JP2002260909A - 複合磁性材料 - Google Patents

複合磁性材料

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JP2002260909A
JP2002260909A JP2001053991A JP2001053991A JP2002260909A JP 2002260909 A JP2002260909 A JP 2002260909A JP 2001053991 A JP2001053991 A JP 2001053991A JP 2001053991 A JP2001053991 A JP 2001053991A JP 2002260909 A JP2002260909 A JP 2002260909A
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metal
composite
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Takeshi Takahashi
岳史 高橋
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
Osamu Inoue
修 井上
Junichi Kato
純一 加藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁耐圧の高い複合磁性材料を提供すること
を目的とするものである。 【解決手段】 金属磁性粉と有機樹脂および添加剤Aと
からなり、有機樹脂を1.0〜10%、添加剤Aを0.
05〜2.0%含有してなり、絶縁耐圧が500V以上
の複合磁性材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器のインダ
クタ、チョークコイル、トランスその他に用いられる複
合磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型薄型化に伴い、これらに
用いられる部品やデバイスも小型化、薄型化することが
強く求められている。一方、CPUなどのLSIは高集
積化してきており、これに供給される電源回路には数A
〜数十Aの電流が供給されることがある。従って、これ
らに用いられるチョークコイル等のインダクタにおいて
も、小型化要求とともに、直流重畳によるインダクタン
スの低下が少ないことが必要とされている。また、使用
周波数が高周波化しており、高周波での損失の低いこと
が求められる。すなわち、大電流、高周波で使用可能で
あり、かつ、極力小型、薄型化したインダクタを供給す
ることが求められている。
【0003】チョークコイル等インダクタに用いられる
磁性材料としてはフェライト軟磁性材料や金属磁性材料
が挙げられる。しかし、フェライト軟磁性材料は金属磁
性材料に比べ、飽和磁束密度が低いため、磁気飽和によ
るインダクタンスの低下が大きく、直流重畳特性が悪
い。そのため、通常コアの磁路を妨げる垂直方向にギャ
ップを設け、見掛けの透磁率を下げて使用することが行
われている。しかし、このようなギャップはノイズ音の
発生源となる。また、透磁率を下げても飽和磁束密度は
低いままであるため、直流重畳特性は金属磁性材料より
悪いといった問題点が有る。
【0004】一方金属磁性材料は、フェライト材料に比
べて飽和磁束密度が著しく大きく、直流重畳特性は良い
が、電気抵抗が低いため、数百kHz〜MHzの高周波
域では渦電流損失が大きくそのままでは使用できない。
そのため、粉末化したものを用い、粉末粒子間絶縁処理
を施し、加圧成形してコアとしたいわゆる圧粉磁芯とし
て使用されている。例えば特開昭55−130103号
公報、特開昭56−155510号公報では金属磁性粉
末表面に無機あるいは有機絶縁層で被覆する方法が提案
されている。
【0005】構造面からは、小型高性能インダクタ部品
を提供する方法として、磁性材料中にコイルを埋設し、
デッドスペースを無くし、磁路断面積の拡大を図り、高
いインダクタンスを実現するものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧粉磁芯における絶縁処理は、粉末粒子同士が接触し電
気的に短絡することによる渦電流損失の増加を抑制する
ものであり、圧粉磁芯としての電気抵抗は数十Ω・cm
程度で、電気絶縁性としては非常に低いものである。こ
のため、絶縁耐圧が必要とされる場合はコア表面をさら
に有機樹脂等で被覆し絶縁処理を行うことが必要であ
る。
【0007】本発明は、上記従来の技術における課題を
解決し、絶縁耐圧の高い複合磁性材料を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、以下の構成を有するものである。
【0009】第1の発明は、有機樹脂を1.0〜10
%、添加剤Aを0.05〜2.0%で、絶縁耐圧が50
0V以上であるものである。
【0010】第2の発明は、添加剤Aは、脂肪族炭化水
素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族アミド
系、金属石けん、脂肪酸エステル系から選ばれた少なく
とも1種である。
【0011】第3の発明は、金属磁性粉は、Fe系、F
e−Si系、Fe−Al系、Fe−Ni系、Fe−Al
−Si系から選ばれた少なくとも1種である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態にお
ける複合磁性材料について説明する。
【0013】本実施の形態における複合磁性材料は、金
属磁性粉と有機樹脂および添加剤Aとからなり、加圧成
形後に加熱硬化するものである。
【0014】金属磁性粉は、Fe系、Fe−Si系、F
e−Al系、Fe−Ni系、Fe−Al−Si系から選
ばれる少なくとも1種である。粉末粒子径としては1.
