JP2002256501A - 継目部道床強化軌道及びその施工方法 - Google Patents

継目部道床強化軌道及びその施工方法

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JP2002256501A
JP2002256501A JP2001060064A JP2001060064A JP2002256501A JP 2002256501 A JP2002256501 A JP 2002256501A JP 2001060064 A JP2001060064 A JP 2001060064A JP 2001060064 A JP2001060064 A JP 2001060064A JP 2002256501 A JP2002256501 A JP 2002256501A
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ballast
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Kazuhiko Iwasaki
和彦 岩崎
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が簡易であり、鉄道振動・騒音・衝撃荷
重を低減し、かつまくらぎ、バラスト、路盤を保護し、
軌道そのものの保守管理を容易にする継目部道床強化軌
道およびその施工方法の提供。 【解決手段】 鉄道軌道のレール継目部が、下方より、
路盤、バラスト砕石、袋体に包まれたてん充材硬化物、
まくらぎ、レール締結手段およびレールで構成される継
目部道床強化軌道。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道軌道における
レール継目部の沈下防止および衝撃損傷防止を目的とし
て形成される継目部道床強化軌道及びその施工方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】鉄道軌道において、レール継目部を車輌
が通過する際、車輪が継目部に衝撃荷重を与えるととも
に、車重が下方向にかかる。車輌の繰り返し通過によっ
て衝撃荷重も繰り返し載荷され、路盤やバラストが徐々
に沈降していき、まくらぎと軌道バラスト間に間隙が生
じる。これらを放置すると、まくらぎ、レール締結装
置、レール、さらには、車輌まで損傷が及ぶ場合があ
り、また、車輌がレール継目部を通過する際の乗り心地
も悪いものとなる。したがって、従来はこのような場所
の補修方法は、まくらぎと軌道バラストの間の間隙に、
バラスト砕石を追加充填し、バラストを締め固めるとい
う方法がとられてきた。このような作業が同一の個所で
頻繁に行われ、労力と時間が費やされてきた。
【0003】一方、鉄道軌道の振動やガタツキを低減さ
せ得る方法としては、従来、各種工法が提案されてお
り、例えば「弾性まくらぎ直結軌道」、「可変パッ
ド」、「間隙てん充材」等が実用化されている。
【0004】弾性まくらぎ直結軌道は、基礎路盤等の上
にあらかじめ打設された箱形の路盤コンクリートに弾性
まくらぎを並べて配置する。弾性まくらぎの配設後、レ
ールを締結装置により弾性まくらぎに締結し、その後、
弾性まくらぎの下面と路盤コンクリートの間にコンクリ
ートをてん充し、硬化後、弾性まくらぎの周囲にバラス
ト砕石を散布して被覆させて形成される。
【0005】可変パッドは、スラブ軌道の製作公差、施
工公差を補正し、所定の精度に軌道を仕上げるものであ
り、レールとタイプレート間、またはタイプレートと軌
道スラブ板間に特定の袋を挿入し、特定の樹脂を袋に注
入することにより高さ調整を行うものである。
【0006】間隙てん充材は、軌道スラブ板とCAモル
タル層に生じた微少な間隙を特定の樹脂材料にて補修を
おこない、スラブ板そのもののガタツキ、振動を抑制す
るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の各種工法は、現
在の鉄道軌道の中では有効な防振対策の一つであり、多
く用いられているが、路盤コンクリートもしくは軌道ス
ラブ板を有しない鉄道軌道、すなわちバラストに直接ま
くらぎが敷設されたタイプの軌道の沈下防止、衝撃防止
には適用できない。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、施工が簡易であり、鉄道振動・騒音・衝
撃荷重を低減し、かつ、まくらぎ、バラスト、路盤を保
護し、軌道そのものの保守管理を容易にする、継目部道
床強化軌道およびその施工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明の強化軌
道およびその施工方法が、鉄道振動・騒音・衝撃荷重を
低減し、かつ、まくらぎの破損およびバラスト砕石の粉
泥化を防止し、軌道の保護、強化に非常に有効であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、路盤、バラスト砕
石、まくらぎ、レール締結手段およびレールから構成さ
れる鉄道軌道において、レールの継目部が、下方より、
路盤、バラスト砕石、袋体に包まれたてん充材硬化物、
まくらぎ、レール締結手段およびレールで構成されるこ
