JP2002264650A - 自動車用ドアモジュールおよび自動車用ドア - Google Patents

自動車用ドアモジュールおよび自動車用ドア

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用ドアの内部に、ウィンドレギュレー
タとドアロック装置とをきわめて簡単に取り付けること
ができて、その取り付け作業の負担の軽減、および作業
時間の短縮を図ることができる自動車用ドアモジュール
および自動車用ドアを提供すること。 【解決手段】 自動車用ドア30の内部に取り付け可能
なウィンドレギュレータ10とドアロック装置20とを
備えた自動車用ドアモジュールMであって、ウィンドレ
ギュレータ10とドアロック装置20は、自動車用ドア
30のインナーパネルに形成された開口部から自動車用
ドア30の内部に差し入れ可能な形態に連結された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ドアモジ
ュール、および、それを取り付けた自動車用ドアに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用ドアの内部に、窓ガラス
を昇降可能なウィンドレギュレータと、そのドアをロッ
ク可能なドアロック装置と、を取り付ける方法として
は、ドアのインナーパネルに形成した開口部から、それ
らのウィンドレギュレータとドアロック装置とを個別に
ドア内部に差し入れて取り付ける方法がある。このよう
な取り付け方法を採用する場合、インナーパネルに形成
する開口部は、インナーパネルおよびドア全体の強度確
保のために、比較的小さく形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インナーパネ
ルの比較的小さな開口部から、ウィンドレギュレータと
ドアロック装置とを個別にドア内部に差し入れて、それ
らをドア内部の定位置に取り付ける作業は、きわめて面
倒であった。また、ウィンドレギュレータとドアロック
装置を所定の順序にしたがって組み付ける場合、ドア内
部のガラスサッシュや補強バーなどを迂回するように、
ウィンドレギュレータとドアロック装置を個別に取り回
さなければならず、それらの取り回しが複雑であった。
また、ウィンドレギュレータとドアロック装置を個別に
取り付けるために、それらの取り付け箇所も多くなる。
したがって、このようなウィンドレギュレータとドアロ
ック装置の組み付け作業は、自動車の組み立てラインに
おいて、そのライン全体の作業効率の悪化を招く1つの
要因となっている。
【0004】本発明の目的は、自動車用ドアの内部に、
ウィンドレギュレータとドアロック装置とをきわめて簡
単に取り付けることができて、その取り付け作業の負担
の軽減、および作業時間の短縮を図ることができる自動
車用ドアモジュールおよび自動車用ドアを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車用モジュ
ールは、自動車用ドアの内部に取り付け可能なウィンド
レギュレータとドアロック装置とを備えた自動車用ドア
モジュールであって、前記ウィンドレギュレータと前記
ドアロック装置は、前記自動車用ドアのインナーパネル
に形成された開口部から前記自動車用ドアの内部に差し
入れ可能な形態に連結されたことを特徴とする。
【0006】本発明の自動車用ドアは、ウィンドレギュ
レータとドアロック装置とを内部に取り付けられる自動
車用ドアにおいて、前記自動車用ドアのインナーパネル
に形成した開口部から、請求項1から5のいずれかに記
載の自動車用モジュールを差し入れて取り付けたことを
特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0008】図1において、10はウィンドレギュレー
タ、20はドアロック装置であり、これらは伸縮自在に
結合されて1つの自動車用ドアモジュールMを構成す
る。このモジュールMは、後述するように、自動車用ド
ア30のインナーパネル31に形成された開口部31A
(図2参照)から、そのドア30の内部に差し入れられ
て取り付けられる。図2は、ドア30をインナーパネル
31側つまり車内側から見た図であり、同図中の左方が
車両の前方、同図中の右方が車両の後方である。
【0009】本例のウィンドレギュレータ10は、ガイ
ドレール11を1本備えた1本レールタイプであり、そ
のガイドレール11にキャリアプレート12が昇降自在
にガイドされる。ウィンドレギュレータ10は、ガイド
レール11を2本備えた2本レールタイプであってもよ
い。キャリアプレート12には、後述するように、窓ガ
ラスG(図2参照)の下端が取り付けられる。ガイドレ
ール11の上下の端部には、不図示のワイヤガイドが取
