JP2002265227A - レンズ成形装置及びレンズ成形方法 - Google Patents

レンズ成形装置及びレンズ成形方法

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JP2002265227A JP2001067048A JP2001067048A JP2002265227A JP 2002265227 A JP2002265227 A JP 2002265227A JP 2001067048 A JP2001067048 A JP 2001067048A JP 2001067048 A JP2001067048 A JP 2001067048A JP 2002265227 A JP2002265227 A JP 2002265227A
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    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上型と下型との間で成形されたレンズが胴型
の上面から突出するように下型を流体圧により浮上させ
る浮上手段を設けることにより、レンズの性能に悪影響
を及ぼすことを防止し、レンズの取り出しを確実に行う
ことができるレンズ成形装置を提供すること。 【解決手段】 上型と21、上型21の下方に配設され
る下型11と、下型11の外周を規制し、下型11を上
下動可能に支持する胴型12と、上型21と下型11と
の間で成形されたレンズ40が胴型12の上面12bか
ら突出するように下型11を流体圧により浮上させる浮
上手段とを備えた構成を採る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素材を押圧し
てレンズを成形するためのレンズ成形装置及びレンズ成
形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レンズ成形装置として、上型
と下型の間に光学素材を配置し、胴型により上型及び下
型の外周を規制した状態で上型及び下型により光学素材
を押圧してレンズを成形し、上型を取り外して、吸着パ
ッドによりレンズの取り出しを行うレンズ成形装置が知
られている。
【0003】図5に示すように、吸着パッド131は、
シリコンゴム等からなるものであり、エアーを吸引する
ための吸引ポンプ33に繋がっている。また、吸着パッ
ド131は、レンズ40を取り出すために水平方向及び
鉛直方向に移動可能となっている。吸引ポンプ33によ
りエアーを吸引した状態で吸着パッド131をレンズ4
0に当接させると、吸着パッド131内が負圧となるた
め、レンズ40を吸着パッド131に吸着して取り出す
ことができる。
【0004】しかしながら、このようなレンズ成形装置
にあっては、成形されたレンズ40は胴型112内に埋
もれた状態で下型111上に位置している。そのため、
レンズ40を取り出す際に、レンズ40を吸着パッド1
31により吸着しても、レンズ40が胴型112の内周
面に接触し、その摩擦により吸着パッド131から離
れ、取り出しエラーが発生するという不具合がある。
【0005】このような不具合を解消するため、レンズ
40を取り出す際に、成形されたレンズ40が胴型11
2の上面から突出するように下型111をシリンダー等
により突き出すことが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
手法によっても、吸着パッド131によりレンズ40を
取り出せないおそれがある。例えば、吸着パッド131
の鉛直移動距離が吸着パッド131とレンズ40との距
離より短いと、吸着パッド131がレンズ40に当接せ
ず、レンズ40を吸着できない。また、吸着パッド13
1の鉛直移動距離が吸着パッド131とレンズ40との
距離より長いと、吸着パッド131によりレンズ40に
過度の圧力が加わりレンズ40の性能に悪影響を及ぼす
おそれがある。特に複数個のレンズ40を複数個の吸着
パッド131で一度に取り出す場合には、下型111ま
たは吸着パッド131位置のばらつきが存在して、ある
レンズ40に対してはレンズ40と吸着パッド131が
当接しない、他のレンズ40に対してはレンズ40に過
度の圧力が加わる等という不具合が生じてしまい、レン
ズ性能に悪影響を及ぼすことが顕著に現れる。
【0007】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
てなされたものであり、レンズの性能に悪影響を及ぼす
ことを防止し、レンズの取り出しを確実に行うことがで
きるレンズ成形装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
