JP2022030655A - リン酸カルシウム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたハンドリング性を有し、生体骨補強治療用として好適に用いられるリン酸カルシウム硬化性組成物を提供する。【解決手段】第一のペーストと、前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストとを備え、前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有することを特徴とするリン酸カルシウム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔外科を含む医科の分野で生体骨補強治療に用いられ、高強度硬化体の形成が可能なリン酸カルシウム組成物に関する。
口腔外科を含む医科の分野で生体骨補強治療に用いられる生体骨補強治療用の骨充填材として、リン酸カルシウム化合物の粉剤とこの粉剤と反応を起こす硬化液とを混練して得られる自己硬化型のリン酸カルシウム硬化性組成物が挙げられる(特許文献1~3を参照)。このリン酸カルシウム硬化性組成物は、流動性のあるペースト状又は粘土状であり、複雑形状の骨欠損部や骨折部等の患部にも柔軟に対応できるというメリットを有している。
リン酸カルシウム硬化性組成物は、例えば、術場でリン酸カルシウム化合物の粉剤と硬化液とを所定の比率で混合及び混練し、混練物が硬化する前に、シリンジ等で注入又は手で練って患部に補填して使用する。
特許文献1~3に記載されたリン酸カルシウム化合物の粉剤はα型第三リン酸カルシウムを主材料として含んでおり、得られるリン酸カルシウム硬化性組成物は、硬化時間が短く、骨充填材(硬化物)として実用上十分な強度を発揮する。このためα型第三リン酸カルシウムを含んでなるリン酸カルシウム硬化性組成物は臨床の場において広く利用されている。
しかしながら、α型第三リン酸カルシウムを含んでなるリン酸カルシウム硬化性組成物から得られる骨充填材(硬化物)は、骨内に吸収される速度が遅く、骨充填材から骨に置換されることがない。
骨内に吸収される速度が速いリン酸カルシウムとしては、β型第三リン酸カルシウムが知られている。特許文献4は、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムを含む粉剤と、硬化液とを混練してなるリン酸カルシウム硬化性組成物を開示しており、このリン酸カルシウム硬化性組成物は硬化時間が短く、かつ得られるリン酸カルシウム硬化物は骨内への吸収性に優れると記載している。
しかしながら、このようなリン酸カルシウム化合物を含む粉剤と硬化液とを混練して用いるリン酸カルシウム硬化性組成物は、粉剤を専用治具に充填する際に粉が舞いやすいといった問題や、粉剤に加えて専用の硬化液を準備しなければならないといった煩雑さがあり、ハンドリング性がさらに改善されたリン酸カルシウム硬化性組成物の開発が望まれている。
特許第4111418号公報 特許第4111419号公報 特許第4134299号公報 特開2015-53981号公報
従って、本発明の目的は、優れたハンドリング性を有し、生体骨補強治療用として好適に用いられるリン酸カルシウム硬化性組成物を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、β型第三リン酸カルシウムと、第二リン酸カルシウムとを含有する第一のペーストと、第四リン酸カルシウムを含有する第二のペーストとを混合することで硬化時間が短く、骨内への吸収性に優れたリン酸カルシウム硬化性組成物が得られることを見出し、本発明に想到した。なお本願において、「リン酸カルシウム硬化性組成物」を「硬化可能なペースト状組成物」とも言う。
すなわち、本発明の第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物は、
第一のペーストと、
前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストとを備え、
前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有することを特徴とする。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペースト中の第二リン酸カルシウムの平均粒子径は1~50μmであるのが好ましい。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペーストがβ型第三リン酸カルシウムをさらに含有するのが好ましい。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペーストが、100質量部のβ型第三リン酸カルシウムに対して、4~10質量部の第二リン酸カルシウムと、25~45質量部の水とを含んでなるのが好ましい。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第二のペーストが、100質量部の第四リン酸カルシウムに対して、20~40質量部の水を含んでなるのが好ましい。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第二のペーストがβ型第三リン酸カルシウムをさらに含有するのが好ましい。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペーストと前記第二のペーストとの混合物中のβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの含有量が、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、それぞれ50~90質量%、2~10質量%及び5~30質量%であるのが好ましい。
前記第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペーストと前記第二のペーストとの混合物中に含まれるα型第三リン酸カルシウムが、β型第三リン酸カルシウムの5質量%以下であるのが好ましい。
本発明の第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物は、
第一のペーストと、
前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストと、
前記第一のペースト及び前記第二のペーストと混合することにより硬化反応を促進する第三のペーストとを備え、
前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有し、前記第三のペーストがβ型第三リン酸カルシウムを含有することを特徴とする。
前記第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペースト中の第二リン酸カルシウムの平均粒子径は1~50μmであるのが好ましい。
前記第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペーストと前記第二のペーストと前記第三のペーストとの混合物中のβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの含有量が、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、それぞれ50~90質量%、2~10質量%及び5~30質量%であるのが好ましい。
