JP2002267542A - 温度検出装置、加熱定着装置および画像形成装置 - Google Patents

温度検出装置、加熱定着装置および画像形成装置

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JP2002267542A JP2001063193A JP2001063193A JP2002267542A JP 2002267542 A JP2002267542 A JP 2002267542A JP 2001063193 A JP2001063193 A JP 2001063193A JP 2001063193 A JP2001063193 A JP 2001063193A JP 2002267542 A JP2002267542 A JP 2002267542A
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仁志 西谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度検出精度が高く定着加熱むらや破損の危険
性のない高品質・高信頼性の温度検出装置を提供する。 【解決手段】温度検出素子1を耐熱性弾性部材2を介し
て温度検出素子保持部3に保持し、圧縮ばね5、6によ
り温度検出素子1を加熱体8に加圧接触させる。温度検
出素子保持部3は位置決め孔3dと3eに加熱体保持部
材9の突起9aと9bが嵌合することで位置決めされ
る。そして、温度検出素子保持部3には、圧縮ばね5、
6のばね受け面3bと3cが位置決め孔3dと3eと共
に一体に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、レーザープ
リンタ、ファキシミリ等の電子写真プロセスを用いる画
像形成装置の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真を用いた画像形成装置
は、例えば図4のように構成されている。
【0003】図4において、201は感光ドラム、20
2は帯電ローラ、203はレーザー露光装置、204は
反射ミラー、205は現像スリーブ、206はトナー、
207はトナー容器、208は転写ローラ、209は被
記録媒体としての紙等のシート、210はクリーニング
ブレード、211は廃トナー容器、212は定着装置、
213はペーパーカセット、214は給紙ローラ、21
5は分離パッド、216は高圧電源である。
【0004】感光ドラム201は矢印の方向に回転し、
高圧電源216から給電される帯電装置202によって
一様に帯電される。レーザー露光装置203から発せら
れたレーザー光は反射ミラー204で反射され感光ドラ
ムへ照射され、感光ドラム上には静電潜像が形成され
る。トナー容器207の中にはトナー206が充填され
ており、現像スリーブ205の回転に伴い、適量のトナ
ーが適度の帯電を受けた後、感光ドラム上に供給されて
いる。
【0005】現像スリーブ205上のトナーは、感光ド
ラム201の静電潜像に付着し、潜像が現像されトナー
像として可視化される。ペーパーカセット213より給
紙ローラ214はタイミングをとって、被記録媒体とし
てのシートを1枚ずつ給紙する。分離パッド215は給
紙ローラ214と当接して配置され、その表面の摩擦係
数、接地角度、形状は被記録媒体としてのシート209
を1度の給紙毎に1枚のみ送るように調整されている。
【0006】可視化された感光ドラム201上のトナー
像は転写ローラ208によりシート209上に転写され
る。転写されずに感光ドラム201上に残った転写残ト
ナーはクリーニングブレード210により廃トナー容器
211に収納され、表面をクリーニングされた感光ドラ
ム201は繰り返し次の画像形成プロセスに入る。また
未定着トナー像を乗せたシート209は定着装置212
によって加熱、加圧を受けトナー像が紙上に永久定着さ
れる。
【0007】従来、定着装置212としては、特開昭6
3−313182号公報で示されるセラミックの基板上
に抵抗発熱体のパターンを設けて加熱体を作り、これを
発熱させて薄いフィルムを介して被加熱体を加熱するフ
ィルム加熱方式が用いられている。
【0008】しかし、このようなフィルム加熱方式で
は、エンドレスベルト状のフィルムに大きな寄り力が発
生する。この対策として特開平04−44057号公
報、特開平04−44077号公報で開示されるよう
