JP2002264307A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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JP2002264307A
JP2002264307A JP2001065370A JP2001065370A JP2002264307A JP 2002264307 A JP2002264307 A JP 2002264307A JP 2001065370 A JP2001065370 A JP 2001065370A JP 2001065370 A JP2001065370 A JP 2001065370A JP 2002264307 A JP2002264307 A JP 2002264307A
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pulse
ejection
liquid
nozzle opening
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドの移動に起因する慣性を考慮し
て、極めて高い精度での記録を実現することができるイ
ンクジェット式記録装置、広くは液体噴射装置を提供す
ること。 【解決手段】 ノズル開口を有するヘッド部材は、基準
位置を通過するように移動する。パルス波形を有する周
期信号である吐出駆動信号が、駆動信号発生手段により
生成される。吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づい
て、駆動パルス生成手段が駆動パルスを生成する。前記
駆動パルスに基づいて、ノズル開口部分の液体の圧力を
変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段が駆動され
る。ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおけ
る前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルス
の位相が、当該駆動パルスによって吐出される液体滴の
速度または質量に基づいて設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル開口から液
体滴を吐出させる液体噴射装置に係り、とりわけ、駆動
パルスに基づいてノズル開口から液体滴を吐出可能な液
体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタやインクジェ
ット式プロッタ等のインクジェット式記録装置(液体噴
射装置の一種)は、記録ヘッド(ヘッド部材)を主走査
方向に沿って移動させると共に記録紙(液体被噴射媒体
の一種)を副走査方向に沿って移動させ、この移動に連
動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させ
ることにより、記録紙上に画像(文字)を記録する。こ
のインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧
力発生室を膨張・収縮させることで行われる。
【0003】圧力発生室の膨張・収縮は、例えば、圧電
振動子の変形を利用して行われる。このような記録ヘッ
ドでは、供給される駆動パルスに応じて圧電振動子が変
形し、これにより圧力室の容積が変化し、この容積変化
によって圧力室内のインクに圧力変動が生じて、ノズル
開口からインク滴が吐出する。
【0004】このような記録装置では、パルス波形を有
する周期信号である駆動信号が生成される。一方、吐出
データが記録ヘッドに送信される。そして、当該送信さ
れた吐出データに基づいて、必要なパルス波形のみが前
記駆動信号から選択されて圧電振動子に供給される。す
なわち、インク滴をノズル開口から吐出させるか否か
を、吐出データによって制御している。
【0005】駆動信号の一例を図14に示す。図14に
示すような駆動信号は、例えばDAC回路等によって生
成される。DAC回路については、例えば特開2000
−1001号公報(特に段落0066及び0067)に
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、記録ヘッドが
静止している状態でインク滴が吐出されるならば、当該
インク滴はノズル開口の直下の位置に着弾する。しかし
ながら、一般には、高速記録を実施するために、インク
滴の吐出は記録ヘッドの移動中に実施される。このよう
に移動中の記録ヘッドから吐出されるインク滴は、当該
記録ヘッドの移動に起因する慣性を受け、インク滴吐出
時のノズル開口の直下の位置からずれた位置に着弾す
る。
【0007】このような着弾位置のずれを考慮して記録
精度を向上させた従来技術は存在しない。本件発明者
は、前記着弾位置のずれに着目し、記録精度の顕著な向
上を目的として鋭意検討を重ねた。
【0008】前記着弾位置のずれについて、図6を参照
してより詳細に説明する。
【0009】図6に示すように、記録ヘッドが静止して
いる状態でのインク滴の吐出速度がv(m/s)であ
り、記録ヘッドの移動速度がV(m/s)であり、ノズ
ル開口から記録紙までの距離がG(m)である場合、イ
ンク滴吐出時のノズル開口の直下の位置P0から実際の
着弾位置P1までのずれ量ΔL(m)は、以下の式で現
すことができる。
【0010】ΔL=V×G/v …(1) 従って、所望の着弾位置よりも予めずれ量ΔLだけ後方
の位置においてインク滴を吐出させれば、当該所望の着
弾位置に当該インク滴を着弾させることができるのであ
る。
【0011】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、記録ヘッドの移動に起因する慣性を考慮
して、極めて高い精度での記録を実現することができる
インクジェット式記録装置、広くは液体噴射装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノズル開口を
有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体の圧力を変
動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、基準位置
を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成
する駆動信号発生手段と、吐出データ及び前記吐出駆動
信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手
段と、前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動さ
せる制御本体部と、前記ヘッド部材の前記基準位置の通
過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により
生成される駆動パルスの位相を、当該駆動パルスによっ
て吐出される液体滴の速度または質量に基づいて設定す
る位相設定部と、を備えたことを特徴とする液体噴射装
置である。
【0013】本発明によれば、位相設定部が、駆動パル
スによって吐出される液体滴の速度または質量に基づい
て、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動パ
ルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を設定
するため、液体滴を所望の着弾位置に着弾させることが
できる。
【0014】一般に、液体噴射装置は、ヘッド部材のノ
ズル開口に対向すると共に当該ノズル開口から略等距離
だけ離れるように液体被噴射媒体を保持する被噴射媒体
保持部、を更に備えている。この場合、位相設定部は、
駆動パルスによる液体滴の液体被噴射媒体上の着弾位置
が所望の位置となるように、駆動パルスの位相を設定可
能であることが好ましい。これにより、液体被噴射媒体
上に精度良く液体滴を吐出させることができる。
【0015】具体的には、位相設定部は、駆動パルスに
よって吐出される液体滴の速度及び所望の着弾位置か
ら、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を演算す
る演算部と、演算部による演算結果に基づいて、駆動パ
ルスの位相を設定する設定本体部と、を有している。
【0016】この場合、着弾位置のずれを正確に反映さ
せた好適な駆動パルスの位相を適宜に設定することがで
きる。
【0017】ここで、駆動パルスによって吐出される液
体滴の速度は、当該液体滴の質量に略比例することが知
られている(図7参照)。従って、演算部は、駆動パル
スによって吐出される液体滴の質量及び所望の着弾位置
