JP2002256839A - 小型船舶のドライサンプ潤滑構造 - Google Patents

小型船舶のドライサンプ潤滑構造

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JP2002256839A
JP2002256839A JP2001054800A JP2001054800A JP2002256839A JP 2002256839 A JP2002256839 A JP 2002256839A JP 2001054800 A JP2001054800 A JP 2001054800A JP 2001054800 A JP2001054800 A JP 2001054800A JP 2002256839 A JP2002256839 A JP 2002256839A
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breather
engine
cooling water
tank
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Naoki Kinomoto
直樹 木野本
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Sanshin Kogyo KK
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    • F01M2001/126Dry-sumps

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブリーザ構造の配置スペースの確保が容易で、
組付けや保守点検が簡単であり、またブリーザ構造のブ
リーザ経路にオイルが直接侵入することを防止する。 【解決手段】エンジン3で駆動される推進機11を備
え、このエンジン3に備えたオイルタンク27からエン
ジン3の各潤滑部にオイルを供給し、潤滑後のオイルを
オイルタンク27に汲み上げる小型船舶のドライサンプ
潤滑構造であって、オイルタンク27を、タンク本体3
00と蓋体400の上下割で構成し、タンク本体300
にオイルを貯留し、蓋体400にブリーザ構造を設け、
このブリーザ構造のブリーザ経路をエンジン3の吸気系
に接続している。また、オイルタンク27の上部に、連
通する複数のブリーザ室を有し、このブリーザ室への入
口を複数有するブリーザ構造を設け、このブリーザ構造
のブリーザ経路をエンジン3の吸気系に接続している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、小型船舶のドラ
イサンプ潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型船舶には、例えば、エンジン
で駆動される推進機を備え、このエンジンに備えたオイ
ルタンクからエンジンの各潤滑部にオイルを供給し、潤
滑後のオイルをオイルタンクに汲み上げるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このよう小型船舶のド
ライサンプ潤滑構造では、排気による大気汚染を防止す
るために、エンジン本体に設けたブリーザ装置のブリー
ザ経路をエンジンの吸気系に接続し、オイルのオイルミ
ストやブローバイガスを燃焼するようにしているが、エ
ンジン本体には吸気系や排気系等が配置され、ブリーザ
装置の配置スペースの確保が困難で、組付けや保守点検
が面倒である。
【0004】また、小型船舶では、発進時や停止時、あ
るいは航走時の波等によって、ドライサンプ潤滑構造で
のオイルの油面が大きく変化し、ブリーザ装置のブリー
ザ経路にオイルが直接侵入してブリーザ装置の性能が低
下する等の問題がある。
【0005】この発明は、従来の間題を解決するために
なされたもので、ブリーザ構造の配置スペースの確保が
容易で、組付けや保守点検が簡単であり、またブリーザ
構造のブリーザ経路にオイルが直接侵入することを防止
する小型船舶のドライサンプ潤滑構造を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、この発明は、以下のように構成
した。
【0007】請求項1に記載の発明は、『エンジンで駆
動される推進機を備え、このエンジンに備えたオイルタ
ンクからエンジンの各潤滑部にオイルを供給し、潤滑後
のオイルを前記オイルタンクに汲み上げる小型船舶のド
ライサンプ潤滑構造であって、前記オイルタンクを、タ
ンク本体と蓋体の上下割で構成し、前記タンク本体にオ
イルを貯留し、前記蓋体にブリーザ構造を設け、このブ
リーザ構造のブリーザ経路を前記エンジンの吸気系に接
続したことを特徴とする小型船舶のオイル供給構造。』
である。
【0008】この請求項1に記載の発明によれば、オイ
ルタンクを、タンク本体と蓋体の上下割で構成し、タン
ク本体にオイルを貯留し、蓋体にブリーザ構造を設けた
から、ブリーザ構造の配置スペースの確保が容易で、組
付けや保守点検が簡単である。
【0009】請求項2に記載の発明は、『前記ブリーザ
構造は、連通する複数のブリーザ室を有し、このブリー
ザ室への入口を複数有することを特徴とする請求項1に
記載の小型船舶のオイル供給構造。』である。
【0010】この請求項2に記載の発明によれば、ブリ
ーザ構造は、連通する複数のブリーザ室を有し、このブ
リーザ室への入口を複数有することで、小型船舶での発
進時や停止時、あるいは航走時の波等によって、オイル
タンクのオイルの油面が大きく変化しても、ブリーザ構
造のブリーザ経路にオイルが直接侵入することを防止す
ることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、『前記ブリーザ