に、エンドレスフィルムを余裕を持って懸回駆動し、フ
ィルムの寄り力を小さくするとともに駆動トルクを低減
する方式が実用化されている。
【0009】このようなフィルム定着装置の断面図の一
例を図5に示した。図5において、8は加熱体であり、
セラミック基板上に抵抗発熱体8aを形成されており、
その上に保護層としてガラス層8bをコートしている。
加熱体の裏面には温度検出手段107が実装されてお
り、加熱体8の温度を検知している。
【0010】抵抗発熱体8aは不図示の電源により給電
され発熱する。温度検出手段107の温度が一定になる
ように、CPU50によりトライアック51が駆動さ
れ、給電電極52を介して抵抗発熱体8aへの給電電力
量が制御されている。
【0011】定着フィルム101は筒状の3層構造の耐
熱性フィルムである。もっとも内側の層はベース層であ
り、定着フィルムのねじれ強度、平滑性などの機械的特
性を担う層であり、ポリイミド、ポリアミドイミド、P
EEK、PES、PPS等の樹脂でできている。次の層
は導電プライマ層であり、カーボンブラックなどの導電
性粒子が分散された導電層であり、第三層目とベース層
の接合を行なう接着剤の役目を担っている。もっとも外
側の層がトップ層であり、さまざまな画像不良を引き起
こさないよう最適な抵抗値と膜厚になるように設計され
る。
【0012】9は加熱体8を支持する加熱体保持部材で
あり、PPS、液晶ポリマーなどの耐熱性を持つ樹脂で
成型され、かつ定着フィルム101の円滑な回転を促す
案内部材としての役割も持つ。106は定着ステーであ
り、鉄、アルミなどの金属でできている。定着ステー1
06は加熱体支持部材9のクリープによる変形を抑え、
加熱体支持部材9の剛性を高める役割を果たしている。
【0013】104は加圧ローラであり、アルミ、鋳鉄
などで作られる芯金104aをシリコンゴムなどの耐熱
性を有する弾性体104bで覆っている。加圧ローラ1
04の表層はトナーとの離型性があるPFA、PTF
E、FEPなどのフッ素樹脂の被膜が設けられている。
【0014】加圧ローラ104は、定着フィルム101
を挟んで加熱体8に圧接され、その圧接部で定着ニップ
Nを形成している。加圧ローラ104の芯金104aは
回転駆動を受け、定着フィルム101は定着ニップ部で
従動回転する。トナーを担持した記録材としてのシート
Pは不図示の転写ローラと感光ドラムにより搬送され、
定着入り口ガイド105によって定着ニップ部に案内さ
れる。シートP上に担持された未定着のトナーTは定着
ニップ部で記録材上に加圧されるとともに加熱され、ト
ナー樹脂が軟化しシートPに密着し永久定着される。
【0015】このようなフィルム加熱方式の定着装置に
は、低熱容量のヒータを用いることができるため、従来
の熱ローラ方式に比べ、ウエイトタイムの短縮化(クイ
ックスタート)が可能となる。また、クイックスタート
が可能となることにより、非プリント動作時の予熱が必
要なくなり、総合的に省電力化を図ることができる。
【0016】図6は従来の温度検出装置が取り付けられ
た従来の定着器を示し、(a)は平面図、(b)は温度
検出装置が自由状態の図、(c)は(a)のA-A線断
面図、(d)は(c)のB-B線断面図である。
【0017】図6において、従来の温度検出装置は、下
面に温度検出素子1を設けた耐熱弾性部材2を温度検出
素子保持部材33に温度検出素子保持面33aを合わせ
て取り付けており、温度検出素子保持部材33は、温度
検出素子1のリード線を兼ねる2本の電気的に絶縁され
ている板ばね35aと35bを介して位置決め体34に
取り付けられている。
【0018】位置決め体34は、前後に長孔の位置決め
孔34aと、円形の位置決め孔34bとが形成されてい
る。また、位置決め体34からは前記板ばね35aと3
5bとにそれぞれ接続するハーネス7が引き出され、図
5に示すCPUに接続される。
【0019】39は加熱体保持部材で、位置決め体34
の位置決め孔34aと34bに嵌合する位置決め突起3
9aと39bが一体に形成されている。また、加熱体保
持部材39には、孔部39cが形成され、この孔部39
cに露出している加熱体8のセラミック基板に温度検出
素子1が接触できるようになっている。
【0020】温度検出装置は自然状態においては図6の
(b)に示すように、板ばね35a、35bが途中で折
り曲げられて温度検出素子保持部材33が下向きの姿勢
になっており、加熱体保持部材39に位置決め体34を
