JP2002265606A - モノマーおよびポリマー - Google Patents

モノマーおよびポリマー

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JP2002265606A
JP2002265606A JP2001062286A JP2001062286A JP2002265606A JP 2002265606 A JP2002265606 A JP 2002265606A JP 2001062286 A JP2001062286 A JP 2001062286A JP 2001062286 A JP2001062286 A JP 2001062286A JP 2002265606 A JP2002265606 A JP 2002265606A
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polymer
monomer
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Masaaki Kakimoto
雅明 柿本
Mitsutoshi Jikyo
光俊 寺境
Chikayoshi Kin
京美 金
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Rikogaku Shinkokai
Original Assignee
Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、種々の機能を持たせることができ
る新規なポリマーを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のポリマーは、シロキサン構造か
らなる出発モノマーに塩素または臭素を反応させ、生成
する反応性モノマーを縮重合させて、反応性原料を得、
さらに末端封止剤を反応させたシロキサンポリマーであ
る。このポリマーは、以下の化学式(化29)を含むも
のである。 【化29】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモノマーに関する。
また、本発明はこのモノマーより合成されるポリマーに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シロキサン樹脂はゴム状材料とし
てパッキングに使用されたり、液状で塗料やオイルとし
て使用されてきた。このとき、直鎖状ポリシロキサンの
末端や主鎖からペンダントされる形で反応性基を導入
し、主に空気中の水分の助けによって硬化させる手法が
とられてきた。
【0003】近年、親水性と疎水性を同時に有する両親
媒性物質としてミセル様挙動をする材料や、半導体素子
において低波長領域の光で加工でき、サブミクロンの線
幅を達成できる材料として新たな応用展開が進行しつつ
ある。このような目的に好適な材料としては、疎水性の
シロキサン構造に多くの親水性基を導入できたり、低波
長領域の光にも透明なシロキサン構造に多くの光官能性
基を導入できる材料である。
【0004】しかし、従来の直鎖状シロキサンでは、末
端は2個しかなく官能基導入には数が少なすぎる。ま
た、直鎖状シロキサンの主鎖にペンダントする形で官能
基を導入した場合には、シロキサンの主鎖の疎水性と官
能基の親水性等、それぞれの機能を分離することが困難
となる。
【0005】このため、機能分離をより容易にでき、種
々の機能を持たせることができるポリマーの開発が望ま
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題に鑑みてなされたものであり、新規なモノマーを提
供すると共に、このモノマーより合成され、種々の機能
を持たせることができるポリマーを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のモノマーは、化
学式(化15および化16)からなるモノマーである。
また、本発明のモノマーは化学式(化17および化1
8)からなるモノマーである。また、本発明のモノマー
は、化学式(化19)からなるモノマーである場合があ
る。
【0008】本発明のポリマーは、化学式(化20およ
び化21)を含むポリマーである。また、本発明のポリ
マーは、化学式(化22および化23)を含むポリマー
である。これらのポリマーは、化学式(化24、化2
5、および化26)を含む場合がある。また、本発明の
ポリマーは、化学式(化27)を含むポリマーである。
このポリマーは、化学式(化28)を含む場合がある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、モノマーおよびポリマーに
かかる発明の実施の形態について説明する。本実施の形
態にかかる発明は、分岐構造を持つ新規なモノマー、お
よびこのモノマーより合成されるシロキサンポリマーに
関するものである。