0〜100μmが好ましい。粉末粒子径が1.0μmよ
り小さいと成形密度が低くなり、透磁率が低下するため
好ましくない。粉末粒子径が100μmより大きくなる
と高周波での渦電流損失が大きくなり好ましくない。さ
らに好ましくは50μm以下とすることが良い。
【0015】有機樹脂は、粉末粒子間絶縁と結着剤の両
方の役目を担うものであり、含有量としては金属磁性粉
に対して重量%で1.0〜10%であることが必要であ
る。1.0%より少ないと粉末端子間の絶縁が十分でな
く、また結着性も低く機械的強度が劣る。10%より多
いと金属磁性粉の充填量が低く、透磁率が低下するため
好ましくない。
【0016】有機樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、熱硬化型シリコーン樹
脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、熱硬化型アクリル樹
脂、熱硬化型フッ素樹脂等熱硬化性樹脂が挙げられる
が、好ましくはエポキシ樹脂、熱硬化型シリコーン樹脂
である。
【0017】添加剤Aは、高絶縁耐圧を発現し得るため
の添加剤であり、脂肪族炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族
アルコール系、脂肪族アミド系、金属石けん、脂肪酸エ
ステル系が挙げられるが、好ましくは脂肪酸系、金属石
けんであり、より好ましくは金属石けんである。
【0018】複合磁性材料は、以下の工程により作成す
ることによって高絶縁耐圧を発現し得るものである。ま
ず、金属磁性粉表面を有機樹脂で被覆することにより粒
子間絶縁を行う。その後添加剤Aを添加混合し加圧成形
を行い成形体とする。このとき添加剤Aは粒子間の滑性
を高め成形時における粒子間の摩擦抵抗を小さくし、せ
ん断応力を低減することにより、金属磁性粉粒子を被覆
している有機樹脂層を破壊させることなく成形体とする
ことが可能となり、絶縁耐圧500V以上の高絶縁耐圧
化を実現し得ることができる。なお、本実施の形態にお
ける絶縁耐圧とは50Vステップで電圧を印加していき
電気抵抗値が1MΩ・cmを維持できる最高印加電圧の
値である。すなわち、500Vまでは電気抵抗値1MΩ
・cm以上を示しており550Vで1MΩ・cmより低
い電気抵抗値を示した場合絶縁耐圧は500Vとする。
また、添加剤Aの添加量は0.05%より少ないと成形
時の摩擦抵抗低減効果に乏しく、2.0%より多いと成
形体密度を低下させ電磁気特性が低くなるため好ましく
ない。望ましい添加量は0.05%以上2.0%以下で
ある。
【0019】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0020】(実施例1)金属磁性粉末として、平均粒
径約15μmの96.5%Fe−3.5%Si粉末を用
意した。用意した金属磁性粉に対し、エポキシ樹脂(例
えばビスフェノールA型)を4wt%、硬化剤(例えば
酸無水物)を1wt%の総量5wt%を有機溶剤の溶液
としたのち添加混合した。その後、80℃で60分間乾
燥した。その後(表1)に示す量のステアリン酸亜鉛を
添加混合した後、金型に注入し3.5ton/cm2
加圧成形を行い10mm角で厚さ1mmの成形体とし、
その後150℃で90分間硬化して複合磁性材料を得
た。得られた磁性材料に関して、厚さ方向に対し100
Vから50Vステップで電圧を印加し絶縁耐圧を求め
た。また、密度測定を行い金属磁性粉の充填率を求め
た。結果を(表1)に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(実施例2)(表2)に示す各種金属磁性
粉に対し、(表2)に示す各種有機樹脂、添加剤Aを
(表2)に示す量添加することを除いては(実施例1)
と同様にして複合磁性材料を作成し、絶縁耐圧及び金属
磁性粉の充填率を求めた。結果を(表2)に示す。
【0023】
【表2】
【0024】(表1)、(表2)から、金属磁性粉に対
し有機樹脂を1.0〜10wt%、添加剤Aを0.05
〜2.0wt%添加した後加圧成形、加熱硬化して得ら
れる本発明における複合磁性材料は、金属磁性粉充填率
が高く、高絶縁耐圧を示すことがわかる。
【0025】(実施例3)ステアリン酸亜鉛の添加量を
0.2wt%とすることを除いては(実施例1)と同様
に作成した粉末と、ステアリン酸亜鉛を添加しないこと
を除いては(実施例1)と同様に作成した粉末を用意し
た。次に直径1mmの被覆銅線を用いて、内径5.5m
mの2段積み4.5ターンコイルを準備した。用意した
粉末を金型の中に一部注入し軽くプレスしてならした後
コイルを入れさらに粉末を入れて3.5ton/cm2
で成形し、金型より取り出し150℃で90分間加熱硬
化を行い、12.5mm角で厚さ3.5mmの複合磁性
体中にコイルが埋設された磁性部品を作成した。上記2
種類の粉末についてそれぞれ10個ずつ作成した。得ら
れた磁性部品について、コイル端子部の被覆をやすりで
除去した後、露出した銅線と複合磁性体をそれぞれワニ
口クリップで挟み、銅線と複合磁性体間の絶縁耐圧を測
定したところステアリン酸亜鉛を添加した粉末を用いた
ものは全て絶縁耐圧が500V以上を示したのに対し、
ステアリン酸亜鉛無添加粉末を用いたものでは10個中
4個が150〜300Vの絶縁耐圧しか得られなかっ
た。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば絶
縁耐圧に優れた複合磁性材料を提供することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 加藤 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BD121 BG021 CC031 CC161 CC181 CD001 CF011 CH121 CP031 DA067 DA087 EF006 EF056 EG006 EG046 5E041 AA02 AA03 AA04 AA07 AC01 AC05 HB15 NN01 NN03 NN15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属磁性粉と有機樹脂および添加剤Aと
    からなり、加圧成形後に加熱硬化する複合磁性材料で、
    前記有機樹脂を1.0〜10%、添加剤Aを0.05〜
    2.0%含有してなり、絶縁耐圧が500V以上である
    複合磁性材料。
  2. 【請求項2】 添加剤Aは、脂肪族炭化水素系、脂肪酸
    系、脂肪族アルコール系、脂肪族アミド系、金属石け
    ん、脂肪酸エステル系から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1記載の複合磁性材料。
  3. 【請求項3】 金属磁性粉は、Fe系、Fe−Si系、
    Fe−Al系、Fe−Ni系、Fe−Al−Si系から
    選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の複合磁性
    材料。
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