JP2002261388A - 面発光型半導体レーザ素子チップおよび光通信システム - Google Patents

面発光型半導体レーザ素子チップおよび光通信システム

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JP2002261388A
JP2002261388A JP2001053192A JP2001053192A JP2002261388A JP 2002261388 A JP2002261388 A JP 2002261388A JP 2001053192 A JP2001053192 A JP 2001053192A JP 2001053192 A JP2001053192 A JP 2001053192A JP 2002261388 A JP2002261388 A JP 2002261388A
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semiconductor laser
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Atsuyuki Watada
篤行 和多田
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
Akira Sakurai
彰 桜井
Masayoshi Kato
正良 加藤
Teruyuki Furuta
輝幸 古田
Kazuya Miyagaki
一也 宮垣
Takeshi Kanai
健 金井
Shunichi Sato
俊一 佐藤
Yukie Suzuki
幸栄 鈴木
Satoru Sugawara
悟 菅原
Shinji Sato
新治 佐藤
Shuichi Hikiji
秀一 曳地
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作電圧、発振閾値電流等を低くできる面発
光型半導体レーザ素子チップに関し、低コストな光ファ
イバと組み合わせたモジュール提供を可能とする光通信
用半導体レーザ素子チップを提供する。 【解決手段】 上下反射鏡の外側に光を発生する活性層
に電流を供給するための導電性膜による電極を設け、少
なくとも一方に光を取り出すための窓を設け、活性層に
電流が流れる領域を限定するための電流狭窄構造を有す
る面発光型レーザーチップであって、活性層中で電流狭
窄構造により限定された電流が流れる領域を発光領域と
したとき、この発光領域の外形の大きさを発振波長の7
倍以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信などに用いら
れる半導体レーザならびにその光通信システムに関する
ものであり、中でも半導体レーザとして製作に使用する
半導体基板面に対して垂直方向に光を発するいわゆる面
発光レーザを用い複数のレーザ素子を形成して、大容量
の通信を可能にした光通信システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】面発光半導体レーザは、基板の表面から
垂直方向にレーザ光を放射するので2次元並列集積が可
能であり、更に、その出力光の広がり角が比較的狭い
(10度前後)ので光ファイバとの結合が容易であるほ
か、素子の検査が容易であるという特徴を有している。
そのため、特に、並列伝送型の光送信モジュール(光イ
ンタコネクション装置)を構成するのに適した素子とし
て開発が盛んに行なわれている。光インタコネクション
装置の当面の応用対象は、コンピュータ等の筐体間やボ
ード間の並列接続のほか、短距離の光ファイバー通信で
あるが、将来の期待される応用として大規模なコンピュ
ータ・ネットワークや長距離大容量通信の幹線系があ
る。
【0003】一般に、面発光半導体レーザは、GaAs
又はGaInAs からなる活性層と、当該活性層を上下に
挟んで配置された上部の半導体分布ブラッグ反射鏡と基
板側の下部の半導体分布ブラッグ反射鏡からなる光共振
器をもって構成するのが普通であるが、端面発光型半導
体レーザの場合に比較して光共振器の長さが著しく短い
ため、反射鏡の反射率を極めて高い値(99%以上)に設
定することによってレーザ発振を起こし易くする必要が
ある。このため、通常は、AlAs からなる低屈折率材
料とGaAs からなる高屈折率材料を1/4波長の周期
で交互に積層することによって形成した半導体分布ブラ
ッグ反射鏡が使用されている。
【0004】ところで上記のように、光通信に使用され
るようなレーザ波長が1.1μm以上の長波長帯レー
ザ、例えばレーザ波長が1.3μm帯や1.55μm帯
であるような長波長帯レーザは、製作基板にInPが用
いられ、活性層にInGaAsPが用いられるが、基板の
InPの格子定数が大きく、これに整合する反射鏡材料
では屈折率差が大きく取れず、従って積層数を40対以
上とする必要がある。またInP基板上に形成される半
導体レーザには、別の問題として、温度によって特性が
大きく変化する点がある。そのため、温度を一定にする
装置を付加して使用する必要があり、民生用等一般用に
供することが困難であり、このような積層数と温度特性
の問題から、実用的な長波長帯面発光半導体は、未だ実
用化されるに至っていない。
【0005】このような問題を解決するためになされた
発明として、特開平9−237942号公報に開示され
たものが知られている。それによると、製作基板として
GaAs 基板を用い、基板側の下部上部のうち少なくと
も一方の半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層に同基
板と格子整合が取れるAlInPからなる半導体層を用
い、さらに、下部上部のうち少なくとも一方の半導体分
布ブラッグ反射鏡の高屈折率層にGaInNAs からなる
半導体層を用い、従来よりも大きい屈折率差を得るよう
にし、少ない積層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反
射鏡を実現しようというものである。
【0006】また、GaInNAs を活性層の材料として
使用している。これは、N組成を増加させることによっ
てバンドギャップ(禁制帯幅)を1.4eVから0eV
へ向かって低下させることができるので、0.85μm
よりも長い波長を発光する材料として用いることが可能
となるからである。しかもGaAs 基板と格子整合が可
能なので、GaInNAs からなる半導体層は、1.3μ
m帯及び1.55μm帯の長波長帯面発光半導体レーザ
のための材料として好ましい点についても言及してい
る。
【0007】しかしながら、従来は0.85μmよりも
長い波長帯の面発光半導体レーザ実現の可能性を示唆す
るにとどまっているだけであり、実際にはそのようなも
のは実現していない。これは基本的な構成は理論的には
ほぼ決まってはいるものの実際に安定したレーザ発光が
