JP2002261036A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JP2002261036A
JP2002261036A JP2001054541A JP2001054541A JP2002261036A JP 2002261036 A JP2002261036 A JP 2002261036A JP 2001054541 A JP2001054541 A JP 2001054541A JP 2001054541 A JP2001054541 A JP 2001054541A JP 2002261036 A JP2002261036 A JP 2002261036A
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substrate
heat treatment
gas
gas introduction
axis
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JP2001054541A
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Sadaaki Ito
禎朗 伊藤
Mitsukazu Takahashi
光和 高橋
Kozo Terajima
幸三 寺嶋
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理時の基板上における処理ガス供給量の
均一化が図られ、基板の膜厚分布の均一化が図れる熱処
理装置を提供する。 【解決手段】 この熱処理装置では、処理室内に処理ガ
スをシャワー状に導入するためのシャワープレート30
が処理室内の基板W上方に設けられている。シャワープ
レート30には、複数個のガス導入孔31が、基板Wに
垂直な所定の対称軸Asを中心としてn回回転対称性
(nは2以上の自然数)を有するように配列されてい
る。そして、その対称軸Asと基板Wを回転させる際の
回転軸Arとが、基板Wの回転面と平行な方向にずらさ
れている。そのずらし距離D2は、ガス導入孔31間の
最短隣接間隔D1の概ね5分の1以上、2分の1以下の
範囲内に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理室内に処理ガ
スを導入し、その処理室内において半導体基板、液晶表
示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光デ
ィスク用基板等(以下、「基板」と称する)を回転させ
つつ、その基板を加熱して熱処理を行うランプアニール
等の熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板の製造工程においては、
種々の熱処理が行われている。基板に対して熱処理を行
う熱処理装置としては、例えば、光照射によって基板の
急速加熱を行う急速加熱装置(いわゆるランプアニール
装置)が用いられている。特に、半導体デバイス等の微
細加工に対する要求が厳しくなるにつれ、急速加熱装置
による急速加熱プロセス(RTP; Rapid Thermal Proces
s)が重要なものとなってきている。
【0003】急速加熱装置は一般に、主として赤外線ハ
ロゲンランプを加熱源とし、所定の処理ガス雰囲気中に
て当該ランプから光照射を行うことによって秒オーダー
で基板を所望の温度(〜1200℃)にまで昇温し、数
10秒程度基板をその温度に保持した後、ランプからの
光照射を停止して基板を急速に冷却するものである。
【0004】このような急速加熱装置は、基板に作り込
まれたトランジスタの接合層における熱による不純物の
再拡散防止、薄い酸化膜等の絶縁膜形成等が可能であ
り、従来の電気炉による長時間高温熱処理では実現が困
難であった処理を行うことができる。
【0005】図6は、従来の熱処理装置における処理ガ
スを処理室内に導入するシャワープレート(処理ガス導
入手段)のガス導入孔の配列および基板回転軸との位置
関係を示す平面図である。この熱処理装置はいわゆるラ
ンプアニール装置であって、基板W(図6参照)を加熱
するランプ群と、処理室内に窒素ガス等の処理ガスを導
入するためのシャワープレート100と、所定の回転軸
Arを中心として基板Wを回転させる回転手段とを備え