室への複数の入口は、離れた位置に設けたことを特徴と
する請求項2に記載の小型船舶のオイル供給構造。』で
ある。
【0012】この請求項3に記載の発明によれば、ブリ
ーザ室への複数の入口は、離れた位置に設けたことで、
オイルタンクのオイルの油面が大きく変化しても、ブリ
ーザ構造のブリーザ経路にオイルが直接侵入することを
より確実に防止することができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、『エンジンで駆
動される推進機を備え、このエンジンに備えたオイルタ
ンクからエンジンの各潤滑部にオイルを供給し、潤滑後
のオイルを前記オイルタンクに汲み上げる小型船舶のド
ライサンプ潤滑構造であって、前記オイルタンクの上部
に、連通する複数のブリーザ室を有し、このブリーザ室
への入口を複数有するブリーザ構造を設け、このブリー
ザ構造のブリーザ経路を前記エンジンの吸気系に接続し
たことを特徴とする小型船舶のオイル供給構造。』であ
る。
【0014】この請求項4に記載の発明によれば、オイ
ルタンクの上部に、連通する複数のブリーザ室を有し、
このブリーザ室への入口を複数有するブリーザ構造を設
けたから、小型船舶での発進時や停止時、あるいは航走
時の波等によって、オイルタンクのオイルの油面が大き
く変化しても、ブリーザ構造のブリーザ経路にオイルが
直接侵入することを防止することができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、『前記ブリーザ
室への複数の入口は、離れた位置に設けたことを特徴と
する請求項4に記載の小型船舶のオイル供給構造。』で
ある。
【0016】この請求項5に記載の発明によれば、ブリ
ーザ室への複数の入口は、離れた位置に設けたことで、
オイルタンクのオイルの油面が大きく変化しても、ブリ
ーザ構造のブリーザ経路にオイルが直接侵入することを
より確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の小型船舶のドラ
イサンプ潤滑構造の実施の形態を図面を参照して詳細に
説明する。
【0018】図1は小型船舶の側面図、図2は小型船舶
の平面図、図3は小型船舶のエンジンを右斜め前方から
見た斜視図、図4は小型船舶のエンジンを右斜め前方か
ら見た斜視図、図5は小型船舶のエンジン等を後方から
見た一部断面した図、図6はエンジンの動力伝達装置を
示す側面図、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図、図
8は小型船舶のエンジン等を後方から見た一部断面した
図、図9は小型船舶のエンジン等を右側から見た側面
図、図10は小型船舶のエンジン等を左側から見た側面
図、図11はオイルポンプを後方から見た図、図12は
第1のポンプカバーの平面図、図13はポンプケースの
平面図、図14は第2のポンプカバーの平面図、図15
はオイルタンクを前方から見た断面図、図16は図15
のXVI−XVI線に沿う断面図、図17はオイルタンクのオ
イル供給部の断面図、図18は図15のXVIII−XVIII線
に沿う断面図、図19はオイルタンク内のバッフルプレ
ートの平面図、図20はオイルタンク内のバッフルプレ
ートの側面図、図21はオイルタンクの平面図、図22
は図21のXXII−XXII線に沿う断面図、図23は図22
のXXIII−XXIII線に沿う断面図、図24は図21のXXIV
−XXIV線に沿う断面図、図25は図21のXXV−XXV線に
沿う断面図、図26はアルミニウムバッフルプレートの
平面図、図27は板金バッフルプレートの平面図、図2
8は蓋体を取り外してオイルタンクを艇体前方から見た
図、図29は蓋体を取り外してオイルタンクを艇体後方
から見た図、図30はオイルタンクの冷却水の流れを説
明する図、図31はオイルタンクのオイル供給部の他の
実施の形態を示す断面図である。
【0019】この実施の形態の小型船舶1は、小型滑走
艇であり、断面略V宇形のハル2aと、その上部に被着
されたデッキ2bとが接合されて一体化された艇体2を
有し、この艇体2のハル2aの前後方向略中央部には、
駆動源である4サイクルのエンジン3が図3乃至図5に
示すような複数のエンジンマウント16を介して搭載さ
れている。これらエンジンマウント16は、ハル2aの
内側に接着されたハルライナ(図示せず)に固定される
ようになっている。そして、エンジン3の前方(図1及
び図2矢印方向)には、燃料タンク4が配置されてお
り、エンジン3、燃料タンク4等の上方はハッチカバー
5と一対のカバー部材6とによって覆われており、エン
ジン3の上方のデッキ2b上面にはステアリングハンド
ル7が設けられている。
【0020】また、艇体2を構成するデッキ2bのステ
アリングハンドル7の前方には、左右一対の吸気ダクト
(ベンチレーションホース)8がデッキ2bを貫通して
その上端が艇体2の外部に向かって開口している。これ
ら吸気ダクト8により、外気を艇体2内に導入し、エン
ジン3への吸気の供給と艇体2内の換気を行うようにし
ている。このデッキ2bには、図5に示すように、エン
ジン3の点検・整備用の開口2cが形成されている。
【0021】さらに、ステアリングハンドル7の後方に
は、シート9が着脱自在に配設され、このシート9の両
側には、図2に示すように、左右一対の足載せステップ
15が設けられると共に、このシート9の後部下方に
は、収納ボックス10が配置されている。
【0022】このエンジン3は、水冷式4気筒4サイク
ルのエンジンで、4つのシリンダ17が設けられたクラ
ンクケース18を有し、このクランクケース18にシリ
ンダヘッド19が取り付けられ、シリンダ17内にはピ
ストン20が配設されている。そして、エンジン3は、
