JP2002262740A - 魚釣用バッテリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は魚釣用バッテリに関し、リチウムイ
オン電池を用いたバッテリに改良を加え、釣場での突然
の断電といった非常事態による魚釣用リール等の使用不
能を回避する魚釣用バッテリを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 請求項１に係る発明は、出力端子を有す
るバッテリケース内に、リチウムイオン電池からなる電
源ユニットを収納して構成された魚釣用バッテリに於
て、上記バッテリケースに外部切換手段を設けると共
に、バッテリケースに上記電源ユニットとは別個に出力
端子に接続する補助電源を収納し、上記外部切換手段の
操作で、出力端子への電源ユニットと補助電源の接続を
切換え可能としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣用電動リール
のスプールモータや電子回路等に電力を供給する魚釣用
バッテリ（以下、「バッテリ」という）に関する。

【０００２】

【従来の技術】船釣り等、一般に深場の魚層を対象とし
た魚釣りを行う場合、魚釣用電動リール（以下、「電動
リール」という）が広く使用されている。従来周知のよ
うにこの電動リールは、リール本体に装着したスプール
モータの駆動でスプールを回転させて釣糸の巻取りを行
うもので、別途用意したバッテリに接続してスプールモ
ータを駆動させるようになっている。

【０００３】また、昨今、電動リールは、実釣時の魚釣
り操作性の向上を図るために多機能化，電子化が進んで
いるのが現状であり、バッテリから供給される電力を利
用してスプールの巻取り駆動を行うことは勿論、クラッ
チ機構のＯＮ／ＯＦＦの切換操作や超音波センサによる
釣糸の糸長計測、また、釣糸繰出し時のスプールモータ
の駆動による糸送りに利用する等、バッテリの利用範囲
が拡大し、実釣上に於けるバッテリの重要性は高いもの
となっている。

【０００４】ところで、従来、この種のバッテリとして
鉛蓄電池からなるバッテリが広く使用されているが、こ
のバッテリは大型で重く、狭い船上で操作性が悪く携帯
性も悪かった。そこで、特開２０００−２７７０７５号
公報には、小型で高性能なリチウムイオン電池を複数接
続した電源ユニットをバッテリケースに収納したバッテ
リが提案されており、このバッテリによれば、モータ駆
動用電源として十分で安定した電力の供給を図り乍ら、
電動リールと一体に使用することが可能となって操作
性，携帯性が向上することとなった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、実釣での
使用や時間の経過に伴いバッテリの充電量は低下し、ま
た、バッテリケース内の接続回路の故障や、使用，移動
中に断線して通電不能になってしまう等、バッテリ特有
の問題があった。また、既述したリチウムイオン電池
は、従来の鉛蓄電池に比し小型，軽量で性能に優れるも
のの、その特性上、所定充電値以下になると突然断電し
てしまう不具合がある。

【０００６】そして、このような不具合が発生すると、
スプールモータによる巻取り操作ができなくなることは
勿論、クラッチ機構の切換制御による棚取りや超音波セ
ンサによる糸長計測が行えなくなったり、モータ駆動に
よる糸送りができなくなる等、多くの不具合が発生し、
実釣上、釣人にとって心理的に不安であり、また、別に
バッテリを持ち歩くのは不便で携帯性も悪かった。

【０００７】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、リチウムイオン電池を用いたバッテリに改良を加
え、釣場での突然の断電といった非常事態による魚釣用
リール等の使用不能を回避するバッテリを提供すること
を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、出力端子を有するバッテリ
ケース内に、リチウムイオン電池からなる電源ユニット
を収納して構成されたバッテリに於て、上記バッテリケ
ースに外部切換手段を設けると共に、バッテリケースに
上記電源ユニットとは別個に出力端子に接続する補助電
源を収納し、上記外部切換手段の操作で、出力端子への
電源ユニットと補助電源の接続を切換え可能としたこと
を特徴とする。