ている。基板Wは、円盤形状であり、直径が200mm
である。
【0006】シャワープレート100は、基板Wの上方
において基板Wに対して対向配置されており、このシャ
ワープレート100に設けられる複数個のガス導入孔1
01を介してN2Oガス等の処理ガスが処理室内に導入
される。そして、処理室内では、その処理ガス雰囲気中
において回転手段により基板Wが回転されつつランプ群
の照射光によって加熱されて熱処理される。
【0007】シャワープレート100に設けられる複数
個のガス導入孔101は、図6に示すように、基板Wに
垂直な所定の対称軸Asを中心として規則的を有するよ
うに(ここではハニカム状)に、しかも基板W全体を覆
うように配列されている。ここで、ハニカム状の配列と
は、正三角形を平面上に隙間無く埋め尽くすように配置
したときの各三角形の頂点にガス導入孔101を配置し
たような配列である。各ガス導入孔101間の隣接間隔
(最短隣接間隔)D1は、14mmに設定されており、
各ガス導入孔101の孔径は、2mmに設定されてい
る。
【0008】そして、この従来の熱処理装置では、図6
に示すように、ガス導入孔101の配列の対称軸As
と、回転手段により基板Wが回転される際の回転軸Ar
とが同軸となるように設定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱処理装置においては、ガス導入孔101の配列の対称
軸Asと基板Wの回転軸Arとが同軸とされているた
め、基板Wの回転時に各ガス導入孔101から基板W上
に供給される処理ガスの供給量にムラが生じるという問
題がある。このような供給ムラが生じると、熱処理に伴
って生成される基板W上の膜厚に同心円状の凹凸が生
じ、膜厚分布が不均一になる。
【0010】ここで、このような処理ガスの流出ムラに
起因する膜厚の凹凸が生じる原理を説明する。シャワー
プレート100のガス導入孔101は、図6に示すよう
に、対称軸Asを中心とした仮想線で示す同心円C上に
配列しており、ガス導入孔101の分布密度が同心円状
に粗密変化し、これによって、シャワープレート100
からの処理ガス流出量も、対称軸Asを中心とした同心
円状に増減変化する。例えば、図6の配列例では、ガス
導入孔101が配列する同心円Cの半径を小さい方から
順にいくつか記載すると、約14mm、24mm、28
mm、37mm、42mm、48mmとなる。
【0011】このように処理ガス流出量が同心円状に増
減変化すると、従来の熱処理装置では、基板Wの回転軸
Arがガス導入孔101の配列の対称軸Asと一致され
ているため、その処理ガス流出量の分布が、回転される
基板W上における処理ガス供給量の分布にそのまま反映
されてしまい、基板W上における処理ガス供給量が対称
軸Asおよび回転軸Arを中心とした同心円状に増減変
化することとなり、これが熱処理時の膜厚分布の不均一
の要因となる。
【0012】図7は、従来の熱処理装置によって実際に
熱処理を行って得られた基板Wの膜厚分布を示すグラフ
であり、グラフの横軸は基板W中心を原点としたときの
径方向に沿った基板W上の各膜厚測定位置を示し、縦軸
は各膜厚測定位置における膜厚の平均膜厚との差を示し
ている。この図7の試験例では、基板Wとしては直径2
00mmのSiウエハを用い、処理ガスとしてN2Oガ
スを毎分5リットル処理室内に供給し、基板Wを110
0℃に60秒間加熱して熱処理し、その結果得られた膜
厚の測定を行った。
【0013】図7のグラフからも、基板W上の半径14
mm、25mm、38mm、50mm付近に膜厚の凸部
が生じていることが分かる。この膜厚凸部の分布は、前
述の図6に示すガス導入孔101が配列する各同心円C
の半径に概ね一致している。なお、図7のグラフにおい
て、基板Wの中心から距離が大きくなるにつれて膜厚変
化の割合(振幅)が小さくなるのは、シャワープレート
100上においてガス導入孔101の分布密度が変化す
る割合が、対称軸Asからの距離が大きくなるにつれて
小さくなるからである。
【0014】図7のグラフについて、半径40mm内の
部分に限ってさらに詳しく述べると、基板W中心には基
板Wが回転しても常にガス導入孔101が直上にあるた
め膜厚凸部がある。次の半径25mm付近の膜厚凸部の
ほぼ直上には、ガス導入孔101が配列する同心円Cの
