JP2002255707A - イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体 - Google Patents

イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体

Info

Publication number
JP2002255707A
JP2002255707A JP2001097354A JP2001097354A JP2002255707A JP 2002255707 A JP2002255707 A JP 2002255707A JP 2001097354 A JP2001097354 A JP 2001097354A JP 2001097354 A JP2001097354 A JP 2001097354A JP 2002255707 A JP2002255707 A JP 2002255707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embedded image
wheat
rice
chaff
germination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001097354A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahiro Kato
忠弘 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001097354A priority Critical patent/JP2002255707A/ja
Publication of JP2002255707A publication Critical patent/JP2002255707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】安全安価で、作物発芽抑制効果に優れ、簡単に
製造でき、安定供給できる作物発芽抑制剤を提供する。 【解決手段】イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)からの水や
有機溶媒抽出物から得た式(1)〜(3)のスチレン誘
導体をそのまま、あるいはこれを含有してなる作物発芽
抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イネ籾殻やムギ類種子
殻(ふ)の抽出物から得られたスチレン誘導体をそのま
ま、あるいはこれを含有してなることを特徴とする安全
で農業分野で広く使用可能な作物発芽抑制剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】イネ籾殻の水もしくは熱水抽出物を利用
する例を、以下に示す。CN119557にイネ籾殻抽
出物を含有する漢方薬の原料として例示されている。D
E3439914にはイネ籾殻熱水抽出物を含有する毛
髪用ドリンク剤が記載されている。特開平3−2590
82にはイネ籾殻の水抽出物より得られるイネモミガラ
パーオキシダーゼの製造法が記載されている。SU15
46488、SU531845にはイネ籾殻から、ペン
トースの原料に用いられるペントサンの製造方法につい
て記載されている。CN1063087、特開昭62−
288110には、イネ籾殻から高純度シリカを製造す
る方法が記載されている。
【0003】コムギあるいはオオムギの種子殻抽出物に
関する報告を以下に示す。化学と生物Vol.27、N
o.2(1989)、日本農芸化学会講演要旨集(昭和
59年度、61年度、62年度、63年度、平成1年
度、平成2年度および平成3年度)には、野性二条オオ
ムギの休眠種子の有機溶媒(80%メタノール)抽出か
ら得られたジヒドロアクチニジオリドが、イネ、オオム
ギ、レタス等、種子の発芽および生長を阻害することが
記載されている。
【0004】しかしながら、イネ籾殻やムギ類種子殻
(ふ)からの水もしくは熱水抽出物から上記スチレン誘
導体
【化1】、
【化2】、
【化3】が単離された報告も、また、発芽阻害あるいは
除草活性など農業利用に関する報告もない。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】世界人口の爆発的な
増加にともない、より安定的な食糧確保が望まれてい
る。しかしながら、穀物の収穫前に芽が出てしまう穂発
芽による被害は、古くから認められてきており、特にイ
ネ、ムギの穂発芽が起こると食糧として利用できず、減
収となることから、農業上大きな問題となっている。耐
穂発芽性に優れた品種改良も盛んに行われているが、そ
の効果は十分ではない。そこで、人体にとって安全で安
価で、しかも作物発芽抑制効果に優れ、簡単に製造で
き、安定して供給できる作物発芽抑制剤の開発が望まれ
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】イネ、ムギは古来食糧と
して人類が口にしてきており、安全性が実証されてきて
いるものである。それらの精製過程で生ずるイネ籾殻、
コムギ、オオムギなどの種子殻(ふ)は、多量に出る農
産廃棄物であるが、それらのより有効な利用の途は乏し
い。また、イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)の成熟期に雀
