JP2002260969A - アルミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム箔の実効表面積の高いアルミ電
解コンデンサ用陽極箔の製造方法を提供することを目的
とするものである。 【解決手段】 一対の電極板12a〜12dを複数個備
えた複数のエッチング槽16、17内で、アルミニウム
箔11を一対の電極板12a〜12dの間を通過させて
直流エッチングを行うアルミ電解コンデンサ用陽極箔の
製造方法であって、上記複数のエッチング槽16、17
の少なくとも1個の一対の電極板12cの上下のいずれ
かにこれとは別に交流電流を印加する一対の電極板13
を設けて交流エッチングを行うようにした製造方法とす
ることにより、アルミニウム箔11の実効表面積を高く
することができ、静電容量の高いアルミ電解コンデンサ
用陽極箔を得ることができるという効果を奏するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中高圧用のアルミ電
解コンデンサ用陽極箔の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、高信頼性化に
伴い、アルミ電解コンデンサに対するユーザからのニー
ズも小型化が強く要望されており、そのためにアルミ電
解コンデンサ用の陽極箔も従来以上に単位面積当たりの
静電容量を高める必要が生じている。
【0003】一般的なアルミ電解コンデンサは、アルミ
ニウム箔をエッチングによって実効表面積を拡大させた
表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔
とアルミニウム箔をエッチングによって実効表面積を拡
大させた陰極箔とをセパレータを介して巻回することに
よりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子に駆
動用電解液を含浸させるとともに、このコンデンサ素子
を金属ケース内に封止することにより構成されている。
【0004】この種のアルミ電解コンデンサにおいて、
その静電容量を高める或いは小形化を図るには陽極箔の
実効表面積の拡大が必要不可欠になっており、陽極箔の
実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が盛んに
行われている。
【0005】上記陽極箔のエッチング方法は、硫酸、硝
酸、燐酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した塩化
物溶液中で化学的あるいは電気化学的に行われている
が、中高圧用に使用される陽極箔のエッチング方法は、
基本的にはメインピットを生成させる前段エッチング工
程と、このメインピットを使用電圧に適した径まで拡大
する後段エッチング工程とからなり、その各工程内でア
ルミニウム箔と一対の電極板に直流電流を印加してエッ
チングする方法が行われており、いかに数多くのメイン
ピットを生成させて、そのメインピットの径を効率よく
拡大させたエッチングピットを得ることができるかが重
要なポイントとなっている。
【0006】さらに詳しくは、特開平7−272983
号公報に記載された技術では、塩酸水溶液中で直流電流
を用いてエッチングを行う第1段エッチング工程と、塩
素イオンを含む中性塩水溶液または酸性塩水溶液で直流
電流を用いてエッチングを行う第2段エッチング工程
と、硝酸、硫酸およびこれらの混酸水溶液のいずれかで
電気エッチングを行う第3段エッチング工程を備えた製
造方法で、表面から多数のメインピットを形成するとと
もに、そのメインピットの途中または末端に枝状に伸び
たサブピットを形成することによりアルミニウム箔の実
効表面積を拡大することができるということが記載され
ている。
【0007】一方、特開昭60−36700号公報に記
載された技術では、酸による第1予備腐食工程と高電流
密度の直流で処理する第2陽極工程とからなり、アルミ
ニウム箔を第1予備腐食工程で交流(AC)処理して腐
食し、そのアルミニウム箔を第2陽極工程で直流(D
C)処理することによりアルミニウム箔の静電容量およ
び機械的強度が向上するということが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平7−272983号公報に記載の技術では、第2段
エッチング工程において、塩化ナトリウム、塩化アンモ
ニウム、塩化カリウムの3種類の塩素イオンの少なくと
も1つを含む中性塩水溶液もしくは酸性塩水溶液のうち
少なくとも1つからなるエッチング液中で直流電流を用
いて直流エッチングを行うと、直流電流をただ単に一定
時間印加しただけではエッチングピットの先端付近で水
酸化アルミニウムのゲルが多量に生成してしまい、第1
段エッチング工程で形成されたメインピットの表面部分
だけに垂直方向へのサブピットが形成されるだけで、ア
ルミニウム箔の実効表面積の拡大にあまり結びつかない
という課題を有していた。
【0009】また、特開昭60−36700号公報に記
載された技術では、アルミニウム箔を第1予備腐食工程
で交流(AC)処理して腐食した後、そのアルミニウム
箔を第2陽極工程で直流(DC)処理すると、腐食は確
かに促進されるが、直流処理によりできるエッチングピ
ットは不均一な形状を有しており、静電容量および機械
的強度を満足するものが得られないという課題を有して
いた。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、アルミニウム箔の実効表面積の拡大を高めて、静電
容量および機械的強度に優れたアルミ電解コンデンサ用
陽極箔の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、一対の電極板を複
数個備えた複数のエッチング槽内でアルミニウム箔を一
対の電極板の間を通過させて直流エッチングを行うアル
ミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法であって、上記複
数のエッチング槽の少なくとも1個の一対の電極板の上