うちの半径の近い24mmと28mmの半径の同心円C
があり、それぞれの同心円C上に6個ずつガス導入孔1
01が位置している。次の半径38mm付近の膜厚凸部
のほぼ直上には、12個のガス導入孔101が配列する
半径約37mmの同心円Cが位置している。以上のよう
に、基板W中央部では、ガス導入孔101が配列する同
心円Cの周期的な配列と、膜厚凸部の半径とが極めて強
い相関をなしている。
【0015】よって、基板W全体の膜厚均一性を向上さ
せるためには、このガス導入孔101の同心円状の周期
的な配列と膜厚分布との相関を絶ち、基板W中央部の膜
厚の凹凸を平均化する必要がある。
【0016】ここで、このようなガス供給量の不均一に
起因する膜厚の凹凸は、処理ガスとして、基板Wとの反
応速度が反応律速によって実質的に支配されるガス種の
ガス(例えば、N2Oガス)が用いられる場合に特に顕
著になる。なお、処理ガスとして、基板Wとの反応速度
が拡散律速によって実質的に支配されるO2ガス等のガ
ス種が用いられた場合にも、ガス供給量の分布の不均一
に起因して膜厚が不均一になるのであるが、拡散律速性
のガス種の場合には、形成される膜厚分布がガス供給量
の分布よりも基板Wの温度分布に大きく影響されるた
め、ガス供給量の分布の影響は比較的小さい。
【0017】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、熱処理時の基板上における処理ガス供給量の均
一化が図られ、基板の膜厚分布の均一化が図れる熱処理
装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段は、処理室内に処理ガスを導入し、その処
理室内において基板を回転させつつ、その基板を加熱し
て熱処理を行う熱処理装置であって、基板を加熱する加
熱手段と、基板に対して対向配置され、前記処理ガスを
前記処理室内に導入する複数個のガス導入孔を有し、そ
の複数個のガス導入孔が、基板に垂直な所定の対称軸を
中心としてn回回転対称性(nは2以上の自然数)を有
するように配列された処理ガス導入手段と、所定の回転
軸を中心として基板を回転させる回転手段と、を備え、
前記対称軸と前記回転軸とを基板と略平行な方向に沿っ
てずらすことを特徴とする。
【0019】また、前記目的を達成するための技術的手
段は、処理室内に処理ガスを導入し、その処理室内にお
いて基板を回転させつつ、その基板を加熱して熱処理を
行う熱処理装置であって、基板を加熱する加熱手段と、
基板に対して対向配置され、前記処理ガスを前記処理室
内に導入する複数個のガス導入孔を有し、その複数個の
ガス導入孔が、基板に垂直な所定の対称軸を中心として
規則性を有するように配列された処理ガス導入手段と、
所定の回転軸を中心として基板を回転させる回転手段
と、を備え、前記対称軸と前記回転軸とを基板と略平行
な方向に沿ってずらすことを特徴とする。
【0020】さらに、好ましくは、前記複数個のガス導
入孔が、前記基板と実質的に平行な平面に沿って配列さ
れているのがよい。
【0021】また、好ましくは、前記対称軸と前記回転
軸とを、前記複数個のガス導入孔の配列における前記ガ
ス導入孔間の隣接間隔の約5分の1以上、約2分の1以
下の範囲内でずらすのがよい。
【0022】さらに、好ましくは、前記処理ガスとし
て、基板との反応速度が反応律速によって実質的に支配
されるガス種のガスが用いられるのがよい。
【0023】
【発明の実施の形態】<熱処理装置の概略説明>図1
は、本発明の一実施形態に係る熱処理装置の全体構成を
示す側面断面図である。図1の熱処理装置は、光照射に
よって基板Wの急速加熱処理を行ういわゆるランプアニ
ール装置である。この熱処理装置は、図1に示すよう
に、大別して上部のランプハウス1と、下部の炉壁2と
を備えている。
【0024】ランプハウス1には、本発明の加熱手段に
相当する複数個のランプ12が基板Wを均一に加熱する
ような配列形態で設けられている。炉壁2の内部には基
板Wの熱処理を行うための処理室PRが形成されてい
る。また、炉壁2には基板搬入搬出用の炉口21が形成
されており、炉口21の外側にはシャッター22が設け
られている。シャッター22は図示を省略する開閉機構
によって開閉可能とされている。シャッター22が開放
されている状態においては、図外の搬送機構によって未