レンズ成形装置は、上型と、上型の下方に配設される下
型と、下型の外周を規制し、下型を上下動可能に支持す
る胴型と、上型と下型との間で成形されたレンズが胴型
の上面から突出するように下型を流体圧により浮上させ
る浮上手段とを備えた構成を採る。
【0009】この発明によれば、レンズを取り出す際
に、レンズを胴型の上面から突出させることによりレン
ズが胴型の内周面に接触することがないため、レンズの
取り出しエラーを防止することができる。また、下型は
流体圧により弾力的に支持されている。したがって、吸
着パッドによりレンズを取り出す際に、吸着パッドをレ
ンズに十分押圧して、レンズを確実に吸着することがで
きる。そして、その際、吸着パッドによりレンズに過度
の圧力が加わることを防止できる。
【0010】また、本発明に係るレンズ成形装置は、上
型及び下型は、それぞれ複数設けられ、浮上手段は、各
下型を同時に浮上させることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、複数の吸着パッドを備
えた吸着ユニットにより各下型に載置されたレンズを取
り出す際に、吸着パッドとレンズとの各距離にばらつき
があっても、各下型を流体圧によって弾力的に支持する
ことにより、各吸着パッドを各レンズに十分押圧して、
各レンズを確実かつ同時に吸着することができる。そし
て、その際、吸着パッドによりレンズに過度の圧力が加
わることを防止できる。
【0012】また、本発明に係るレンズ成形装置は、浮
上手段は、流体圧を生じさせる流体として冷却用ガスを
用いることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、新たな流体圧供給手段
を必要とせず、レンズ成形装置の複雑化及び製造コスト
を抑制することができる。
【0014】また、本発明に係るレンズ成形装置は、浮
上手段は、冷却用ガスの流路に対し、断面積の小さい排
出口を備えることを特徴とする。
【0015】この発明によれば、簡易な構造で冷却用ガ
スの圧力を確実に上昇させることができる。
【0016】また、本発明に係るレンズ成形装置は、浮
上手段は、冷却用ガスの排出口を閉塞する閉塞手段を備
えることを特徴とする。
【0017】この発明によれば、閉塞手段を設けるだけ
で冷却用ガスの圧力をより確実に上昇させることができ
る。また、冷却の際には、閉塞手段を開けることによ
り、冷却効率を向上することができる。
【0018】また、本発明に係るレンズ成形方法は、上
型と下型の間に光学素材を配置し、上型及び下型により
光学素材を押圧してレンズを成形し、レンズを取り出す
レンズ成形方法において、レンズを取り出す際に、成形
されたレンズが胴型の上面から突出するように下型を流
体圧により浮上させることを特徴とする。
【0019】この発明によれば、レンズを取り出す際
に、レンズを胴型の上面から突出させることによりレン
ズが胴型の内周面に接触することがないため、レンズの
取り出しエラーを防止することができる。また、下型は
流体圧により弾力的に支持されている。したがって、吸
着パッドによりレンズを取り出す際に、吸着パッドをレ
ンズに十分押圧して、レンズを確実に吸着することがで
きる。そして、その際、吸着パッドによりレンズに過度
の圧力が加わることを防止できる。
【0020】また、本発明に係るレンズ成形方法は、レ
ンズの成形は、上型が複数設けられた上型ユニット及び
下型が複数設けられた下型ユニットを用いて行われ、レ
ンズの取り出しは、各下型を同時に浮上させて行われる
ことを特徴とする。
【0021】この発明によれば、複数の吸着パッドを備
えた吸着ユニットにより各下型に載置されたレンズを取
り出す際に、吸着パッドとレンズとの各距離にばらつき
があっても、各下型を流体圧によって弾力的に支持する
ことにより、各吸着パッドを各レンズに十分押圧して、
各レンズを確実かつ同時に吸着することができる。そし
て、その際、吸着パッドによりレンズに過度の圧力が加
わることを防止できる。
【0022】また、本発明に係るレンズ成形方法は、流
体圧を生じさせる流体として冷却用ガスを用いることに
より下型を浮上させることを特徴とする。
【0023】この発明によれば、新たな流体圧供給手段
を必要とせず、レンズ成形装置の複雑化及び製造コスト
を抑制することができる。
【0024】また、本発明に係るレンズ成形方法は、冷
却用ガスの流路に対し、断面積の小さい排出口を設けて
冷却用ガスの圧力を上昇させることにより下型を浮上さ
せることを特徴とする。
【0025】この発明によれば、簡易な構造で冷却用ガ
スの圧力を確実に上昇させることができる。
【0026】さらに、本発明に係るレンズ成形方法は、
閉塞板を用いて冷却用ガスの排出口を閉塞して冷却用ガ