などの鳥類による喰害をうけており、イネ籾殻やムギ類
種子殻(ふ)の安全性は、家畜や自然の鳥類によっても
確かめられている。
【0007】そこで、本発明者らは、安価に得られ、し
かも、安全性が実証されているイネ籾殻やムギ類種子殻
(ふ)に着目し、鋭意研究を重ねた。その結果、イネ籾
殻やムギ種子殻(ふ)の抽出物に顕著な作物発芽抑制効
果のあることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、イネ籾殻やムギ類種
子殻(ふ)からの水や有機溶媒抽出物から得られたスチ
レン誘導体をそのまま、あるいはこれを含有してなるこ
とを特徴とする作物発芽抑制剤であって、イネ籾殻やム
ギ類種子殻(ふ)を水や有機溶媒抽出により、簡単、安
価に、しかも安全に上記の効果を示す非常に優れた作物
発芽抑制剤を得ることができる。
【0009】イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)から作物発
芽抑制成分を抽出する場合、種子殻を粉砕または粉体化
すると表面積が大きくなるため、極めて抽出効率が良好
になる。この方法は、粉砕機を用い、公知の方法に従え
ばよい。粉砕しなくてもよいが、この場合には、種子殻
組織の分解および抽出に長時間を要する。
【0010】水抽出に当たっては、イネ籾殻やムギ類種
子殻(ふ)をそのまま、好ましくは粉砕または粉体化し
たものに加水する。加水量については、試料に対して4
〜40倍量で効率よく抽出されるが、収率、作業性等に
応じて適宜選択すればよい。この後加温してゆき、所定
の温度、保持時間で抽出を完了する。なお、最初から熱
水を加えて抽出を行ってもよい。抽出を完了した後、圧
搾、濾過を行えば、抽出液が得られる。
【0011】抽出液中のこの有効成分は熱に比較的安定
であるので、水抽出の際の抽出温度は、5〜100℃の
範囲で、好ましくは50℃以上の高温が効率的である。
低温でも長時間置けば、充分に抽出を行うことができ
る。抽出時間は、熱水抽出の場合には短時間でよいが、
それ以下の場合には、数時間から数日必要である。低温
の場合は、種子殻の粉砕状態にもよるが、数日〜数週間
必要である。ただし、この場合にも、なるべく最後には
加熱するのがより効果的である。
【0012】抽出液中の有効成分は、水抽出の場合、イ
ネ籾殻あるいはムギ類種子殻(ふ)の組織に働く植物細
胞壁分解酵素(例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、
ペクチナーゼ等)を作用させて前処理を行い、有効成分
を抽出する方法が効率的である。
【0013】本発明品のイネ籾殻あるいはムギ類種子殻
(ふ)からの抽出には、上述のように水抽出し、その抽
出物中の有効成分をさらに他の溶媒で抽出すると、より
有効である。これは、作物発芽抑制成分が濃縮されたた
めと思われる。
【0014】さらに、有機溶媒抽出でも、各有効成分が
抽出されることが明らかになった。使用する有機溶媒の
例としては、以下のものが例示される。メタノール、エ
タノール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコ
ール類。含水メタノール等の含水アルコール類や含水ア
セトン等。ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、デカン等の脂肪族炭化水素類。ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタレン、テトラリン、クメン、ビフ
ェニル等の芳香族炭化水素類。その他、酢酸エチル、ジ
クロロメタン、等。これら単独またはそれらの組み合わ
せにより有効成分
【化1】、
【化2】、
【化3】を抽出することができる。
【0015】抽出物から、シリカゲル等の担体を用いた
吸着クロマトグラフィー、順相又は逆相カラム等を用い
た高速液体クロマトグラフィーなどの手段により、有効
成分
【化1】、
【化2】、
【化3】を単離精製することができる。
【0016】従来、イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)は農
産廃棄物として取り扱われ、有効成分
【化1】、
【化2】、
【化3】である作物発芽抑制成分が含まれているという
概念さえなく、上述した簡単な操作によって作物発芽抑
制剤を調製しうるとは思いもよらないことであった。従
来は焼却するか、堆肥製造の原料でしかみられておら
ず、含有する有効成分
【化1】、
【化2】、
【化3】を使用するなどいう考えはなかった。本発明に
おいては、水や有機溶媒などを用いてイネ籾殻やムギ類
種子殻(ふ)から作物発芽抑制成分の抽出を行い、有効
成分
【化1】、
【化2】、
【化3】を単離精製することで、初めて、非常に優れた
作物発芽抑制剤としての目的を達成することができるよ
うにしたのである。
【0017】イネの品種には、例えばジャポニカ米に
は、ササニシキ、コシヒカリ、ヒトメボレ、日本晴、農
林1号、ハエヌキ等、また、インディカ米には、カサラ
ス等など数多くある。コムギの品種には、アオバコム
ギ、アブクマワセ、カンケイW421、タイセツコム
ギ、タクネコムギ、チホクコムギ、ツホクコムギ、ハル
ヒカリ、ハルミノリ、ハルユタカ、ホクシン、ホロシリ
コムギ、ムカコムギ、春のあけぼの、北見66号、農林
61号、Lancer、RL4137など数多くある。
オオムギの品種には、アカギ2条、ベンケイ、関取2