処理の基板Wを炉口21から処理室PRに搬入すること
と、処理済みの基板Wを処理室PRから搬出することが
できる。一方、シャッター22が閉鎖されている状態
(図1の状態)においては、シャッター22および後述
のチャンバ窓23によって処理室PRがO−リング(図
示省略)を介してシールされることとなり、処理室PR
が密閉空間となる。
【0025】また、炉壁2の内部には基板Wを処理室P
R内で支持するための支持台24が回転自在に設けられ
ている。支持台24は、透明な石英製の部材であって光
を透過することができる。支持台24の下部には磁石2
5が固設されている。そして、炉壁2の外部下側であっ
て、磁石25と対向する位置には磁石リング26が設け
られている。磁石リング26は、モータ27のモータ軸
と噛合しており、モータ27の回転に伴って回転する。
磁石リング26と磁石25とは、磁力によって相互に引
力を作用させており、磁石リング26が回転すると磁石
25が固設されている支持台24も回転することとな
る。支持台24が回転すると、それに支持されている基
板Wも回転軸Arを中心として回転する。すなわち、モ
ータ27は支持台24およびそれに支持される基板Wを
回転軸Arを中心として回転させることができる回転手
段に相当する。なお、基板Wは、所定の直径(ここでは
200mm)の円盤形状を有しており、その回転手段に
より基板Wの中心を通るその法線を回転軸Arとして回
転される。
【0026】炉壁2の内部であって処理室PRの上方に
はチャンバ窓23が設けられている。チャンバ窓23
は、石英製でランプ12から出射された光を下方に透過
することができるとともに、処理室PRをシールする機
能を有している。
【0027】また、炉壁2にはガス導入口28および排
気口29が設けられている。ガス導入口28および排気
口29はそれぞれ図外のガス供給ラインおよび排気ライ
ンに接続されている。これにより、処理室PR内にガス
導入口28から各種ガスを供給することができるととも
に、排気口29から処理室PR内の雰囲気ガスを排気す
ることができる。
【0028】処理室PR内から見てチャンバ窓23の内
側には、基板Wの上方において基板Wと平行に位置する
ように石英製の透明なシャワープレート30が設置され
ている。このシャワープレート30は、ガス導入口28
から導入された処理ガスを処理室PR内にシャワー状に
して均一に導入するためのものであり、本発明の処理ガ
ス導入手段に相当する。このシャワープレート30に
は、後述するように複数個のガス導入孔31が設けられ
ており、ガス導入口28から導入された処理ガスが、チ
ャンバ窓23とシャワープレート30との間の通路32
および各ガス導入孔31を介してシャワー状に均一に処
理室PR内に導入される。
【0029】さらに、炉壁2の底部外側には放射温度計
33が設けられている。既述したように、支持台24は
透明であって加熱された基板Wからの赤外光を透過する
ことができる。支持台24を透過した赤外光は、炉壁2
の底部に設けられた覗き窓34を通過して放射温度計3
3に到達することとなる。放射温度計33は、石英を透
過する波長域にて非接触の温度計測を行うことができる
ものであり、加熱処理中の基板Wの温度を計測する。
【0030】次に、上記構成を有する図1の熱処理装置
における処理手順の概略について述べておく。まず、排
気口29から排気を行うとともに、ガス導入口28、通
路32およびシャワープレート30の各ガス導入孔31
を介して処理室PRに不活性ガス(例えば、窒素ガス)
を供給し、処理室PR内を不活性ガスの雰囲気に置換し
ておく。そして、シャッター22を開放して炉口21か
ら未処理の基板Wを搬入し、支持台24に載置する。次
に、シャッター22を閉じて炉口21を閉鎖するととも
に、ガス導入口28、通路32および各ガス導入孔31
を介して所定の処理ガス(例えば、N2Oガス)を導入
し、処理室PR内の基板Wの周辺をその処理ガスの雰囲
気に置換する。
【0031】その後、ランプ12への電力供給を開始
し、ランプ12からの光照射を行う。ランプ12から出
射された光は、チャンバ窓23およびシャワープレート
30を透過して基板Wに到達し、基板Wを急速に加熱す
る。ランプ12からの光照射を行うときには、モータ2
7によって基板Wを回転させている。また、光照射時に