下のいずれかにこれとは別に交流電流を印加する一対の
電極板を設けて交流エッチングを行う製造方法であり、
この方法により、アルミニウム箔およびエッチングピッ
トの表面を交流電流の印加により粗面化して水和皮膜を
形成することができるので、より直流電流によるエッチ
ングピットの形成を効率的に促進させてアルミニウム箔
の実効表面積の拡大を高めることができるという作用を
有する。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、交流電流を印加する一対の電極板の直
後に必ず直流電流を印加する一対の電極板を設けた製造
方法であり、請求項1に記載の発明による作用効果より
もさらに直流電流によるエッチングピットを効率的に形
成することができるという作用を有する。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、交流電流を印加する一対の電極板を直
流電流を印加する一対の電極板の一部を遮断して設けた
製造方法であり、交流電流を印加する一対の電極板を容
易に設けることができるという作用を有する。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、複数のエッチング槽がアルミニウム箔
の表面から厚み方向に多数のメインピットを形成させる
前段エッチング工程と、このメインピットを所定の径ま
で拡大させる後段エッチング工程からなる製造方法であ
り、この方法により、前段エッチング工程においてはメ
インピットの長さを均一にすることができ、また、後段
エッチング工程では上記メインピットの径拡大を均一に
することができるという作用を有する。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、複数のエッチング槽がアルミニウム箔
の表面から厚み方向に多数のメインピットを形成させる
前段エッチング工程と、このメインピットの途中および
末端に枝状に伸びたサブピットを形成させる中段エッチ
ング工程と、このメインピットおよびサブピットを所定
の径まで拡大させる後段エッチング工程とからなる製造
方法であり、この方法により、前段エッチング工程にお
いてはメインピットの長さを均一にすることができ、ま
た、中段エッチング工程ではメインピットの途中および
末端に数多くの枝状に伸びたサブピットを形成すること
ができ、さらに、後段エッチング工程では上記メインピ
ットおよびサブピットの径拡大を均一にすることができ
るという作用を有する。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、交流電流を印加する一対の電極板の電
流密度を0.01〜0.15A/cm2の範囲にした製
造方法であり、請求項1に記載の発明による作用効果を
さらに発揮させることができるという作用を有する。
【0017】なお、交流電流を印加する一対の電極板の
電流密度が0.01A/cm2未満ではアルミニウム箔
の表面を粗面化して水和皮膜を形成することができず、
0.15A/cm2を超えると著しく粗面化され、水和
皮膜も形成されにくくなるので好ましくない。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、アルミニウム箔を一対の電極板の間を
通過させて直流エッチングを行うときに、アルミニウム
箔と一対の電極板の間に流れる直流電流を電気絶縁材で
部分的に遮断して直流エッチングをする製造方法であ
り、この方法により、電解液中の電流密度を均一にする
ことができるので、アルミニウム箔に形成されるエッチ
ングピットの長さが均一になり、また、エッチング効率
も高めることができるので、アルミニウム箔の実効表面
積の拡大を高めることができるという作用を有する。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、電気絶縁材に複数の孔または複数のス
リットからなる開口部を設けた製造方法であり、この方
法により、電解液中の電流密度をより均一にすることが
できるという作用を有する。
【0020】以下、本発明の実施の形態について詳細に
説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
実施の形態1によるアルミ電解コンデンサ用陽極箔に用
いられるアルミニウム箔のエッチング工程を示すフロー
チャートである。同図において、まず、弁作用を有する
アルミニウム箔は、厚さ50〜110μmのものを用
い、必要に応じて前処理を行う。この前処理を行うこと
により前段エッチング工程でのメインピットの密度をよ
り高めることができるもので、一般的な金属の前処理に
用いられている酸洗浄やアルカリ洗浄などを使用するこ
とができる。
【0022】次に、前段エッチング工程はアルミニウム
箔の表面を如何に密度を高めて均一にメインピットを生
成させるかが重要となる。このためには、一対の電極板
を複数個備えたエッチング槽を2槽〜3槽用いてアルミ
ニウム箔を連続的に直流エッチングをする。
【0023】この前段エッチング工程で用いられる電解
液は、塩酸水溶液もしくはその水溶液に蓚酸、硫酸、リ
ン酸、硼酸からなる酸またはその塩の少なくとも1つを
添加した電解液で直流エッチングを行うようにする。こ
の塩酸水溶液の濃度は2〜15%の範囲が好ましく、濃
度が2%未満では十分なメインピットを得ることができ
ず、15%を超えるとアルミニウム箔表面の溶解が起き
てしまう。好適な範囲は4〜12%である。
【0024】次に、後段エッチング工程は前段エッチン
グ工程でできたメインピットをアルミニウム箔の表面の
溶解を抑えてメインピットの径拡大を行うもので、効率
よく均一にメインピットの径拡大をするかがポイントと
なる。このためには、後段エッチング工程も一対の電極
板を複数個備えたエッチング槽を2槽〜3槽用いてアル
ミニウム箔を連続的に直流エッチングをする。
【0025】この後段エッチング工程に用いられる電解
液は硫酸、硝酸のいずれかに蓚酸、燐酸、クロム酸、酢
酸、リン酸、クエン酸、硼酸の少なくとも1つ以上を添
加した酸性水溶液が好ましく、その濃度は0.1〜5.
