JP3562569B2 - 架橋性ケイ素系高分子組成物並びに反射防止膜用組成物及び反射防止膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶剤に不溶性であり、かつ強靭なケイ素系高分子材料(ポリシラン)膜を与えることが可能な架橋性ケイ素系高分子組成物、並びにハロゲン系ガスプラズマエッチングにより容易にエッチングでき、最適反射防止効果を調節できる反射防止膜用組成物及び反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ヒドロシリル化反応によって硬化するシロキサン組成物は、副生成物が生成せず、深部まで迅速に硬化が進行するという特徴を有しているので、例えば、成型ゴム、接着剤、電気・電子部品のポッティング材、紙やフィルムなどの剥離コーティング材などとして幅広い分野にわたって、使用されている。
【0003】
これに対し、ポリシラン類を用いた硬化性組成物の報告例としては、側鎖置換基に水素を有するポリシラン類とトリビニルフェニルシランとを塩化白金酸触媒を用いて硬化させるものがある(ロバート・ウエスト、ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー、300巻、327〜346頁、1986年)。しかしながら、この方法においては、側鎖置換基の反応性が低いために十分に架橋反応が進行せず、このため耐溶剤性に劣ったり、機械的強度や耐摩耗性に劣る欠点を有する。
【0004】
また、側鎖にアルケニル基を有するポリシラン単独の光架橋反応を用いたポリシラン硬化法や、ポリシランと多官能性不飽和化合物との光架橋反応による硬化法も報告されている(ロバート・ウエスト、ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー、300巻、327〜346頁、1986年)。この方法においては、ポリシラン鎖の切断を利用したものであるため、ポリシランの性質をそのまま架橋膜に付与することができない欠点がある。
【0005】
一方、下塗り型反射防止膜組成物は、基板表面からの反射を防止することにより露光時の定在波の発生を抑え、露光後のパターン形状を保つために、特に微細パターンを作成するプロセスにおける必須材料となっている。現状では、ノボラック系、p−ヒドロキシスチレン系などのベースポリマーに深紫外部に強い吸収を持つ芳香族成分を導入した構造を有する成分を含有するものが広く使用されている。しかしながら、これらの有機材料では、同じく有機材料であるレジスト層との間にエッチング選択比が期待できず、むしろプラズマエッチング性がレジスト組成物と同等かそれ以上に分解しにくく、或いは飛散しにくい芳香族成分を含有することによりエッチング速度が低下してしまっており、その分更にレジスト層の膜厚を厚くすることが必要とされていた。近年のマイクロリソグラフィーの技術の進歩はめざましいものがあり、その微細化の速度はますます速まっているが、レジスト膜厚が厚いと、それに伴った深さの焦点深度が必要となり、露光の微細化を妨げる要因の一つともなっていた。
【0006】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、溶剤不溶性で、摩耗性、強度が向上したケイ素系高分子材料(ポリシラン)膜を与えることができる架橋性ケイ素系高分子組成物を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、プラズマエッチングにより容易にエッチングでき、最適反射防止効果を容易に調節できる反射防止膜用組成物及び反射防止膜を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、一分子中に2個以上のエチニル基を有する架橋剤が非常に高い反応性を有し、Si−Si結合及び少なくとも一分子中に2個以上のSi−H基を含有するケイ素系高分子材料と架橋反応させることにより、耐溶剤性に優れ、機械的強度及び耐摩耗性に優れた架橋膜を形成することを見出すに至った。
【0009】
即ち、Si−Si結合及び少なくとも一分子中に2個のSi−H基を含有するケイ素系高分子材料と一分子中に2個以上のエチニル基を有する架橋剤とヒドロシリル化触媒と溶媒からなる架橋性ケイ素系高分子組成物が、通常に用いられている方法によって容易に製膜することができ、加熱によってSi−H基とエチニル結合との付加反応が進行して架橋が起こり、溶剤不溶性の強靭なケイ素系高分子材料架橋膜を形成することを見出した。
【0010】
また、ポリシラン材料はSi−Si結合エネルギーがC−Cなどに比べて低いことからプラズマエッチング条件での分解が速いことが期待される。このポリシランに深紫外部での吸収強度の大きな構造を導入することにより、反射防止特性を付与することができれば、エッチングされ易い反射防止膜組成物としてレジスト膜厚の低減化に寄与するものと期待される。本発明者は、これらの点に鑑み、鋭意研究を行った結果、ジエチニルベンゼン骨格を含有するケイ素化合物を用いた架橋膜が優れた反射防止特性と優れたエッチング特性を合わせ持つこと、そしてエチニルベンゼン化合物の割合を変化させることにより所望の深紫外領域の吸収強度を持つ反射防止膜組成物を得ることができ、基板や上層のレジスト材料に合わせた光学物性を簡単に得ることができることを見出したものである。
【0011】
即ち、本発明は、
(a)Si−Si結合及び少なくとも一分子中に2個以上のSi−H基を含む重量平均分子量が500〜500,000のポリシラン、
(b)下記一般式(1)又は(2)
【化2】