【０００９】そして、請求項２に係る発明は、請求項１
記載のバッテリに於て、補助電源をリチウムイオン電池
で構成したものである。

【００１０】（作用）各請求項に係るバッテリによれ
ば、外部切換手段の操作で、出力端子への電源ユニット
と補助電源の接続が切換え可能となっているから、出力
端子と主要電源である電源ユニットとの接続状態で給電
コードを出力端子に接続すれば、電源ユニットから供給
される電力を利用してスプールモータによるスプールの
巻取り操作や、魚釣用リールの機能に応じたクラッチ機
構の切換制御等が行われることとなる。

【００１１】そして、実釣時に、電源ユニットの充電値
低下や断線等の原因で突然の断電事態が発生した場合、
外部切換手段の操作で出力端子と補助電源との接続に切
り換えれば、釣人は補助電源を用いて釣りを続行するこ
とができ、且つ釣人は電源ユニットの使用不可を認識す
ることとなる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。

【００１３】図１乃至図３は請求項１及び請求項２に係
るバッテリの第一実施形態を示し、図１及び図２に於
て、１は中空な直方体形状の箱体からなる樹脂製のバッ
テリケースで、当該バッテリケース１はケース本体３と
これに冠着される蓋体５とで構成されており、蓋体５の
上部に＋端子７と−端子９を有する１個の出力端子１１
が設けられている。

【００１４】そして、図２に示すようにバッテリケース
１内には、上下方向に３つの横長の収納部１３が区画形
成されると共に、これらに隣接して１つの縦長の収納部
１５が上下方向に亘って区画形成されている。そして、
各収納部１３に、夫々、４本のリチウムイオン電池１７
を、縦横方向に略Ｅ字状に配列してこれらを直列接続し
た電源ユニット１９が水密性を以って収納されており、
各電源ユニット１９は並列接続されて、本実施形態に係
るバッテリ２１のメインバッテリ２３を構成している。

【００１５】また、縦長な収納部１５には、４本のリチ
ウムイオン電池１７を上下方向に直列接続したサブバッ
テリ（補助電源）２５が水密性を以って収納されてお
り、このように本実施形態に係るバッテリ２３は、複数
本のリチウムイオン電池１７からなる３つの電源ユニッ
ト１９を並列接続したメインバッテリ２３と、複数本の
リチウムイオン電池１７を直列接続したサブバッテリ２
５とで構成されている。

【００１６】一方、図１及び図２に示すように蓋体５の
上部には、既述した出力端子１１と共に押しボタン式の
切換えスイッチ（外部切換手段）２７が装着されてお
り、当該切換えスイッチ２７は、図３に示すように２つ
のポジションに切換え可能となっている。そして、通
常、実線で示すようにバッテリ２１は、メインバッテリ
２３と出力端子１１の＋端子７と−端子９とが接続され
ているが、切換えスイッチ２７の切換操作で、図３の破
線で示すようにサブバッテリ２５と出力端子１１との接
続に切り換わり、また、斯かる状態で再び切換えスイッ
チ２７を操作すると、メインバッテリ２３と出力端子１
１との接続に切り換わるようになっている。

【００１７】尚、切換えスイッチ２７の近傍に、出力端
子１１がサブバッテリ２５に接続されたときに点灯する
ランプ等を装着しておくと、バッテリ２１の接続状態が
把握できて便利である。

【００１８】また、図示しないがバッテリケース１（ケ
ース本体３）の外側に肩掛け用のベルトやバンドフック
が装着されており、実釣に当たり釣人はベルトを肩に掛
けてバッテリ２１を携帯したり、バンドフックを介して
バッテリ２１をバンドに装着すればよい。本実施形態は
このように構成されているから、メインバッテリ２３と
出力端子１１が接続した状態で、図２に示すように給電
コード２９を出力端子１１に接続すれば、メインバッテ
リ２３から供給される電力を利用してスプールモータに
よるスプールの巻取り操作や、魚釣用リールの機能に応
じたクラッチ機構の切換制御による棚取りや超音波セン
サによる糸長計測等が行われることとなる。

