JP2002263074A - 放射能測定装置及び放射能測定方法 - Google Patents
放射能測定装置及び放射能測定方法Info
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Abstract
度良く測定する。 【解決手段】 放射性試薬の投与前に被検体から投与前
サンプルを採取し、その後、放射性試薬を投与し、投与
後サンプルを採取する。放射線検出器2,4を用いて投
与前サンプル、投与後サンプルからの放射線を同時に計
数する。規格化演算部30,32は、重量測定器14,
16からそれぞれ得られるサンプル重量に基づいて両サ
ンプルの計数値を規格化する。規格化された投与前サン
プルの計数値NBGは、規格化された投与後サンプルの計
数値NSに含まれるバックグラウンド放射能の寄与分に
相当する。減算器34は(NS−NBG)を計算してバッ
クグラウンド放射能の影響を除去し、投与後サンプルに
含まれる放射性試薬に起因する計数値を求める。また試
薬濃度演算部36はサンプル中における放射性試薬の濃
度を算出する。
Description
薬を投与し、当該被検体から採取されたサンプルの放射
能を計測して、サンプル中における放射性試薬の濃度を
測定する放射能測定装置に関し、特にその精度の向上に
関する。
えば血液中に放射性同位元素を含んだ検査試薬を投与し
た後、ある程度の時間を置いて被検体から血液等のサン
プルを採取し、そのサンプルの放射能を測定することが
行われている。サンプルの放射能を測定することによ
り、そのサンプル中の検査試薬の濃度が判明する。例え
ば、この検査試薬の濃度と投与した検査試薬量とから、
被検体内の血液の総量を推定することができる。また、
検査試薬をトレーサとして用い、被検体内での検査試薬
の移動を調べることもできる。
は、その放射性同位元素の半減期に応じて減衰する。そ
こで、検査試薬はあらかじめ放射能を測定し、その測定
値と共に測定時刻が記録される。そして、サンプルから
得られる放射能測定値に対しては、その投与前の検査試
薬の測定からサンプルに対する測定までの経過時間にお
ける放射性同位元素の崩壊による放射能の減衰を補正す
る処理が行われる。
薬を用いた放射能測定においては、投与前の被検体に測
定誤差となる放射性同位元素が存在することは考慮され
ていなかった。しかし、例えば、放射性試薬を用いた或
る検査に先だって、放射性試薬を用いた別の検査が行わ
れ、先行する放射性試薬が残留している場合がある。こ
のように目的とする検査の放射性試薬の投与前に、被検
体内に放射性同位元素が存在すると、それがバックグラ
ウンド放射能となって検査精度が劣化するという問題が
あった。
れたもので、被検体内にバックグラウンド放射能を生じ
る放射性同位元素が存在する場合においても、精度のよ
い検査を実現する放射能測定装置及び放射能測定方法を
提供することを目的とする。
装置は、被検体への放射性試薬の投与前に当該被検体よ
り採取された投与前サンプルからの放射線を計数して投
与前計数値を求める第1の放射線計数部と、前記放射性
試薬の投与後に前記被検体より採取された投与後サンプ
ルからの放射線を、前記投与前計数値の計数期間と同一
の期間に計数して投与後計数値を求める第2の放射線計
数部と、前記投与前計数値に基づいて、前記放射性試薬
の投与前から前記被検体に存在し所定の時定数で減衰す
るバックグラウンド放射能の前記投与後計数値に対する
寄与を求め、前記投与後計数値から前記寄与を取り除い
た補正計数値に基づいて、前記投与後サンプル中におけ
る前記放射性試薬の濃度を定める演算部とを有する。
与する前と投与した後とにそれぞれ被検体から例えば血
液などのサンプルが採取される。第1の放射線計数部は
投与前サンプルが放射する放射線を計数し、第2の放射
線計数部は投与後サンプルが放射する放射線を計数す
る。ここで、これら投与前サンプル及び投与後サンプル
それぞれの放射線計数は互いに同一の計数期間に、すな
わち同時に並行して行われる。さて、放射性試薬の投与