(式中、Aは、非置換又は置換のパラ、メタ又はオルソフェニレン基を示し、R1,R2はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基又は−C≡C−A−C≡CHであり、R1とR2とは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは1〜10の整数を示す。Yは水素原子又は−[SiR1R2−(Q)b−SiR1R2−C≡C−A−C≡C]n−Hを示す。Qは−O−又は−(CH2)m−(m=0〜6の整数)、又は非置換又は置換のパラ、メタ又はオルソフェニレン基を示す。R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基であり、aは0,1又は2、bは0又は1、cは0,1又は2である。)
で示されるエチニル基含有シラン化合物、
(c)ヒドロシリル化触媒
を含有することを特徴とする架橋性ケイ素系高分子組成物
を提供する。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る架橋性ケイ素系高分子組成物の第1成分[(a)成分]は、Si−Si結合及び少なくとも一分子中に2個以上のSi−H基を含む重量平均分子量が500〜500,000のケイ素系高分子化合物である。このケイ素系高分子化合物としては、ポリシランが好ましい。このケイ素系高分子化合物、特にポリシランは、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、成型するために有機溶剤に可溶であることが必要である。
【0013】
ポリシランとしては、主鎖にSi−Si結合を持つ下記一般式(3)で表わされる高分子化合物が好適である。
【0014】
(R4 sR5 tZuSi)v (3)
(式中、R4,R5は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であるが、全R4,R5のうち、少なくとも2個は水素原子である。ZはR4、アルコキシ基、ハロゲン原子、酸素原子又は窒素原子を示し、sは0.1≦s≦2、tは0≦t≦1、uは0≦u≦0.5、1≦s+t+u≦2.5を満足する数、vは4≦v≦100,000を満足する整数である。)
【0015】
上記式(3)のポリシランにおいて、R4,R5は、水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、R4とR5とは互いに同一であっても異なっていてもよいが、上記一価炭化水素基としては、脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基が用いられる。脂肪族又は脂環式炭化水素基の場合、炭素数1〜12、好ましくは1〜6であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のものが好適であり、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。なお、置換炭化水素基としては、上記に例示した非置換の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基などで置換したもの、例えばモノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。Zは、上記したように、R4と同様の基、アルコキシ基、ハロゲン原子などであり、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4のもの、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、通常メトキシ基、エトキシ基が用いられる。
【0016】
sは0.1≦s≦2、特に0.5≦s≦2、tは0≦t≦1、uは0≦u≦0.5、特に0≦u≦0.2であり、かつ、1≦s+t+u≦2.5、特に1.5≦s+t+u≦2を満足する数であり、vは4≦v≦100,000、特に10≦v≦10,000の範囲の整数である。
【0017】
次に、第2成分[(b)成分]は、下記一般式(1)又は(2)で示されるエチニル基含有シラン化合物である。
【0018】
【化3】
(式中、Aは、非置換又は置換のパラ、メタ又はオルソフェニレン基を示し、R1,R2はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基又は−C≡C−A−C≡CHであり、R1とR2とは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは1〜10の整数を示す。Yは水素原子又は−[SiR1R2−(Q)b−SiR1R2−C≡C−A−C≡C]n−Hを示す。Qは−O−又は−(CH2)m−(m=0〜6の整数)、又は非置換又は置換のパラ、メタ又はオルソフェニレン基を示す。R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基であり、aは0,1又は2、bは0又は1、cは0,1又は2である。)
【0019】
