JP2002261572A - 表面弾性波素子 - Google Patents

表面弾性波素子

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JP2002261572A JP2001052615A JP2001052615A JP2002261572A JP 2002261572 A JP2002261572 A JP 2002261572A JP 2001052615 A JP2001052615 A JP 2001052615A JP 2001052615 A JP2001052615 A JP 2001052615A JP 2002261572 A JP2002261572 A JP 2002261572A
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崇 佐藤
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恭輔 尾崎
Satoshi Waga
聡 和賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電力性が向上した上に、共振周波数f及び
共振周波数差Δfが任意の値に制御可能であり、SAW
共振器を設計する際の自由度が大きく、その結果、表面
弾性波フィルタとして用いた場合の通過帯域及び阻止帯
域の減衰量を制御することが容易な表面弾性波素子を提
供する。 【解決手段】 Si基板11上に、ダイヤモンド層1
2、金属層13及びZnO層14が積層され、ZnO層
14上に一対の対向する櫛型電極15、16からなるS
AW共振器17及びグレーティング反射器21、22が
形成され、これらの上にSiO2層23が形成され、励
振される表面弾性波の波長をλとした場合のZnO層1
4の規格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超えか
つ1.3以下、SiO2層23の規格化膜厚(2π/λ
×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下としたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面弾性波素子に係
り、特に、移動体通信機器のRF(無線周波数)フィル
タやIF(中間周波数)フィルタ、アンテナ共振器等に
用いて好適な表面弾性波素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やPHS等の移動体通信
機器の進歩が著しく、これらの機器においては、小型
化、軽量化が可能なことから、表面弾性波素子が多く用
いられている。この表面弾性波素子は、弾性体の表面も
しくは界面に沿って伝播する表面弾性波(Surface Acou
stic Wave:SAW)を伝送回路における周波数選択素
子として用いた電気・機械変換素子である。
【0003】図5は、従来の表面弾性波素子の1種であ
る1端子対の表面弾性波(SAW)フィルタを示す平面
図であり、この表面弾性波フィルタは、タンタル酸リチ
ウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNb
3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)等の圧電体単結
晶基板1の表面に、電気信号と表面弾性波(SAW)と
の間の変換器として機能する一対の櫛型電極(IDT:
Inter-Digital Transducer)2、3が互いに対向するよ
うに形成されてSAW共振器4とされ、このSAW共振
器4の両側に、励起された表面弾性波を多重反射させて
定在波を生じさせるグレーティング反射器5、6が形成
された構成である。
【0004】この表面弾性波フィルタにおいては、基板
1の表面を伝播する表面弾性波の音速vと櫛型電極2、
3の各々の電極指の幅(間隔)wによって、SAW共振
器4の共振周波数fが決定される。この共振周波数fは
下記の(1)式で表される。 f=v/λ=v/4w ……(1) ここで、λは表面弾性波の波長である。この(1)式か
ら、電極指の幅wが小さく、音速vが速い程、共振周波
数fが高くなり、高周波帯域で使用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の表面弾性波フィルタを、例えば、携帯用通信機器に
適用した場合、伝播する表面弾性波の音速vは3000
〜4000m/sであるから、共振周波数fを実用上必
要とされる2GHz帯以上とすると、電極指の幅wが
0.5μm以下という薄膜電極を用いる必要がある。こ
のような薄膜電極では、大電力で動作させた場合にエレ
クトロマイグレーション等により劣化し易く、その結
果、SAW共振器4の耐電力性が低下し、表面弾性波フ
ィルタの信頼性が低下してしまうことになる。また、こ
の表面弾性波フィルタをアンテナ共振器に適用しようと
した場合、耐電力性の点で難があり、実用化に至ってい
ない。
【0006】そこで、通信機器の周波数帯域(2GHz
帯で比帯域3%)の表面弾性波フィルタ、及び該表面弾
性波フィルタを適用したアンテナ共振器の耐電力性を向
上させるために、ダイヤモンド膜を用いた、SiO2