前記第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、
前記第一のペーストと前記第二のペーストと前記第三のペーストとの混合物中に含まれるα型第三リン酸カルシウムが、β型第三リン酸カルシウムの5質量%以下であるのが好ましい。
本発明の第一の態様にかかるペースト材料は、
本発明の第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の第一のペーストとして用いるペースト材料であって、
100質量部のβ型第三リン酸カルシウムと、4~10質量部の第二リン酸カルシウムと、25~45質量部の水とを含むことを特徴とする。
本発明の第二の態様にかかるペースト材料は、
本発明の第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の第二のペーストとして用いるペースト材料であって、
100質量部の第四リン酸カルシウムと、20~40質量部の水とを含むことを特徴とする。
本発明の硬化体は、
本発明の第一及び第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物を硬化させて得られた硬化体である。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、二種又は三種のペーストを使用直前に混合及び混練することにより短時間で硬化可能なペースト状組成物(リン酸カルシウム硬化性組成物)を生成することができるので、ハンドリング性に優れているとともに、硬化後のリン酸カルシウム硬化物は骨内への吸収性に優れているので、生体骨補強治療用の材料として好適に用いられる。
[1] リン酸カルシウム組成物
(1)第一の態様
本発明の第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物は、第一のペーストと、前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストとを備え、前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有する。
本発明のリン酸カルシウム組成物を構成する第一及び第二のペーストを混合して得られる硬化可能なペースト状組成物(以下、「リン酸カルシウム硬化性組成物」とも言う。)は、第二リン酸カルシウムと、第四リン酸カルシウムとを含有するので、リン酸カルシウム硬化物(骨充填材)を容易に形成することができる。また第一のペースト及び/又は第二のペーストが、さらに骨内に吸収される速度が速いβ型第三リン酸カルシウムを含有することにより、形成されるリン酸カルシウム硬化物(骨充填材)は骨内における吸収性に優れるとともに、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間を短くすることができる。
第一のペーストは、第二リン酸カルシウムを含有するペースト状組成物であり、第二のペーストは、第四リン酸カルシウムを含有するペースト状組成物であり、第一のペーストと第二のペーストと混合することによりリン酸カルシウム硬化性組成物を生成する。第一のペースト及び/又は第二のペーストには、さらにβ型第三リン酸カルシウムを含有するのが好ましい。β型第三リン酸カルシウムは第一のペーストに含有させても良いし、第二のペーストに含有させても良いし、第一のペースト及び第二のペーストの両方に含有させても良いが、第一のペーストのみに含有させるのが好ましい。
第一のペーストと第二のペーストとを混合することにより得られるリン酸カルシウム硬化性組成物は、第二リン酸カルシウム、第四リン酸カルシウム及び水を含んでなるのが好ましく、さらにβ型第三リン酸カルシウムを含むのが好ましい。β型第三リン酸カルシウムを含有することにより、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間を短くすることができるとともに、得られるリン酸カルシウム硬化物(骨充填材)は骨内における吸収性に優れたものとなる。
リン酸カルシウム硬化性組成物中のβ型第三リン酸カルシウムの含有量は、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、50~90質量%であるのが好ましく、60~80質量%であるのがより好ましい。β型第三リン酸カルシウムの含有量を50~90質量%の範囲内に設定することにより、形成されるリン酸カルシウム硬化物の骨内における吸収性をより優れたものとすることができる。また、リン酸カルシウム硬化物を優れた強度を発揮するものとすることができる。
リン酸カルシウム硬化性組成物中の第二リン酸カルシウムの含有量は、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、2~10質量%であるのが好ましく、4~7質量%であるのがより好ましい。第二リン酸カルシウムの含有量を2~10質量%の範囲内に設定することにより、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間を確実に短くすることができる。
リン酸カルシウム硬化性組成物中の第四リン酸カルシウムの含有量は、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、5~30質量%であるのが好ましく、15~20質量%であるのがより好ましい。第四リン酸カルシウムの含有量を5~30質量%の範囲内に設定することにより、リン酸カルシウム硬化性組成物のpHを中性領域に維持でき、また、硬化時間を確実に短くすることができる。
第一のペースト中のβ型第三リン酸カルシウム及び第二リン酸カルシウムの含有量、並びに第二のペースト中のβ型第三リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの含有量は、第一のペーストと第二のペーストとを所定の比率で混合したときに得られるリン酸カルシウム硬化性組成物が前述したような量でβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムを含有するように調節するのが好ましい。なお前述したように、β型第三リン酸カルシウムは第一のペースト及び第二のペーストのどちらかに含有させても良いし、両方に含有させてもよい。
第一のペーストは、100質量部のβ型第三リン酸カルシウムに対して、4~10質量部の第二リン酸カルシウムと、25~45質量部の水とを含んでなるのが好ましく、第二のペーストは、100質量部の第四リン酸カルシウムに対して、20~40質量部の水を含んでなるのが好ましい。
第一のペースト及び第二のペースト中に含まれる水を上記の範囲とするとこで、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化反応(後述の式(I)を参照)をより確実に促進させることができる。また、第一のペースト及び第二のペーストの粘度を適切な範囲にすることができる。さらに、調製されたリン酸カルシウム硬化性組成物の稠度をより確実に後述する範囲内に設定することができる。