り付けられており、それら上下のワイヤガイドの間に架
け渡された不図示のワイヤは、キャリアプレート12に
連結されるとと共に、駆動機構13のドラム13A(図
4参照)に所定量巻回される。駆動機構13は、ガイド
レール11の中間部の定位置に取り付けられた基板14
上に構成されており、モータ13Bの駆動力によって、
軸線O1を中心としてドラム13Aを正転および逆転さ
せる。ドラム13Aに巻回されたワイヤは、ドラム13
Aの回転方向に応じて上方または下方に繰り出されるこ
とにより、キャリアプレート12をガイドレール11に
沿って矢印A1,A2方向に昇降させる。14Aは第1
腕部であり、基板14からドアロック装置20の方向に
延在する。また、ガイドレール11の上端部には、図6
のように、先端が大径の保持ピン15の基端が取り付け
られ、ガイドレール11の下端部には、図7のようにボ
ルト挿通口11Aが形成されている。
【0010】一方、本例のドアロック装置20は、その
基板21に、一般的なドアロック機構22を備えた構成
となっている。ドアロック機構22は、例えば、ラッチ
プレート22A(図8参照)および不図示のロッキング
プレートなどを備えており、ドアロック装置20を備え
たドア30を図4および図8中の矢印B2方向に閉じた
ときに、車体側のストライカSがドアロック機構22の
内部に相対的に矢印B1方向から進入して、軸心O2を
中心としてラッチプレート22Aを図8中の矢印C1方
向に回動させる。そして、ストライカSがラッチプレー
ト22Aのロック溝22A−1内に位置して、ラッチプ
レート22Aがフルラッチ位置まで回動したときに、ロ
ッキングプレートがラッチプレート22Aをフルラッチ
位置にロックする。これにより、ドア30が閉じられた
位置にロックされる。ドア30のロックを解除する場合
には、ドア30に備わるインサイドハンドルまたはアウ
トサイドハンドルの操作によって、ロッキングプレート
によるラッチプレート22Aのロックを解除して、ラッ
チプレート22Aを矢印C2方向に回動復帰させる。ロ
ッキングプレートによるラッチプレート22Aのロック
解除は、ドア30に備わるドアロックノブまたはドアの
キーシリンダの操作によって制限される。23Aはドア
ロック機構22とインサイドハンドルとの間を連結する
ためのワイヤ(操作部材)であり、23B,23C,2
3Dは、ドアロック機構22と、ドアロックノブ、アウ
トサイドハンドル、およびキーシリンダとの間を連結す
るためのロッド(操作部材)である。
【0011】また、ドアロック装置20の基板21に
は、窓ガラスGの側縁を昇降自在にガイドするためのガ
ラスガイド24が取り付けられている。さらに、基板2
1には、ウィンドレギュレータ10の方向に延在する第
2腕部21Aが形成され、その腕部21Aには、ワイヤ
23Aの中間部位の位置を規制するための対の突起25
A,25B(クランプ手段)が設けられている。これら
の突起25A,25Bの先端部間の隙間は、ワイヤ23
Aの中間部位の直径よりも若干狭く形成されており、図
1中紙面の表面側から突起25A,25Bの間にワイヤ
23Aの中間部位を押し込むことにより、その突起25
A,25Bの間に入ったワイヤ23Aの中間部位は、突
起25A,25Bの先端部によって抜け止めされる。ま
た、基板21には、ロッド23Bの中間部位の位置を規
制する規制部材26A(クランプ手段)と、ロッド23
C,23Dの中間部位の位置を規制する規制部材26B
(クランプ手段)が設けられている。これらの突起25
A,25Bおよび規制部材26A,26Bは、少なくと
もモジュールMがドア30に取り付けられるときに、ワ
イヤ23Aおよびロッド23B,23C,23Dの中間
部位の位置を規制するものであればよく、モージュール
Mの取り付け時のみならず、それ以降においても継続的
にワイヤ23Aおよびロッド23B,23C,23Dの
中間部位の位置を規制するものであってもよい。
【0012】ドアロック装置20側の第2腕部21A
は、図3のように、断面略C字状に形成されており、そ
の内部に、ウィンドレギュレータ10側の第1腕部14
Aが矢印D1、D2方向にスライド自在にはめ合わされ
ている。第1腕部14Aの定位置に固定されたナット4
1A,41Bには、第2腕部21Aに形成されたガイド
孔21A−1,21A−2を通して、連結ボルト42
A,42Bがねじ付けられている。このように第1,第
2腕部14A,21Aが相対的に矢印D1、D2方向に
伸縮可能に連結されることによって、ウィンドレギュレ
ータ10とドアロック装置20とを連結したモジュール
Mが構成される。腕部14A,21Aは、互いにスライ
ド自在にはまり合う形状であればよい。
【0013】次に、このように構成されたモジュールM
