JP2002265405A - カリックスアレーンを化学結合させた次世代型クロマトグラフィー固定相 - Google Patents

カリックスアレーンを化学結合させた次世代型クロマトグラフィー固定相

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JP2002265405A
JP2002265405A JP2001072088A JP2001072088A JP2002265405A JP 2002265405 A JP2002265405 A JP 2002265405A JP 2001072088 A JP2001072088 A JP 2001072088A JP 2001072088 A JP2001072088 A JP 2001072088A JP 2002265405 A JP2002265405 A JP 2002265405A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1及びR2は、少なくとも1個がCH2=CH(CH2)
m-、トリアルコキシシリル-(CH2)m+2-又はポリシロキサ
ン-(CH2)m+2-(ここで、mは1〜8の数を示す)を示
し、残余が炭素数3以上のアルキル基を示し;Arは置
換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水
素基を示し;nは2〜4の数を示す]で表されるカリッ
クスアレーン化合物;及びこれを用いたクロマトグラフ
ィー固定相。 【効果】 本発明のカリックスアレーン化合物(1)
は、包接能及び分離能に優れており、クロマトグラフィ
ー用カラムとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種クロマトグラフ
ィー固定相の材料として有用なカリックスアレーン化合
物に関する。
【0002】
【従来の技術】1903年にTswettによって創始
されたクロマトグラフィーは、化学の進歩に伴い他種多
様な化合物が合成されるようになった現在、優れた分離
分析方法として確固たる地位を築いている。しかし、固
定相として高分子のバルクの性質を利用する分離原理で
は限界が見えてきたため、さまざまな分野で幅広く応用
されていた包接化合物が1980年頃から注目され始め
た。
【0003】特に1980年には、第一世代の包接化合
物であるクラウンエーテルを液体クロマトグラフィー固
定相に応用した例が相次いで報告された。クラウンエー
テルがさまざまな金属カチオンと安定な錯体を形成する
ため、カチオンサイズとクラウンエーテルの環サイズと
の適合性により金属イオンを分離することに成功した。
さらに1990年代前半には、ガスクロマトグラフィー
用のカラム固定相としても利用され始め、極性化合物や
芳香族炭化水素、特に位置異性体への分離に独特な選択
性を示した。
【0004】1990年には第二世代の包接化合物であ
るシクロデキストリンをポリシロキサン骨格に化学結合
させ、この応用が報告された。シクロデキストリンは主
にガスクロマトグラフィーに利用されており、1993
年にはキラルなジオールを誘導化せずに、そのまま分離
することに初めて成功した。また同年、Jungらは過
メチル化β−シクロデキトリンのメチル基の一部をトリ
フルオロアセチル基で置換することで優れたエナンチオ
マー分離能を実現した。このように包接化合物を用いた
分離分析技術は分析化学の分野に画期的な進歩をもたら
し、現在では広く利用されている。しかし、これらの方
法には欠点もある。例えばクラウンエーテルはイオン−
双極子相互作用に基づいた分離、すなわち液体クロマト
グラフィーのイオンの分離には優れているがその他の分
離には適していない。また、シクロデキストリンはクラ
ウンエーテルに比べさまざまな化合物に対し優れた選択
性を示すが、その耐熱性や化学修飾の難しさに問題が残
っている。
【0005】これらの問題を克服するため、最近第三世
代の包接化合物であるカリックスアレーンが注目される
ようになってきた。カリックスアレーンは、耐熱性とそ
の多彩な相互作用、さらに化学修飾の容易さからシクロ
デキストリンよりも多様な化合物に対する優れた分離能
が期待できる。1995年にMunkらはガスクロマト
グラフィー充填剤にp−tert−ブチルカリックス
[4]アレーンを物理吸着させたパックドカラムを報告
した。しかしこれは物理吸着のため固定相のブリードが
起こり、分解能は低いものであった。そこで1996年
にはポリシロキサンをコーティングしたキャピラリーカ
ラム内表面にカリックスアレーンをさらにコーティング
し、改良したカラムを報告した。これもカラムコーティ
ングの難しさ及びカリックスアレーンの高融点のため、
期待した分離能は示さなかった。そこで、1999年W
uらはtert−ブチル基を有するカリックスアレーン
をポリシロキサン骨格に直接結合させ、分解能を飛躍的
に向上させることに成功した(Chromatographia,1999,
50, 82;J. Chromatogra. A 1999, 840, 225)。さら
に320℃という高温での熱安定性も示し、カリックス
アレーンを用いたカラムでは最も成功した例である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
カリックスアレーン化合物の分離能は未だ十分満足でき
るものではなく、さらに包接能及び分離能に優れたクロ
マトグラフィー固定相として有用なカリックスアレーン
化合物の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
課題を解決すべく検討したところ、前記Wuらのカリッ
クスアレーン化合物は、包接場となるカリックスアレー
ンの上縁部に嵩高い置換基であるtert−ブチル基を
有しているため包接能が十分に活用されていないのに対
し、カリックスアレーンの上縁部に平面構造を有する芳
香族炭化水素基を導入し、かつ下部にアルキル鎖を介し
てポリシロキサン側鎖又はトリアルコキシシリル基と結
合させた新規化合物が、包接能及び分離能に優れ、クロ
マトグラフィー固定相として有用であることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は次の一般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】[式中、R1及びR2は、少なくとも1個が
CH2=CH(CH2)m-、トリアルコキシシリル-(CH2)m+2-又は
ポリシロキサン-(CH2)m+2-(ここで、mは1〜8の数を
示す)を示し、残余が炭素数3以上のアルキル基を示
し;Arは置換基を有していてもよい炭素数6〜10の
芳香族炭化水素基を示し;nは2〜4の数を示す]で表
されるカリックスアレーン化合物を提供するものであ
る。
【0011】また本発明は上記一般式(1)において、
1及びR2の少なくとも1個がトリアルコキシシリル-
(CH2)m+2-又はポリシロキサン-(CH2)m+2-である化合物
を反応させるか又はコーティングしてなるクロマトグラ
フィー固定相を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】一般式(1)中、R1及びR2の少
なくとも1個はCH2=CH(CH2)m-、トリアルコキシシリル
-(CH2)m+2-又はポリシロキサン-(CH2)m+2-である。ここ
で、R1及びR2の少なくとも1個がCH2=CH(CH2)m-であ
る化合物は、当該基がトリアルコキシシリル-(CH2)m+2-
又はポリシロキサン-(CH2)m+2-である化合物の中間体で
ある。ここでmは1〜8の数を示すが、3〜8が好まし
く、特に3〜6が好ましい。トリアルコキシシリル-(CH
2)m+2-としては、トリ(C1−C6アルコキシ)シリル-(CH
2)m+2-が好ましく、具体的にはトリメチルシリル-(CH2)
m+2-、トリエチルシリル-(CH2)m+2-等が挙げられる。ま
た、ポリシロキサン-(CH2)m+2-としては、ジメチルポリ
シロキサン-(CH2)m+2-が好ましい。ポリシロキサン-(CH
2)m+2-において、-(CH2)m+2-基は、ポリシロキサンの側
鎖として結合しているのが好ましく、例えば下記式
(2)のように結合しているのがより好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】[式中、l1及びl3は1〜20の数を示
し、l2は1〜4の数を示し、l4は10〜2000の数
を示し、mは前記と同じ]
【0015】R1及びR2の残余の基は炭素数3以上のア
ルキル基であり、炭素数3〜12のアルキル基が好まし
く、3〜8のアルキル基がより好ましい。具体例として
は、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙
げられる。
【0016】R1及びR2のうち、少なくとも1つがトリ
アルコキシシリル-(CH2)m+2-又はポリシロキサン-(CH2)
m+2-である化合物の場合、当該トリアルコキシシリル-
(CH2) m+2-基又はポリシロキサン-(CH2)m+2-基は1〜2
n個まで置換し得るが、クロマトグラフィー固定相とし
て用いるときに分子を捉えやすくする観点から、1〜n
個がより好ましい。
【0017】Arは置換基を有していてもよい炭素数6
〜10の芳香族炭化水素基を示すが、当該芳香族炭化水
素基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、特に
フェニル基が好ましい。当該芳香族炭化水素基に置換し
得る基としては、アルキル基、ハロゲノアルキル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ジアルキ
ルアミノ基、スルホニルオキシ基及び1個以上の不斉炭
素原子を有する官能基が挙げられる。ここで、アルキル
基としては、炭素数1〜20、特に1〜12のアルキル
基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、デ
シル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基等が挙げられる。アルコキシ基とし
ては、炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、例えば
メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げら
れる。ハロゲノアルキル基としては、ハロゲン原子が1
〜3個置換した炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、