とを特徴とする継目部道床強化軌道であり、またこの継
目部道床強化軌道を施工するに際し、まくらぎの下面と
バラスト砕石との間に袋体を挿入し、該袋体の内部に液
状のてん充材を充填し、これを硬化させることを特徴と
する継目部道床強化軌道の施工方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明の継目部道床強化軌道では、レール継目部
(レールの継目の配置部)が、下方より、路盤、バラス
ト砕石1、袋体に包まれたてん充材硬化物2、まくらぎ
3、レール締結手段およびレールで構成されており、図
1は、この状態を示したもので、(a)はまくらぎ上方
から、(b)はまくらぎ側面(長手方向)から見た摸式
図である。ただし、ここでは路盤、レール締結手段およ
びレールは省略されている。
【0012】本発明において、まくらぎの下に配置する
袋体については、液状のてん充材を注入して袋体を満た
し、そこでてん充材を硬化させることを目的としてお
り、その素材、特性については制限はない。ただし、液
状のてん充材を注入する際、袋体内部の空気が抜ける構
造を持つことが充填を速やかに実行するのに有効である
ため、袋体の少なくとも一部が通気性能を発現できる構
造であることが好ましい。充填をより速やかに行うに
は、てん充材の種類にもよるが通気性能発現部が3〜5
0cc/cm2/secの通気性能を示す袋体を使用することが
好ましい。また、バラストの角と袋体との接触による穴
あきが懸念される場合には、袋体が不織布であることが
好ましい。
【0013】袋体は、通常まくらぎ一本に対して各々が
レール配設部の下部に位置するよう二つ使用されるが、
一つの袋体のみ使用したり、あるいは三個以上の袋体を
使用することもできる。
【0014】袋体に充填するてん充材は、充填時に液状
であり、その後、硬化し適度な圧縮強度を有する固体状
態となる材料であればよい。このような特性を有する材
料としては、常温では固形であり加熱により溶融し液状
を示す熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂やウレタン樹脂のよ
うに二成分以上を反応硬化させる熱硬化性樹脂、ビニル
エステル樹脂やメタクリル樹脂のような液状樹脂組成物
と硬化剤類とを組み合わせて硬化物を供用するラジカル
重合性樹脂などが好適である。本発明の継目部道床強化
軌道の施工を行う場所は、湿気、水が存在する場合もあ
り、水の影響を受けないメタクリル樹脂がより有効であ
る。
【0015】通常、鉄道軌道の保守点検は、列車の通行
がない数時間の間に行われる。そのため、硬化が短時間
で完了する樹脂が好ましい。具体的には、可使時間が5
分以上あり、かつ90分以内に硬化するラジカル重合性
樹脂組成物をてん充材に用いることがより好ましい。
【0016】てん充材に用いるラジカル重合性樹脂組成
物としては、ラジカル重合性を有するビニル単量体
(A)30〜80質量部、(A)成分に溶解する重合体
及び/または反応性オリゴマー(B)20〜70質量部
〔(A)と(B)の合計100質量部〕からなるものが
挙げられる。
【0017】ラジカル重合性を有するビニル単量体
(A)としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブ
チルスチレン、パラクロロスチレン、ビニルナフタレン
などの単官能重合性単量体類;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)
アクリレートや、ジエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、さらにはトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アク
リレート等の3価以上の(メタ)アクリル酸エステル及
びその部分エステル等の多官能重合性単量体類が挙げら
れ、これらは単独で、あるいは二種以上を併用して使用
することができる。なお、本発明において「(メタ)ア
クリル」の語は、「アクリル及び/又はメタクリル」を
意味する。
【0018】(A)成分に溶解する重合体(B)として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を重
合して得られるポリアルキル(メタ)アクリレート類;
ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体等のビニル芳香族炭化水
素を単量体成分とするビニル共重合体;さらには塩化ビ
ニル系や酢酸ビニル系の共重合体などが挙げられる。
【0019】このような重合体は、見かけの硬化を早め
る効果、硬化時の収縮を抑制低減化する効果および樹脂
液粘度を調整する効果を得るために添加される。これら
は、ガラス転移温度が20℃〜105℃のものが好まし
い。
【0020】また、上記重合体以外の(B)成分とし
て、反応性オリゴマーが挙げられる。その具体例として
は、フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸もしくはそれら
の無水物とエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール等の多価アルコール類と(メタ)ア