IDT/圧電体/金属膜/ダイヤモンド膜の構造や、S
iO2/金属膜/圧電体/IDT/ダイヤモンド膜の構
造の表面弾性波フィルタが提案されている。しかしなが
ら、これらの表面弾性波フィルタにおいては、耐電力性
は向上するものの、圧電体の膜厚及びSiO2の膜厚に
よって、共振周波数f及び共振周波数差Δf(=反共振
周波数f’−共振周波数f)が一義的に決定されてしま
うために、これら共振周波数f及び共振周波数差Δfの
値を制御することが難しいという問題点があった。した
がって、SAW共振器を設計する際の自由度が小さくな
り、その結果、表面弾性波フィルタの通過帯域及び阻止
帯域の減衰量を制御することが難しいという問題点が生
じることとなる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、耐電力性が向上した上に、共振周波数f及び共
振周波数差Δfが任意の値に制御可能であり、SAW共
振器を設計する際の自由度が大きく、その結果、表面弾
性波フィルタとして用いた場合の通過帯域及び阻止帯域
の減衰量を制御することが容易な表面弾性波素子を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な表面弾性波素子を採用した。すな
わち、本発明の表面弾性波素子は、基板上に、硬質層及
び圧電体層が積層され、該圧電体層上に一対の櫛型電極
が対向配置され、これら圧電体層及び一対の櫛型電極上
に二酸化珪素層が形成された表面弾性波素子において、
励振される表面弾性波の波長をλとした場合の前記圧電
体層の規格化膜厚(2π/λ×HZn O)を0.5を超え
かつ1.3以下とし、前記二酸化珪素層の規格化膜厚
(2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下とした
ことを特徴とする。
【0009】本発明の表面弾性波素子では、励振される
表面弾性波の波長をλとした場合の前記圧電体層の規格
化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超えかつ1.3
以下とし、前記二酸化珪素層の規格化膜厚(2π/λ×
SiO2)を0を超えかつ1.0以下としたことにより、
前記圧電体層における電界の集中度が高まり、通信機器
の周波数帯域に適合した表面弾性波を効果的に励振させ
ることが可能になる。これにより、電極指の幅を狭くせ
ずとも通信機器の周波数帯域に適合した表面弾性波を効
果的に発生させることが可能になり、耐電力性が向上
し、素子としての信頼性が高まる。
【0010】本発明の表面弾性波素子では、前記圧電体
層及び前記二酸化珪素層それぞれの規格化膜厚を、励振
される前記表面弾性波の0次モードの伝播速度と1次モ
ードの伝播速度が一致するように設定してもよい。この
様な構成とすることにより、伝播損失が小さくかつ通信
機器の周波数帯域により適合した表面弾性波を効果的に
発生させることが可能になる。また、前記硬質層と前記
圧電体層との間に金属層を設けた構成としてもよい。
【0011】本発明の他の表面弾性波素子は、基板上に
硬質層が形成され、該硬質層上に一対の櫛型電極が対向
配置され、これら硬質層及び一対の櫛型電極上に圧電体
層及び二酸化珪素層が積層された表面弾性波素子におい
て、励振される表面弾性波の波長をλとした場合の前記
圧電体層の規格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を
超えかつ1.3以下とし、前記二酸化珪素層の規格化膜
厚(2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下とし
たことを特徴とする。
【0012】本発明の他の表面弾性波素子では、励振さ
れる表面弾性波の波長をλとした場合の前記圧電体層の
規格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超えかつ
1.3以下とし、前記二酸化珪素層の規格化膜厚(2π
/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下としたことに
より、前記圧電体層における電界の集中度が高まり、通
信機器の周波数帯域に適合した表面弾性波を効果的に励
振させることが可能になる。これにより、電極指の幅w
を狭くせずとも通信機器の周波数帯域に適合した表面弾
性波を効果的に発生させることが可能になり、耐電力性
が向上し、素子としての信頼性が高まる。
【0013】本発明の他の表面弾性波素子では、前記圧
電体層及び前記二酸化珪素層それぞれの規格化膜厚を、
励振される前記表面弾性波の0次モードの伝播速度と1
次モードの伝播速度が一致するように設定してもよい。
この様な構成とすることにより、この表面弾性波素子に
おいても、伝播損失が小さくかつ通信機器の周波数帯域
により適合した表面弾性波を効果的に発生させることが
可能になる。また、前記圧電体層と前記二酸化珪素層と
の間に金属層を設けた構成としてもよい。
【0014】また、本発明の各表面弾性波素子では、前
記硬質層と前記圧電体層との間または前記圧電体層と前
記二酸化珪素層との間に設けられた金属層を、白金(P