0%の範囲が好ましい。濃度が0.1%未満ではアルミ
ニウム箔表面の溶解が起こり、5.0%を超えるとアル
ミニウム箔の表面に酸化皮膜が形成されすぎてメインピ
ットの径拡大が起こりにくくなる。この電解液中で直流
エッチングすることにより、アルミニウム箔中の不純物
や粒界の影響による表面溶解を抑えてメインピットの径
拡大と均一化を図ることができる。最後に脱Cl処理し
てアルミニウムエッチング箔を得ることができる。
【0026】上記前段エッチング工程および後段エッチ
ング工程において、少なくとも1個の一対の電極板の上
下のいずれかにこれとは別に交流電流を印加する一対の
電極板を設けて交流エッチングを行うようにする。この
ことにより、前段エッチング工程においてはメインピッ
トの長さを均一にすることができ、また、後段エッチン
グ工程では上記メインピットの径拡大を均一にすること
ができてアルミニウムエッチング箔の実効表面積の拡大
を高めることができる。この結果として、静電容量が高
くて機械的強度の強いアルミ電解コンデンサ用陽極箔を
得ることができるものである。
【0027】なお、上記交流電流に用いられる波形は正
弦波、矩形波、三角波、変形正弦波のいずれかを用いる
ことができ、その周波数は0.5〜30Hzの範囲が好
ましい。
【0028】また、一対の電極板に交流電流を印加して
エッチングする部分を設けた後に必ず一対の電極板に直
流電流を印加してエッチングする部分を設けるようにす
るのが良い。このようにすることにより、アルミニウム
箔の表面を粗面化して水和皮膜を形成して、直流電流に
よるエッチングピットの形成をより効率的に行うことが
できる。
【0029】さらに、前段エッチング工程および後段エ
ッチング工程において、直流電流を印加する一対の電極
板は、アルミニウム箔と一対の電極板の間に流れる直流
電流を電気絶縁材で部分的に遮断するようにする。この
ようにすることにより、電解液中の電流密度を均一にす
ることができるのでアルミニウム箔に形成されるエッチ
ングピットの長さが均一になり、また、エッチング効率
も高めることができるのでアルミニウム箔の実効表面積
の拡大をより高めることができる。
【0030】以下、実施の形態1について具体的な実施
例を用いて説明をする。
【0031】(実施例1)純度99.99%、厚み10
0μmのアルミニウム箔を0.5%NaOH水溶液で1
分間浸漬して前処理を行った。
【0032】次に、前段エッチング工程は図2に示すエ
ッチング槽を2槽用いてアルミニウム箔を連続的に直流
エッチングをした。同図2において、1はアルミニウム
箔、2a、2bはアルミニウム箔1に対向するように配
置された一対の電極板、3a、3bはアルミニウム箔1
に給電する電流供給ローラ、4a、4bはエッチング槽
5内に配置された槽内ローラ、矢印はアルミニウム箔1
の流れる方向を示す。
【0033】また、アルミニウム箔1に対向するように
配置された一対の電極板2a、2bは図3(a)に示す
ような構造の電極板を用いた。同図3(a)において、
6は電極板であり、この電極板6の上部から下部を部分
的にスリット7を設けるように電気絶縁材8で被覆して
ある。このスリット7は電極板6の上部から下部につれ
て開口部が広く、かつ開口部の間隔を狭くしてある。
【0034】このエッチング槽5によるアルミニウム箔
1のエッチングは、まず、アルミニウム箔1が電流供給
ローラ3aを介して電解液中(図示せず)に入り、電解
液中でアルミニウム箔1と対向するように配置された一
対の電極板2aの間で直流エッチングされる。次にアル
ミニウム箔1が槽内ローラ4a、4bを通過して、再度
電流供給ローラ3bからアルミニウム箔1に通電され
て、アルミニウム箔1と対向するように配置された一対
の電極板2bの間で直流エッチングされることにより、
メインピットを形成したアルミニウム箔1を連続的に得
ることができる。
【0035】この前段エッチング工程で用いた電解液
は、10%塩酸に1%硫酸を添加した85℃の電解液を
用い、一対の電極板2a、2bには電流密度0.5A/
cm2の直流電流を印加して直流エッチングをして、そ
の後水洗をした。
【0036】次に、後段エッチング工程は図4に示すよ
うなエッチング槽を用いてアルミニウム箔を連続的に直
流エッチングをした。同図4において、11はアルミニ
ウム箔、12a、12b、12c、12dはアルミニウ
ム箔11に対向するように配置された一対の電極板、1
4a、14bはアルミニウム箔11に給電する電流供給
ローラ、15a、15b、15c、15dはエッチング
槽16、17内に配置された槽内ローラ、13は交流電
流を印加する一対の電極板、矢印はアルミニウム箔11
の流れる方向を示す。
【0037】また、アルミニウム箔11に対向するよう
に配置された一対の電極板12a、12b、12c、1
2dは図3(a)に示すような構造の電極板を用いた。
【0038】上記エッチング槽16においてアルミニウ
ム箔11のエッチングは、まず、アルミニウム箔11が
電流供給ローラ14aを介して電解液中(図示せず)に
入り、電解液中でアルミニウム箔11と対向するように
