JP2002266785A - ポンプ用羽根車及びその成形方法 - Google Patents

ポンプ用羽根車及びその成形方法

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JP2002266785A
JP2002266785A JP2001069532A JP2001069532A JP2002266785A JP 2002266785 A JP2002266785 A JP 2002266785A JP 2001069532 A JP2001069532 A JP 2001069532A JP 2001069532 A JP2001069532 A JP 2001069532A JP 2002266785 A JP2002266785 A JP 2002266785A
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blade
pump
mold
pressure surface
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JP2001069532A
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English (en)
Inventor
Takafumi Saeki
尚文 佐伯
Katsuyuki Urayama
且行 浦山
Naotarou Abe
尚太郎 阿部
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 擦り傷を付けることなく成形できる羽根形状
でありながら、ポンプ効率が高くなる、ポンプ用羽根車
及びその成形方法を提供する。 【解決手段】 本発明のポンプ用羽根車42及びその成
形方法は、羽根車42の円盤部43の外周縁43bに半
径方向に向けた多数の羽根45が外リング44の内側に
形成され、この羽根45は、羽根車42の回転方向側で
ある圧力面46を谷形に形成し、圧力面46の裏面側で
ある負圧面47を略山形に形成されるとともに、回転方
向側へ向けて前傾させて形成されている。そして、この
ポンプ用羽根車42は、縦横ラックをラック用ギアで歯
合させた、回動機構を介して回動し脱型させる回動型部
により成形させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤部外周縁に多
数の羽根を形成させ、この羽根の回転方向側は谷形に、
裏面側は略山形として各羽根間を円盤部外面側に拡開さ
せて、ポンプ効率と羽根車の成形性の向上を図るように
した、ポンプ用羽根車及びその成形方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、特開2000−64989号公報
に示す、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)の
ようなものが開示されている。
【0003】すなわち、図6(a)、(b)に示すよう
に、自動車等に搭載されるポンプ用羽根車1は、この羽
根車1の円盤部3の外周側に設けられた多数の羽根2
が、円盤部3の厚さtの中央cLから角度θの略山形を
して、周方向に拡開するように成形されている。
【0004】したがって、この羽根車1の成形は、図7
の成形型10で示すように、上型11は、衝合型部1
2、可動ホルダ13、上取付板14、筒形型部15、カ
ムフォロア16及びセンタ型部17等により構成されて
いる。
【0005】また、下型11aは、衝合型部12a、筒
形型部15a、センタ型部17a、可動プレート19a
及びカムフォロア16a等により構成される。
【0006】そして、下型11aから上型11を離間さ
せるときには、筒形型部15内でセンタ型部17をキャ
ビティ1Aに対して上向きに上昇させた後に、可動ホル
ダ13とともに筒形型部15を衝合型部12とセンタ型
部17との間で軸方向に上昇させることにより、カムフ
ォロア16で筒形型部15を回動させる成形法及びポン
プ用羽根車1が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポンプ用羽根車1は、一定肉厚の断面略山形の羽根2と