t)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、
ニッケル(Ni)のいずれか一種、または、少なくとも
これらのうち1種以上を含む合金としてもよい。前記金
属層は、チタン(Ti)またはクロム(Cr)からなる
下地層を有するとしてもよい。
【0015】前記圧電体層は、酸化亜鉛(ZnO)、窒
化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiN
bO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ
酸カリウム(KNbO3)のいずれか1種としてもよ
い。前記硬質層は、ダイヤモンド層、ダイヤモンド状の
炭素層のいずれかとしてもよい。前記一対の櫛型電極の
両側に反射器を設けた構成としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面弾性波素子の
各実施形態について図面に基づき説明する。なお、以下
に示す各実施形態の表面弾性波素子は本発明の表面弾性
波素子の一例を示すものであり、本発明は下記の各実施
形態のみに限定されるものではない。
【0017】[第1の実施形態]以下、本発明の第1の
実施形態の表面弾性波素子について図面に基づき説明す
る。図1は、本実施形態の表面弾性波素子の1種である
1端子対の表面弾性波(SAW)フィルタを示す平面
図、図2は図1のA−A線に沿う断面図であり、このS
AWフィルタは、シリコン(Si)基板11の表面にダ
イヤモンド層(硬質層)12が形成され、このダイヤモ
ンド層12上に、Pt、Au、Ag、Pd、Niのいず
れか一種からなる金属層13が形成され、この金属層1
3上に圧電体層となる酸化亜鉛(ZnO)層14が形成
されている。
【0018】このZnO層14上に、電気信号と表面弾
性波(SAW)との間の変換器として機能するPt、P
t−Rh等からなる一対の櫛型電極(IDT)15、1
6が互いに対向するように形成されてSAW共振器17
とされている。このSAW共振器17の両側には、励起
された表面弾性波を多重反射させて定在波を生じさせる
グレーティング反射器21、22が形成されている。そ
して、SAW共振器17、グレーティング反射器21、
22を覆うように二酸化珪素(SiO2)層23が形成
されている。
【0019】ここでは、励振される表面弾性波の波長を
λとした場合、ZnO層14の規格化膜厚(2π/λ×
ZnO)は0.5を超えかつ1.3以下、SiO2層23
の規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)は0を超えかつ1.
0以下とされている。
【0020】前記ダイヤモンド層12を、ダイヤモンド
状の炭素層と置き換えてもよい。また、ZnO層14
を、AlN層、LiNbO3層、LiTaO3層、KNb
3層のいずれかと置き換えてもよい。さらに、Si基
板11をサファイア基板と置き換えてもよい。
【0021】このSAWフィルタでは、Si基板11の
表面にダイヤモンド層12を形成したことにより、ダイ
ヤモンド層12を形成しない場合と比べて表面を伝播す
る表面弾性波の音速vが速くなり、共振周波数fが高く
なる。したがって、共振周波数fが高くなる分、使用す
る周波数帯域が高周波数側に広がり、2GHz以上の高
周波帯域で安定して使用することが可能である。
【0022】また、励振される表面弾性波の波長をλと
した場合における、ZnO層14の規格化膜厚(2π/
λ×HZnO)を0.5を超えかつ1.3以下、SiO2
23の規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ
1.0以下としたので、圧電体層であるZnO層14に
おける電界の集中度が高まることとなり、励振される表
面弾性波の波数帯域を通信機器の周波数帯域(2GHz
帯)にシフトさせることができる。したがって、通信機
器の周波数帯域(2GHz帯)に適合した表面弾性波を
効果的に励振させることが可能である。
【0023】次に、本実施形態のSAWフィルタの製造
方法について、図2に基づき説明する。まず、Si基板
11の表面に、減圧CVD(Chemical Vapor Depositio
n)法等を用いてダイヤモンド層12を形成する。次い
で、このダイヤモンド層12上に金属層13を形成す
る。この金属層13は、Pt、Au、Ag、Pd、Ni
のいずれか一種をスパッタリング、あるいは蒸着するこ
とで形成される。次いで、この金属層13上に、反応性
スパッタ法等を用いて圧電体層となるZnO層14を形
成する。
【0024】ここでは、圧電体としてZnOを選択した
が、ZnOの替りに、AlN、LiNbO3、LiTa
3、KNbO3のいずれかを選択しても圧電体層を得る
ことが可能である。なお、AlN層、LiNbO3層、
LiTaO3層、KNbO3層等を形成する場合には、反
応性スパッタ法あるいはCVD法等を適宜選択すること
で所望の材料の圧電体層を得ることができる。
【0025】次いで、縮小投影露光法あるいは電子ビー
ム露光法等を用い、このZnO層14上に、一対のID
T15、16、グレーティング反射器21、22を一括
形成する。ここで、IDT15、16やグレーティング
反射器21、22の線幅を調整する必要が生じた場合等