第一のペーストと第二のペーストとの混合比率は、第一のペースト及び第二のペーストに含まれる各リン酸カルシウム量に依存し、混合後のリン酸カルシウム硬化性組成物中の各リン酸カルシウム量が前述した含有量になるように第一のペーストと第二のペーストとの混合比率が決定される。術場でのハンドリング上、第一のペーストと第二のペーストとの混合比率は、1:9~9:1の範囲であるのが好ましく、2:8~8:2の範囲であるのがより好ましく、3:7~7:3の範囲であるのが最も好ましい。
(2)第二の態様
本発明の第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物は、第一のペーストと、前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストと、前記第一のペースト及び前記第二のペーストと混合することにより硬化反応を促進する第三のペーストとを備え、前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有し、前記第三のペーストがβ型第三リン酸カルシウムを含有する。
本発明の第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物は、2ペースト系の組成物である第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物を3ペースト系の組成物となるように分割したものであり、第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物における第一のペースト及び/又は第二のペーストに含有するβ型第三リン酸カルシウムを第一及び第二のペーストとは別の第三のペーストとして備えたものである。このように、β型第三リン酸カルシウムを第二リン酸カルシウム(第一のペースト)及び第四リン酸カルシウム(第二のペースト)とは別のペーストとすることにより、混合前の第一~第三のペーストの保存安定性をより高めることができる。
第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、第一~第三のペーストを混合して得られる硬化可能なペースト状組成物(リン酸カルシウム硬化性組成物)は、β型第三リン酸カルシウムを必須に含有する以外、第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の場合と同様であり、形成されるリン酸カルシウム硬化物(骨充填材)も第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の場合と同様である。従って、リン酸カルシウム硬化性組成物中のβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの含有量は第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の場合と同様である。
第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物において、第一のペーストは、100質量部の第二リン酸カルシウムに対して、20~40質量部の水を含んでなるのが好ましく、第二のペーストは、100質量部の第四リン酸カルシウムに対して、20~40質量部の水を含んでなるのが好ましく、第三のペーストは、100質量部のβ型第三リン酸カルシウムに対して、20~40質量部の水を含んでなるのが好ましい。
第一のペーストと第二のペーストと第三のペーストとの混合比率は、混合後のリン酸カルシウム硬化性組成物中の各リン酸カルシウム量が前述した含有量になるように第一のペーストと第二のペーストと第三のペーストとの混合比率が決定される。術場でのハンドリング上、第一~第三のペーストの合計100質量%としたとき、各ペーストが10~80質量%の範囲になるように設定するのが好ましく、各ペーストが15~70質量%の範囲になるように設定するのがより好ましく、各ペーストが20~60質量%の範囲になるように設定するのが最も好ましい。
(3)リン酸カルシウム化合物
(a)β型第三リン酸カルシウム
β型第三リン酸カルシウム(β-Ca3(PO4)2;β-TCPと略す場合がある。)は、骨内に吸収される速度が速いリン酸カルシウムであり、本発明では、リン酸カルシウム硬化性組成物にα型第三リン酸カルシウムではなく、このβ型第三リン酸カルシウムが含まれるように構成することで、形成されるリン酸カルシウム硬化物の骨内における吸収性を優れたものとする。
第一のペースト中のβ型第三リン酸カルシウムの粉体の平均粒子径は、1~100μmであるのが好ましい。β型第三リン酸カルシウム粉体の平均粒子径をこのような範囲内に設定することにより、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間を確実に短くすることができる。β型第三リン酸カルシウム粉体の平均粒子径は2~30μmであるのがより好ましい。なお、ここでいうβ型第三リン酸カルシウムの粉体の平均粒子径は、β型第三リン酸カルシウムの粉体を水に懸濁し、得られた懸濁液を超音波で分散処理した後に、その懸濁液中に存在する粉体を測定することによって得られる懸濁液中での平均粒子径である。
β型第三リン酸カルシウムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、公知の湿式合成法、乾式合成法、水熱合成法等の何れかを用いて、第三リン酸カルシウムを生成した後、750~1150℃で焼成することでβ型第三リン酸カルシウムを得る方法等が挙げられる。
β型第三リン酸カルシウムを製造する際に、β型第三リン酸カルシウムの不純物としてα型第三リン酸カルシウムがわずかに含まれる場合があるが、例えば、焼成温度を後述するように調整したり、不純物として含まれるα型第三リン酸カルシウムを除去等することにより、α型第三リン酸カルシウムの含有量を所定値以下にするのが好ましい。β型第三リン酸カルシウムに対するα型第三リン酸カルシウムの含有量は5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下であるのがより好ましい。従って、リン酸カルシウム硬化性組成物中に含まれるα型第三リン酸カルシウムは、β型第三リン酸カルシウムの5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下であるのがより好ましい。
β型第三リン酸カルシウムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、公知の湿式合成法、乾式合成法、水熱合成法等の何れかを用いて、β型第三リン酸カルシウムを生成した後、750~1200℃で焼成する方法等を用いることができる。β型第三リン酸カルシウムの製造方法については、特開2015-53981号公報を参照することができる
上記β型第三リン酸カルシウムの焼成温度は、940~1150℃であるのが好ましく、970~1125℃であるのがより好ましく、1000~1100℃であるのがさらに好ましく、1025~1075℃であるのがさらにより好ましい。このような温度範囲とすることにより、生産効率をより向上するとともに、β型第三リン酸カルシウムに不純物として含まれるα型第三リン酸カルシウムの量をより低減することができる。