から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を演算
するようになっていてもよい。
【0018】なお、一般に、液体被噴射媒体はノズル開
口と逆側において支持される。従って、液体被噴射媒体
の厚み等が変われば、ノズル開口と液体被噴射媒体との
距離が変化することになる。このように、ノズル開口と
液体被噴射媒体との距離が可変の場合には、当該距離を
取得する距離取得部を備えていることが好ましい。
【0019】この場合、位相設定部の演算部は、距離取
得部により取得されたノズル開口と液体被噴射媒体との
距離、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度及び
所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動パル
スの位相を演算するようになっていることが好ましい。
【0020】あるいは、位相設定部の演算部は、距離取
得部により取得されたノズル開口と液体被噴射媒体との
距離、駆動パルスによって吐出される液体滴の質量及び
所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動パル
スの位相を演算するようになっていることが好ましい。
【0021】設定本体部は、例えば、前記吐出データ及
び前記吐出駆動信号の両方の位相を調整することで、駆
動パルスの位相を設定するようになっている。あるい
は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号の周期単
位でずらすことで、駆動パルスの位相を設定するように
なっている。あるいは、吐出駆動信号の一周期が複数の
同一のパルス波形で構成されている場合、設定本体部
は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号のパルス
波形単位でずらすことで、駆動パルスの位相を設定する
ようになっている。
【0022】なお、移動機構は、ヘッド部材を移動させ
る速度が可変に構成されていてもよい。この場合、移動
機構によるヘッド部材の移動速度を取得する速度取得部
を備えていることが好ましい。
【0023】また、本発明は、複数のノズル開口を有す
るヘッド部材と、各ノズル開口部分の液体の圧力を変動
させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、基準位置を
通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、パ
ルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成す
る駆動信号発生手段と、各ノズル開口の吐出データ及び
前記吐出駆動信号に基づいて各駆動パルスを生成する駆
動パルス生成手段と、前記各駆動パルスに基づいて圧力
変動手段を駆動させる制御本体部と、前記ヘッド部材の
前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パル
ス生成手段により生成される各駆動パルスの位相を、選
択されたノズル開口毎に設定する位相設定部と、を備え
たことを特徴とする液体噴射装置である。
【0024】本発明によれば、位相設定部が、駆動パル
スによって吐出される液体滴の速度または質量に基づい
て、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動パ
ルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を選択
されたノズル開口毎に設定するため、選択されたノズル
開口毎に液体滴を所望の着弾位置に着弾させることがで
きる。
【0025】選択されたノズル開口は、そこから吐出さ
れる液体滴の速度が略同一であることが好ましい。ある
いは、選択されたノズル開口は、例えば、同一種類の液
体を使用するノズル開口であることが好ましい。
【0026】また、液体滴の速度は、液体の種類の他
に、当該液体滴の吐出のために駆動される圧力変動手段
の特性に依存する。従って、選択されたノズル開口は、
対応する圧力変動手段の特性が同一であることが好まし
い。圧力変動手段、例えば圧電振動子は、各列毎に同一
の工程で製造されることが多い。この場合には、従っ
て、選択されたノズル開口は同一列に配置されたノズル
開口であることが好ましい。
【0027】具体的には、位相設定部は、各駆動パルス
によって吐出される液体滴の速度及び所望の着弾位置か
ら、当該着弾位置を実現する各駆動パルスの位相を前記
選択されたノズル開口毎に演算する演算部と、演算部に
よる演算結果に基づいて、前記選択されたノズル開口毎
に各駆動パルスの位相を設定する設定本体部と、を有し
ている。
【0028】この場合、着弾位置のずれを正確に反映さ
せた好適な各駆動パルスの位相を前記選択されたノズル
開口毎に適宜に設定することができる。
【0029】前記のように、各駆動パルスによって吐出
される液体滴の速度は、当該液体滴の質量に略比例する
ことが知られている(図7参照)。従って、演算部は、
各駆動パルスによって吐出される液体滴の質量及び所望
の着弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆動パルス
の位相を前記選択されたノズル開口毎に演算するように
なっていてもよい。
【0030】また、ノズル開口と液体被噴射媒体との距
離が可変の場合には、当該距離を取得する距離取得部を
備えていることが好ましい。
【0031】この場合、位相設定部の演算部は、距離取
得部により取得されたノズル開口と液体被噴射媒体との
距離、各駆動パルスによって吐出される液体滴の速度ま
たは質量及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現
する各駆動パルスの位相を演算するようになっているこ
とが好ましい。
【0032】設定本体部は、例えば、前記吐出データ及
び前記吐出駆動信号の両方の位相を調整することで、各
駆動パルスの位相を設定するようになっている。あるい
は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号の周期単
位でずらすことで、各駆動パルスの位相を設定するよう
になっている。あるいは、吐出駆動信号の一周期が複数
の同一のパルス波形で構成されている場合、設定本体部
は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号のパルス
波形単位でずらすことで、各駆動パルスの位相を設定す
るようになっている。
【0033】なお、移動機構は、ヘッド部材を移動させ
る速度が可変に構成されていてもよい。この場合、移動
機構によるヘッド部材の移動速度を取得する速度取得部
を備えていることが好ましい。
【0034】前記の制御装置あるいは制御装置の各要素
手段は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0035】また、コンピュータシステムに各装置また
は各手段を実現させるためのプログラム及び当該プログ
ラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、
本件の保護対象である。
【0036】ここで、記録媒体とは、フロッピー(登録
商標)ディスク等の単体として認識できるものの他、各
種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0038】図1に示すように、本実施の形態のインク
ジェット式記録装置(液体噴射装置の一例)は、インク
ジェット式プリンタ1であり、複数のインクカートリッ
ジ2を保持可能なカートリッジホルダ部3と記録ヘッド
4とを有するキャリッジ5を備えている。記録ヘッド4
は、カラー記録に対応している。キャリッジ5は、ヘッ
ド走査機構によって、主走査方向に沿って往復移動され
るようになっている。
【0039】ヘッド走査機構は、ハウジング11の左右
方向に架設されたガイド部材6と、ハウジングの一方側
に設けられたパルスモータ(ステップモータ)7と、パ
ルスモータ7の回転軸に接続されて回転駆動される駆動
プーリー8と、ハウジングの他方側に取付けられた逆転
プーリー9と、駆動プーリー8及び逆転プーリー9の間
に掛け渡されると共にキャリッジ5に結合されたタイミ
ングベルト10と、パルスモータ7の回転を制御するプ
リンタコントローラ44(図4参照)と、を有してい
る。これにより、パルスモータ7を作動させることによ
って、キャリッジ5、即ち、記録ヘッド4を、記録紙1
2の幅方向である主走査方向に往復移動させることがで
きる。
【0040】また、プリンタ1は、記録紙12等の記録
用媒体(液体被噴射媒体の一例)を紙送り方向(副走査
方向)に送り出す紙送り機構を有する。この紙送り機構