取り付けることによって、板ばね35aと35bの弾性
変形によって、温度検出素子1と加熱体8との接触面の
圧がかかる構成になっている。
【0021】又、位置決め部34は位置決め孔34a,
34bと突起9a,9bの嵌め合いによって、位置決め
体34のラジアル方向の位置が決定し、位置決め体34
のスラスト方向は図示されていない固定部材によって固
定保持される構成になっている。
【0022】図6に示すとおり、温度検出装置は、位置
決め体34によって、加熱体保持部材39及び加熱体8
とに対して位置決めされ、板ばね35a、35bを介し
て温度検出素子保持部34と連結されており、板ばねの
曲げ応力の作用によって温度検出素子と加熱体の接触圧
が保証される構成になっている。
【0023】図7は接触圧と検出温度の関係を示した概
略図であり、横軸は接触圧、縦軸は温度検出素子の出力
を示し、図示したグラフは温度が一定のときに、接触圧
を変化させたときの出力の変化を図にしたものである。
【0024】図に示す通り、接触圧が変化すると、検出
結果が変化してしまう特性を持っているため、実際は勾
配の小さい図示の範囲を使用範囲とするが、勾配は決し
て0ではなく、接触圧をより安定させることが精度の良
い温度検出、ひいては応答の高速化、温度制御の最適化
へつながる重要な設計課題となっている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温度検出装置及びそれを用いた加熱定着装置では以下の
ような問題点を有していた。
【0026】第一の問題点は、接触面の面圧と圧バラン
スが安定しないという点である。板ばねの製造ばらつき
によって、曲げ形状がばらつくと接触面が安定しないと
いう傾向をもっており、加圧力が一定であっても温度検
出素子が接している箇所が部分的に圧がかからない状態
が起こりうる。このことは温度の検出精度を損ねる原因
となる大きな問題点である。
【0027】第二の問題点は、加熱体への位置決め精度
が安定しないという点である。従来の温度検出手段は位
置決め部と温度検出素子保持部が別体で板ばねによって
連結されていることから、温度検出手段の製造ばらつき
によって、保持部と位置決め部の寸法がばらつくと加熱
体と温度検出素子の位置精度が安定しないという傾向を
持っている。加熱体も温度分布を持っていることから、
このことは温度の検出精度を損ねる原因となる大きな問
題点である。
【0028】第三の問題点は、貫通孔が大きくなってし
まうという点である。従来の温度検出装置は位置決め部
と温度検出素子保持部が別体で板ばねによって連結され
ていることから、温度検出装置の製造ばらつきを吸収す
るため、温度検出素子保持部の寸法に対して貫通孔を十
分大きくする必要があった。この結果、加熱体が加熱体
保持部材にも温度検出装置にも接触していない領域が大
きくなってしまう傾向があった。この非接触部は放熱さ
れないので加熱体の温度が周囲に比べ異常に高くなるた
め、非接触部が大きいことは定着加熱のむらやひいては
熱応力による加熱体の破損の原因となる大きな問題点で
ある。
【0029】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
であって、温度検出精度が高く定着加熱むらや破損の危
険性のない高品質・高信頼性の温度検出装置、加熱定着
装置および画像形成装置を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、被温度測
定体の温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素
子を耐熱性の弾性体を介して保持する温度検出素子保持
部材と、前記温度検出素子保持部材を互いの1または複
数の位置決め部位の協働により位置決めする被位置決め
部材と、前記温度検出素子保持部材を加圧して前記温度
検出素子を前記被温度検出体に加圧接触させる複数のば
ね部材とを有し、前記温度検出素子保持部材には、前記
複数の各ばね部材の一端部が夫々当接するばね受面と前
記温度検出素子保持部材側の1または複数の位置決め部
位とが一体に形成されたことを特徴とする温度検出装置
にある。
【0031】第2の発明は、上記第1の発明で、前記複
数のばね受け面が前記温度検出素子に対し長手方向にお
いて略対称な位置に配置されていることを特徴とする。
【0032】第3の発明は、上記いずれかの発明で、前
記複数のばね受け面は前記複数の位置決め部位よりも長