上記β型第三リン酸カルシウムの焼成において、昇温を開始してから上記焼成温度に到達するまでの時間(昇温時間)は、例えば、2~12時間であってもよい。上記昇温時間は、5~11時間であるのが好ましく、6~10時間であるのがさらに好ましく、7~9時間であるのが最も好ましい。このような好ましい昇温時間とすることにより、β型第三リン酸カルシウムに不純物として含まれるα型第三リン酸カルシウムの量をより低減することができる。
上記β型第三リン酸カルシウムの焼成において、上記焼成温度から降温を開始して常温に到達するまでの時間(降温時間)は、例えば、2~12時間であってもよい。上記降温時間は、5~11時間であるのが好ましく、6~10であるのがさらに好ましく、7~9時間であるのが最も好ましい。このような好ましい降温時間とすることにより、β型第三リン酸カルシウムに不純物として含まれるα型第三リン酸カルシウムの量をより低減することができる。
(b)第二リン酸カルシウム
第二リン酸カルシウムは、第二のペースト中に含まれる第四リン酸カルシウムと反応することにより、非晶質ハイドロキシアパタイトを生成し、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化に寄与するリン酸カルシウムである。なお、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化のメカニズムについては後に詳述する。
第二リン酸カルシウムの粉体は、平均粒子径が1~50μmであるのが好ましい。第二リン酸カルシウム粉体の平均粒子径をこの範囲内に設定することにより、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間を確実に短くすることができる。第二リン酸カルシウム粉体の平均粒子径は2~40μmであるのがより好ましく、15~30μmであるのがさらに好ましい。平均粒子径は、第二リン酸カルシウムの粉体を水に懸濁し、得られた懸濁液を超音波で分散処理した後に、その懸濁液中に存在する粉体を測定することによって得られる懸濁液中での平均粒子径である。
第二リン酸カルシウムとしては、第二リン酸カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O;DCPDと略す場合がある。)、及び無水第二リン酸カルシウム(CaHPO4;DCPAと略す場合がある。)が挙げられるが、これらのうちの何れであってもよい。これら第二リン酸カルシウム二水和物及び無水第二リン酸カルシウムとしては、市販のものを用いることができる。
本発明の一実施形態において好ましく用いられる第二リン酸カルシウムの粉体を得るために、自動乳鉢等の器具を用いて市販の第二リン酸カルシウムを粉砕してもよい。例えば、第一のペーストが、第二リン酸カルシウムとβ型第三リン酸カルシウムとを含む場合、それらを混合したものを粉砕してもよいし、第二リン酸カルシウムとβ型第三リン酸カルシウムとを混合する前に、第二リン酸カルシウムのみを先に粉砕してもよい。各ペーストを混合して得られるリン酸カルシウム組成物の硬化時間をより短くしたい場合には、第二リン酸カルシウムのみを先に粉砕するのが好ましい。
(c)第四リン酸カルシウム
第四リン酸カルシウム(Ca4(PO4)2O;TeCPと略す場合がある。)は、第二リン酸カルシウムと反応することにより、非晶質ハイドロキシアパタイトを生成し、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化に寄与するリン酸カルシウムである。なお、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化のメカニズムについては後に詳述する。
第四リン酸カルシウムの粉体は、平均粒子径が1~100μmであるのが好ましい。第四リン酸カルシウム粉体の平均粒子径をこの範囲内に設定することにより、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間を確実に短くすることができる。第四リン酸カルシウム粉体の平均粒子径は、5~90μmであるのがより好ましく、10~80μmであるのがより好ましく、30~70μmであるのがさらに好ましく、40~60μmであるのが最も好ましい。平均粒子径は、第四リン酸カルシウムの粉体を水に懸濁し、得られた懸濁液を超音波で分散処理した後に、その懸濁液中に存在する粉体を測定することによって得られる懸濁液中での平均粒子径である。
第四リン酸カルシウムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、特開平6-329405号及び特開平7-315814号に記載されている方法等を適用することができる。
(4) リン酸カルシウム硬化性組成物の反応
第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の第一のペーストと第二のペーストとを混合することにより得られるリン酸カルシウム硬化性組成物、又は第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の第一のペーストと第二のペーストと第三のペーストとを混合することにより得られるリン酸カルシウム硬化性組成物において、第二リン酸カルシウム(下記式(I)では、DCPDを用いた場合を示す)と第四リン酸カルシウムとで、下記式(I):
2Ca4(PO4)2O+2CaHPO4・2H2O → Ca10(PO4)6(OH)2+4H2O ・・・(I)
に示すような反応(水和硬化反応)が進行し、非晶質ハイドロキシアパタイトが生成(析出)する。
リン酸カルシウム硬化性組成物がβ型第三リン酸カルシウムを含む場合、生成した非晶質ハイドロキシアパタイトの粉体は、β型第三リン酸カルシウム粉体の粒子と粒子との間に介在する。このように、β型第三リン酸カルシウム粉体の粒子と粒子との間に介在する、換言すれば隣接する粉体粒子の表面に分散することで、非晶質ハイドロキシアパタイトはβ型第三リン酸カルシウム粉体の粒子同士を連結する結合材としての機能を発揮し、その結果、リン酸カルシウム硬化性組成物を短時間で硬化させる。
すなわち、β型第三リン酸カルシウムの粉体単独では、β型第三リン酸カルシウムの硬化時間が著しく長いため硬化には至らないが、β型第三リン酸カルシウム粉体の粒子と粒子の間に非晶質ハイドロキシアパタイトを介在させることで、リン酸カルシウム硬化性組成物は、短時間で硬化するものとなる。
非晶質ハイドロキシアパタイトは、β型第三リン酸カルシウムと同様に、骨内に吸収されるリン酸カルシウム系化合物である。そのため、この非晶質ハイドロキシアパタイトとβ型第三リン酸カルシウムとを含む、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化物(リン酸カルシウム硬化物)は、α型第三リン酸カルシウムのように骨内に吸収される速度が遅いリン酸カルシウム系化合物が含まれず、骨内における吸収性に優れたものとなる。よって、リン酸カルシウム硬化物の吸収にともない、骨が再生されることから、リン酸カルシウム硬化物を埋植した埋植部位を再生骨で置換させることができる。
