JP2002267597A - キャピラリチューブフローセル及びその製造方法 - Google Patents
キャピラリチューブフローセル及びその製造方法Info
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Abstract
知感度が高いキャピラリチューブフローセル、さらに分
析者が簡易かつ再現性良くキャピラリチューブを加工可
能なキャピラリチューブフローセルの製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 U字型もしくはZ字型に屈曲した石英製
キャピラリチューブを備えた吸光度検出用キャピラリチ
ューブフローセルにおいて、屈曲部の曲率半径が2mm
未満であることを特徴とする吸光度検出用キャピラリチ
ューブフローセル、発光検出用キャピラリチューブフロ
ーセル、及び、熱伝導性の良い細管を通したキャピラリ
チューブの、該細管を通した部分を熱伝導性の良い細管
固定用支持器に挟み込み固定する工程と、前記キャピラ
リチューブに通した細管の端付近を加熱し、該キャピラ
リチューブを曲げて屈曲部を形成する工程を含むことを
特徴とするキャピラリチューブフローセルの製造方法。
Description
フローセル及びその製造方法、特に石英製キャピラリチ
ューブを用いたフローセルの検知感度の向上、及びキャ
ピラリチューブ加工時の再現性、加工容易性の改良に関
する。
応用がなされ、特に目覚しい分野ではDNAの解析等の
用途で顕著な成果が上がっている。キャピラリ電気泳動
法は外径1mm以下、内径10〜100μm程度の石英
製のキャピラリチューブ両端に電位差を与え、内部で発
生する電気浸透流を利用してサンプルを分離する手法で
ある。そしてサンプルの検知手段には、光学的手法(吸
収や蛍光、発光分析)が多く用いられている(特許第3
001806号等)。
して分離分析を行うので石英のキャピラリチューブが必
須であるが、他の微小流量を扱う分析系でも、流体特性
に関する要求項目を満足するために、キャピラリチュー
ブが利用されている。
は、質量分析器が検出器の一つとして広く使われはじ
め、最近ではダイオキシンの微量分析や蛋白質の構造決
定に用いられている。そして液体クロマトグラフで質量
分析器を使用する場合でも、その前段階の検知手法とし
て光学的手法が用いられる場合がある。
検知器として質量分析器を使用する場合にも、キャピラ
リチューブが用いられる。液体クロマトグラフの検知器
として質量分析器を使用する場合、分析できる流量の上
限は、質量分析器の種類により差があるものの、1〜1
00μl/minと従来の液体クロマトグラフで一般的
に使用されていた1ml/min前後の流量の1/10
〜1/1000と非常に微小である。しかし一方で液体
クロマトグラフ法をスケールダウンするとその分離能が
大きく向上することから、分析時間は従来と大差なく1
〜100μl/min程度の流量で一般的に分析が行わ
れている。この場合、配管としてキャピラリ電気泳動法
と同様に石英製キャピラリチューブ(以下キャピラリチ
ューブと呼ぶ)が多く用いられている。キャピラリチュ
ーブは、いろいろな種類があるが概ね外径375μm、
内径50μm程度のものが使用される。
検出方法としては、吸光度、蛍光、化学発光等が例示さ
れるが、中でも吸光度検出が最も利用されている。これ
は、興味ある分析対象となる化学物質の多くが吸光度検
知法で容易に且つ安価に検知可能であるためである。そ
して、このことは微小流量系の分析においても同様であ
る。
場合、キャピラリチューブの内部を流れる液体の吸光度
を測定するのであるが、このような微小な領域の吸光度
を測定する場合、光を十分に絞り、また余分な光が透過
しないようにする工夫が必要となる。従来このような工
夫を施したキャピラリチューブを利用した吸光度測定法
として、以下の2方法が広く用いられている。
方向と垂直な方向から光を照射し、その吸収を測定する
方法である。この方法では、図1Aに示すように、キャ
ピラリチューブ10の内径とほぼ同一で、高さ(紙面に
対して垂直方向)が数mmのスリット12をキャピラリ
チューブ内径に合わせて設置する。紙面左側から光14
を入射させ、キャピラリチューブ10に照射した後右側
の検知器16で透過してきた光を検知する。
方向と平行に光を照射し、その吸収を測定する方法であ
る(米国特許第5,057,216号、特開平4−36
3655号等)。この方法では、図1Bに示すように、
Z字型、もしくはU字型(点線)状に曲げたキャピラリ
チューブ10を用いる。そして、入射側にスリット12
を設置する。紙面左側から光14を入射させ、キャピラ
リチューブ10内を通過した光14を右側の検知器16
で検知する。
ピラリチューブの製法として、特開平3−20643号
では、図24(A)に示したようにステンレス鋼等で作
製された円筒状テンプレート202の貫通穴204に、
ステンレス鋼等で作製されたインサート206を通した
キャピラリチューブ208を通し、エポキシ接着剤で貫
通穴204とインサート206を取り付け固定すること
によりこの型のフローセルを得ている。
(B)に示したようにキャピラリを円盤210の中央孔
212に挿入し、その後加熱をして屈曲部が形成された
キャピラリチューブ214を得る手法が示されている。
う方法としては、1ml/min程度の流量を対象にし
たフローセル形状を、流量1〜100μl/min程度
の微小流量向けの寸法にスケールダウンしたものを使用
することが挙げられる。
微小流量のクロマト分析では、キャピラリチューブの内
径が非常に細いことからキャピラリチューブの詰まりが
生じることがある。キャピラリチューブが詰まるとその
キャピラリチューブを交換しなければならないが、交換
時のキャピラリチューブの加工、検知部での位置合わせ