配置された一対の電極板12aの間で直流エッチングさ
れる。次に、アルミニウム箔11が槽内ローラを通過し
て、再度アルミニウム箔11と対向するように配置され
た一対の電極板12bの間で直流エッチングされる。こ
のアルミニウム箔11はエッチング槽17に移り、交流
電流を印加した一対の電極板13で交流エッチングされ
る。続いて、一対の電極板12cの間で直流エッチング
され、次に、アルミニウム箔11が槽内ローラ15c、
15dを通過して、再度アルミニウム箔11と対向する
ように配置された一対の電極板12dの間で直流エッチ
ングされる。
【0039】この後段エッチング工程に用いる電解液
は、5%硫酸水溶液に0.5%硼酸を添加した50℃の
電解液を用い、直流電流を印加する一対の電極板15
a、15b、15c、15dには電流密度0.3A/c
2の直流電流を印加し、交流電流を印加する一対の電
極板13には周波数20Hzの正弦波で、電流密度0.
1A/cm2の交流電流を印加してエッチングをし、そ
の後水洗をして、最後に脱Cl処理してアルミニウム箔
を作製した。
【0040】(実施例2)上記実施例1において、後段
エッチング工程を図5に示すようなエッチング槽を用い
てアルミニウム箔を連続的に直流エッチングをした以外
は実施例1と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0041】上記図5において、21はアルミニウム
箔、22a、22b、22c、22dはアルミニウム箔
21に対向するように配置された一対の電極板、24
a、24bはアルミニウム箔21に給電する電流供給ロ
ーラ、25a、25b、25c、25dはエッチング槽
26、27内に配置された槽内ローラ、23a、23b
は交流電流を印加する一対の電極板、矢印はアルミニウ
ム箔21の流れる方向を示す。
【0042】また、アルミニウム箔21に対向するよう
に配置された一対の電極板22a、22b、22c、2
2dは図3(a)に示すような構造の電極板を用いた。
【0043】なお、交流電流を印加する一対の電極板2
3a、23bには周波数20Hzの正弦波で、電流密度
0.1A/cm2の交流電流を印加した。
【0044】(実施例3)上記実施例1において、後段
エッチング工程を図6に示すようなエッチング槽を用い
てアルミニウム箔を連続的に直流エッチングをした以外
は実施例1と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0045】上記図6において、31はアルミニウム
箔、32a、32b、32c、32dはアルミニウム箔
31に対向するように配置された一対の電極板、34
a、34bはアルミニウム箔31に給電する電流供給ロ
ーラ、35a、35b、35c、35dはエッチング槽
36、37内に配置された槽内ローラ、33a、33
b、33cは交流電流を印加する一対の電極板、矢印は
アルミニウム箔31の流れる方向を示す。
【0046】また、アルミニウム箔31に対向するよう
に配置された一対の電極板32a、32b、32c、3
2dは図3(a)に示すような構造の電極板を用いた。
【0047】なお、交流電流を印加する一対の電極板3
3a、33b、33cには周波数20Hzの正弦波で、
電流密度0.1A/cm2の交流電流を印加した。
【0048】(実施例4)上記実施例1において、後段
エッチング工程を図7に示すようなエッチング槽を用い
てアルミニウム箔を連続的に直流エッチングをした以外
は実施例1と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0049】上記図7において、41はアルミニウム
箔、42a、42b、42c、42dはアルミニウム箔
41に対向するように配置された一対の電極板、44
a、44bはアルミニウム箔41に給電する電流供給ロ
ーラ、45a、45b、45c、45dはエッチング槽
46、47内に配置された槽内ローラ、43は交流電流
を印加する一対の電極板で電極板43の裏面に直流電流
を遮断する絶縁板48が備え付けられている。矢印はア
ルミニウム箔41の流れる方向を示す。
【0050】また、アルミニウム箔41に対向するよう
に配置された一対の電極板42a、42b、42c、4
2dは図3(a)に示すような構造の電極板を用いた。
【0051】(実施例5)上記実施例1において、前段
エッチング工程を図4に示すようなエッチング槽を用い
てアルミニウム箔を連続的に直流エッチングをした以外
は実施例1と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0052】なお、上記前段エッチング工程の電解液は
実施例1の前段エッチング工程の電解液を用い、交流電
流を印加する一対の電極板13には周波数20Hzの正
弦波で、電流密度0.05A/cm2の交流電流を印加
した。
【0053】(比較例1)上記実施例1において、後段
エッチング工程を図2に示すようなエッチング槽(交流
電流の印加が無い)を用いてアルミニウム箔を連続的に
直流エッチングをした以外は実施例1と同様にしてアル