は基板Wを回転させるとともに、放射温度計33によっ
て基板Wの温度を計測し、その計測結果に基づいて図外
の制御部によりランプ12への供給電力量を制御してい
る。
【0032】その後、所定時間が経過し、基板Wの加熱
処理が終了すると、ランプ12からの光照射を停止す
る。そして、ガス導入口28、通路32および各ガス導
入孔31から処理室PRに不活性ガスを供給する。最後
に、シャッター22を開けて炉口21を開放し、処理済
みの基板Wを装置外に搬出し、一連の熱処理が終了す
る。
【0033】<要部の説明>図2は、図1の熱処理装置
に備えられるシャワープレート30のガス導入孔31の
配列および基板Wの回転軸Arとの位置関係を示す平面
図である。シャワープレート30は、図2に示すよう
に、基板Wよりも大径の円盤状の透明な部材であり、そ
の基板Wに対向する領域に、基板W全面を覆うようにし
て複数個のガス導入孔31が設けられている。
【0034】その複数個のガス導入孔31は、基板Wに
垂直な所定の対称軸Asを中心として規則的を有するよ
うに(ここではハニカム状)に、しかも基板Wと平行な
平面に沿って配列されている。各ガス導入孔31間の最
短隣接間隔D1は、14mmに設定されており、各ガス
導入孔31の孔径は、2mmに設定されている。
【0035】本発明に係る熱処理装置においては、ガス
導入孔31の配列パターン自体は図6の従来の配列パタ
ーンと同じであるものの、ガス導入孔31の対称軸As
と基板Wの回転軸Arとを基板Wの回転面と平行な方向
に沿って距離D2だけずらしている。
【0036】ここで、ガス導入孔31の配列の対称性に
ついて説明しておく。一般に、幾何学的図形または物体
がある軸のまわりの角2π/n(nは2以上の自然数)
の回転に関して不変であればn回回転対称性をもつとい
う。図3にn回回転対称性を有する簡易な図形を例示す
る。
【0037】図3(a)に示す図形は正方形であり、対
称軸Asのまわりの角2π/4(=90°)の回転に関
して不変、つまり対称軸Asを中心として2π/4回転
させると元の図形に一致する。このような正方形は対称
軸Asを中心として4回回転対称性を有する。
【0038】図3(b)に示す図形は長方形であり、対
称軸Asのまわりの角2π/2(=180°)の回転に
関して不変、つまり対称軸Asを中心として2π/2回
転させると元の図形に一致する。このような長方形は対
称軸Asを中心として2回回転対称性を有する。
【0039】図3(c)に示す図形は正五角形であり、
対称軸Asのまわりの角2π/5(=72°)の回転に
関して不変、つまり対称軸Asを中心として2π/5回
転させると元の図形に一致する。このような正五角形は
対称軸Asを中心として5回回転対称性を有する。
【0040】図3(d)に示す図形は正六角形であり、
対称軸Asのまわりの角2π/6(=60°)の回転に
関して不変、つまり対称軸Asを中心として2π/6回
転させると元の図形に一致する。このような正六角形は
対称軸Asを中心として6回回転対称性を有する。な
お、図3における対称軸Asはいずれも図形の平面(紙
面)と垂直なものである。
【0041】図2に戻り、上記の説明および同図から明
らかなように、本実施形態に係るガス導入孔31の配列
は対称軸Asを中心として6回回転対称性を有してい
る。つまり、対称軸Asのまわりの角2π/6(=60
°)の回転に関して不変である。そして、本実施形態に
おいては、ガス導入孔31の配列の対称軸Asと基板W
の回転軸Arとを基板Wの回転面と平行な方向に沿って
距離D2だけずらしているのである。なお、対称軸As
と回転軸Arとは互いに平行である。
【0042】以上のように、対称軸Asと回転軸Arと
を所定の距離D2だけずらすことによって、ガス導入孔
31の配列の規則性によって生じる基板W上における処
理ガス供給量の不均一な分布が緩和されるようになって
いる。その結果、熱処理時に回転される基板W上におけ
る処理ガス供給量の均一化が図れるようになっている。
【0043】図4は、本実施形態に係る熱処理装置によ
って対称軸Asと回転軸Arとのずらし距離D2を段階
的に変化させて、実際に熱処理を行って得られた基板W
の膜厚分布を示すグラフであり、グラフの横軸は基板W
中心を原点としたときの径方向に沿った基板W上の各膜
厚測定位置を示し、縦軸は各膜厚測定位置における膜厚