得られるようにするためのより具体的な構成がまだ不明
だからである。
【0008】一例を挙げると、上記のようにAlAs か
らなる低屈折率材料とGaAs からなる高屈折率材料を
1/4波長の周期で交互に積層することによって形成し
た半導体分布ブラッグ反射鏡を使用したものや、あるい
は特開平9−237942号公報に開示されたもののよ
うに、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層に同基板
と格子整合が取れるAlInPからなる半導体層を用いた
ものにおいては、レーザ素子が全く発光しなかったり、
あるいは、発光してもその発光効率が低く、実用レベル
には程遠いものであった。これは、Alを含んだ材料が
化学的に非常に活性であり、Alに起因する結晶欠陥が
生じ易いためである。これを解決するためには、特開平
8−340146号公報や特開平7−307525号公
報に開示された発明のようにAlを含まないGaInNP
とGaAsとから半導体分布ブラッグ反射鏡を構成する提
案がある。しかしながらGaInNPとGaAs との屈折
率差はAlAsとGaAsとの屈折率差に比べて約半分であ
り、反射鏡の積層数を非常に多くなり製作が困難とな
る。
【0009】すなわち現状では、コンピュータ・ネット
ワークなどで光ファイバー通信が期待されているが、そ
れに使用できるレーザ波長が1.1μm〜1.7μmの
長波長帯面発光半導体レーザおよびそれを用いた通信シ
ステムが存在せず、その出現が切望されている。又、半
導体レーザと光ファイバーを結合させる場合に、それぞ
れの間に位置ずれが発生すると半導体レーザの光出力に
対する光ファイバーへの入射光量の比率である結合効率
が低下してします。これまではこの結合効率を低下させ
ない為には、厳密な位置調整を行なっていたが、その為
製造コストがかかり、これらを組み合わせたレーザモジ
ュールは高価なものとなっていた。特に、長距離通信に
適したシングルモードファイバーを使用した場合には、
より高い精度での位置調整を要求されている。また、複
数のレーザを1次元或いは2次元に配列してアレイ化し、
複数のファイバーと組み合わせて使用する、多チャンネ
ル・モジュールにおいては個々のチップ独立に調整する
ことは現実的には不可能である為、更に高い位置精度が
要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような光
通信などに用いられるレーザ発振波長が1.1μm〜
1.7μmの長波長帯面発光半導体レーザならびにその
光通信システムに関するものであり、その第1の目的
は、動作電圧、発振閾値電流等を低くできる面発光型半
導体レーザ素子チップに関して、低コストな光ファイバ
ーと組み合わせたモジュール提供を可能とする光通信用
半導体レーザ素子チップを提案することにある。
【0011】また第2の目的は、第1の目的に加え、更
に発振閾値電流を低くできる光通信用半導体レーザ素子
チップを提案することにある。
【0012】さらに第3の目的は第2の目的と同じであ
る。
【0013】また第4の目的は第2の目的に加え長寿命
の光通信用半導体レーザ素子チップを提案することにあ
る。
【0014】さらに第5の目的は、このような低消費電
力で駆動でき、かつ安定して使用できる半導体レーザ素
子チップを提案することにある。
【0015】また第6の目的は、このような低消費電力
で駆動でき、かつ安定して使用できる半導体レーザ素子
チップ用いた光通信システムを提案することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために第1に、発振波長が1.1μm〜1.7μm
であり、光を発生する活性層を、主たる元素がGa、I
n、N、Asからなる層、もしくはGa、In、Asよ
りなる層とし、レーザ光を得るために前記活性層の上部
及び下部に設けられた反射鏡を含んだ共振器構造を有す
る面発光型半導体レーザ素子チップであって、前記反射
鏡はそれを構成する材料層の屈折率が小/大と周期的に
変化し入射光を光波干渉によって反射する半導体分布ブ
ラッグ反射鏡であるとともに、前記屈折率が小の材料層
はAlxGa1−xAs(0<x≦1)とし、前記屈折
率が大の材料層はAlyGa1−yAs(0≦y<x≦
1)とした反射鏡であり、かつ前記屈折率が小と大の材
料層の間に該屈折率が小と大の間の値をとる材料層Al
zGa1−zAs(0≦y<z<x≦1)を設けてあ
り、前記上下反射鏡の外側には、光を発生する活性層に
電流を供給する為の導電性膜による電極があり、少なく
ともその一方には光を取り出す為の窓が存在し、かつ、
活性層に電流が流れる領域を限定する為の電流狭窄構造
を有する面発光型半導体レーザ素子チップにおいて、活
性層中で電流狭窄構造により限定された電流が流れる領
域を発光領域とした時、この発光領域の外形の大きさを
発振波長の7倍以上にした。
【0017】また第2に、前記第1の面発光型半導体レ
ーザ素子チップにおいて、光を取り出す側の電極層と活
性層との間隔が、発振波長の4倍以下とした。
【0018】さらに第3に、前記第1の面発光型半導体
レーザ素子チップにおいて、電流狭窄構造により発光領
域の外形を限定するとともに、発光領域の内側にも電流
が流れない領域を設けた。
【0019】また第4に、前記第1の面発光型半導体レ
ーザ素子チップにおいて、電流狭窄構造により発光領域
の外形を限定するとともに、発光領域の内側にも電流が
流れない領域を設け、発光領域を複数に分割した。
【0020】さらに第5に、前記第1〜第4の面発光型
半導体レーザ素子チップにおいて、活性層と光を採り出
す側とは反対側の反射鏡の間にGaInPもしくはGa
InPAsよりなる非発光再結合防止層を設けた。
【0021】また第6に、上記第1〜第5の面発光型半
導体レーザ素子チップと、該面発光型半導体レーザ素子
チップの発光面にレーザ光を受光するように配置された
光導波部材と、該光導波部材と光学的にカップリングさ
れ光を伝送するための光ファイバーとよりなる光通信シ
ステムとした。
【0022】
【発明の実施の形態】最初に本発明の光通信システムに
適用される発光素子である伝送ロスの少ないレーザ発振
波長が1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発光半導体
レーザの1例について図1を用いて説明する。前述のよ
うに、従来は本発明が適用しようとしているレーザ発振
波長が1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発光半導体
レーザに関しては、その可能性の示唆があるのみで、実
現のための材料、ならびにより具体的、詳細な構成は不
明であった。本発明では、活性層としてGaInNAs等
の材料を使用し、さらに具体的な構成を明確にした。以
下にそれを詳述する。
【0023】本発明では、面方位(100)のn−Ga
As基板上に、それぞれの媒質内における発振波長λの