ミニウム箔を作製した。
【0054】なお、直流電流を印加する一対の電極板1
2a、12b、12c、12dには直流電流を部分的に
遮断する電気絶縁材は設けていない。
【0055】上記実施例1〜5と比較例1のアルミニウ
ム箔について、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で5
00Vの印加電圧で化成した後、各試料について静電容
量と折曲げ強度(φ1.0mm、50g荷重、折曲げ角度
90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。そ
の結果を(表1)に示す。
【0056】
【表1】
【0057】(表1)より明らかなように、本発明の実
施例1〜5のアルミニウム箔は、比較例1のアルミニウ
ム箔に比べて静電容量が高く機械的強度も強いアルミニ
ウム箔を得ることができる。
【0058】特に実施例5は前段エッチング工程および
後段エッチング工程に直流電流を印加する一対の電極板
の一部にこれとは別に交流電流を印加する一対の電極板
を設けることによりメインピットの長さを均一にするこ
とができ、また、メインピットの径拡大も均一であるこ
とから、アルミニウム箔の実効表面積の拡大を高めるこ
とができ、その結果として、静電容量の高いアルミ電解
コンデンサ用陽極箔を得ることができる。
【0059】(実施の形態2)図8は本発明の実施の形
態2によるアルミ電解コンデンサ用陽極箔に用いられる
アルミニウム箔のエッチング工程を示すフローチャート
である。同図8において、まず、弁作用を有するアルミ
ニウム箔は、厚さ50〜110μmのものを用い、必要
に応じて前処理を行う。この前処理を行うことにより前
段エッチング工程でのメインピットの密度をより高める
ことができるもので、一般的な金属の前処理に用いられ
ている酸洗浄やアルカリ洗浄などを使用することができ
る。
【0060】次に、前段エッチング工程はアルミニウム
箔の表面を如何に密度を高めて均一にピットを生成させ
るかが重要となる。このためには、エッチング槽を2槽
〜3槽用いてアルミニウム箔を連続的に直流エッチング
をする。
【0061】この前段エッチング工程で用いられる電解
液は、塩酸水溶液もしくはその水溶液に蓚酸、硫酸、リ
ン酸、硼酸からなる酸またはその塩の少なくとも1つを
添加したエッチング液で電気化学的にエッチングを行う
ようにする。この塩酸水溶液の濃度は2〜15%の範囲
が好ましく、濃度が2%未満では十分なメインピットを
得ることができず、15%を超えるとアルミニウム箔の
表面の溶解が起きてしまう。好適な範囲は4〜12%で
ある。
【0062】次に、中段エッチング工程は前段エッチン
グ工程で形成されたメインピットの途中および末端に枝
状に伸びたサブピットを形成させる役目をするものであ
る。このためには、エッチング槽を2槽〜3槽用いてア
ルミニウム箔を連続的に直流エッチングをする。
【0063】この中段エッチング工程に用いられる電解
液は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウ
ムなどの塩化物水溶液で濃度が0.1〜10%の範囲の
ものである。濃度が0.1%未満ではエッチング効果が
小さく、10%を超えるとアルミニウム箔の表面の溶解
が起きて、いずれも本発明の目的とするアルミニウム箔
の実効表面積の拡大をすることができない。また、エッ
チング液温度はアルミニウム箔との反応に重要な影響を
及ぼし、70℃以下ではエッチング反応速度が遅くエッ
チングされにくくなり、一方、95℃を超えるとアルミ
ニウム箔の表面溶解が起こり、メインピットの途中およ
び末端に枝状に伸びたサブピットの形成ができない。従
って、エッチング液温度は70〜95℃が好適な範囲で
ある。
【0064】次に、後段エッチング工程は前段エッチン
グ工程および中段エッチング工程でできたメインピット
およびサブピットをアルミニウム箔の表面の溶解を抑え
てメインピットおよびサブピットの径拡大を行うもの
で、効率よく均一に各ピットの径拡大をするかがポイン
トとなる。このためには、後段エッチング工程も一対の
電極板を複数個備えたエッチング槽を2槽〜3槽用いて
アルミニウム箔を連続的に直流エッチングをする。
【0065】この後段エッチング工程に用いる電解液は
硫酸、硝酸のいずれかに蓚酸、燐酸、クロム酸、酢酸、
リン酸、クエン酸、硼酸の少なくとも1つ以上を添加し
た電解液が好ましく、その濃度は0.1〜5.0%の範
囲が好ましい。濃度が0.1%未満ではアルミニウム箔
表面の溶解が起こり、5.0%を超えるとアルミニウム
箔の表面に酸化皮膜が形成されすぎて各ピットの径拡大
が起こりにくくなる。この電解液中で直流エッチングす
ることにより、アルミニウム箔中の不純物や粒界の影響
による表面溶解を抑えて各ピットの径拡大と均一化を図
ることができる。
【0066】最後に、脱Cl処理してエッチングされた
アルミニウム箔とする。
【0067】上記前段エッチング工程、中段エッチング
工程、後段エッチング工程において、少なくとも1個の