クリル酸との反応から合成されるポリエステル(メタ)
アクリレート;各種エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸
との反応から合成されるエポキシ(メタ)アクリレー
ト;ポリエステルポリオールやポリアルキレンエーテル
グリコール、アクリルポリオールなどの多価アルコール
とトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネ
ート等の多価イソシアネートと2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマーとの反応
で得られるウレタン(メタ)アクリレートなどが代表的
なものである。
【0021】さらに、(メタ)アクリル酸等の酸含有ポ
リマーにグリシジル(メタ)アクリレートを反応させた
ものや、逆にグリシジル基含有ポリマーに(メタ)アク
リル酸等を反応させたもの、マクロモノマー等も使用可
能である。これら以外にも(A)成分に溶解可能であれ
ば特にその種類を制限するものではない。
【0022】重合体及び/又はオリゴマー成分(B)の
分子量は、所望の粘度、硬化時間、硬化物の物性等が得
られるように適宜選定すればよく、本発明において特に
制限は無いが、重量平均分子量は3,000〜150,
000程度が好ましい。
【0023】(A)成分及び(B)成分の使用量は、
(A)成分と(B)成分の合計100質量部を基準とし
て、(A)成分30〜80質量部、(B)成分20〜7
0質量部が望ましく、更に(A)成分40〜70質量
部、(B)成分30〜60質量部がより好ましい。
(A)成分が30質量部未満、成分(B)が70質量部
を超える場合は、一般に粘度が高く、また硬化時間が短
くなるので充填作業性が悪くなる傾向にある。成分
(A)が80質量部を超え、成分(B)が20質量部未
満の場合は、粘度が低くなり袋体への充填が容易になる
反面、袋体からの染み出しが多くなったり、硬化性、硬
化収縮等で問題が生じる傾向にある。
【0024】(A)成分および(B)成分に加え、さら
に可塑剤(C)を添加することも可能である。可塑剤
は、硬化させた組成物に柔軟性を付与したり、組成物の
硬化時の収縮及び収縮応力を低減させることを目的とし
て加えられるものである。可塑剤の具体例としては、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジn‐ブチル、フタル酸ジヘ
プチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘ
キシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ジトリデシル等のフタル酸エステル系可塑
剤や、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等の脂
肪族二塩基酸エステルなどが一般的である。また、リン
酸トリクレシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリ−2
−エチルヘキシル等のリン酸エステル系可塑剤や、エポ
キシ化トリグリセライド、エポキシ化大豆油、エポキシ
化アマニ油等のエポキシ系可塑剤、さらには、セバシン
酸系ポリエステル、アジピン酸系ポリエステル、フタル
酸系ポリエステル等のポリエステル系可塑剤、各種塩素
化ノルマルパラフィン等の塩素化パラフィン系可塑剤等
が挙げられる。これら可塑剤は、1種又は2種以上の組
み合わせで使用される。
【0025】可塑剤(C)の使用量は、(A)成分と
(B)成分の合計100質量部に対して、0〜50質量
部が好ましく、25質量部以下がより好ましい。この使
用量が50質量部を超える場合は、組成物の硬化性が悪
くなり、また、硬化物の耐振動荷重性が低下する傾向に
ある。
【0026】本発明の更に好ましい実施態様として、
(A)および(B)成分、あるいは(A)〜(C)成分
からなる液状樹脂組成物に、物性向上、硬化時の収縮量
の低減、比重の増大等の目的で、骨材を配合したものが
挙げられる。骨材の配合により、硬化物の圧縮強度が向
上するという利点も得られる。骨材の具体例としては、
炭酸カルシウム粉、酸化ケイ素粉、水酸化アルミニウム
粉、硫酸カルシウム粉、酸化アルミニウム粉、硫酸バリ
ウム粉等が挙げられ、中でも炭酸カルシウム粉が好まし
い。液状樹脂と骨材の混合物における骨材の沈澱分離を
少なくする観点から、骨材の平均粒径は100μm以下
が好ましい。この骨材の使用量は、(A)、(B)及び
(C)成分の合計100質量部を基準として、0〜15
0質量部が好ましく、30〜120質量部がより好まし
い。骨材の使用量が150質量部を超える場合は液状樹
脂組成物の粘度が高くなり充填性が悪くなる傾向にあ
る。
【0027】更に、この液状樹脂組成物には、必要に応
じて硬化時の表層硬化性を向上させるためのパラフィン
ワックス、骨材と樹脂との密着性を向上させるためのシ
ランカップリング剤、ベンゾトリアゾール誘導体等の紫
外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止
剤、ハイドロキノン等の重合禁止剤、消泡剤、レベリン