例えばトリフルオロメチル基、1,1,1−トリクロロ
エチル基等が挙げられる。ジアルキルアミノ基としては
ジ(C1−C6アルキル)アミノ基が挙げられ、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
【0018】Arが、1個以上の不斉炭素原子を有する
官能基が置換した芳香族炭化水素基である場合には、本
発明化合物は、特にエナンチオマーの分離用固定相とし
て有用である。ここで1個以上の不斉炭素原子を有する
官能基の例としては、例えば次の式(3)〜(8)で示
される基が挙げられる。
【0019】
【化4】
【0020】[式中、R3はフェニル基、ナフチル基、
イソプロピル基又はtert−ブチル基を示し、pは0
又は1の数を示し、R4はイソプロピル基、tert−
ブチル基又はベンジル基を示し、そのときR5は水素原
子を示し、また、R4とR5が一緒になってトリメチレン
基を形成してもよい。*は不斉炭素原子を示す]
【0021】nは2〜4の数を示すが、2又は3が好ま
しく、2が特に好ましい。
【0022】本発明のカリックスアレーン化合物は、例
えば次の反応式に従って製造することができる。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】[式中、R1a及びR2aの少なくとも1個は
水素原子であり、残余は炭素数3以上のアルキル基を示
し、R1b及びR2bの少なくとも1個はCH2=CH(CH2)m-で
あり、残余は炭素数3以上のアルキル基を示し、R1c
びR2cの少くなくとも1個はトリアルコキシシリル-(CH
2)m+2-又はポリシロキサン-(CH2)m+2-であり、残余は炭
素数3以上のアルキル基を示し、n及びmは前記と同
じ]
【0026】すなわち、p−tert−ブチルフェノー
ル(9)にアルカリ存在下にホルムアルデヒドを反応さ
せることによりカリックスアレーン化合物(10)を
得、これに塩化アルミニウム及びフェノールを反応させ
てtert−ブチル基を除去することにより化合物(11)
を得、これをアルキルハライドを用いてフェノールの水
酸基の一部をO−アルキル化して化合物(12)とし、
これをブロム化することにより化合物(13)とし、残
存するフェノールの水酸基をアルケニル化して化合物
(14)とし、次いでブロム基をジヒドロキシボラニル
化した後アリル化すれば化合物(1A)が得られる。得
られた化合物(1A)にハイドロジェンポリシロキサン
又はトリアルコキシシランを反応させるヒドロシリル化
に付すことにより化合物(1S1)が得られる。
【0027】ここで、p−tert−ブチルフェノール
(9)からカリックスアレーン(10)への変換反応
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ存
在下、あるいは酸触媒存在下、化合物(9)に対して、
1.2倍モル以上のホルムアルデヒドあるいはパラホル
ムアルデヒドとともに加熱撹拌し、その後ジフェニルエ
ーテル、キシレン等の溶媒中で加熱還流することにより
行なわれる。カリックスアレーン(10)のtert−
ブチル基脱離反応は、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭
化水素溶媒中、カリックスアレーン(10)と塩化アル
ミニウム及びフェノールとを室温下で攪拌すればよい。
化合物(11)のアルキル化反応は、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド等の溶媒中、炭酸カリウム、水素
化ナトリウム等のアルカリ存在下、化合物(11)とプ
ロピルブロミド等の炭素数3以上のアルキルハライドを
加熱還流すればよい。化合物(12)のブロム化反応
は、例えば、N−ブロムコハク酸イミド等のブロム化剤
を用いて、メチルエチルケトン、トルエン等の溶媒中、
室温条件で行なえばよい。化合物(13)のアルケニル
化反応は、アリルブロミド等のアルケニルハライドを用
いて、水素化ナトリウム等の強アルカリの存在下、ジメ
チルホルムアミド、トルエン等の溶媒中、室温で行なえ
ばよい。化合物(14)は、ブチルリチウム、トリメト
キシボラン、次いで塩酸を反応させることにより化合物
(15)とし、これを3−ヨウ化メチルベンゼン等のヨ
ウ化アリール化合物とをトリフェニルホスフィン−パラ
ジウム錯体の存在下、ベンゼン及び炭酸ナトリウム中加
熱還流することにより化合物(1A)が得られる。化合
物(1A)のヒドロシリル化反応は、化合物(1A)と
ハイドロジェンポリシロキサンあるいはトリアルコキシ
シランとを塩化白金酸、クロロトリス(トリフェニルホ
スフィン)ロジウム等の存在下トルエン、テトラヒドロ
フラン等の溶媒中で反応させることにより行なわれる。
【0028】一般式(1)中のR1及びR2のうちの1個
のみがCH2=CH(CH2)m-、ポリシロキサン-(CH2)m+2-、又
はトリアルコキシシリル-(CH2)m+2-である化合物は、例
えば次の反応式に従って製造することができる(一般式
(1)中のnが2の場合を例示)。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】[式中、Bnはベンジル基を示し、R6
炭素数3以上のアルキル基を示し、R7はポリシロキサ
ン残基又はトリアルコキシシリル基を示し、m及びAr
は前記と同じ]
【0032】すなわち、カリックスアレーン(10)を
ベンジル化してモノベンジル体(17)を得、このdi
stal位をアルキル化して化合物(18)とし、ブロ
ム化して化合物(19)を得、さらに残りの水酸基をア
ルキル化して化合物(20)とする。次に、脱ベンジル
化して化合物(21)とした後、アルケニル化して化合
物(22)とし、次いでジヒドロキシボラニル化した後
アリール化すれば、化合物(1B)が得られる。化合物
(1B)をヒドロシリル化反応に付して化合物(1
2)を得る。
【0033】化合物(16)のベンジル化反応は、ベン
ジルブロミド等のベンジルハライドを用い、炭酸カリウ
ム、フッ化セシウム等のアルカリの存在下、アセトン、
アセトニトリル等の溶媒中加熱還流することにより行な
われる。化合物(17)のアルキル化反応は前記化合物
(11)のアルキル化と同様にして行なわれる。また、
化合物(18)のブロム化は、前記化合物(12)のブ
ロム化と同様にして行なわれる。化合物(19)のアル
キル化反応は、化合物(11)のアルキル化と同様にし
てもよいが、プロピルブロミド等を用い、水素化ナトリ
ウム等の強アルカリの存在下に行なうのが好ましい。化
合物(20)の脱ベンジル化反応は、化合物(20)と
ヨウ化トリメチルシリル等を、クロロホルム等の溶媒中
で反応させることにより行なうことができる。化合物
(21)のアルケニル化、さらに化合物(22)から化
合物(1S2)までの反応は、前記と同様にして行なう
ことができる。
【0034】かくして得られた本発明化合物(1)のう
ち、R1及びR2の少なくとも1つがポリシロキサン-(CH
2)m+2-又はトリアルコキシシリル-(CH2)m+2-である化合
物は、種々のクロマトグラフィー固定相として有用であ
る。ここで、クロマトグラフィーにはガスクロマトグラ
フィー、液体クロマトグラフィー、超臨界流体クロマト
グラフィー、薄層クロマトグラフィー、キャピラリーガ
スクロマトグラフィー、電気クロマトグラフィー、キャ
ピラリー電気泳動のいずれも含まれる。
【0035】本発明化合物(1)を反応させるか又はコ
ーティングしてなるガスクロマトグラフィー用カラム
は、例えば本発明化合物(1)のうち、R1及びR2の少
なくとも1つがポリシロキサン-(CH2)m+2-である化合物
をペンタン、アセトン、塩化メチレン等の溶媒に溶解さ
せ、これにケイソウ土系担体の代表的市販品であるクロ
モソルブWやセライト545等を加え、その後減圧する
などして溶媒を除くことにより0.1〜30重量%の範
囲で担体表面に固定相をコーティングする。これをガラ
ス、ステンレス等のパイプ状カラムに充填することによ
り得ることができる。また、キャピラリーガスクロマト
グラフィー用カラムは、例えば本発明化合物(1)のう
ち、R1及びR2の少なくとも1つがポリシロキサン-(CH
2)m+2-である化合物をペンタン、アセトン、塩化メチレ
ン等の溶媒に溶解させ、これを内面不活性化処理され市
販されているシリカキャピラリーカラム(内径0.1〜
1mm程度の中空パイプ)にスタティック法あるいはダイ
ナミック法によりコーティングし、N2ガスを通じてよ
く乾燥することにより得ることができる。また、液体ク
ロマトグラフィー用カラムは、例えば本発明化合物
(1)のうち、R1及びR2の少なくとも1つがトリアル
コキシシリル-(CH2)m+2-である化合物をトルエン、ヘプ
タン等の溶媒に溶解させ、これに予め酸処理した5〜1
0μl程度の球状シリカゲルを加えて加熱還流し、濾過
してよく乾燥し、これを市販品のステンレス、ガラス等
のカラムに充填することにより得ることができる。
【0036】こうして得られたクロマトグラフィー用カ
ラムを用いるクロマトグラフィーは通常のガスクロマト
グラフィー、液体クロマトグラフィー等の手順に従って
行なえばよい。
【0037】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではな
い。
【0038】実施例1 5,17-ビス(3-置換フェニル)-25,27-ジプロピルオキシ-2
6,28-ジアルケニルオキシカリックス[4]アレーンの合成 5,11,17,23-テトラ-tert-ブチル-25,26,27,28-テトラヒ
ドロキシカリックス[4]アレーン(1) 窒素ガス導入管、メカニカルスターラーを備えた三ッ口
フラスコに、4-tert-ブチルフェノール100 g (0.666 mo
l)、水酸化ナトリウム1.20 g (30.0 mmol)、37%ホルム
アルデヒド水溶液(62 mL)を秤り取り、黄色アメ状にな
るまで120℃で約2時間メカニカルスターラーで撹拌し
た。これを室温まで冷却した後、冷却管を備えたディー
ンスターク型トラップを連結した。これにジフェニルエ
ーテル(600mL)を加え、窒素ガスを液面に吹き付けなが
ら120℃で1時間撹拌後、さらに2時間還流した。放冷
後、酢酸エチル(800 mL)を加え、得られた沈殿物を吸引
ろ過により回収し、白色固体の(1) (Fw 648.92) を94.7
g 得た。収率88%; Rf = 0.46(CHCl3/hexane3:4); 1H
NMR (89.5 MHz, CDCl3)δ10.38 (br s , 4H), 7.11 (s,
8H), 4.17 (br s, 4H), 3.57 (br s, 4H), 1.21 (s, 3
6H); IR (KBr, cm-1)3130 (OH).
