JP2002265255A - 瓦焼成用棚組 - Google Patents

瓦焼成用棚組

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JP2002265255A JP2001066789A JP2001066789A JP2002265255A JP 2002265255 A JP2002265255 A JP 2002265255A JP 2001066789 A JP2001066789 A JP 2001066789A JP 2001066789 A JP2001066789 A JP 2001066789A JP 2002265255 A JP2002265255 A JP 2002265255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】整列させた粘土瓦群の下面に燃焼ガスの流通を
妨げることが少ない瓦焼成用棚組であって、それら粘土
瓦の自立安定性を向上させ、転倒防止具を不要にでき
る。 【解決手段】粘土瓦2の尻部21を下方に向けて立設す
るための瓦焼成用棚組であって、粘土瓦2の尻部21下
面の両端近傍を支承する支持ビーム31、33と、尻部
21下面の中間部分を支承する支持ビーム32のよう
に、少なくとも3か所で支承するように、所定の間隔に
立設された棚脚11間に架設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼雰囲気を遮断
せず、自立安定性に優れた瓦焼成用棚組の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、粘土瓦を焼成するに際しては、焼
成炉内容積を有効に使うため、粘土瓦を立設し整列させ
るようにした瓦焼成用棚組が実用化されている。例え
ば、図3に例示するものは、もっとも普通の瓦焼成用棚
組で、適宜間隔に設けられた棚脚11上(奥の方の棚脚
の図示は省略)に2枚の棚板12a、12bが架設さ
れ、この棚板12a、12b上に粘土瓦は立設、整列し
ている。この瓦焼成用棚組では、粘土瓦が転倒しにくい
利点があるものの、整列させた粘土瓦群の下面が棚板1
2a、12bによって塞がれているので、燃焼ガスが均
等に循環するのを妨げて、焼成むらが発生しやすいとい
う不具合があった。
【0003】このような点を解消できるものとして、本
発明出願人らは特開平8−14768号公報に示す瓦焼
成用棚組を提案している。この瓦焼成用棚組は、図4に
例示するように、棚脚間に3角形の中空支持棒13a、
13bを2本、その稜線を上端に向けて架設している。
この瓦焼成用棚組では、整列させた粘土瓦群の下面に燃
焼ガスの流通を妨げることが少なくなり、焼成むらの防
止に有効な棚組となった。しかし、粘土瓦下面の支持面
積が減少したことから、立設した粘土瓦が外力によって
転倒しやすく傾向が見られ、このため転倒現象を完全に
防止するには図4に例示するような、粘土瓦相互間に挿
入される突片14aを多数下垂させた転倒防止具14を
粘土瓦上面に沿って配置する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、整列させた粘
土瓦群の下面に燃焼ガスの流通を妨げることが少ない瓦
焼成用棚組であって、それら粘土瓦が転倒しにくいよ
う、自立安定性を向上させて、転倒防止具を不要にでき
る瓦焼成用棚組を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題は、粘土瓦を
焼成するに際して、その粘土瓦の尻部を下方に向けて立
設するための瓦焼成用棚組であって、該尻部の両端近傍
と中間部分の少なくとも3か所で支承する支持ビーム
を、所定の間隔に立設された棚脚間に架設したことを特
徴とする本発明の瓦焼成用棚組によって、解決すること
ができる。
【0006】また、本発明は、前記粘土瓦が尻部裏面に
尻剣を備えた引掛け瓦であって、前記支持ビームが前記
瓦の尻部の両端近傍と少なくとも一方の尻剣下面の3か
所で支承するものである形態の前記した瓦焼成用棚組に
具体化できる。なお、ここでいう瓦とは、瓦本体の表か
ら裏に向かって凹状に湾曲した谷を有する形状の瓦を言
うのであって、通常の瓦のほかいわゆる旧来の平瓦の
他、役物瓦などを含むものである。
【0007】さらに、本発明では、前記支持ビームを材
質面からみると、Si−SiC系または窒化ケイ素系材
質からなる高強度耐火物で形成するのが好ましく、また
前記支持ビームを形状面からみると、外形断面が20×
20mm〜40×40mmの中空角型耐火物を用いるの
が好ましい。また、前記支持ビームが、ずれ止め手段に
よって位置決めされて棚脚間に架設したものである形態
に具体化される。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の瓦焼成用棚組に係
る実施形態について、図1、2、5を参照しながら説明
する。本発明の瓦焼成用棚組と整列した粘土瓦群の位置
関係を例示する図1において、本発明は、粘土瓦2を焼
成するに際して、その粘土瓦2の尻部21を下方に向け
て立設するための瓦焼成用棚組であって、それら粘土瓦
2を支承する支持ビームを、所定の間隔に立設された棚
脚11(図1において、他方の棚脚は図示を省略してい
る)間に架設するのであるが、ここにおいて、それら支
持ビームを粘土瓦2の尻部21下面の両端近傍を支承す
る支持ビーム31、33と、と尻部21下面の中間部分
を支承する支持ビーム32のように、少なくとも3か所
で支承するように支持ビームを架設した点に特徴があ
る。
【0009】本発明に適用される代表的な粘土瓦の外形
は、図2に例示するように、尻部21から頭部23にか
けて緩やかな凹状谷面が形成されている。すなわち図2
(A)では、上側に描かれている裏面から見て、尻部2
1下面は凹状湾曲した形状をなしているので、両端近傍