の取り付け手順について説明する。
【0014】まず、図5中の実線のように、第1,第2
腕部14A,21Aの連結部分を縮めたまま、つまりモ
ジュールMを小さく縮めた形態としたまま、ウィンドレ
ギュレータ10の下端部(ガイドレール11の下端部)
を開口部31Aからドア30の内部に差し入れる。それ
から、ウィンドレギュレータ10の上端部(ガイドレー
ル11の上端部)を開口部31Aからドア30の内部に
入れる。その際、開口部31Aの対角線の長い部分を利
用して、ガイドレール11をドア30の内部に入れる。
その後、モジュールMを小さく縮めた形態のまま矢印E
方向に移動させて、モジュールM全体を開口部31Aか
らドア30の内部に入れる。
【0015】その後、ドア30の内部の定位置に形成さ
れた取付け孔32(図6参照)に、ガイドレール11の
上端部に固定された保持ピン15の先端を差し込む。取
付け孔32は、上側の孔部32Aと下側の溝部32Bと
によって、いわゆるだるま孔状に形成されており、孔部
32A内に差し込んだ保持ピン15を溝部32B内に落
とし込むことによって、ガイドレール11の上端部の位
置がドア30の内部の定位置に位置決めされる。その
後、図7のように、ドア30の内部の定位置に固定され
たナット43に、ガイドレール11のボルト挿通口11
Aを通したボルト44をねじ付ける。このように、保持
ビン15とボルト44を用いて、ウィンドレギュレータ
10がドア30の内部に固定される。
【0016】その後、第1,第2腕部14A,21Aの
連結部分を延ばして、つまりウィンドレギュレータ10
に対してドアロック装置20を矢印D1方向にずらし
て、そのドアロック装置20をドア30の内部における
所定の取付け位置まで移動させる。それから、図8のよ
うに、ドアロック装置20の基板21の定位置に、ドア
30の外側からボルト45A,45B,45Cをねじ付
ける。これにより、ドアロック装置20がドア30の内
部に固定される。その際、ガラスガイド24は、図2の
ように、ドア30の内部の定位置に予め設けられている
ガラスガイド33と整合して、窓ガラスGの側縁を昇降
自在にガイドするための一連のガイド手段を構成する。
【0017】その後、連結ボルト42A,42Bを加締
めて、第1,第2腕部14A,21Aを固定する。これ
により、ウィンドレギュレータ10とドアロック装置2
0とが一体的に固定され、それらは一体のモジュールM
としてドア30の内部に固定される。連結ボルト42
A,42Bは、第1,第2腕部14A,21Aを締結す
る締結手段を構成する。
【0018】その後、ワイヤ23Aをインサイドハンド
ルに連結すると共に、ロッド23B,23C,23Dの
それぞれをドアロックノブ、アウトサイドハンドル、お
よびキーシリンダに連結する。突起25A,25Bおよ
び規制部材26A,26Bは、少なくともモジュールM
の取り付け時に、ワイヤ23Aおよびロッド23B,2
3C,23Dの中間部位の位置を規制することにより、
それらの位置が大きくずれることを阻止して、それらの
連結作業、およびモジュールMの取り付けの作業の効率
を向上させる。
【0019】また、窓ガラスGは、以上のようなモジュ
ールMの取り付け作業中に、上方からドア30の内部に
差し込まれて、その窓ガラスG下端部がキャリアプレー
ト12に取り付けられる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の自動車用ドアモジュールは、自動車用ドアのインナー
パネルの開口部に差し入れ可能なように、ウィンドレギ
ュレータとドアロック装置とを連結したことにより、そ
れらを1つのモジュールとして、1回の作業により自動
車用ドアの内部に差し入れてきわめて簡単に取り付ける
ことができる。この結果、ウィンドレギュレータとドア
ロック装置の取り付け作業の負担の軽減、および作業時
間の短縮を図ることができる。また、ウィンドレギュレ
ータとドアロック装置を片手により自動車用ドアの内部
に差し入れることも可能となり、作業員の負担をより軽
減させることができる。
【0021】また、本発明の請求項2の自動車用ドアモ
ジュールは、ウィンドレギュレータの基板側の第1腕部
と、ドアロック装置の基板側の第2腕部と、を伸縮可能
に連結することにより、ウィンドレギュレータとドアロ
ック装置とを連結したまま、ドアモジュール全体の大き
さを調整することができ、取り付け作業効率をより一層
向上させることができる。しかも、現存のウィンドレギ
ュレータおよびドアロック装置の基板の形状のみを変更
することによって、それらのモジュール化が可能とな
り、コスト負担を軽減することができて経済的であり、
またウィンドレギュレータおよびドアロック装置のそれ
ぞれにおけるコア部品の共有化を図ることもできる。