前においても、被検体内には食物等を通じて摂取される
自然放射能が存在する。一般に自然放射能は、摂取と崩
壊とがあるレベルでバランスしてほぼ定常状態にあり、
そのレベルは一般的にそれほど高くなく、またおおよそ
見当がついている。よって、投与後計数値に対して、こ
の一般的な自然放射能によるバックグラウンドレベルを
補正することは比較的容易である。しかし、被検体内に
は所定の時定数で減衰する非定常状態のバックグラウン
ド放射能が存在する場合もある。例えば、被検体は今回
の放射性試薬の投与前に、別の検査、治療等に起因する
放射能を有していることもある。このようなバックグラ
ウンド放射能は、その原因に応じて大きさが異なると共
に、崩壊によって時間的にも変化するため、画一的な所
定レベルを差し引くといった単純な補正では精度を確保
することができない。本発明では、投与前サンプルを採
取して、放射性試薬を投与する前に既に被検体に存在す
るバックグラウンド放射能を測定し、投与前計数値を得
る。一方、放射性試薬を投与した後に採取される投与後
サンプルに関する放射能測定が行われ、放射性試薬に起
因する放射能とバックグラウンド放射能との両方を含ん
だ投与後計数値を得る。演算部は、投与前計数値に基づ
いて、投与後計数値におけるバックグラウンド放射能の
寄与を求める。このとき、本発明では、投与前計数値と
投与後計数値とは同一の計数期間にて測定される。同一
の期間においては、投与前サンプルと投与後サンプルと
におけるそれぞれのバックグラウンド放射能の減衰特性
は共通である。したがって、投与後計数値におけるバッ
クグラウンド放射能の寄与を求める際に、バックグラウ
ンド放射能の減衰特性を考慮する必要がなく、簡単に当
該寄与を求めることができる。投与前計数値と投与後計
数値における当該寄与との相違は、基本的に投与前サン
プル量と投与後サンプル量と比に応じた相違である。よ
って、演算部は、投与前サンプル量と投与後サンプル量
との相違を考慮して投与前計数値から前記寄与を求め
る。さらに演算部は、投与後計数値における当該寄与を
除去する補正を行い、放射性試薬に起因する放射能を測
定し、投与後サンプル中における放射性試薬の濃度を算
出する。本発明において特筆すべきことは、バックグラ
ウンド放射能が複数種類の放射性崩壊過程によるもので
あっても、単一の投与前計数値を用いてその寄与を除去
できることである。すなわち、半減期の異なる複数核種
がバックグラウンド放射能に含まれていても、それら各
半減期や各核種の含有量を特定する必要がなく、簡単な
測定及び計算でバックグラウンド放射能の寄与分を除去
することができる。
投与前サンプル量を測定する投与前サンプル量測定手段
と、投与後サンプル量を測定する投与後サンプル量測定
手段とを有し、前記演算部が、前記投与前サンプル量及
び前記投与後サンプル量に基づいて、前記投与前計数値
及び前記投与後計数値をそれぞれ規格化して、規格化投
与前計数値及び規格化投与後計数値を算出する手段と、
前記規格化投与後計数値から前記規格化投与前計数値を
減算して前記補正計数値を求める手段とを有する。
前サンプル量との比が、投与後計数値におけるバックグ
ラウンド放射能の寄与分と投与前計数値との比となる。
よって、規格化を行って、投与後計数値及び投与前計数
値をそれぞれ同一の所定サンプル量に相当する値である
規格化投与後計数値及び規格化投与前計数値に換算する
と、規格化投与後計数値におけるバックグラウンド放射
能の寄与分は、規格化投与前計数値と同等となる。した
がって、規格化投与後計数値から規格化投与前計数値を
減算することによって、規格化投与後計数値からバック
グラウンド放射能の寄与分が除去され、被検体に投与さ
れた放射性試薬に起因した放射線の計数値である補正計
数値が得られる。
前記演算部が、前記計数期間内での放射性元素の崩壊に
伴う前記放射性試薬の放射能の減少を考慮して、前記補
正計数値から所定時刻における前記放射性試薬に起因す
る放射線計数率を算出する手段を有する。