クランク軸12が艇体前後方向に延在するようにして、
艇体2に搭載されている。また、このエンジン3は、ド
ライサンプ方式の潤滑装置を備えており、図3及び図4
に示すように、エンジン3の後部側に潤滑オイルを溜め
ておくオイルタンク27が配置されている。
【0023】ピストン20は、コネクティングロッド2
1を介してクランク軸12に連結される一方、シリンダ
ヘッド19に形成された吸気ポート19a及び排気ポー
ト19bが、それぞれ吸気バルブ22及び排気バルブ2
3にて開閉されるようになっている。これらバルブ2
2,23は、カムシャフト24,25により駆動される
ように構成され、これらカムシャフト24,25はシリ
ンダヘッドカバー28で覆われている。
【0024】クランク軸12は、クランクケース18を
構成するクランクケースアッパ46とクランクケースロ
ア47との間に挟持されて支持されている。クランク軸
12のクランクウェブ12fは、図7に示すように、外
側を切り落とした形状に形成され、軽量化されている。
また、そのクランクケース18には、各気筒の近傍位置
に、軸受け部48が設けられ、これら軸受け部48によ
り、クランク軸12が回転自在に支持されている。
【0025】エンジン3の上方には、吸気ボックス43
が配置され、この吸気ボックス43から気化器44、吸
気ポート19aを介して吸気される。また、二次空気導
入装置(AIS)36が配置されている。
【0026】排気ポート19bには、排気マニホールド
42を介して排気管96が接続され、この排気管96
は、エンジン3の右側から前側を通ってエンジン3の左
側方に周り、後方に向けて延長されている。これによ
り、オイルタンク27が排気管96、マフラー44の配
索の邪魔になるようなことがない。
【0027】排気管96には、マフラー44を介してウ
ォータロック35が接続され、このウォータロック35
の取付部35aには、下流側排気管35bが接続されて
いる。
【0028】艇体2の後端部であって、艇体2の幅方向
中央部には推進機11が配置されており、エンジン3の
クランク軸12には、図6乃至図14に示すように、艇
体2の幅方向中央に前後方向に延びるインペラ軸13が
動力伝達装置Aを介して連結されている。動力伝達装置
Aは、クランク軸12に連結された駆動軸39及びイン
ペラ軸13に接続された出力軸14等から構成される。
【0029】インペラ軸13は推進機11内に導入さ
れ、その後端部には推進機11のインペラハウジング1
1aに内蔵された不図示のインペラが取り付けられてい
る。また、推進機11の後端部には、ステアリングハン
ドル7の操舵操作によってその方向が左右に変化する操
向ノズル26が揺動自在に取り付けられている。
【0030】この小型滑走艇において、エンジン3によ
って推進機11が駆動されると、この推進機11におい
て発生する推力によってこの小型滑走艇が水上を滑走す
る一方、推進機11のポンプ作用によってインペラハウ
ジング11aにおけるインペラよりも下流側の部位から
海水等が冷却水として吸引され、この冷却水によりエン
ジン冷却水経路100を介してエンジン3が冷却される
ように構成されている。
【0031】この実施の形態のエンジン3は、クランク
ケース18の側壁には、図6に示すように、エンジン冷
却水経路100の冷却水管100aがジョイント101
を介して接続され、冷却水をクランクケース18の図示
しない冷却水ジャケットに供給するようになっている。
【0032】ジョイント101には、圧力制御バルブ1
02が取り付けられている。この圧力制御バルブ102
は、エンジン冷却水経路100の冷却水管100aの圧
力が所定以上になると、冷却水を分岐冷却水管100b
を介してオイルタンク27側へ流す。
【0033】クランクケース18の図示しない冷却水ジ
ャケットに供給された冷却水は、シリンダヘッド19に
形成された図示しない冷却水ジャケットを冷却し、シリ
ンダヘッド19から冷却水管100cを介してサーモス
タット103に流れ、サーモスタット103で温度制御
が行なわれる。サーモスタット103は、オイルタンク
27に設けられ、サーモスタット103からは、排水管
104から排水合流管105、絞り106を介してエン
ジン捨て水として船外に排出される。
【0034】また、オイルタンク27は、エンジン3の
後側に配置され、このオイルタンク27の下部には、ジ
ョイント110,111が設けられている。ジョイント
110には分岐冷却水管100bの下流側が接続され、
またジョイント111には、冷却水管100aから分岐
された分岐冷却水管100dが接続されている。オイル
タンク27は、分岐冷却水管100b及び分岐冷却水管
100dから供給される冷却水で冷却され、冷却水はオ
イルタンク27の上部に設けられたジョイント112か
ら排水管113を介して排水合流管105で合流し、絞
り106を介してエンジン捨て水として船外に排出され
る。
【0035】また、エンジン冷却水経路100の冷却水
管100aから分岐された排気系冷却水管100eから
冷却水が、排気マニホールド42に供給される。冷却水
は、排気マニホールド42の図示しない排気通路の周り
に形成された冷却水通路から排気管96の排気通路の周
りに形成された冷却水通路に流れ、さらにマフラー44
の排気通路の周囲に形成された冷却水通路に流れて冷却
し、ウォータロック35に接続するゴムホース44a内
に排出され、冷却水により冷却して排気でゴムホース4
4aの温度が上昇することを防止する。
【0036】また、エンジン3の排気ガスを排気管を通
して艇体外に直接排出するようにすると騒音が大きくな
るために、密閉タンクからなるウォータロック35を設
け、このウォータロック35を通すことにより騒音を減
少させて艇体外に排出するようにしている。
【0037】また、排気管96には高い位置に絞り96