は、紙送りモータ13及び紙送りローラ14等から構成
される。記録紙12等の記録媒体は、記録動作(主走
査)に連動して、順次送り出される。
【0041】キャリッジ5(記録ヘッド4)の移動範囲
内であって記録領域よりも外側の端部領域には、ホーム
ポジションと待機ポジションとが設定されている。図2
に示すように、ホームポジションは、記録ヘッド4が移
動し得るヘッド移動範囲の一側(図の右側)端部に設定
されている。また、待機ポジションは、ホームポジショ
ンに対して記録領域側に略隣接して設定されている。
【0042】ホームポジションは、電源オフ時や長時問
に亘って記録が行われなかった場合に記録ヘッド4が移
動して留まる場所である。記録ヘッド4がホームポジシ
ョンに位置する時には、キャップ部材15がノズルプレ
ート28(図3参照)に当接してノズル開口25(図3
参照)を封止する。キャップ部材15は、ゴム等の弾性
部材を上面が開放した略四角形トレー状に成型した部材
であり、内部にはフェルト等の保湿材が取り付けられて
いる。記録ヘッド4がキャップ部材15により封止され
ることで、キャップ内部が高湿度に保たれて、ノズル開
口25からのインク溶媒の蒸発が防止される。
【0043】待機ポジションは、記録ヘッド4を主走査
する際の起点となる位置である。即ち、記録ヘッド4
は、通常、この待機ポジションで待機し、記録動作時に
待機ポジションから記録領域側へ走査され、記録動作が
終了すると待機ポジションに戻る。
【0044】さらに、本実施の形態では、待機ポジショ
ンと記録領域との間に、加速領域が設定されている。加
速領域は、記録ヘッド4の走査速度を所定速度まで加速
させるための領域である。
【0045】次に、記録ヘッド4の構造について説明す
る。例示した記録ヘッド4は、図3に示すように、ケー
ス21と、ケース21の先端面に接合された流路ユニッ
ト22と、を有している。ケース21の内部には、振動
子ユニット23が収納されている。振動子ユニット23
は、流路ユニット22の圧力室24に圧力変動を生じさ
せて、ノズル開口25からインク滴を吐出するようにな
っている。
【0046】ケース21の内部には、振動子ユニット2
3を収容する収容室26が形成されている。ケース21
は、例えば樹脂材によって、箱状体に成型されている。
ケース21内に設けられた収容室26は、流路ユニット
22との接合面側で開口している。
【0047】流路ユニット22は、スペーサ27の一方
の面にノズルプレート28を、スペーサ27の他方の面
に振動板29を接合した構成とされる。スペーサ27
は、シリコンウエハー等から構成され、エッチング加工
によって所定パターンに形成されている。所定パターン
とは、この場合、各ノズル開口25と連通する複数の圧
力室24、共通インク室31、共通インク室31から各
圧力室24へ連通する複数のインク供給路32等を形成
する隔壁パターンである。なお、共通インク室31は、
接続口を介してインク供給管33と接続しており、イン
クカートリッジ2に蓄えられたインクがこの接続口を通
じて共通インク室31に供給されるようになっている。
【0048】ノズルプレート28には、ドット形成密度
に対応したピッチで複数のノズル開口25…が列状に開
設されている。これらのノズル開口25…によって形成
されるノズル列は、紙送り方向、つまり、副走査方向に
並んでいる。
【0049】振動板29は、ステンレス板35にPPS
膜等の弾性体膜36を積層した二重構造である。各圧力
室24に対応する部分は、ステンレス板35側が環状に
エッチング加工されて、環内にアイランド部37が形成
されている。
【0050】振動子ユニット23は、圧力発生素子の一
種である圧電振動子40と固定基板41とから構成され
ている。圧電振動子40は、圧電体と電極層とを交互に
積層した一枚の圧電振動子板に、流路ユニット22の各
圧力室24…に対応した所定ピッチでスリット部を形成
することにより櫛歯状に形成されている。すなわち、1
列分の圧力振動子40が同時に同一材質で形成されてい
る。
【0051】また、固定基板41は、この櫛歯状振動子
40の基端部分に固着されている。この振動子ユニット
23は、圧電振動子40の先端が開口から臨む姿勢でケ
ース21の収容室26内に挿入され、固定基板41を収
容室26の内壁へ固着させることによりケース21に取
り付けられている。この取付状態において、圧電振動子
40の各櫛歯状先端は、振動板29の対応するアイラン
ド部37に固着されている。
【0052】各圧電振動子40は、対向する電極間に電
位差を与えることにより、積層方向と直交する素子長手
方向に伸縮する。これにより、圧力室24を区画する弾
性体膜36が変位する。即ち、圧電振動子40を長手方
向に伸長させることにより、アイランド部37がノズル
プレート28側へ押され、アイランド部周辺の弾性体膜
36が変形して圧力室24が収縮する。また、圧電振動
子40を長手方向に縮小させることにより、弾性体膜3
6が変位して圧力室24が膨張する。この圧力室24の
膨張・収縮に伴って、圧力室24内に充填されたインク
に圧力変動が生じて、ノズル開口25からインク滴が吐
出される。
【0053】本実施の形態では、記録ヘッド4は、異な
る複数の色を吐出可能なカラー記録用に構成されてい
る。即ち、ノズルプレート28には、ノズル列が主走査
方向に複数列(例えば、4列)設けられている。そし
て、各ノズル列に対応させて、圧力室24、振動子ユニ
ット23等の構成要素がそれぞれ設けられている。そし
て、カートリッジホルダ部3には、ブラックインクを貯
留したブラックインクカートリッジ2aと、イエローイ
ンク、マゼンタインク、及びシアンインクの各インクを
個別に貯留したカラーインクカートリッジ2bと、が装
着されている。これにより、各色のインクを対応するノ
ズル列から吐出させて印刷を行うようにしている。
【0054】ブラックインクカートリッジ2a及びカラ
ーインクカートリッジ2bには、それぞれ制御用IC1
8(図4参照)が搭載されている。制御用IC18は、
種類情報記憶手段として機能するものであり、カートリ
ッジに貯留されたインクの種類を示すインク種類情報を
記憶する。
【0055】インク種類情報は、例えば、使われている
色材(色素)の種類やインクの色等の情報を示すID情
報によって構成される。従って、ブラックインクカート
リッジ2aの制御用IC18には、染料系のブラックイ
ンク、或いは、顔料系のブラックインクを示すID情報
が記憶される。また、カラーインクカートリッジ2bの
制御用IC18には、第1ブロック=染料系のイエロー
インク、第2ブロック=染料系のマゼンタインク、第3
ブロック=染料系のシアンインク、というように、各ブ
ロックに貯留されたインクに対する色材の種類やインク
の色等の情報を示すID情報が記憶される。
【0056】一方、カートリッジホルダ部3には、イン
クカートリッジ2が装着された状態で制御用IC18に
電気的に接続される情報読取端子19(図4参照)が設
けられている。情報読取端子19は、制御用IC18に
記憶されたインク種類情報を読み出すための端子であ
る。なお、情報読取端子19は、プリンタコントローラ
44の制御部49に電気的に接続されている。これによ
り、制御部49は、情報読取端子19を通じてインク種
類情報(ID情報)を取得することができる。
【0057】次に、プリンタ1の電気的構成について説
明する。図4に示すように、このインクジェット式プリ
ンタ1は、プリンタコントローラ44とプリントエンジ
ン45とを備えている。
【0058】プリンタコントローラ44は、外部インタ
ーフェース(外部I/F)46と、各種データを一時的
に記憶するRAM47と、制御プログラム等を記憶した
ROM48と、CPU等を含んで構成された制御部49
と、クロック信号を発生する発振回路50と、記録ヘッ
ド4の圧電振動子40へ供給するための駆動信号COM
や微振動信号VSを発生する駆動信号発生回路51と、
駆動信号COMや、印刷データ(吐出データ)に基づい
て展開されたドットパターンデータ(ビットマップデー
タ)等をプリントエンジン45に送信する内部インター
フェース(内部I/F)52と、を備えている。
【0059】外部I/F46は、例えば、キャラクタコ
ード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構
成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ
等から受信する。また、ビシー信号(BUSY)やアク
ノレッジ信号(ACK)が、外部I/F46を通じて、
ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0060】RAM47は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ及びワークメモリと(図示せず)を有