一対の電極板の上下のいずれかにこれとは別に交流電流
を印加する一対の電極板を設けて交流エッチングを行う
ようにする。このことにより、前段エッチング工程にお
いてはメインピットの長さを均一にすることができ、ま
た、中段エッチング工程においてはメインピットの途中
および末端に数多くの枝状に伸びたサブピットを均一に
形成することができ、さらに、後段エッチング工程では
上記メインピットおよびサブピットの径拡大を均一にす
ることができ、アルミニウム箔の実効表面積の拡大を高
めることができる。
【0068】また、前段エッチング工程および後段エッ
チング工程において、直流電流を印加する一対の電極板
は、アルミニウム箔と一対の電極板の間に流れる直流電
流を電気絶縁材で部分的に遮断するようにする。このよ
うにすることにより、電解液中の電流密度を均一にする
ことができるので、アルミニウム箔に形成されるエッチ
ングピットの長さが均一になり、また、エッチング効率
も高めることができるので、アルミニウム箔の実効表面
積の拡大をより高めることができる。これらの結果とし
て、静電容量が高くて機械的強度の強いアルミ電解コン
デンサ用陽極箔を得ることができるものである。
【0069】以下、実施の形態2について具体的な実施
例を用いて説明をする。
【0070】(実施例6)純度99.98%、厚み10
0μmのアルミニウム箔を0.5%NaOH水溶液で1
分間浸漬して前処理を行った。
【0071】次に、前段エッチング工程は図2に示すエ
ッチング槽を2槽用いてアルミニウム箔を連続的に直流
エッチングをした(図2の説明は上記実施例1を参
照)。なお、一対の電極板2a、2bは図3(b)に示
すような構造の電極板を用いた。同図3(b)におい
て、6は電極板であり、この電極板6の上部から下部を
部分的に孔7を設けるように電気絶縁材8で被覆してあ
る。この孔7は電極板6の上部から下部につれて孔径が
広く、かつ孔径の間隔を狭くしてある。
【0072】このエッチング槽5によるアルミニウム箔
1のエッチングは、まず、アルミニウム箔1が電流供給
ローラ3aを介して電解液中(図示せず)に入り、電解
液中でアルミニウム箔1と対向するように配置された一
対の電極板2aの間で直流エッチングされる。次にアル
ミニウム箔1が槽内ローラ4a、4bを通過して、再度
電流供給ローラ3bからアルミニウム箔1に通電され
て、アルミニウム箔1と対向するように配置された一対
の電極板2bの間で直流エッチングされることにより、
メインピットを形成したアルミニウム箔1を連続的に得
ることができる。
【0073】この前段エッチング工程で用いた電解液
は、10%塩酸に1%硫酸を添加した85℃の電解液を
用い、一対の電極板2a、2bには電流密度2000A
/cm 2の直流電流を印加して直流エッチングをして、
その後水洗をした。
【0074】次に、中段エッチング工程を図4に示すよ
うなエッチング槽を用いてアルミニウム箔を連続的に直
流エッチングをした(図4の説明は上記実施例1を参
照)。
【0075】上記エッチング槽16において、アルミニ
ウム箔11のエッチングは、まず、アルミニウム箔11
が電流供給ローラ14aを介して電解液中(図示せず)
に入り、電解液中でアルミニウム箔11と対向するよう
に配置された一対の電極板12aの間で直流エッチング
される。次に、アルミニウム箔11が槽内ローラ15
a、15bを通過して、再度アルミニウム箔11と対向
するように配置された一対の電極板12bの間で直流エ
ッチングされる。このアルミニウム箔11はエッチング
槽17に移り、交流電流を印加された一対の電極板13
で交流エッチングされる。続いて、一対の電極板12c
の間で直流エッチングされ、次に、アルミニウム箔11
が槽内ローラ15c、15dを通過して、再度アルミニ
ウム箔11と対向するように配置された一対の電極板1
2dの間で直流エッチングされる。
【0076】この中段エッチング工程に用いた電解液
は、3%塩化アンモニウムの中性塩水溶液からなる90
℃の電解液を用い、一対の電極板12aおよび12cに
は電流密度1200A/cm2の直流電流を、一対の電
極板12bおよび12dには電流密度600A/cm2
の直流電流を印加し、また、一対の電極板13には周波
数20Hzの正弦波で、電流密度0.1A/cm2の交
流電流を印加してエッチングをして、その後水洗をし
た。
【0077】次に、後段エッチング工程は図2に示すエ
ッチング槽を2槽用い、また、アルミニウム箔1に対向
するように配置された一対の電極板2a、2bは図3
(b)に示すような構造の電極板を用いてアルミニウム
箔1を連続的に直流エッチングをした。
【0078】この後段エッチング工程に用いた電解液
は、5%硝酸水溶液に0.5%硼酸を添加した50℃の
電解液を用い、一対の電極板2a、2bには電流密度1
000A/cm2の直流電流を印加して直流エッチング
をし、その後水洗して、最後に脱Cl処理してエッチン
グされたアルミニウム箔を作製した。
【0079】(実施例7)上記実施例6において、中段
エッチング工程を図5に示すようなエッチング槽を用
い、また、アルミニウム箔21に対向するように配置さ