1/4倍の厚さ(λ/4の厚さ)でn−AlxGa1-x
s(x=1.0)(低屈折率層〜屈折率小の層)とn−
AlyGa1-yAs(y=0)(高屈折率層〜屈折率大の
層)を交互に35周期積層したn−半導体分布ブラッグ
反射鏡(AlAs/GaAs下部半導体分布ブラッグ反射鏡)を
形成し、その上にλ/4の厚さのn−GaxIn1-xy
As1-y(x=0.5、y=1)層を積層した。この例
ではn−GaxIn1-xyAs1-y(x=0.5、y=
1)層も下部反射鏡の一部であり低屈折率層(屈折率小
の層)となっている。そしてその上にアンドープ下部G
aAsスペーサ層と、3層のGaxIn1-xAs量子井戸
層である活性層(量子井戸活性層)とGaAsバリア層
(20nm)からなる多重量子井戸活性層と、アンドー
プ上部GaAsスペーサ層とが積層されて、媒質内にお
ける発振波長λの1波長分の厚さ(λの厚さ)の共振器
を形成している。
【0024】さらにその上に、C(炭素)ドープのp−
GaxIn1-xyAs1-y(x=0.5、y=1)層とZ
nドープp−AlxGa1-xAs(x=0)をそれぞれの
媒質内における発振波長λの1/4倍の厚さで交互に積
層した周期構造(1周期)を積層し、その上にCドープ
のp−AlxGa1-xAs(x=0.9)とZnドープp
−AlxGa1-xAs(x=0)をそれぞれの媒質内にお
ける発振波長λの1/4倍の厚さで交互に積層した周期
構造(25周期)とからなる半導体分布ブラッグ反射鏡
(Al0.9Ga0.1As/GaAs上部半導体分布ブラッグ反射鏡)
を形成している。この例ではp−GaxIn1-xyAs
1-y(x=0.5、y=1)層も上部反射鏡の一部であ
り、低屈折率層(屈折率小の層)となっている。
【0025】なおここで、上部/下部反射鏡ともそれぞ
れ低屈折率層(屈折率小の層)/高屈折率層(屈折率大
の層)を交互に積層して形成するが、本発明ではこれら
の間に、屈折率が小と大の間の値をとる材料層Alz
1-zAs(0≦y<z<x≦1)を設けている。図2
は、低屈折率層(屈折率小の層)と高屈折率層(屈折率
大の層)の間に、屈折率が小と大の間の値をとる材料層
AlzGa1−zAs(0≦y<z<x≦1)を設けた
半導体分布ブラッグ反射鏡の一部を示したものである
(図1では図が複雑になるので図示することを省略して
いる)。
【0026】従来レーザ波長が0.85μm帯の半導体
レーザに関して、このような材料層を設けることも検討
はされているが、まだ検討段階であり、その材料、ある
いはその厚さなどまで詳細には検討されていない。また
本発明のようなレーザ発振波長が1.1μm〜1.7μ
mの長波長帯面発光半導体レーザに関しては全く検討さ
れていない。その理由はこの分野(レーザ発振波長が
1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発光半導体レー
ザ)が新しい分野であり、まだほとんど研究が進んでい
ないからである。本発明者はいち早くこの分野(レーザ
発振波長が1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発光半
導体レーザおよびそれを用いた光通信)の有用性に気付
き、それを実現するために鋭意検討を行った。
【0027】このような材料層は形成時にガス流量をコ
ントロールするなどして、そのAl組成を連続的もしく
は段階的に変えるようにしてその材料層の屈折率が連続
的もしくは段階的に変化するようにして形成する。
【0028】より具体的には、AlzGa1-zAs(0≦
y<z<x≦1)層のzの値を0から1.0まで変わる
ように、つまりGaAs〜AlGaAs〜AlAsとい
う具合にAlとGaの比率が徐々に変わるようにして形
成する。これは前述のように層形成時にガス流量をコン
トロールすることによって作成される。また、AlとG
aの比率が前述のように連続的に変わるようにして形成
しても良いし、段階的にその比率が変わるようにしても
同等の効果がある。
【0029】このような材料層を設ける理由は、半導体
分布ブラッグ反射鏡の持つ問題点の一つであるp−半導
体分布ブラッグ反射鏡の電気抵抗が高いという課題を解
決するためである。これは半導体分布ブラッグ反射鏡を
構成する2種類の半導体層の界面に生じるヘテロ障壁が
原因であるが、本発明のように低屈折率層と高屈折率層
の界面に一方の組成から他方の組成へ次第にAl組成が
変化するようにして、屈折率も変化させることによって
ヘテロ障壁の発生を抑制することが可能である。
【0030】またこのような屈折率が小と大の間の値を
とる材料層AlzGa1−zAs(0≦y<z<x≦
1)は本発明のようなレーザ発振波長が1.1μm〜
1.7μmの長波長帯面発光半導体レーザの場合、5n
m〜50nmの厚さとするのが良く、これより薄いと抵
抗が大となり電流が流れにくく、素子が発熱したり、駆
動エネルギーが高くなるという不具合がある。また厚い
と抵抗が小となり、素子の発熱や、駆動エネルギーの面
で有利になるが、今度は反射率がとれないという不具合
があり、前述のように最適の範囲(5nm〜50nmの
厚さ)を選ぶ必要がある。
【0031】なお、前述のように従来のレーザ波長が
0.85μm帯の半導体レーザに関してこのような材料
層を設けることも検討されているが、本発明のようなレ
ーザ発振波長が1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発
光半導体レーザの場合は、より効果的である。なぜな
ら、例えば同等の反射率(例えば99.5%以上)を得
るためには、0.85μm帯よりも1.1μm帯〜1.
7μm帯の場合、このような材料層を約2倍程度にする
ことができるので、半導体分布ブラッグ反射鏡の抵抗値
を低減させることができ、動作電圧、発振閾値電流等が
低くなり、レーザ素子の発熱防止ならびに安定発振、少
エネルギー駆動の面で有利となる。
【0032】つまり半導体分布ブラッグ反射鏡にこのよ
うな材料層を設けることは、本発明のようなレーザ発振
波長が1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発光半導体
レーザの場合に特に効果的な工夫といえる。なお効果的
な反射率を得るためのより詳細な検討結果の一例を挙げ
ると、例えば1.3μm帯面発光型レーザ素子では、A
xGa1-xAs(x=1.0)(低屈折率層〜屈折率小
の層)とAlyGa1-yAs(y=0)(高屈折率層〜屈
折率大の層)を20周期積層した場合においては、半導
体分布ブラッグ反射鏡の反射率が99.7%以下となる
AlzGa1-zAs(0≦y<z<x≦1)層の厚さは3
0nmである。また、反射率が99.5%以上となる波
長帯域は53nmであり、反射率を99.5%以上と設
計した場合、±2%の膜厚制御ができればよい。そこで
これと同等およびこれより薄い、10nm、20nm、