【0010】最初に、本実施の形態にかかるモノマーに
ついて説明する。本実施の形態にかかるモノマーは、そ
の骨格構造から大きく2つに分けることができる。その
1つは、以下の化学式(化15および化16)からなる
モノマーである。化15の化学式からわかるように、S
iをまるで囲った記号(以下、「シロキサン分岐構造」
という。)には、−SiRROHと、これと反応性を有
する−SiRRX基が2個結合している。このように、
反応性を有する−SiRRX基が2個結合しているの
で、このモノマーを縮重合することにより分岐構造を有
するポリマーを合成することができる。また、シロキサ
ン分岐構造の具体的な化学式は、化16に示すとおりで
ある。ただし、化16に挙げたものは一例であり、これ
らに限定されるものではない。
【0011】
【化15】
【化16】
【0012】本実施の形態にかかるモノマーは、その骨
格構造から大きく2つに分けることができることを述べ
たが、他の1つは、以下の化学式(化17および化1
8)からなるモノマーである。化17の化学式からわか
るように、シロキサン分岐構造には、−SiRROH
と、これと反応性を有する−SiRRX基が3個結合し
ている。このように、反応性を有する−SiRRX基が
3個結合しているので、このモノマーを縮重合すること
により分岐構造を有するポリマーを合成することができ
る。また、シロキサン分岐構造の具体的な化学式は、化
18に示すとおりである。ただし、化18に挙げたもの
は一例であり、これらに限定されるものではない。
【0013】
【化17】
【化18】
【0014】本実施の形態にかかるモノマーのうち、後
に述べる実施例で取り扱うモノマーに近いものは、以下
の化学式(化19)からなるモノマーである。化19の
化学式からわかるように、左側のSiには−OHが結合
し、右側のSiには反応性を有する−OSiRRX基が
2個結合している。このように、反応性を有する−OS
iRRX基が2個結合しているので、このモノマーを縮
重合することにより分岐構造を有するポリマーを合成す
ることができる。
【0015】
【化19】
【0016】つぎに、本実施の形態にかかるポリマーに
ついて説明する。まず、ポリマー中に存在する主鎖につ
いて説明する。本実施の形態にかかるポリマーは、上述
したモノマーに対応して、その骨格構造から大きく2つ
に分けることができる。その1つは、以下の化学式(化
20および化21)を含むポリマーである。化20の化
学式からわかるように、シロキサン分岐構造には、1つ
の−OSiRR−と、2つの−SiRR−が結合してい
る。
【0017】また、シロキサン分岐構造の具体的な化学
式は、化21に示すとおりである。ただし、化21に挙
げたものは一例であり、これらに限定されるものではな
い。また、本実施の形態にかかるポリマーは、そのポリ
マー中に化20および化21の化学式を含むものであ
り、具体的には化20およひ化21の化学式をポリマー
の主成分としてもよく、また、一成分とする場合であっ
てもよい。ここで、一成分とするときは、化20および
化21にかかるモノマーと他のモノマーとの共重合体で
あってもよいし、化20および化21にかかるモノマー
を主成分とするポリマーと他の化学構造を有するモノマ
ーからなるポリマーとの混合物であってもよい。
【0018】
【化20】
【化21】
【0019】本実施の形態にかかるポリマーは、その骨
格構造から大きく2つに分けることができることを述べ
たが、他の1つは、以下の化学式(化22および化2
3)を含むポリマーである。化22の化学式からわかる
ように、シロキサン分岐構造には、1つの−OSiRR
−と、3つの−SiRR−が結合している。また、シロ
キサン分岐構造の具体的な化学式は、化23に示すとお
りである。ただし、化23に挙げたものは一例であり、
これらに限定されるものではない。また、本実施の形態
にかかるポリマーは、そのポリマー中に化22および化
23の構造を含むものであり、具体的には化22およひ
化23の化学式をポリマーの主成分としてもよく、ま
た、一成分とする場合であってもよい。ここで、一成分
とするときは、化22および化23にかかるモノマーと
他のモノマーとの共重合体であってもよいし、化22お
よび化23にかかるモノマーを主成分とするポリマーと
他の化学構造を有するモノマーからなるポリマーとの混
合物であってもよい。
【0020】
【化22】
【化23】
【0021】本実施の形態にかかるポリマーのうち、後
に述べる実施例で取り扱うポリマーに近いものは、以下
の化学式(化24)を含むポリマーである。化24の化
学式からわかるように、右側のSiには、1つの−OS
iRRO−と、1つの−Rと、2つの−OSiRR−が
結合している。このように、ポリマーは分岐構造を有し
ている。
【0022】
【化24】
【0023】つぎに、ポリマー中に存在するの末端封止
基について説明する。本実施の形態にかかるポリマーに
おいては、モノマーの縮重合反応を停止させるために種
