JP2002265768A - 導電性樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

導電性樹脂組成物およびそれからなる成形品

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JP2002265768A JP2001062942A JP2001062942A JP2002265768A JP 2002265768 A JP2002265768 A JP 2002265768A JP 2001062942 A JP2001062942 A JP 2001062942A JP 2001062942 A JP2001062942 A JP 2001062942A JP 2002265768 A JP2002265768 A JP 2002265768A
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JP2001062942A
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Fumie Shinoda
文恵 篠田
Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、低そり性、表面外観および導電性が
均衡に優れた導電性樹脂組成物およびそれからなる成形
品の提供。 【解決手段】 (A)ポリカーボネート樹脂55〜9
9.5重量%および(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂
45〜0.5重量%の合計100重量%に対して、
(C)炭素繊維5〜200重量%を配合してなることを
特徴とする導電性樹脂組成物およびそれからなる成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性、低そり
性、表面外観および導電性が均衡に優れた導電性樹脂組
成物およびそれからなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂をはじめとする熱
可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材
料として機械機構部品、電気電子部品、自動車部品など
の幅広い分野に利用されており、特に近年では、電気電
子部品分野におけるノートパソコンや携帯電話をはじめ
とする携帯端末機器などの筐体などの部品分野により多
く利用されるようになってきてている。
【0003】しかるに、この種の筐体用途においては、
周辺機器の誤動作を防ぐために電磁波シールド性が要求
され、そのために筐体を導電化する検討がなされてき
た。
【0004】一方、この種の筐体に対する要求特性とし
ては、取り扱い時の落下などの衝撃に対して極めて強靭
であることおよび液晶画面が外圧により破損しないよう
に材料自体の剛性も大きいことが挙げられ、これら耐衝
撃性・剛性と上記電磁波シールド性との両立が要求され
ている。
【0005】これらの要求特性を満足するために、従来
から種々検討がなされており、例えば、樹脂製筐体を導
電化する代表的な方法としては、導電塗料、電磁波遮蔽
メッキおよび亜鉛溶射などの表面処理による方法が挙げ
られるが、これらの表面処理方法では、成形された成形
品表面に導電処理をする加工工程を余分に必要として不
経済であるばかりか、表面処理により付与された導電層
が剥離しやすいなどの問題があった。
【0006】そこで、近年では、樹脂組成物自体を導電
化し、かつ耐衝撃性と剛性を両立させる方法が検討され
ており、例えば特開平5−70677号公報には、ポリ
カーボネート樹脂と、アクリロニトリル−スチレン共重
合体(AS樹脂)と、メタクリル酸メチル−ブタジエン
−スチレン共重合体(MBS樹脂)とからなる樹脂組成
物に対し、導電性フィラーを配合した導電性樹脂組成物
が知られている。
【0007】しかしながら、上記特開平5−70677
号公報に記載の方法では、導電性フィラーとして主に金
属繊維を用いているために、成形品重量が大きくなり、
樹脂製であることによる軽量化のメリットを生かすこと
ができないという問題があった。そればかりか、この方
法において、導電性フィラーとして炭素繊維を用いた場
合には、成形品重量は低減するものの、十分な導電性が
得られず、電磁波シールド性が不足すると共に、そり性
や表面外観の劣る成形品しか得られないという問題があ
った。また、この方法によりハウジングなどの成形品を
得る場合には、確かに平面部の外観は改良されるもの
の、樹脂会合(ウエルド)部を形成する成形品では、ウ
エルド部盛り上がりによる外観不良や、成形品のねじ
れ、そりなどが発生し、これらの外観不良およびねじ
れ、そりなどを改善するためのサンディング工程やそり
強制工程などが必要となり、生産性が低下すると共に、
成形品コストが高くなってしまうという問題もあった。
【0008】一方、剛性を低下させることなく靭性を改
善した樹脂組成物としては、特開2000−27329
6号公報に、芳香族ポリエステル樹脂と、ABS樹脂
と、AS樹脂と、繊維状強化材とからなる樹脂組成物に
対し、さらに少割合のポリカーボネート樹脂およびポリ
(メタ)アクリル系樹脂を配合した繊維強化樹脂組成物
が開示されている。
【0009】しかしながら、特開2000−27329
6号公報において使用されている繊維状強化材の具体例
はガラス繊維であり、ガラス繊維の使用によっては導電
性の改良効果を得ることはできない。また、同公報に
は、繊維状強化材として炭素繊維の開示は認められるも
のの、上記樹脂組成物に炭素繊維を配合したところで、
十分な導電性改善効果は期待することができない。つま
り、同公報は、芳香族ポリエステルと、ABS樹脂と、
AS樹脂とからなる樹脂組成物の特性改良を目的とする
ものであり、そこへ配合されるポリカーボネート樹脂お