30nmのものを試作したところ、反射率を実用上問題
のない程度に保つことができ、半導体分布ブラッグ反射
鏡の抵抗値を低減させることができた1.3μm帯面発
光型レーザ素子を実現、レーザ発振に成功した。なお試
作したレーザ素子の他の構成は後述のとおりである。
【0033】なお多層膜反射鏡においては設計波長(膜
厚制御が完全にできたとして)を含んで反射率の高い帯
域がある。高反射率の帯域(反射率が狙いの波長に対し
て必要値以上である領域を含む)と呼ぶ。設計波長の反
射率が最も高く、波長が離れるにしたがってごくわずか
ずつ低下している領域である。これはある領域から急激
に低下する。そして狙いの波長に対して必要な反射率以
上となるように、本来、多層膜反射鏡の膜厚を原子層レ
ベルで完全に制御する必要がある。しかし実際には±1
%程度の膜厚誤差は生じるので狙いの波長と最も反射率
の高い波長はずれてしまう。例えば狙いの波長が1.3
μmの場合、膜厚制御が1%ずれたとき、最も反射率の
高い波長は13nmずれてしまう。よってこの高反射率
の帯域(ここでは反射率が狙いの波長に対して必要値以
上である領域)は広い方が望ましい。しかし中間層を厚
くするとこの帯域が狭くなる傾向にある。
【0034】このように本発明のようなレーザ発振波長
が1.1μm〜1.7μmの長波長帯面発光半導体レー
ザにおいて、このような半導体分布ブラッグ反射鏡の構
成を工夫、最適化することにより、反射率を高く維持し
たまま抵抗値を低減させることができるので、動作電
圧、発振閾値電流等を低くでき、レーザ素子の発熱防止
ならびに安定発振、少エネルギー駆動が可能となる。
【0035】再び図1に戻り、最上部の、p−Alx
1-xAs(x=0)層は、電極とコンタクトを取るた
めのコンタクト層(p−コンタクト層)としての役割も
持っている。
【0036】ここで、量子井戸活性層のIn組成xは3
9%(Ga0.61In0.39As)とした。また量子井戸活性層の
厚さは7nmとした。なお量子井戸活性層は、GaAs
基板に対して約2.8%の圧縮歪を有していた。
【0037】またこの面発光型半導体レーザ全体の成長
方法はMOCVD法で行った。この場合、格子緩和は見
られなかった。半導体レーザの各層を構成する原料に
は、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリ
メチルガリウム)、TMI(トリメチルインジウム)、
AsH3(アルシン)、PH3(フォスフィン)を用い
た。また、キャリアガスにはH2を用いた。図1に示し
た素子の活性層(量子井戸活性層)のように歪が大きい
場合は、非平衡となる低温成長が好ましい。ここでは、
GaInAs層(量子井戸活性層)は550℃で成長さ
せている。ここで使用したMOCVD法は過飽和度が高
く高歪活性層の結晶成長に適している。またMBE法の
ような高真空を必要とせず、原料ガスの供給流量や供給
時間を制御すれば良いので量産性にも優れている。
【0038】またこの例では、電流経路外の部分をプロ
トン(H+)照射によって絶縁層(高抵抗部)を作っ
て、電流狭さく部を形成した。
【0039】そしてこの例では、上部反射鏡の最上部の
層であり上部反射鏡一部となっているp−コンタクト層
上に光出射部を除いてp側電極を形成し、基板の裏面に
n側電極を形成した。
【0040】この例では、上下反射鏡に挟まれた、キャ
リアが注入され再結合する活性領域(本実施例では上部
及び下部スペーサ層と多重量子井戸活性層とからなる共
振器)において、活性領域内にはAlを含んだ材料(II
I族に占める割合が1%以上)を用いず、さらに、下部
及び上部反射鏡の低屈折率層の最も活性層に近い層をG
xIn1-xyAs1-y(0<x<1、0<y≦1)の非
発光再結合防止層としている。キャリアは、活性層に最
も近くワイドギャップである上部及び下部反射鏡の低屈
折率層間に閉じ込められるので、活性領域のみをAlを
含まない層(III族に占める割合が1%以下)で構成し
ても活性領域に接する反射鏡の低屈折率層(ワイドギャ
ップ層)にAlを含んだ構造としたのでは、キャリアが
注入され再結合する時、この界面で非発光再結合が生じ
発光効率は低下してしまう。よって活性領域はAlを含
まない層で構成することが望ましい。
【0041】またこのGaxIn1-xyAs1-y(0<x
<1、0<y≦1)層よりなる非発光再結合防止層は、
その格子定数がGaAs基板よりも小さく、引張り歪を
有している。エピタキシャル成長では下地の情報を反映
して成長するので基板表面に欠陥があると成長層へ這い
上がっていく。しかし歪層があるとそのような欠陥の這
い上がりが抑えられ効果があることが知られている。
【0042】上記欠陥が活性層に達すると発光効率を低
減させてしまう。また、歪を有する活性層では臨界膜厚
が低減し必要な厚さの層を成長できないなどの問題が生
じる。特に活性層の圧縮歪量が例えば2%以上と大きい
場合や、歪層の厚さ臨界膜厚より厚く成長する場合、低
温成長などの非平衡成長を行っても欠陥の存在で成長で
きないなど、特に問題となる。歪層があるとそのような
欠陥の這い上がりが抑えられるので、発光効率を改善し
たり、活性層の圧縮歪量が例えば2%以上の層を成長で
きたり、歪層の厚さを臨界膜厚より厚く成長することが
可能となる。
【0043】このGaxIn1-xyAs1-y(0<x<
1、0<y≦1)層は活性領域に接しており活性領域に
キャリアを閉じ込める役割も持っているが、GaxIn
1-xyAs1-y(0<x<1、0<y≦1)層は格子定
数が小さくなるほどバンドギャップエネルギーを大きく
取り得る。例えばGaxIn1-xP(y=1の場合)の場
合、xが大きくなりGaPに近づくと格子定数が大きく
なり、バンドギャップは大きくなる。バンドギャップE
gは、直接遷移でEg(Γ)=1.351+0.643x+0.786
2、間接遷移でEg(X)=2.24+0.02xと与えられ
ている。よって活性領域とGaxIn1-xyAs1-y(0
<x<1、0<y≦1)層のヘテロ障壁は大きくなるの
でキャリア閉じ込めが良好となり、しきい値電流低減、
温度特性改善などの効果がある。さらにこのGaxIn
1-xyAs1-y(0<x<1、0<y≦1)層よりなる
非発光再結合防止層は、その格子定数がGaAs基板よ
りも大きく、圧縮歪を有しており、かつ前記活性層の格
子定数が前記GaxIn1-xyAs1-y(0<x<1、0
<y≦1)層よりも大きく圧縮歪を有している。
【0044】またこのGaxIn1-xyAs1-y(0<x
<1、0<y≦1)層の歪の方向が活性層と同じ方向な
ので、活性層が感じる実質的な圧縮歪量を低減する方向
に働く。歪が大きいほど外的要因の影響を受けやすいの
で、活性層の圧縮歪量が例えば2%以上と大きい場合
や、臨界膜厚を超えた場合に特に有効である。
【0045】例えば発振波長が1.3μm帯の面発光型
レーザはGaAs基板上に形成するのが好ましく、共振
器には半導体多層膜反射鏡を用いる場合が多く、トータ