しているので、ポンプ効率が高くない上に、成形にあた
っては、上下型11,11aの筒形型部15,15aが
それぞれ回動し、羽根2の面を擦りながら回動して型開
きするので、擦り傷が付き搬送液の流動を阻害するた
め、面磨きを行う必要があり、成形コストが高くなると
いう問題があった。
【0008】それで、この発明は、擦り傷を付けること
なく成形できる羽根形状でありながら、ポンプ効率が高
くなる、ポンプ用羽根車及びその成形方法を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載された発明は、第1ケーシング及
び第2ケーシングからなるケーシング内に羽根車を回転
自在に設けたポンプのポンプ用羽根車において、前記羽
根車は、円盤部外周縁に両面に貫通する多数の開口で、
外リングを残し半径方向に向けて形成された多数の羽根
は、前記羽根車の回転方向側である圧力面を谷形に形成
し、前記圧力面の裏面側である負圧面を山形に形成させ
るとともに、回転方向側へ向けて前傾させ形成されてな
ることを特徴としている。
【0010】この様なものにあっては、羽根車の羽根
は、圧力面を谷形に、負圧面を山形に形成させ、さらに
回転方向へ向けて前傾させたので、搬送液は谷形ですく
い取られ滑らかに流動し、略山形の負圧面で搬送液の剥
離が抑えられる上に、回転方向への前傾で搬送液の半径
方向への流れが、回転方向側に向けられて圧力上昇性能
が向上するようになる。
【0011】ここで、成形樹脂材料とは、いわゆるエン
ジニアリングプラスチックと称されるPC,POM,P
A,PPO,PET等を指しており、一例としては、耐
薬品性や耐油性に強いPA樹脂(ナイロン)に、ガラス
繊維などのフィラーを充填し、さらに剛性、熱変形、ク
リープなどの物性値を向上させものを用いている。
【0012】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載のポンプ用羽根車において、前記羽根の回転方向側
へ向けての前傾角度(β1)は、羽根根元部の前傾、後
傾に拘わらず、最終の前傾面と前記外リングとの交点か
ら前記羽根根元部を結んで15〜60度となし、かつ前
記羽根の圧力面の軸方向となす接線角度(α1)は、1
0〜40度とするとともに、前記羽根の負圧面は、圧力
面の接線角度(α1)を越えて、前記円盤部外面側に拡
開する接線角度(α2)に形成させたことを特徴とする
請求項1に記載のポンプ用羽根車。
【0013】この様なものにあっては、羽根の前傾角度
と圧力面と負圧面の各接線角度の範囲を規制したので、
ポンプの設計仕様が決めやすくなる。また、負圧面の接
線角度(α2)を圧力面の接線角度(α1)よりも大き
くしたので、型開きが始まると直ちに、成形品の羽根は
型面から離間することとなる。
【0014】請求項3に記載された発明は、請求項1又
2に記載のポンプ用羽根車において、前記羽根の周方向
の肉厚は、前記羽根根元部から前記外リングまでの前記
羽根長さに渡って、前記円盤部中心から一定の角度で形
成されていることを特徴としている。
【0015】この様なものにあっては、羽根の周方向の
肉厚は、円盤部中心から一定の角度で形成されているの
で、各羽根の肉厚は、周方向にアンダーカットになるこ
とが避けられて型開きができるようになる。
【0016】請求項4に記載された発明は、請求項1、
2又は3に記載のポンプ用羽根車において、前記羽根の
圧力面側の両端部の角(e)は少なくとも極小アールに
形成され、負圧面側の両端部の角(E)はやや大きいア
ールに形成されたことを特徴としている。
【0017】この様なものにあっては、圧力面の両角部
は、鋭角としたので、搬送液のすくい流出入の損失が少
なくなる。また、負圧面側はやや大きい角アールとした
ので、搬送液は、負圧面に沿って剥離を起こすことなく
滑らかに流れて流出入の損失が減少する。
【0018】請求項5に記載された発明は、請求項1、
2、3又は4に記載のポンプ羽根車において、前記羽根
の略山形である負圧面の山形角部を覆って、山条に突起
する境界分離突起を形成させたことを特徴としている。
【0019】この様なものにあっては、負圧面の山形角
部に境界分離突起を形成させたので、羽根の両側から流
出入する搬送液の衝突を境界面で分離させて、搬送液流
動の方向付けをすることができる。