ここで、A及びQの置換フェニレン基としては、その水素原子の一部又は全部がメチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基やメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基により置換されたものが挙げられる。また、R1,R2,R3のアルキル基としては、炭素数1〜6のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜6のもの、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、アルキニル基としては、炭素数2〜6のもの、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜12のもの、例えばフェニル基、トリル基、エチルフェニル基、ヘキシルフェニル基等が挙げられる。また、アルコキシ基としては、炭素数1〜6のもの、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキサノキシ基等が挙げられる。
【0020】
上記の架橋剤[(b)成分]は、ケイ素系高分子材料と相溶するような置換基を選択することが好ましい。また、エチニル基の置換位置はパラ体よりもメタ体やオルト体の方が一般に相溶性が良好であり好ましい。
【0021】
上記式(1),(2)の化合物は新規物質であり、上記式(1)のエチニル基含有シラン化合物は、下記一般式(4)のハロゲノシランと、下記一般式(5)の化合物と下記一般式(6)の化合物とを反応させて得られるエチニル金属化合物とを反応させることにより得ることができる。
【0022】
R1R2SiX2 (4)
(式中、R1,R2は上記と同様の意味を示し、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子である。)
HC≡C−A−C≡CH (5)
RM (6)
(式中、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、フェニル基等、MはLi,MgX又はNaである。)
【0023】
上記エチニル金属化合物は、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルエーテル等の極性溶媒中、HC≡C−A−C≡CH(Aは上記と同様)の化合物を1.0〜1.5倍モルの有機金属化合物(RM)、例えばC2H5MgBr、n−BuLiと反応させることにより合成することができる。この場合、反応温度は−78〜30℃とすることができ、反応時間は通常0.5〜2時間である。
【0024】
次いで、得られたエチニル金属化合物と式(4)のハロゲノシランとを反応させることにより、式(1)のエチニル基含有シラン化合物が得られる。この反応は、上記と同様の極性溶媒を用いて行うことができ、反応温度は0〜150℃とすることが好ましい。反応時間は通常1〜3時間である。
【0025】
得られる反応生成物は、式(1)においてnが0以上であるものの混合物であり、これは分取GPCなどにより単離精製できる。
【0026】
また、式(2)のエチニル基含有シラン化合物は、下記一般式(7)の化合物と上記エチニル金属化合物とを反応させることにより合成できる。この場合、反応方法、反応条件は上記と同様である。
【0027】
【化4】
(式中、Q,R3,a,b,c及びXは上記と同様の意味を示す。)
【0028】
上記(b)成分の配合量は、(a)成分100重量部に対して1〜200重量部、特に5〜50重量部である。
【0029】
第3成分[(c)成分]のヒドロシリル化触媒としては、白金触媒、ロジウム触媒、有機過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。
【0030】
白金触媒としては、塩化白金酸ブタノール溶液、白金ビニルシロキサントルエン溶液等が挙げられ、ロジウム触媒としては、トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムクロライド、カルボニウムトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(I)ハイドライド、クロロビス(シクロオクテン)ロジウム(I)ダイマー、ロジウム(I)ジカルボニルアセチルアセトネート等が挙げられ、有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられ、アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)〔OTazo−15(大塚化学(株)製商品名)〕等が挙げられる。
【0031】
上記(c)成分のヒドロシリル化触媒の配合量は、触媒量であり、その種類によって相違するが、(a)成分100重量部に対して0.0001〜50重量部、特に0.01〜30重量部である。
【0032】
なお、上記架橋性ケイ素系高分子組成物には、その必要に応じて可塑剤、レベリング剤、接着性向上剤、安定剤等を配合することができる。
【0033】
また、この組成物は、上記成分を有機溶剤に溶解して使用することが好ましい。有機溶剤としては、上記成分を溶解可能なものであればいずれのものでもよいが、エーテル系又はエステル系溶剤が好ましく、具体的にはアニソール、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ソルベントナフサ等が挙げられる。
【0034】
上記組成物は、金属、プラスチックス、ゴム等の基材にスピンコート法などの手段で塗布、製膜し、加熱することにより、(a)成分のSi−H基と(b)成分の反応性の高いエチニル基との付加反応が起こり、溶剤に不溶性の強靭な架橋膜を形成する。従って、摩耗性、強度等の耐久性が要求される用途に有効に使用されるほか、ハロゲン系ガスプラズマエッチングにより容易にエッチングできることから、レジスト層の下層となる反射防止膜用としても好適に用いられる。なお、上記架橋に際しての加熱温度は100〜250℃とすることが好ましい。