々のシラノールからなる末端封止剤を用いる。本実施の
形態にかかるポリマーは分岐構造を有するので、多数の
末端封止基を形成することになる。末端封止基は以下の
化学式(化25、化26、および化27)からなる。し
たがって、本実施の形態にかかるポリマーは、以下の化
学式(化25、化26、および化27)を含むことにな
る。
【0024】また、末端封止基中のZ、RおよびYの具
体的な化学式は、化25、化26、および化27に示す
とおりである。ただし、化25、化26、および化27
に挙げたものは一例であり、これらに限定されるもので
はない。
【0025】
【化25】
【化26】
【化27】
【0026】上記の構造で、Si−芳香族は光照射によ
り架橋することが知られており、フォトレジスト材料と
して使用できる。アミノ基やカルボキシル基はシロキサ
ン樹脂を水溶性にするため、疎水的なシロキサン骨格と
ともに、色素等の化合物を取り込むミセル様物質として
使用できる。また、エポキシ樹脂のための重合開始剤と
して使用できる。イソシアナート基はウレタン樹脂等と
の複合化に使用できる。
【0027】本実施の形態にかかるポリマーのうち、後
に述べる実施例で取り扱うポリマーに近いものは、以下
の化学式(化28)を含むポリマーである。化28の化
学式からわかるように、Siには、1つのPhと2つの
Rが結合している。
【0028】
【化28】
【0029】なお、本実施の形態にかかるポリマーの分
子量(Mw)は、3〜100(×103 )の範囲内にあ
ることが望ましい。分子量がこの範囲内にあると、シロ
キサンの主鎖の疎水性と末端官能基の親水性等、それぞ
れの機能分離を有効に行なえるという利点があるからで
ある。
【0030】つぎに、本実施の形態にかかるポリマーの
合成法について説明する。本実施の形態にかかるポリマ
ーは、シロキサン構造からなる出発モノマーに塩素また
は臭素を反応させ、生成する反応性モノマーを縮重合さ
せて、反応性原料を得、さらに末端封止剤を反応させて
シロキサンポリマーを合成するものである。なお、出発
モノマーの一部は既知化合物である。( 参考文献:Synt
hesis andcharacterization of new polysiloxane star
burst polymers;Atsusi Morikawa,Masa-aki Kakimoto,a
nd Yoshio Imai,Macromolecules,24,3469-3474(1991))
【0031】また、本実施の形態で使用できるハロゲン
分子は塩素と臭素であり、その使用量は出発モノマーの
Si−Phに対して1〜3等量である。1より少ないと
ケイ素を十分にハロゲン化できないからであり、また3
より多くても経済的に無駄だからである。
【0032】また、このとき使用できる反応溶媒は、臭
素と生成するハロゲン化ケイ素と反応しない溶媒でなく
てはいけない。例として、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ペンタクロロエ
タン、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロ
ロエタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、および各種フッ素系溶媒、等を挙げる
ことができる。
【0033】また、縮重合反応で使用しているジエチル
アミンは反応促進剤として働いている。このものと同じ
効果を表わすものとして、第1級、第2級、第3級のア
ルキルアミン、ピロリジン、ピペラジン、モルホリン等
の環状アミン、ピリジン等があげられる。なお、モノマ
ーの縮重合反応では、ここに挙げたような反応促進剤を
用いなくとも、本実施の形態にかかるポリマーを合成で
きることはもちろんである。
【0034】また、本発明は上述の実施の形態に限らず
本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではないことはもちろんである。
【0036】[実施例1]最初に、図1に示すように、
(N,N−ジエチルアミノ)クロロジメチルシランを合
成した。73.1g(1.0mol)のジエチルアミン
を200mlのエーテルに溶解し、1Lのエーテルに溶
解した64.5g(0.48mol)のジクロロジメチ
ルシランに室温で滴下した。溶液を室温で1時間攪拌
後、生成した白色沈澱をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留
去した。残渣を蒸溜することにより純品を得た。収率は
89%であり、沸点は65℃(17mmHg)である。
また、 1H−NMR(CDCl3 ,δppm)の測定結
果は2.46(q,4H),0.60(t,6H),
0.0(s,6H)である。
【0037】つぎに、図1に示すように、(N,N−ジ
エチルアミノ)フェニルジメチルシランを合成した。
6.08g(0.44mol)のブロモベンゼンと6.