【0020】請求項6に記載された発明は、請求項1に
記載のポンプ用羽根車を、一対の上下型からなる成形型
に少なくとも1つの回動型部を設けて成形する、ポンプ
用羽根車の成形方法であって、前記成形型の上下型を互
いに型締めする型締工程と、前記上下型を型締めした状
態で、前記成形型内に成形樹脂材料を射出、充填及び冷
却して塑形する塑形工程と、前記塑形工程から前記成形
型の型開き移動に連係して、前記上下型に設けた回動機
構により、前記回動型部を回動させて脱型する脱型工程
と、を備えたことを特徴としている。
【0021】この様なものにあっては、成形型の回動型
部と、成形された羽根車とを相対的に回動させる回動機
構を設けたので、羽根車は分割することなく一体に成形
し、脱型することができるようになる。
【0022】請求項7に記載された発明は、請求項6に
記載のポンプ用羽根車の成形方法において、前記回動機
構は、前記上下型に装着した縦横のラック間に、ギアを
歯合させて横行するようにした少なくとも1つの横ラッ
クと、前記回動型部から延長する回転軸に設けた移動ギ
アとを歯合させて、少なくとも1つの前記回動型部を回
動可能にしたことを特徴としている。
【0023】この様なものにあっては、縦横ラックの間
にギアを歯合させたので、成形型を型開きする動作によ
って、横ラックが横行するようにしたので、長い横ラッ
クを形成させると複数の回動型部への回動も可能となっ
て、羽根車の多数個取りができるようになる。
【0024】請求項8に記載された発明は、請求項6又
は7に記載のポンプ用羽根車の成形方法において、前記
回動型部は、前記回転軸に連結されて回動する筒部と、
該筒部の内側に位置して係合するスライド部とよりな
り、型開き移動にともなう上下型の離間で回動していた
前記スライド部が、回動停止域に移動し停止してエジェ
クタを作動させるようにしたことを特徴としている。
【0025】この様なものにあっては、型開きにともな
って回動型部のスライド部が回動から停止に移行し、エ
ジェクタが作動するので、羽根が外れ羽根車をエジェク
タにより回動型部から押出し可能となる。それで、成形
が繰り返し行えるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るポンプ
用羽根車を示す図1及び図2に基づいて説明する。
【0027】図1は、実施の形態に係るポンプを一部断
面で示す説明図である。
【0028】図1において、20は搬送ポンプで、ハウ
ジング20Aの一端に組み付けられたポンプ21と、ハ
ウジング20Aの他端に設けられた吐出部61との間に
位置してモータ部51が設けられている。
【0029】前記ポンプ21は、対向する第2ケーシン
グ32と第1ケーシング22とよりなり、第2ケーシン
グ32内に羽根車42を組み込み、モータ部51から駆
動軸49を貫入させ回転自在に連結させている。また、
羽根車42と隣接するケーシング22,32内の両壁面
25には、羽根車42の羽根45に臨んで周回し流入開
口23を有する流路24,33を形成させている。
【0030】そして、羽根車42をモータ部51を介し
てタンク等に貯留された搬送液71内で回転させて上昇
する搬送圧により、ハウジング20A内を貫流させて吐
出部61より吐出できるようにしている。
【0031】したがって、ポンプ21、モータ部51及
び吐出部61が、搬送液71の搬送方向に配列されて、
効率のよい小型の搬送ポンプ20が形成されている。
【0032】図2(a)、(b)、(c)において、ポ
ンプ21の羽根車42の構成は、図2(c)の平面図に
示すように、43は中心に駆動軸49の貫通するほぼ半
月状の貫通孔49hを設けた円盤部で、この円盤部43
の外周縁43bに位置する羽根根元径D0 から半径方向
に向けて多数の羽根45を、外リング44を残し円盤部
43を両面から貫通させて形成させている。Dmは羽根
45中間高さの羽根中間径である。
【0033】この羽根45の形状は、図2(a)、
(b)の斜視図及び断面図で示すように、羽根車42の
回転方向(矢印で示す)側である圧力面46は谷形に形
成させている。また、この圧力面の裏面側である負圧面
47は、円盤部43の厚さT方向の中央線cLで2つの
面を突き合わせて、略山形に形成させている。このよう