は難しい作業である。また、キャピラリチューブを加工
する際、キャピラリチューブに被覆されているポリイミ
ド樹脂を一部剥いだものを使用する必要があるが、ポリ
イミド樹脂を剥ぐとキャピラリチューブの強度が極端に
低下するので、加工作業時に破損しやすくなる。このよ
うな理由から、ユーザがキャピラリチューブを交換する
ことはできなかった。
メーカで引き取り修理をした場合には、最短でも1週間
程度の日数を要し、この分野の研究開発を行う上での支
障となっていた。
ブ内径を変更するためにキャピラリチューブを交換する
場合もあり、ユーザが簡易にキャピラリチューブを交換
できるフローセルが望まれていた。
前述の第1方法で使用するキャピラリチューブフローセ
ルは、キャピラリチューブの曲げ加工をする必要はな
く、キャピラリチューブに被覆されているポリイミドを
熱により酸化させた後剥ぎ取り、スリットとキャピラリ
チューブの位置関係が適当となるようなキャピラリチュ
ーブホルダにキャピラリチューブをセットすることで、
適切なキャピラリチューブ交換をすることができ、比較
的簡易な作業で交換が行える。
測定では、光路長がチューブ内径と等しくなり、チュー
ブ内径は10〜100μmと僅かしかないので、サンプ
ルによる吸収光量が小さく、検知感度が非常に低いとい
う問題がある。
た場合、光進行方向とキャピラリチューブの流路方向が
一致するため、光路長を数mm程度とることができる。
したがって、サンプルの吸収光量を多くすることがで
き、第1方法と比較すると2〜3桁検知感度が高いとい
うメリットがある。
ブフローセルは、キャピラリチューブに被覆されたポリ
イミド樹脂を剥いだ後、キャピラリチューブをZ字型も
しくはU字型に加工する必要がある。そして、その屈曲
部の曲率半径の大小(曲げが急かゆるやかか)が透過光
量に大きく影響し、検知感度の良し悪しを決める要素と
なる。
率半径は小さいほど望ましい。しかしながら、従来の方
法で普通に加工した場合、屈曲部の曲率半径は2mm程
度が限界であり、それよりも小さく加工することはでき
ない。この点において、従来のこの型によるキャピラリ
チューブフローセルでは、検知感度の向上に関して一定
の限界があった。
をZ字型もしくはU字型に加工する場合、曲げ方にばら
つきを生じ、再現性良く同じ曲率半径にするのは困難で
ある。
して吸光度測定を行う場合、集光のために通常焦点距離
が非常に短いレンズ等を使用するため、キャピラリチュ
ーブとレンズとの位置関係が適当となるようにキャピラ
リチューブを設置することをユーザが行うことは困難で
あった。
したフローセル形状を、微小流量向けの寸法にしたもの
をキャピラリ電気泳動法やミクロ液体クロマト法で使用
する場合、要求される寸法が小さくなるために機械加工
が難しくなり、また流路内の僅かな凹凸が、流量が非常
に小さいためにサンプルの停滞や混合の原因となり、ピ
ークの分離の劣化やピークの拡がりが起きて、結果とし
て検出感度の低下を招いてしまうといった問題があっ
た。
たものであり、その目的は微小流量の分析において、検
知感度が高いキャピラリチューブフローセル、さらにユ
ーザが簡易かつ再現性良くキャピラリチューブを加工可
能なキャピラリチューブフローセルの製造方法を提供す
ることにある。
に本発明の吸光度検出用キャピラリチューブフローセル
は、U字型もしくはZ字型に屈曲した石英製キャピラリ
チューブを備え、その一方の屈曲部から、他方の屈曲部
への流路方向に光を照射し、前記他方の屈曲部からの透
過光を検出する吸光度検出用キャピラリチューブフロー
セルにおいて、前記屈曲部の曲率半径が2mm未満であ
ることを特徴とする。
ーブフローセルは、L字型に屈曲した石英製キャピラリ
チューブを備え、その流路中のサンプルへ励起光を照射
し、該サンプルの発光を検出する発光検出用キャピラリ
チューブフローセルにおいて、その屈曲部から、流路方
向に励起光を照射して該サンプルの発光を検出し、前記
屈曲部の曲率半径が2mm未満であることを特徴とす
る。
ーブフローセルは、L字型に屈曲した石英製キャピラリ
チューブを備え、その流路中のサンプルへ励起光を照射
し、該サンプルの発光を検出する発光検出用キャピラリ
チューブフローセルにおいて、該流路方向と略垂直な方
向から励起光を照射して、屈曲部から取り出す該サンプ
ルの発光を検出し、前記屈曲部の曲率半径が2mm未満
であることを特徴とする。
セルの製造方法は、U字型、Z字型またはL字型に屈曲
した石英製キャピラリチューブを備え、その流路中のサ
ンプルへ光を照射し、該サンプルからの光を検出するキ
ャピラリチューブフローセルの製造方法において、熱伝
導性の良い細管を通した前記キャピラリチューブの、該
細管を通した部分を熱伝導性の良い細管固定用支持器に
挟み込み固定する工程と、前記キャピラリチューブに通
した細管の端付近を加熱し、該キャピラリチューブを曲
げて屈曲部を形成する工程と、を含むことを特徴とす
る。
形態について説明する。図2Aには、本発明に係るキャ
ピラリチューブフローセルの検出部の構造が示されてい
る。同図において、キャピラリチューブ20はU字型に
加工されており、光照射側の屈曲部30と光検知側の屈
曲部32を有している。光照射側の屈曲部30から、キ
ャピラリチューブの流路方向と平行に光24を照射し、
キャピラリチューブ内を通過して光検知側の屈曲部32
から出射した光は検知器34で検知される。
屈曲部の曲率半径が大きくなると、屈曲部への光の入射
角が大きくなるために反射率が大きくなる。すると、キ
ャピラリチューブ内へ透過する光量は減り、検知感度の
低下をもたらす。このことは、キャピラリチューブ内を
通ってきた光が光検知側の屈曲部からチューブ外へ透過
する際にも言えることである。すなわち、光検知側の屈
曲部の曲率半径が大きくなると、キャピラリチューブ外
へ透過する光量は減り、検知感度の低下をもたらす。