れた一対の電極板22a、22b、22c、22dは図
3(b)に示すような構造の電極板を用いてアルミニウ
ム箔1を連続的に直流エッチングをした以外は実施例6
と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0080】なお、交流電流を印加する一対の電極板2
3a、23bには周波数20Hzの正弦波で、電流密度
0.1A/cm2の交流電流を印加した。
【0081】(実施例8)上記実施例6において、中段
エッチング工程を図6に示すようなエッチング槽を用
い、また、アルミニウム箔31に対向するように配置さ
れた一対の電極板32a、32b、32c、32dは図
3(b)に示すような構造の電極板を用いてアルミニウ
ム箔1を連続的に直流エッチングをした以外は実施例6
と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0082】なお、交流電流を印加する一対の電極板3
3a、33b、33cには周波数20Hzの正弦波で、
電流密度0.1A/cm2の交流電流を印加した。
【0083】(実施例9)上記実施例6において、中段
エッチング工程を図7に示すようなエッチング槽を用
い、また、アルミニウム箔41に対向するように配置さ
れた一対の電極板42a、42b、42c、42dは図
3(b)に示すような構造の電極板を用いてアルミニウ
ム箔1を連続的に直流エッチングをした以外は実施例6
と同様にしてアルミニウム箔を作製した。
【0084】なお、交流電流を印加する一対の電極板4
3には周波数15Hzの正弦波で、電流密度が0.0
1、0.05、0.1、0.15、0.2A/cm2
交流電流をそれぞれ印加したアルミニウム箔を作製し
た。
【0085】(実施例10)上記実施例6において、前
段エッチング工程を図4に示すようなエッチング槽を用
いてアルミニウム箔11を連続的に直流エッチングをし
た以外は実施例6と同様にしてアルミ電解コンデンサ用
陽極箔を作製した。
【0086】なお、交流電流を印加する一対の電極板1
3には周波数10Hzの正弦波で、電流密度を0.05
A/cm2の交流電流を印加した。
【0087】(実施例11)上記実施例6において、後
段エッチング工程を図5に示すようなエッチング槽を用
いてアルミニウム箔21を連続的に直流エッチングをし
た以外は実施例6と同様にしてアルミ電解コンデンサ用
陽極箔を作製した。
【0088】なお、交流電流を印加する一対の電極板2
3a、23bには周波数20Hzの正弦波で、電流密度
0.15A/cm2の交流電流を印加した。
【0089】(実施例12)上記実施例6において、前
段エッチング工程および後段エッチング工程を図4に示
すようなエッチング槽を用いてアルミニウム箔11を連
続的に直流エッチングをした以外は実施例6と同様にし
てアルミ電解コンデンサ用陽極箔を作製した。
【0090】(比較例2)上記実施例6において、中段
エッチング工程を図2に示すようなエッチング槽(交流
電流の印加が無い)を用いてアルミニウム箔1を連続的
に直流エッチングをした以外は実施例6と同様にしてア
ルミニウムエッチング箔を作製した。
【0091】なお、直流電流を印加する一対の電極板1
2a、12b、12c、12dには直流電流を部分的に
遮断する電気絶縁材は設けていない。
【0092】上記実施例6〜12と比較例2のアルミニ
ウム箔について、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で
280Vの印加電圧で化成した後、各試料について静電
容量と折曲げ強度(φ1.0mm、50g荷重、折曲げ角
度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。
その結果を(表2)に示す。
【0093】
【表2】
【0094】(表2)より明らかなように、本発明の実
施例6〜12のアルミニウム箔は、比較例2のアルミニ
ウム箔に比べて静電容量が高く機械的強度も強いアルミ
ニウム箔を得ることができる。
【0095】特に実施例12は前段エッチング工程、中
段エッチング工程および後段エッチング工程に直流電流
を印加する一対の電極板とは別に交流電流を印加する一
対の電極板を設けることにより、メインピットおよびサ
ブピットの長さを均一にすることができ、また、メイン
ピットおよびサブピットの径拡大も均一であることから
アルミニウム箔の実効表面積の拡大を高めることができ
て、その結果として、静電容量の高いアルミ電解コンデ
ンサ用陽極箔を得ることができる。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミ電解コンデ
ンサ用陽極箔の製造方法は、一対の電極板を複数個備え
た複数のエッチング槽内でアルミニウム箔を一対の電極
板の間を通過させて直流エッチングを行うアルミ電解コ
ンデンサ用陽極箔の製造方法であって、上記複数のエッ
チング槽の少なくとも一対の電極板の上下のいずれかに
これとは別に交流電流を印加する一対の電極板を設けて
交流エッチングを行う製造方法とすることにより、直流