よびポリ(メタ)アクリル系樹脂はマイナー成分であっ
て、これらポリカーボネート樹脂およびポリ(メタ)ア
クリル系樹脂からなる樹脂組成物の導電性改善および剛
性と靭性の両立については何らの言及もするものではな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0011】したがって、本発明の目的は、よって本発
明は、上述の問題を解消し、成形時の残留応力を低減す
るための流動性、低そり性、表面外観および導電性が均
衡に優れた導電性樹脂組成物およびそれからなる成形品
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂、
ポリ(メタ)アクリル系樹脂および炭素繊維を特定の割
合で配合した樹脂組成物により、上記の目的が満たされ
ることを見出し、本発明に到達した。
【0013】すなわち、本発明の導電性樹脂組成物は、
(A)ポリカーボネート樹脂55〜99.5重量%およ
び(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂45〜0.5重量
%の合計100重量部に対して、(C)炭素繊維5〜2
00重量部を配合してなることを特徴とする。
【0014】なお、本発明の導電性樹脂組成物において
は、前記組成物からJSW150EII−P(日本製鋼所
製)成形機を用いて、12.7×127×3.2mm厚
の棒状成形品を成形し、得られた成形品の中点から端部
へ各50mmのところへ金属製ネジを打ち込み、テスタ
ーにより測定した抵抗値が4×105 Ω以下であるこ
と、および前記(A)ポリカーボネート樹脂のフェノー
ル性末端基(EP )と非フェノール性末端基(EN )の
当量比(EP )/(EN )が1/20以下であること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を満た
す場合にはさらに優れた効果の発現を期待することがで
きる。
【0015】また、本発明の成形品は、上記の導電性樹
脂組成物を成形してなることを特徴とし、この成形品
は、特に電気・電子部品の筐体(ハウジング)または電
波ノイズ低減用自動車部品として適用した場合に最良の
効果を発現する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の導電性樹脂組成
物およびそれからなる成形品について詳述する。
【0017】本発明で用いる(A)ポリカーボネート樹
脂としては、カーボネート結合を有し、芳香族二価フェ
ノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエステルなどと
を反応させることにより得られる芳香族ホモまたはコポ
リカーボネートが挙げられる。
【0018】この芳香族ホモまたはコポリカーボネート
樹脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で
20℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、
特に0.3〜1.5dl/gの範囲のものが好ましく用
いられる。
【0019】ここで、上記二価フェノール系化合物とし
ては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フ
ェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ンなどが挙げられ、これらは単独あるいは混合物として
使用することができる。上記二価フェノール系化合物の
なかでも、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好ましく使用される。
【0020】なお、(A)ポリカーボネート樹脂の加工
時の熱安定性を向上させる観点から、芳香族二価フェノ
ール系化合物とホスゲンを反応させることにより得られ
るフェノール性末端基(EP )と非フェノール性末端基
(EN )の当量比(EP )/(EN )が1/20以下で
あるポリカーボネート系樹脂を用いることが好ましく、
より好ましくは1/40以下であり、さらに好ましくは
1/70以下である。
【0021】(A)ポリカーボネート樹脂の末端基の測
定は、例えばポリカーボネート樹脂を酢酸酸性メチレン
クロライドに溶解し、四塩化チタンを加え、生成する赤
色錯体を546nmで測光定量することにより行なうこ
とができる。
【0022】そして、かかる末端基を有する(A)ポリ
カーボネート樹脂は、ホスゲン法により製造することが
できる。
【0023】本発明で用いる(B)ポリ(メタ)アクリ
ル系樹脂とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸
とその誘導体から形成される構造単位を有する樹脂であ
り、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリ
ル酸メチルの単独重合体、これらの共重合体および他の
共重合性単量体との共重合体が含まれる。ここでいう共
重合性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えばアクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシルなどの(メタ)アクリル酸C1〜12アルキルエ
ステル、好ましくは(メタ)アクリル酸C1〜4アルキ
ルエステルなど]、(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系単量体、ス
チレンなどの芳香族ビニル単量体、カルボキシル基含有
単量体[例えば無水マレイン酸、フマル酸などのα,β
−不飽和カルボン酸]、イミド系単量体[例えばマレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド
など]などが挙げられ、これらはは単独で又は二種以上
の組合せで使用することができる。
【0024】(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、慣
用の方法、例えば塊状重合、懸濁重合および乳化重合な
どにより製造することができる。
【0025】なお、本発明で使用する(B)ポリ(メ
タ)アクリル系樹脂は、メチルエチルケトン溶媒、30
℃で測定した極限粘度が、0.1〜1.0dl/gのも
の、特に0.2〜0.7dl/gのものが、導電性向上
効果と成形加工性のバランスから好ましく用いられる。
【0026】本発明における(A)ポリカーボネート樹
脂と(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂の配合割合は、
本発明の効果を鮮明に発現するために、(A)ポリカー
ボネート樹脂(A)が99.5〜55重量%、好ましく
は95〜75重量%、より好ましくは90〜80重量%
であり、(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂が0.5〜
45重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましく
は10〜20重量%の範囲である。
【0027】上記の配合割合の範囲を逸脱した場合に
は、特に流動性、表面外観および導電性が低下するため
好ましくない。
【0028】本発明に用いる(C)炭素繊維とは、PA
N系またはピッチ系の炭素繊維であり、例えば長繊維タ
イプや短繊維タイプのチョプドストランド、ミルドファ
イバーなどから選択して用いることができるが、成形時
などの繊維折損を抑えるためには、高強度・高伸度タイ
プのものを用いることが望ましい。強度が低い炭素繊維
を使用する場合は、炭素繊維が脆くコンパウンド時や成
形時の繊維折損により繊維長が極めて短くなってしま
い、結果として十分な補強効果、電磁波シールド性の改
良効果を得ることができず、また難燃化処方を施した場
合の液滴の落下(ドリップ)により、難燃化効果などの
特性が得にくくなるため好ましくない。
【0029】(C)炭素繊維としては、特に上記の特性
を十分に得ることのできるPAN系炭素繊維の使用がよ
り望ましい。
【0030】本発明で使用する(C)炭素繊維は、樹脂
との接着性を向上するために表面処理を行ってもよく、
その場合には、通常使用されるエポキシ系、ポリアミド
系、ポリエステル系などのサイジング剤を用いることも
できる。また、導電性をさらに向上させる上では、本発
明の特徴を損なわない範囲で、ニッケルや銅などの金属
を炭素繊維表面に金属皮膜を形成させてもよい。
【0031】本発明における導電性樹脂組成物中の
(C)炭素繊維の繊維長分布は、繊維長0.15〜5m
mの範囲に制御されていることが好ましく、かかる繊維
長を有する炭素繊維が、添加した炭素繊維の全量に対し
て60重量%以上存在することが好ましく、より好まし
くは0.15〜3mm、さらに好ましくは0.15〜2
mmの範囲に繊維長が制御されていることであり、かか
る繊維長を有する炭素繊維の炭素繊維の全量に対する含
有量としては、70重量%以上であることが好ましく、
80重量%以上であることがより好ましい。上記の特定
の範囲に繊維長分布が制御されることにより、流動性、
剛性および成形品の導電性が優れることになるからであ
る。
【0032】なお、樹脂組成物中の炭素繊維の繊維長分
布の測定方法は、例えば次の方法により行うことができ
る。すなわち、組成物約5gをるつぼ中で550℃×7
時間処理し灰化した後、残存した充填剤のうちから10
0mgを採取し、100ccの石鹸水中に分散させる。
次いで、分散液をスポイトを用いて1〜2滴スライドガ
ラス上に置き、顕微鏡下に観察して、写真撮影し、撮影
された充填剤の繊維長を測定する。測定は500本につ
いて行い、繊維長分布を求める。ここで、炭素繊維の繊
維長を求める際には、灰化条件を誤ると繊維そのものが
酸化、燃焼してしまう場合があるので注意が必要であ
り、窒素雰囲気下で灰化することが望ましい。また、用
いる熱可塑性樹脂が可溶の場合には、可溶な溶媒を用い
て組成物を溶かし、その溶液から繊維を取り出して繊維
長を測定することもできる。
【0033】本発明の導電性樹脂組成物において、
(C)炭素繊維の添加量は、得られる樹脂組成物の流動
性、低そり性および表面外観の観点から、(A)ポリカ
ーボネート樹脂および(B)ポリ(メタ)アクリル系樹
脂の合計100重量部に対して、5〜200重量部、好
ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜7
0重量部の範囲である。
【0034】本発明の導電性樹脂組成物は、導電性を必
要とする用途に用いることから、組成物からJSW15
0EII−P(日本製鋼所製)成形機を用いて、12.7
×127×3.2mm厚の棒状成形品を成形し、得られ
た成形品の中点から端部へ各50mmのところへ金属製
ネジを打ち込み、テスターにより測定した抵抗値(2点
間)が、4×105 Ω以下であることが望ましく、好ま
しくは1×104 Ω以下、より好ましくは5×103 Ω
以下である。
【0035】また、本発明の導電性樹脂組成物には、そ
の特性を損なわない範囲で、機械強度その他の特性を付
与するために、必要に応じて炭素繊維以外の充填剤を使
用することが可能であり、この場合には繊維状、板状、
粉末状、粒状など非繊維状の充填剤を使用することがで
きる。この充填剤の具体例としては、例えばガラス繊
維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維など
の金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石
膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア
繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭
化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィス
カー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウ
ムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウ
ィスカー状充填剤、およびマイカ、タルク、カオリン、
シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデ
ン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン
酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは
板状の充填剤が挙げられる。
【0036】また、上記の充填剤は2種以上を併用して
使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の
充填剤は、その表面を例えばシラン系カップリング剤、
チタネート系カップリング剤など公知のカップリング剤
や、その他の表面処理剤で処理して用いることもでき
る。
【0037】上記の充填剤の添加量は、(A)ポリカー
ボネート樹脂および(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂
の合計100重量部に対し、通常、0〜300重量部で
あり、好ましくは10〜250重量部、より好ましくは
20〜150重量部の範囲である。
【0038】本発明の導電性樹脂組成物には、さらに十
分な導電性を付与するために、導電性フィラーおよび/
または導電性ポリマーを添加することが可能であり、こ
の種の導電性フィラーとしては、通常樹脂の導電性向上
に用いられる導電性フィラーであれば特に制限はなく、
その具体例としては、金属粉、金属フレーク、金属リボ
ン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆された無
機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、
ナノチューブ、フラーレンおよび鱗片状カーボンなどが
挙げられる。
【0039】ここで、上記金属粉、金属フレーク、金属
リボンの金属種の具体例としては、銀、ニッケル、銅、
亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロムお
よび錫などが例示できる。
【0040】上記金属繊維の金属種の具体例としては、
鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよび黄銅などが例
示できる。
【0041】かかる金属粉、金属フレーク、金属リボ
ン、金属繊維は、チタネート系、アルミ系、シラン系な
どの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0042】上記金属酸化物の具体例としては、SnO
2 (アンチモンドープ)、In2 3 (アンチモンドー
プ)およびZnO(アルミニウムドープ)などが例示で
き、これらはチタネート系、アルミ系、シラン系などの
表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0043】上記導電性物質で被覆された無機フィラー
における導電性物質の具体例としては、アルミニウム、
ニッケル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドー
プ)およびIn2 3 (アンチモンドープ)などが例示
できる。また、ここで被覆される無機フィラーとして
は、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、チタン酸カリ
ウムウィスカー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛系ウィス
カー、酸化チタン酸系ウィスカーおよび炭化珪素ウィス
カーなどが例示できる。被覆方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、無電解メッキ法および焼き付け
法などが挙げられる。また、これらはチタネート系、ア
ルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施され
ていてもよい。
【0044】上記カーボン粉末は、その原料や製造法か
ら、アセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラッ
ク、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネ
スブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロ
ールブラックおよびディスクブラックなどに分類され
る。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その
原料や製造法は特に限定されないが、アセチレンブラッ
クおよびファーネスブラックが特に好適に用いられる。
また、カーボン粉末としては、その粒子径、表面積、D
BP吸油量および灰分などの特性が異なる種々のものが
製造されており、本発明で用いることのできるカーボン
粉末の特性には特に制限はないが、強度および電気伝導
度のバランスの観点からは、平均粒径が500nm以
下、特に5〜100nm、更には10〜70nmの範囲
が好ましい。カーボン粉末の表面積(BET法)は、1
0m2 /g以上、更には30m2 /g以上の範囲が好ま