1g(0.88mol)の金属リチウムからエーテル中
で調整したフェニルリチウム溶液を、150mlのエー
テルに溶解した(N,N−ジエチルアミノ)クロロジメ
チルシランに室温で加えた。反応液を2時間攪拌後、沈
殿物を除去し、溶媒を減圧留去した。残渣を蒸溜するこ
とにより純品を得た。収率は92%であり、沸点は70
℃(0.5mmHg)である。また、 1H−NMR(C
DCl3 ,δppm)の測定結果は7.23(m,5
H),2.55(q,4H),0.70(t,6H),
0.0(s,6H)である。
【0038】つぎに、図1に示すように、フェニルジメ
チルシラノールを合成した。84.9g(0.41mo
l)の(N,N−ジエチルアミノ)フェニルジメチルシ
ランを470mlの10%酢酸水溶液と混合し、5分間
激しく攪拌した。得られた溶液を有機層と水相に分け、
水槽はエーテルで抽出し、有機層と抽出液を合わせて乾
燥した。溶媒を減圧留去後、残渣を蒸溜することにより
純品を得た。収率は85%であり、沸点は67℃(0.
5mmHg)である。また、 1H−NMR(CDC
3 ,δppm)の測定結果は7.22(m,5H),
2.56(b,1H),0.70(t,6H),0.0
1(s,6H)である。
【0039】つぎに、図1に示すように、ビス(フェニ
ルジメチルシロキシ)メチルクロロシランを合成した。
53.97g(0.35mol)のフェニルジメチルシ
ラノールと8.0g(0.35mol)の金属ナトリウ
ムを200mlのエーテル中で室温で攪拌した。この溶
液を150mlのエーテルに溶解した26.2g(0.
175mol)のメチルトリクロロシランに室温で滴下
した。反応溶液を室温で2時間攪拌し、生成した沈澱を
ろ別後、溶媒を減圧留去した。残渣を蒸溜することによ
り純品を得た。収率は60%であり、沸点は125℃
(0.5mmHg)である。また、 1H−NMR(CD
Cl3 ,δppm)の測定結果は7.44(m,10
H),0.28(s,12H),0.20(s,3H)
である。
【0040】つぎに、図2に示すように、〔ビス(フェ
ニルジメチルシロキシ)メチルシロキシ〕ジメチルシラ
ノールを合成した。15.6mlの1.6Mブチルリチ
ウムヘキサン溶液を300mlのTHFに溶解した4.
8g(0.053mol)のジメチルシラノール溶液に
−73℃で滴下した。この溶液に100mlのTHFに
溶解した20g(0.053mol)のビス(フェニル
ジメチルシロキシ)メチルクロロシランの溶液を−73
℃で加えた。反応溶液を室温で4時間攪拌し、100m
lのエーテルを加えた後、200mlの水で洗浄した。
有機層を分別し、乾燥後溶媒を減圧留去した。残渣を蒸
溜することにより純品を得た。収率は65%であり、沸
点は150℃(0.5mmHg)である。また、 1H−
NMR(CDCl3 ,δppm)の測定結果は7.22
(m,10H),0.00(s,12H),−0.40
(s,3H),−0.29(s,6H)である。また、
13C−NMR(CDCl3 ,δppm)の測定結果は1
32.92,128.97,127.12,0.66,
0.0,−2.77である。また、IR(neat,c
-1)の測定による吸収帯は3074,2905,14
27,1259,1118,1026,831,79
0,700である。
【0041】つぎに、図2および図3に示すように、本
実施の形態にかかるモノマーおよびポリマーを合成し
た。50mlの四塩化炭素に溶解した14.9g(0.