aが設けられ、この絞り96aからパイロット水が排水
管路100fを介して艇体2の側面に設けられた絞り1
00gから捨てられ、空気抜きを行なうことができる。
また、マフラー44の絞り44bからマフラー捨て水が
排水管100hから船外に排出される。
【0038】この実施の形態では、クランクケース18
の側部に、ギヤケース60が図示しない取付ボルトで締
付固定して接合されている。クランク軸12の先端部1
2bをクランクケース18からギヤケース60内に突出
させ、この延出する先端部12bを駆動軸39としてい
る。クランク軸12と駆動軸39を一体化している。こ
の駆動軸39の端部39aは、軸受70を介してギヤケ
ース60の軸受部60aに支持されている。この駆動軸
39には、駆動ギヤ71が固定され、駆動軸39と一体
に回転する。
【0039】クランク軸12の先端部12bには、スプ
ロケット99が設けられ、このスプロケット99と、吸
気バルブ22と排気バルブ23を駆動するカムシャフト
24,25の各スプロケット58,59にカムチェーン
55が掛けられてクランクケース18、シリンダヘッド
19、シリンダヘッドカバー28、ギヤケース60とに
よって形成されるカムチェーン室53に配置されてい
る。カムチェーン55には、チェーンテンショナ52に
より張力が付与される。このように、クランク軸12の
クランクケース18からギヤケース60内に突出する先
端部12bに、動弁機構を駆動するカムチェーン55を
駆動するスプロケット99を設けることで、カムチェー
ン55を極力クランクケース18側に近接して配置する
ことができる。
【0040】このギヤケース60のエンジンケース側に
は、支持ハウジング61が取付ボルト62により締付固
定して接合され、この支持ハウジング61の軸受部61
aに設けられた軸受63と、ギヤケース60の軸受部6
0bに設けられた軸受64とで出力軸14の両端部が回
転可能に支持されている。ギヤケース60には、軸受6
4の外側にシール65が設けられ、オイルが外部に流出
しないようにしている。
【0041】この出力軸14には、駆動ギヤ66が固定
され、この出力軸14の両端部は、支持ハウジング61
の軸受63と、ギヤケース60の軸受64とにより確実
に支持することができる。
【0042】駆動軸39の駆動ギヤ71と出力軸14の
駆動ギヤ66とは噛み合って連動し、クランク軸12の
駆動力は、駆動軸39を介して出力軸14に伝達され
る。このように、クランク軸12のクランクケース18
からギヤケース60内に突出する先端部12bに、駆動
軸39をクランク軸上に直結して設け、この駆動軸39
の端部39aをギヤケース60に軸受70で支持してお
り、エンジン3のクランク軸方向の幅を長くすることな
く軸支して、クランク軸12の駆動力を駆動軸39を介
して出力軸14に伝達することができる。
【0043】また、ギヤケース60のエンジンケース側
には、支持ハウジング61が取付ボルト62により締付
固定して接合され、この支持ハウジング61の軸受部6
1aに設けられた軸受63と、ギヤケース60の軸受部
60aに設けられた軸受64とで出力軸14の両端部1
4a,14bが回転可能に支持されている。ギヤケース
60には、軸受64の外側にシール65が設けられ、オ
イルが外部に流出しないようにしている。
【0044】この出力軸14には、駆動ギヤ66が固定
され、この出力軸14の両端部14a,14bは、支持
ハウジング61の軸受63と、ギヤケース60の軸受6
4とにより確実に支持することができる。
【0045】また、図7に示すように、ギヤケース60
には、オイルポンプ74が組み付けられ、ギヤケース6
0とクランクケース18とでオイルポンプ駆動軸80が
回動可能に支持されている。オイルポンプ74は、ポン
プケース78が第1ポンプカバー77と第2ポンプカバ
ー79で保持され、ポンプケース78にオイルポンプ7
4を構成するスカベンジ側(吸込み側)ポンプ72及び
フィールド側(送り側)ポンプ73が設けられている。
【0046】オイルポンプ駆動軸80には、駆動ギヤ8
1が固定され、この駆動ギヤ81は駆動軸39の駆動ギ
ヤ71と噛み合っており、オイルポンプ駆動軸80は駆
動軸39と連動して回転する。
【0047】オイルポンプ駆動軸80により、オイルポ
ンプ74を構成するスカベンジ側ポンプ72及びフィー
ルド側ポンプ73が駆動される。スカベンジ側ボンプ7
2は、フィールド側ポンプ73より能力が大きく設定さ
れている。スカベンジ側ボンプ72により、エンジン各
部を潤滑してクランク室75の底部に流れてきた潤滑オ
イルを吸い込んで、ギヤケース60と第1ポンプカバー
77とで形成されたオイル通路200を介してオイルタ
ンク27の底部から回収すると共に、フィールド側ポン
プ73により、オイルタンク27内のオイルを底部から
ギヤケース60と第1ポンプカバー77とで形成された
オイル通路201を介して吸い込みエンジン各部に供給
するように構成されている。
【0048】このオイルタンク27内のオイルをエンジ
ン3側に供給する場合は、駆動ギヤ71の駆動力により
オイルポンプ駆動軸80を介してスカベンジ側ボンプ7
2と共にフィールド側ポンプ73が駆動されることによ
り、オイルタンク27内のオイルがオイル通路201を
流れ、更に、フィールド側ポンプ73に流れ込む。そし
て、このフィールド側ポンプ73から第1ポンプカバー
77に形成されたオイルが通路84を流れ、逆止弁86
を介して通路87からギヤケース60の通路89に流入
し、エンジン本体側のオイルフィルター98まで流れ
る。このオイルフィルター98でオイルが浄化された
後、エンジン3のメインギャラリーに送られて、エンジ
ン3各部に供給される。
【0049】逆止弁86は、エンジン停止時には第1ポ
ンプカバー77に形成された通路87を閉じ、オイルタ