グ剤、アエロジル等のチクソトロピック付与剤、酸化ク
ロム、ベンガラ、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニン
ブルー等の有機顔料、沈降防止剤等を任意の割合で添加
することができる。
【0028】本発明で使用するラジカル重合性樹脂組成
物を硬化させるために、例えば重合開始剤と促進剤の組
み合わせによる公知のレドックス触媒が用いられる。重
合開始剤としては、ジアシルパーオキサイド、ケトンパ
ーオキサイド等各種過酸化物が使用できる。ジアシルパ
ーオキサイド類では、特にベンゾイルパーオキサイドが
好適である。このときの促進剤としては、芳香族第三級
アミンが好ましく、具体的にはN,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジエ
チル−P−トルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシエチ
ル)−P−トルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシイソプ
ロピル)−P−トルイジン等が挙げられる。また、ナフ
テン酸コバルト等の金属石鹸を併用することも可能であ
る。
【0029】ケトンパーオキサイド類では、クメンハイ
ドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド等が挙げられ、これらに対して硬化促進剤として、ナ
フテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニ
ッケル等の金属石鹸類が使用される。また、N,N−ジ
メチル−P−トルイジン等のアミン類と併用することも
可能である。
【0030】これらの重合性開始剤、硬化促進剤は1種
又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、以下において、「部」は「質量部」を意味す
る。 てん充材用樹脂組成物の製造 樹脂組成物Aの製造 撹拌機、温度制御装置およびコンデンサーを備えた容器
に、アジピン酸とプロピレングリコールから成る平均分
子量2000のポリエステルポリオール(アデカニュー
エースF7−67、商品名、旭電化工業(株)製)を6
000部(3mol)、メチルメタクリレート(アクリエ
ステルM、商品名、三菱レイヨン(株)製)(以後、M
MAと略す)1500部、ジメチルアミノエチルメタク
リレート(アクリエステルDM、商品名、三菱レイヨン
(株)製)34.7部、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-
ブチル-4-メチルフェノール(スミライザーBHT−
P、商品名、住友化学工業(株)製)6.94部を加
え、攪拌しながら60℃まで加熱し、この温度を維持し
た状態で、トリレンジイソシアネート(コロネートT−
80、商品名、日本ポリウレタン工業(株)製)69
6.0部(4mol)を1時間かけて滴下し、次いで、M
MA174.0部を加えた。その後、60℃にて更に2
時間反応を進行させた。この後、この温度を維持した状
態で2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学
(株)製)241.5部(2.08mol)を1時間かけ
て滴下し、次いで、MMA60.4部を加えた。これ
を、85℃まで昇温し、イソシアネート基の反応率が9
8%以上となった時点で反応を終了し、冷却してMMA
5244.7部、2−エチルヘキシルアクリレート(三
菱化学(株)製)3489.6部、パラフィンワックス
174.5部、重合促進剤(N,N−ジメチル−p−ト
ルイジン)104.7部を加え、オリゴマー含有量約4
0%の樹脂組成物を得た。 樹脂組成物Bの製造 撹拌機、温度制御装置およびコンデンサーを備えた容器
に、メチルメタクリレート37部、2−エチルヘキシル
アクリレート20部、エチレングリコールジメタクリレ
ート2部、ポリエステル系可塑剤19部、熱可塑性高分
子(メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート
共重合体、平均分子量60000)22部、パラフィン
ワックス1.0部、重合促進剤(N,N−ジメチル−p
−トルイジン)0.6部、重合禁止剤として2,6-ジ-ter
t-ブチル-4-メチルフェノール(スミライザーBHT−
P)0.006部を仕込み60℃で3時間加温して樹脂
組成物Bを得た。 てん充材注入袋体の作製 ポリエステル長繊維不織布(東レ(株)製、スパンボン
ド不織布、基材目付60g/cm2)を用い、端部を高融
着接着化し、図2に示す形状の袋体を作製した。この袋
体の空気通気性は7.3cc/cm2/sec であった。 実施例1 バラスト上にまくらぎを設置した試験体にて、まくらぎ
下に間隙を設け、前述のポリエステル長繊維不織布で作
製した袋を挿入した。次いで、実施例のてん充材用樹脂
組成物A 3kg、炭酸カルシウム(○A、商品名、三
共精粉(株)製)1.5kg、硬化剤としてベンゾイル
パーオキサイド(カドックスB−CH50、商品名、化
薬アクゾ(株)製、純分50%)60gをミキサーにて