の部分21a、21cを結ぶ直線に対して、尻部21下
面の中間部分21bは、もっとも距離が離れていること
になる。従って、本発明では、この3箇所を支持ビーム
31、33、32によって支承するので、自立安定性が
良好なものとなる。同時に、粘土瓦下面には、支持ビー
ム31、33、32が存在するだけなので、燃焼ガスの
流通を阻害することも少ない利点が得られる。
【0010】そして、本発明では、前記粘土瓦が尻部2
1裏面に、桟木に引掛けるための突起である尻剣22
a、22bを備えた引掛け瓦に適用するのが好ましい。
この場合、前記支持ビームが前記引掛け瓦の尻部の両端
近傍の部分21a、21cと少なくとも一方の尻剣22
aまたは22b下面の3か所で支承する(図1ではこの
状況が図示されている)ようにすると、両端近傍の部分
21a、21cを結ぶ直線に対して、尻剣下面の部位は
距離が離れることになり、自立安定性の点からもっとも
有利となるからである。なお、本発明が対象とする瓦と
は、瓦本体の表から裏に向かって凹状に湾曲した谷を有
する形状の瓦を言うのであって、旧来のいわゆる平瓦の
他、役物瓦などを含むものである。
【00011】さらに、本発明では、前記支持ビームを
材質面からみると、高温強度が優れているセラミックで
ある高純度ムライト質、炭化珪素質の耐火物が適用でき
るが、特に熱間強度が優秀なSi−SiC系材質が最適
である。このSi−SiC系材質は、SiとSiCの混
晶構造の耐火物であって、すでに本発明出願人が特開平
6−1660号公報に詳細に提案している。
【0012】また前記支持ビームを形状面からみると、
外形断面が20×20mm〜40×40mmの中空角型
耐火物を用いるのが好ましい。外形断面が前記範囲未満
であると強度面で不利となり、また前記範囲を超える
と、支持する粘土瓦下面における空間の割合を示す投影
面積空間率が60%以下になり、燃焼ガスの流通上不利
となるからである。
【0013】また、本発明では、前記支持ビーム31、
32、33が、ずれ止め手段によって所定の位置に位置
決めされるのが好ましい。この目的の位置決め手段とし
ては、図5(A)に例示するように、支持ビーム31、
32、33を支承する側に凹溝41、42、43を所定
間隔に設けて、それぞれの凹溝に支持ビーム31、3
2、33を嵌着させて位置決めする、また図5(B)の
ように、幅広の凹部4を設け、さらに支持ビーム31、
32、33の間に所定の幅員のスペーサ44、45を嵌
め込んで位置決めする、あるいは、図5(C)のよう
に、下向きに凹溝51、52、53を所定間隔に設けた
棒状スペーサ5をそれぞれの凹溝に支持ビーム31、3
2、33を嵌着させて位置決めする、さらには、図5
(D)のように、耐火性ピン61、62、63を支持ビ
ーム31、32、33に挿通し、支承する側に所定間隔
に固定する、などの構造が好ましく適用できるのであ
る。
【0014】
【発明の効果】本発明の瓦焼成用棚組は、以上説明した
ように構成されているので、この瓦焼成用棚組に立設、
整列させた粘土瓦群の下面は、燃焼ガスが流通できる十
分な空間が確保できるから、温度むらが原因の焼成むら
を効果的に防止できる。それと同時に、少なくとも3本
の支持ビームでもって粘土瓦下面のもっとも幅の広い部
位で支持するので、粘土瓦の自立安定性が向上し、従来
のような転倒防止具の使用は不要となるという優れた効
果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消した瓦
焼成用棚組として、実用的な価値はきわめて大なるもの
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の瓦焼成用棚組を用いた粘土瓦の整列状
態を示す要部斜視図。
【図2】本発明が対象とする粘土瓦を示す側面図(A)
平面図(B)。
【図3】従来の瓦焼成用棚組を示す要部斜視図。
【図4】従来の他の瓦焼成用棚組を示す要部斜視図。
【図5】本発明に支持ビームのずれ止め構造を示す断面
略図(A)(B)(C)(D)。
【符号の説明】
11 棚脚、2 粘土瓦、21 尻部、21a 両端近
傍の部分、21b 中間部分、21c 両端近傍の部
分、22a、22b 尻剣、23 頭部、31、32、
33 支持ビーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新海 晴夫 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 後藤 好秀 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘土瓦を焼成するに際して、その粘土瓦の
    尻部を下方に向けて立設するための瓦焼成用棚組であっ
    て、該尻部の両端近傍と中間部分の少なくとも3か所で
    支承する支持ビームを、所定の間隔に立設された棚脚間
    に架設したことを特徴とする瓦焼成用棚組。
  2. 【請求項2】前記粘土瓦が尻部裏面に尻剣を備えた引掛
    け桟瓦であって、前記支持ビームが前記瓦の尻部の両端
    近傍と少なくとも一方の尻剣下面の3か所で支承するも
    のである請求項1に記載の瓦焼成用棚組。
  3. 【請求項3】前記支持ビームが、Si−SiC系または
    窒化ケイ素系材質からなる高強度耐火物である請求項2
    に記載の瓦焼成用棚組。
  4. 【請求項4】前記支持ビームが、外形断面が20×20
    mm〜40×40mmの中空角型耐火物である請求項3
    に記載の瓦焼成用棚組。
  5. 【請求項5】前記支持ビームが、ずれ止め手段によって
    位置決めされて棚脚間に架設したものである請求項2ま
    たは3または4に記載の瓦焼成用棚組。
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