さ方向内側に配置されていることを特徴とする。
【0033】第4の発明は、上記第1または第2の発明
で、前記少なくとも一つのばね受面は、前記被位置決め
部材に形成された前記いずれか一つの位置決め部位と中
心が一致して形成されていることを特徴とする。
【0034】第5の発明は、上記第1、第2または第4
の発明で、前記温度検出素子保持部材に形成されている
位置決め部位と前記被位置決め部材に形成されている複
数の位置決め部位の中で、中心が前記ばね受面と一致す
る位置決め部位は、一方の位置決め部位が孔部で、他方
の位置決め部位は前記孔部に嵌合する突起部であること
を特徴とする。
【0035】第6の発明は、上記いずれかの発明で、前
記温度検出素子保持部材に形成されている位置決め部位
と前記被位置決め部材に形成されている複数の位置決め
部位の中で、中心が前記ばね受面と一致する位置決め部
位以外の位置決め部位の一つは、前記温度検出素子保持
部材を幅方向両側から支持するように前記被位置決め部
材に設けられた支持部材であることを特徴とする。
【0036】第7の発明は、加熱体と、前記加熱体にフ
ィルムを介して加圧接触する加圧ローラと、前記加熱体
を被温度測定体とし温度を検出する上記いずれかに記載
の1または複数の温度検出装置と、前記加熱体を保持す
ると共に、前記加熱体を露出させて前記耐熱弾性部材が
嵌り込む貫通孔を有する前記被位置決め部材としての加
熱体保持部材と、前記温度検出装置のばね受け面に一端
が作用する前記ばね部材の反力を受ける固定部材とを有
することを特徴とする加熱定着装置にある。
【0037】第8の発明は、上記した加熱定着装置を備
え、画像形成工程を経て記録材上に担持されたトナー像
を前記加熱定着装置により記録材に定着させることを特
徴とする画像形成装置にある。
【0038】上記した構成では、位置決め部位と温度検
出手段保持部が一体化されていることによって、温度検
出装置と加熱体及び加熱体保持部との位置精度が向上す
る作用がある。又、位置精度が向上することによって加
熱体保持部材の貫通孔を可及的に小さくできる作用もあ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]図1は本発
明の第1の実施の形態を示す。
【0040】図1は温度検出装置が加熱体保持部材に取
り付けられた加熱定着装置を示す図であり、(a)は平
面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(c)は
(b)のB-B線断面図である。
【0041】図1において、1は温度検出素子、2は耐
熱弾性部材、3は温度検出素子保持部、3aは温度検出
素子保持面、3bと3cはばね受け面、3dと3eは位
置決め孔、5と6は圧縮ばね、7はハーネス、8は加熱
体、9は加熱体保持部材、9aと9bは温度検出素子保
持部を位置決めする突起である。ただし、平面図におい
て、圧縮ばねは省略されている。
【0042】図1において、温度検出装置は、温度検出
素子保持部材3の下端部に設けた温度検出素子保持面3
aに、温度検出素子1を下面に有する耐熱弾性部材2を
取り付けており、温度検出素子保持部材3の長手方向の
両端部には円形の位置決め孔3dと長孔の位置決め孔3
cが形成され、また位置決め孔3dと3eよりも内側の
上端面には、圧縮ばね5、6の下端部がはまり込むばね
受け面3bと3cが形成されている。また、温度検出素
子保持部材3は、他端側から温度検出素子1に接続され
ているハーネス7が外に延びている。
【0043】また、加熱体保持部材9には、温度検出素
子保持部材3の位置決め孔3dと3cに嵌合する位置決
めする突起9aと9bが形成され、これら位置決め孔3
d,3cと、突起9a,9bとを嵌合させると、加熱体8
を露出させる貫通孔9cに耐熱弾性部材2が嵌り込み、
温度検出素子1が加熱体8に接触する。ただし、図1
(a)において、圧縮ばね5は省略されている。
【0044】温度検出装置は、位置決め孔3d,3cと
突起9a,9bの嵌め合いによって位置決め突起のラジ
アル方向の位置が決定し、圧縮ばね5、6の上端(温度
検出装置を付勢している側と反対側)が図示されていな
い固定部材によって固定され、圧縮ばね5、6が所定の
作用長で保持されることによって、温度検出装置のスラ
スト方向の位置が決定する構成となっている。
【0045】また、本実施の形態では、圧縮ばね5、6
が温度検出素子1に関して長手方向においてほぼ対称に