034mol)の〔ビス(フェニルジメチルシロキシ)
メチルシロキシ〕ジメチルシラノールを28.3mlの
3M臭素四塩化炭素溶液に滴下した。反応溶液を室温で
30分攪拌し、モノマーを得た。過剰量の臭素を除去す
るために、反応溶液にエチレンガスを導入した。
【0042】得られた無色の溶液に9.957g(0.
136mol)のジエチルアミンを室温で加え、溶液を
24時間加熱還流した。その後、15.5g(0.10
2mol)の末端封止剤ジメチルフェニルシラノールを
加え、24時間加熱還流した。溶液に200mlのエー
テルを加え、さらに200mlの水を加えた。有機層を
分別し、乾燥後溶媒を減圧留去すると、白色の固体が得
られた。得られた固体に20mlのヘキサンを加え、溶
解するまで加熱し、室温まで冷却すると白色固体が得ら
れた。
【0043】図3を用いて、本実施例にかかるポリマー
について説明する。記号Dで示した部分が、モノマーに
基づく構造単位である。主鎖(A)に対して、2つの分
岐した主鎖(B)が付いている。主鎖(B)のうち一方
には記号Lで示されるモノマーに基づく構造単位が結合
している。また、この構造単位の枝分かれ後の主鎖に
は、一方に末端封止基(R)が結合している。他方に
は、さらに記号Tの構造単位が結合している。さらにこ
の構造単位の枝分かれ後の主鎖には2つの末端封止基
(R)が結合している。
【0044】このように、本実施例にかかるポリマーに
おいては、縮重合反応を繰り返すごとに枝の数が増加す
る。また、これにつれて末端停止基が結合する箇所が増
加する。なお、図3に示したポリマーの構造は、モデル
的に示したものであり、本実施の形態にかかるポリマー
の構造がこの例示のものに限定されないことはもちろん
である。
【0045】本実施にかかるポリマーの収率は69%で
あり、固有粘度(THF)は0.045dL/gであ
り、GPC測定による分子量はMw/Mn=10.5×
103/6.2×103 (DP=1.7)である。ま
た、 1H−NMRスペクトルは図4に示すとおりであ
る。 1H−NMR(CDCl3 ,δppm)の測定結果
は7.02(m),3.03(b),0.29(m),
−0.25(m)である。この結果から、つぎのことが
いえる。すなわち、得られた化合物は目的の分岐シロキ
サン構造の主鎖とジメチルフェニルシリル基の末端基よ
りなっているのである。
【0046】また、13C−NMRスペクトルは図5に示
すとおりである。13C−NMR(CDCl3 ,δpp
m)の測定結果は132.92,128.96,12
7.12,0.66,0.0,−2.77である。この
結果から、つぎのことがいえる。すなわち、得られた化
合物は目的の分岐シロキサン構造の主鎖とジメチルフェ
ニルシリル基の末端基よりなっているのである。
【0047】また、赤外吸収スペクトルは図6に示すと
おりである。IR(neat,cm -1)の測定による吸
収帯は3074,2905,1427,1259,11
18,1026,831,790,700である。この
結果から、つぎのことがいえる。すなわち、得られた化
合物は目的の分岐シロキサン構造の主鎖とジメチルフェ
ニルシリル基の末端基よりなっているのである。
【0048】[実施例2]モノマーの縮重合反応時間を
16時間としたこと以外は、実施例1と同様である。 [実施例3]モノマーの縮重合反応時間を8時間とした
こと以外は、実施例1と同様である。
【0049】以上の実施例1〜3により、新規なポリマ
ー(化20〜化28)を提供することができ、また、こ
のポリマーには種々の機能を持たせることができる。ま
た、実施例1〜3により合成されたポリマーについて、
状態、固有粘度、分子量、および収率を求めたものが表
1である。
【0050】
【表1】
【0051】表1において、実施例1は反応時間が24
時間であり、実施例2は反応時間が16時間であり、実
施例3は反応時間が8時間である。状態について見てみ
る。反応時間が24時間と比較的長くなると生成物は固
体になるのに対して、反応時間が8〜16時間と比較的