している。そして、受信バッファは、外部I/F46を
介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バ
ッファは、制御部49により変換された中間コードデー
タを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを
記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コ
ードデータ(例えば、階調データ)をデコード(翻訳)
することにより得られる印字データである。
【0061】ROM48には、各種データ処理を行わせ
るための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォ
ントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。さ
らにROM48は、メンテナンス動作用の設定データを
も記憶している。
【0062】制御部49は、ホストコンピュータ等から
受信した印刷データをドットパターンデータに展開した
り(記録動作制御)、1回の主走査(単位走査)毎にな
される微振動動作を制御する。
【0063】制御部49は、記録動作制御時において、
受信バッファ内の印刷データを読み出すと共にこの印刷
データを変換して中間コードデータとし、当該中間コー
ドデータを中間バッファに記憶させる。また、制御部4
9は、中間バッファから読み出した中間コードデータを
解析し、ROM48に記憶されているフォントデータ及
びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデー
タに展開(デコード)する。そして、制御部49は、必
要な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータ
を出力バッファに記憶させる。
【0064】ドットパターンデータにおける各ドット
(1画素)のデータは、3ビットの印字データによって
構成されている。各印字データ(ビット)は、後述する
駆動信号COM(図5参照)から対応する駆動パルス
(DP1〜DP3)を選択するための選択信号として機
能する。印字データの詳細については、後述する。
【0065】記録ヘッド4の1回の主走査により記録可
能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、
当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファか
ら内部I/F52を通じて順次記録ヘッド4の電気駆動
系39に出力され、キャリッジ5が走査されて1行分
(単位走査分)の印刷が行われる。出力バッファから1
行分のドットパターンデータが出力されると、展開済み
の中間コードデータが中間バッファから消去され、次の
中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0066】駆動信号発生回路51は、駆動信号発生手
段として機能し、可変量のドットによって記録を行うべ
く、複数の駆動パルスを時系列に一連に並べた駆動信号
COMを生成する。この駆動信号COMは、記録動作時
に、内部I/F52を介して記録ヘッド4の電気駆動系
39へ出力される。
【0067】本実施の形態の駆動信号COMは、図5に
示すように、所定の印字周期T0内に、第1駆動パルス
DP1、第2駆動パルスDP2、及び、第3駆動パルス
DP3を、この順序で一連に並べた周期信号である。各
駆動パルスDP1〜DP3は、この場合、同一のパルス
信号である。この印字周期T0は、1画素を記録するた
めの設定時間であり、記録動作(主走査)における同期
合わせの基本タイミングとなる。そして、後述するよう
に、印字周期T0の期間内に配置された各駆動パルスD
P1,DP2,DP3が適宜に選択されて、圧電振動子
40に供給される。これにより、記録ヘッド4のノズル
開口25から各画素あたりに異なる量のインク滴が適宜
に吐出され得る。
【0068】また、本発明の主眼である駆動パルスの位
相調節のために、制御部49は、記録ヘッド4の移動速
度Vを取得する速度取得手段49aを有している。速度
取得手段49aは、ユーザ等によって設定された記録ヘ
ッド4の移動速度の設定値、または、何らかの公知のセ
ンサ(図示せず)によって計測される記録ヘッド4の移
動速度の計測値を取得するようになっている。
【0069】また、厚みの異なる複数種類の記録紙12
(記録媒体)を用いることが可能な場合、制御部49
は、ノズル開口13と記録紙12との間の距離Gを取得
する距離取得手段49bを有している。距離取得手段4
9bは、ユーザ等によって設定された紙種類に対応した
距離の設定値、または、何らかの公知のセンサ(図示せ
ず)によって計測される前記距離の計測値を取得するよ
うになっている。
【0070】そして、制御部49は、記録ヘッド4の基
準位置(後述)の通過タイミングにおける駆動パルスの
位相を設定する位相設定部49cを有している。位相設
定部49cは、距離取得手段49bにより取得されるノ
ズル開口13と記録紙12との間の距離G(m)、駆動
パルスによって吐出されるインク滴の速度v(m/s)
(後述する吐出速度取得手段49fにより取得され
る)、速度取得手段49aにより取得された記録ヘッド
4の移動速度V(m/s)及び所望の着弾位置Xから、
当該着弾位置を実現するための前記駆動パルスの位相を
演算する演算部49dを有している。
【0071】図6に示すように、ノズル開口13から吐
出されるインク滴は、吐出からG/v(s)経過後に記
録紙12上に着弾する。この間に、インク滴はV×G/
v(m)だけ水平方向に移動する。従って、着弾位置X
に対してV×G/v(m)だけ先行する位置において、
インク滴が吐出されるべきである。演算部49dは、そ
のような条件を満たすように、駆動パルスの位相を求め
る。
【0072】位相設定部49cは、演算部49dによる
演算結果に基づいて駆動パルスの位相を設定する設定本
体部49eを備えている。設定本体部49eによって設
定された位相に基づく駆動パルスの例については、後述
する。
【0073】ここで、インク滴の吐出速度v(m/s)
とは、記録紙12に向かう方向の速度成分を意味してお
り、各種インクの特性及び各ノズル開口13の圧電振動
子40に対応して予めテーブル状に記憶された実測値が
用いられることが好ましい。インクの特性情報について
は、前記の制御用IC18から得ることができる。従っ
て、各圧電振動子の特性に、制御用IC18から得たイ
ンクの特性情報を加味することによって、インク滴の吐
出速度v(m/s)を得ることができる。
【0074】本実施の形態では、制御部49に設けられ
た吐出速度取得手段49fが、各列毎の圧電振動子40
(同時に同一材料で形成されている)に対応して、予め
測定した種々のインク種についての吐出速度をテーブル
データの態様で記憶している。そして、吐出速度取得手
段49fは、情報読取端子19を介して得られたインク
の特性(種類)から、前記テーブルデータを検索して、
当該インクについての吐出速度v1(m/s)を得るよ
うになっている。
【0075】もっとも、使用するインクの特性が常に一
定である場合には、インク滴の吐出特性は各圧電振動子
の特性のみに依存する。
【0076】なお、精度の点では、各個別の圧電振動子
毎にインク滴の吐出特性を実測して対応することが最も
好ましいが、本実施の形態のように一列分の圧電振動子
が同一材質から作成されているような場合、当該列毎に
インク滴の吐出特性を定義することで十分に有効であ
る。
【0077】プリントエンジン45は、紙送り機構とし
ての紙送りモータ13と、ヘッド走査機構としてのパル
スモータ7と、記録ヘッド4の電気駆動系39と、を含
んで構成してある。
【0078】次に、記録ヘッド4の電気駆動系39につ
いて説明する。電気駆動系39は、図4に示すように、
順に電気的に接続されたシフトレジスタ回路54、ラッ
チ回路55、レベルシフタ回路56、スイッチ回路57
及び圧電振動子40を備えている。これらのシフトレジ
スタ回路54、ラッチ回路55、レベルシフタ回路5
6、スイッチ回路57は、それぞれ櫛歯状の圧電振動子
40(各ノズル開口25に対応)に対応して設けられて
いる。
【0079】記録ヘッド4は、プリンタコントローラ4
4から電気駆動系39に送られたドットパターンデータ
に基づき、各画素毎にインク量が異なる複数のインク滴
を吐出する。
【0080】ドットパターンデータ(SI)は、発振回
路50からのクロック信号(CK)に同期して、内部I
/F52を介してシフトレジスタ54にシリアル伝送さ
れる。このシリアル伝送されたドットパターンデータの
印字データは、一旦、ラッチ回路55によってラッチさ
れる。ラッチされた印字データが「1」であれば、それ