においては、IDT15、16やグレーティング反射器
21、22各々にトリミング等を行うことにより、線幅
を調整することが可能である。
【0026】図3は、SAWフィルタのSiO2層23
の規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)と共振周波数差Δf
(%)との関係を示す図である。この図では、本実施形
態の規格内及び規格外のZnO層14の規格化膜厚(2
π/λ×HZnO)(図では、0.5〜1.5の7種類)
それぞれについてプロットしている。この図によれば、
ZnO層14の規格化膜厚の範囲、SiO2層23の規
格化膜厚の範囲を共に満足する場合、共振周波数差Δf
は常に1.0%以上となり、良好な励振特性を呈するこ
とが分かる。また、ZnO層14の規格化膜厚の範囲、
SiO2層23の規格化膜厚の範囲のいずれか一方、ま
たは双方を満足しない場合には、共振周波数差Δfは常
に1.0%を下回っており、励振特性が低下しているこ
とが分かる。
【0027】ここで、ZnO層14の規格化膜厚(2π
/λ×HZnO)及びSiO2層23の規格化膜厚(2π/
λ×HSiO2)を限定した理由を、図3に基づき説明す
る。一般に、SAWフィルタにおいては、良好な励振特
性を得るためには、通常、共振周波数差Δfが1.0%
以上必要とされている。そこで、図3から、共振周波数
差Δfが1.0%以上の範囲となるZnO層14の規格
化膜厚(2π/λ×HZnO)及びSiO2層23の規格化
膜厚(2π/λ×HSiO2)を次の様に数値限定した。
【0028】(1)SiO2層23については、共振周
波数差Δfが1.0%以上の規格化膜厚(2π/λ×H
SiO2)の範囲は、1.0以下である。そこで、SiO2
層23の規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)を0を超えか
つ1.0以下とした。
【0029】(2)ZnO層14については、規格化膜
厚(2π/λ×HZnO)が0.5では、SiO2層23の
規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)がいずれの場合におい
ても、共振周波数差Δfが1.0%以下である。また、
規格化膜厚(2π/λ×HZn O)が0.6では、SiO2
層23の規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)が特定の値の
場合に共振周波数差Δfが1.0%以上になる。そこ
で、ZnO層14の規格化膜厚(2π/λ×HZnO)の
下限値を、0.6を含みかつ0.5を含まない値、すな
わち、0.5を超えるものとした。
【0030】また、規格化膜厚(2π/λ×HZnO)が
1.3では、SiO2層23の規格化膜厚(2π/λ×
SiO2)が特定の値の場合に共振周波数差Δfが1.0
%以上になる。また、規格化膜厚(2π/λ×HZnO
が1.3を超えかつ1.5以下の範囲では、厚くなるに
したがって成膜が難しくなる。そこで、ZnO層14の
規格化膜厚(2π/λ×HZnO)の上限値を1.0以下
とした。
【0031】以上説明した様に、本実施形態のSAWフ
ィルタによれば、励振される表面弾性波の波長をλとし
た場合のZnO層14の規格化膜厚(2π/λ×
ZnO)を0.5を超えかつ1.3以下、SiO2層23
の規格化膜厚(2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.
0以下としたので、圧電体層であるZnO層14におけ
る電界の集中度を高め、励振される表面弾性波の波数帯
域を通信機器の周波数帯域(2GHz帯)にシフトさせ
ることができる。したがって、通信機器の周波数帯域
(2GHz帯)に適合した表面弾性波を効果的に励振さ
せることができる。
【0032】また、Si基板11の表面にダイヤモンド
層12を形成したので、表面を伝播する表面弾性波の音
速vを速くさせることができ、共振周波数fを高くする
ことができ、使用する周波数帯域を2GHz以上の高周
波数側にシフトさせることができる。したがって、2G
Hz以上の高周波帯域で安定して使用することができ
る。
【0033】[第2の実施形態]図4は、本発明の第2
の実施形態の1端子対の表面弾性波(SAW)フィルタ
を示す断面図であり、このSAWフィルタが、上述した
第1の実施形態のSAWフィルタと異なる点は、第1の
実施形態のSAWフィルタでは、ダイヤモンド層12上
に、金属層13、ZnO層14を順次積層し、このZn
O層14上にSAW共振器17及びグレーティング反射
器21、22を形成し、これらSAW共振器17、グレ
ーティング反射器21、22を覆うようにSiO2層2
3を形成したのに対し、本実施形態のSAWフィルタで
は、ダイヤモンド層12上に、SAW共振器17及びグ
レーティング反射器21、22を形成し、これらSAW
共振器17、グレーティング反射器21、22を覆うよ
うに、ZnO層14、金属層13及びSiO2層23を
積層した点である。
【0034】このSAWフィルタにおいても、励振され
る表面弾性波の波長をλとした場合のZnO層14の規
格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超えかつ1.