に、圧力面46と負圧面47で形成された羽根45は、
羽根根元部45aから回転方向側へ向けて前傾させてい
る。
【0034】すなわち、この羽根の前傾角度(β1)
は、羽根車42の羽根根元部45aを半径方向に通過す
る線と、前記羽根根元部45aから負圧面47に沿って
前傾する中央接線とに相当し(図2(c)参照)、その
角度(β1)は、根元部45aの前傾、後傾に拘わら
ず、最終の傾斜面と外リング44との交点から羽根根元
部45aを結んで15〜60度としている。
【0035】なお、図2(c)に示すβ2は、羽根45
のピッチ角度であって、円盤部43の中心から隣接する
羽根45の羽根根元部45aを半径方向に通過する2線
の角度で示している。この角度は、羽根45の枚数によ
って変化する。
【0036】また、図2(b)の羽根の断面図で示すよ
うに、羽根45の圧力面46の接線角度(α1)は、羽
根45の圧力面46の軸方向である、円盤部43の厚さ
T方向の線と、圧力面46の接線角との角度を10〜4
0度としている。そして、羽根45の負圧面47は、圧
力面46の接線角度(α1)を越えて、前記円盤部43
の外面側に拡開する接線角度(α2)に形成させてい
る。したがって、羽根45間の型抜きが可能となる。
【0037】また、羽根45の周方向の肉厚は、羽根根
元部45aから外リング44までの羽根長さに渡って、
各羽根45が円盤部43中心から一定の角度で形成させ
ている。したがって、円周方向のアンダーカットが避け
られて、周方向にも型抜きが可能となる。
【0038】さらに、図2(b)の羽根の断面で示すよ
うに、羽根45の圧力面46側の両端部43aの角e
は、鋭角が望ましく少なくとも極小アールに形成させて
いる。また、負圧面47側の両端部43aの角Eは、や
や大きいアールに形成させている。したがって、流路2
4,33(図1参照)からの搬送液71のすくいが確実
となって、谷形である圧力面46への流出入損失が小さ
くなる。同様に、負圧面47の角Eを大きいアールとし
たので、負圧面47での剥離が防止できて、羽根45間
への搬送液71の流出入を阻害することが防止できて、
流動効率の向上が図れる。
【0039】次に、ポンプ用羽根車の成形型の構造と成
形方法について、図4及び図5に基づいて説明する。
【0040】図4(a)、(b)は、ポンプ用羽根車の
成形型を示す断面図であり、図5は、同成形型の下型を
示す平面図である。
【0041】まず、成形型の構造について説明する。
【0042】図4(a)において、80はポンプ用羽根
車のホットランナ形式の成形型で、多数個取り可能な一
対の上型81と下型91とにより構成している。
【0043】上型81は、上取付板82にスペーサブロ
ック84を左右に組み付け、その間にホットランナ83
aを設けたヒートブロック83を組み付けている。ま
た、スペーサブロック84に上型板85を組み付け、こ
の上型板85に羽根車42の半分厚さ形状のキャビティ
86aを彫ったキャビティブッシュ86を形成し、この
キャビティブッシュ86を嵌入させ、上型板85と同一
面に仕上げてパーティング面PLとしている。また、ホ
ットランナ83aとキャビティ86aとの間にノズル8
3bを連結させて設け、このノズル83bからキャビテ
ィ86a内に、サブマリン形式のゲート83cを形成さ
せて、成形樹脂材料の射出・充填ができるようにしてい
る。また、上取付板82の一端面から下方に向けて、垂
直に縦ラック88を組み付けている。
【0044】下型91は、下取付板92にスペーサブロ
ック93と、下型板94を組み付け、この上に上下動可
能にストリッパプレート95を載置し、このプレート9
5引き上げ用のフックバー87を設けている。このスト
リッパプレート95の動きの範囲は、下型板94に設け
たストリッパ止めボルト95aにより規制するようにし
ている。
【0045】また、下型板94には、ガイドポストGP
を設けており、ストリッパプレート95を貫通して上型
板85にまで嵌挿させて、精度よく型締め・型開きの上
下動ができる構成としている。
【0046】また、ストリッパプレート95には少なく
とも1つ(この実施の形態では10個)の回転型部96
を回動可能に設け、この回転型部96に羽根車の他の半
分厚さ形状のキャビティ86bを彫り込み形成させてい
る。そして、下型板94を貫通させて設けた回転軸97