スの圧力を上昇させることにより下型を浮上させること
を特徴とする。
【0027】この発明によれば、閉塞手段を設けるだけ
で冷却用ガスの圧力をより確実に上昇させることができ
る。また、冷却の際には、閉塞手段を開けることによ
り、冷却効率を向上することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図面において同
一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比
率とは一致していない。
【0029】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態に係るレンズ成形装置について説明する。
【0030】図1に示すように、第1の実施の形態に係
るレンズ成形装置は、上下動可能な下型ユニット10
と、下型ユニット10の上方に配設された上型ユニット
20と、下型ユニット10と上型ユニット20との間に
進退可能な吸着ユニット30とを備えて構成されてい
る。
【0031】下型ユニット10は、複数の下型11と、
複数の下型11の外周を規制し下型11を上下動可能に
支持する胴型12と、胴型12を下方から支持固定する
支持台13とを備えて構成されている。
【0032】下型11は、円柱状の胴部11aの下端に
円柱状のフランジ部11bを形成して構成されている。
フランジ部11bは、胴部11aに対し、大きい外径と
なっている。胴部11aの上端には光学素材の下面を成
形するための転写面11cが設けられている。
【0033】胴型12には、下型11の外周を規制し、
下型11を上下動可能に支持するための支持空間12a
が複数設けられている。
【0034】図2に示すように、支持空間12aは、胴
型12の上面12bに開口する小径部12cの下側に大
径部12dを形成して、胴型12の内部に設けられてい
る。小径部12cは、下型11の胴部11aの外周を規
制し、下型11の胴部11aを上下動可能となるように
支持する。また、大径部12dは、下型11のフランジ
部11bの外周を規制し、下型11のフランジ部11b
を上下動可能となるように支持する。
【0035】大径部12dの高さは、下型11のフラン
ジ部11bの高さに対し、長寸となっている。したがっ
て、下型11は、フランジ部11bの底面11dが大径
部12dの底面12eに当接した状態から、フランジ部
11bの上面11eが大径部12dの上面12fに当接
する状態まで、上下動可能となる。
【0036】そして、支持空間12aは、下型11が上
下動可能域の上端に位置する際には、下型11の転写面
11cに載置されたレンズ40が胴型12の上面12b
から突出するように形成されている。
【0037】また、支持空間12aは、下型11が上下
動可能域の下端に位置する際には、下型11の転写面1
1cが小径部12c内に位置するように形成されてい
る。その際、後述する上型21が嵌合して、下型11と
胴型12と上型21とによりレンズ成形空間が形成され
る。
【0038】図1に示すように、胴型12の内部には、
流体を流すための流路12gが設けられている。流体と
しては、例えば、窒素ガスが用いられる。流路12g
は、胴型12の下面に開口した吸入口12hと胴型12
の外周面に開口した排出口12iの間を連通している。
そして、その途中で支持空間12aの底面12eと連通
している。
【0039】図3に示すように、排出口12iは、流路
12gに対し、小さい断面積となっている。そして、排
出口12iの断面積は、窒素ガスの圧力を上昇させ、こ
の圧力が各下型11の底面11dに加わって、下型11
が上下動可能域の上端まで浮上するように、適宜設定さ
れる。このように、簡易な構造で窒素ガスの圧力を確実
に上昇させることができる。
【0040】支持台13は、胴型12を下方から支持固
定するためのものである。支持台13には、前述の窒素
ガスが流れる流路13aが鉛直方向に設けられている。
流路13aは、支持台13の上端で、胴型12の吸入口
12hと連通している。また、支持台13の下端側で、
窒素ガスを送り込むためのコンプレッサー14に繋がっ
ている。
【0041】上型ユニット20は、複数の上型21と、
複数の上型21が設置される上型取付部22と、上型取
付部22を上方から支持固定する支持台23とを備えて
構成されている。
【0042】上型21は、円柱状の胴部21aの上端に
円柱状のフランジ部21bを形成して構成されている。
フランジ部21bは、胴部21aに対して、大きい外径
となっている。胴部21の下端には光学素材の上面を成
形するための転写面21cが設けられている。
【0043】上型取付部22には、胴型12に支持され
た各下型11と対応する位置に、上型21を設置するた
めの設置空間22aが複数設けられている。設置空間2