【0035】
本発明の組成物は、感光性レジスト組成物、特に紫外線又は電子線感光性レジスト組成物によるレジスト層の下層を形成する。具体的には、基体上にスピンコート法等の適宜な方法で上記組成物の皮膜を塗布、乾燥し、この皮膜を100〜250℃に加熱して硬化させた後、その上感光性レジスト組成物の皮膜を形成し、常法に従って、露光、現像を行い、本発明の組成物の硬化膜上にレジストパターンを形成する。次いで、レジスト層が形成されていない露呈硬化膜部分をハロゲン系ガス、例えば塩素ガスを含むプラズマを用いてエッチング、除去し、エッチングパターンを形成する。この場合、必要によっては残ったレジスト層と上記硬化膜をマスクし、露呈基体部分の加工を行うことができる。
【0036】
ここで、基体としては、シリコンウエハー等を用いることができる。また、上記硬化膜の厚さは、レジスト層の厚さの0.1〜3倍、特に0.5〜2倍とすることが好ましい。なお、レジスト組成物は、ポジ型であってもネガ型であってもよい。更に、上記露呈硬化膜部分のエッチングは、プラズマエッチング法によることが好ましい。なお、このプラズマエッチング法としては常法を採用することができる。また更に、上記露呈基体部分の加工は、ガス組成の異なるプラズマエッチング法にて常法に従って行うことができる。
【0037】
このジエチニルベンゼン骨格を含有するケイ素化合物は深紫外領域に強い光吸収能を有する化合物であり、下塗り型反射防止膜を形成する際、上記化合物を添加すればベースポリマーの吸収特性を調節することが可能となる。同時に一般に紫外線吸収特性の大きい化合物はプラズマエッチング性がレジスト組成物と同等かそれ以上に分解しにくく、或いは飛散しにくいことが多いが、ケイ素が導入されているため分解し易く、プラズマエッチング性が良好な反射防止膜を形成できる。従って、ハロゲン系ガスプラズマエッチングにより容易にエッチングでき、最適反射防止効果を調節できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の架橋性ケイ素系高分子組成物は、溶剤不溶性で、摩耗性、強度が向上したケイ素系高分子材料(ポリシラン)膜を与えることができ、また、プラズマエッチングにより容易にエッチングでき、最適反射防止効果を容易に調節できる反射防止膜用組成物及び反射防止膜を提供できる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、Etはエチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。また、特にことわらない限り、%は重量%を示す。
【0040】
[実施例1]
[(MePhSi)2(MeHSi)2(Me2Si)2]n(MN2,470、MW5,330)100重量部と、(p−HC≡C−C6H4−C≡C−)2SiPhH20重量部と、BTTB−25(3,3’,4,4’−Tetra(t−butyl peroxy carbonyl benzophenone25%トルエン溶液、日本油脂製)20重量部とをトルエン100重量部に溶解し、スピンコーターを用いて製膜した。製膜後、窒素雰囲気下、190℃のホットプレート上に5分間のせ、架橋を行った。
【0041】
得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0042】
[実施例2]
実施例1の(p−HC≡C−C6H4−C≡C−)2SiPhHの代わりに(p−HC≡C−C6H4−C≡C−)3SiPhを用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0043】
[実施例3]
実施例1の(p−HC≡C−C6H4−C≡C−)2SiPhHの代わりに(p−HC≡C−C6H4−C≡C−)SiMe2SiMe2(−C≡C−C6H4−p−C≡CH)を用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0044】
[実施例4]
実施例1の(p−HC≡C−C6H4−C≡C−)2SiPhHの代わりに(m−HC≡C−C6H4−C≡C−)2SiMe2を用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は4Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0045】
[実施例5]
実施例1の[(MePhSi)2(MeHSi)2(Me2Si)2]n(MN2,470、MW5,330)の代わりに[(Ph2Si)4(Me2Si−C6H4−SiMe2)2(MeHSi)2]n(MN5,400、MW8,900)を用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0046】
[実施例6]
実施例1の[(MePhSi)2(MeHSi)2(Me2Si)2]n(MN2,470、MW5,330)の代わりに[(Ph2Si)3(PhHSi)7]n(MN660、MW800)を用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0047】
[実施例7]
実施例1の[(MePhSi)2(MeHSi)2(Me2Si)2]n(MN2,470、MW5,330)の代わりに(PhHSi)n(MN780、MW1,000)を用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0048】