ンク27内のオイルが通路87からエンジン側に流れる
ことを規制している。また、逆止弁86及びスプリング
86aは、カラー部材88を介してポンプケース78に
組み付けられている。カラー部材88は鉄で形成され、
逆止弁86及びスプリング86aの作動によってポンプ
ケース78が摩耗することがないようにしている。
【0050】また、クランク軸12の軸芯には、オイル
通路90が形成され、このオイル通路90から各分岐通
路91を介して各部を潤滑する。さらに、クランク軸1
2のオイル通路90に連通して、駆動軸39の軸心を貫
通するオイル通路92が設けられ、この駆動軸39のオ
イル通路92からオイルが、駆動軸39の軸受70とギ
ヤケース60の軸受部60aとの間に形成したオイル溜
93に供給され、軸受70を潤滑する。
【0051】また、駆動軸39のオイル通路92からオ
イルが分岐オイル通路94、駆動ギヤ71のオイル通路
95を介して駆動ギヤ71と、出力軸14の駆動ギヤ6
6の噛み合い部に供給されて潤滑する。オイル溜93の
オイルは、ギヤケース60に形成したオイル通路60f
を介して出力軸14の軸受64に供給され、軸受64を
潤滑する。
【0052】一方、支持ハウジング61の軸受部61a
には、オイルを支持ハウジング外側から出力軸14の先
端部14aに連通して軸受63に導くオイル通路61b
が形成されている。また、支持ハウジング61の外側に
は、オイル通路61bの入口側下部に、オイルをオイル
通路61bに導くオイル受け61cが形成されている。
このように、支持ハウジング61の外側には、オイル通
路61bの入口側下部に、オイルをオイル通路61bに
導くオイル受け61cを形成したから、カムチェーン5
5等から飛散するオイルをオイル受け61cで受け、こ
のオイルを支持ハウジング外側からオイル通路61bを
介して出力軸14の先端部14aの軸受63に導き、円
滑かつ確実に潤滑することができる。
【0053】この実施の形態の小型船舶は、エンジン3
で駆動される推進機11を備え、この推進機11から供
給される冷却水をオイルタンク27に導き冷却し、この
オイルタンク27はエンジン3の後側に取付ブラケット
119等により支持して配置されている。このオイルタ
ンク27に近接して電装ボックス120が隔壁121に
取り付け、艇体2の左右の中心線上で重心位置近傍に配
置されている。この電装ボックス120に設けられた整
流器122に接続した配線123の端子123aと、ア
ース124の端子124aがオイルタンク27の接続部
125に接続されている。
【0054】電装ボックス120には、電力系の電装
品、制御系の電装品が収納され、オイルタンク27に近
接して配置されているが、オイルタンク27が冷却水で
冷却されるオイルタンク冷却構造を有しているために、
電装ボックス120は熱の影響を受けることが防止され
る。
【0055】このオイルタンク27は、図15乃至図3
1に示すように、オイルタンク27を、タンク本体30
0と蓋体400の上下割で構成し、タンク本体300に
オイルを貯留し、蓋体400にブリーザ構造を設けてい
る。
【0056】タンク本体300の底部には、オイル入口
部301が形成され、スカベンジ側ポンプ72からのオ
イルがオイル通路200からオイル入口部301を介し
てタンク本体300の内部に流入して回収される。
【0057】また、タンク本体300の底部には、オイ
ル供給口部302が形成され、タンク本体300の内部
からのオイルがオイル供給口部302からオイル受渡し
部303を介してオイル通路201を流れ、フィールド
側ポンプ73に流れ込む。オイル受渡し部303は、タ
ンク本体300の底部と第1ポンプカバー77との間に
設けられたスリーブ303aとOリング303bとから
構成される。
【0058】オイル供給口部302は、フィルタ304
で覆われ、このオイル供給口部302は、入口側302
aが広く出口側302bが狭くなるように、少なくとも
船体の左右方向の面が傾斜して絞られた形状に形成され
るが、この実施の形態では、図15乃至図17に示すよ
うに、すり鉢状に形成され、船体の左右方向の面と前後
方向の面とが同様に傾斜して形成されている。
【0059】オイル供給口部302は、入口側302a
が広く出口側302bが狭くなるようにすり鉢状であ
り、簡単な構造で小型船舶の発進時の急加速や停止時の
急減速、あるいは高速航走時の急旋回等によって、オイ
ルタンク27内部に貯留されたオイルの油面L1が大き
く変化しても、オイル供給口部302から空気がオイル
ポンプ74側に吸い込まれることを防止できる。
【0060】オイル供給口部302のすり鉢状の傾斜面
L2の角度θ2は、図17に示すように、高速航走時に
急旋回した時のオイルの油面変化の油面L1の傾斜角度
θ1より小さくしている。これにより、高速航走時に急
旋回した時、オイルタンク27内部に貯留されたオイル
の油面L1が大きく変化しても、簡単な構造で、確実に
オイル供給口部302から空気がオイルポンプ側に吸い
込まれることを防止できる。
【0061】ところで、従来の図17に二点鎖線で示す
ように、オイル供給口部302が垂直面302xで形成
され、角度θ3が90度で高速航走時に急旋回した時の
オイルの油面変化の油面L1の傾斜角度θ1より大きい
と、高速航走時に急旋回した時、オイルタンク27内部
に貯留されたオイルの油面L1が大きく変化すると、オ
イル供給口部302から空気がオイルポンプ側に吸い込
まれる。
【0062】この実施の形態のオイル供給口部302の
すり鉢状の傾斜面L2の角度θ2は、30度〜80度が
好ましく、より好ましくは40度〜70度であり、簡単
な構造で小型船舶の発進時の急加速や停止時の急減速、
あるいは高速航走時の急旋回等によって、タンク本体3
00内部に貯留されたオイルの油面L1が大きく変化し