【0039】25,26,27,28-テトラヒドロキシカリックス
[4]アレーン(2) 窒素雰囲気下、塩化アルミニウム52.6 g (0.394 mol)、
フェノール34.8 g (0.370 mol)(1) 50 g (77.1 mmol)、
トルエン(400 mL)を混合し、室温で2時間撹拌した。反
応終了後、水(500 mL) を加え30分間撹拌した後、有機
相を分離し、これを無水硫酸マグネシウムで脱水し、減
圧濃縮により溶媒を留去した後、再結晶(クロロホルム/
メタノール)により、白色固体の(2) (Fw 424.47) を30.
2 g 得た。収率92%; mp 313-314℃; Rf = 0.56 (hexan
e/chloroform 1:2); 1H NMR ( 400 MHz, CDCl3)δ10.21
(s, 4H),7.04 (d, 8H), 6.73(t, 4H), 4.4-3.3 (br d,
8H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3)δ148.74, 128.96, 12
8.21, 122.23, 31.68; IR(KBr, cm-1) 3240(OH).
【0040】25,27-ジプロピルオキシ-26,28-ジヒドロ
キシカリックス[4]アレーン(3) (2) 10.0 g (23.6 mmol)、炭酸カリウム3.59 g (25.96
mmol)、アセトニトリル(400 mL)を混合し、これにプロ
ピルブロミド5.83 g (48.2 mmol)を加え15時間還流し
た。反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留去し、クロロ
ホルム(100 mL)を加え、これを水(100 mL)、1N塩酸水溶
液(2×50 mL)、飽和食塩水(100 mL)で順に洗浄した。こ
の有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮に
より溶媒を留去した後、再結晶(クロロホルム/メタノー
ル)により、白色固体 の(3) (Fw 508.66)を9.23 g 得
た。収率77%; mp 271℃; Rf = 0.46 (hexane/ chlorof
orm 4:3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.30 (s, 2H),
7.04-6.62 (m, 12H), 4.32 (d,J = 13.0Hz, 4H), 3.94
(t, J = 6.28Hz, 4H), 3.36 (d, J = 13.0Hz, 4H), 2.0
6-2.01 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.36Hz, 6H); 13C NMR
(101MHz, CDCl3)δ153.35, 151.82, 134.19, 128.87, 1
28.41, 128.10, 125.26, 118.91, 78.25, 31.41,10.90;
IR(KBr, cm-1) 3302(OH).
【0041】5,17-ジブロモ-25,27-ジプロピルオキシ-2
6,28-ジヒドロキシカリックス[4]アレーン(4) (3) 10.0 g (19.7 mmol)、N-ブロモスクシンイミド7.00
g (39.3 mmol)を2-ブタノン(300 mL)に溶解し、室温で
24時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留
去し、これに少量の熱メタノールを加えてN-ブロモスク
シンイミドを完全に溶解させた。これをろ過して、白色
固体の(4) (Fw 666.45)を11.6 g 得た。収率98%; mp >
300℃; 1H NMR (CDCl3,400MHz) δ8.39 (s, 2H), 7.3-
6.7 (m, 10H), 4.25 (d, J = 12.9 Hz, 4H), 3.95 (t,
J = 6.20 Hz, 4H), 3.33 (d, J =13.0Hz, 4H), 2.2-2.0
(m, 4H), 1.4-1.1 (m, 6H); IR(KBr, cm-1) 3200(OH).
【0042】5,17-ジブロモ-25,27-ジプロピルオキシ-2
6,28-ジアリルオキシカリックス[4]アレーン(5a) (4) 10.0 g (15.0 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2
00 mL)に溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラフ
ィン3.60 g (90 mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。
これに3-ブロモプロペン9.05 g (75 mmol)を加え、室温
で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液(150 mL)
を加え、クロロホルム(3×150 mL)で抽出し、合わせた
有機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機相を無水
硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去
した後、再結晶(クロロホルム/メタノール)により、白
色固体の(5a)(Fw 746.58)を10.4 g得た。収率 93%; mp
216?C; 1H NMR(CDCl3)δ7.11-6.28 (m, 12H), 5.15-
5.11 (m, 4H), 4.58-4.56 (m, 4H), 4.37 (d, J=13.44H
z, 4H), 3.75-3.69 (m, 4H), 3.09 (d, J=13.48Hz, 4
H), 1.90-1.85 (m, 4H), 1.07-1.01 (m, 6H).
【0043】5,17-ジブロモ-25,27-ジプロピルオキシ-2
6,28-ビス(4-ペンテニルオキシ)カリックス[4]アレーン
(5b) (4) 10.0 g (15.0 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2
00 mL)に溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラフ
ィン3.60 g (90 mmol)を加え、室温で15分間撹拌した
後、5-ブロモ-1-ペンテン11.2 g (75.0 mmol)を加え、
室温で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液(150
mL)を加え、クロロホルム(3×150 mL)で抽出し、合わせ
た有機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機相を無
水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留
去した後、再結晶(クロロホルム/メタノール)により、
白色固体の(5b)(Fw 778.66)を8.8 g得た。収率 75%; m
p 165?C; 1H NMR(CDCl3)δ6.82-6.44 (m, 10H), 5.85-
5.83 (m, 2H), 5.08-4.98 (m,4H), 4.38 (d, J=13.36H
z, 4H), 3.90-3.79 (m, 8H), 3.11 (d, J=13.40Hz, 4
H), 2.18-2.16 (m, 4H), 1.99-1.87 (m, 8H), 1.00-0.9
3 (m, 6H).
【0044】25,27-ジプロピルオキシ-26,28-ジアリル
オキシカリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン酸(6a) アルゴン雰囲気下、(5a) 2.00 g (2.58 mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(40 mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液5.17 mL
(7.74 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。これにト
リメトキシボラン1.07g(10.32mmol)を加え、-78℃で1時
間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩酸水溶
液(40 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×100 mL)で
抽出し、合わせた有機相を水(100 mL)で洗浄した。この
有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮によ
り溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒(20 m
L)を加えた。次の反応にはこの(6a)(Fw 608.53)の溶液
をそのまま用いた。
【0045】25,27-ジプロピルオキシ-26,28-ビス(4-ペ
ンテニルオキシ)カリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン
酸(6b) アルゴン雰囲気下、(5b) 2.00 g (2.57mmol)を乾燥テト
ラヒドロフラン(40 mL)に溶解し、-78℃に冷却した。こ
れに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液5.14 mL
(7.71 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。これにト
リメトキシボラン1.06 g (10.28 mmol)を加え、-78℃で
1時間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩酸水
溶液(40 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×100 mL)
で抽出し、合わせた有機相を水(100 mL)で洗浄した。こ
の有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮に
より溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒(20
mL)を加えた。次の反応にはこの(6b)(Fw 731.52)の溶
液をそのまま用いた。
【0046】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25,27-ジプ
ロピルオキシ-26,28-ジアリルオキシカリックス[4]アレ
ーン(7a) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードトルエ
ン1.40 g (6.4 mmol)をベンゼン(30 mL)に溶解し、これ
に2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さらに、
(6a) 1.57 g (2.58 mmol)を含む前述の溶液を加え20時
間還流した。反応終了後、クロロホルム(2×50 mL)で抽
出し、有機相を水(50 mL)で洗浄した。この有機相を無
水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留
去した後、フラッシュクロマトグラフィー(silica gel
120g, クロロホルム/ヘキサン 1:4)により精製し、白
色固体の(7a) (Fw 769.03)・0.25 CHCl3を0.94 g得た。
収率 61%; Rf=0.50 (hexane/ chloroform 1:1); 1H NM
R (400 MHz, CDCl3) δ7.41-7.09 (m, 12H), 6.5-6.4
(m, 2H), 6.3-6.2 (m, 6H), 5.2-5.1 (m, 4H), 4.68
(d, 4H), 4.48 (d, J=13.3Hz, 4H), 3.74 (t, J=6.8Hz,
4H), 3.22 d, J=13.4Hz, 4H), 2.4 (s, 6H), 2.0-1.8
(m, 4H), 1.11 (t, J=7.4Hz, 6H); 13C NMR (100MHz, C
DCl3) δ156.70, 155.34, 141.14, 138.15, 137.47, 13
6.52, 133.08, 128.55, 127.70, 127.59, 127.37, 124.
03, 122.18, 116.58, 76.70, 75.75, 31.41, 23.58, 2
1.60, 10.89.; Anal. Calcd for C54H56O4・0.25CHCl3:
C,81.56; H,7.10. Found: C, 81.40;H,7.13.