ル厚さが5〜8μmで50〜80層の半導体層を活性層
成長前に成長する必要がある。(一方、端面発光型レー
ザの場合、活性層成長前のトータル厚さは2μm程度で
3層程度の半導体層を成長するだけで良い。)この場
合、高品質のGaAs基板を用いてもさまざまな原因
(一度発生した欠陥は基本的には結晶成長方向に這い上
がるし、ヘテロ界面での欠陥発生などがある)でGaA
s基板表面の欠陥密度に比べて活性層成長直前の表面の
欠陥密度はどうしても増えてしまう。活性層成長以前
に、歪層の挿入や、活性層が感じる実質的な圧縮歪量が
低減すると、活性層成長直前の表面にある欠陥の影響を
低減できるようになる。
【0046】この例では、活性領域内及び反射鏡と活性
領域との界面にAlを含まない構成としたので、キャリ
ア注入時にAlに起因していた結晶欠陥が原因となる非
発光再結合がなくなり、非発光再結合が低減した。
【0047】前述のように、反射鏡と活性領域との界面
にAlを含まない構成とする、すなわち非発光再結合防
止層を設けることを、上下反射鏡ともに適用することが
好ましいが、一方の反射鏡に適用するだけでも効果があ
る。またこの例では、上下反射鏡とも半導体分布ブラッ
グ反射鏡としたが、一方の反射鏡を半導体分布ブラッグ
反射鏡とし、他方の反射鏡を誘電体反射鏡としても良
い。また前述の例では、反射鏡低屈折率層の最も活性層
に近い層のみをGaxIn1-xyAs1-y(0<x<1、
0<y≦1)の非発光再結合防止層としているが、複数
層のGaxIn1-xyAs1-y(0<x<1、0<y≦
1)を非発光再結合防止層としても良い。
【0048】さらにこの例では、GaAs基板と活性層
との間の下部反射鏡にこの考えを適用し、活性層の成長
時に問題となる、Alに起因する結晶欠陥の活性層への
這い上がりによる悪影響が押さえられ、活性層を高品質
に結晶成長することができる。これらにより、発光効率
は高く、信頼性は実用上十分な面発光型半導体レーザが
得られた。また、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率
層のすべてではなく、少なくとも活性領域に最も近い部
分をAlを含まないGaxIn1-xyAs1-y(0<x<
1、0<y≦1)層としただけなので、反射鏡の積層数
を特に増加させることなく、上記効果を得ることができ
ている。
【0049】このようにして製作した面発光型半導体レ
ーザの発振波長は約1.2μmであった。GaAs基板
上のGaInAsは、In組成の増加で長波長化するが
歪み量の増加をともない、従来1。1μmまでが長波長
化の限界と考えられていた(文献「IEEE Phot
onics.Technol.Lett.Vol.9
(1997)pp.1319−1321」参照)。
【0050】しかしながら今回発明者が製作したよう
に、600℃以下の低温成長などの非平衡度の高い成長
法により高歪のGaInAs量子井戸活性層を従来より
厚くコヒーレント成長することが可能となり、波長は
1.2μmまで到達できた。なおこの波長はSi半導体
基板に対して透明である。従ってSi基板上に電子素子
と光素子を集積した回路チップにおいてSi基板を通し
た光伝送が可能となる。
【0051】以上の説明より明らかなようにIn組成が
大きい高圧縮歪のGaInAsを活性層に用いることに
より、GaAs基板上に長波長帯の面発光型半導体レー
ザを形成できることがわかった。なお前述のように、こ
のような面発光型半導体レーザは、MOCVD法で成長
させることができるが、MBE法等の他の成長方法を用
いることもできる。また活性層の積層構造として、3重
量子井戸構造(TQW)の例を示したが、他の井戸数の
量子井戸を用いた構造(SQW、MQW)等を用いるこ
ともできる。
【0052】レーザの構造も他の構造にしてもかまわな
い。また共振器長はλの厚さとしたがλ/2の整数倍と
することができる。望ましくはλの整数倍である。また
半導体基板としてGaAsを用いた例を示したが、In
Pなどの他の半導体基板を用いた場合でも上記の考え方
を適用できる。反射鏡の周期は他の周期でも良い。なお
この例では活性層として、主たる元素がGa、In、A
sよりなる層、すなわちGaxIn1-xAs(GaInA
s活性層)の例を示したが、より長波長のレーザ発振を
行うためには、Nを添加し主たる元素がGa、In、
N、Asからなる層(GaInNAs活性層)とすれば
よい。
【0053】実際にGaInNAs活性層の組成を変え
ることにより、1.3μm帯、1.55μm帯のそれぞ
れにおいて、レーザ発振を行うことが可能であった。組
成を検討することにより、さらに長波長の例えば1.7
μm帯の面発光レーザも可能となる。
【0054】また、活性層にGaAsSbを用いてもG
aAs基板上に1.3μm帯面発光レーザを実現でき
る。このように波長1.1μm〜1.7μmの半導体レ
ーザは従来適した材料がなかったが、活性層に高歪のG
aInAs、GaInNAs、GaAsSbを用い、か
つ、非発光再結合防止層を設けることにより、従来安定
発振が困難であった波長1.1μm〜1.7μm帯の長
波長領域において、高性能な面発光レーザを実現できる
ようになった。
【0055】次に本発明の光送受信システムに適用され
る発光素子である長波長帯面発光型半導体レーザの他の
構成について、図3を用いて説明する。この場合も図1
の場合と同様に面方位(100)のn−GaAs基板を
使用している。それぞれの媒質内における発振波長λの
1/4倍の厚さ(λ/4の厚さ)でn−AlxGa1-x
s(x=0.9)とn−AlxGa1-xAs(x=0)を
交互に35周期積層したn−半導体分布ブラッグ反射鏡
(Al0.9Ga0.1As/GaAs下部反射鏡)を形成し、その上に
λ/4の厚さのn−GaxIn1-xyAs1-y(x=0.
5、y=1)層を積層した。この例ではn−GaxIn
1-xyAs1-y(x=0.5、y=1)層も下部反射鏡
の一部であり低屈折率層となっている。
【0056】そしてその上に、アンドープ下部GaAs
スペーサ層と、3層のGaxIn1-xyAs1-y量子井戸
層である活性層(量子井戸活性層)とGaAsバリア層
(15nm)から構成される多重量子井戸活性層(この
例では3重量子井戸(TQW))と、アンドープ上部Ga
Asスペーサ層とが積層されて、媒質内における発振波
長の1波長分の厚さ(λの厚さ)の共振器を形成してい
る。
【0057】さらにその上に、p−半導体分布ブラッグ
反射鏡(上部反射鏡)が形成されている。
【0058】上部反射鏡は、被選択酸化層となるAlA
s層を、GaInP層とAlGaAs層で挟んだ3λ/
4の厚さの低屈折率層(厚さが(λ/4−15nm)の
Cドープp−GaxIn1-xyAs1-y(x=0.5、y
=1)層、Cドープp−Al zGa1-zAs(z=1)被
選択酸化層(厚さ30nm)、厚さが(2λ/4−15
nm)のCドープp−AlxGa1-xAs層(x=0.