リチューブ屈曲部の曲率半径が2mm未満と、従来にな
い非常に小さな加工ができ、これにより検知感度が大幅
に向上している。
セルの加工、組み立て手順について説明する。最初に、
キャピラリチューブに被覆されたポリイミド樹脂を剥離
する(図3A)。キャピラリチューブに被覆されたポリ
イミド樹脂にマイクロバーナ等の炎をあて、ポリイミド
樹脂を酸化させた後、メタノールやエタノールを染み込
ませたラボ用ティッシュで拭き取ることで、ポリイミド
樹脂を容易に剥離できる。
ブの強度が極端に低下するので、剥離する長さは光が通
る長さプラス30mm位が好ましい。キャピラリチュー
ブの全長は通常1〜2mで、この中央付近にポリイミド
剥離部40を作製する。
mのうち、その中央付近の長さ5〜10mmの部分をセ
ル部として使用している。1ml/min程度の流量で
のHPLC分析では、配管の利便性のために接続継手が
よく使用されるが、1〜100μl/minの流量では
カラム出口にキャピラリチューブフローセルの入口が直
接接続されることがある。これは、接続継手を使いキャ
ピラリチューブを繋いだ場合、接続継手部でのピークの
広がりやコンタミネーションが問題となるからである。
このため、このようにセル部と比較して長いキャピラリ
チューブを用いている。
ラリチューブに適当な長さの細管42を通す(図3
B)。使用する細管は熱伝導性が良く、細管にキャピラ
リチューブをスムーズに通すことができ、且つ細管内に
大きな隙間ができないキャピラリチューブ外径プラス
0.01〜0.1mmの範囲の内径を持つ筒状のものが
好ましい。これにより、キャピラリチューブ加工時に細
管に覆われた部分に伝わった熱が速やかに細管を通して
細管固定用支持器に伝わり拡散され、精度の良いキャピ
ラリチューブ加工ができるようになる。
スチールSUS316(外径0.7mm、内径0.39
mm)を細管の材質に使用しており、細管の長さはキャ
ピラリチューブの光を通す部分の長さマイナス3mmと
している。
けるなどの方法で粗面にして反射を極力小さくすること
が好ましい。
ブを適当な強さで細管固定用支持器44に挟み込む(図
3C)。細管と細管固定用支持器はできるだけ熱伝導が
良好であることが必要である。キャピラリチューブから
細管へ、さらには細管固定用支持器への熱伝導が良いこ
とにより、キャピラリチューブの曲げ加工が精度良く行
える。
は細管及び細管固定用支持器を介して放熱されるため、
加熱時に軟化点まで温度が上昇しない。その結果、キャ
ピラリチューブの軟化は細管外部に局在化され、キャピ
ラリチューブを屈曲させたときの曲がる位置や曲率半径
が均一に保たれる。
覆うことでキャピラリチューブが局所的な熱分布をもつ
ため、形状の再現性が得やすいだけでなく、光の利用効
率が高い2mm未満の曲率半径をもつ屈曲部がユーザに
も容易に作製できる。
ャピラリチューブを加熱する際には、細管から細管固定
用支持器へ効率的に熱が伝わる必要がある。このため、
細管固定用支持器が細管に接する部分の形状は、細管の
外径寸法にほぼ等しい形状か、もしくはV字の溝を形成
し、その溝間で細管を固定する構造にするのが好ましい
(図3D)。
の良い材質が好ましく、本実施形態では、材質がSUS
316でV字溝を持つ細管固定用支持器を使用してい
る。
リを約90度の角度になるまで曲げる(図4A,B)。
細管固定用支持器44に差し込まれたキャピラリチュー
ブ20の細管端付近をマイクロバーナ46で加熱する
と、細管端部とポリイミド被覆部の間のポリイミド剥離
部(石英露出部)48が屈曲する(図4A)。
ナ(市販されている小型バーナで、電子ガスバーナGB
2001(ヨシナガ テクニカ株式会社製)等が例示さ
れる)の炎を使用しているが、加熱方法は特にこれに限
定されるものではない。
がりはじめ、約90度の角度となったところで安定する
(図4B)。自重を利用することでキャピラリチューブ
を一定の強さで(一定長のキャピラリ自重は常に一定で
ある。)曲げることができるため、屈曲部の曲率半径を
常に一定に保つことができる。
度の重力がかかると実現することができるため、例えば
短いキャピラリを加工したい場合は、その両端に取り外
し可能な一定重量の重りを取付けることにより同様の効
果を得ることができ、短いキャピラリチューブでも屈曲
部の曲率を一定に保つことができる。
2mm未満の曲率半径をもつ屈曲部が作製可能となる。
例えば、キャピラリチューブの両端を持ち中心付近を加
熱する方法でも、屈曲することはできる。しかし、この
ときの屈曲部の曲率半径は非常に大きくなってしまう。
これは、加熱用の炎を細くしても、石英の熱伝導により
本来軟化させたくない加熱周辺部石英まで軟化してしま
うために、なかなか曲率半径が小さくならないためであ
る。
リチューブにマイクロバーナ46の炎をあて、約90度
の角度になるまで曲げる(図4C)。
チューブは、細管と共にキャピラリチューブホルダに装
着する。以上のように、キャピラリチューブに細管を取
付け、細管固定用支持器を用いて加工することにより、
簡易な作業を行うだけで精度が非常に良いキャピラリチ
ューブの加工が可能となる。また、従来不可能であった
2mm未満の曲率半径をもつ屈曲部を形成できる。
リチューブを用いてフローセルを組み立てる工程につい
て説明する。図5、6には本発明のキャピラリチューブ
フローセルの組み立て図が示されている。図5におい
て、最初に前述の方法で加工したキャピラリチューブ2
0を、レンズ固定ブロック止め板50に開けられたキャ
ピラリチューブ用通し穴52に通す。
ている細管を、支持材58に形成されているV字溝60
に押し当てる。細管押さえ62にもV字溝が形成されて
おり、細管押さえ62を支持材58にネジで固定するこ
とにより、細管は一定の位置に固定される。
を、加工したキャピラリチューブを挟み込みながら支持