2aは上型取付部22の下面22bに開口している。そ
して、上型21の転写面21cが上型取付部22の下面
22bから突出した状態で、この突出部が胴型12に嵌
合し、下型11と胴型12と上型21とによりレンズ成
形空間が形成されるように、設置空間22aは形成され
ている。
【0044】また、上型取付部22には、流体を流すた
めの流路22cが設けられている。流体としては、例え
ば、窒素ガスが用いられる。流路22cは、上型取付部
22の上面に開口した吸入口22dと上型取付部22の
外周面に開口した排出口22eの間を連通している。そ
して、その途中で設置空間22aの上端と連通してい
る。
【0045】支持台23は、上型取付部22を上方から
支持固定するためのものである。支持台23には、前述
の窒素ガスが流れる流路23aが鉛直方向に設けらてい
る。流路23aは、支持台23の下端で、上型取付部2
2の吸入口22dと連通している。また、支持台23の
上端側で、窒素ガスを送り込むためのコンプレッサー1
4に繋がっている。
【0046】吸着ユニット30は、複数の吸着パッド3
1と、複数の吸着パッド31が設置される吸着パッド取
付部32とを備えて構成されている。
【0047】吸着パッド31は、シリコンゴム等からな
るものであり、吸着孔31aを有している。
【0048】吸着パッド取付部32には、胴型12に支
持された各下型11と対応する位置に、吸着パッド31
を設置するための設置空間32aが複数設けられてい
る。設置空間32aは、吸着パッド取付部32の下面3
2bに開口しており、吸着パッド31の下端が吸着パッ
ド取付部32の下面32bから突出するように形成され
ている。
【0049】また、吸着パッド取付部32には、エアー
が流れる流路32cが設けらている。流路32cは、吸
着パッド取付部32の上面に開口した吸引口32dと、
各設置空間32aに設置された吸着パッド31の吸着孔
31aの間を連通している。そして、流路32cは、吸
引口32dでエアーを吸引するための吸引ポンプ33に
繋がっている。
【0050】次に、本実施の形態に係るレンズ成形装置
によるレンズ成形方法について説明する。
【0051】まず、下型ユニット10が上型ユニット2
0から離間し、吸着ユニット30が下型ユニット10と
上型ユニット20との間から退いている状態で、光学素
材を各下型11の転写面11cに載置する。このとき、
下型11は、上下動可能域の下端で支持されている。す
なわち、下型11の転写面11cに載置された光学素材
は、胴型12内に位置している。
【0052】次に、下型体12の上面12bが上型取付
部22の下面22bに当接するように、下型ユニット1
0を図示しない油圧機構等により上昇させる。これによ
り、各上型21が下型体12に設けられた支持空間12
aにそれぞれ嵌合する。そして、下型11と胴型12と
上型21とにより形成されるレンズ成形空間内で、光学
素材が押圧され、転写面11c、21cにより形状が転
写されてレンズ40が成形される。このとき、光学素材
は、上型ユニット20の近傍に設置された図示しない加
熱装置により、ガラスの転移点以上となる程度まで加熱
されている。
【0053】次に、加熱を止め、上型ユニット10及び
下型ユニット20にコンプレッサー14から窒素ガスを
送り込む。これにより、レンズ40は冷却される。この
とき、各下型11の下端には、窒素ガスによる圧力が加
わるが、下型11は、レンズ40を介して上型21によ
り抑えられているため、上方へ動くことはない。
【0054】次に、窒素ガスの送り込みを停止し、下型
ユニット10を図示しない油圧機構等により下降させて
型開きを行う。
【0055】次に、吸着ユニット30を図示しない油圧
機構等により、下型ユニット10の上方に移動させる。
そして、再び、下型ユニット10に窒素ガスをコンプレ
ッサー14から送り込む。これにより、各下型11の下
端に窒素ガスによる圧力が加わって、下型11は、上下
動可能域の上端まで浮上する。したがって、下型11の
転写面11cに載置されたレンズ40が胴型12の上面
12bから突出した状態で、各下型11は、窒素ガスに
より弾力的に支持される。このように、下型11の浮上
手段として窒素ガスにより生じる流体圧を用いれば、新
たな流体圧供給手段を必要とせず、レンズ成形装置の複
雑化及び製造コストを抑制することができる。
【0056】次に、吸引ポンプ33によりエアーを吸引
した状態で、吸着ユニット30に設置された各吸着パッ
ド31が各下型11に載置されたレンズ40の上面に当
接するように、吸着ユニット30を図示しない油圧機構
等により下降させる。なお、吸着ユニット30を固定し
た状態で下型ユニット10を上昇させても良い。
【0057】ここで、この際の吸着ユニット30又は下
型ユニット10の移動距離の設定について説明する。各