と、突板97cを有する連結ピン97bを介して上下摺
動可能に連結させている。また、この回転軸97の下部
には、移動ギア105装着させている。
【0047】また、この成形型80には、回転機構80
Aを装着させている。すなわち、図5に示すように、下
型板94を延長させて、縦ラック88と歯合する軸ギア
102と、このギア102に軸着して回動される第1,
第2の横ギア103,104とを装着し、この横ギア1
03,104に歯合して横行する少なくとも1つ(この
実施の形態では2個)の横ラック98,99を組み付け
ている。
【0048】したがって、この横ラック98,99の縦
面に設けたラックに、回転軸97の移動ギア105を歯
合して、回転型部96を回動させる構成としている。
【0049】さらに、図4(b)により回動型部96の
構造を詳しく説明する。
【0050】すなわち、回動型部96は、筒部196と
この内側に位置して回動や停止のできるスライド部29
6とで構成している。
【0051】筒部196は、その中実部に、回転軸97
の上端面に垂直に嵌入させて、長方形の突板97cを接
合させた、複数の連結ピン97bを上下摺動可能に設け
ている。
【0052】一方、筒部196内を摺動するスライド部
296は、この外面に筒部196の突板97cと歯合す
るように、複数の縦溝96cを形成させている。また、
中央には、ばね96b付きのエジェクタピン96aを設
けている。このエジェクタピン96aは、型締め時には
その先端がキャビティブッシュ86のノズル83b当接
するようにしている。また、エジェクタピン96aの中
央には、サブマリン形式のゲート83cを、パーティン
グPL面に向けて形成させている。
【0053】つづいて、羽根車42の成形方法について
説明する。
【0054】一対の上下型81,91を型締めした成形
型80内に、成形樹脂材料を射出・充填し、冷却時間を
経て塑形させる。塑形が完了すると型開きに移行する。
【0055】この成形型80を型開きする動作によっ
て、回動機構80Aが作動することとなる。すなわち、
上型81に装着した縦ラック88の上昇で、下型91に
装着した軸ギア102を回転させ、この軸ギア102と
軸着している横ギア103,104を回転させて横ラッ
ク98,99を横行させる。
【0056】この横行により回動型部96から延長させ
た回転軸97の移動ギア105が、回転して回動型部9
6を回動させる。この時、上型81の上昇と、回動型部
96の回動の相関した動きで、羽根車42の羽根45は
上型81から外れ、下型92のパーティングPL面より
羽根車42が半分突出された状態で残る。
【0057】さらに、上型81が上昇して行くと、連結
ピン97bの突板97cはスライド部296に設けた縦
溝96cから外れて、スライド部296の回転は停止す
る。
【0058】そして、停止したスライド部296から
は、付勢しているばね96bを介してエジェクタピン9
6aが、羽根車42の円盤部43を押し上げることとな
る。同時に、円筒部196は回動を続けているので、羽
根45は型面から外れて行き、羽根45が離れたところ
で羽根車42は、ばね96bにより、さらに押し上げら
れてパーティングPL面から外れ、成形を完了すること
となる。
【0059】なお、上述した成形型80は、縦型の成形
型としたが、横型の成形型としても構造的には同様であ
る。
【0060】〔羽根の変形例〕図3は、図2(b)の羽
根の変形例を示す断面図である。
【0061】図3において、48は境界分離突起であ
り、羽根45の負圧面47の山形角部47aを覆い、羽
根45の羽根根元部45aから全長にわたって、山条に
突起させた境界分離突起48を形成させたものである。
【0062】したがって、羽根45の両側部から流出入
する搬送液71の衝突を境界面で受けることにより分離
させ、搬送液流動の方向付けをすることが可能となる。
したがって、流動性が向上してポンプの上昇圧の向上が
図れる。
【0063】その他のポンプ用羽根車の構成・作用及び
成形方法は、実施の形態と同様であるので、その説明を
省略する。
【0064】
【発明の効果】請求項1の発明は、羽根車の羽根は、圧
力面を谷形に、負圧面を略山形に形成させ、さらに回転
方向へ向けて前傾させたので、搬送液は谷形ですくい取