材58とレンズブロック止め板50の間の位置にネジで
固定する。この部分のキャピラリチューブにはポリイミ
ド被覆が残っているため強度が保たれている。その結
果、セルパネル外からの不注意による引っ張りがあって
も、キャピラリチューブのポリイミドを剥離した強度の
弱い部分が破損することがない。
持材54に取付けられている押しネジ56間には、キャ
ピラリ保護のために樹脂製チューブ(本実施形態では外
径=1.6mm、内径=0.4mmのテフロンTMチュ
ーブを使用している)が取付けられており、この中に加
工したキャピラリチューブ20を通す。この樹脂製チュ
ーブを使用することにより、金属の鋭利な角や加工時の
バリからキャピラリチューブを保護している。
4に取付けられている押しネジ56を締め、キャピラリ
チューブを固定する。
固定ブロック止め板50に装着、固定する。図6には装
着前後の状態について、同じものを上面(同図A)及び
側面(同図B)から見た場合の様子が示されている。レ
ンズ固定ブロック66の光透過部には短焦点レンズ68
を配置する。レンズ固定ブロック66はレンズ固定ブロ
ック止め板50にネジで固定されるので、レンズの焦点
位置がキャピラリ屈曲部に常に正しく位置するように設
計されている。また、ホルダ部分とレンズ固定ブロック
66内部が嵌合関係にあるため、それぞれの位置関係が
正確に保たれるようになっている。したがって、レンズ
とキャピラリチューブとの位置関係も正確に保たれるよ
うになっている。
る液の温度を安定化する目的で、レンズ固定ブロック止
め板50とキャピラリチューブ保持材54の間でキャピ
ラリチューブをコイル状に巻いた構造にしてもよい。
2及び支持材58に細管を挟み込むためのV字溝を形成
するには、微細な加工技術を要するために高価なものと
なっている。しかし、キャピラリチューブホルダの構成
部材である細管押さえ62及び支持材58に形成された
V字溝は、細管固定用支持器に形成されたV字溝と同一
もしくは近似した形状である。そこで、この部分をキャ
ピラリチューブ加工時の細管固定用支持器として兼用す
ることができるため、この場合別途細管固定用支持器を
別途用意する必要がない。
キャピラリチューブは強度が極端に弱くなる。したがっ
て、ユーザがキャピラリチューブを加工した後、上述の
操作によりフローセルへ装着する際、不注意により加工
したキャピラリチューブを破損してしまう場合がある。
ャピラリチューブホルダにあらかじめ固定したユニット
としてユーザに提供するようにし、キャピラリチューブ
の交換を、該ホルダユニットをフローセルに装着する簡
易な作業で完了させることもできる。この場合、該ホル
ダユニットは加工したキャピラリチューブのポリイミド
樹脂を剥いだ部分を保護し、また位置精度良くキャピラ
リを固定することができる。
チューブフローセルの組み立て図が示されている。加工
したキャピラリチューブ20は、キャピラリチューブホ
ルダユニット70に装着した後、キャピラリ押さえ7
2、細管押さえ74で固定される。このようにして交換
ユニットが作製される。該交換ユニットは、交換時には
フローセルホルダ76へ、固定用ネジで固定される。フ
ローセルホルダ76には位置出し用ピン78が、またキ
ャピラリチューブホルダユニット70には対応するピン
穴があり、該ピン穴にピン78が差し込まれることによ
りキャピラリが正確な位置となるようにしている。
強度の弱いポリイミド樹脂を剥いだ場所が露出している
部分が保護された構造であるため、キャピラリチューブ
交換時の操作性が向上し、キャピラリ破損を未然に防ぐ
ことができる。
チューブフローセルについて説明する。発光検出用キャ
ピラリチューブフローセルにおいても、本発明の方法で
得られる2mm未満の屈曲部を有するL字型のキャピラ
リチューブを使用することにより、検知感度の高いフロ
ーセルが得られる。
加工されたキャピラリチューブを使用したフローセルの
検出部の構造が示されている。同図Aに示すキャピラリ
チューブ20の加工部分は、両側の屈曲部付近に2本の
短めの細管42を通した構造となっており、2本の細管
42の間にはポリイミド樹脂を剥いだ剥離部80があり
石英が露出している。キャピラリチューブの曲げ加工の
際にはこの2本の細管を適当な間隔で保持できるような
細管固定用支持器に細管を固定して加工を行う。
ーブを用いて蛍光検出を行う際には、一方のキャピラリ
チューブ屈曲部より励起光24を導入する。キャピラリ
チューブ内を流れてきた蛍光サンプルは、該励起光によ
り励起され、蛍光を発する。キャピラリチューブ内で発
生した蛍光は方向性がないので、全方向に放射される。
このうち、2本の細管42の間のポリイミド剥離部80
を通して検知器方向に発せられた蛍光25が検知器34
で検知される。
は励起光24を導入する屈曲部の曲率半径が極めて小さ
く、励起光が効率よくキャピラリ内に入り、検知感度が
向上する。なお、図9(A)では、流路の出入口を平行
とするためにU字型のキャピラリチューブとしている
が、発光検出用の場合には、光学的には1つの屈曲部を
有するL字型のキャピラリチューブ形状でも構わない。
用フローセルの検出部の構造が示されている。前述した
検出部の構造との大きな違いは、細管42の形状であ
る。すなわち、本態様では細管の一部を取り除き、発光
(蛍光)取り出し用の窓をあけた構造となっている。キ
ャピラリチューブ加工時は細管の全周が残っている部分
を細管固定用支持器で保持し、キャピラリチューブの曲
げ加工を行う。なお、細管に蛍光取り出し用窓を作製す
る工程は、キャピラリチューブの曲げ加工後に行っても
よい。
4により蛍光サンプルが発した蛍光のうち、検知器34
方向に発した蛍光25a及び、該検知器とは反対方向に
発した後細管内面で反射された蛍光25bのうち検知器
方向に向かう成分が、検知器方向の蛍光成分25として