配置されているのは、接触面における接触圧の圧バラン
スを均一にするための考慮である。
【0046】図1に示す通り、本発明の第1の実施の形
態によれば、温度検出素子1を中心にしてヒータ長手方
向においてほぼ対称な位置を圧縮ばねによって温度検出
装置の裏側から直接付勢しているため、温度検出素子1
と加熱体8の接触圧を安定させる効果がある。
【0047】また、従来例のように温度検出素子保持部
と位置決め部が板ばねで連結された構成でなく、温度検
出素子保持部に位置決め孔が形成されているため、加熱
体と加熱体保持部材との位置決め精度を向上させること
ができる。この結果、従来例に比べて、温度検出の精度
を向上させることができる。位置精度が向上するため、
従来例に比べて貫通孔部における加熱体の非接触面を狭
く設定することができ、定着加熱のむらや熱応力による
加熱体の破損が発生しにくい。
【0048】また、本実施の形態は、位置決め部位は、
温度検出素子保持部材側を孔、加熱体保持部材を突起で
描かれているが、温度検出素子保持部材側を突起、加熱
体保持部材を孔となっていても同様の効果があることは
いうまでもない。
【0049】また、本実施の形態は、定着加熱装置1つ
に対して、温度検出装置が1つ設けられた例を説明した
が、定着加熱装置1つに対して、温度検出装置を2つ以
上設け、異なった部分の温度を検出して温度調節制御す
る形態の定着加熱装置であっても、本発明を適用すれば
それぞれの箇所の温度検出精度が安定させる効果がある
ため有効である。
【0050】さらに、2つ以上の温度検出装置を設ける
場合でも特に精度が必要な箇所や、寸法上の制約がある
箇所のみ本発明の温度検出装置を使用し他の箇所には従
来の温度検出装置を使用しても定着加熱装置全体として
は効果がある。
【0051】また、検出精度の面から十分均一であれ
ば、ばね配置の対称性の程度やばねの個数は不問であ
る。
【0052】[第2の実施の形態]図2は本発明の第2
の実施の形態を示す。図2は温度検出装置が加熱体保持
部材に取り付けられた加熱定着装置を示す図であり、
(a)は平面図、(b)は(a)のA-A線断面図、
(c)は(b)のB-B線断面図である。
【0053】図2において、1は温度検出素子、2は耐
熱弾性部材、13は温度検出素子保持部、13aは温度
検出素子保持面、13bと13cはばね受け面、13d
と13eは位置決め孔、5と6は圧縮ばね、7はハーネ
ス、8は加熱体、9は加熱体保持部材、9aと9bは温
度検出素子保持部を位置決めする突起である。ただし、
平面図において、圧縮ばねは省略されている。
【0054】本実施の形態と上記した第1の実施の形態
との違いは、圧縮ばね5、6を突起9bと9aと同軸的
に配置したもので、位置決め孔13eと13dの周囲に
それぞればね受け面13cと13bが形成されている。
【0055】本実施の形態では、温度検出装置は、位置
決め孔と突起のはめあいによって位置決め突起のラジア
ル方向の位置が決定し、圧縮ばねの上端(温度検出素子
保持部材13を付勢している側と反対側)が図示されて
いない固定部材によって固定され、圧縮ばね5、6が所
定の作用長で保持されることによって、温度検出装置の
スラスト方向の位置が決定する構成となっていることは
第1の実施の形態と同様である。
【0056】圧縮ばね5、6の中心と位置決め孔13e
と13dの中心が一致しているのは、前記位置決め孔と
前記位置決め突起の静止摩擦と、圧縮ばねの付勢力がつ
り合ってしまい、温度検出装置が所定の位置まで降下せ
ずに途中で止まってしまうことと、途中で止まってしま
わないまでも静止摩擦力によって圧縮ばねの付勢力を損
失してしまうことを防止するためであって、このように
ばねの付勢力が作用する点と、孔と突起の静止摩擦が発
生する点と一致させることによって、前述のような不具
合を可及的に防止できる。
【0057】図2に示す通り、本発明の第2の実施の形
態によれば、位置決め孔と圧縮ばねの中心を一致させ、
位置決め孔と突起の摩擦の影響を最小限に抑えることに
よって、温度検出素子と加熱体の接触圧を安定させる効
果があり、第1の実施の形態に比べて更に温度検出の精
度を向上させることができる。
【0058】[第3の実施の形態]図3は本発明の第3
の実施の形態を示す。
【0059】図3は、温度検出装置が加熱体保持部材に
取り付けられた加熱定着装置を示す図であり、(a)は