さらに、第二リン酸カルシウムは水分散物中において酸性を示し、第四リン酸カルシウムは水分散物中においてアルカリ性を示すことから、前記式(I)に示す反応は中和反応となる。このように、中和反応により非晶質ハイドロキシアパタイトが得られる反応系とすることにより、形成されたリン酸カルシウム硬化物中において、酸又はアルカリが残存するのを的確に抑制又は防止することができる。従って、骨の埋植部位に埋植したリン酸カルシウム硬化物からの酸又はアルカリの漏出に起因する血球成分等の細胞の破壊を的確に抑制又は防止することができる。そのため、リン酸カルシウム硬化性組成物は、より安全性に優れたものとなる。
上記の通り、本発明のリン酸カルシウム組成物は、第一のペースト中に含まれる第二リン酸カルシウムと第二のペースト中に含まれる第四リン酸カルシウムとが反応することによって硬化するものであるから、混合する前に意図せずに硬化してしまうのを防ぐために、第一のペーストは、第四リン酸カルシウムを実質的に含まないのが好ましい。同様の理由により、第二のペーストは、第二リン酸カルシウムを実質的に含まないのが好ましい。
ここで、上記の「実質的に含まない」とは、第一のペーストの全質量を100質量%としたときに、第一のペーストに含まれる第四リン酸カルシウムの量が1質量%以下であることを意味する。より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。第二のペースト中に含まれる第二リン酸カルシウムについても同様である。
(5)その他のリン酸カルシウム系化合物
第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物(第一のペースト及び第二のペースト)及び第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物(第一のペースト、第二のペースト及び第三のペースト)には、前述のリン酸カルシウム化合物(β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウム)以外に、例えば、第一リン酸カルシウム、非晶質ハイドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物を含んでいてもよい。中でも、非晶質ハイドロキシアパタイトを含有しても良い。
非晶質ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2;非晶質HAPと略す場合もある。)は、第二リン酸カルシウムと第四リン酸カルシウムとが前記式(I)により生成される非晶質ハイドロキシアパタイトが生成する際の足場となり、前記式(I)により非晶質ハイドロキシアパタイトが生成する反応を促進する機能を発揮する。
非晶質ハイドロキシアパタイトの含有量は、リン酸カルシウム硬化性組成物中のβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、1~45質量%であるのが好ましく、5~25質量%であるのがより好ましい。非晶質ハイドロキシアパタイトの含有量を1~45質量%の範囲内に設定することにより、前記式(I)により非晶質ハイドロキシアパタイトをより効率よく生成させることができる。
非晶質ハイドロキシアパタイトの平均粒子径は、0.01~50μmであるのが好ましく、0.03~20μmであるのがより好ましい。非晶質ハイドロキシアパタイトの平均粒子径を0.01~50μmの範囲内に設定することにより、非晶質ハイドロキシアパタイトで構成される粉体に足場としての機能をより確実に発揮させることができる。
非晶質ハイドロキシアパタイトの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、公知の湿式合成法、乾式合成法、水熱合成法等の何れかを用いて非晶質ハイドロキシアパタイトを得る方法等が挙げられる。
(6)その他の添加物
第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物(第一のペースト及び第二のペースト)及び第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物(第一のペースト、第二のペースト及び第三のペースト)には、前記式(I)の反応を促進するための硬化促進剤、各ペースト及びこれらを混合してなるリン酸カルシウム硬化性組成物の粘度を調整するための増粘剤、増粘剤を安定化させる安定化剤等が含まれていても良い。これらの添加剤は、各ペーストの全てに含まれていても良いし、任意のペーストにのみ含まれていても良く、特に限定されない。以下に、硬化促進剤、増粘剤及び安定化剤について詳しく説明する。
(a)硬化促進剤
硬化促進剤としては、例えば、有機酸及びその塩が挙げられる。有機酸としては、特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸類、ヒドロキシ酪酸、乳酸、サリチル酸等のオキシモノカルボン酸類、リンゴ酸、酒石酸等のオキシジカルボン酸類、クエン酸等のオキシトリカルボン酸類が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合せて用いることができる。これらのうち、ジカルボン酸類であるのが好ましく、コハク酸であるのがより好ましい。
ジカルボン酸は分子中にカルボキシル基を2つ有しているので、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムを捕捉する機能が高く、リン酸カルシウム硬化性組成物中に第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムを均一に分散させることができる。
コハク酸は安定で毒性がないので、リン酸カルシウム硬化物を骨セメントとして安全に使用することができる。
有機酸の塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、コハク酸2ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、マロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム及びアルパラギン酸カリウムが挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合せて用いることができる。
これらの有機酸塩のうち、コハク酸ナトリウムであるのがより好ましい。コハク酸ナトリウムは水に対する溶解性が高いので、各ペーストを容易に調製することができる。また、コハク酸ナトリウムは安定で毒性がないので、リン酸カルシウム硬化物を骨セメントとして安全に使用することができる。
硬化促進剤は各ペーストに含まれる水に溶解して使用するのが好ましい。硬化促進剤の含有量は、水に対して、5~50質量%であるのが好ましく、10~20質量%以下であるのがより好ましい。硬化促進剤の含有量を5~50質量%の範囲内に設定することにより、前記式(I)の反応をより確実に促進させることができる。
(b)増粘剤
増粘剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カードラン、グアーガム、キサンタンガム、グルコマンナン、カラギーナン、アラビアガム、トラガントガムが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、コンドロイチン硫酸ナトリウムが好ましい。コンドロイチン硫酸ナトリウムは、保水性に特に優れるため、リン酸カルシウム硬化性組成物中において前記式(I)の反応をより確実に促進させることができる。