【００１９】そして、実釣時に、メインバッテリ２３の
充電値低下や断線等の原因で突然の断電事態が発生した
場合、切換えスイッチ２７を操作して出力端子１１にサ
ブバッテリ２５を接続すれば、釣人はサブバッテリ２５
を電源として釣りを続行することができ、且つ釣人はメ
インバッテリ２３の使用不可を認識することとなる。こ
のように本実施形態は、実釣時に突然の断電事態に遭遇
しても、切換えスイッチ２７の操作でメインバッテリ２
３からサブバッテリ２５に電源を切り換えることで継続
して魚釣用リール等の実使用が可能となるので、釣場で
の非常事態による使用不能が回避できて釣人の心理的な
不安が解消できると共に、釣人自身がバッテリ２１のメ
インバッテリ２３の使用不可、即ち、メインバッテリ２
３の充電不足や断線、リチウムイオン電池１７自体の故
障等を認識できるため、充電や修理等のメンテナンスを
確実に行えることとなった。

【００２０】而も、本実施形態によれば、サブバッテリ
２５がリチウムイオン電池１７で構成されているため、
バッテリ２１全体が小型，軽量で携帯性に優れる利点を
有する。尚、図４に示すように収納部１５に対応するケ
ース本体３の底部３ａに開口部３１を設けて、これにキ
ャップ３３を水密性を以って着脱可能に装着すると共
に、上述したリチウムイオン電池１７に代えて複数本の
一次電池３５を出し入れ可能に直列接続してサブバッテ
リ（補助電源）２５-1を構成してもよいし、また、既述
した複数本のリチウムイオン電池１７を開口部３１から
出し入れ可能に直列接続してサブバッテリ２５を構成し
てもよい。

【００２１】而して、この請求項１及び請求項２の第二
実施形態に係るバッテリ２１-1によっても、上記実施形
態と同様、所期の目的を達成することが可能である。更
にまた、出力端子１１をバッテリケース１（蓋体５）に
直接装着せず、図１の二点鎖線で示すように柔軟なコー
ド３７を介して出力端子１１をバッテリケース１に接続
してもよく、斯かる構成によれば、釣人や魚釣用リール
の動きに出力端子１１が追従して魚釣り操作性の向上が
図れる利点を有する。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１に係るバッ
テリによれば、実釣時に突然の断電事態に遭遇しても、
外部切換手段の操作で電源ユニットから補助電源に電源
を切り換えることで継続して魚釣用リール等の実使用が
可能となるので、釣場での非常事態による使用不能が回
避できて釣人の心理的な不安が解消できると共に、釣人
自身がバッテリの主要電源の使用不可、即ち、電源ユニ
ットの充電不足や断線、リチウムイオン電池自体の故障
等を認識できるため、充電や修理等のメンテナンスを確
実に行えることとなった。

【００２３】また、請求項２に係る発明によれば、補助
電源がリチウムイオン電池で構成されているため、バッ
テリ全体が小型，軽量で携帯性に優れる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１及び請求項２の第一実施形態に係るバ
ッテリの全体斜視図である。

【図２】図１に示すバッテリの内部構造の概略図であ
る。

【図３】切換えスイッチの動作説明図である。

【図４】請求項１及び請求項２の第二実施形態に係るバ
ッテリの部分断面図である。

【符号の説明】

１ バッテリケース ３ ケース本体 ５ 蓋体 ７ ＋端子 ９ −端子 １１ 出力端子 １３，１５ 収納部 １７ リチウムイオン電池 １９ 電源ユニット ２１，２１-1 バッテリ ２３ メインバッテリ ２５，２５-1 サブバッテリ ２７ 切換えスイッチ ２９ 給電コード ３１ 開口部 ３３ キャップ ３５ 一次電池

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 出力端子を有するバッテリケース内に、
   リチウムイオン電池 からなる電源ユニットを収納して構成された魚釣用バッ
   テリに於て、上記バッテリケースに外部切換手段を設け
   ると共に、バッテリケースに上記電源ユニットとは別個
   に出力端子に接続する補助電源を収納し、 上記外部切換手段の操作で、出力端子への電源ユニット
   と補助電源の接続を切換え可能としたことを特徴とする
   魚釣用バッテリ。
2. 【請求項２】 補助電源は、リチウムイオン電池で構成
   されていることを特徴とする請求項１記載の魚釣用バッ
   テリ。