は電圧増幅器であるレベルシフタ56によってスイッチ
57を駆動可能な電圧まで昇圧される。昇圧されたデー
タは、スイッチ57に供給される。スイッチ57の入力
側には、駆動信号発生回路51からの駆動信号COMが
入力されており、スイッチ57の出力側には、圧電振動
子40が接続されている。これにより、スイッチ57に
加わる印字データが「1」である期間中は、駆動信号発
生回路51が発生した駆動信号COMが圧電振動子40
に供給され、この駆動信号COMに応じて圧電振動子4
0は変形する。一方、スイッチ57に加わる印字データ
が「0」の期間中は、圧電振動子26への駆動信号の供
給が遮断される。
【0081】本実施の形態では、3ビットの印字データ
の値に応じて、駆動信号COM中に含まれる各駆動パル
スDP1,DP2,DP3が選択的に圧電振動子40に
供給される。即ち、最上位ビットD1が第1駆動パルス
DP1に対応しており、2番目のビットD2が第2駆動
パルスDP2に対応しており、最下位ビットD3が第3
駆動パルスDP3に対応している。このような印字デー
タによって構成されるドットパターンデータが記録ヘッ
ド4に送信されることにより、各駆動パルスDP1,D
P2,DP3が選択的に圧電振動子40に供給されるの
である。
【0082】例えば、図5に示すように、マイクロドッ
トを形成し得るインク滴(例えば、約10pLのインク
滴)をノズル開口25から吐出させる場合には、印字デ
ータはD1=0,D2=1,D3=0に設定される。こ
の時、第2駆動パルスDP2のみが選択的に圧電振動子
40に供給される。また、ミドルドットを形成し得るイ
ンク滴(例えば、約20pLのインク滴)をノズル開口
25から吐出させる場合には、印字データはD1=1,
D2=0,D3=1に設定される。この時、第1駆動パ
ルスDP1と第3駆動パルスDP3とが選択的に圧電振
動子40に供給される。同様に、ラージドットを形成し
得るインク滴(例えば、約30pLのインク滴)をノズ
ル開口25から吐出させる場合には、印字データはD1
=1,D2=1,D3=1に設定される。この時、全て
の駆動パルスDP1〜DP3が圧電振動子40に供給さ
れる。
【0083】次に、記録動作に先立って行われる駆動パ
ルスの位相調整について説明する。
【0084】図7に、あるノズル開口から図5に示す吐
出駆動信号COMの1つのパルス波形(DP1乃至DP
3のいずれか)によって吐出されるある種のインク滴の
重量と吐出速度との相関関係の一例を示す。この場合、
パルス波形の周波数は、28.8kHzであり(駆動信
号COMの周波数は9.6kHz)、キャリッジ3(記
録ヘッド4)の移動速度は200cps(=508mm
/s)であった。
【0085】図7に示すように、当該ノズル開口におい
て、インク滴の重量と吐出速度とは、略比例している。
これにより、吐出されるインク滴の重量を測定すること
により、インク滴の吐出速度を得ることができる。
【0086】本実施の形態では、種々のインク種につい
て予め測定したインク滴の吐出重量から、当該種々のイ
ンク種についての吐出速度を求めている。そして、吐出
速度取得手段49fが、前述のように、当該種々のイン
ク種の各々とそれらについての吐出速度とを対応させた
テーブルデータを記憶している。
【0087】そして、吐出速度取得手段49fは、情報
読取端子19を介して得られたインクの特性(特性)か
ら、前記テーブルデータを検索して、当該インクについ
ての吐出速度v1(m/s)を得る。
【0088】一方、速度取得手段49aが、前述のよう
に記録ヘッド4の移動速度V(m/s)を取得する。さ
らに、距離取得手段49bが、前述のように、ノズル開
口13と記録紙12との間の距離Gを取得する。
【0089】演算部49dは、ノズル開口13と記録紙
12との間の距離G(m)、駆動パルスによって吐出さ
れるインク滴の速度v1(m/s)、記録ヘッド4の移
動速度V(m/s)及び印字開始地点X(基準位置の一
例、始端印字データによる着弾位置)から、当該印字開
始地点Xから遡ることV×G/v1(m)の地点を通過
する時に始端印字データに対応する駆動パルスが供給さ
れるように、駆動パルスの位相を演算する。
【0090】図8に示すように、設定本体部49eは、
演算部49dによる演算結果を受けて、印字開始地点X
から遡ることV×G/v1(m)の地点(V×G/v1
(m)だけ後方の地点)を通過する時に始端印字データ
に対応する駆動パルスが供給されるように、吐出駆動信
号COMの生成開始タイミング及び印字データに先んじ
て所定数が与えられるダミー印字データ「0」の供給開
始タイミングを設定する。
【0091】なお、記録ヘッド4の移動速度V(m/
s)が、印字開始地点Xから遡ることV×G/v1
(m)の地点において、すでに定速状態である場合、前
記タイミングの制御は時間に関しての制御であるから、
ノズル開口が印字開始地点Xを通過する前G/v1
(s)のタイミングを、吐出駆動信号の生成開始タイミ
ング及びダミー印字データの供給開始タイミングとする
ことができる。すなわち、このような場合には、記録ヘ
ッド4の移動速度V(m/s)の情報が不要である。
【0092】ここで、インク滴の吐出速度がより大きい
場合、すなわち、インク滴の吐出速度v2が前記速度v
1よりも大きい場合を考える。この場合、V×G/v2
(m)<V×G/v1(m)であるから、図9に示すよ
うに、図8の場合よりも先行の程度が軽減されて吐出駆
動信号の生成及びダミー印字データの供給が開始される
ように、駆動パルスの位相が設定される。
【0093】逆に、インク滴の吐出速度がより小さい場
合、すなわち、インク滴の吐出速度v3が前記速度v1
よりも小さい場合を考える。この場合、V×G/v3
(m)>V×G/v1(m)であるから、図10に示す
ように、図8の場合よりも更に先行して吐出駆動信号の
生成及びダミー印字データの供給が開始されるように、
駆動パルスの位相が設定される。
【0094】前記の図9及び図10の場合では、吐出駆
動信号の生成開始とダミー印字データの供給開始との両
方のタイミングを補正することによって、これらから形
成される駆動パルスの基準位置通過時における位相を補
正している。しかしながら、吐出駆動信号の生成開始タ
イミングを補正することを回避したい場合がある。この
ような場合には、以下のような態様で駆動パルスの位相
が補正され得る。すなわち、図11及び図12に示すよ
うに、吐出駆動信号の生成開始タイミング及びダミー印
字データ「0」の供給開始タイミングは固定されている
一方、印字前のダミー印字データのデータ数を増減する
ことによって、結果的に駆動パルスの位相を補正するこ
とができる。
【0095】本実施の形態では、1つの印字データ(ダ
ミーを含む)が、吐出駆動信号COMの一周期中の1つ
のパルス波形に対応している。従って、図11に示すよ
うに、印字前ダミー印字データの数を図8の場合のn個
から(n+1)個に増やすことにより、始端印字データ
の供給をパルス波形の周期1つ分だけ遅らせることがで
きる。同様に、図12に示すように、印字前ダミー印字
データの数を図8の場合のn個から(n−1)個に減ら
すことにより、始端印字データの供給をパルス波形の周
期1つ分だけ早まらせることができる。
【0096】ダミー印字データの増減の数は、インクの
吐出速度に応じて決定される。ここで、図7を用いて説
明した条件において、7[m/s]の吐出速度のインク
のために図8のn個の印字前ダミー印字データが用いら
れている場合を仮定すると、ノズル開口13と記録紙1
2との間の距離が1.2mmである場合(記録紙が普通
紙である場合の一般例)、印字データの増減の数は、表
1のようになる。
【0097】
【表1】 印字データの増減による着弾位置の補正の概略を図13
に示す。
【0098】また、同様の仮定の下で、ノズル開口13
と記録紙12との間の距離が2.4mmである場合(記
録媒体がCD−Rである場合の一般例)、印字データの
増減の数は、表2のようになる。
【0099】
【表2】 なお、表1及び表2の吐出速度を、図7の相関関係を用
いてインク重量の比に置換すると、それぞれ下記の表3
及び表4となる。
【0100】
【表3】
【表4】 以上のように、本実施の形態によれば、位相設定部49
cが、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度また
は質量に基づいて、記録ヘッド4の移動に起因する慣性
を考慮して、駆動パルスの位相を設定するため、インク
滴を所望の着弾位置に着弾させることができる。
【0101】より高い着弾位置の補正精度を得るために
は、図9及び図10を用いて説明したようなタイミング
補正が有効であるが、制御が簡易であるという点で、図
11及び図12を用いて説明したダミー印字データのデ
ータ数増減による補正も有効である。
【0102】なお、吐出駆動信号の一周期が複数の異な
るパルス波形を有している場合には、出駆動信号の周期