均一に混練し、液状てん充材を得た。これを、ポンプを
用いて袋体内に注入し、いっぱいになったところで袋体
の口を閉じた。てん充材が硬化するまでの時間は約30
分であった。 実施例2 実施例1のてん充材用樹脂組成物Aの代わりに、樹脂組
成物Bを用い、同一の注入試験を実施した。てん充材が
硬化するまでの時間は約35分であった。 比較例 バラスト上にまくらぎを設置した試験体にて、まくらぎ
下に間隙を設け、実施例と同様の液状てん充材を直接注
入した。てん充材は、バラスト下部に沈降して硬化し
た。間隙は埋まらず、目的とする強化軌道を形成できな
かった。 耐久性試験 実施例1で得られた強化軌道試験体について、垂直方向
に10tの繰り返し載荷を10万回加えたが、異常は無
かった。 実施例3 鉄道会社活線での施工を以下のようにして実施した。ま
ず、バラスト上に設置された鉄道軌道のレール継目部ま
くらぎを、ジャッキにて持ち上げ、約15mmの間隙を
まくらぎ下に確保した。まくらぎ両端部のバラストを除
去し、図2に示した袋体を、まくらぎ下に図1に示すよ
うに挿入した。挿入には、袋体がよれたり、バラストに
より穴があいたりしないようにポリテトラフルオロエチ
レン製のガイドシートを用い、挿入後ガイドシートは取
り除いた。
【0032】てん充材用樹脂組成物A 3kg、炭酸カ
ルシウム(○A)1.5kg、硬化剤としてベンゾイル
パーオキサイド(カドックスB−CH50)60gをミ
キサーにて均一に混練し、液状てん充材を得た。これ
を、送液ポンプを用いて袋体内に注入し、いっぱいにな
ったところで袋体の口を閉じた。このとき、てん充材の
注入時間は約5分、てん充材が硬化するまでの時間は約
35分であった。
【0033】てん充材が硬化した後、まくらぎ上方から
見た場合にまくらぎからはみ出しがないように袋体の注
入口を切除した。その後、ジャッキを解除し、道床バラ
ストを埋め戻し、レール継目部が載ったまくらぎの周囲
の道床締固めを行い、線路の調整を行い道床強化軌道の
施工を完了した。
【0034】
【発明の効果】本発明の継目部道床強化軌道の施工方法
により軌道強化を行えば、短時間で施工ができるため、
限られた時間内に作業が完了する。夜間に線閉作業を行
う場合、始発運行に支障がない。また、本発明の継目部
道床強化軌道ではバラスト砕石の粉泥化および継目部ま
くらぎの浮きが防がれることにより、振動やガタツキが
低減される。さらに、簡便な工法でありかつメンテナン
ス間隔が伸びることより、工事費用も低廉となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の継目部道床強化軌道におけるてん充材
注入袋体の設置状態を示す図であり、(a)はまくらぎ
上方から、(b)はまくらぎ側面(長手方向)からみた
摸式図である。
【図2】本発明の道床強化軌道の施工時にてん充材を注
入する袋体を示す図である。
【符号の説明】
1 バラスト砕石 2 袋体に包まれたてん充材硬化物 3 まくらぎ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路盤、バラスト砕石、まくらぎ、レール
    締結手段およびレールから構成される鉄道軌道におい
    て、レール継目部が、下方より、路盤、バラスト砕石、
    袋体に包まれたてん充材硬化物、まくらぎ、レール締結
    手段およびレールで構成されることを特徴とする継目部
    道床強化軌道。
  2. 【請求項2】 袋体の少なくとも一部が通気性能を発現
    する構造である請求項1記載の継目部道床強化軌道。
  3. 【請求項3】 袋体の通気性能発現部が、3〜50cc/
    cm2/secの空気通気性を示す請求項2記載の継目部道床
    強化軌道。
  4. 【請求項4】 袋体が、不織布で構成される請求項2記
    載の継目部道床強化軌道。
  5. 【請求項5】 てん充材が、ラジカル重合性樹脂組成物
    である請求項1〜4のいずれか一項に記載の継目部道床
    強化軌道。
  6. 【請求項6】 可使時間が5分以上で、90分以内に硬
    化するラジカル重合性樹脂組成物をてん充材に用いる請
    求項5記載の継目部道床強化軌道。
  7. 【請求項7】 てん充材として用いるラジカル重合性樹
    脂組成物が、ラジカル重合性を有するビニル単量体
    (A)30〜80質量部、(A)成分に溶解する重合体
    及び/または反応性オリゴマー(B)20〜70質量部
    〔(A)と(B)の合計100質量部〕からなる請求項
    5記載の継目部道床強化軌道。
  8. 【請求項8】 てん充材として用いるラジカル重合性樹
    脂組成物が、液状樹脂100質量部に対して骨材0〜1
    50質量部を含む請求項5記載の継目部道床強化軌道。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の継目部道床強化軌道を
    施工するに際し、まくらぎの下面とバラスト砕石との間
    に袋体を挿入し、該袋体の内部に液状のてん充材を充填
    し、これを硬化させることを特徴とする継目部道床強化
    軌道の施工方法。
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