号、カシマムギ、キカイムギなど数多くある。以上例示
したイネ、コムギおよびオオムギの品種に限らず、本発
明成分
【化1】、
【化2】、
【化3】は広くイネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)に含有さ
れる。
【0018】
【実施例】本発明品
【化1】、
【化2】、
【化3】の作物発芽抑制効果試験について、以下に記載
する。なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の試
験例に限定されるものではない。本発明品
【化1】、
【化2】、
【化3】は調製例1、調製例2によって調製した。
【0019】コムギ種子発芽阻害試験操作法 ペトリ皿(直径60x15mm)に2枚重ねたろ紙(N
o.2)を敷き、所定濃度のサンプル水溶液4mlを加
え、その上にコムギ種子(品種:RL4137)20粒
を置いた。15℃で蛍光灯下4日間放置し、発芽および
発根したコムギ種子数を数えた。比較のため、サンプル
の代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロールとし
た。
【0020】イネ種子発芽阻害試験操作法 ペトリ皿(直径60x15mm)に2枚重ねたろ紙(N
o.2)を敷き、所定濃度のサンプル水溶液4mlを加
え、その上にイネ種子(品種:ハエヌキ)20粒を置い
た。25℃で暗黒下3日間放置し、発芽および発根した
イネ種子数を数えた。比較のため、サンプルの代わりに
蒸留水を用いて同様に行いコントロールとした。
【0021】種子発芽率および発根率 発芽率および発根は以下の計算式で求めた。
【式1】発芽率=100x(サンプル溶液中の発芽種子
数)/(コントロール条件の発芽種子数)
【式2】発根率=100x(サンプル溶液中の発根種子
数)/(コントロール条件の発根種子数)
【0022】コムギ種子発芽阻害試験(1)
【表1】 注1: 各サンプル
【化1】
【化2】
【化3】は調製例1により得たものである。
【0023】イネ種子発芽阻害試験(2)
【表2】 注2: 各サンプル
【化1】
【化2】
【化3】は調製例2により得たものである。
【0024】コムギ穂発芽抑制効果試験(3) 調製例1で得られた
【化1】、
【化2】、
【化3】を各々200ppmの水溶液に調製し、その中
にコムギの穂(品種:ホクシン)を室温で24時間浸し
た。風乾後、高湿度条件下に4日間保ち、穂発芽度を調
査した。比較のため、サンプルの代わりに蒸留水を用い
て同様に行いコントロールとした。その結果、本試験化
合物
【化1】、
【化2】、
【化3】は、コムギの穂発芽を完全に抑制した。
【0025】製剤品のコムギ発芽抑制効果試験(4) 調製例1で得られた
【化1】、
【化2】、
【化3】を各々製剤例2の如き水和剤(濃度200pp
mの水溶液)に調製し、その中にコムギ種子(品種:ホ
クシン)を室温下24時間浸した。風乾後、高湿度条件
下に4日間保ち、種子発芽度を調査した。比較のため、
サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロ
ールとした。その結果、本試験化合物
【化1】、
【化2】、
【化3】の水和剤は、コムギの種子発芽を完全に抑制し
た。
【0026】製剤品のコムギ穂発芽抑制効果試験(5) 調製例1で得られた
【化1】、
【化2】、
【化3】を各々製剤例2の如き水和剤(濃度200pp
mの水溶液)に調製し、その中にコムギの穂(品種:ホ
クシン)を,室温下24時間浸した。風乾後、高湿度条
件下に4日間保ち、穂発芽度を調査した。比較のため、
サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロ
ールとした。その結果、本試験化合物
【化1】、
【化2】、
【化3】の水和剤は、コムギの穂発芽を完全に抑制し
た。
【0027】以上のように、イネ籾殻やムギ種子殻
(ふ)から単離された
【化1】、
【化2】、
【化3】の化合物は顕著な種子発芽抑制効果や穂発芽抑
制効果があることがわかった。これら有効成分は、各々
単独あるいは各成分の混合物でも使用できる。
【0028】イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)の抽出物か
ら得られる各スチレン誘導体
【化1】、
【化2】、
【化3】の化合物は、イネやムギ類に対する優れた種子
発芽抑制剤として使用できるだけでなく、他の作物、例
えば、バレイショのようないも類、タマネギ、ニンニク
のような鱗茎類、トウモロコシのような雑穀類、など、
広く作物の発芽抑制剤として利用できる。
【0029】さらに、イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)の
抽出物から得られるスチレン誘導体
【化1】、
【化2】、
【化3】は、一緒にまたは別々に、あるいは連続的に施
用することができ、別々に施用する場合、一般的にその
施用順序は予防結果にいかなる影響を与えることはな
い。
【0030】イネ籾殻あるいはムギ類種子殻(ふ)の抽
出物から得られるスチレン誘導体
【化1】、
【化2】、
【化3】を作物発芽抑制剤の有効成分として用いる場合
は、そのまま使用してもよいが、通常は固体担体、液体
担体、ガス状担体等と混合し、必要あれば界面活性剤、
分散剤、その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳
剤、水和剤等に製剤して使用する。これらの製剤には、
有効成分として本発明化合物を通常、重量比で0.01
%〜95%含有する。
【0031】製剤補助剤として使用する坦体、希釈剤、
界面活性剤を例示する。固体坦体として、タルク、カオ
リン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレ
ーなど。
【0032】液体希釈剤として、水、キシレン、トルエ
ン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ア
ルコールなど。
【0033】界面活性剤は、その効果により使い分ける
のがよく、乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレートなど。分散剤として、リグニンスルホン酸
塩、ジブチルナフタリンスルホン酸塩など、湿潤剤とし
て、アルキルスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン
酸塩などを、あげることができる。
【0034】上記製剤には、そのまま使用するものと水
等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用するものとがあ
る。希釈して使用する時の本発明化合物の濃度は0.0
1〜1.0%の範囲が望ましい。また、本発明化合物の
使用量は畑、田、果樹園、温室などの農園芸地1haあ
たり、10〜5000g、より好ましくは50〜100
0gである。
【0035】これらの使用濃度及び使用量は剤形、使用
時期、使用方法、使用場所、対象作物等によっても異な
るため、上記の範囲にこだわることなく増減することは
勿論可能である。
【0036】さらに、本発明化合物は他の有効成分、例
えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤と組み合わせ
て使用することもできる。
【0037】イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)は、多量に
出る農産廃棄物であり、今までほとんどその用途が考え
られていなかったものである。本発明品
【化1】、
【化2】、
【化3】のような作物発芽抑制効果に優れたものが簡
単、安価に得られたことは、従来考えられなかったイネ
籾殻、ムギ類種子殻(ふ)の新しい利用用途を開発した
ものである。
【0038】以下、調製例、製剤例を示す。なお、本発
明はその要旨を越えない限り以下の調製例、製剤例に限
定されるものではない。
【0039】調製例1 コムギ種子殻(ふ)水抽出物
から
【化1】、
【化2】、
【化3】の分離 コムギ種子殻(ふ)(品種:カンケイW421)200
gをよく粉砕し、これに水1リットルを加え、60℃で
48時間アルゴン雰囲気下で浸漬放置後、ガーゼでろ過
し、得られた抽出液をアスピレーター減圧下、60℃で
水蒸気蒸留を行い、流出液をジクロロメタンを用いて分
配し、溶媒を留去して水抽出物を得た。抽出物を水−ア
セトン溶媒を用いたゲルクロマトグラフイーで精製分画
し、
【化1】、
【化2】、
【化3】を単離した。以下、
【化1】、
【化2】、
【化3】のスペクトルデータを示す。
【0040】
【化1】のスペクトルデータ MS 150(M+),135,107,77 1H−NMR(CDCl3,500MHz)δ3.92
(3H,s),5.13(1H,d,J=11.0H
z),5.59(1H,d,J=17.5Hz),6.
64(1H,dd,J=11.0,17.5Hz),
6.87(1H,d,J=8.0Hz),6.92(1
H,dd,J=2.0,8.0Hz),6.94(1
H,d,J=2.0Hz)
【0041】
【化2】のスペクトルデータ MS 120(M+),91,65 1H−NMR(CDCl3,500MHz)δ5.12
(1H,d,J=11.0Hz),5.60(1H,
d,J=17.5Hz),6.65(1H,dd,J=
11.0,17.5Hz),6.78(2H,d,J=
8.6Hz),7.31(2H,d,J=8.6Hz)
【0042】
【化3】のスペクトルデータ MS 122(M+),107,79 1H−NMR(CDCl3,500MHz)δ1.45
(3H,d,J=6.3Hz),4.83(1H,q,
J=6.3Hz),7.25(1H,m),7.32
(4H,m)
【0043】調製例2 イネ籾殻水抽出物から
【化1】、
【化2】、
【化3】の分離 イネ籾殻(品種:カサラス、インディカ米)300gを
よく粉砕し、これに水1リットルを加え、60℃で24
時間抽出した後、ろ過した。得られた水抽出液を酢酸エ
チルと分配し、抽出物を得た。抽出物を水−メタノール
溶媒を用いたゲルクロマトグラフイーで精製分画し、
【化1】、
【化2】、
【化3】を単離した。
【0044】調製例3 コムギ種子殻(ふ)の80%
メタノール水抽出物から
【化1】、
【化2】、
【化3】の分離 コムギ種子殻(ふ)(品種:カンケイW421)200
gをよく粉砕し、これに80%メタノール1リットルを
加え、60℃で24時間抽出した後、ろ過した。得られ
た抽出液を酢酸エチルと分配し、抽出物を得た。抽出物
を水−メタノール溶媒を用いたゲルクロマトグラフイー
で精製分画し、
【化1】、
【化2】、
【化3】を単離した。
【0045】 製剤例1 :粉剤 重量部
【化1】 3 クレ− 40 タルク 57 を粉砕混合し,粉剤として使用する.