【0047】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25,27-ジプ
ロピルオキシ-26,28-ビス(4-ペンテニルオキシ)カリッ
クス[4]アレーン(7b) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.079 mmol)、3-ヨードトルエ
ン1.39 g (6.38 mmol)をベンゼン(30 mL)に溶解し、こ
れに2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さら
に、(6b) 1.88 g (2.57 mmol)を含む前述の溶液を加え2
0時間還流した。反応終了後、クロロホルム(2×50 mL)
で抽出し、有機相を水(50 mL)で洗浄した。この有機相
を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒
を留去した後、フラッシュクロマトグラフィー(silica
gel 120g, クロロホルム/ヘキサン 1:4)により精製
し、白色固体の(7b) (Fw 801.12)を1.24 g得た。収率 6
0%; mp 63℃; Rf=0.64 (hexane/chloroform 1:1); 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.31-6.32 (m, 18H), 5.90-5.
84 (m, 2H), 5.08-4.98 (m, 4H), 4.49 (d, J=13.24Hz,
4H), 4.07 (t, J=7.8Hz,4H), 3.76 (t, J=7.0Hz, 4H),
3.22 (d, J=13.31Hz, 4H), 2.37 (s, 6H), 2.13-1.90
(m, 12H), 1.09 (t, J=7.4Hz,6H); 13C NMR (100MHz, C
DCl3)δ157.04, 155.53, 141.13, 138.33, 138.02, 13
6.55, 134.88, 133.56, 128.44, 127.80, 127.62, 127.
32, 123.95, 122.19, 114.96, 77.00, 74.57, 31.18, 3
0.43, 29.25, 23.53, 21.57, 10.84.; Anal. Calcd fo
r C56H64O4: C, 83.96; H, 8.05. Found: C, 84.16; H,
7.99.
【0048】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25,27-ジプロピルオキシ-26,28-ジアリルオキシカ
リックス[4]アレーン(7c) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド1.82 g (6.7 mmol)を2-プロパノール
(30 mL)に溶解し、これに炭酸カリウム2.4 g (17.4 mmo
l)と水(10 mL)を加えた。さらに、(6a) 1.57 g (2.58 m
mol)を含む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了
後、クロロホルム(2×50 mL)で抽出し、有機相を水(50
mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで
脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュ
クロマトグラフィー(silica gel 120g, クロロホルム
/ヘキサン 1:5)により精製し、白色固体の(7c) (Fw 8
76.98)を1.36 g得た。収率58%; mp 237℃; Rf = 0.55
(hexane/ chloroform 1:1) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ7.79-7.22 (m, 12H), 6.5-6.4 (m, 2H), 6.4-6.3
(m, 6H), 5.2-5.1 (m, 4H), 4.68 (d, 4H), 4.48(d, J
= 13.2Hz, 4H), 3.78 (t, J = 7.0Hz, 4H), 3.24 (d, J
= 13.4Hz, 4H), 2.0-1.9 (m, 4H), 1.11 (t, J = 7.4H
z, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) 157.13, 155.62, 1
41.85, 137.57, 136.01, 133.53, 133.30, 131.38, 13
1.06, 130.74, 130.42, 130.06, 128.99, 127.77, 127.
28, 125.67, 123.54, 123.50, 123.22, 123.18, 122.9
7, 122.29, 117.00, 76.70, 75.87, 31.39, 23.52, 10.
79; IR(KBr, cm-1)1341(CF3); Anal. Calcd for C54H
50O4F6: C,73.96; H,5.75. Found: C, 73.81; H,5.86.
【0049】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25,27-ジプロピルオキシ-26,28-ビス(4-ペンテニ
ル)オキシカリックス[4]アレーン(7d) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド1.81 g (6.67 mmol)を2-プロパノール
(30 mL)に溶解し、これに炭酸カリウム2.4 g (17.4 mmo
l)と水(10 mL)を加えた。さらに、(6b) 1.88 g (2.57 m
mol)を含む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了
後、クロロホルム(2×50 mL)で抽出し、有機相を水(50
mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで
脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュ
クロマトグラフィー(silica gel 120g, クロロホルム/
ヘキサン 1:5)により精製し、白色固体の(7d) (Fw 85
2.07)を1.27 g得た。収率 58%; mp 60℃; Rf = 0.75
(hexane/ chloroform 1:1); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ7.51-6.58 (m, 18H), 5.89-5.85 (m, 2H), 5.09-5.00
(m, 4H), 4.5 (d, J=13.3Hz, 4H), 4.00-3.86 (m, 8
H), 3.24 (d, J=13.4Hz, 4H), 2.24-2.18 (m, 4H), 2.0
8-1.94 (m, 8H), 1.06 (t, J=7.1Hz, 6H); 13C NMR (10
0 MHz, CDCl3) δ156.97, 156.27, 141.62, 138.13, 13
5.95, 134.51, 133.29, 130.71, 130.39,130.07, 129.6
6, 128.74, 128.28, 126.92, 125.59, 123.17, 123.14,
122.97,122.94, 122.30, 114.89, 76.90, 74.72, 31.1
3, 30.45, 29.34, 23.37, 10.64;IR(KBr, cm-1)1342(CF
3); Anal. Calcd for C56H58O4F6: C, 73.94; H, 6.4
3.Found: C, 74.85; H, 6.48.
【0050】実施例2 5,17-ビス(3-置換フェニル)-25,27-ジアルケニルオキシ
-26,28-ジプロピルオキシカリックス[4]アレーンの合成 25,27-ジアリルオキシ-26,28-ジヒドロキシカリックス
[4]アレーン(8a) (2) 10.0 g (23.6 mmol)、炭酸カリウム3.59 g (26.0 m
mol)、アセトニトリル(400 mL)を混合し、これにアリル
ブロミド5.83 g (48.2 mmol)を加え15時間還流した。反
応終了後、減圧濃縮により溶媒を留去し、クロロホルム
(100 mL)を加え、これを水(100 mL)と1N塩酸水溶液(2×
50 mL)、飽和食塩水(100 mL)で洗浄した。この有機相を
無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を
留去した後、再結晶(クロロホルム/メタノール)によ
り、白色固体の(8a) (Fw 504.23)を8.45 g得た。収率71
%; Rf=0.14(hexane/ chloroform 1:1); mp 210-212℃
(lit.187-188.5℃); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.90
(s, 2H), 7.00-6.15 (m, 14H), 5.73-5.22 (m, 4H), 4.
48 (m, 4H), 4.25 (d, J=13.0 Hz, 4H), 3.31 (d, J=1
3.0Hz, 4H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3)δ153.23, 151.
70, 133.37, 132.75, 128.94, 128.44, 128.08, 125.4
1, 119.02, 117.92, 76.85, 31.42. IR(KBr, cm-1)3328
(OH)
【0051】25,27-ビス(4-ペンテニルオキシ)-26,28-
ジヒドロキシカリックス[4]アレーン(8b) (2) 10.0 g (23.6 mmol)、炭酸カリウム3.59 g (26.0 m
mol)、アセトニトリル(400 mL)を混合し、これに5-ブロ
モ-1-ペンテン17.59 g (118 mmol)を加え15時間還流し
た。反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留去し、クロロ
ホルム(100 mL)を加え、これを水(100 mL)と1N塩酸水溶
液(2×50 mL)、飽和食塩水(100 mL)で洗浄した。この有
機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により
溶媒を留去した後、再結晶(クロロホルム/メタノール)
により、白色固体の(8b) (Fw 560.73)を11.0 g得た。収
率85%; Rf=0.17 (hexane/ chloroform 1:1); mp 178℃;
1HNMR (400 MHz, CDCl3)δ8.20 (s, 2H), 7.06-6.63
(m, 12H), 5.95-5.93 (m, 2H), 5.21-5.04 (m, 4H), 4.