【0022】また、本発明の請求項3の自動車用ドアモ
ジュールは、第1腕部と第2腕部とを締結可能な締結手
段を備えることにより、ウィンドレギュレータとドアロ
ック装置とを一体的に固定して、ドアモジュール全体の
剛性を向上させることができる。
【0023】また、本発明の請求項4の自動車用ドアモ
ジュールは、ドアロック装置に、窓ガラスを昇降自在に
ガイドするガラスガイドを備えることにより、そのガラ
スガイドを自動車用ドアの内部に取り付けた場合に生じ
る不具合、つまり、そのガラスガイドとドアロック装置
との干渉を回避して、取り付け作業効率をより一層向上
させることができる。
【0024】また、本発明の請求項5の自動車用ドアモ
ジュールは、ドアロック装置のドアロック機構に連結さ
れる操作部材の位置を規制するクランプ手段を備えるこ
とにより、その操作部材がドアモジュールの取り付け作
業時に大きくずれることを阻止して、取り付け作業効率
をより一層向上させることができる。
【0025】また、本発明の自動車用ドアは、インナー
パネルに形成した開口部から、請求項1から5のいずれ
かの自動車用モジュールを差し入れて取り付けることに
より、ウィンドレギュレータとドアロック装置を1つの
モジュールとして、1回の作業により内部に差し入れて
きわめて簡単に取り付けることができる。この結果、ウ
ィンドレギュレータとドアロック装置の取り付け作業の
負担の軽減、および作業時間の短縮を図って、自動車用
ドアの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における自動車用ドアモジ
ュールの正面図である。
【図2】図1の自動車用ドアモジュールの取り付け時に
おける正面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1の自動車用ドアモジュールの取り付け順序
を説明するための正面図である。
【図6】図1のウィンドレギュレータにおけるガイドレ
ールの上端部の取り付け構造部分の分解斜視図である。
【図7】図1のウィンドレギュレータにおけるガイドレ
ールの下端部の取り付け構造部分の分解斜視図である。
【図8】図2のVIII矢視図である。
【符号の説明】
10 ウィンドレギュレータ 11 ガイドレール 12 キャリアプレート 13 駆動機構 14 基板 14A 第1腕部 20 ドアロック装置 21 基板 21A 第2腕部 22 ドアロック機構 23A ワイヤ(操作部材) 23B,23C,23D ロッド(操作部材) 24 ガラスガイド 25A,25B 突起(クランプ手段) 26A,26B 規制部材(クランプ手段) 30 自動車用ドア 31 インナーパネル 31A 開口部 42A,42B ボルト(締結手段) M 自動車用ドアモジュール G 窓ガラス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用ドアの内部に取り付け可能なウ
    ィンドレギュレータとドアロック装置とを備えた自動車
    用ドアモジュールであって、 前記ウィンドレギュレータと前記ドアロック装置は、前
    記自動車用ドアのインナーパネルに形成された開口部か
    ら前記自動車用ドアの内部に差し入れ可能な形態に連結
    されたことを特徴とする自動車用ドアモジュール。
  2. 【請求項2】 前記ウィンドレギュレータの基板に設け
    た第1腕部と、前記ドアロック装置の基板に設けた第2
    腕部と、を伸縮可能に連結したことを特徴とする請求項
    1に記載の自動車用ドアモジュール。
  3. 【請求項3】 前記第1腕部と前記第2腕部とを所定の
    伸縮位置にて締結可能な締結手段を備えたことを特徴と
    する請求項2に記載の自動車用ドアモジュール。
  4. 【請求項4】 前記ドアロック装置に、前記窓ガラスを
    昇降自在にガイドするガラスガイドを備えたことを特徴
    とする請求項1から3のいずれかに記載の自動車用ドア
    モジュール。
  5. 【請求項5】 前記ドアロック装置のドアロック機構に
    連結される操作部材の位置を規制するクランプ手段を備
    えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載
    の自動車用ドアモジュール。
  6. 【請求項6】 ウィンドレギュレータとドアロック装置
    とが内部に取り付けられる自動車用ドアにおいて、 前記自動車用ドアのインナーパネルに形成した開口部か
    ら、請求項1から5のいずれかに記載の自動車用モジュ
    ールを差し入れて取り付けたことを特徴とする自動車用
    ドア。
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