9))と、厚さがλ/4のGaAs層(1周期)と、C
ドープのp−AlxGa1-xAs層(x=0.9)とp−
AlxGa1-xAs(x=0)層をそれぞれの媒質内にお
ける発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構
造(22周期)とから構成されている半導体分布ブラッ
グ反射鏡(Al0.9Ga0.1As/GaAs上部反射鏡)である。な
おこの例においても、図3では複雑になるので図示する
ことは省略しているが、半導体分布ブラッグ反射鏡の構
造は、図2に示したような低屈折率層(屈折率小の層)
と高屈折率層(屈折率大の層)の間に、屈折率が小と大
の間の値をとる材料層AlzGa1-zAs(0≦y<z<
x≦1)を設けたものである。
【0059】そして、最上部の、p−AlxGa1-xAs
(x=0)層は、電極とコンタクトを取るためのコンタ
クト層(p−コンタクト層)としての役割も持たせてい
る。
【0060】ここで量子井戸活性層のIn組成xは37
%、N(窒素)組成は0.5%とした。また量子井戸活
性層の厚さは7nmとした。
【0061】またこの面発光型半導体レーザの成長方法
はMOCVD法で行った。半導体レーザの各層を構成す
る原料には、TMA(トリメチルアルミニウム)、TM
G(トリメチルガリウム)、TMI(トリメチルインジ
ウム)、AsH3(アルシン)、PH3(フォスフィ
ン)、そして窒素の原料にはDMHy(ジメチルヒドラ
ジン)を用いた。DMHyは低温で分解するので600
℃以下のような低温成長に適しており、特に低温成長の
必要な歪みの大きい量子井戸層を成長する場合に好まし
い。なおキャリアガスにはH2を用いた。
【0062】またこの例では、GaInNAs層(量子
井戸活性層)は540℃で成長した。MOCVD法は過
飽和度が高くNと他のV族を同時に含んだ材料の結晶成
長に適している。またMBE法のような高真空を必要と
せず、原料ガスの供給流量や供給時間を制御すれば良い
ので量産性にも優れている。
【0063】さらにこの例では、所定の大きさのメサ部
分をp−GaxIn1-xyAs1-y(x=0.5、y=
1)層に達するまで、p−AlzGa1-zAs(z=1)
被選択酸化層の側面を露出させて形成し、側面の現れた
AlzGa1-zAs(z=1)層を水蒸気で側面から酸化
してAlxy電流狭さく層を形成している。
【0064】最後にポリイミド(絶縁膜)でメサエッチ
ングで除去した部分を埋め込んで平坦化し、上部反射鏡
上のポリイミドを除去し、p−コンタクト層上に光出射
部を除いてp側電極を形成し、GaAs基板の裏面にn
側電極を形成した。
【0065】この例においては、被選択酸化層の下部に
上部反射鏡の一部としてGaxIn1 -xyAs1-y(0<
x<1、0<y≦1)層が挿入している。例えばウェッ
トエッチングの場合では、硫酸系エッチャントを用いれ
ば、AlGaAs系に対してGaInPAs系はエッチ
ング停止層として用いることができるため、GaxIn
1-xyAs1-y(0<x<1、0<y≦1)層が挿入さ
れていることで、選択酸化のためのメサエッチングの高
さを厳密に制御できる。このため、均一性、再現性を高
められ、低コスト化が図れる。
【0066】またこの例の面発光型半導体レーザ(素
子)を一次元または二次元に集積した場合、素子製作時
における制御性が良好になることにより、アレイ内の各
素子の素子特性の均一性、再現性も極めて良好になると
いう効果がある。なおこの例では、エッチングストップ
層を兼ねるGaxIn1-xyAs1-y(0<x<1、0<
y≦1)層を上部反射鏡側に設けたが、下部反射鏡側に
設けても良い。
【0067】またこの例においても、上下反射鏡に挟ま
れた、キャリアが注入され再結合する活性領域(本実施
例では上部及び下部スペーサ層と多重量子井戸活性層と
からなる共振器)において、活性領域内にはAlを含ん
だ材料を用いず、さらに下部及び上部反射鏡の低屈折率
層の最も活性層に近い層をGaxIn1-xyAs1-y(0
<x<1、0<y≦1)の非発光再結合防止層としてい
る。つまりこの例では、活性領域内及び反射鏡と活性領
域との界面に、Alを含まない構成としているので、キ
ャリア注入時に、Alに起因していた結晶欠陥が原因と
なる非発光再結合を低減させることができる。なお反射
鏡と活性領域との界面にAlを含まない構成を、この例
のように上下反射鏡に適用することが好ましいが、いず
れか一方の反射鏡に適用するだけでも効果がある。また
この例では、上下反射鏡とも半導体分布ブラッグ反射鏡
としたが、一方の反射鏡を半導体分布ブラッグ反射鏡と
し、他方の反射鏡を誘電体反射鏡としても良い。
【0068】さらにこの例でも、GaAs基板と活性層
との間の下部反射鏡に図1の例の場合と同様の考えを適
用したので、活性層の成長時に問題となるAlに起因す
る結晶欠陥の活性層への這い上がりによる悪影響が押さ
えられ、活性層を高品質に結晶成長することができる。
なお、このような非発光再結合防止層は、図1、図3の
いずれの構成においても半導体分布ブラッグ反射鏡の一
部を構成するので、その厚さは、媒質内における発振波
長λの1/4倍の厚さ(λ/4の厚さ)としている。あ
るいはそれを複数層も設けても良い。
【0069】以上の説明より明らかなように、このよう
な構成により、発光効率は高く、信頼性は実用上十分な
面発光型半導体レーザが得られた。また、半導体分布ブ
ラッグ反射鏡の低屈折率層のすべてではなく、少なくと
も活性領域に最も近い部分をAlを含まないGaxIn
1-xyAs1-y(0<x<1、0<y≦1)の非発光再
結合防止層としただけなので、反射鏡の積層数を特に増
加させることなく、上記効果を得ることができた。また
このような構成にしても、ポリイミドの埋め込みは容易
であるので、配線(この例ではp側電極)が段切れしに
くく、素子の信頼性は高いものが得られる。
【0070】このように製作した面発光型半導体レーザ
の発振波長は約1.3μmであった。
【0071】この例では、主たる元素がGa、In、
N、Asからなる層を活性層に用いた(GaInNAs
活性層)ので、GaAs基板上に長波長帯の面発光型半
導体レーザを形成できた。またAlとAsを主成分とし
た被選択酸化層の選択酸化により電流狭さくを行ったの
で、しきい値電流は低かった。被選択酸化層を選択酸化
したAl酸化膜からなる電流狭さく層を用いた電流狭さ
く構造によると、電流狭さく層を活性層に近づけて形成
することで電流の広がりを抑えられ、大気に触れない微
小領域に効率良くキャリアを閉じ込めることができる。
更に酸化してAl酸化膜となることで屈折率が小さくな
り凸レンズの効果でキャリアの閉じ込められた微小領域
に効率良く光を閉じ込めることができ、極めて効率が良
くなり、しきい値電流は低減できる。また容易に電流狭
さく構造を形成できることから、製造コストを低減でき
る。
【0072】以上の説明から明らかなように図3のよう
な構成においても図1の場合と同様に、1.3μm帯の
面発光型半導体レーザを実現でき、しかも低消費電力で
低コストの素子が得られる。なお、図3の面発光型半導
体レーザも図1の場合と同様にMOCVD法で成長させ
ることができるが、MBE法等の他の成長方法を用いる
こともできる。また窒素の原料に、DMHyを用いた
が、活性化した窒素やNH3等他の窒素化合物を用いる
こともできる。
【0073】さらに活性層の積層構造として3重量子井
戸構造(TQW)の例を示したが、他の井戸数の量子井
戸を用いた構造(SQW、DQW、MQW)等を用いる
こともできる。レーザの構造も他の構造にしてもかまわ
ない。
【0074】また図3の面発光型半導体レーザにおい
て、GaInNAs活性層の組成を変えることで、1.