れている。この関係は、計数率については成り立つが、
計数期間における累積値である計数値に関しては厳密に
は成り立たない。計数値は計数期間における計数率の積
分であり、本発明の演算部が算出する補正計数値は投与
後の計数期間において崩壊法則に従って減衰する放射性
試薬の放射能を累積した値である。演算部は、投与され
た放射性試薬に関する半減期特性を用いて、補正計数値
を所定時刻における放射線計数率に変換し、この放射線
計数率から投与後サンプル中の放射性試薬の濃度を求め
る。
の放射性試薬の投与前に当該被検体より採取された投与
前サンプルからの放射線を計数して投与前計数値を求め
るステップと、前記放射性試薬の投与後に前記被検体よ
り採取された投与後サンプルからの放射線を、前記投与
前計数値の計数期間と同一の期間に計数して投与後計数
値を求めるステップと、前記投与前計数値に基づいて、
前記放射性試薬の投与前から前記被検体に存在し得るバ
ックグラウンド放射能の前記投与後計数値に対する寄与
を求めるバックグラウンド算出ステップと、前記投与後
計数値から前記寄与を取り除いて補正計数値を求めるバ
ックグラウンド除去ステップと、前記補正計数値に基づ
いて、前記投与後サンプル中における前記放射性試薬の
濃度を定める濃度情報算出ステップとを有する。
数値との計数期間が共通であるので、投与後サンプルと
投与前サンプルとのサンプル量の違いに応じた換算を投
与前計数値に施すことによって、投与後計数値における
バックグラウンド放射能の寄与分が求まる。投与後計数
値からこの寄与分を除去した補正計数値から、投与後サ
ンプル中に含まれる放射性試薬の放射能の大きさが把握
され、放射性試薬の濃度が定められる。
前記バックグラウンド算出ステップが、投与前サンプル
量に基づいて前記投与前計数値を規格化して前記寄与を
求め、前記バックグラウンド除去ステップが、投与後サ
ンプル量に基づいて前記投与後計数値を規格化し、規格
化された投与後計数値から前記寄与を減算して前記補正
計数値を求める。
前記濃度情報算出ステップが、前記計数期間内での放射
性元素の崩壊に伴う前記放射性試薬の放射能の減少を考
慮して、前記補正計数値から所定時刻における前記放射
性試薬に起因する放射線計数率を算出する。
図面を参照して説明する。
略のブロック図である。本装置は、被検者から採取され
た血液等のサンプルに含まれる放射性の検査試薬の濃度
を測定するものであり、2つの放射線検出器2,4、2
つの信号検知回路6,8、2つの計数回路10,12、
2つの重量測定器14,16、演算部18、及び制御部
20を含んで構成される。
ンチレータを用いて構成される。シンチレータの中央部
に孔が設けられ、ここに被検体から採取されたサンプル
を収めたサンプル容器22,24が挿入・設置される。
さらに、放射線検出器2,4には、検出器外部からシン
チレータへの放射線入射を防ぐ鉛等の遮蔽材が配され
る。これにより各シンチレータは、各放射線検出器にセ
ットされたサンプルからの放射線に応じて発光し、この
シンチレーション光を光検出器で電気信号に変換して出
力する。
号はそれぞれ信号検知回路6,8に入力される。信号検
知回路6,8はそれぞれ、アンプ及びディスクリミネー
タを含んで構成され、ノイズレベル以上の波高を有する
信号を検知してパルス信号を生成する。
回路6,8から出力されるパルス信号を計数し、計数値
を演算部18へ出力する。
14,16の上に載置されている。これら重量測定器1
4,16はそれぞれ、その上の放射線検出器にセットさ
れるサンプルの重量を測定するために用いられる。重量
測定器14,16の測定値は演算部18へ出力される。
して共通に計数開始及び停止の制御信号を送出する。ま
た、制御部20は内部に時計を有し、これら計数回路の
計数開始の時刻、及び計数時間を記憶すると共に、それ
ら時間情報を演算部18へ提供する。
減算器34、及び試薬濃度演算部36を含んでいる。規
格化演算部30,32にはそれぞれ計数回路10,12