3以下、SiO2層23の規格化膜厚(2π/λ×H
SiO2)を0を超えかつ1.0以下としたので、上述した
第1の実施形態のSAWフィルタと全く同様の作用・効
果を奏することができる。しかも、ダイヤモンド層12
上に直接、SAW共振器17及びグレーティング反射器
21、22を形成したものであるから、励振される表面
弾性波の音速vをさらに速くさせることができ、共振周
波数fをさらに高くすることができ、使用する周波数帯
域を2GHz以上の高周波数側に効果的にシフトさせる
ことができる。したがって、2GHz以上の高周波帯域
における安定性がさらに向上する。
【0035】以上、本発明の表面弾性波素子の各実施形
態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成
は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。例え
ば、第1及び第2の実施形態のSAWフィルタでは、ダ
イヤモンド層12とZnO層14との間、あるいはZn
O層14とSiO2層23との間に金属層13を形成し
たが、この金属層13をSiO2層23上に形成した構
成としても、同様の作用・効果を得ることができる。
【0036】また、金属層13を、Pt、Au、Ag、
Pd、Niのいずれか一種としたが、これらの金属のう
ち1種以上を含む合金としてもよい。また、この金属層
13の下に、TiまたはCrからなる下地層を形成して
もよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の表面弾性波
素子によれば、基板上に、硬質層及び圧電体層が積層さ
れ、該圧電体層上に一対の櫛型電極が対向配置され、こ
れら圧電体層及び一対の櫛型電極上に二酸化珪素層が形
成され、励振される表面弾性波の波長をλとした場合の
前記圧電体層の規格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.
5を超えかつ1.3以下、前記二酸化珪素層の規格化膜
厚(2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下とし
たので、圧電体層における電界の集中度を高めることが
でき、通信機器の周波数帯域(2GHz帯で比帯域3
%)に適合した表面弾性波を効果的に励振させることが
できる。したがって、電極指の幅を狭くせずとも通信機
器の周波数帯域に適合した表面弾性波を効果的に発生さ
せることができ、耐電力性を向上させることができ、素
子としての信頼性を高めることができる。
【0038】本発明の他の表面弾性波素子によれば、基
板上に硬質層が形成され、該硬質層上に一対の櫛型電極
が対向配置され、これら硬質層及び一対の櫛型電極上に
圧電体層及び二酸化珪素層が積層され、励振される表面
弾性波の波長をλとした場合の前記圧電体層の規格化膜
厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超えかつ1.3以
下、前記二酸化珪素層の規格化膜厚(2π/λ×
SiO2)を0を超えかつ1.0以下としたので、圧電体
層における電界の集中度を高めることができ、通信機器
の周波数帯域(2GHz帯で比帯域3%)に適合した表
面弾性波を効果的に励振させることができる。したがっ
て、電極指の幅を狭くせずとも通信機器の周波数帯域に
適合した表面弾性波を効果的に発生させることができ、
耐電力性を向上させることができ、素子としての信頼性
を高めることができる。
【0039】また、硬質層上に直接、硬質層及び一対の
櫛型電極を形成したので、励振される表面弾性波の音速
をさらに速くさせることができ、共振周波数fをさらに
高くすることができ、使用する周波数帯域を2GHz以
上の高周波数側に効果的にシフトさせることができる。
したがって、2GHz以上の高周波帯域における安定性
をさらに向上させることができる。
【0040】また、硬質層をダイヤモンド層またはダイ
ヤモンド状の炭素層とすれば、この硬質層の表面を伝播
する表面弾性波の音速を速くし、共振周波数fを高くす
ることができる。したがって、使用する周波数帯域を高
周波数側にシフトすることができ、その結果、2GHz
以上の高周波帯域でしかも低損失で使用することができ
る。
【0041】また、一対の櫛型電極の両側に反射器を設
けた構成とすれば、伝播する表面弾性波のエネルギーを
前記反射器により共振器内に効果的に閉じ込めることが
でき、表面弾性波素子の低損失化を図ることができる。
【0042】以上により、耐電力性が向上した上に、共
振周波数f及び共振周波数差Δfを任意の値に制御する
ことができ、SAW共振器を設計する際の自由度が大き
く、その結果、表面弾性波フィルタとして用いた場合の
通過帯域及び阻止帯域の減衰量を制御することが容易、
等の特徴を備えた表面弾性波素子を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のSAWフィルタを
示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 ZnO層の規格化膜厚(2π/λ×HZnO
を様々に変えた場合のSiO2層の規格化膜厚(2π/
λ×HSiO2)と共振周波数差Δf(%)との関係を示す