31 (d, J=13.0Hz, 4H), 4.02-3.99 (m, 4H), 3.37 (d,
J=13.0Hz, 4H), 2.56-2.51 (m, 4H), 2.19-2.13 (m, 4
H).; 13C NMR(100MHz,CDCl3)δ153.33,151.86,137.8
8,133.37,128.91,128.45,128.10,125.32,118.9
7,115.97,75.75,31.44,30.08,29.24.Anal. Calcd
for C38H40O4: C,81.40; H, 7.19. Found:C, 80.95,
H, 7.18. IR(KBr, cm-1)3299(OH)
【0052】5,17-ジブロモ-25,27-ジアリルオキシ-26,
28-ジヒドロキシカリックス[4]アレーン(9a) (8b) 10.0g(19.8mmol)、N-ブロモスクシンイミド7.04 g
(39.6 mmol)を2-ブタノン(300 mL)に溶解し、室温で24
時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留去
し、これに少量の熱メタノールを加えN-ブロモスクシン
イミドを完全に溶解させた。これをろ過して、白色固体
の(9a) (Fw 664.43)を13.1 g得た。収率99%; mp 247℃;
1H NMR (400 MHZ, CDCl3) δ8.10 (s, 2H), 7.01-6.76
(m, 10H), 6.24-6.23 (m, 2H), 5.79-5.41 (m, 4H),
4.52 (d, J=10.96Hz, 4H), 4.31-4.24 (m, 4H).IR(KBr,
cm-1)3271(OH)
【0053】5,17-ジブロモ-25,27-ビス(4-ペンテニル
オキシ)-26,28-ジヒドロキシカリックス[4]アレーン(9
b) (8b) 10.0g(17.8 mmol)、N-ブロモスクシンイミド9.52
g (53.5 mmol)を2-ブタノン(300 mL)に溶解し、室温で2
4時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留
去した。これに少量の熱メタノールを加え、N-ブロモス
クシンイミドを完全に溶解させた。これをろ過して、白
色固体の(9b) (Fw 718.52)を10.23 g得た。収率80%。
【0054】5,17-ジブロモ-25,27-ジアリルオキシ-26,
28-ジプロピルオキシカリックス[4]アレーン(10a) (9a) 10.0 g (15.0 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド
(200 mL)に溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラ
フィン3.01 g (75 mmol)を加え、室温で15分撹拌した。
さらにプロピルブロミド9.30 g (75 mmol)を加え、室温
で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液150 mLを
加え、クロロホルム(3×150 mL)で抽出し、合わせた有
機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機相を無水硫
酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去し
た後、再結晶(クロロホルム/メタノール)により、白色
固体の(10a) (Fw 746.58)を6.72 g得た。収率60%; Rf=
0.62(hexane/ chloroform 1:1);mp 153-154℃; 1H NMR
(400MHz, CDCL3) δ7.23-6.87(m, 6H), 6.46-6.16 (m,
6H), 5.14-5.11 (m, 4H), 4.60 (d, J = 13.2Hz , 4H),
4.39 (d, J = 11.2Hz, 4H), 3.71 (t, J = 10.8Hz, 4
H), 3.13 (d, J = 13.2Hz, 4H), 1.93-1.88 (m, 4H),
1.50-1.04 (m, 4H); 13C NMR(100 MHz, CDCl3)δ156.9
0, 154.63, 136.15, 135.92, 135.78, 130.29, 128.92,
122.95, 117.00, 115.67, 77.02, 75.70, 31.29, 23.0
0, 10.86. Anal. Calcd for C40H42O4Br2: C, 64.35;
H,5.67. Found: C, 64.84, H, 5.74.
【0055】5,17-ジブロモ-25,27-ビス(4?ペンテニル
オキシ)-26,28-ジプロピルオキシカリックス[4]アレー
ン(10b) (9b) 10.0 g (13.9 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド
(200 mL)に溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラ
フィン2.78 g (70 mmol)を加え、室温で15分撹拌した。
さらにプロピルブロミド8.40 g (70 mmol)を加え、室温
で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液150 mLを
加え、クロロホルム(3×150 mL)で抽出し、合わせた有
機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機相を無水硫
酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去し
た後、再結晶(クロロホルム/メタノール)により、白色
固体の(10b) (Fw 778.66)を6.28g得た。収率63%。
【0056】25,27-ジアリルオキシ-26,28-ジプロピル
オキシカリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン酸 (11a) アルゴン雰囲気下、(10a) 2.00 g (2.58 mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(40mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液5.17 mL
(7.74 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。これにト
リメトキシボラン1.07g(10.32mmol)を加え、-78℃で1時
間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩酸水溶
液(40 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×100 mL)で
抽出し、合わせた有機相を水(100 mL)で洗浄した。この
有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮によ
り溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒(20 m
L)を加えた。次の反応にはこの(11a) (Fw 608.53) の溶
液をそのまま用いた。
【0057】25,27-ビス(4-ペンテニルオキシ)-26,28-
ジプロピルオキシカリックス[4]アレーン-5,17-ジボロ
ン酸 (11b) アルゴン雰囲気下、(10b) 2.00 g (2.57 mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(40mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液5.14 mL
(7.71 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。これにト
リメトキシボラン1.06 g (10.28 mmol)を加え、-78℃で
1時間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩酸水
溶液(40 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×100 mL)
で抽出し、合わせた有機相を水(100 mL)で洗浄した。こ
の有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮に
より溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒(20
mL)を加えた。次の反応にはこの(11b) (Fw 731.52) の
溶液をそのまま用いた。
【0058】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25,27-ジア
リルオキシ-26,28-ジプロピルオキシカリックス[4]アレ
ーン(12a) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードトルエ
ン1.40 g (6.4 mmol)をベンゼン(30 mL)に溶解し、これ
に2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さらに、
(11a) 1.57 g (2.58 mmol)を含む前述の溶液を加え20時
間還流した。反応終了後、クロロホルム(2×50 mL)で抽
出し、有機相を水(50 mL)で洗浄した。この有機相を無
水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留
去した後、フラッシュクロマトグラフィー(silica gel
120g, クロロホルム/ヘキサン1:4)により精製し、白
色固体の(12a) (Fw 769.03)を1.44 g得た。収率70%; Rf
=0.48 (hexane/ chloroform1:1); mp 65℃; 1H NMR(400
MHz, CDCL3) δ7.77-6.67 (m, 18H), 6.43-6.41 (m,2
H), 5.27-5.17 (m, 4H), 4.61-4.51 (m, 4H), 4.47 (d,
J = 13.2Hz , 4H), 3.86-3.83 (m, 4H), 4.39 (d, J =
11.2Hz, 4H), 3.21 (d, J = 13.2Hz, 4H), 2.16 (s, 6
H), 1.98-1.91 (m, 4H), 1.98-1.91 (m, 4H), 1.06-1.0
1 (m, 6H); 13CNMR(100 MHz, CDCl3) δ156.00, 155.8
5, 141.08, 137.53, 135.98, 135.66, 135.17, 134.54,
128.41, 128.05, 127.37, 126.77, 123.70, 122.48, 1
16.61, 77.21, 75.74, 31.36, 23.38, 21.43, 10.50. A
nal. Calcd for C40H42O4Br2: C,64.35; H,5.67. Foun
d: C, 64.84, H, 5.74. Anal. Calcd for C54H56O4: C,
84.34; H, 7.34. Found: C, 83.95; H, 7.47.
【0059】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25,27-ビス
(4-ペンテニルオキシ)-26,28-ジプロピルオキシカリッ
クス[4]アレーン(12b) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g(0.079mmol)、3-ヨードトルエン
1.39g (6.38mmol)をベンゼン(30 mL)に溶解し、これに2
M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さらに、(11
b) 1.88 g (2.57 mmol)を含む前述の溶液を加え20時間
還流した。反応終了後、クロロホルム(2×50 mL)で抽出
し、有機相を水(50 mL)で洗浄した。この有機相を無水
硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去
した後、フラッシュクロマトグラフィー(silica gel 1
20g, クロロホルム/ヘキサン1:4)により精製し、白色
固体の(12b) (Fw 801.12)を1.19g得た。収率58%。
【0060】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25,27-ジアリルオキシ-26,28-ジプロピルオキシカ
リックス[4]アレーン(12c) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド1.82 g (6.7 mmol)を2-プロパノール
(30 mL)に溶解し、これに炭酸カリウム2.4 g (17.4 mmo
l)と水(10 mL)を加えた。さらに、(11a) 1.57 g (2.58
mmol)を含む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了
後、クロロホルム(2×50 mL)で抽出し、有機相を水(50
mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで
脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュ
クロマトグラフィー(silica gel 120g, クロロホルム/
ヘキサン1:5)により精製し、白色固体の(12b) (Fw 87
6.98)を1.24 g得た。収率55%; mp 138℃; Rf=0.61 (hex
ane/ chloroform 1:1)、1H NMR (400MHz, CDCl3)δ7.16
-6.45 (m, 20H), 5.20-5.18 (m, 4H), 4.70-4.68 (m, 4
H), 4.49 (d, J=13.3Hz, 4H), 3.77 (t, J= 7.08Hz, 4
H), 3.23 (d, J= 13.4Hz, 4H), 1.99-1.92(m, 4H), 1.1
1-1.04 (m, 6H); 13C NMR(100MHz, CDCl3)δ156.50, 15
5.98, 141.38, 136.63, 136.15, 134.28, 133.36, 129.
15, 128.87, 128.38, 126.30, 122.72, 122.66, 116.8
7, 76.69, 75.73, 31.34, 23.51, 10.74. Anal. Calcd
for C5 4H50O4F6: C,73.96; H5.75. Found: C, 74.22;
H, 5.91; IR(KBr, cm-1)1342(CF 3).