単位で駆動パルスの位相を補正することができる。
【0103】また、インク滴の吐出速度は、前述のよう
にノズル開口の特性とインクの特性とに依存する。従っ
て、個々のノズル開口の各々についてインク種−吐出速
度テーブルを生成することが好ましいが、それは面倒で
ある。本実施の形態のように、圧電振動子40が各列毎
に同一の工程で製造されている場合には、列毎にノズル
開口の吐出特性は同一であると仮定して、各列毎にノズ
ル開口の特性を試験しておけば足りる。
【0104】なお、圧力室24に圧力変動を生じさせる
圧力発生素子としては、圧電振動子40以外にも、発熱
素子や磁歪素子等を使用することができる。
【0105】また、プリンタコントローラ44はコンピ
ュータシステムによって構成されているが、コンピュー
タシステムに前記各要素を実現させるためのプログラム
及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能
な記録媒体201も、本件の保護対象である。
【0106】さらに、前記の各要素が、コンピュータシ
ステム上で動作するOS等のプログラム(第2のプログ
ラム)によって実現される場合、当該OS等のプログラ
ム(第2のプログラム)を制御する各種命令を含むプロ
グラム及び当該プログラムを記録した記録媒体202
も、本件の保護対象である。
【0107】ここで、記録媒体201、202とは、フ
ロッピーディスク等の単体として認識できるものの他、
各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0108】なお、以上の説明はインクジェット式記録
装置についてなされているが、本発明は、広く液体噴射
装置全般を対象としたものである。液体の例としては、
インクの他に、グルー、マニキュア等が用いられ得る。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、位相設定部が、駆動パ
ルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づ
いて、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動
パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を設
定するため、液体滴を所望の着弾位置に着弾させること
ができる。
【0110】また、本発明によれば、位相設定部が、駆
動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に
基づいて、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して
駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相
を選択されたノズル開口毎に設定するため、選択された
ノズル開口毎に液体滴を所望の着弾位置に着弾させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェット式
プリンタの概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの移動範囲について説明する図であ
る。
【図3】記録ヘッドの内部構造を説明する断面図であ
る。
【図4】記録ヘッドの電気駆動系を説明するブロック図
である。
【図5】駆動信号の一例を示す図である。
【図6】吐出されるインク滴に対する慣性の影響につい
て説明する図である。
【図7】吐出されるインク滴の重量と速度との相関関係
の一例を示す図である。
【図8】調整された駆動パルスの位相の一例について説
明する図である。
【図9】調整された駆動パルスの位相の他の例について
説明する図である。
【図10】調整された駆動パルスの位相の他の例につい
て説明する図である。
【図11】調整された駆動パルスの位相の他の例につい
て説明する図である。
【図12】調整された駆動パルスの位相の他の例につい
て説明する図である。
【図13】着弾位置の補正について説明する図である。
【図14】駆動信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ 2 インクカートリッジ 3 カートリッジホルダ部 4 記録ヘッド 5 キャリッジ 6 ガイド部材 7 パルスモータ 8 駆動プーリ 9 逆転プーリ 10 タイミングベルト 11 ハウジング 12 記録紙 13 紙送りモータ 14 紙送りローラ 15 キャップ部材 18 制御用IC 19 情報読取端子 21 ケース 22 流路ユニット 23 振動子ユニット 24 圧力室 25 ノズル開口 26 収容室 27 スペーサ 28 ノズルプレート 29 振動板 31 共通インク室 32 インク供給路 33 インク供給管 35 ステンレス板 36 弾性体膜 37 アイランド部 39 記録ヘッドの電気駆動系 40 圧電振動子 41 固定基板 44 プリンタコントローラ 45 プリントエンジン 46 外部インターフェース 47 RAM 48 ROM 49 制御部 50 発振回路 51 駆動信号生成回路 52 内部インターフェース 54 シフトレジスタ回路 55 ラッチ回路 56 レベルシフタ回路 57 スイッチ回路 200 記録媒体 201 記録媒体

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル開口を有するヘッド部材と、 ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出
    させる圧力変動手段と、 基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動
    機構と、 パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成
    する駆動信号発生手段と、 吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルス
    を生成する駆動パルス生成手段と、 前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制
    御本体部と、 前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおけ
    る、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パル
    スの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴
    の速度または質量に基づいて設定する位相設定部と、を
    備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】ヘッド部材のノズル開口に対向すると共に
    当該ノズル開口から略等距離だけ離れるように液体被噴
    射媒体を保持する被噴射媒体保持部を更に備え、 位相設定部は、駆動パルスによる液体滴の液体被噴射媒
    体上の着弾位置が所望の位置となるように、駆動パルス
    の位相を設定可能であることを特徴とする請求項1に記
    載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】位相設定部は、 駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量
    及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動
    パルスの位相を演算する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、駆動パルスの位相を
    設定する設定本体部と、を有していることを特徴とする
    請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】ノズル開口と液体被噴射媒体との距離は、
    可変となるように構成されていることを特徴とする請求
    項2に記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】位相設定部は、 ノズル開口と液体被噴射媒体との距離、駆動パルスによ
    って吐出される液体滴の速度または質量及び所望の着弾
    位置から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を
    演算する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、駆動パルスの位相を
    設定する設定本体部と、を有していることを特徴とする