しい。カーボン粉末のDBP給油量は、50ml/10
0g以上、特に100ml/100g以上の範囲が好ま
しい。カーボン粉末の灰分は、0.5%以下、特に0.
3%以下の範囲が好ましい。
【0045】かかるカーボン粉末は、チタネート系、ア
ルミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施され
ていてもよい。また、溶融混練作業性を向上させるため
に、造粒されたものを用いることも可能である。
【0046】本発明の導電性樹脂組成物は、しばしば表
面の平滑性が求められる。かかる観点から、本発明で用
いられる炭素繊維以外の導電性フィラーとしては、高い
アスペクト比を有する繊維状フィラーよりも、粉状、粒
状、板状、鱗片状或いは樹脂組成物中における長さ/直
径比が200以下の繊維状のいずれかの形態であること
が好ましい。
【0047】本発明で用いることができる導電性ポリマ
ーの具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポ
リアセチレン、ポリ(パラフェニレン)、ポリチオフェ
ンおよびポリフェニレンビニレンなどが例示できる。
【0048】上記導電性フィラーおよび/または導電性
ポリマーは、2種以上を併用して用いてもよい。かかる
導電性フィラーおよび導電性ポリマーの中では、特にカ
ーボンブラックが、強度に優れた組成物が低コストで得
られることから、好適に用いられる。
【0049】本発明で用いることができる導電性フィラ
ーおよび/または導電性ポリマーの配合量は、用いる導
電性フィラーおよび/または導電性ポリマーの種類によ
り異なるため、一概に規定はできないが、導電性と流動
性、機械的強度などとのバランスの点から、次のような
範囲が好ましい。すなわち、導電性ポリマーの場合に
は、(A)ポリカーボネート樹脂および(B)ポリ(メ
タ)アクリル系樹脂の合計100重量部に対し、本発明
の相構造が保持される範囲内で1〜100重量部、好ま
しくは3〜50重量部の範囲が選択される。導電性フィ
ラーは、上記充填材の一種であるので、その配合量は充
填材成分の内数として考えることが望ましい。
【0050】また、導電性を付与した場合には、少なく
とも十分な帯電防止性能を得る意味で、導電性フィラー
および/または導電性ポリマーの体積固有抵抗が1010
Ω・cm以下であることが好ましい。但し、上記導電性
フィラーおよび/または導電性ポリマーの配合は、一般
に強度や流動性の悪化を招きやすいため、目標とする導
電レベルが得られれば、上記導電性フィラーおよび/ま
たは、導電性ポリマーの配合量はできるだけ少ない方が
望ましい。目標とする導電レベルは用途によって異なる
が、通常体積固有抵抗が10Ω・cmを越え、1010Ω
・cm以下の範囲である。
【0051】なお、本発明の導電性樹脂組成物には、耐
衝撃性の特性改良の必要性に応じて、無水マレイン酸な
どによる酸変性オレフィン系重合体、エチレン/プロピ
レン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレ
ン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリ
シジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸
グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−
無水マレイン酸共重合体などのオレフィン系共重合体、
ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステル
ポリエステルエラストマーなどのエラストマーから選ば
れる弾性樹脂の1種または2種以上の混合物を添加する
ことにより、所定の特性をさらに付与することができ
る。
【0052】また、本発明の導電性樹脂組成物には、強
度および靭性の特性を改良するために、ポリアミドおよ
びポリエステルなどをはじめとする末端にカルボキシル
基、アミノ基およびヒドロキシル基などの官能基を有す
る熱可塑性樹脂の一種または二種以上を、本発明の効果
を阻害しない範囲で配合することが可能である。かかる
熱可塑性樹脂の配合量は、導電性樹脂組成物の樹脂成分
中、合計でも20重量%以下とすることが望ましい。
【0053】さらに、本発明の導電性樹脂組成物には、
酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノ
ール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置
換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、
サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑
剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たと
えば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色
剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、その
エステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコー
ル、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、
着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難
燃性付与剤としての難燃剤(例えばブロム化ポリスチレ
ン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボ
ネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌー
ル酸またはその塩、赤リン、燐酸エステルなど)、難燃
助剤、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)
および帯電防止剤などの通常の添加剤を添加することに
より、所定の特性をさらに付与することができる。
【0054】本発明の導電性樹脂組成物は、通常公知の
溶融混練方法で製造されるが、この溶融混練において、
(C)炭素繊維の好ましい繊維長分布を実現するための
方法としては、例えば2軸押出機で溶融混練する場合
に、樹脂原料フィーダーから(A)ポリカーボネート樹
脂と(B)ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂とを供給し、
(C)炭素繊維をはじめとする無機充填材を押出機の先
端部分のサイドフィーダーから供給することにより、こ
れら無機充填材の受けるせん断履歴を制御するサイドフ
ィーダー法、ハンドリング性、分散性を向上させるため
のマスターペレット法、および予備混練法などが挙げら
れる。
【0055】例えば、通常の一括元込め法(炭素繊維を
はじめとする無機充填材などを樹脂フィーダーより投入
する)の場合には、剪断力がかかりすぎるために繊維長
が短くなりすぎ、得られる組成物の剛性が低下する可能
性がある。また、(A)ポリカーボネート樹脂をはじめ
とする樹脂成分を、サイドフィーダーより添加した場合
には、混練不足による分散不良が起こり、得られる組成
物の衝撃強度に影響を及ぼす可能性がある。
【0056】マスターチップ法においては、例えば、
(A)ポリカーボネート樹脂、(B)ポリ(メタ)アク
リル酸系樹脂、(C)炭素繊維および必要に応じて用い
られるその他の添加剤を予備混合して、またはせずに押
出機などに供給して、十分溶融混練することにより調製
される。
【0057】本発明の導電性樹脂組成物を製造するに際
しては、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備
えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプ
の混練機などを用いて、好ましくはサイドフィーダー付
の2軸押出機で200〜300℃で溶融混練することに
より組成物とすることができる。
【0058】本発明の成形品を成形するにあたっての成
形方法としては、射出成形、押出成形、ブロー成形、プ
レス成形およびインジェクションプレス成形など通常の
成形方法が挙げられ、上記の導電性樹脂組成物をこれら
の成形方法に供することにより、三次元成形品、シー
ト、フィルム、容器パイプなどのあらゆる形状の成形物
品とすることができる。なかでも、本発明の導電性樹脂
組成物は、射出成形品用途に特に好適であり、射出成形
により各種機械機構部品、電気電子部品または自動車部
品に成形されることが望ましい。そして、本発明の成形
品は、特にその優れた流動性および電磁波シールド性を
生かして、電気・電子部品用の筐体および自動車の電波
ノイズ低減用部材として適用した場合に有効である。
【0059】かくして得られる成形品は、各種ギヤー、
各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソ
ケット、用紙用分離爪、抵抗器、リレーケース、スイッ
チ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光
ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、
プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフ
ォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベー
ス、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディ
スプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、H
DD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアン
テナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・
電子部品、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアー
ドライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、
オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパク
トディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部
品、エアコン部品、ワープロ部品などに代表される家
庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部
品、電話機関連部品、ファックス関連部品、複写機関連
部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸
受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプラ
イターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼
鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械
関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーター
コネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポ
テンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バ
ルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーイ
ンテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、
燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレター
メインボディー、キャブレタースペーサー、ライトディ
マー用ポテンションメーターベース、排気ガスセンサ
ー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジシ
ョンセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、
エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、
エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコン
トロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホ
ルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイ
ン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、
スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッ
ション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズ
ル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用
コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電
装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケ
ット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレー
キピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィル
ター、パワーシートギアハウジング、イグニッションコ
イル用部品、点火装置ケース、インストロメントパネル
のノイズ低減部品などの自動車・車両関連部品、その
他、パチンコ台用ICカバーなど各種用途に有用であ
る。特に、携帯電話用ハウジングなどの筐体およびパソ
コンハウジングなど、ICカバー用筐体などの各種機器
の筐体(ハウジング)および自動車エンジンルーム内お
よび車内用のノイズ低減カバーおよび部品として極めて
有用である。
【0060】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定される
ものではない。 [参考例1]以下に示す樹脂を使用した。 (A)ポリカーボネート樹脂 PC1:ゼネラルエレクトリック社製”レキサン”14
1(フェノール性末端基(EP )と非フェノール性末端
基(EN )の当量比(EP )/(EN )は、四塩化チタ
ン錯体測光定量の結果1/100) PC2:ビスフェノールAとジフェニルカーボネートと
の溶融重合により合成したもの(メチレンクロライド中
1.0g/dlの濃度で20℃で測定した対数粘度が
0.45dl/g、(EP )/(EN )=1/3) (B)ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂 PMA1:下記の方法により製造したもの 容量20リットルでバッフルおよびファウドラ型撹拌翼
を備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸
メチル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−241
51号公報記載)0.05部をイオン交換水165重量
部に溶解した溶液を400rpmで撹拌し、系内を窒素
ガスで置換した。次に下記混合物を反応系を撹拌しなが
ら添加し、60℃に昇温し懸濁重合を開始した。
【0061】 メタクリル酸 45 重量部 メタクリル酸メチル 55 重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.3重量部 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部 15分かけて反応温度を65℃まで昇温した後、50分
かけて100℃まで昇温した。以降、通常の方法にした
がい、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行
い、ビーズ状のポリ(メタ)アクリル酸系樹脂を得た。
極限粘度を測定したところ、0.28dl/gであっ
た。 PMA2: MBS樹脂:メタブレンC223(三菱レイヨン社製)
を使用した。 [参考例2]以下に示す炭素繊維を使用した。 CF1:東レ社製短繊維CF(TW−14) また、実施例における各特性の評価については、次に述
べる方法にしたがって測定した。 [流動性]JSW150EII−P(日本製鋼所製)成形
機を用いて、8点ピンゲート、187mm(幅)×15
4mm(長)×10mm(高)×1.2mm(厚)の箱
状成形品を成形し、その最低充填圧力(MPa)を測定
した。 [そり性]JSW150EII−P(日本製鋼所製)成形
機を用いて、8点ピンゲート、187mm(幅)×15
4mm(長)×10mm(高)×1.2mm(厚)の箱
状成形品を、最低充填圧力(MPa)+0.5MPaで
