の悪い
ものであった。
【0072】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、パ
ーティクルが除去されたカラーフィルター用インク組成
物を得て、消偏性を保持し光学特性及び表示品位に優れ
たカラーフィルターを、コスト的に有利なインクジェッ
ト方式を用いて製造でき、そのようなカラーフィルター
から画像の鮮明な液晶パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録法によるカラーフィルター
の製造工程を示す工程断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルターを用いた液晶表示装
置の液晶パネルの一例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明で用いたレーザー拡散法によるパーティ
クル数の測定装置の概略図である。
【符号の説明】
11 透明基板 12 ブラックマトリクス 13 インク受容層 14 インクジェット記録ヘッド 15 着色層 16 保護層 21 偏光板 22 透明基板 23 ブラックマトリクス 24 インク受容層 25 保護層 26 共通電極 27 配向膜 28 液晶化合物 29 画素電極 30 バックライト光 31 カラーフィルター 32 対向基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏崎 昭夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中澤 広一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 広瀬 雅史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA12 FB01 FC02 2H048 BA57 BA64 4J039 AD09 AD12 BC07 BC10 BC11 BC14 BE02 EA15 EA16 EA20 FA04 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフィルターの着色層の着色をイン
    クジェット法により行うためのカラーフィルター用イン
    ク組成物であって、着色剤として染料を含有し、該イン
    ク中に含有されるレーザー散乱法による測定対象粒径と
    して0.5、1.0、2.0μmのパーティクル数の合
    計値が9000個/10cc以下まで除去されたカラーフ
    ィルター用インク組成物。
  2. 【請求項2】 前記インク中のパーティクルが、PVD
    F製メンブランフィルターによる精密ろ過法により除去
    されたものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記インク中のパーティクルが、限外濾
    過法により除去されたものである請求項1記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記パーティクルの合計値が4000個
    /10cc以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 基板上の所定の位置に着色剤を含有する
    インク組成物を噴射して、複数の着色層が配列されてな
    る画素を形成・配列するカラーフィルターの製造方法に
    おいて、 着色剤として染料を含有し、該インク中に含有されるレ
    ーザー散乱法による測定対象粒径として0.5、1.
    0、2.0μmのパーティクル数の合計値が9000個
    /10cc以下まで除去されたカラーフィルター用イン
    ク組成物を調製し、 該インク組成物をインクジェット記録ヘッドで噴射する
    ことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記カラーフィルター用インク組成物の
    調製時のパーティクルの除去方法が、PVDF製メンブ
    ランフィルターによる精密ろ過法である請求項5記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 前記カラーフィルター用インク組成物の
    調製時のパーティクルの除去方法が、限外濾過法である
    請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか1項に記載
    の方法を用いて製造されるカラーフィルター。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のカラーフィルターと該カ
    ラーフィルターに対向する位置に基板を有し、両基板間
    に液晶化合物が封入されてなる液晶パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10916705B2 (en) 2015-01-30 2021-02-09 Merck Patent Gmbh Formulations with a low particle content

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