増粘剤は各ペーストに含まれる水に溶解して使用するのが好ましい。増粘剤の含有量は、水に対して、1~10質量%であるのが好ましく、4~7質量%であるのがより好ましい。増粘剤の含有量を1~10質量%の範囲内に設定することにより、調製されたリン酸カルシウム硬化性組成物の稠度をより確実に後述する範囲内に設定することができる。
(c)安定化剤
安定化剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキノン及び没食子酸プロピルが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。これらの安定化剤を用いることにより、増粘剤としてコンドロイチン硫酸ナトリウムを用いた際に、リン酸カルシウム硬化性組成物の室温保存を実現することができる。
安定化剤は各ペーストに含まれる水に溶解して使用するのが好ましい。安定化剤の含有量は、水に対して、0.1~2質量%であるのが好ましく、0.2~1質量%であるのがより好ましい。安定化剤の含有量を0.1~2質量%の範囲内に設定することにより、増粘剤の変質・劣化を的確に抑制又は防止することができる。
各ペーストを混合させる時間及び温度は、混合して得られるリン酸カルシウム硬化性組成物がペースト状になれば、特に限定されないが、例えば、0.5~5分程度及び20~40℃程度に設定される。
(7)リン酸カルシウム硬化性組成物の稠度
第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の第一のペースト及び第二のペースト、及び第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物の第一のペースト、第二のペースト及び第三のペーストを混合して得られたリン酸カルシウム硬化性組成物の稠度は、10~30 mmであるのが好ましく、20~28 mmであるのがより好ましい。リン酸カルシウム硬化性組成物の稠度が10~30 mmの範囲であることにより、リン酸カルシウム硬化性組成物を骨セメントとして用いるのに適度な稠度となるので、骨欠損部や骨内等の埋植部位(患部)に簡単に注入(埋植)することができ、注入後早期に硬化させることができる。また、リン酸カルシウム硬化性組成物の稠度が10 mmよりも小さいと、リン酸カルシウム硬化性組成物の粘性が高いので、埋植部位(骨内)に効率的に注入できないおそれがある。リン酸カルシウム硬化性組成物の稠度が30 mmよりも大きいと、骨リン酸カルシウム硬化性組成物の粘性が低いので、埋植部位(骨内)に注入したときに、リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化に長時間を要するおそれがある。
リン酸カルシウム硬化性組成物の稠度の再現性は、変動係数(Cv値)が、0.1~5%であるのが好ましく、0.1~3%であるのがより好ましい。稠度の変動係数が0.1~5%の範囲であることにより、稠度のばらつきが小さいので、時、場所を異にしてリン酸カルシウム硬化性組成物を調製しても、一定の稠度のリン酸カルシウム硬化性組成物を再現性よく得ることができる。稠度の変動係数が5%よりも大きいと、稠度のばらつきが大きくなるので、リン酸カルシウム硬化性組成物の調製の度に稠度が異なり、一定の稠度のリン酸カルシウム硬化性組成物を得ることができないおそれがある。
リン酸カルシウム硬化性組成物の硬化時間は、5~15分であるのが好ましく、5~13分であるのがより好ましい。硬化時間をかかる範囲内に設定することにより、手術場において、術者が第一のペーストと第二のペーストとの混合操作を行なってリン酸カルシウム硬化性組成物を調製した後に、このリン酸カルシウム硬化性組成物を、骨の埋植部位(欠損部位)に埋植するのに要する時間に適した長さとなる。そのため、リン酸カルシウム硬化性組成物を埋植する手技をより効率よく実施することができる。
硬化時間は、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの説明で記載した、それぞれの含有量及び平均粒子径を前述した範囲で適宜設定すること、さらには前述した硬化促進剤の種類及び含有量を適宜設定することにより調節することができる。
このようなリン酸カルシウム硬化性組成物は、歯や骨等の骨セメント等としての生体埋植用医療材料として用いることができる。
以上、第一の態様にかかるリン酸カルシウム組成物及び第二の態様にかかるリン酸カルシウム組成物について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、第一のペースト、第二のペースト及び第三のペーストにおいて、これらに含まれる各構成材料は、必須の材料であるβ型第三リン酸カルシウムと、第二リン酸カルシウム及び四リン酸カルシウムを除いて、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成材料を添加することができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
<2ペースト系リン酸カルシウム組成物>
(1)リン酸カルシウム化合物の作製
(a) β型第三リン酸カルシウムの作製
水酸化カルシウム懸濁液にリン酸を滴下する湿式合成によりβ型第三リン酸カルシウムを合成した。この合成されたβ型第三リン酸カルシウムを、8時間をかけて1050℃まで昇温し、4時間に亘って1050℃(焼成温度)で維持し、8時間をかけて常温に戻した。この加熱により第三リン酸カルシウムを焼成し、β型第3リン酸カルシウムの粉体を得た。得られた粉体の組成をXRD(RINT-UltimaIII, Rigaku)で分析したところ、β型第三リン酸カルシウムに不純物として含まれているα型第三リン酸カルシウムの質量比(α/β)は、0.0158であった。
(b) 第二リン酸カルシウム
第二リン酸カルシウムとして、純正化学社製「リン酸水素カルシウム二水和物」)を準備した。この第二リン酸カルシウムを自動乳鉢で処理し、第二リン酸カルシウムの粉体を得た。
粒径測定のために、得られた粉体の一部を水に懸濁し、超音波で分散処理し、その懸濁液中に存在する粉体の粒径を測定した。懸濁液中での平均粒子径は、25.17μmであった。なお、この懸濁液は粒径を測定するためだけに用い、後述するペーストの作製は、第二リン酸カルシウムの粉体を用いて行った。
(c)第四リン酸カルシウムの製造
66.66モルの水酸化カルシウムを6 Lの水に懸濁させ、この懸濁液に33.68モルのリン酸を水で希釈してなるリン酸水溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、滴下終了後、室温(25℃)に1日間放置し、ついて乾燥機を用いて110℃で24時間乾燥した。引き続いてこの乾燥物を900℃で2時間保持して仮焼結し、得られた仮焼結体を均一に粉砕し、さらに1400℃で4時間保持して焼成した。得られた焼成生成物を粉砕し、第四リン酸カルシウムの粉体を得た。
粒径測定のために、得られた第四リン酸カルシウムの粉体の一部を水に懸濁し、得られた懸濁液を超音波で分散処理した。懸濁液中での平均粒子径は、51.66μmであった。なお、この懸濁液は粒径を測定するためだけに用い、後述するペーストの作製は、第四リン酸カルシウムの粉体を用いて行った。