の出力と重量測定器14,16の出力とが入力される。
規格化演算部30は、サンプル容器22内のサンプルか
ら得られる計数回路10の出力計数値を、重量測定器1
4が出力する当該サンプルの重量で規格化する。同様
に、規格化演算部32は、サンプル容器24内のサンプ
ルから得られる計数回路12の出力計数値を、重量測定
器16が出力する当該サンプルの重量で規格化する。こ
れら規格化演算部30,32の規格化処理により、サン
プル容器22,24に格納された各サンプルから得られ
る計数値が、互いに等しい重量のサンプルに対応する値
に換算される。試薬濃度演算部36は、減算器34の出
力を用いて、サンプルに含まれる放射性の検査試薬の濃
度を求める。演算部18の詳しい動作、処理については
後述する。
性試薬濃度測定の処理概要を示すフロー図である。この
図を用いて、本装置を用いた測定手順及び本装置の動作
・処理内容を説明する。本装置は、バックグラウンド放
射能を除去して、血液等のサンプル中の放射性の検査試
薬の濃度を精度良く測定することができることが特徴で
ある。そのために、まず、放射性の検査試薬を被検者に
投与する前に、その被検者からリファレンス用のサンプ
ル(投与前サンプルと称する)を採取する(S50)。
この投与前サンプルは所定のサンプル容器22に採取さ
れる。
放射性同位元素を含んだ検査試薬が定量投与される(S
55)。その後、被検者から、検査試薬を含んだ本来の
評価対象であるサンプル(投与後サンプルと称する)が
サンプル容器24に採取される(S60)。検査試薬投
与から投与後サンプルの採取までの時間は、検査目的に
応じて定められる。
2は放射線検出器2にセットされ、一方、投与後サンプ
ルを収容したサンプル容器24は放射線検出器4にセッ
トされる。両サンプルが共に放射線検出器にセットされ
た後、放射線の計数が実行される。制御部20は、計数
回路10,12を同時に起動し、放射線検出器2,4そ
れぞれにセットされた投与前サンプルと投与後サンプル
とに対する放射線計測が同時に開始される。制御部20
は、所定の計数期間が経過すると、今度は計数回路1
0,12を同時に停止し、投与前サンプルと投与後サン
プルとに対する放射線計測が同時に終了される。このよ
うに、本装置では、2つの放射線検出器を用いて、投与
前サンプル及び投与後サンプルに対する放射線計数を同
一の計数期間に並行して行う(S65)。計数回路1
0,12それぞれの計数値は、規格化演算部30,32
に入力される。
4の両方にサンプル容器がセットされたことをセンサで
検知して自動的に開始されるように構成してもよいし、
操作者の指示によって開始されるように構成してもよ
い。また、制御部20からの計数停止の制御信号は、あ
らかじめ制御部20に設定された所定の計数時間が経過
した時点で送出されるように構成してもよいし、操作者
の指示によって送出されるように構成してもよい。
16の測定値が規格化演算部30,32に入力される。
規格化演算部30は、重量測定器14の測定値から投与
前サンプルの重量を求め、一方、規格化演算部32は、
重量測定器16の測定値から投与後サンプルの重量を求
める(S70)。サンプルの重量は、サンプルを収容し
たサンプル容器を放射線検出器にセットしたときの重量
から空のサンプル容器を放射線検出器にセットしたとき
の基準重量を減算することにより求められる。ここで
は、所定のサンプル容器22,24を使用することによ
り、空のサンプル容器22,24をセットしたときの基
準重量を一定として取り扱うことを可能としている。す
なわち、基準重量はあらかじめ測定され演算部18に格
納され、この値がサンプルの重量を求める処理S70に
おいて毎回利用される。
られた測定値を用いて、投与後サンプルに対してバック
グラウンド放射能の寄与分を除去する補正処理を施す
(S75)。この補正処理は概ね以下の3段階のステッ
プに分けて理解することができる。第1段階は、上述し
た投与前計数値及び投与後計数値それぞれのサンプル量
に基づいた規格化処理である。例えば、規格化演算部3