55μm帯、更にはもっと長波長の1.7μm帯の面発
光型半導体レーザも可能となる。GaInNAs活性層
にTl、Sb、Pなど他のIII−V族元素が含まれてい
てもかまわない。また活性層にGaAsSbを用いて
も、GaAs基板上に1.3μm帯の面発光型半導体レ
ーザを実現できる。
【0075】なお活性層にGaInAsを用いた場合、
従来1.1μmまでが長波長化の限界と考えられていた
が、600℃以下の低温成長により高歪のGaInAs
量子井戸活性層を従来よりも厚く成長することが可能と
なり、波長は1.2μmまで到達できる。このように、
波長1.1μm〜1.7μmの半導体レーザは従来適し
た材料がなかったが、活性層に高歪のGaInAs、G
aInNAs、GaAsSbを用い、かつ非発光再結合
防止層を設けることにより、従来安定発振が困難であっ
た波長1.1μm〜1.7μm帯の長波長領域におい
て、高性能な面発光レーザを実現できるようになり、光
通信システムへの応用ができるようになった。
【0076】図4はこのような長波長帯面発光半導体レ
ーザ素子を、面方位(100)のn−GaAsウエハに
多数のチップとして形成した例、ならびにレーザ素子チ
ップを示したものである。ここで示したレーザ素子チッ
プには、1〜n個のレーザ素子が形成されているが、そ
の個数nはその用途に応じて、数ならびに配列方法が決
められる。
【0077】上記面発光レーザにおいて、活性層中で電
流狭窄構造により限定された電流が流れる領域を発光領
域の外形の大きさを波長の7倍以上とする。電流狭窄構
造としてはプロトンH+により絶縁層を作るプロトン照射
型、バンドギャップの大きい埋め込み層によって電流を
中心に制限する埋め込み型、簡単なメサ構造のエアポス
ト構造を作製するエアポスト型、Al酸化膜などの絶縁膜
による選択酸化層型、DBRを外側から酸化して絶縁層を
作る酸化DBR型等がある。外形の大きさは通常その形状
によって定義方法が異なるが、円形の場合にはその直径
を、それ以外の場合には細かい凹凸は無視しほぼその輪
郭から想定される形状の面積と同じ面積の円形の直径で
換算した値を使用するのが妥当であると考える。例えば
正方形の場合には一辺の長さをaとした場合にその大き
さを
【数1】 a×bの長方形の場合には
【数2】 となる。発光領域の形状が円形出ない場合には、方向に
よってレーザビームの広がる角度およびそのビーム形状
は円形でなくなるが、ある開口のレンズ或いは光ファイ
バーのコアに厳密に何%の効率で光を入れるかというこ
とはあまり問題ではないので、上記数値で判断するのが
妥当である。いくつかの例を図5に示す。
【0078】通常の面発光レーザは発光領域を大面積に
すると発振閾値電流が増大する為、波長の2〜4倍程度
にするのが通例である。図7に従来型の面発光レーザの
発光面からの距離とビームの広がりの関係を示すが、ビ
ーム広がりが大きい為、ファイバ或いは集光レンズとの
間隔は100μm程度までしか離すことができない。本発明
の例を図8に示すが、発光面から500μm以上はなれて
も、ビーム広がりは、従来例の100μmの場合と同等にな
っている。
【0079】レーザと光ファイバを組み合わせた例を図
9、図10に示す。図9はマルチモードレーザと直接接続
した例であるが、例えばコア径85μmの場合には1mm離れ
ても高効率で出射光を光ファイバに入射させることがで
きる。実際の面発光レーザとマルチモードファイバを組
み合わせた時のレーザ出射光量に対する光ファイバ入射
光量の比率、カップリング効率を図13に示す。レーザ発
振波長1.31μm、レーザ発光面と光ファイバ端面との距
離0.5mm、光ファイバコア径85μmの場合である。発光面
の大きさがレーザ発振波長の7倍付近で、カップリング
効率が増大し、50%をこえる。
【0080】図10はシングルもモードファイバーに集光
レンズを用いて接続した例であるが、例えば、NA0.5焦
点距離70μmの集光レンズを使用した場合には集光レン
ズとレーザの発光面との距離を500ミクロン以上離すこ
とができる。シングルモードファイバのコア径を9μmの
ものを使用した場合にはファイバー入射面上では±2〜3
μm程度の精度を要求されるが、レーザ発光面での位置
精度は±20μm以下でよく、この大きさは取り付け精度
でカバーできる範囲で、取りつけ時の位置調整が要求さ
れなくなる為、製造コストを大幅に削減できる。図10の
構成で発光面の大きさを変化させた時のカップリング効
率が50%以上を確保する為に要求されるレーザの位置精
度を示す。この値以上の位置ずれがあった場合にはカッ
プリング効率が50%以下になる。レーザ発振波長1.31μ
m、光ファイバのコア径9μm、NA0.5焦点距離70μmの集
光レンズを使用した例である。発光面が小さい時には高
い精度が要求されるが、発光面の大きさがレーザ発振波
長の7倍付近で、精度は低くてもよくなり、20μmをこえ
る。
【0081】本発明のレーザチップは発光面の面積を大
きくしても発振閾値電流が小さく、かつ発光面を大きく
するに従い、カップリング効率が向上し、製造時の精度
も低くてもよくなりコスト削減が計れるが、他の面発光
レーザと同様に発振閾値電流は発光面の面積にほぼ比例
して増大する。従って、更に、発振閾値電流を小さくす
る為には発光面の面積を小さくする事が有効である。
【0082】本発明の第2の例は発光面つまり活性層中
で電流狭窄構造により限定された電流が流れる領域の面
積自体は変らないが、光を取り出す側の電極層と活性層
との間隔を発振波長の4倍以下にした。これにより実際
に電流の流れる部分の面積は電流狭窄構造により限定さ
れた部分の面積より小さくなり、その結果として発振閾
値電流が小さくなる。図6の例でtの値を変化させた場合
の発振閾値電流の変化を示す。レーザ発振波長1.31μ
m、レーザ発光面の大きさは15μmである。tの値を小さ
くするに従い、発振閾値電流は小さくなり、発振波長の
4倍以下になるとtをゼロに近づけた場合の2倍以下にな
り、10mA以下になる。
【0083】本発明の第3の例は発光面の外形の大きさ
は変えずに、内側に電流狭窄構造により電流の流れない
領域を作製し、発光面の面積を小さくし、本来の本発明
の効果を維持しながら、発振閾値電流を小さくする効果
を得るものである。図11にその形状の例を示す。
【0084】本発明の第4の例は発光面の外形の大きさ
は変えずに、内側に電流狭窄構造により電流の流れない
領域を作製し、発光領域を分割するもので、更に、発光
面の面積が小さくなり、発振閾値電流を小さくする効果
を得るのに加え、発光部の内側にも電極を取ることが可
能となり、電流集中による発熱、劣化を減速させる効果
が有る。図12にその形状の例を示す。
【0085】以上の説明より明らかなように、従来この
ようなレーザ発振波長が1.1μm帯〜1.7μm帯の
分野では、安定した面発光半導体レーザが存在しなかっ
たが、本発明の面発光半導体レーザは、発振閾値電流が
小さく、低消費電力、高速変調が可能であり、これを用
いて、図9、図10に示すようにレーザ素子と光ファイ
バーのような光導波部材を組み合わせ、光カップリング
させることにより、コンピュータ・ネットワーク、長距
離大容量通信の幹線系などの光通信システムが実現でき
る。
【0086】
【発明の効果】(請求項1に対応した効果)コンピュー
タ・ネットワーク、長距離大容量通信の幹線系など光フ
ァイバー通信が期待されているレーザ発振波長が1.1
μm帯〜1.7μm帯の分野において、動作電圧、発振
閾値電流等を低くでき、レーザ素子の発熱も少なく安定
した発振ができる面発光型半導体レーザおよびそれを用
いた通信システムが存在しなかったが、本発明のように
半導体分布ブラッグ反射鏡を工夫することにより、動作
電圧、発振閾値電流等を低くでき、レーザ素子の発熱も
少なく安定した発振ができ、また低コストで実用的な光
通信システムが実現できた。更に前記レーザ素子は大面
積でも発振閾値電流が低く、安定して発振するため、ビ