【0046】 製剤例2 :水和剤 重量部
【化2】 50 リグニンスルホン酸塩 5 アルキルスルホン酸塩 3 珪藻土 42 を粉砕混合して水和剤とし,水で希釈して使用する.
【0047】 製剤例3 :粒剤 重量部
【化3】 5 ベントナイト 43 クレ− 45 リグニンスルホン酸塩 7 を均一に混合し更に水を加えて練り合わせ,押し出し式
造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とする.
【0048】 製剤例4 :乳剤 重量部
【化1】 20 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3 キシレン 67 を均一に混合溶解して乳剤とする.
【0049】
【発明の効果】イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)の抽出物
から得られる各スチレン誘導体
【化1】、
【化2】、
【化3】の化合物は、イネやムギ類に対する優れた種子
発芽抑制剤として使用できるだけでなく、広く作物の発
芽抑制剤として利用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネ籾殻やムギ類種子殻(ふ)の抽出物
    から得られたスチレン誘導体 【化1】、 【化2】、 【化3】をそのまま、あるいはこれを含有してなること
    を特徴とする作物発芽抑制剤。 【化1】 【化2】 【化3】
JP2001097354A 2001-02-23 2001-02-23 イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体 Pending JP2002255707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001097354A JP2002255707A (ja) 2001-02-23 2001-02-23 イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001097354A JP2002255707A (ja) 2001-02-23 2001-02-23 イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002255707A true JP2002255707A (ja) 2002-09-11

Family

ID=18951149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001097354A Pending JP2002255707A (ja) 2001-02-23 2001-02-23 イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002255707A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01226877A (ja) キナゾリン誘導体
CN102361846A (zh) 新型除草剂
KR20200126716A (ko) 천연유래 식물추출물이 함유된 토양해충 살충조성물 및 이의 제조방법
Fabiyi et al. Toxicity of derivatized citrulline and extracts of water melon rind (Citrullus lanatus) on root-knot nematode (Meloidogyne incognita).
US4065574A (en) New method for controlling fungi using 4-chromone, 4-chromanone, 4-chromone oxime and 4-chromanone oxime compounds
JP2986222B2 (ja) 疎水的に抽出したニーム油を用いる植物上の菌類の制御方法
JPS6197261A (ja) 有害生物防除剤
Parrotta et al. Azadirachta indica A. Juss
JP2002255706A (ja) イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られたテルペン類とスチレン誘導体を含む相乗作用を有する作物発芽抑制剤組成物
JP3716975B2 (ja) 新規ナリンゲニン誘導体及びその用途
JP2002255707A (ja) イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するスチレン誘導体
JP2002255710A (ja) イネ籾殻やムギ類の種子殻(ふ)から得られた作物発芽抑制効果を有するテルペン類
JP2002255719A (ja) イネの籾殻や糠またはムギ類種子殻(ふ)やふすま(麩)から得られた作物発芽抑制剤
JPH0625046B2 (ja) 害虫防除剤
JP2003095825A (ja) 農園芸用殺菌剤組成物およびストロビルリン系殺菌剤の効力増強剤
JP3624209B2 (ja) 農園芸用殺菌剤
JP3998298B2 (ja) 農業用害虫忌避剤
Board Hand Book on Neem & Allied Products
Pickett Semiochemicals for aphid control
RU2154942C1 (ru) Способ получения средства защиты растений из хвои ели европейской (picea excelsa l.)
JP2649315B2 (ja) 害虫防除剤
SU713521A3 (ru) Гербицидный состав
JP2008037864A (ja) 寄生植物防除剤及びその使用方法
CH642819A5 (en) Process for the agricultural production of ergot
JP2004051485A (ja) ケイ皮酸誘導体を有効成分とする農業用抗菌・殺菌剤