ても、確実にオイル供給口部302から空気がオイルポ
ンプ側に吸い込まれることを防止できる。
【0063】また、タンク本体300の底部は、図31
に示すように、オイル供給口部302の入口側周りに平
面部302cを有し、この平面部302cの周りに傾斜
して入口側に向くテーパ面部302dを有し、このテー
パ面部302dの部分によりタンク本体300を小型か
つ軽量化することができる。
【0064】また、タンク本体300の内部には、図1
5乃至図20に示すように、取付部300aに取付ビス
310によりバッフルプレート311が取り付けられて
いる。バッフルプレート311は、剛性を向上するため
に絞りで凸形状311aが形成され、またオイル吸引用
貫通孔311bが形成されている。さらに、バッフルプ
レート311には、切欠き片311cを下方に曲げてオ
イル吸引用開口311dが形成されている。バッフルプ
レート311のオイル吸引用貫通孔311bとオイル供
給口部302の位置を、タンク本体300の中心線上と
し、かつオイル吸引用開口311dの位置をオイル供給
口部302と同じ位置もしくは極力近傍に配置し、オイ
ル供給口部302からのオイルの吸い出しを円滑に行な
うことができる。
【0065】また、バッフルプレート311のオイル吸
引用開口311dの位置は、小型船舶の発進時の急加速
や停止時の急減速、あるいは高速航走時の急旋回等によ
って、タンク本体300内部に貯留されたオイルの油面
L1が大きく変化しても、オイルの油面より出ないでオ
イル中にあり、オイル吸引用開口311dによってオイ
ルタンク27内のオイルがオイル供給口部302側に流
入することができるようになっている。
【0066】オイルタンク27の蓋体400には、図1
5、図16、図21乃至図27に示すように、アルミニ
ウムバッフルプレート401の両側に板金バッフルプレ
ート402を当てがい、取付ビス403により蓋体40
0の内側の取付部400aに取り付ける。
【0067】アルミニウムバッフルプレート401は、
図26に示すように、外周の両側にOリング溝401a
が形成され、中央部に貫通孔401bが形成されてい
る。また、板金バッフルプレート402は、図27に示
すように、絞りで補強リブ402aが形成され、また両
側には開口402bが離れた位置に形成されている。
【0068】アルミニウムバッフルプレート401の両
側のOリング溝401aには、Oリング404が設けら
れ、このOリング404により板金バッフルプレート4
02との間がシールされている。また、蓋体400の取
付部400aには、Oリング溝400bが設けられ、こ
のOリング溝400bに設けられたOリング405によ
り上側の板金バッフルプレート402との間がシールさ
れている。Oリング404、Oリング405を用いてシ
ールすることで、組付けの作業が容易で、しかもへたり
がなくシール性が高い。
【0069】このように、蓋体400のブリーザ構造
は、アルミニウムバッフルプレート401、板金バッフ
ルプレート402により連通する複数のブリーザ室41
0,411,412,413を有し、それぞれのブリー
ザ室410,411,412,413は、アルミニウム
バッフルプレート401の貫通孔401b及び上側の板
金バッフルプレート402の開口402bにより連通し
ている。
【0070】このブリーザ室410への入口は、下側の
板金バッフルプレート402の開口402bにより複数
形成されている。また、蓋体400の上部には、ブリー
ザ室410に横方向から連通してブリーザ出口部414
が設けられ、このブリーザ出口部414にホース415
が接続され、このホース415はエンジンの吸気系に接
続されている。
【0071】このように、蓋体400のブリーザ構造
は、連通する複数のブリーザ室410,411,41
2,413を有しており、オイルのオイルミストやブロ
ーバイガスが下側の板金バッフルプレート402の開口
402bからブリーザ室410に入り、アルミニウムバ
ッフルプレート401の貫通孔401bからブリーザ室
411に入り、上側の板金バッフルプレート402の開
口402bからブリーザ室412,413に入り、ブリ
ーザ出口部414からホース415によりエンジン3の
吸気系に送られる。
【0072】このように、オイルのオイルミストやブロ
ーバイガスが、蓋体400のブリーザ構造の複雑な迷路
を通ることによってオイルが分離され、オイルの持ち出
しを極力少なくすることができる。
【0073】また、ブリーザ室410への複数の入口
は、離れた位置に設けたことで、オイルタンク27のオ
イルの油面が大きく変化しても、ブリーザ構造のブリー
ザ経路にオイルが直接侵入することをより確実に防止す
ることができる。
【0074】また、蓋体400の内部には、アルミニウ
ムバッフルプレート401、板金バッフルプレート40
2の取り付けによってタンク本体300のオイル面に開
口するブリーザ室416が設けられている。蓋体400
の上部には、ブリーザ室416に横方向から連通してブ
リーザ出口部417が設けられ、このブリーザ出口部4
17にホース418が接続され、このホース418はエ
ンジンの吸気系に接続されている。オイルのオイルミス
トやブローバイガスが広いブリーザ室416を通ること
によってオイルが分離され、オイルの持ち出しを極力少
なくすることができる。
【0075】また、オイルタンク27を、タンク本体3
00と蓋体400の上下割で構成し、タンク本体300
にオイルを貯留し、蓋体400にブリーザ構造を設け、
このブリーザ構造のブリーザ経路Bをエンジン3の吸気
系に接続することで、ブリーザ構造の配置スペースの確
保が容易で、組付けや保守点検が簡単である。
【0076】蓋体400の中央には、オイル注入口42
0が形成され、このオイル注入口420を塞ぐキャップ