の平均膜厚との差を示している。なお、図4のグラフ
は、基板Wの中心から半径40mmまでの部分を拡大し
て示している。
【0044】この図4の試験例では、ずらし距離D2が
0mm(従来例と同一)、2mm、4mm、5mm、6
mm、7mmの6段階的に変化されている。そして、そ
の各ずらし距離D2の条件の下で、基板Wに直径200
mmのSiウエハを用い、処理ガスとしてN2Oガスを
毎分5リットル処理室内に供給し、基板Wを1100℃
に60秒間加熱して熱処理し、その結果得られた膜厚の
測定を行った。
【0045】図4のグラフより、ずらし距離D2が0〜
2mmであるときには、膜厚レンジ(グラフの最大値と
最小値との差)が0.25nm近くに及んでいるが、ず
らし距離D2が4〜7mmであるときには、膜厚レンジ
が0.15nm以下に抑制され、D2=5mmのときに
膜厚分布が最も均一になっていることが分かる。
【0046】図5は、図4のグラフに基づいてずらし距
離D2の各値における膜厚の最大値と最小値との差(最
大最小差)の大きさを示すグラフである。図5のグラフ
の最大最小差は、基板W中心から半径40mmまので範
囲内における最大値と最小値との差である。
【0047】ここで、膜厚の均一性の基準として膜厚の
最大最小差が0.15nm以内となることを条件とする
と、その条件を満たすずらし距離D2の範囲は、図5の
グラフより概ね3〜7mmの範囲であることが分かる。
ところで、ガス導入孔31の配列のガス導入孔31間の
最短隣接間隔D1は前述のように14mmであるので、
ずらし距離D2の好ましい値の範囲は、ガス導入孔31
間の最短隣接間隔D1の概ね5分の1以上、2分の1以
下の範囲内であることが分かる。よって、ずらし距離D
2はこの範囲内で設定される。
【0048】以上のように、本実施形態によれば、ガス
導入孔31の配列の対称軸Asと基板Wの回転軸Arと
が基板Wの回転面と平行な方向の沿ってずらされている
ため、ガス導入孔31の配列の規則性によって生じる基
板W上における処理ガス供給量の不均一な分布が緩和さ
れ、これによって、熱処理時に回転される基板W上にお
ける処理ガス供給量の均一化が図れ、基板Wの膜厚分布
の均一化が図れる。特に、この効果は、処理ガスとして
基板Wとの反応速度が反応律速によって実質的に支配さ
れるガス種(例えばN2Oガス等)のガスが用いられた
場合に顕著になる。
【0049】また、対称軸Asと回転軸Arとの間のず
らし距離D2が、ガス導入孔31の配列におけるガス導
入孔31間の最短隣接間隔D1の概ね5分の1以上、2
分の1以下の範囲内に設定されているため、ガス導入孔
31の配列の規則性によって生じる基板W上における処
理ガス供給量の不均一な分布を効果的に緩和することが
できる。
【0050】なお、本実施形態では、処理ガスとしてN
2Oガス等の反応律速性のガス種を用いた場合の効果を
強調したが、処理ガスとしてO2ガス等の拡散律速性の
ガス種を用いた場合にも膜厚分布の改善が得られる。
【0051】また、本実施形態では、基板Wを加熱する
加熱手段としてランプ12を用いたが、電熱線を用いた
抵抗加熱装置等の他の加熱手段を用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】請求項1ないし5に記載の発明によれ
ば、ガス導入孔の配列の対称軸と基板の回転軸とが基板
と略平行な方向に沿ってずらされているため、ガス導入
孔の配列の規則性によって生じる基板上における処理ガ
ス供給量の不均一な分布が緩和され、これによって、熱
処理時に回転される基板上における処理ガス供給量の均
一化が図れ、基板の膜厚分布の均一化が図れる。特に、
この効果は、処理ガスとして、基板との反応速度が反応
律速によって実質的に支配されるガス種(例えばN2O
ガス等)のガスが用いられた場合に顕著になる。
【0053】請求項4に記載の発明によれば、ガス導入
孔の配列の対称軸と基板の回転軸とが、ガス導入孔の配
列におけるガス導入孔間の隣接間隔の約5分の1以上、
約2分の1以下の範囲内でずらされているため、ガス導
入孔の配列の規則性によって生じる基板上における処理
ガス供給量の不均一な分布を効果的に緩和することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱処理装置の全体構