(2)添加剤水溶液の調整
適量の水を攪拌しながら、コハク酸二ナトリウム六水和物、コンドロイチン硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムを、コハク酸二ナトリウム無水物12.972 g/mL、コンドロイチン硫酸ナトリウム5.405 g/mL、及び亜硫酸水素ナトリウム0.3 g/mLになるように添加して添加剤水溶液を調整した。
(3) 2ペースト系リン酸カルシウム組成物の作製
(a)第一のペースト
市販のリン酸マグネシウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)と自動乳鉢で処理した第二リン酸カルシウム(純正化学株式会社製)とを0.029:0.971の割合(質量比)で混合し、混練機で30分間混練した。この混練粉末と、上記(1)で作製したβ型第三リン酸カルシウムと、上記(2)で調整した添加剤水溶液とを0.898:0.062:0.325の割合(質量比)で混合し、第一のペーストを得た。
(b)第二のペースト
上記(1)で作製した第四リン酸カルシウムと、上記(2)で調整した添加剤水溶液とを0.24:0.075の割合(質量比)で混合し、第二のペーストを得た。
(4) リン酸カルシウム硬化性組成物の評価
室温24±1℃において、1.285 gの第一のペーストと0.315 gの第二のペーストとを1分間練和し、リン酸カルシウム硬化性組成物を作製した。このリン酸カルシウム硬化性組成物は速やかに硬化した。同じ操作を3回繰り返したところ、平均硬化時間は21分(±1.5分)であり、良好に硬化したことが確認された。
実施例2
<3ペースト系リン酸カルシウム組成物>
(a)第一のペースト
市販のリン酸マグネシウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)と、実施例1と同様に自動乳鉢で処理した第二リン酸カルシウム(純正化学株式会社製)とを0.029:0.971の割合(質量比)で混合し、混練機で30分間混練した。この混練粉末と、実施例1と同様にして調整した添加剤水溶液とを0.062:0.021の割合(質量比)で混合し、第一のペーストを得た。
(b)第二のペースト
実施例1と同様にして作製した第四リン酸カルシウムと、実施例1と同様にして調整した添加剤水溶液とを0.240:0.075の割合(質量比)で混合し、第二のペーストを得た。
(c)第三のペースト
実施例1と同様にして作製したβ型第三リン酸カルシウムと、実施例1と同様にして調整した添加剤水溶液とを0.898:0.304の割合(質量比)で混合し、第三のペーストを得た。
実施例1と同様の条件及び組成比となるように、第一のペースト~第三のペーストを混合してリン酸カルシウム硬化組成物を作製した。得られたリン酸カルシウム硬化組成物は、実施例1で得られたリン酸カルシウム硬化組成物と同様に硬化可能であり、本発明のリン酸カルシウム組成物として使用可能であることがわかった。
実施例3
<2ペースト系リン酸カルシウム組成物>
(a)第一のペースト
市販のリン酸マグネシウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)と、実施例1と同様に自動乳鉢で処理した第二リン酸カルシウム(純正化学株式会社製)とを0.029:0.971の割合(質量比)で混合し、混練機で30分間混練した。この混練粉末と、実施例1と同様にして作製したβ型第三リン酸カルシウムと、実施例1と同様にして調整した添加剤水溶液とを0.062:0.380:0.200の割合(質量比)で混合し、第一のペーストを得た。
(b)第二のペースト
実施例1と同様にして作製した第四リン酸カルシウムと、実施例1と同様にして作製したβ型第三リン酸カルシウムと、実施例1と同様にして調整した添加剤水溶液とを0.240:0.518:0.200の割合(質量比)で混合し、第二のペーストを得た。
実施例1と同様の条件及び組成比となるように、実施例3で作製した第一のペーストと第二のペーストとを混合してリン酸カルシウム硬化組成物を作製した。得られたリン酸カルシウム硬化組成物は、実施例1で得られたリン酸カルシウム硬化組成物と同様に硬化可能であった。
実施例3で作製した第二のペーストは、作製直後は良好であったものの、時間経過とともに粘度が高まり、7日経過後には硬化してしまい、混合するためには最適とはいえない状態になった。7日が経過したペーストをXRD分析(RINT-UltimaIII, Rigaku)したところ、組成に若干の変化が認められた。
実施例4
<2ペースト系リン酸カルシウム組成物>
実施例1と同様にして合成したβ型第三リン酸カルシウムを、8時間をかけて1100℃まで昇温し、4時間に亘って1100℃(焼成温度)で維持し、8時間をかけて常温に戻すことにより、β型第三リン酸カルシウムの粉体を得た。得られた粉体の組成をXRDで分析したところ、β型第三リン酸カルシウムに不純物として含まれているα型第三リン酸カルシウムの質量比(α/β)は、0.0394であった。このようにして得たβ型第三リン酸カルシウムの粉体を用いた以外は、実施例1と同様にして第一のペーストを作製し、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム硬化組成物を作製した。
実施例4で作製した第一のペーストは、硬化可能であったものの、実施例1のそれよりもやや硬かった。そのため、シリンジの注射針が細い場合等には、実施例4の第一のペーストよりも実施例1の第一のペーストがより好適であることがわかった。
実施例5
<2ペースト系リン酸カルシウム組成物>
実施例1と同様にして合成したβ型第三リン酸カルシウムを、4時間をかけて1100℃まで昇温し、4時間に亘って1100℃(焼成温度)で維持し、4時間をかけて常温に戻すことにより、β型第三リン酸カルシウムの粉体を得た。得られた粉体の組成をXRDで分析したところ、β型第三リン酸カルシウムに不純物として含まれているα型第三リン酸カルシウムの質量比(α/β)は、0.0541であった。このようにして得たβ型第三リン酸カルシウムの粉体を用いた以外は、実施例1と同様にして第一のペーストを作製し、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム硬化組成物を作製した。
実施例5で作製した第一のペーストは、硬化可能であったものの、実施例1及び実施例4の第一のペーストよりもやや硬かった。そのため、実施例5の第一のペーストよりも実施例1及び実施例4の第一のペーストの方がより好ましいものと考えられる。
実施例6
<2ペースト系リン酸カルシウム組成物>
第二リン酸カルシウムを自動乳鉢によって処理せずに、β型第三リン酸カルシウムの粉体と混合し、混合した粉末を自動乳鉢によって処理したこと以外は、実施例1と同様にして第一のペーストを作製し、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム硬化組成物を作製した。実施例6で得られた第一のペーストは、実施例1で得られたものよりもやや硬いことがわかった。また、実施例6で得られたリン酸カルシウム硬化組成物は、実施例1のリン酸カルシウム硬化組成物と比較して硬化時間がより短くなることがわかった。従って、小さい空間への注入しやすさ等のハンドリング性においては実施例1のリン酸カルシウム組成物がより好適な場合があると考えられるが、硬化時間をより短くしたい場合には、実施例6のリン酸カルシウム組成物がより好適である場合があると考えられた。