421にはオイルレベル検出ロッド422が取り付けら
れている。また、蓋体400の両側部には、キャップ4
21の位置を避けてハンガー430が設けられ、ハンガ
ー430にロープを通してエンジン3を吊り上げて組み
付けることができる。
【0077】このオイルタンク27には、図15、図1
6、図28乃至図30に示すように、オイルタンク冷却
構造が設けられている。この実施の形態のオイルタンク
27は、箱形形状であり、タンク本体300の一方の対
向する両側壁、この実施の形態では、前側壁330に側
壁蓋体331を締付ボルト332により着脱可能に設
け、後側壁333に側壁蓋体334を締付ボルト335
により着脱可能に設けている。
【0078】前側壁330には、冷却水通路を区画する
横方向に延びる区画リブ330a〜330eが5段に形
成され、6個の冷却水通路336a〜336fが形成さ
れている。冷却水通路336a〜336fには、それぞ
れ冷却水の流れを整流するリブ330fが横方向に延び
るように形成され、このリブ330fで冷却水を整流し
て円滑に流すことができる。
【0079】後側壁333には、冷却水通路を区画する
横方向に延びる区画リブ333a〜333eが5段に形
成され、6個の冷却水通路337a〜337fが形成さ
れている。冷却水通路337a〜337fには、それぞ
れ冷却水の流れを整流するリブ333fが横方向に延び
るように形成され、このリブ333fで冷却水を整流し
て円滑に流すことができる。
【0080】タンク本体300の右側壁340には、冷
却水通路340a〜340fが形成され、左側壁350
には、冷却水通路350a〜350fが形成されてい
る。また、右側壁340の下部に流入口500,501
が設けられ、流入口500には、分岐冷却水管100b
からジョイント110を介して冷却水が供給され、流入
口501には、分岐冷却水管100dからジョイント1
11を介して冷却水が供給される。左側壁350の上部
に流出口502が設けられ、冷却水は流出口502から
ジョイント112、排水管113を介して排水合流管1
05で合流してエンジン捨て水として船外に排出され
る。流出口502は、エア溜りの防止のためにエンジン
3の冷却水通路の中で最も高い位置に形成されている。
【0081】タンク本体300の流入口500,501
から流入する冷却水は、図30に矢印で示すように、冷
却水通路340a,340bから冷却水通路336a、
337aに流れ、冷却水通路336aから冷却水通路3
36b´のポートB´から入りポートC´から出て冷却
水通路336bを流れ、一方冷却水通路337aから冷
却水通路336bのポートBから入り、ポートCから出
て冷却水通路337bを流れる。
【0082】この冷却水通路337bを流れる冷却水
は、冷却水通路340cのポートDから入り、ポートE
から出て冷却水通路336cを流れ、一方冷却水通路3
36bを流れる冷却水もポートD´から出て冷却水通路
336cを流れて合流する。合流した冷却水は、冷却水
通路350cのポートGから入り、ポートHから出て冷
却水通路337cを流れ、冷却水通路340dのポート
Iから入り、ポートjで曲がり、ポートKから出て冷却
水通路337dを流れる。
【0083】この冷却水通路337dを流れる冷却水
は、冷却水通路350dのポートLから入り、ポートM
から出て冷却水通路336dを流れ、ポートNで冷却水
通路336eに流れて冷却水通路350eのポートOか
ら入り、ポートPから出て冷却水通路337eを流れ
る。
【0084】この冷却水通路337eを流れる冷却水
は、冷却水通路340eのポートQから入り、ポートR
から出て冷却水通路336fを流れ、冷却水通路350
fのポートSから入り、ポートTから出て冷却水通路3
37Fを流れ、冷却水通路340fのポートUから入
り、冷却水は流出口502からジョイント112、排水
管113を介して排出される。
【0085】このように、タンク本体300の側壁に、
流入口500,501から流出口502に向けて冷却水
を導く層状に連通して冷却水通路が設けられ、コンパク
トな構造で、冷却水が冷却水通路を円滑に流れてオイル
タンク27全体を均等に、しかも効果的に冷却すること
が可能である。
【0086】また、層状に連通する冷却水通路は、流入
口500,501から流出口502に向けて周回してい
るが、また蛇行して設けてもよい。冷却水が流入口50
0,501から流出口502に向けて周回または蛇行し
て流れることで、オイルタンク全体を均等に、しかも効
果的に冷却することが可能である。
【0087】また、タンク本体300の側壁の一部と側
壁蓋体331,334とで冷却水通路を、オイルタンク
27に簡単に形成することができる。
【0088】また、オイルタンク27が箱形形状であ
り、このオイルタンク27の一方の対向する前側壁33
0と後側壁333の両側壁に側壁蓋体331,334を
着脱可能に設け、この側壁の一部と側壁蓋体331,3
34とで冷却水通路を形成し、オイルタンク27の他方
の対向する右側壁340と左側壁350の両側壁に、側
壁の一部と側壁蓋体331,334とで形成した冷却水
通路を連通する冷却水通路を形成することで、、箱形形
状のオイルタンク27の側壁に、冷却水通路を簡単に形
成することができる。
【0089】なお、この実施の形態は、推進機を備える
小型船舶について適用したが、船外機を備える小型船舶
にも同様に適用することができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明では、オイルタンクを、タンク本体と蓋体の上
下割で構成し、タンク本体にオイルを貯留し、蓋体にブ
リーザ構造を設けたから、ブリーザ構造の配置スペース
の確保が容易で、組付けや保守点検が簡単である。
【0091】請求項2に記載の発明では、ブリーザ構造