検知器34で検知される。したがって、細管内壁に光学
研磨を施すか或いは蒸着、メッキ等で光学コーティング
を施すことにより蛍光の集光効率が向上する。
検出を行う際に問題となるフローセルでの励起光の散乱
を最小に抑えることができる。以下、本発明のフローセ
ルによるこの作用について説明する。
は、2つの屈曲部間のキャピラリ軸とのなす角度により
その伝播のしかたが異なる。キャピラリ軸とのなす角が
大きい励起光成分は、一端の屈曲部からキャピラリチュ
ーブ内へ入射した直後にその大部分がキャピラリチュー
ブ外に放射されてしまい、キャピラリ中の蛍光検出範囲
まで到達しない。
成分は、一端の屈曲部からキャピラリチューブ内へ入射
した後、その一部はキャピラリと空気層の界面での屈
折、透過によりキャピラリ外へ放射されてしまう一方
で、一部は該界面での反射によりキャピラリ内を伝播し
ていく。そして、キャピラリ中の蛍光検出範囲に到達す
るまでに前記界面で数回の反射を繰り返す一方で、該界
面においてキャピラリ外への放射も同時に起こるため、
励起光が蛍光検出範囲に到達した後でのキャピラリ外へ
の放射は非常に小さくなっている。
分は、キャピラリと空気層の界面での反射を繰り返し、
ほぼすべての励起光が伝播する。そしてこの光成分がサ
ンプルの励起に大きく寄与することになる。また、この
光成分は全反射により伝播しているため、キャピラリ外
には一切放射されない。
ら放射される光のほとんどが蛍光となり、励起光の散乱
成分を最小に抑えることができるため、従来問題となっ
ていた励起光によるバックグラウンドの上昇が抑えら
れ、高感度の検出が可能となる。
ャピラリチューブ10の流路方向に対して垂直に励起光
24を照射し、励起光に対して90度の方向から蛍光2
5を検出していたのであるが、このような通常のセルで
行う蛍光測定に準じたアライメントをとった場合、キャ
ピラリチューブ断面が円形のために励起光が散乱してし
まい、検知器方向への散乱光がバックグラウンドとして
検出されてしまう。これに比較すると前述の本発明にか
かるフローセルではS/Nが大幅に改善され、非常に高
感度な測定が可能となる。
ピラリチューブは、キャピラリチューブホルダに取付け
ることによりフローセルを形成する。図11には、その
組み立て図が示されている。細管をかぶせ、前述の方法
で加工したキャピラリチューブ20を、細管押さえ8
4、キャピラリチューブ押さえ85をキャピラリチュー
ブホルダ86にネジ止めして固定する。キャピラリチュ
ーブホルダ86及び、もしくは細管押さえ84にはV字
溝が切ってあり、この溝に細管42を落とし込み固定す
ることで細管及びキャピラリチューブが正確に位置する
ようにしている。
はレンズ固定ブロック87がネジ止めして固定される。
また、図6の場合と同様にキャピラリチューブホルダ8
6とレンズ固定ブロック87内部が嵌合関係にあるた
め、それぞれの位置関係が正確に保たれるようになって
いる。したがって、レンズとキャピラリチューブとの位
置関係も正確に保たれるようになっている。レンズ固定
ブロック87には蛍光取り出し用の穴88があいてお
り、キャピラリチューブから発した蛍光はその穴から分
光器や光学系に導かれる。
造としては、図9に示した構造の他に、図12に示す構
造とすることも可能である。この場合、加工したキャピ
ラリチューブ20の屈曲部に達する手前において、励起
光24をキャピラリチューブ流路軸に対して垂直に照射
する。キャピラリチューブ内で発生した蛍光は全方向に
放射されるが、キャピラリ軸方向の成分はキャピラリ内
部を伝播してキャピラリチューブ屈曲部へ達し、そこか
ら取り出された蛍光25を、レンズ89により集光し、
検知器34で蛍光を検知する。励起光照射位置は、場合
によっては2つの屈曲部間とすることもできる。また、
本図では、流路の出入口を平行とするためにU字型のキ
ャピラリチューブとしているが、1つの屈曲部を有する
L字型のキャピラリチューブ形状であっても構わない。
率半径が極めて小さく、蛍光を効率よく取り出すことが
でき、検知感度が向上する。
光がキャピラリ表面で反射、散乱することにより、励起
光照射部周辺は通常非常に明るくなり、この光がバック
グラウンド増加の要因となっていた。しかし、ここで説
明した検出部の構造では、キャピラリチューブ励起光照
射部と蛍光取り出し部が完全に分離されているため、励
起光照射周辺部の影響をまったく受けず、励起光による
バックグラウンド増加を抑えることができ、高感度での
蛍光検出が可能である。なお、発生する蛍光は非常に微
弱なため、信号処理法にフォトンカウント法を用いると
より効果的である。
れる発光検出用キャピラリチューブを、キャピラリチュ
ーブホルダに取付けてフローセルを形成する組み立て図
が示されている。同図において、キャピラリチューブホ
ルダ90にはキャピラリチューブが収まるサイズの溝9
2(約0.5mm幅、深さ0.5mm)を作成する。ま
た、励起光を逃がすための穴93を設けている。キャピ
ラリチューブ押さえ91には励起光を通過させるための
穴94を設けている。
20は前述の方法でU字型に加工する。キャピラリチュ
ーブのポリイミド被覆は、励起光照射位置から、蛍光が
出射される屈曲部まで取り除く。
を通し、図示した位置に設置する。この細管96は、キ
ャピラリチューブ20とそれを固定するためのスポンジ
95が直接接触するのを避けるために用いられている。
すなわち、キャピラリチューブ20とスポンジ95が接
触した場合、該接触部分ではキャピラリチューブ20外
壁と空気層による全反射が起こらなくなり、蛍光が同図
の矢印方向(蛍光方向)に伝わる前にキャピラリ外へ放
射される成分が生じてしまうからである。
ラリチューブホルダ90に設置した後、キャピラリチュ
ーブが外れないようにキャピラリチューブ押さえ91で
キャピラリチューブ20を押さえ、ネジで固定する。