吸着パッド31の下端の高さ及び各レンズ40の上面の
高さのばらつきにより、吸着パッド31の下端とレンズ
40の上面との距離には、それぞればらつきが生じてい
る。このばらつきを考慮し、吸着パッド31の下端とレ
ンズ40の上面との距離が最も大きくなる場合であって
も、吸着パッド31がレンズ40に確実に当接するよう
に吸着ユニット30又は下型ユニット10の移動距離を
設定する。これにより、各吸着パッド31を各レンズ4
0に十分押圧して当接することができる。また、その
際、各下型11を窒素ガスによって弾力的に支持するこ
とにより、吸着パッド31によりレンズ40に過度の圧
力が加わることを防止できる。
【0058】次に、吸着パッド31がレンズ40の上面
に当接すると、吸着パッド31内が負圧となるため、吸
着パッド31はレンズ40を吸着する。このように、複
数の吸着パッド31が設置された吸着ユニット30によ
り、各レンズ40を確実かつ同時に吸着することができ
る。
【0059】最後に、吸着ユニット30を図示しない油
圧機構等により上昇させ、レンズ40の取り出しを行
う。なお、下型ユニット10を上昇させ吸着を行った場
合には、下型ユニット10を下降させ、レンズ40の取
り出しを行う。このとき、レンズ40は胴型12の上面
12bから突出しているため、レンズ40が胴型12の
内周面に接触することがない。したがって、レンズ40
の取り出しエラーを防止することができる。
【0060】以上説明したように、本実施の形態に係る
レンズ成形装置及びレンズ成形方法によれば、レンズ4
0を取り出す際の下型11の浮上は、流路12gに対
し、断面積の小さい排出口12iを備えることにより、
窒素ガスの圧力を上昇させて行う。したがって、新たな
流体圧供給手段を必要とせず、レンズ成形装置の複雑化
及び製造コストを抑制することができる。また、簡易な
構造で窒素ガスの圧力を確実に上昇させることができ
る。
【0061】また、各下型11は窒素ガスにより生じる
流体圧により弾力的に支持されているため、各吸着パッ
ド31の高さ及び各レンズ40の高さにばらつきがあっ
ても、複数の吸着パッド31が設置された吸着ユニット
30により、各吸着パッド31を各レンズ40に十分押
圧して、各レンズ40を確実かつ同時に吸着することが
できる。そして、その際、吸着パッド31によりレンズ
40に過度の圧力が加わることを防止できる。
【0062】さらに、レンズ40は胴型12の上面12
bから突出しているため、レンズ40が胴型12の内周
面に接触することがない。したがって、レンズ40の取
り出しエラーを防止することができる。
【0063】なお、本実施の形態では、レンズ成形方法
として、本実施の形態に係るレンズ成形装置を用いた場
合の成形方法を説明したが、本発明に係るレンズ成形方
法は、そのようなものに限られるものではなく、その他
の装置等を用いるものなどであってもよい。
【0064】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態に係るレンズ成形装置について説明する。
【0065】第1の実施の形態に係るレンズ成形装置と
異なる点は、図4に示すように、胴型12の外周面に開
口した窒素ガスの排出口12jの断面積と、この排出口
12jを閉塞する閉塞蓋50を備えたことである。
【0066】排出口12jは、流路12gと同一の断面
積となっている。
【0067】閉塞蓋50は、例えば、板状のもの等によ
り胴型12の外周面に沿うように円弧状に形成されてい
る。閉塞手段50は、各排出口12jを閉塞するために
複数設けられており、図示しない油圧機構等により排出
口12jに対して進退可能となっている。
【0068】次に、本実施の形態に係るレンズ成形装置
によるレンズ成形方法について説明する。
【0069】第1の実施の形態に係るレンズ成形方法と
異なる点は、型開き後に下型11を浮上させるための窒
素ガスの圧力を上昇させる工程である。
【0070】下型ユニット10を図示しない油圧機構等
により下降させて型開きを行った後、図示しない油圧機
構等により各閉塞手段50を排出口12jに当接して閉
塞する。次に、この状態で、下型ユニット10に窒素ガ
スをコンプレッサー14から送り込む。これにより、窒
素ガスの圧力が上昇し、この圧力が各下型11の底面1
1dに加わって、下型11は、上下動可能域の上端まで
浮上する。
【0071】以上説明したように、本実施の形態に係る
レンズ成形装置及びレンズ成形方法によれば、レンズ4
0を取り出す際の下型11の浮上は、窒素ガスの排出口
12jを閉塞手段50により閉塞し、窒素ガスの圧力を
上昇させて行う。したがって、新たな流体圧供給手段を
必要とせず、レンズ成形装置の複雑化及び製造コストを
抑制することができる。また、閉塞手段50を設けるだ