    請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】設定本体部は、前記吐出データ及び前記吐
    出駆動信号の位相を共に調整することで、駆動パルスの
    位相を設定するようになっていることを特徴とする請求
    項3乃至5のいずれかに記載の液体噴射装置。
  7. 【請求項7】設定本体部は、前記吐出データの位相を前
    記吐出駆動信号の周期単位でずらすことで、駆動パルス
    の位相を設定するようになっていることを特徴とする請
    求項3乃至5のいずれかに記載の液体噴射装置。
  8. 【請求項8】吐出駆動信号の一周期は、複数の同一のパ
    ルス波形で構成されており、 設定本体部は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信
    号のパルス波形単位でずらすことで、駆動パルスの位相
    を設定するようになっていることを特徴とする請求項3
    乃至5のいずれかに記載の液体噴射装置。
  9. 【請求項9】移動機構は、ヘッド部材を移動させる速度
    が可変に構成されていることを特徴とする請求項1乃至
    8に記載の液体噴射装置。
  10. 【請求項10】複数のノズル開口を有するヘッド部材
    と、 各ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐
    出させる圧力変動手段と、 基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動
    機構と、 パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成
    する駆動信号発生手段と、 各ノズル開口の吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づ
    いて各駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、 前記各駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる
    制御本体部と、 前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおけ
    る、前記駆動パルス生成手段により生成される各駆動パ
    ルスの位相を、選択されたノズル開口毎に設定する位相
    設定部と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  11. 【請求項11】選択されたノズル開口は、同一種類の液
    体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項
    10に記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】選択されたノズル開口は、同一列に配置
    されたノズル開口であることを特徴とする請求項10に
    記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】ヘッド部材のノズル開口に対向すると共
    に当該ノズル開口から略等距離だけ離れるように液体被
    噴射媒体を保持する被噴射媒体保持部を更に備え、 位相設定部は、各駆動パルスによる液体滴の液体被噴射
    媒体上の着弾位置が所望の位置となるように、各駆動パ
    ルスの位相を設定可能であることを特徴とする請求項1
    0乃至12のいずれかに記載の液体噴射装置。
  14. 【請求項14】位相設定部は、 各駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質
    量及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する各
    駆動パルスの位相を前記選択されたノズル開口毎に演算
    する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、前記選択されたノズ
    ル開口毎に各駆動パルスの位相を設定する設定本体部
    と、を有していることを特徴とする請求項13に記載の
    液体噴射装置。
  15. 【請求項15】ノズル開口と液体被噴射媒体との距離
    は、可変となるように構成されていることを特徴とする
    請求項13に記載の液体噴射装置。
  16. 【請求項16】位相設定部は、 ノズル開口と液体被噴射媒体との距離、各駆動パルスに
    よって吐出される液体滴の速度または質量及び所望の着
    弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆動パルスの位
    相を前記選択されたノズル開口毎に演算する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、前記選択されたノズ
    ル開口毎に各駆動パルスの位相を設定する設定本体部
    と、を有していることを特徴とする請求項15に記載の
    液体噴射装置。
  17. 【請求項17】設定本体部は、前記吐出データ及び前記
    吐出駆動信号の位相を共に調整することで、各駆動パル
    スの位相を設定するようになっていることを特徴とする
    請求項14乃至16のいずれかに記載の液体噴射装置。
  18. 【請求項18】設定本体部は、前記吐出データの位相を
    前記吐出駆動信号の周期単位でずらすことで、各駆動パ
    ルスの位相を設定するようになっていることを特徴とす
    る請求項14乃至16のいずれかに記載の液体噴射装
    置。
  19. 【請求項19】吐出駆動信号の一周期は、複数の同一の
    パルス波形で構成されており、 設定本体部は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信
    号のパルス波形単位でずらすことで、各駆動パルスの位
    相を設定するようになっていることを特徴とする請求項
    14乃至16のいずれかに記載の液体噴射装置。
  20. 【請求項20】移動機構は、ヘッド部材を移動させる速
    度が可変に構成されていることを特徴とする請求項10
    乃至19に記載の液体噴射装置。
  21. 【請求項21】ノズル開口を有するヘッド部材と、 ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出
    させる圧力変動手段と、 基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動
    機構と、を備えた液体噴射装置を制御するための装置で
    あって、 パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成
    する駆動信号発生手段と、 吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルス
    を生成する駆動パルス生成手段と、 前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制
    御本体部と、 前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおけ
    る、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パル
    スの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴
    の速度または質量に基づいて設定する位相設定部と、を
    備えたことを特徴とする制御装置。
  22. 【請求項22】液体噴射装置は、ヘッド部材のノズル開
    口に対向すると共に当該ノズル開口から略等距離だけ離
    れるように液体被噴射媒体を保持する被噴射媒体保持部
    を更に備えており、 位相設定部は、駆動パルスによる液体滴の液体被噴射媒
    体上の着弾位置が所望の位置となるように、駆動パルス
    の位相を設定可能であることを特徴とする請求項21に
    記載の制御装置。
  23. 【請求項23】位相設定部は、 駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量
    及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動
    パルスの位相を演算する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、駆動パルスの位相を