平面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(c)は
(b)のB-B線断面図である。
【0060】図3において、1は温度検出素子、2は耐
熱弾性部材、23は温度検出素子保持部材、23aは温
度検出素子保持面、23bと23cはばね受け面、23
dは位置決め孔、23eは外周当接部位、5と6は圧縮
ばね、7はハーネス、8は加熱体、29は加熱体保持部
材、29aは温度検出素子保持部材23を位置決めする
突起である。29bは加熱体保持部材29に一体的に形
成された位置決め部で、温度検出素子保持部材23の幅
方向両側に配置されて温度検出素子保持部材23の幅方
向位置の位置決めを行なう。この位置決め部29bは、
一方の圧縮ばね5の配置される位置に合わせて設けられ
ている。ただし、平面図において、圧縮ばねは省略され
ている。
【0061】本実施の形態と上記した第2の実施の形態
との相違点は、第2の実施の形態では温度検出素子保持
部材の長さ方向の一方に突起が挿入される長孔を設けて
位置決めを行なっていたが、本実施の形態ではこの長孔
と突起に代えて上記した一対の位置決め部29bにより
温度検出素子保持部材23の一端側と当接して位置決め
するようにしている。
【0062】温度検出装置は、温度検出素子保持部材2
3の他方側に設けた位置決め孔23dと突起29aのは
めあいによって位置決め突起29aのラジアル方向の位
置が決定し、圧縮ばねの上端(温度検出素子保持部材2
3を付勢している側と反対側)が図示されていない固定
部材によって固定され、圧縮ばねが所定の作用長で保持
されることによって、温度検出手段のスラスト方向の位
置が決定する構成となっていることは第1・第2の実施
の形態と同様である。
【0063】温度検出素子からハーネスまでの導体のレ
イアウトによっては第1・第2の実施の形態のように位
置決め孔を設けられない場合があり、本実施の形態のよ
うに外周で位置決めする構成となる場合がある。
【0064】図3に示す通り、本発明の第3の実施の形
態によれば、位置決めを孔でなく温度検出素子保持部材
23の外周で行なう構成であっても、第1・第2の実施
の形態と同等の効果を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、位置決め部と温度検出
素子保持部を一体化することによって、接触面の面圧が
安定化すると共に加熱体に対する位置決め精度を向上
し、温度検出素子と被温度測定体としての加熱体及び加
熱体保持部材の位置精度の向上が図れ、加熱定着装置の
低消費電力化や立ち上げ時間の短縮などに寄与するた
め、この発明の効果は大きい。
【0066】また、温度検出素子と被温度測定体として
の加熱体を保持する加熱体保持部材の位置精度が向上す
る結果、加熱体保持部材の貫通孔を小さく設計すること
が可能となり、加熱体の非接触面積が従来に比べて小さ
くできるため、定着加熱のむらや熱応力による加熱体の
破損が発生しにくい加熱定着装置を実現でき、この発明
の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における温度検出装
置が加熱体保持部材に取り付けられた加熱定着装置を示
す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A
線断面図、(c)は(b)のB-B線断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態における温度検出装
置が加熱体保持部材に取り付けられた加熱定着装置を示
す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A
線断面図、(c)は(b)のB-B線断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態における温度検出装
置が加熱体保持部材に取り付けられた加熱定着装置を示
す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A
線断面図、(c)は(b)のB-B線断面図
【図4】従来の画像形成装置の概略断面図
【図5】従来の加熱定着装置の概略断面図
【図6】従来の温度検出装置を加熱体保持部材に取り付
けた加熱定着装置を示す図で、(a)は平面図、(b)
は温度検出装置が自由状態の図、(c)は(a)のA-
A線断面図、(d)は(c)のB-B線断面図
【図7】従来の温度検出手段の特性図