電流を印加してピットを形成するときに、交流電流を印
加するとアルミニウム箔の表面に水和皮膜が形成される
ため、より直流電流によるピットの形成を効率的に形成
させることができることから、アルミニウム箔の実効表
面積の拡大を高めることができる。その結果として、静
電容量が高くて機械的強度の強いアルミ電解コンデンサ
用陽極箔を得ることができるという効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるアルミ電解コンデ
ンサ用陽極箔のエッチング工程を示すフローチャート
【図2】同実施の形態1の実施例1〜4、実施の形態2
の実施例6〜11および比較例1、2に用いたエッチン
グ槽を示す断面図
【図3】(a)同実施の形態1の実施例1〜5による電
極板の構成を示す斜視図(b)同実施の形態2の実施例
6〜12による電極板の構成を示す斜視図
【図4】同実施の形態1の実施例1および5、実施の形
態2の実施例6、10および12に用いたエッチング槽
を示す断面図
【図5】同実施の形態1の実施例2、実施の形態2の実
施例7、11に用いたエッチング槽を示す断面図
【図6】同実施の形態1の実施例3および実施の形態2
の実施例8に用いたエッチング槽を示す断面図
【図7】同実施の形態1の実施例4および実施の形態2
の実施例9に用いたエッチング槽を示す断面図
【図8】同実施の形態2によるアルミ電解コンデンサ用
陽極箔のエッチング工程を示すフローチャート
【符号の説明】
1 アルミニウム箔 2a、2b 一対の電極板 3a、3b 給電ローラ 4a、4b 槽内ローラ 5 エッチング槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 晶大 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 和子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極板を複数個備えた複数のエッ
    チング槽内でアルミニウム箔を一対の電極板の間を通過
    させて直流エッチングを行うアルミ電解コンデンサ用陽
    極箔の製造方法であって、上記複数のエッチング槽の少
    なくとも1個の一対の電極板の上下のいずれかにこれと
    は別に交流電流を印加する一対の電極板を設けて交流エ
    ッチングを行うようにしたアルミ電解コンデンサ用陽極
    箔の製造方法。
  2. 【請求項2】 交流電流を印加する一対の電極板の直後
    に必ず直流電流を印加する一対の電極板を設けるように
    した請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 交流電流を印加する一対の電極板を直流
    電流を印加する一対の電極板の一部を遮断して設けるよ
    うにした請求項2に記載のアルミ電解コンデンサ用陽極
    箔の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数のエッチング槽がアルミニウム箔の
    表面から厚み方向に多数のメインピットを形成させる前
    段エッチング工程と、このメインピットを所定の径まで
    拡大させる後段エッチング工程からなる請求項1に記載
    のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 複数のエッチング槽がアルミニウム箔の
    表面から厚み方向に多数のメインピットを形成させる前
    段エッチング工程と、このメインピットの途中および末
    端に枝状に伸びたサブピットを形成させる中段エッチン
    グ工程と、このメインピットおよびサブピットを所定の
    径まで拡大させる後段エッチング工程とからなる請求項
    1に記載のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法。
  6. 【請求項6】 交流電流を印加する一対の電極板の電流
    密度を0.01〜0.15A/cm2の範囲にするよう
    にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用陽極箔
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム箔を一対の電極板の間を通
    過させて直流エッチングを行うときに、アルミニウム箔
    と一対の電極板の間に流れる直流電流を電気絶縁材で部
    分的に遮断して直流エッチングをするようにした請求項
    1に記載のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法。
  8. 【請求項8】 電気絶縁材が複数の孔または複数のスリ
    ットからなる開口部を設けたものである請求項7に記載
    のアルミ電解コンデンサ用陽極箔の製造方法。
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