成を示す側面断面図である。
【図2】図1の熱処理装置に備えられるシャワープレー
トのガス導入孔の配列および基板回転軸との位置関係を
示す平面図である。
【図3】n回回転対称性を有する図形を例示した図であ
る。
【図4】図1の熱処理装置によって対称軸と回転軸との
ずらし距離を段階的に変化させて、実際に熱処理を行っ
て得られた基板の膜厚分布を示すグラフである。
【図5】図4のグラフに基づいてずらし距離の各値にお
ける膜厚の最大値と最小値との差の大きさを示すグラフ
である。
【図6】従来の熱処理装置におけるシャワープレートの
ガス導入孔の配列および基板回転軸との位置関係を示す
平面図である。
【図7】従来の熱処理装置によって実際に熱処理を行っ
て得られた基板の膜厚分布を示すグラフである。
【符号の説明】
12 ランプ 24 支持台 27 モータ 30 シャワープレート 31 ガス導入孔 Ar 回転軸 As 対称軸 D1 最短隣接間隔 D2 ずらし距離 PR 処理室 W 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 光和 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 寺嶋 幸三 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA04 AA06 AA09 DA08 FA06 FA07 JA02 4K030 CA04 CA06 DA02 GA05 LA15 LA18 LA19 5F045 AA03 BB01 BB02 DP03 EF05 EF11 EK11 EK12 EK22 EM06 EM10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理室内に処理ガスを導入し、その処理
    室内において基板を回転させつつ、その基板を加熱して
    熱処理を行う熱処理装置であって、 基板を加熱する加熱手段と、 基板に対して対向配置され、前記処理ガスを前記処理室
    内に導入する複数個のガス導入孔を有し、その複数個の
    ガス導入孔が、基板に垂直な所定の対称軸を中心として
    n回回転対称性(nは2以上の自然数)を有するように
    配列された処理ガス導入手段と、 所定の回転軸を中心として基板を回転させる回転手段
    と、を備え、 前記対称軸と前記回転軸とを基板と略平行な方向に沿っ
    てずらすことを特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 処理室内に処理ガスを導入し、その処理
    室内において基板を回転させつつ、その基板を加熱して
    熱処理を行う熱処理装置であって、 基板を加熱する加熱手段と、 基板に対して対向配置され、前記処理ガスを前記処理室
    内に導入する複数個のガス導入孔を有し、その複数個の
    ガス導入孔が、基板に垂直な所定の対称軸を中心として
    規則性を有するように配列された処理ガス導入手段と、 所定の回転軸を中心として基板を回転させる回転手段
    と、を備え、 前記対称軸と前記回転軸とを基板と略平行な方向に沿っ
    てずらすことを特徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱処理装置に
    おいて、 前記複数個のガス導入孔が、前記基板と実質的に平行な
    平面に沿って配列されていることを特徴とする熱処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
    処理装置において、 前記対称軸と前記回転軸とを、前記複数個のガス導入孔
    の配列における前記ガス導入孔間の隣接間隔の約5分の
    1以上、約2分の1以下の範囲内でずらすことを特徴と
    する熱処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱
    処理装置において、 前記処理ガスとして、基板との反応速度が反応律速によ
    って実質的に支配されるガス種のガスが用いられること
    を特徴とする熱処理装置。
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