照射ポイントに照射される。このとき、励起光の利用効
率を上げるためにロッドレンズもしくは中心部が細くな
ったロッドレンズを用いるとより効果的であり、同図で
はロッドレンズホルダ98に取付けたロッドレンズ97
を通して励起光を照射する。
路軸に対して垂直に入射する励起光は、キャピラリ内部
で多重反射しても検知器方向に伝播することはないが、
流路軸に対して垂直ではない励起光は検知器方向に伝播
し、キャピラリ屈曲部から蛍光と同一方向に出射してし
まい、蛍光検出時のバックグラウンド増加に寄与してし
まう。したがって、キャピラリ軸を含む面内では収束性
がなく、軸に垂直な面内では収束性があるロッドレンズ
或いはシリンドリカルレンズ等を用いるのが良い(図1
3B)。
を用いた蛍光検出器に適用される、キャピラリチューブ
から発する蛍光の集光効率がよい光学系について説明す
る。図14には、励起側分光器と蛍光側分光器を同一平
面に配置しない光学系を組む方法が示されている。同図
Z方向へ発した光源の光は励起側分光器入射スリット1
00を通過し、励起側回折格子101に照射される。励
起側回折格子面は同図Z方向に対して垂直に設置され、
略Z方向に分散光が放射される。
射スリット102より取り出され、キャピラリチューブ
フローセル屈曲部に照射される。このときキャピラリチ
ューブフローセルは、その蛍光検出範囲の流路がZ方向
に対して平行となるように設置されている。したがっ
て、励起光は屈曲部から入射した後蛍光検出範囲に達す
る。
そのうちキャピラリ流路と垂直方向に発生した蛍光を検
出する。蛍光側分光器はその回折格子103の分散方向
がXY平面と平行な方向となるように設置されている。
このようにすることで、励起光と検出光の光軸が互いに
直交するので励起光が蛍光側分光器に入り難くなり、迷
光成分を極力抑えることができる。
らキャピラリを見ると、適当なサイズの長方形となって
いるため、これを分光器の入射スリットと見立てて蛍光
側分光器を設計することも可能である。
ルの蛍光側出口に光を90度回転させ結像させる光学素
子105を配置している。このような素子としては、例
えばバンドル光ファイバが例示され、キャピラリチュー
ブフローセル側にはキャピラリチューブに沿うように横
長の窓形状をもつスリットを設置する。そして他端には
蛍光側分光器の入射スリットに沿うように縦長の窓形状
をもつスリットを設置する。このような変換素子を使用
することにより効率的な蛍光の検出が可能となる。
セルを用いた吸光度検出器について説明する。図16に
は、本発明のキャピラリチューブフローセルを用いた吸
光度検出器の概略が示されている。同図に示す吸光度検
出器110は重水素ランプ112及びハロゲンランプ1
14を光源として使用している。重水素ランプ112か
ら放射された光は光源集光レンズ118を通過後平面ミ
ラー120により反射され、分光器の入射スリット12
2上にランプの輝点像が結像する。重水素ランプは紫外
領域に強い発光スペクトルを有するので、紫外領域の測
定を行う場合は、重水素ランプを光源として使用する。
一方可視領域の測定をする場合は、光源切り替えミラー
116を回転させ、ハロゲンランプ114の輝点像が分
光器の入射スリット122上に結像する光を使用する。
プもしくはハロゲンランプからの光は分光器内に放射さ
れ、コリメータミラー126により平行光束となり回折
格子130上に照射される。回折光はコリメータミラー
128により集光され、キャピラリチューブフローセル
132の光入射側キャピラリ屈曲部に結像する。
134で光量のモニタを行い、参照側検知器136から
の信号とを合わせて処理し、吸光度の算出を行う。
ーブフローセル132の間には石英板138を設け、照
射光の一部を反射させ、参照側検知器136に導く。こ
の参照側検知器136からの出力を利用し光量変動補正
を行う。
せるために、極力キャピラリチューブフローセル132
に接近させる。
整用のヒータ及び温度センサ140を埋め込む。キャピ
ラリフローセルのケースホルダが温度調整部と接触して
いるので、温度調整することにより、フローセル部の温
度が一定に保たれる。フローセル部の温度変化は屈折率
変化を生じるため、サンプルとキャピラリの界面での反
射率も変化し、サンプルの光吸収以外の要因で透過光が
変化するため、温度変化はドリフトの要因となる。キャ
ピラリチューブフローセルの温度をより安定した状態に
保つことは、従来の一般的なフローセルにもまして重要
なことである。
類のフィルタを設置した円盤124を設置する。このフ
ィルタ円盤を図17に示す。このフィルタ円盤124に
は、高次光カットフィルタ150(例えばケンコウ社製
O−54)、及び1%程度の透過効率を有するアルミ蒸
着フィルタ152を取付ける。さらに、フィルタ取り外
し可能な機構を用意しておき、その部分にホロミウムフ
ィルタ158を取付ける。また、フィルタ円盤はこの他
に、通常状態で使用する貫通穴154及び光を透過させ
ない位置156を有している。
のフィルタ円盤124を光が透過しない位置156に設
定し、そのときの参照側、試料側からのそれぞれの出力
を読み込み、この値をその検知器及びその電気系がもっ
ているオフセット値として記憶しておき、実測定時にこ
れらの値を引いてやることにより、正確な吸光度が求め
られる。
う。最初に、フィルタ円盤124を回転させ、光路中に
約1%の透過率をもつアルミ蒸着フィルタ152を挿入
する。そして、回折格子を0nm付近に回転させる。次
に回折格子回転機構のバックラッシュを取りながら(常
に一方向から位置を検出するようにする)、試料側光検
知器の出力を読み出し、最大出力もしくは、最大出力付
近の数点から内挿した曲線のピークトップ値が得られる
モータ位置(回折格子を回転する装置を駆動するモータ
の、基準点からの回転数)を記憶部にn0として記憶し
ておく。
