JP2002255609A - 高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療用リン酸カルシウムセメント - Google Patents

高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療用リン酸カルシウムセメント

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JP2002255609A
JP2002255609A JP2001054277A JP2001054277A JP2002255609A JP 2002255609 A JP2002255609 A JP 2002255609A JP 2001054277 A JP2001054277 A JP 2001054277A JP 2001054277 A JP2001054277 A JP 2001054277A JP 2002255609 A JP2002255609 A JP 2002255609A
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Masahiro Hirano
昌弘 平野
Hiroyasu Takeuchi
啓泰 竹内
Nobuyuki Asaoka
伸之 浅岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療
用リン酸カルシウムセメントを提供する。 【解決手段】 生体骨補強治療用リン酸カルシウムセメ
ントを、質量%で、ピロリン酸ナトリウム:0.03〜
0.5%、第2リン酸カルシウム:3〜10%、第4リ
ン酸カルシウム:10〜25%、α型第3リン酸カルシ
ウムおよび不可避不純物:残り、からなる配合組成を有
する混合組成物で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、口腔外科を含む
医科の分野で生体骨補強治療に用いられ、高強度硬化体
の形成が可能なリン酸カルシウムセメントに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、生体骨補強治療用セメントに
は、(1)硬化用水溶液を加えてスラリー化したスラリ
ーが凝固する凝結性、(2)凝固体が水分の存在下で硬
化する硬化性、(3)治療補強骨の運動を可能ならしめ
るに十分な硬化体強度、(4)硬化体が生体骨に再生す
る吸収置換性、などの特性を具備することが要求される
が、これらの特性を具備するセメントとして、従来各種
の生体骨補強治療用セメントが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、生体にとって硬
化体は異物であることから、できるだけ少ない硬化体使
用量で治療補強骨に所定量の強度が得られるのが望まし
いが、従来提案されている生体骨補強治療用セメントに
おいては、硬化体に十分な高強度が得られないために、
治療補強骨としての硬化体の使用量の低減化を満足に図
ることができず、このため硬化体の一段の強度向上が可
能な生体骨補強治療用セメントの開発が強く求められて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の観点から、硬化体の強度向上が可能な生体骨補強
治療用セメントを開発すべく研究を行った結果、従来提
案されている各種の生体骨補強治療用セメントのうちの
リン酸カルシウムセメント、すなわち、質量%で(以
下、%は質量%を示す)、第2リン酸カルシウム:3〜
10%、第4リン酸カルシウム:10〜25%、α型第
3リン酸カルシウムおよび不可避不純物:残り、からな
る配合組成を有する混合組成物で構成されたリン酸カル
シウムセメントに特定し、このリン酸カルシウムセメン
トに、ピロリン酸ナトリウムを0.03〜0.5%の割
合で配合してなる混合組成物をリン酸カルシウムセメン
トとして用いると、これの適用に際して、これに硬化性
水溶液を加えて形成したペーストの流動性が前記ピロリ
ン酸ナトリウムの作用で一段と向上し、当然の結果とし
て気泡の巻き込みが著しく低減されるようになることか
ら、緻密な硬化体の形成が可能となり、形成された硬化
体の強度は著しく向上したものになるという研究結果を
得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、ピロリン酸ナトリウム:0.03
〜0.5%,第2リン酸カルシウム:3〜10%、第4
リン酸カルシウム:10〜25%、α型第3リン酸カル
シウムおよび不可避不純物:残り、からなる配合組成を
有する混合組成物で構成してなる、高強度硬化体の形成
が可能な生体骨補強治療用リン酸カルシウムセメントに
特徴を有するものである。
【0006】つぎに、この発明の生体骨補強治療用リン
酸カルシウムセメント(以下、単に本発明セメントとい
う)において、配合組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (a)ピロリン酸ナトリウム この成分には、上記の通りセメントの適用に際して、ペ
ーストの流動性を向上させ、もって気泡の巻き込みを著
しく抑制して、緻密な硬化体の形成を可能にし、この結
果硬化体の強度向上に寄与する作用があり、この作用を
十分に発揮させるためには、本発明セメントの製造に際
して、構成成分である第2リン酸カルシウムと予め混練
した状態で、残りの構成成分である第4リン酸カルシウ
ムおよびα型第3リン酸カルシウムと配合する必要があ
るが、その割合が0.03%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その割合が0.5%を越えると硬
化体の硬化に要する時間が伸びる傾向が現われるように
なることから、その割合を0.03〜0.5%、望まし
くは0.1〜0.3%と定めた。
【0007】(b)第2リン酸カルシウム この成分には、ペーストの硬化体への凝結を促進する作
用があるが、その割合が3%未満では所望の凝結促進作
用を確保することができず、一方その割合が10%を越
えると、硬化時間が短くなりすぎて作業性の低下が避け
られなくなることから、その割合を3〜10%、望まし
くは4〜8%と定めた。