図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態のSAWフィルタを
示す断面図である。
【図5】 従来のSAWフィルタを示す平面図である。
【符号の説明】
1 圧電体単結晶基板 2、3 櫛型電極(IDT) 4 SAW共振器 5、6 グレーティング反射器 11 シリコン(Si)基板 12 ダイヤモンド層 13 金属層 14 酸化亜鉛(ZnO)層 15、16 櫛型電極(IDT) 17 SAW共振器 21、22 グレーティング反射器 23 二酸化珪素(SiO2)層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和賀 聡 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA13 AA26 BB11 EE08 EE10 FF02 FF05 FF08 KK09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、硬質層及び圧電体層が積層さ
    れ、該圧電体層上に一対の櫛型電極が対向配置され、こ
    れら圧電体層及び一対の櫛型電極上に二酸化珪素層が形
    成された表面弾性波素子において、 励振される表面弾性波の波長をλとした場合の前記圧電
    体層の規格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超え
    かつ1.3以下とし、前記二酸化珪素層の規格化膜厚
    (2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下とした
    ことを特徴とする表面弾性波素子。
  2. 【請求項2】 前記圧電体層及び前記二酸化珪素層それ
    ぞれの規格化膜厚は、励振される前記表面弾性波の0次
    モードの伝播速度と1次モードの伝播速度が一致するよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項1記載の表
    面弾性波素子。
  3. 【請求項3】 前記硬質層と前記圧電体層との間に金属
    層を設けてなることを特徴とする請求項1または2記載
    の表面弾性波素子。
  4. 【請求項4】 基板上に硬質層が形成され、該硬質層上
    に一対の櫛型電極が対向配置され、これら硬質層及び一
    対の櫛型電極上に圧電体層及び二酸化珪素層が積層され
    た表面弾性波素子において、 励振される表面弾性波の波長をλとした場合の前記圧電
    体層の規格化膜厚(2π/λ×HZnO)を0.5を超え
    かつ1.3以下とし、前記二酸化珪素層の規格化膜厚
    (2π/λ×HSiO2)を0を超えかつ1.0以下とした
    ことを特徴とする表面弾性波素子。
  5. 【請求項5】 前記圧電体層及び前記二酸化珪素層それ
    ぞれの規格化膜厚は、励振される前記表面弾性波の0次
    モードの伝播速度と1次モードの伝播速度が一致するよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項4記載の表
    面弾性波素子。
  6. 【請求項6】 前記圧電体層と前記二酸化珪素層との間
    に金属層を設けてなることを特徴とする請求項4または
    5記載の表面弾性波素子。
  7. 【請求項7】 前記金属層は、白金、金、銀、パラジウ
    ム、ニッケルのいずれか一種、または、少なくともこれ
    らのうち1種以上を含む合金からなることを特徴とする
    請求項3または6記載の表面弾性波素子。
  8. 【請求項8】 前記金属層は、チタンまたはクロムから
    なる下地層を有することを特徴とする請求項7記載の表
    面弾性波素子。
  9. 【請求項9】 前記圧電体層は、酸化亜鉛、窒化アルミ
    ニウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオ
    ブ酸カリウムのいずれか1種からなることを特徴とする
    請求項1ないし8のいずれか1項記載の表面弾性波素
    子。
  10. 【請求項10】 前記硬質層は、ダイヤモンド層または
    ダイヤモンド状の炭素層からなることを特徴とする請求
    項1ないし9のいずれか1項記載の表面弾性波素子。
  11. 【請求項11】 前記一対の櫛型電極の両側に反射器を
    設けたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか
    1項記載の表面弾性波素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004282231A (ja) * 2003-03-13 2004-10-07 Seiko Epson Corp 弾性表面波デバイス及びその製造方法
KR100568302B1 (ko) 2004-05-17 2006-04-05 삼성전기주식회사 Saw 소자의 제조방법
CN111727565A (zh) * 2018-02-26 2020-09-29 京瓷株式会社 弹性波元件

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