【0061】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25,27-ビス(4-ペンテニルオキシ)-26,28-ジプロピ
ルオキシカリックス[4]アレーン(12d) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド1.82 g (6.7 mmol)を2-プロパノール
(30 mL)に溶解し、これに炭酸カリウム2.4 g (17.4 mmo
l)と水(10 mL)を加えた。さらに、(11b) 1.57 g (2.58
mmol)を含む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了
後、クロロホルム(2×50 mL)で抽出し、有機相を水(50
mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで
脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュ
クロマトグラフィー(silica gel 120g, クロロホルム/
ヘキサン1:5)により精製し、白色固体の(12d) (Fw 85
2.07)を1.21g得た。収率55%。
【0062】実施例3 5,17-ビス(3-置換フェニル)-25-アルケニルオキシ-26,2
7,28-トリプロピルオキシカリックス[4]アレーンの合成 25-ベンジルオキシ-26,27,28-トリヒドロキシカリック
ス[4]アレーン(13) (2) 10.0 g (23.6 mmol)、炭酸カリウム1.63 g (11.8 m
mol)、アセトン(400 mL)を混合し、これにベンジルブロ
ミド4.84 g (28.3 mmol)を加え5時間還流した。反応終
了後、減圧濃縮により溶媒を留去し、クロロホルム(100
mL)を加え、これを水(100 mL)で洗浄した。この有機相
を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒
を留去した後、再結晶(クロロホルム/メタノール)によ
り、白色固体の(13) (Fw 514.62)を6.12 g得た。収率51
%; mp 240℃; Rf= 0.13 (hexane/ chloroform); 1H N
MR (400 MHz, CDCl3) δ9.56 (s, 1H), 9.22 (s, 1H),
7.74-6.63 (m, 17H), 5.91 (s, 2H), 4.34 (d, J=13.0H
z, 2H), 4.22 (d, J=13.2Hz, 2H), 3.43 (d, J=13.0Hz,
2H), 3.42 (d, J=13.8Hz, 2H); 13C NMR(CDCl3, 100MH
z)δ151.25, 150.81, 149.51, 135.51, 134.35, 129.4
4, 129.07, 128.99,128.98, 128.79, 128.75, 128.39,
128.34, 128.30, 126.31, 121.93, 120.87,79.32, 31.8
7, 31.62.; Anal. Calcd for C35H30O4・0.1CHCl3: C,
80.06; H, 5.76. Found: C,80.65; H, 6.00. IR(KBr, c
m-1)3268(OH)
【0063】25-ベンジルオキシ-26,28-ジヒドロキシ-2
7-プロピルオキシカリックス[4]アレーン(14) (13) 5.0 g (9.72 mmol)、炭酸カリウム1.48 g (10.7 m
mol)、アセトニトリル(100 mL)を混合し、これにプロピ
ルブロミド2.41 g (19.9 mmol)を加え15時間還流した。
反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留去し、クロロホル
ム(100 mL)を加え、これを水(50 mL)、飽和食塩水(100
mL)の順で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウ
ムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、再結晶
(クロロホルム/メタノール)により、白色固体の(14) (F
w 556.70)を3.90 g 得た。収率72%; mp 233℃; Rf=0.2
0 (hexane/ chloroform); 1H NMR (89.5 MHz, CDCl3)
δ8.14 (s, 2H), 7.80-7.37 (m, 5H), 7.06-6.62 (m, 1
2H), 5.06 (s, 2H), 4.37-4.27 (m, 4H), 3.72 (m, 2
H), 3.39-3.32 (m, 4H), 2.09-2.00 (m, 2H), 1.24 (t,
J= 7.4Hz, 3H); 13C NMR (100MHz, CDCl3)δ153.36, 1
51.84, 151.67, 136.78, 133.45, 133.39, 129.05, 12
8.92, 128.57, 128.48, 128.40, 128.07, 128.07, 128.
03, 128.02, 127.50, 125.58, 125.28, 118.95, 78.36,
78.28, 31.44,23.49, 11.03. Anal. Calcd for C38H36
O4: C, 81.99; H, 6.52. Found: C, 81.77; H, 6.53; I
R(KBr,cm-1) 3336(OH)
【0064】5,17-ジブロモ-25-ベンジルオキシ-26,28-
ジヒドロキシ-27-プロピルオキシカリックス[4]アレー
ン(15) (14) 5.0 g (9.00 mmol)、N-ブロモスクシンイミド3.52
g (19.8 mmol)を2-ブタノン(150 mL)に溶解し、室温で
24時間撹拌した。反応終了後、減圧濃縮により溶媒を留
去し、これに少量の熱メタノールを加え、N-ブロモスク
シンイミドを完全に溶解させた。これをろ過して、白色
固体の(4a) (Fw 714.49) を6.10 g得た。収率95%; mp
>300?C; 1H NMR(CDCl3, 400MHz)δ8.21 (s, 2H), 7.87
-6.80 (m, 15H), 5.04 (s, 2H), 4.29-4.24 (q, 4H),
3.94-3.91 (m, 2H), 3.39-3.26 (q, 4H), 2.07-2.00
(m, 2H), 1.23-1.20 (m, 3H); IR(KBr, cm-1)3247(OH).
【0065】5,17-ジブロモ-25-ベンジルオキシ-26,27,
28-トリプロピルオキシカリックス[4]アレーン(16) (15) 3.5 g (4.88 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1
00 mL)に溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラフ
ィン1.17 g (29.3 mmol)を加え、室温で15分間撹拌した
後、プロピルブロミド2.95 g (24.4 mmol)を加え、室温
で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液(100 mL)
を加え、クロロホルム(3×100 mL)で抽出し、合わせた
有機相を水(2×50 mL)で洗浄した。この有機相を無水硫
酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去し
た後、再結晶(クロロホルム/メタノール)により、白色
固体の(5a) (Fw 798.65)・0.1CHCl3 3.54 g を得た。収
率91%; Rf=0.72 (hexane/ chloroform 1:1); mp 78℃;
1H NMR(CDCl3, 500MHz)δ7.39-6.51 (m, 15H), 4.86
(s, 2H), 4.40-4.27 (q, 4H), 3.83-3.76 (m, 6H), 3.1
2-3.01 (q, 4H), 1.93-1.76 (m, 6H), 1.03-0.81 (m, 9
H); 13C NMR(CDCl3, 100MHz)δ156.09, 155.93, 154.8
8, 137.76, 137.61, 137.48, 134.10, 133.83,130.92,
129.47, 128.58, 128.27, 128.18, 128.10, 128.03, 12
2.82, 122.43,114.56, 76.81, 30.91, 30.85, 23.32, 2
2.99, 10.47, 9.98; Anal. Calcd forC44H46O4Br2・0.1
CHCl3: C65.35; H5.73. Found: C, 65.26; H, 5.80.
【0066】5,17-ジブロモ-25-ヒドロキシ-26,27,28-
トリプロピルオキシカリックス[4]アレーン(17) アルゴン雰囲気下、(16) 2.00 g (2.50 mmol)を乾燥ク
ロロホルム(150 mL)に溶解し、これにトリメチルシリル
ヨージド1.07 mL (7.52 mmol)を加えた。これを室温で
3.5時間撹拌した。反応終了後、水(100mL) で希釈し
た。これをクロロホルム(2×100 mL)で抽出し、合わせ
た有機相を水(100 mL)で洗浄した。この有機相を無水硫
酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去
し、フラッシュクロマトグラフィー(silica gel 100 g
,クロロホルム/ヘキサン 1:2)により精製し、白色固体
の(17) (Fw 708.53)・0.1CHCl3を1.14 g で得た。収率6
4%; R f=0.62 (hexane/ chloroform 1:1); mp 218℃; 1
H NMR(CDCl3, 400MHz)δ7.29-6.48 (m, 10H), 4.63 (s,
1H), 4.37-4.30 (q, 4H), 3.82-3.69 (m, 6H), 3.29-
3.17 (q, 4H), 2.24-2.18 (m, 2H), 1.91-1.84 (m, 4
H), 1.12-1.09 (m, 6H), 1.09-0.89 (m, 3H); 13C NMR
(CDCl3, 100MHz)δ156.62, 153.59, 153.02, 136.39,13
5.39, 135.74, 134.99, 130.70, 130.50, 130.23, 129.
48, 128.71, 123.67,119.83, 116.08, 77.62, 76.63, 3
0.63, 30.59, 23.37, 22.33, 10.78, 9.54;Anal. Calcd
for C37H40O4Br2・0.1CHCl3: C, 61.85; H, 5.61. Fou
nd: C, 61.48; H, 5.57; IR(KBr,cm-1) 3553(OH)
【0067】5,17-ジブロモ-25-アリルオキシ-26,27,28
-トリプロピルオキシカリックス[4]アレーン(18a) (17) 1.0 g (1.41mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド50m
Lに溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラフィン0.
169g(4.23mmol)を加え、室温で15分間撹拌した後3-ブロ
モプロペン0.85 g (7.05 mmol)を加え、室温で5時間撹
拌した。反応終了後、1N塩酸(30mL)を加え、クロロホ
ルム(3×50mL)で抽出し、合わせた有機相を水(2×100m
L)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱
水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、再結晶(クロ
ロホルム/メタノール)により、白色固体の(18a)(Fw 74
8.59)を0.68 gで得た.収率64%; 1H NMR(CDCl3, 400MH
z)δ6.86-6.57 (m, 10H), 6.40-6.34 (m, 1H), 5.18-5.
13 (m, 2H), 4.01 (d, 2H), 4.42-4.35 (m, 4H), 3.95-
3.72 (m, 6H), 3.14-3.10 (m, 4H), 1.95-1.86 (m,6H),
1.05-0.90 (m, 9H).
【0068】5,17-ジブロモ-25-(4-ペンテニルオキシ)-
26,27,28-トリプロピルオキシカリックス[4]アレーン(1
8b) (17) 0.7 g (0.99mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド50m
Lに溶解し、これに60%水素化ナトリウム-パラフィン0.
12g(2.96mmol)を加え、室温で15分間撹拌した後5-ブロ
モ-1-ペンテン0.74 g (4.94 mmol)を加え、室温で5時間
撹拌した。反応終了後、1N塩酸(30mL)を加え、クロロ
ホルム(3×50mL)で抽出し、合わせた有機相を水(2×100
mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで
脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、再結晶(ク
ロロホルム/メタノール)により、白色固体の(18b)(Fw 7
76.65)を0.34 g得た。収率44%; 1H NMR(CDCl3, 400MH
z)δ6.73-6.60 (m, 10H), 5.82-5.71 (m, 1H), 5.12-4.