られ滑らかに流動し、略山形の負圧面で搬送液の剥離が
抑えられる上に、回転方向への前傾で搬送液の半径方向
への流れが回転方向側に抑えられて、圧力上昇性能が向
上する。したがって、搬送液の流動効率が向上し、軽量
・小型にすることが可能となる。
【0065】請求項2の発明は、羽根の前傾角度と圧力
面と負圧面の各接線角度の範囲を規制したので、ポンプ
の設計仕様が決めやすくなる。また、負圧面の接線角度
(α2)を圧力面の接線角度(α1)よりも大きくした
ので、型開きが始まると直ちに、成形品の羽根は型面か
ら離間することとなる。したがって、型開き時に成形面
への擦り傷等が避けられて、成形品の精度向上が図れ
る。
【0066】請求項3の発明は、羽根の周方向の肉厚
は、円盤部中心から一定の角度で形成されているので、
各羽根の肉厚は周方向にアンダーカットになることが避
けられて、型開きできるようになる。したがって、周方
向にも型傷を付けることなく、脱型させることができ、
成形品の精度向上が図れる。
【0067】請求項4の発明は、圧力面の両角部は、鋭
角としたので、搬送液のすくいによる流出入の損失が少
なくなる。また、負圧面側はやや大きい角アールとした
ので、搬送液の負圧面に沿って剥離を起こすことなく滑
らかになって、流出入の損失が減少する。したがって、
羽根での搬送液の流動効率の向上が図れる。
【0068】請求項5の発明は、山条に突出する境界分
離突起を形成させたので、羽根の両端部から流入した搬
送液の衝突を、境界面で突起により分離させ流動の方向
付けをすることができる。したがって、羽根での搬送液
の流動効率の向上が図れる。
【0069】請求項6の発明は、成形型の回動型部と、
成形された羽根車とを相対的に回動させる回動機構を設
けたので、成形品は分割することなく一体に成形し、脱
形できる。したがって、品質・生産性が向上してコスト
の低減が図れる。
【0070】請求項7の発明は、縦横ラックの間にギア
を歯合させたので、成形型を型開きする動作によって、
横ラックが横行するようにしたので、長い横ラックを形
成させると複数の回動型部への回動も可能となる。した
がって、羽根車の多数個取りができ、生産コストの低減
が図れる。
【0071】請求項8の発明は、型開きにともなって回
動型部のスライド部が回動から停止に移行し、エジェク
タが作動するので、羽根が外れ羽根車をエジェクタで回
動型部から押出すことができて、繰り返し成形ができる
ようになる。
【0072】また、回動型部の回動で羽根の面と型面と
の型開きが始まると、直ぐ離間するので、羽根に型面と
の擦り傷を付けることなく脱型ができる。
【0073】したがって、連続的に生産できて生産性が
向上する上に、脱型時の擦り傷の発生が防止できて、羽
根の圧力面での流動効率の向上が図れる。また、羽根面
の磨きの必要がなくなってコストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るポンプを一部断面で
示す説明図である。
【図2】同実施の形態に係るポンプ用羽根車の形状を示
す図で、(a)は、羽根車の羽根の一部を示す斜視図、
(b)は、羽根車を羽根中間径位置で切断し、側面側か
ら見た羽根の接線角度を示す断面図、(c)は、羽根車
を示す平面図である。
【図3】図2の羽根の変形例を示す断面図である。
【図4】同実施の形態に係るポンプ用羽根車の成形型を
示す図で、(a)は、成形型を示す断面図、(b)は、
図4(a)のP部の拡大図である。
【図5】図4の成形型の下型を示す平面図である。
【図6】従来技術に係る羽根車の構成を示す図で、
(a)は、羽根車の一部を分解して示す斜視説明図、
(b)は、図6(a)のQ矢視図である。
【図7】従来技術に係る羽根車の成形型を示す図で、
(a)は、羽根車の成形型を示す断面図、(b)は、図
7(a)の筒形型部を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