【符号の説明】
1 温度検出素子 2 耐熱弾性部材 3 温度検出素子保持部 5,6 圧縮ばね 7 ハーネス 8 加熱体 9 加熱体保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F056 CE01 QF02 2H033 AA18 AA42 BA32 BE03 CA07 3K058 AA01 AA42 AA81 BA18 CA61 CE13 DA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被温度測定体の温度を検出する温度検出
    素子と、前記温度検出素子を耐熱性の弾性体を介して保
    持する温度検出素子保持部材と、前記温度検出素子保持
    部材を互いの1または複数の位置決め部位の協働により
    位置決めする被位置決め部材と、前記温度検出素子保持
    部材を加圧して前記温度検出素子を前記被温度検出体に
    加圧接触させる複数のばね部材とを有し、前記温度検出
    素子保持部材には、前記複数の各ばね部材の一端部が夫
    々当接するばね受面と前記温度検出素子保持部材側の1
    または複数の位置決め部位とが一体に形成されたことを
    特徴とする温度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のばね受け面が前記温度検出素
    子に対し長手方向において略対称な位置に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の温度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のばね受け面は前記複数の位置
    決め部位よりも長さ方向内側に配置されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の温度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも一つのばね受面は、前記
    被位置決め部材に形成された前記いずれか一つの位置決
    め部位と中心が一致して形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の温度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記温度検出素子保持部材に形成されて
    いる位置決め部位と前記被位置決め部材に形成されてい
    る複数の位置決め部位の中で、中心が前記ばね受面と一
    致する位置決め部位は、一方の位置決め部位が孔部で、
    他方の位置決め部位は前記孔部に嵌合する突起部である
    ことを特徴とする請求項1、2または4に記載の温度検
    出装置。
  6. 【請求項6】 前記温度検出素子保持部材に形成されて
    いる位置決め部位と前記被位置決め部材に形成されてい
    る複数の位置決め部位の中で、中心が前記ばね受面と一
    致する位置決め部位以外の位置決め部位の一つは、前記
    温度検出素子保持部材を幅方向両側から支持するように
    前記被位置決め部材に設けられた支持部材であることを
    特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の温度検出
    装置。
  7. 【請求項7】 加熱体と、前記加熱体にフィルムを介し
    て加圧接触する加圧ローラと、前記加熱体を被温度測定
    体とし温度を検出する請求項1乃至6のいずれかに記載
    の1または複数の温度検出装置と、前記加熱体を保持す
    ると共に、前記加熱体を露出させて前記耐熱弾性部材が
    嵌り込む貫通孔を有する前記被位置決め部材としての加
    熱体保持部材と、前記温度検出装置のばね受け面に一端
    が作用する前記ばね部材の反力を受ける固定部材とを有
    することを特徴とする加熱定着装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の加熱定着装置を備え、
    画像形成工程を経て記録材上に担持されたトナー像を前
    記加熱定着装置により記録材に定着させることを特徴と
    する画像形成装置。
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