93 (m, 2H), 4.46-4.31 (m, 4H), 3.88-3.71 (m, 8H),
3.18-3.03 (m, 4H), 2.19-1.69 (m, 10H), 1.07-0.37
(m, 9H).
【0069】25-アリルオキシ-26,27,28-トリプロピル
オキシカリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン酸(19a) アルゴン雰囲気下、(18a) 0.5 g (0.668 mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(10mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液1.26mL
(2.00 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。さらに
トリメトキシボラン0.28 g (2.67 mmol)を加え、-78℃
で1時間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩
酸水溶液(10 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×50
mL)で抽出し、合わせた有機相を水(50 mL)で洗浄した。
この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮
により溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒
(10 mL)を加えた。次の反応にはこの(19a) (Fw 678.43)
の溶液をそのまま用いた。
【0070】25-(4-ペンテニルオキシ)-26,27,28-トリ
プロピルオキシカリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン
酸(19b) アルゴン雰囲気下、(18b) 0.5 g (0.644 mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(10mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液1.29mL
(1.93 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。さらに
トリメトキシボラン0.27 g (2.67 mmol)を加え、-78℃
で1時間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩
酸水溶液(10 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×50
mL)で抽出し、合わせた有機相を水(50 mL)で洗浄した。
この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮
により溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒
(5 mL)を加えた。次の反応にはこの(19b)(Fw 706.49)の
溶液をそのまま用いた。
【0071】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25-アリル
オキシ-26,27,28-トリプロピルオキシカリックス[4]ア
レーン(20a) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.022g(0.019mmol)及び3-ヨードトルエ
ン0.35g(1.62mmol)をベンゼン(10 mL)に溶解し、これに
2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さらに、(19
a)を含む前述の溶液を加え20時間還流した。反応終了
後、クロロホルム(2×10 mL)で抽出し、有機相を水(10
mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで
脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュ
クロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン 1:4)に
より精製し、白色固体の(20a)(Fw 771.05)を0.31g 得
た。収率62%。
【0072】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25-(4-ペン
テニルオキシ)-26,27,28-トリプロピルオキシカリック
ス[4]アレーン (20b) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.022g(0.019mmol)及び3-ヨードトルエ
ン0.35g(1.62mmol)をベンゼン(10 mL)に溶解し、これに
2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さらに、(1
9b)0.45g(0.64mmol)を含む前述の溶液を加え20時間還
流した。反応終了後、クロロホルム(2×10 mL)で抽出
し、有機相を水(10 mL)で洗浄した。この有機相を無水
硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去
した後、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム
/ヘキサン 1:4)により精製し、白色固体の(20b)(Fw 7
99.10)を0.30g得た。収率59%。
【0073】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25-アリルオキシ-26,27,28-トリプロピルオキシカ
リックス[4]アレーン (20c) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.019g (0.016 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド0.36 g (1.34 mmol)を2-プロパノール
(10 mL)に溶解し、炭酸カリウム0.6 g (4.34 mmol)と水
(3 mL)を加えた。これに、(19a) 0.45 g (0.668mmol)を
含む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了後、ク
ロロホルム(2×10 mL)で抽出し、有機相を水(10 mL)で
洗浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水
し、減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュクロ
マトグラフィー(silica gel 60g, クロロホルム/ヘキ
サン1:3)により精製し、白色固体の(20c)(Fw 878.99)
を0.338 g 得た。収率 58%;1H NMR(CDCl3, 400MHz)δ
7.23-6.65 (m, 18H), 6.48-6.37 (m, 1H), 5.20-5.18
(m, 2H), 4.60-4.47 (m, 6H), 4.02-3.80 (m, 6H), 3.2
5-3.21 (m, 4H), 2.01-1.94 (m, 6H), 1.085-0.99 (m,
9H).
【0074】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25-(4-ペンテニルオキシ)-26,27,28-トリプロピル
オキシカリックス[4]アレーン (20d) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.019g(0.016mmol)及び3-ヨードベンゾ
トリフルオライド0.36g(1.34mmol)を2-プロパノール(10
mL)に溶解し、炭酸カリウム0.6 g (4.34 mmol)と水(3
mL)を加えた。これに、(19b)0.45g(0.64mmol)を含む前
述の溶液を加え4時間還流した。反応終了後、クロロホ
ルム(2×10 mL)で抽出し、有機相を水(10 mL)で洗浄し
た。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧
濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュクロマトグラ
フィー(silica gel 60g, クロロホルム/ヘキサン 1:
3)により精製し、白色固体の(20d)(Fw 907.05)を0.31g
得た。収率53%。
【0075】実施例4 5,17-ビス(3-置換フェニル)-25,26,27-トリプロピルオ
キシ-28-アルケニルオキシカリックス[4]アレーンの合
成 5,17-ジブロモ-25,26,27-トリプロピルオキシ-28-ヒド
ロキシカリックス[4]アレーン(21) (4) 10.0 g (15.0 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2
00 mL)に溶解し、さらに60%水素化ナトリウム-パラフ
ィン1.20 g (30.0 mmol)を加え、室温で15分間撹拌し
た。これにプロピルブロミド3.63 g (30.0 mmol)を加
え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液
(150 mL)を加え、クロロホルム(3×150 mL)で抽出し、
合わせた有機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機
相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶
媒を留去した後、フラッシュクロマトグラフィー(silic
a gel 100 g, クロロホルム/ヘキサン 1:4 )により、
白色固体の(21)(Fw 708.53)を7.60 g得た。収率 72%;
1H NMR (CDCl3, 400MHz)δ7.30-7.22 (m, 4H), 6.47-6.
34 (m, 6H), 4.80 (s, 1H), 4.37-4.28 (m, 4H), 3.82-
3.78 (m, 2H), 3.72-3.69 (m, 4H), 3.26-3.14 (q, 4
H), 2.25-2.18 (m, 2H), 1.93-1.84 (m, 4H), 1.12-1.0
8 (m, 6H), 0.94-0.90 (m, 3H); 13C NMR(CDCl3, 100MH
z)δ155.94, 154.32, 152.45, 139.15, 132.84, 132.6
3, 131.83, 130.78,128.23, 128.10, 123.27, 115.43,
111.25, 77.65, 76.62, 30.57, 30.53, 23.41, 22.28,
10.77, 9.52; IR(KBr, cm-1)3537(OH).
【0076】5,17-ジブロモ-25,26,27-トリプロピルオ
キシ-28-アリルオキシカリックス[4]アレーン(22a) (21) 5.0 g (7.06 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2
00 mL)に溶解し、さらに60%水素化ナトリウム-パラフ
ィン0.85 g (21.2 mmol)を加え、室温で15分間撹拌し
た。これに3-ブロモプロペン2.56 g (21.2 mmol)を加
え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶液
(150 mL)を加え、クロロホルム(3×150 mL)で抽出し、
合わせた有機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機
相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶
媒を留去した後、再結晶(クロロホルム/メタノール)に
より、白色固体の(22a)(Fw 748.59)を3.92 g得た。収率
74%。
【0077】5,17-ジブロモ-25,26,27-トリプロピルオ
キシ-28- (4-ペンテニルオキシ)カリックス[4]アレーン
(22b) (21a) 5.0 g (7.06 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド
(200 mL)に溶解し、さらに60%水素化ナトリウム-パラ
フィン0.85 g (21.2 mmol)を加え、室温で15分間撹拌し
た。これに5-ブロモ-1-ペンテン5.26 g (35.3 mmol)を
加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸水溶
液(150 mL)を加え、クロロホルム(3×150mL)で抽出し、
合わせた有機相を水(2×100 mL)で洗浄した。この有機
相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶
媒を留去した後、フラシュクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/ヘキサン)により、白色固体の(22b)(Fw 776.65)
を3.47g得た。収率 63%; Rf = 0.60 (hexane: chlorof
orm 1:1); mp 60℃; 1H NMR(CDCl3, 400MHz)δ7.35-6.5
2 (m, 10H), 5.92-5.81 (m, 1H), 5.07-5.01 (m, 2H),
4.41-4.37 (q, 4H), 3.90-3.79 (m, 8H), 3.12-3.09
(q, 4H), 2.17-2.15 (m,2H), 2.00-1.86 (m, 8H), 1.02
-0.94 (m, 9H); 13C NMR(CDCl3, 100MHz)δ156.24, 15
5.73, 155.69, 139.09, 138.00, 137.33, 135.78, 134.
21, 132.70, 131.36, 130.81, 128.38, 128.35, 122.4
8, 114.93, 114.77, 114.69, 76.83, 74.66,30.84, 30.
82, 30.40, 29.21, 23.23, 23.18, 10.34, 10.27.