は、連通する複数のブリーザ室を有し、このブリーザ室
への入口を複数有することで、小型船舶での発進時や停
止時、あるいは航走時の波等によって、オイルタンクの
オイルの油面が大きく変化しても、ブリーザ構造のブリ
ーザ経路にオイルが直接侵入することを防止することが
できる。
【0092】請求項3に記載の発明では、ブリーザ室へ
の複数の入口は、離れた位置に設けたことで、オイルタ
ンクのオイルの油面が大きく変化しても、ブリーザ構造
のブリーザ経路にオイルが直接侵入することをより確実
に防止することができる。
【0093】請求項4に記載の発明では、オイルタンク
の上部に、連通する複数のブリーザ室を有し、このブリ
ーザ室への入口を複数有するブリーザ構造を設けたか
ら、小型船舶での発進時や停止時、あるいは航走時の波
等によって、オイルタンクのオイルの油面が大きく変化
しても、ブリーザ構造のブリーザ経路にオイルが直接侵
入することを防止することができる。
【0094】請求項5に記載の発明では、ブリーザ室へ
の複数の入口は、離れた位置に設けたことで、オイルタ
ンクのオイルの油面が大きく変化しても、ブリーザ構造
のブリーザ経路にオイルが直接侵入することをより確実
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型船舶の側面図である。
【図2】小型船舶の平面図である。
【図3】小型船舶のエンジンを右斜め前方から見た斜視
図である。
【図4】小型船舶のエンジンを右斜め前方から見た斜視
図である。
【図5】小型船舶のエンジン等を後方から見た一部断面
した図である。
【図6】エンジンの動力伝達装置を示す側面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】小型船舶のエンジン等を後方から見た一部断面
した図である。
【図9】小型船舶のエンジン等を右側から見た側面図で
ある。
【図10】小型船舶のエンジン等を左側から見た側面図
である。
【図11】オイルポンプを後方から見た図である。
【図12】第1のポンプカバーの平面図である。
【図13】ポンプケースの平面図である。
【図14】第2のポンプカバーの平面図である。
【図15】オイルタンクを前方から見た断面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【図17】オイルタンクのオイル供給部の断面図であ
る。
【図18】図15のXVIII−XVIII線に沿う断面図であ
る。
【図19】オイルタンク内のバッフルプレートの平面図
である。
【図20】オイルタンク内のバッフルプレートの側面図
である。
【図21】オイルタンクの平面図である。
【図22】図21のXXII−XXII線に沿う断面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図であ
る。
【図24】図21のXXIV−XXIV線に沿う断面図である。
【図25】図21のXXV−XXV線に沿う断面図である。
【図26】アルミニウムバッフルプレートの平面図であ
る。
【図27】板金バッフルプレートの平面図である。
【図28】蓋体を取り外してオイルタンクを艇体前方か
ら見た図である。
【図29】蓋体を取り外してオイルタンクを艇体後方か
ら見た図である。
【図30】オイルタンクの冷却水の流れを説明する図で
ある。
【図31】オイルタンクのオイル供給部の他の実施の形
態を示す断面図である。
【符号の説明】
3 エンジン 11 推進機 12 クランク軸 13 インペラ軸 14 出力軸 18 クランクケース 27 オイルタンク 39 駆動軸 300 タンク本体 400 蓋体 410,411,412,413,416 ブリーザ室 414,417 ブリーザ出口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンで駆動される推進機を備え、この
    エンジンに備えたオイルタンクからエンジンの各潤滑部
    にオイルを供給し、潤滑後のオイルを前記オイルタンク
    に汲み上げる小型船舶のドライサンプ潤滑構造であっ
    て、 前記オイルタンクを、タンク本体と蓋体の上下割で構成
    し、前記タンク本体にオイルを貯留し、前記蓋体にブリ
    ーザ構造を設け、 このブリーザ構造のブリーザ経路を前記エンジンの吸気
    系に接続したことを特徴とする小型船舶のオイル供給構
    造。
  2. 【請求項2】前記ブリーザ構造は、連通する複数のブリ
    ーザ室を有し、このブリーザ室への入口を複数有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の小型船舶のオイル供給
    構造。
  3. 【請求項3】前記ブリーザ室への複数の入口は、離れた
    位置に設けたことを特徴とする請求項2に記載の小型船
    舶のオイル供給構造。
  4. 【請求項4】エンジンで駆動される推進機を備え、この
    エンジンに備えたオイルタンクからエンジンの各潤滑部
    にオイルを供給し、潤滑後のオイルを前記オイルタンク
    に汲み上げる小型船舶のドライサンプ潤滑構造であっ
    て、 前記オイルタンクの上部に、連通する複数のブリーザ室
    を有し、このブリーザ室への入口を複数有するブリーザ
    構造を設け、 このブリーザ構造のブリーザ経路を前記エンジンの吸気
    系に接続したことを特徴とする小型船舶のオイル供給構
    造。
  5. 【請求項5】前記ブリーザ室への複数の入口は、離れた
    位置に設けたことを特徴とする請求項4に記載の小型船
    舶のオイル供給構造。
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