0,32はそれぞれ、処理S70にて得られた投与前サ
ンプル、投与後サンプルそれぞれの重量で、計数回路1
0,12から入力される投与前計数値、投与後計数値を
除算して、単位重量当たりの計数値を求める。
与後サンプルそれぞれから得られる投与前計数値及び投
与後計数値は互いに等しい重量のサンプルに対応する値
に換算され、それら規格化された投与前計数値と規格化
された投与後計数値との相互の比較が可能となる。具体
的には、規格化投与前計数値は、規格化投与後計数値に
おけるバックグラウンド放射能の寄与分に相当する。以
下、規格化投与前計数値をNBG、規格化投与後計数値を
NSと記す。
するための図であり、投与前サンプル及び投与後サンプ
ルそれぞれの計数率の時間的変化を示すグラフである。
図3において、縦軸が計数率、横軸が時間である。減衰
曲線100が投与前サンプルの計数率の変化、また減衰
曲線102が投与後サンプルの計数率の変化を表す。両
サンプルに対する放射線の計数は開始時刻tSから終了
時刻tEまでの計数期間Pにて行われる。なお、図3の
計数率は、サンプルの重量について規格化されている。
図において、減衰曲線100と時間軸とで挟まれた計数
期間Pの領域の面積がNBGに相当し、減衰曲線102と
時間軸とで挟まれた計数期間Pの領域の面積がNSに相
当する。
ウンド放射線による計数分を除去して、放射性の検査試
薬に由来する計数分を求める処理であり、減算器34を
用いて行われる。減算器34は、規格化投与前計数値N
BG及び規格化投与後計数値N Sを入力され、NS'≡(NS
−NBG)を算出する。この減算により得られた補正計数
値NS'は、被検体に投与された検査試薬に起因した放射
線の計数値に相当する。
サンプルの投与後基準時刻t0での検査試薬に起因する
計数率fSを求める処理であり、試薬濃度演算部36に
より行われる。次式で表すように、NS'は計数期間P≡
[tS,tE]におけるfSの時間積分である。
射崩壊特性は既知であり、その特性に基づいてfS(t)は
次式で表される。
試薬に起因する、サンプル単位重量当たりの計数率f
S(t0)が求まる。
測定されており、その測定値に基づいて、被検体に投与
された検査試薬全量が投与後基準時刻t0においてどれ
だけの計数率ftot(t0)を生じるかは、その検査試薬に
含まれる放射性同位元素の放射崩壊特性に基づいて容易
に計算することができる。投与後サンプルに含有される
検査試薬の量と、被検体に投与された検査試薬の全部の
量との比は、基本的にfS(t0)/ftot(t0)で与えられ
る。そこで、試薬濃度演算部36は、fS(t0)/f
tot(t0)を算出し、その値と被検体に投与された検査試
薬全量の値とから、投与後サンプル中における検査試薬
の濃度を算出する。例えば、試薬濃度演算部36が求め
た濃度の測定値結果は、図示しない表示部に表示され、
また記憶部に格納される(S80)。
いて投与後サンプルの計数値を補正するために、上では
両サンプルの重量による規格化を行ったが、計測目的等
に応じて両サンプルの体積による規格化を行っても良
い。
方法によれば、被検体に放射性試薬を投与し、被検体か
ら投与後サンプルを採取して放射線を計測する場合に、
その放射性試薬の投与前に被検体から投与前サンプルを
採取して放射線の計測する。この投与前計数値を用い
て、放射性試薬の投与前から被検体内に存在し所定の時
定数で減衰するバックグラウンド放射能による投与後サ
ンプルの計数値に対する寄与分を求め、除去することに
より、放射性試薬に起因する放射能がより精度良く計測
され、検査、治療等の高精度化、高信頼性が達成され
る。
値と投与後サンプルの計数値とは同一の計数期間にて測
定される。同一の期間においては、投与前サンプルと投
与後サンプルとにおけるそれぞれのバックグラウンド放
射能の減衰特性は共通であるので、バックグラウンド放
射能の減衰特性を考慮することなく簡単に当該寄与を除
去することができる。さらに述べれば、バックグラウン