54の位置にする。そして、D2ランプの輝線656n
m付近に回折格子を回転させる。前記同様バックラッシ
ュを取りながら、試料側光検知器の出力を読み出し、最
大出力もしくは内挿した曲線のピークトップ値が得られ
る前記モータ位置を記憶部にn656として記憶する。
るので(例えば、サインバー方式であれば1次式で表せ
る)、上述の結果から全ての波長に対応するモータ位置
が求められる(図18A参照)。
いは波長とモータ位置の関係が1次式で表せないときに
は、特定の波長で強い吸収を示すフィルタ、例えばホロ
ミウムフィルタ158を光路中に挿入することにより、
対応点数を増やせば良い。このように3点以上の対応点
が得られたら、各点を結ぶ折れ線で関係式を求めるか、
或いは2次以上の多項式で関係式を求める(図18
B)。
用のフローセルに交換することにより、コンベンショナ
ルHPLC用、キャピラリLC用の切り替えが容易に行
える。
セルとカラム出口を接続する、接続ユニオンについて説
明する。フローセルのキャピラリチューブは、ピークの
拡がりを防ぐために直接カラムの出口に接続されること
もあるが、現実的には配管の着脱の便宜のために微小流
量ユニオンを利用するケースも多い。
図が示されている。図19Aに示すユニオンは、最小の
デッドボリウムでキャピラリ配管同士を接続することが
できる。このユニオンでは、キャピラリチューブ160
をスリーブ162(テフロン TM配管、PEEK配管)
に通す。スリーブ内径はキャピラリ外径より若干太くす
る。例えば、外径0.375mmのキャピラリチューブ
に対して外径1.6mm、内径0.4mmのスリーブを
使用する。スリーブ外径に1.6mmを選択したのはH
PLC分析において使用される配管外径が概ね1.6m
mなので、HPLC用接続部品がそのまま使用できるか
らである。
なく、特にキャピラリ内径100μm以下の場合に有効
である。このユニオンを用いた場合のキャピラリの接続
方法は次の通りである。
及び押しネジ166を通し、適当なユニオン(図19C
の様な、細い穴170は貫通しているが、スリーブ用穴
が貫通していないタイプのユニオン)にて押しネジを締
め付け、フェラル164aをかしめ、フェラル164a
がスリーブ162より容易に外れないようにする。
きキャピラリチューブを図19Aに示すユニオン168
aに取付け押しネジを締める。そして、ユニオン168
aの他方にフェラルがかしめられていない、スリーブ付
きキャピラリチューブを取付け押しネジを締めこむ。こ
のとき、スリーブ付きキャピラリチューブの先端が反対
側のスリーブ付きキャピラリチューブの先端に突き当た
っていることを確認しながら締め付けることが必要であ
る。
外し、その代わりにキャピラリ専用フェラル164bを
用いた場合である。このタイプはデッドボリウムという
点では図18Aのタイプと同等の優れた面をもってい
る。
リーブ付きキャピラリチューブの先端間に、スリーブや
キャピラリは貫通しないほどの細い貫通穴170をあ
け、その長さを極力短くした構造となっている。このよ
うな構造のユニオン168cを使用することによりデッ
ドボリウムを最小に抑えることができる。しかし、貫通
穴径以下の内径のキャピラリチューブを接続するとピー
クの拡がりが大きくなる。通常の加工法では、最小の穴
径は100μm前後となるので内径100μm以下のキ
ャピラリチューブの接続には適さない。
通し、該細管を細管固定用支持器に挟み込んで固定した
後、該細管端部をマイクロバーナで加熱して曲げ加工を
施し曲率半径Rが0.5mmのキャピラリチューブAを
作成した。このキャピラリチューブAを用いたセルと、
従来手法で曲げ加工を施したキャピラリチューブB(曲
率半径Rが2.0mm)を用いたセルについて、キャピ
ラリチューブを透過する光量を測定した。また、ベース
ラインのノイズ量を比較した。送液溶媒としてアセトニ
トリルを用い、測定波長250nmで透過光の測定を行
った。透過光量の測定結果を表1に、ベースラインの測
定結果を図20に示す。
に示した加工方法で曲げ加工を施したキャピラリチュー
ブA(曲率半径Rが0.5mm)を用いた場合では、従
来手法で曲げ加工を施したキャピラリチューブB(曲率
半径Rが2.0mm)を用いた場合に比較して、透過光
量が6.5倍も高かった。このように、キャピラリチュ
ーブ屈曲部において2mm未満の曲率半径を形成可能と
した本発明では、従来に比して検知感度を大幅に向上さ
せることが可能である。
に、ベースラインノイズ量においても、前述の加工方法
で曲げ加工を施したキャピラリチューブAを用いた場合
では、従来手法で曲げ加工を施したキャピラリチューブ
Bを用いた場合に比較して低減されており、数倍の改善
が認められた。
用いて、カルモデュリン(Calmodulin)のト
リプシン分解物の分離分析を行った。流量は50μl/
min、移動相として、A:0.05%TFA水溶液、
B:0.05%TFAアセトニトリル溶液を用い、A/
B:95/5〜0/100で、30分間のリニアグラジ
エント溶出を行った。1μlの試料を注入し、カラムに
はODS(1.5mmID×150mmL)を用い、検
出波長210nmで測定を行った。
試料は十分な分離能で分離、検出された。
(50μmIDキャピラリチューブ、セル容量15n
l)を用いた場合と、セミミクロテーパセルを用いた場
合について、PAHの分離分析を行い、測定結果を比較
した。このセミミクロテーパセルは、従来のフローセル
形状に類似したセルで、特別に小流量向けの寸法にした
ものである。流量は5.0μl/min、移動相とし
て、水及びアセトニトリルを用い、グラジエント溶出を
行った。PAHを水:アセトニトリル=50:50溶液
で4μg/lに調整して試料溶液とし、1μlを注入し
た。カラムにはODS(0.3mmID×150mm
L)を用い、カラム温度は40℃に設定し、検出波長2