比較例1
第一のペースト及び第二のペーストに分けて作製する代わりに、実施例1で作製及び調整した第二リン酸カルシウム、β型第三リン酸カルシウム、第四リン酸カルシウム及び添加剤水溶液を、実施例1で作製したリン酸カルシウム硬化性組成物と同じ組成になるように混合し、これらを含む1つのペーストを作製した。このペーストは硬化してしまい、シリンジから射出することができなかった。
各実施例で作製したリン酸カルシウム組成物のリン酸カルシウム化合物構成を以下の表1-1に示し、各実施例で用いたβ型第三リン酸カルシウムの焼成条件及び質量比α/β(β型第三リン酸カルシウムに含まれるα型第三リン酸カルシウムの質量比)を以下の表1-2に示す。
Figure 2022030655000001
注(1):乳鉢処理を行った第二リン酸カルシウムを使用した。
(2):第二リン酸カルシウムとβ型第三リン酸カルシウムとを混合後、乳鉢処理して使用した。
(3):乳鉢処理を行わない第二リン酸カルシウムを使用した。
Figure 2022030655000002

注(1):β型第三リン酸カルシウムに含まれるα型第三リン酸カルシウムの質量比

Claims (15)

  1. 第一のペーストと、
    前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストとを備え、
    前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有することを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  2. 請求項1に記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペースト中の第二リン酸カルシウムの平均粒子径が1~50μmであることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペーストがβ型第三リン酸カルシウムをさらに含有することを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  4. 請求項3に記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペーストが、100質量部のβ型第三リン酸カルシウムに対して、4~10質量部の第二リン酸カルシウムと、25~45質量部の水とを含んでなることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  5. 請求項4に記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第二のペーストが、100質量部の第四リン酸カルシウムに対して、20~40質量部の水を含んでなることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  6. 請求項1~3のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第二のペーストがβ型第三リン酸カルシウムをさらに含有することを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  7. 請求項3~6のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペーストと前記第二のペーストとの混合物中のβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの含有量が、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、それぞれ50~90質量%、2~10質量%及び5~30質量%であることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペーストと前記第二のペーストとの混合物中に含まれるα型第三リン酸カルシウムが、β型第三リン酸カルシウムの5質量%以下であることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  9. 第一のペーストと、
    前記第一のペーストと混合することにより硬化可能な第二のペーストと、
    前記第一のペースト及び前記第二のペーストと混合することにより硬化反応を促進する第三のペーストとを備え、
    前記第一のペーストが第二リン酸カルシウムを含有し、前記第二のペーストが第四リン酸カルシウムを含有し、前記第三のペーストがβ型第三リン酸カルシウムを含有することを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  10. 請求項9に記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペースト中の第二リン酸カルシウムの平均粒子径が1~50μmであることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  11. 請求項9又は10に記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペーストと前記第二のペーストと前記第三のペーストとの混合物中のβ型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの含有量が、β型第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及び第四リン酸カルシウムの合計100質量%に対して、それぞれ50~90質量%、2~10質量%及び5~30質量%であることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  12. 請求項9~11のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物において、
    前記第一のペーストと前記第二のペーストと前記第三のペーストとの混合物中に含まれるα型第三リン酸カルシウムが、β型第三リン酸カルシウムの5質量%以下であることを特徴とするリン酸カルシウム組成物。
  13. 請求項1~8のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物の第一のペーストとして用いるペースト材料であって、
    100質量部のβ型第三リン酸カルシウムと、4~10質量部の第二リン酸カルシウムと、25~45質量部の水とを含むことを特徴とするペースト材料。
  14. 請求項1~8のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物の第二のペーストとして用いるペースト材料であって、
    100質量部の第四リン酸カルシウムと、20~40質量部の水とを含むことを特徴とするペースト材料。
  15. 請求項1~12のいずれかに記載のリン酸カルシウム組成物を硬化させて得られた硬化体。
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