42…ポンプ用羽根車 43…円盤部 43b…外周縁 44…外リング 45…羽根 45a…羽根根元部 46…圧力面 47…負圧面 96…回動型部 88,98,99…縦横ラック 101…ラック用ギア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 尚太郎 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニックカンセイ株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AH04 CA11 CB01 CK53 CM02 CM07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1ケーシング及び第2ケーシングからな
    るケーシング内に羽根車を回転自在に設けたポンプのポ
    ンプ用羽根車において、 前記羽根車は、円盤部外周縁に両面に貫通する多数の開
    口で、外リングを残し半径方向に向けて形成された多数
    の羽根は、前記羽根車の回転方向側である圧力面は谷形
    に形成され、前記圧力面の裏面側である負圧面は山形に
    形成されるとともに、回転方向側へ向けて前傾させ形成
    されてなることを特徴とするポンプ用羽根車。
  2. 【請求項2】前記羽根の回転方向側へ向けての前傾角度
    (β1)は、羽根根元部の前傾、後傾に拘わらず、最終
    の前傾面と前記外リングとの交点から前記羽根根元部を
    結んで15〜60度となし、かつ前記羽根の圧力面の軸
    方向となす接線角度(α1)は、10〜40度とすると
    ともに、 前記羽根の負圧面は、圧力面の接線角度(α1)を越え
    て、前記円盤部外面側に拡開する接線角度(α2)に形
    成させたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ用羽
    根車。
  3. 【請求項3】前記羽根の周方向の肉厚は、前記羽根根元
    部から前記外リングまでの前記羽根長さに渡って、前記
    円盤部中心から一定の角度で形成されていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のポンプ用羽根車。
  4. 【請求項4】前記羽根の圧力面側の両端部の角(e)は
    少なくとも極小アールに形成され、負圧面側の両端部の
    角(E)はやや大きいアールに形成されたことを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載のポンプ用羽根車。
  5. 【請求項5】前記羽根の略山形である負圧面の山形角部
    を覆って、山条に突起する境界分離突起を形成させたこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のポンプ
    用羽車。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のポンプ用羽根車を、一対
    の上下型からなる成形型に少なくとも1つの回動型部を
    設けて成形する、ポンプ用羽根車の成形方法であって、 前記成形型の上下型を互いに型締めする型締工程と、 前記上下型を型締めした状態で、前記成形型内に成形樹
    脂材料を射出、充填及び冷却して塑形する塑形工程と、 前記塑形工程から前記成形型の型開き移動に連係して、
    前記上下型に設けた回動機構により、前記回動型部を回
    動させて脱型する脱型工程とを備えたことを特徴とする
    ポンプ用羽根車の成形方法。
  7. 【請求項7】前記回動機構は、前記上下型に装着した縦
    横のラック間に、ギアを歯合させて横行するようにした
    少なくとも1つの横ラックと、前記回動型部から延長す
    る回転軸に設けた移動ギアとを歯合させて、少なくとも
    1つの前記回動型部を回動可能にしたことを特徴とする
    請求項6に記載のポンプ用羽根車の成形方法。
  8. 【請求項8】前記回動型部は、前記回転軸に連結されて
    回動する筒部と、該筒部の内側に位置して係合するスラ
    イド部とよりなり、型開き移動にともなう上下型の離間
    で回動していた前記スライド部が、回動停止域に移動し
    停止してエジェクタを作動させるようにしたことを特徴
    とする請求項6又は7に記載のポンプ用羽根車の成形方
    法。
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