    設定する設定本体部と、を有していることを特徴とする
    請求項22に記載の制御装置。
  24. 【請求項24】ノズル開口と液体被噴射媒体との距離を
    取得する距離取得部を備えていることを特徴とする請求
    項22に記載の制御装置。
  25. 【請求項25】位相設定部は、 ノズル開口と液体被噴射媒体との距離、駆動パルスによ
    って吐出される液体滴の速度または質量及び所望の着弾
    位置から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を
    演算する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、駆動パルスの位相を
    設定する設定本体部と、を有していることを特徴とする
    請求項24に記載の制御装置。
  26. 【請求項26】設定本体部は、前記吐出データ及び前記
    吐出駆動信号の位相を共に調整することで、駆動パルス
    の位相を設定するようになっていることを特徴とする請
    求項23乃至25のいずれかに記載の制御装置。
  27. 【請求項27】設定本体部は、前記吐出データの位相を
    前記吐出駆動信号の周期単位でずらすことで、駆動パル
    スの位相を設定するようになっていることを特徴とする
    請求項23乃至25のいずれかに記載の制御装置。
  28. 【請求項28】吐出駆動信号の一周期は、複数の同一の
    パルス波形で構成されており、 設定本体部は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信
    号のパルス波形単位でずらすことで、駆動パルスの位相
    を設定するようになっていることを特徴とする請求項2
    3乃至25のいずれかに記載の制御装置。
  29. 【請求項29】移動機構によるヘッド部材の移動速度を
    取得する速度取得部を備えていることを特徴とする請求
    項21乃至28に記載の制御装置。
  30. 【請求項30】複数のノズル開口を有するヘッド部材
    と、 各ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐
    出させる圧力変動手段と、 基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動
    機構と、を備えた液体噴射装置を制御するための装置で
    あって、 パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成
    する駆動信号発生手段と、 各ノズル開口の吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づ
    いて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、 前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制
    御本体部と、 前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおけ
    る、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パル
    スの位相を、選択されたノズル開口毎に設定する位相設
    定部と、を備えたことを特徴とする制御装置。
  31. 【請求項31】選択されたノズル開口は、同一種類の液
    体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項
    30に記載の制御装置。
  32. 【請求項32】選択されたノズル開口は、同一列に配置
    されたノズル開口であることを特徴とする請求項30に
    記載の制御装置。
  33. 【請求項33】液体噴射装置は、ヘッド部材のノズル開
    口に対向すると共に当該ノズル開口から略等距離だけ離
    れるように液体被噴射媒体を保持する被噴射媒体保持部
    を更に備えており、 位相設定部は、各駆動パルスによる液体滴の液体被噴射
    媒体上の着弾位置が所望の位置となるように、各駆動パ
    ルスの位相を設定可能であることを特徴とする請求項3
    0乃至32のいずれかに記載の制御装置。
  34. 【請求項34】位相設定部は、 駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量
    及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆
    動パルスの位相を前記選択されたノズル開口毎に演算す
    る演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、前記選択されたノズ
    ル開口毎に各駆動パルスの位相を設定する設定本体部
    と、を有していることを特徴とする請求項33に記載の
    制御装置。
  35. 【請求項35】ノズル開口と液体被噴射媒体との距離を
    取得する距離取得部を備えていることを特徴とする請求
    項33に記載の制御装置。
  36. 【請求項36】位相設定部は、 ノズル開口と液体被噴射媒体との距離、各駆動パルスに
    よって吐出される液体滴の速度または質量及び所望の着
    弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆動パルスの位
    相を前記選択されたノズル開口毎に演算する演算部と、 演算部による演算結果に基づいて、前記選択されたノズ
    ル開口毎に各駆動パルスの位相を設定する設定本体部
    と、を有していることを特徴とする請求項35に記載の
    制御装置。
  37. 【請求項37】設定本体部は、前記吐出データ及び前記
    吐出駆動信号の位相を共に調整することで、各駆動パル
    スの位相を設定するようになっていることを特徴とする
    請求項34乃至36のいずれかに記載の制御装置。
  38. 【請求項38】設定本体部は、前記吐出データの位相を
    前記吐出駆動信号の周期単位でずらすことで、各駆動パ
    ルスの位相を設定するようになっていることを特徴とす
    る請求項34乃至36のいずれかに記載の制御装置。
  39. 【請求項39】吐出駆動信号の一周期は、複数の同一の
    パルス波形で構成されており、 設定本体部は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信
    号のパルス波形単位でずらすことで、各駆動パルスの位
    相を設定するようになっていることを特徴とする請求項
    34乃至36のいずれかに記載の制御装置。
  40. 【請求項40】移動機構によるヘッド部材の移動速度を
    取得する速度取得部を備えていることを特徴とする請求
    項30乃至39に記載の制御装置。
  41. 【請求項41】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュ
    ータシステムに請求項21乃至40のいずれかに記載の
    制御装置を実現させるプログラム。
  42. 【請求項42】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステム上で動作する第2のプログラムを制
    御する命令が含まれており、 前記コンピュータシステムによって実行されて、前記第
    2のプログラムを制御して、前記コンピュータシステム
    に請求項21乃至40のいずれかに記載の制御装置を実
    現させるプログラム。
  43. 【請求項43】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュ
    ータシステムに請求項21乃至40のいずれかに記載の
    制御装置を実現させるプログラムを記録したコンピュー
    タ読取り可能な記録媒体。
  44. 【請求項44】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステム上で動作する第2のプログラムを制
    御する命令が含まれており、 前記コンピュータシステムによって実行されて、前記第
    2のプログラムを制御して、前記コンピュータシステム
    に請求項21乃至40のいずれかに記載の制御装置を実
    現させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能
    な記録媒体。
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