けで窒素ガスの圧力をより確実に上昇させることができ
る。さらに、冷却の際には、閉塞手段50を開けること
により、冷却効率を向上することができる。
【0072】なお、本実施の形態では、レンズ成形方法
として、本実施の形態に係るレンズ成形装置を用いた場
合の成形方法を説明したが、本発明に係るレンズ成形方
法は、そのようなものに限られるものではなく、その他
の装置等を用いるものなどであってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るレン
ズ成形装置及びレンズ成形方法によれば、レンズを取り
出す際に、レンズを胴型の上面から突出させることによ
りレンズが胴型の内周面に接触することがないため、レ
ンズの取り出しエラーを防止することができる。また、
下型は流体圧により弾力的に支持されている。したがっ
て、吸着パッドによりレンズを取り出す際に、吸着パッ
ドをレンズに十分押圧して、レンズを確実に吸着するこ
とができる。そして、その際、吸着パッドによりレンズ
に過度の圧力が加わることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレンズ成形装
置の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るレンズ成形装
置の支持空間の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るレンズ成形装
置の排出口の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るレンズ成形装
置の排出口及び閉塞手段の説明図である。
【図5】従来のレンズ成形装置の説明図である。
【符号の説明】
11…下型、12…胴型、12g…流路、12i…排出
口、12b…上面、21…上型、40…レンズ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型と、 前記上型の下方に配設される下型と、 前記下型の外周を規制し、前記下型を上下動可能に支持
    する胴型と、 前記上型と前記下型との間で成形されたレンズが前記胴
    型の上面から突出するように前記下型を流体圧により浮
    上させる浮上手段とを備えたことを特徴とするレンズ成
    形装置。
  2. 【請求項2】 前記上型及び前記下型は、それぞれ複数
    設けられ、 前記浮上手段は、前記各下型を同時に浮上させることを
    特徴とする請求項1に記載のレンズ成形装置。
  3. 【請求項3】 前記浮上手段は、前記流体圧を生じさせ
    る流体として冷却用ガスを用いることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のレンズ成形装置。
  4. 【請求項4】 前記浮上手段は、前記冷却用ガスの流路
    に対し、断面積の小さい排出口を備えることを特徴とす
    る請求項3に記載のレンズ成形装置。
  5. 【請求項5】 前記浮上手段は、前記冷却用ガスの排出
    口を閉塞する閉塞手段を備えることを特徴とする請求項
    3に記載のレンズ成形装置。
  6. 【請求項6】 上型と下型の間に光学素材を配置し、前
    記上型及び前記下型により前記光学素材を押圧してレン
    ズを成形し、前記レンズを取り出すレンズ成形方法にお
    いて、 前記レンズを取り出す際に、成形された前記レンズが前
    記胴型の上面から突出するように前記下型を流体圧によ
    り浮上させることを特徴とするレンズ成形方法。
  7. 【請求項7】 前記レンズの成形は、前記上型が複数設
    けられた上型ユニット及び前記下型が複数設けられた下
    型ユニットを用いて行われ、 前記レンズの取り出しは、前記各下型を同時に浮上させ
    て行われることを特徴とする請求項6に記載のレンズ成
    形方法。
  8. 【請求項8】 前記流体圧を生じさせる流体として冷却
    用ガスを用いることにより前記下型を浮上させることを
    特徴とする請求項6又は7に記載のレンズ成形方法。
  9. 【請求項9】 前記冷却用ガスの流路に対し、断面積の
    小さい排出口を設けて前記冷却用ガスの圧力を上昇させ
    ることにより前記下型を浮上させることを特徴とする請
    求項8に記載のレンズ成形方法。
  10. 【請求項10】 閉塞板を用いて前記冷却用ガスの排出
    口を閉塞して前記冷却用ガスの圧力を上昇させることに
    より前記下型を浮上させることを特徴とする請求項8に
    記載のレンズ成形方法。
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