【0008】(c)第4リン酸カルシウム この成分には、硬化体が生体骨へ再生する吸収置換性を
促進する作用があるが、その割合が10%未満では前記
作用に所望の向上効果が得られず、一方その割合が25
%を越えると硬化体の強度が低下するようになることか
ら、その割合を10〜25%、望ましくは12〜20%
と定めた。なお、本発明セメントの硬化性水溶液として
は、通常実用に供されている硬化性水溶液、例えばコハ
ク酸2ナトリウムやコンドロイチン硫酸ナトリウム、さ
らに乳酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、およびピロ亜硫酸ナトリウ
ムなどのうちの1種または2種以上を所定量配合含有さ
せた水溶液、並びに蒸留水などを適用できる。
【0009】
【発明の実施の態様】つぎに、本発明セメントを実施例
により具体的に説明する。まず、本発明セメントの構成
成分であるα型第3リン酸カルシウムおよび第4リン酸
カルシウムを以下の通りに調整し、同じくピロリン酸ナ
トリウムおよび第2リン酸カルシウムは市販のものを使
用した。 (1)α型第3リン酸カルシウム 水酸化カルシウム:3モルを水:10リットルに懸濁さ
せ、これにリン酸:2モルを水で希釈してなる40%リ
ン酸水溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、滴下終了
後、室温に1日間放置し、ついで乾燥機を用い、110
℃に24時間保持の条件で乾燥して凝集体とし、引き続
いて前記凝集体を1400℃に3時間保持して焼成し、
焼成生成物を粉砕し、篩分にて篩目で88μm以下(平
均粒径:6.5μm)とすることにより純度:99.9
%のα型第3リン酸カルシウムを製造した。
【0010】(2)第4リン酸カルシウム 水酸化カルシウム:4モルを水:10リットルに懸濁さ
せ、これにリン酸:2モルを水で希釈してなる40%リ
ン酸水溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、滴下終了
後、室温に1日間放置し、ついで乾燥機を用い、110
℃に24時間保持の条件で乾燥して凝集体とし、この凝
集体を、まず900℃に3時間保持の条件で仮焼結し、
引き続いて均一に粉砕した状態で、1400℃に3時間
保持の条件で焼成し、焼成生成物を粉砕し、篩分にて篩
目で88μm以下(平均粒径:6.5μm)とすること
により、第4リン酸カルシウムの含有割合が90・5%
で、残りが実質的に不可避不純物としての水酸アパタイ
トからなる混合生成物を製造した。なお、この実施例で
は上記混合生成物を第4リン酸カルシウムとして使用し
た。
【0011】つぎに、原料粉末として上記(1)、
(2)で得られたα型第3リン酸カルシウム、および第
4リン酸カルシウム、さらに市販のピロリン酸ナトリウ
ムおよび第2リン酸カルシウムを用い、まずこれら原料
粉末のうちのピロリン酸ナトリウムと第2リン酸カルシ
ウムを、予め表1に示される全体割合に相当する割合で
混練機で30分間十分に混練しておき、この混練粉末と
その他の原料粉末を表1に示される配合割合に配合し、
混合して配合割合と実質的に同じ配合組成を有する混合
組成物とすることにより本発明セメント1〜15、およ
びピロリン酸ナトリウムの配合がない従来セメント1〜
11をそれぞれ製造した。
【0012】さらに、上記本発明セメント1〜15およ
び従来セメント1〜11から形成された硬化体の強度を
評価する目的で、これらセメントに、それぞれコンドロ
イチン硫酸ナトリウム:5%、コハク酸2ナトリウム・
6水和物:15%、および亜硫酸水素ナトリウム:0.
3%を含有し、残りが水からなる硬化用水溶液を、質量
比で、セメント:硬化用水溶液=3:1の割合で加え、
練和してスラリーとし、このスラリーを凝結させて直
径:6mm×高さ:12mmの寸法の円柱状凝固体と
し、この凝固体を、Na+:142.0mM、K+:5.
0mM、Mg2+:1.5mM、Ca2+:2.5mM、C
-:148.8mM、HCO3 -:4.2mM、HPO4
2―:1.0mMを含有する水溶液(疑似体液)中に5
日間浸漬して硬化させ、この5日間の硬化処理後の硬化
体の圧縮強度を測定した。この測定結果を同じく表1に
示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】表1に示される結果から、従来セメント
を構成する混合組成物にピロリン酸ナトリウムを配合し
た本発明セメント1〜15は、これより成形された硬化
体が前記ピロリン酸ナトリウムの配合がない従来セメン
ト1〜11より形成された硬化体に比して一段と高い強
度をもつことが明らかである。上述の通り、本発明セメ
ントは、高強度を有する硬化体の成形を可能とするもの
であり、治療補強骨の強度向上に大いに寄与するほか、
硬化体使用量の低減を図ることができるなど工業上有用
な特性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅岡 伸之 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社医用材料センター内 Fターム(参考) 4C081 AB03 AB06 AC04 BB08 CF012 CF021 DA13 DA14 4C089 AA06 BA16 CA03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 ピロリン酸ナトリウム:0.03〜0.5%、 第2リン酸カルシウム:3〜10%、 第4リン酸カルシウム:10〜25%、 α型第3リン酸カルシウムおよび不可避不純物:残り、
    からなる配合組成を有する混合組成物で構成したことを
    特徴とする高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療
    用リン酸カルシウムセメント。
JP2001054277A 2001-02-28 2001-02-28 高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療用リン酸カルシウムセメント Withdrawn JP2002255609A (ja)

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