60nmで測定を行った。
同図Aに示すように、前述の吸光度検出用のキャピラリ
チューブフローセルを用いた場合には、試料は十分な分
離能で分離、検出された。また、セミミクロテーパセル
を用いた同図Bではフローセル中でのピークの拡がりの
ため、ピーク分離が低下している。
用い、フローインジェクション法によりフローセル内に
各濃度のカフェイン水溶液を注入し、波長266nmで
吸光度を測定した。カフェイン濃度と計測値のプロット
を図23に示す。
径50μm、200μmいずれの場合も非常に良い直線
性を示しており、本発明のキャピラリチューブフローセ
ルを用いた場合に高精度の測定が可能であることがわか
る。
リチューブフローセルによれば、屈曲部の曲率半径が2
mm未満であるので、従来に比して大幅に高い検知感度
での測定が可能である。また、本発明のキャピラリチュ
ーブフローセルの製造方法によれば、熱伝導性の良い細
管と細管固定用支持器を用いることとしたので、曲率半
径が非常に小さい屈曲部が簡易かつ再現性良く作製可能
である。
吸光度測定法の概略説明図である。
検出部の構造説明図である。
製造方法の概略説明図である。
製造方法の概略説明図である。
組み立て図である。
組み立て図である。
一態様を示した概略構成図である。
組み立て図である。
ローセルの検出部の構造説明図である。
構成図である。
フローセルの組み立て図である。
フローセルの検出部の構造説明図である。
フローセルの組み立て図である。
を用いた蛍光検出器の光学系の概略説明図である。
を用いた蛍光検出器の光学系の概略説明図である。
を用いた吸光度検出器の概略説明図である。
る。
の関係のプロットである。
る、キャピラリチューブの屈曲部を形成する方法の概略
説明図である。
射光、16:検知器、20:キャピラリチューブ、2
4:入射光、25:蛍光、30:屈曲部、32:屈曲
部、34:検知器、40:ポリイミド剥離部、42:細
管、44:細管固定用支持器、46:マイクロバーナ、
48:ポリイミド剥離部、50:レンズ固定ブロック止
め板、52:通し穴、54:キャピラリチューブ保持
材、56:押しネジ、58:支持材、60:V字溝、6
2:細管押さえ、64:キャピラリチューブ押さえ、6
6:レンズ固定ブロック、68:短焦点レンズ、70:
ホルダユニット、72:キャピラリ押さえ、74:細管
押さえ、76:フローセルホルダ、78:ピン、80:
ポリイミド剥離部、84:細管押さえ、85:キャピラ
リチューブ押さえ、86:キャピラリチューブホルダ、
87:レンズ固定ブロック、88:蛍光取り出し用穴、
89:レンズ、90:キャピラリチューブホルダ、9
1:キャピラリチューブ押さえ、92:溝、93:逃げ
穴、94:励起光通過用穴、95:スポンジ、96:細
管、97:ロッドレンズ、98:ロッドレンズホルダ、
100:入射スリット、101:励起側回折格子、10
2:出射スリット、103:蛍光側回折格子、104:
出射スリット、105:光学素子、110:吸光度検出
器、112:重水素ランプ、114:ハロゲンランプ、
116:光源切り換えミラー118:光源集光レンズ、
120:平面ミラー、122:入射スリット、124:
円盤、126:コリメータミラー、128:コリメータ
ミラー、130:回折格子、132:キャピラリチュー
ブフローセル、134:試料側検知器、136:参照側
検知器、138:石英板、140:温度調整用ヒータ及
び温度センサ、150:高次光カットフィルタ、15
2:アルミ蒸着フィルタ、154:貫通穴、156:光
を透過しない位置、158:ホロミウムフィルタ、16
0:キャピラリチューブ、162:スリーブ、164:
フェラル、166:押しネジ、168:ユニオン、17
0:貫通穴、202:テンプレート、204:貫通穴、
206:インサート、208:キャピラリチューブ、2
10:円盤、212:中央孔、214:キャピラリチュ
ーブ
Claims (4)
- 【請求項1】 U字型もしくはZ字型に屈曲した石英製
キャピラリチューブを備え、その一方の屈曲部から、他
方の屈曲部への流路方向に光を照射し、前記他方の屈曲
部からの透過光を検出する吸光度検出用キャピラリチュ
ーブフローセルにおいて、 前記屈曲部の曲率半径が2mm未満であることを特徴と
する吸光度検出用キャピラリチューブフローセル。 - 【請求項2】 L字型に屈曲した石英製キャピラリチュ
ーブを備え、その流路中のサンプルへ励起光を照射し、
該サンプルの発光を検出する発光検出用キャピラリチュ
ーブフローセルにおいて、 その屈曲部から、流路方向に励起光を照射して該サンプ
ルの発光を検出し、前記屈曲部の曲率半径が2mm未満
であることを特徴とする発光検出用キャピラリチューブ
フローセル。 - 【請求項3】 L字型に屈曲した石英製キャピラリチュ
ーブを備え、その流路中のサンプルへ励起光を照射し、
該サンプルの発光を検出する発光検出用キャピラリチュ
ーブフローセルにおいて、 前記流路方向と略垂直な方向から励起光を照射して、屈
曲部から取り出す該サンプルの発光を検出し、 前記屈曲部の曲率半径が2mm未満であることを特徴と
する発光検出用キャピラリチューブフローセル。 - 【請求項4】 U字型、Z字型またはL字型に屈曲した
石英製キャピラリチューブを備え、その流路中のサンプ
ルへ光を照射し、該サンプルからの光を検出するキャピ
ラリチューブフローセルの製造方法において、 熱伝導性の良い細管を通した前記キャピラリチューブ
の、該細管を通した部分を熱伝導性の良い細管固定用支
持器に挟み込み固定する工程と、 前記キャピラリチューブに通した細管の端付近を加熱
し、該キャピラリチューブを曲げて屈曲部を形成する工
程と、 を含むことを特徴とするキャピラリチューブフローセル
の製造方法。
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