短いときは生成物は液体である。
【0052】固有粘度を見てみる。反応時間が24時
間、12時間、8時間と短くなるにしたがって、固有粘
度は0.045、0.039、0.034(dL/g)
と小さくなっており流動性が大きくなる。
【0053】分子量を見てみる。反応時間が24時間、
12時間、8時間と短くなるにしたがって、分子量は1
0.5/6.2、8.2/5.6、5.3/2.9(×
10 3 )と小さくなっている。収率を見てみる。反応時
間が8時間においては収率が48%であるのに対して、
反応時間が16時間および24時間においては、収率が
74、69%と高くなっている。
【0054】表1の結果からわかるように、反応時間を
変化させることによりポリマーの分子量をコントロール
することができる。また、モノマーが縮重合するにした
がって、末端封止剤が反応すべき箇所は、幾何級数的に
増加する。したがって、本実施の形態にかかるポリマー
においては、反応時間を変化させることにより、分子量
をコントロールすると共に末端封止基の数もコントロー
ルすることができる。また、末端封止基の数のコントロ
ールは、分岐構造のモノマーとして枝が2つのものを選
ぶか、3つのものを選ぶかによっても行うことができ
る。
【0055】以上のことから、本実施例によれば、新規
なポリマー(化20〜化28)を提供することができ、
また、このポリマーには種々の機能を持たせることがで
きる。また、反応時間を変化させることによりポリマー
の分子量をコントロールすると共に、末端封止基の数を
コントロールすることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。新規なポリマー(化20〜化28)を提供す
ることができる。また、このポリマーには種々の機能を
持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるポリマーの合成反応式を
示す図である(その1)。
【図2】本実施の形態にかかるポリマーの合成反応式を
示す図である(その2)。
【図3】本実施の形態にかかるポリマーを示す図であ
る。
【図4】本実施の形態にかかるポリマーの 1H−NMR
スペクトルを示す図である。
【図5】本実施の形態にかかるポリマーの13C−NMR
スペクトルを示す図である。
【図6】本実施の形態にかかるポリマーの赤外吸収スペ
クトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP04 VP05 VP06 VP07 VP08 VP09 VQ12 VQ13 VQ78 VR21 VR22 VR31 VR41 VR42 VR43 VU20 VW02 4J035 BA01 BA04 BA11 BA14 CA01N EB10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の化学式(化1および化2)からな
    るモノマー。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 以下の化学式(化3および化4)からな
    るモノマー。 【化3】 【化4】
  3. 【請求項3】 以下の化学式(化5)からなるモノマ
    ー。 【化5】
  4. 【請求項4】 以下の化学式(化6および化7)を含む
    ポリマー。 【化6】 【化7】
  5. 【請求項5】 以下の化学式(化8および化9)を含む
    ポリマー。 【化8】 【化9】
  6. 【請求項6】 以下の化学式(化10、化11、および
    化12)を含む請求項4または5記載のポリマー。 【化10】 【化11】 【化12】
  7. 【請求項7】 以下の化学式(化13)を含むポリマ
    ー。 【化13】
  8. 【請求項8】 以下の化学式(化14)を含む請求項7
    記載のポリマー。 【化14】
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