成形し、定盤上に箱部を下にして置き、1点の角を押さ
え、他の3点の角で最も浮きあがった部分の浮き上がり
量(mm)を測定した。 [表面外観]JSW150EII−P(日本製鋼所製)成
形機を用いて、射出速度99%の条件で8点ピンゲー
ト、187mm(幅)×154mm(長)×10mm
(高)×1.2mm(厚)の箱状成形品を成形し、ウエ
ルド部の盛り上がりを触感により評価した。評価は、
○:盛り上がりが感じられない、×:明らかに盛り上が
っているとした。 [導電性]JSW150EII−P(日本製鋼所製)成形
機を用いて、12.7×127×3.2mm厚の棒状成
形品を成形し、得られた成形品の中点から端部へ各50
mmのところへ金属製ネジを打ち込み、テスターにより
抵抗値(2点間)を測定した。
【0062】[実施例1〜3、比較例1〜4]TEX−
30型2軸押出機(日本製鋼所製)を用いて、(A)ポ
リカーボネート樹脂および(B)ポリ(メタ)アクリル
酸系樹脂を、表1に示した割合で、ドライブレンドし、
これを樹脂フィーダーより供給し、表1に示した種類・
量の炭素繊維(6mm長)を、重量式サイドフィーダー
を用いて添加し、樹脂温度260℃の温度で溶融混練
し、ペレットとした。次いで、このペレットを各評価ご
との成形機を用いて樹脂温度260℃、金型温度80℃
の温度条件で各評価項目ごとの方法で試験片を成形し
た。
【0063】得られた試験片の特性評価結果を表1に併
せて示す。
【0064】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の導電性樹脂組
成物(実施例1〜3)は、PMA−1無配合の樹脂組成
物(比較例1,2)、PMA−1を規定の範囲を超えて
配合した樹脂組成物(比較例3)およびPMA−1の代
わりにMBS樹脂(PMA−2)を配合した樹脂組成物
(比較例4)に比べて、流動性、低そり性、表面外観お
よび導電性がバランスよく優れるものであり、電磁波シ
ールド性が必要とされるハウジング用途や内装部品のノ
イズによる誤動作あるいは雑音などの防止が必要な自動
車部品などの成形品を取得する場合に極めて優れてい
る。
【0065】
【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は、流動性、
低そり性、表面外観および導電性がバランスよく優れる
ものであり、この組成物から得られた成形品は良好な表
面外観および低そり性を有し、しかも導電性に極めて優
れていることから、これらの特性が要求される電機・電
子関連機器の筐体(ハウジング)および電波ノイズ低減
に用いられる自動車部品用途にとって特に好適な材料で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 69/00 (C08L 69/00 33:00) 33:00) Fターム(参考) 4F071 AA31 AA32 AA33 AA50 AB03 AD01 AH07 AH12 AH16 AH17 AH18 AH19 BA01 BB06 BC17 4J002 BC032 BG012 BG042 BG052 BG062 BG102 BG132 BH002 CG011 DA016 FA046 FD010 FD050 FD060 FD070 FD110 GC00 GM00 GM05 GN00 GQ00 5E321 AA01 BB32 BB34 GG05 5G301 DA18 DA42 DD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂55〜9
    9.5重量%および(B)ポリ(メタ)アクリル系樹脂
    45〜0.5重量%の合計100重量部に対して、
    (C)炭素繊維5〜200重量部を配合してなることを
    特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記組成物からJSW150EII−P
    (日本製鋼所製)成形機を用いて、12.7×127×
    3.2mm厚の棒状成形品を成形し、得られた成形品の
    中点から端部へ各50mmのところへ金属製ネジを打ち
    込み、テスターにより測定した抵抗値が4×105 Ω以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記(A)ポリカーボネート樹脂のフェ
    ノール性末端基(EP )と非フェノール性末端基(EN
    )の当量比(EP )/(EN )が1/20以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の導
    電性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形
    品。
  5. 【請求項5】 前記成形品が電気・電子部品の筐体(ハ
    ウジング)であることを特徴とする請求項4に記載の成
    形品。
  6. 【請求項6】 前記成形品が電波ノイズ低減用自動車部
    品であることを特徴とする請求項4に記載の成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018172641A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 東レ株式会社 繊維強化熱可塑性樹脂組成物、繊維強化熱可塑性樹脂成形材料およびそれからなる成形品
JP2019167521A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 積水テクノ成型株式会社 樹脂成形体
CN114790327A (zh) * 2022-03-28 2022-07-26 金发科技股份有限公司 一种具有esd功能的pc/abs组合物及其应用

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