ド放射能が複数種類の放射性崩壊過程によるものであっ
ても、それらの各半減期や各核種の含有量を特定する必
要がなく、単一の投与前計数値を用いてバックグラウン
ド放射能の寄与分を除去することができる。
ク図である。
測定の処理概要を示すフロー図である。
り、投与前サンプル及び投与後サンプルそれぞれの計数
率の時間的変化を示すグラフである。
12 計数回路、14,16 重量測定器、18 演算
部、20 制御部、22,24 サンプル容器、30,
32 規格化演算部、34 減算器、36 試薬濃度演
算部。
Claims (6)
- 【請求項1】 被検体への放射性試薬の投与前に当該被
検体より採取された投与前サンプルからの放射線を計数
して投与前計数値を求める第1の放射線計数部と、 前記放射性試薬の投与後に前記被検体より採取された投
与後サンプルからの放射線を、前記投与前計数値の計数
期間と同一の期間に計数して投与後計数値を求める第2
の放射線計数部と、 前記投与前計数値に基づいて、前記放射性試薬の投与前
から前記被検体に存在し所定の時定数で減衰するバック
グラウンド放射能の前記投与後計数値に対する寄与を求
め、前記投与後計数値から前記寄与を取り除いた補正計
数値に基づいて、前記投与後サンプル中における前記放
射性試薬の濃度を定める演算部と、 を有することを特徴とする放射能測定装置。 - 【請求項2】 投与前サンプル量を測定する投与前サン
プル量測定手段と、 投与後サンプル量を測定する投与後サンプル量測定手段
と、 を有し、 前記演算部は、 前記投与前サンプル量及び前記投与後サンプル量に基づ
いて、前記投与前計数値及び前記投与後計数値をそれぞ
れ規格化して、規格化投与前計数値及び規格化投与後計
数値を算出する手段と、 前記規格化投与後計数値から前記規格化投与前計数値を
減算して前記補正計数値を求める手段と、 を有することを特徴とする請求項1記載の放射能測定装
置。 - 【請求項3】 前記演算部は、前記計数期間内での放射
性元素の崩壊に伴う前記放射性試薬の放射能の減少を考
慮して、前記補正計数値から所定時刻における前記放射
性試薬に起因する放射線計数率を算出する手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射能
測定装置。 - 【請求項4】 被検体への放射性試薬の投与前に当該被
検体より採取された投与前サンプルからの放射線を計数
して投与前計数値を求めるステップと、 前記放射性試薬の投与後に前記被検体より採取された投
与後サンプルからの放射線を、前記投与前計数値の計数
期間と同一の期間に計数して投与後計数値を求めるステ
ップと、 前記投与前計数値に基づいて、前記放射性試薬の投与前
から前記被検体に存在し得るバックグラウンド放射能の
前記投与後計数値に対する寄与を求めるバックグラウン
ド算出ステップと、 前記投与後計数値から前記寄与を取り除いて補正計数値
を求めるバックグラウンド除去ステップと、 前記補正計数値に基づいて、前記投与後サンプル中にお
ける前記放射性試薬の濃度を定める濃度情報算出ステッ
プと、 を有することを特徴とする放射能測定方法。 - 【請求項5】 前記バックグラウンド算出ステップは、
投与前サンプル量に基づいて前記投与前計数値を規格化
して前記寄与を求め、 前記バックグラウンド除去ステップは、投与後サンプル
量に基づいて前記投与後計数値を規格化し、規格化され
た投与後計数値から前記寄与を減算して前記補正計数値
を求めること、 を特徴とする請求項4記載の放射能測定方法。 - 【請求項6】 前記濃度情報算出ステップは、前記計数
期間内での放射性元素の崩壊に伴う前記放射性試薬の放
射能の減少を考慮して、前記補正計数値から所定時刻に
おける前記放射性試薬に起因する放射線計数率を算出す
ることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の放射
能測定方法。
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