【0078】25,26,27-トリプロピルオキシ-28-アリル
オキシカリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン酸(23a) アルゴン雰囲気下、(22a) 2.00 g (2.66 mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(40mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液5.32 mL
(7.98 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。これにト
リメトキシボラン1.10 g(10.64 mmol)を加え、-78℃で1
時間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩酸水
溶液(40 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×100 mL)
で抽出し、合わせた有機相を水(100 mL)で洗浄した。こ
の有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮に
より溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒(20
mL)を加えた。次の反応にはこの(22a)の溶液をそのま
ま用いた。
【0079】25,26,27-トリプロピルオキシ-28-(4-ペン
テニルオキシ)カリックス[4]アレーン-5,17-ジボロン酸
(23b) アルゴン雰囲気下、(21b) 2.00 g (2.56mmol)を乾燥テ
トラヒドロフラン(40 mL)に溶解し、-78℃に冷却した。
これに1.5M n-ブチルリチウム-n-ヘキサン溶液5.12 mL
(7.69 mmol)を加え、-78℃で30分間撹拌した。これにト
リメトキシボラン1.06 g (10.24 mmol)を加え、-78℃で
1時間、室温で2時間撹拌した後、氷で冷却した2N塩酸水
溶液(40 mL)を加えた。これをクロロホルム(2×100 mL)
で抽出し、合わせた有機相を水(100 mL)で洗浄した。こ
の有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮に
より溶媒を10 mLまで留去し、次の反応で用いる溶媒(20
mL)を加えた。次の反応にはこの(23b)の溶液をそのま
ま用いた。
【0080】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25,26,27-
ジプロピルオキシ-28-アリルオキシカリックス[4]アレ
ーン(24a) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードトルエ
ン1.39 g (6.36 mmol)をベンゼン(30 mL)に溶解し、こ
れに2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さら
に、(23a) 1.80 g(2.66 mmol)を含む前述の溶液を加え2
0時間還流した。反応終了後、クロロホルム(2×50 mL)
で抽出し、有機相を水(50 mL)で洗浄した。この有機相
を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒
を留去した後、フラッシュクロマトグラフィー(silica
gel 120g, クロロホルム/ヘキサン 1:3)により精製
し、白色固体の(24a)を1.06 g得た。収率 58%。
【0081】5,17-ビス(3-メチルフェニル)-25,26,27-
トリプロピルオキシ-28-(4-ペンテニルオキシ)カリック
ス[4]アレーン(24b) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.079 mmol)、3-ヨードトルエ
ン1.39g(6.36mmol)をベンゼン(30 mL)に溶解し、これに
2M炭酸ナトリウム水溶液(20 mL)を加えた。さらに、(23
b)2.07g(2.66mmol)を含む前述の溶液を加え20時間還流
した。反応終了後、クロロホルム(2×50mL)で抽出し、
有機相を水(50 mL)で洗浄した。この有機相を無水硫酸
マグネシウムで脱水し、減圧濃縮により溶媒を留去した
後、フラッシュクロマトグラフィー(silica gel 120g,
クロロホルム/ヘキサン 1:4)により精製し、白色固体
の(24b)(Fw 799.10)を1.84g得た。収率51%。
【0082】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25,26,27-トリプロピルオキシ-28-アリルオキシカ
リックス[4]アレーン(24c) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド0.91g(3.85mmol)を2-プロパノール(30
mL)に溶解し、これに炭酸カリウム1.2g(8.7mmol)と水
(10 mL)を加えた。さらに、(23a)1.80g(2.66mmol)を含
む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了後、クロ
ロホルム(2×50 mL)で抽出し、有機相を水(50 mL)で洗
浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、
減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュクロマト
グラフィー(silica gel 120g, クロロホルム/ヘキサ
ン1:5)により精製し、白色固体の(24c)(Fw 878.99)を
1.24g得た。収率53%。
【0083】5,17-ビス(3-トリフルオロメチルフェニ
ル)-25,26,27-トリプロピルオキシ-28-(4-ペンテニル)
オキシカリックス[4]アレーン(24d) アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム0.092g (0.080 mmol)、3-ヨードベンゾ
トリフルオライド0.91g(3.85mmol)を2-プロパノール(30
mL)に溶解し、これに炭酸カリウム1.2g(8.7mmol)と水
(10 mL)を加えた。さらに、(23b)2.07g(2.66mmol)を含
む前述の溶液を加え4時間還流した。反応終了後、クロ
ロホルム(2×50 mL)で抽出し、有機相を水(50 mL)で洗
浄した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水し、
減圧濃縮により溶媒を留去した後、フラッシュクロマト
グラフィー(silica gel 120g, クロロホルム/ヘキサン
1:5)により精製し、白色固体の(24d)(Fw 907.05)を1.
18g得た。収率49%。
【0084】実施例5 カリックスアレーンを化学結合させたポリシロキサンの
合成 アルゴン雰囲気下、テフロンフラスコで(24b)1.0 g( 1.
25mmol)とSi-H結合を4%含有するヒドロメチルポリシロ
キサン0.60 g (Si-H 1.25mmol)を乾燥トルエン(40 mL)
に溶解し、85-90℃で1時間撹拌した。これに1%塩化白
金酸(THF-エタノール溶液)132.5μL を加え,85-90℃で
72時間撹拌した後、1-オクテン132.5μL(0.85 mmol) 加
え一晩撹拌した。空気にさらして放冷後、遠心分離によ
り大部分の触媒を取り除き、フラッシュクロマトグラフ
ィー(silica gel 50 g, 酢酸エチル/ヘキサン 1:10)に
より精製し、目的化合物を1.18g得た。
【0085】実施例6 カリックスアレーンを化学結合させたポリシロキサンの
合成 アルゴン雰囲気下、テフロン(登録商標)フラスコで(2
4b)1.0g (1.25mmol)とメチルジクロロシラン7.82 g (6
7.95 mmol)を乾燥ベンゼン(20 mL)に溶解し、0.1M 塩化
白金酸(THF-エタノール溶液)160.3μLを加え40℃で20時
間撹拌した。減圧濃縮により溶媒を留去した後、アルゴ
ン雰囲気下ポリジメチルシロキサン(Mn=550)1.41 g (2.
56mmol)と乾燥ベンゼン(20 mL)を加え、50℃で10時間撹
拌した。さらにトリメチルクロロシラン2.23 g (20.51m
mol)を加え、50℃で10時間撹拌した。これを減圧濃縮に
より溶媒を留去した後、ジクロロメタン(40mL)に溶解
し、メタノール-水(1:1 v/v)で洗浄した。減圧濃縮によ
り溶媒を留去し、目的生成物を得た。
【0086】実施例7 カリックスアレーンを化学結合させたトリエトキシシラ
ンの合成 アルゴン雰囲気下、(7a) 1.00g (1.30mmol)とトリフェ
ニルホスフィンロジウムクロライド0.025 g (0.027mmo
l)、トリエトキシシラン5.91mL(32.03mmol)を混合し、
凍結脱気法により脱気した。これに乾燥トルエン(40mL)
を加え、90℃で6時間撹拌した。放冷後、減圧濃縮によ
り溶媒を留去し、フラッシュクロマトグラフィー (sili
ca gel 80 g, クロロホルム/ヘキサン 6:4)により精製
し、目的化合物を0.65g 得た。
【0087】実施例8 実施例5で得られたカリックスアレーンが化学結合した
ポリシロキサンを、フューズドシリカキャピラリー(内
径0.25 mm×8.7 m)の内表面にコーティングしてカラム
を作製した。その結果、従来のカラムでは比較的分離が
難しい、ベンゼン誘導体のメタ異性体とパラ異性体との
分離において改善が認められた。
【0088】
【発明の効果】本発明のカリックスアレーン化合物
(1)は、包接能及び分離能に優れており、クロマトグ
ラフィー用カラムとして有用である。特にカリックスア
レーン骨格の包接場である上縁部の向かい合わせの位置
に平面構造を有する芳香族炭化水素基があることによ
り、分子全体が試料分子を包接し易くなっている。ま
た、固定相の骨格となるポリシロキサン側鎖と結合して
いることから、カラムブリードを防ぐ効果も有する。本
発明のクロマトグラフィー固定相は、カリックスアレー
ン化合物(1)の優れた分離能により、エナンチオマー
の分離に対しても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G066 AA10D AB03A AB05A AB06A AB09A AB21A AC12B AC28A AC28B AD01B AD06B AD10B AD13B CA18 CA51 EA01 FA07 FA17 4H006 AA01 AA03 AB99 AC29 GP03 4H049 VN01 VP02 VP11 VQ19 VR21 VR43 VS21 VT17 VT52 VU31 VV02 VW01 VW32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1及びR2は、少なくとも1個がCH2=CH(CH2)
    m-、トリアルコキシシリル-(CH2)m+2-又はポリシロキサ
    ン-(CH2)m+2-(ここで、mは1〜8の数を示す)を示
    し、残余が炭素数3以上のアルキル基を示し;Arは置
    換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水
    素基を示し;nは2〜4の数を示す]で表されるカリッ
    クスアレーン化合物。
  2. 【請求項2】 Arが、アルキル基、ハロゲノアルキル
    基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ジ
    アルキルアミノ基、スルホニルオキシ基及び1個以上の
    不斉炭素原子を有する官能基から選ばれる1又は2個が
    置換したフェニル基又はナフチル基である請求項1記載
    のカリックスアレーン化合物。
  3. 【請求項3】 R1及びR2の少なくとも1個がトリアル
    コキシシリル-(CH2) m+2-又はポリシロキサン-(CH2)m+2-
    である請求項1又は2記載のカリックスアレーン化合
    物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のカリックスアレーン化合
    物を反応させるか又はコーティングしてなるクロマトグ
    ラフィー固定相。
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