ーム広がり角の小さなレーザ素子が実現できるようにな
った。特に、発光面を発振波長の7倍以上にする事によ
って、光ファーバーと組み合わせる場合の位置精度の要
求を低くすることができ低コストの半導体レーザ光ファ
イバーモジュールを作製できる面発光型半導体レーザ素
子チップが実現できた。特に高精度を要求される、シン
グルモードファイバーを使用した長距離通信用に使用す
る場合、或いは複数のレーザを組み合わせたアレイとし
て複数のファイバーと組み合わせて使用する場合にはそ
の効果が大きい。
【0087】(請求項2に対応した効果)光を発生させ
る活性領域の面積を大きくすると発振閾値電流が大きく
なる弊害があるが、活性領域の面積に対し実際に電流の
流れる部分は減少し、発振閾値電流が小さくなり、低消
費電力、高速変調(高速データ転送)が実現される。
【0088】(請求項3に対応した効果)請求項1の効
果を維持しつつ、更に発振閾値電流が小さくなり、低消
費電力、高速変調(高速データ転送)が実現される。
【0089】(請求項4に対応した効果)請求項3と同
じ効果が実現できる。更に、長寿命化の効果が有る。
【0090】(請求項5に対応した効果)コンピュータ
・ネットワーク、長距離大容量通信の幹線系など光ファ
イバー通信が期待されているレーザ発振波長が1.1μ
m帯〜1.7μm帯の分野において、安定して使用でき
る長波長帯面発光半導体レーザが存在しなかったが、本
発明のように、非発光再結合防止層を設けてなる面発光
型半導体レーザ素子チップとすることにより安定した発
振が可能となった。
【0091】(請求項6に対応した効果)このような発
振閾値電流が小さく、低消費電力、高速変調が可能でか
つ非常に安定した面発光半導体レーザを利用した光通信
システムとしたので、低コストで信頼性の高い実用的な
光通信システムが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る長波長帯面発光半導
体レーザの素子部断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る長波長帯面発光半導
体レーザの半導体分布ブラッグ反射鏡の構成の部分断面
図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る長波長帯面発光半導
体レーザの他の構成の素子部断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る長波長帯面発光半導
体レーザ素子を形成したウエハ基板ならびにレーザ素子
チップを示す平面図である。
【図5】発光領域の外形の大きさを表す図である。
【図6】光を取り出す側の電極層と活性層との間隔を示
す図である。
【図7】従来の面発光レーザ(λ=1.31μm、D=5μm)の
ビームの広がりを表す図である。
【図8】本発明の面発光レーザ(λ=1.31μm、D=15μ
m)のビームの広がりを表す図である。
【図9】本発明の面発光レーザとマルチモード光ファイ
バーとを組み合わせた例である。
【図10】本発明の面発光レーザとシングルモード光ファ
イバーとを組み合わせた例である。
【図11】発光領域の内側にも電流が流れない領域を設け
た例である。
【図12】発光領域の分割の例である。
【図13】本発明の効果を説明する図である。
【図14】本発明の効果を説明する図である。
【図15】本発明の効果を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正良 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 古田 輝幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宮垣 一也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 金井 健 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐藤 俊一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 幸栄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 菅原 悟 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐藤 新治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 曳地 秀一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5F073 AA74 AB17 AB28 CA05 CB02 DA05 EA14 EA23 FA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振波長が1.1μm〜1.7μmであ
    り、光を発生する活性層を、主たる元素がGa、In、
    N、Asからなる層、もしくはGa、In、Asよりな
    る層とし、レーザ光を得るために前記活性層の上部及び
    下部に設けられた反射鏡を含んだ共振器構造を有する面
    発光型半導体レーザ素子チップであって、前記反射鏡は
    それを構成する材料層の屈折率が小/大と周期的に変化
    し入射光を光波干渉によって反射する半導体分布ブラッ
    グ反射鏡であるとともに、前記屈折率が小の材料層はA
    lxGa1−xAs(0<x≦1)とし、前記屈折率が
    大の材料層はAlyGa1−yAs(0≦y<x≦1)
    とした反射鏡であり、かつ前記屈折率が小と大の材料層
    の間に該屈折率が小と大の間の値をとる材料層AlzG
    a1−zAs(0≦y<z<x≦1)を設けてあり、前
    記上下反射鏡の外側には、光を発生する活性層に電流を
    供給する為の導電性膜による電極があり、少なくともそ
    の一方には光を取り出す為の窓が存在し、かつ、活性層
    に電流が流れる領域を限定する為の電流狭窄構造を有す
    る面発光型半導体レーザ素子チップにおいて、活性層中
    で電流狭窄構造により限定された電流が流れる領域を発
    光領域とした時、この発光領域の外形の大きさを発振波
    長の7倍以上にした事を特徴とする面発光型半導体レー
    ザ素子チップ。
  2. 【請求項2】 光を取り出す側の電極層と活性層との間
    隔が、発振波長の4倍以下である事を特徴とする請求項
    1に記載の面発光型半導体レーザ素子チップ。
  3. 【請求項3】 電流狭窄構造により発光領域の外形を限
    定するとともに、発光領域の内側にも電流が流れない領
    域を設けた事を特徴とする請求項1に記載の面発光型半
    導体レーザ素子チップ。
  4. 【請求項4】 電流狭窄構造により発光領域の外形を限
    定するとともに、発光領域の内側にも電流が流れない領
    域を設け、発光領域を複数に分割した事を特徴とする請
    求項1に記載の面発光型半導体レーザ素子チップ。
  5. 【請求項5】 活性層と光を採り出す側とは反対側の反
    射鏡の間にGaInPもしくはGaInPAsよりなる
    非発光再結合防止層を設けてなる事を特徴とする請求項
    1から4に記載の面発光型半導体レーザ素子チップ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5に記載の面発光型半導体
    レーザ素子チップと、該面発光型半導体レーザ素子チッ
    プの発光面にレーザ光を受光するように配置された光導
    波部材と、該光導波部材と光学的にカップリングされ光
    を伝送するための光ファイバーとよりなることを特徴と
    する光通信システム。
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