[実施例8]
実施例1のBTTB−25(3,3’,4,4’−Tetra(t−butyl peroxy carbonyl benzophenone25%トルエン溶液、日本油脂製)の代わりにアゾ化合物(OTazo−15、大塚化学(株)製)を用いる他は同様に行った。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0049】
[実施例9]
実施例1のBTTB−25(3,3’,4,4’−Tetra(t−butyl peroxy carbonyl benzophenone25%トルエン溶液、日本油脂製)の代わりに塩化白金酸0.001重量部を用い、空気中において120℃,5分間加熱した。得られた膜に関して、鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は5Hであった。トルエン溶解性を調べたところ不溶であり、密着性が良好であることが分かった。また、ケイ素系高分子材料特有の紫外線吸収特性は架橋前後で変化はなく、ケイ素−ケイ素結合は保持されていることが確認された。
【0050】
[参考例1]
窒素ガス雰囲気下、撹拌機、ジムロート、滴下ロート、温度計を備えた四つ口フラスコに、m−ジエチニルベンゼン5.1g(40mmol)、THF60mlを収め、氷水浴を用いて冷却した。滴下ロートよりEtMgBr/THF溶液(45mmol)を滴下する。室温撹拌を30分行った後、フェニルジクロロシラン3.54g(20mmol)/THF10ml溶液を滴下した。滴下終了後、加熱還流を2時間行い、次いでトリメチルクロロシラン3gを添加し、水洗後、60℃のオイルバスを用いて加熱し、減圧下で溶媒を除いて、目的物である下記式で示される化合物を褐色粘稠物(7.3g)として得た。
【0051】
【化5】
【0052】
GPC分析を行ったところ、n=1の化合物を49%、n=2の化合物を24%、n=3の化合物を11%、n=4の化合物を8%含有していることが分かった。
【0053】
分取GPCを用いてそれぞれ単離精製を行い、IR分析を行ったところ、いずれの化合物もエチニル基のCHの伸縮振動が3,294cm−1に確認された。また、エチニレンの−C≡C−に関しては、n=1の化合物は2,154cm−1、n=2の化合物は2,155cm−1、n=3の化合物は2,156cm−1に確認された。熱分析においてエチニル基の反応性を調べたところ、n=1の化合物は208.5℃、n=2の化合物は205.6℃、n=3の化合物は202.8℃に発熱ピークが観察され、反応性が高いことが確認された。
【0054】
[参考例2]
フェニルジクロロシランの代わりにジメチルジクロロシラン2.58g(20mmol)を用いた他は参考例1と同様に行い、目的物である下記式で示される化合物を橙色粘稠物(6.2g)として得た。GPC分析を行ったところ、n=1の化合物を42%、n=2の化合物を27%、n=3の化合物を14%、n=4の化合物を6%含有していることが分かった。
【0055】
IRスペクトル分析より、エチニル基(3,296cm−1)、エチニレン(2,155cm−1)を確認し、目的物と同定した。
【0056】
【化6】
【0057】
[参考例3]
フェニルジクロロシランの代わりに1,2−ジクロロテトラメチルジシラン2.58g(20mmol)を用いた他は参考例1と同様に行い、目的物である下記式で示される化合物を橙色粘稠物(7.4g)として得た。GPC分析を行ったところ、n=1の化合物を49%、n=2の化合物を18%、n=3の化合物を10%、n=4の化合物を5%含有していることが分かった。
【0058】
IRスペクトル分析より、エチニル基(3,297cm−1)、エチニレン(2,147cm−1)を確認し、目的物と同定した。
【0059】
【化7】
【0060】
[参考例4]
m−ジエチニルベンゼンの代わりにp−ジエチニルベンゼン5.1g(40mmol)を用いた他は参考例1と同様に行い、目的物である下記式で示される化合物を橙色固体(6.7g)として得た。GPC分析を行ったところ、n=1の化合物を46%、n=2の化合物を19%、n=3の化合物を9%、n=4の化合物を4%含有していることが分かった。
【0061】
IRスペクトル分析より、エチニル基(3,292cm−1)、エチニレン(2,162cm−1)を確認し、目的物と同定した。
【0062】
【化8】
【0063】
[参考例5]
フェニルジクロロシランの代わりにフェニルトリクロロシラン2.75g(13mmol)を用いた他は参考例1と同様に行い、目的物である下記式で示される化合物を橙色粘稠物(6.5g)として得た。
【0064】
IRスペクトル分析より、エチニル基(3,294cm−1)、エチニレン(2,155cm−1)を確認し、目的物と同定した。
【0065】
【化9】
Claims (4)
- (a)Si−Si結合及び少なくとも一分子中に2個以上のSi−H基を含む重量平均分子量が500〜500,000のポリシラン、
(b)下記一般式(1)又は(2)
で示されるエチニル基含有シラン化合物、
(c)ヒドロシリル化触媒
を含有することを特徴とする架橋性ケイ素系高分子組成物。 - ヒドロシリル化触媒が白金触媒、ロジウム触媒、有機過酸化物又はアゾ化合物である請求項1記載の架橋性ケイ素系高分子組成物。
- レジスト層の下層を形成する反射防止膜用である請求項1又は2記載の架橋性ケイ素系高分子組成物。
- 請求項3記載の組成物の硬化膜からなる反射防止膜。
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