JP2002253678A - 医療用バルーンカテーテル - Google Patents

医療用バルーンカテーテル

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JP2002253678A
JP2002253678A JP2001059326A JP2001059326A JP2002253678A JP 2002253678 A JP2002253678 A JP 2002253678A JP 2001059326 A JP2001059326 A JP 2001059326A JP 2001059326 A JP2001059326 A JP 2001059326A JP 2002253678 A JP2002253678 A JP 2002253678A
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shaft
proximal shaft
balloon catheter
distal end
medical balloon
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JP2001059326A
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English (en)
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Takuji Nishide
拓司 西出
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カテーテルシャフトのプロファイルをできる
だけ小さく保ちcrossabilityやtrackabilityを維持した
まま、カテーテルシャフトの剛性をカテーテルシャフト
の長さ方向に渡って連続的に変化させ、pushabilityやk
ink-resistanceを向上させた医療用バルーンカテーテル
を容易に提供する。 【解決手段】 先端側シャフトと基端側シャフトから構
成されるカテーテルシャフトを有し、前記先端側シャフ
トの先端部にバルーンを有する医療用バルーンカテーテ
ルであって、前記基端側シャフトは単一の部材から構成
され、前記基端側シャフトの先端部位は前記基端側シャ
フトの他の部位よりも剛性が低いことを特徴とする医療
用バルーンカテーテルを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用途に使用さ
れる医療用バルーンカテーテルに関し、さらに詳しくは
末梢血管成形、冠状動脈成形及び弁膜成形等を実施する
際の経皮的血管形成術(PTA:Percutaneous Translumina
l Angioplasty, PTCA:Percutaneous Transluminal Coro
nary Angioplastyなど)において使用される医療用バル
ーンカテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、医療用バルーンカテーテルを
用いた経皮的血管形成術は、血管内腔の狭窄部や閉塞部
などを拡張治療し、冠動脈や末梢血管などの血流の回復
または改善を目的として広く用いられている。一般的な
医療用バルーンカテーテルはカテーテルシャフトの先端
部に、内圧調節により膨張・収縮自在のバルーンを接合
してなるものであり、前記カテーテルシャフトの内部に
は、ガイドワイヤが挿通される内腔(ガイドワイヤルー
メン)と、前記バルーンの内圧調節用の圧力流体を供給
する内腔(インフレーションルーメン)とが前記カテー
テルシャフトの長軸方向に沿って設けられている。
【0003】このような医療用バルーンカテーテルを用
いたPTCAの一般的な術例は、以下の通りである。ま
ず、ガイドカテーテルを大腿動脈、上腕動脈、橈骨動脈
等の穿刺部位から挿通し大動脈を経由させて、冠状動脈
の入口にその先端を配置する。次に前記ガイドワイヤル
ーメンに挿通したガイドワイヤを冠状動脈の狭窄部位を
越えて前進させ、このガイドワイヤに沿って医療用バル
ーンカテーテルを挿入してバルーンを狭窄部に一致させ
る。次いで、インデフレーター等を用いてインフレーシ
ョンルーメンを経由して圧力流体を前記バルーンに供給
し、前記バルーンを膨張させて当該狭窄部を拡張治療す
る。当該狭窄部を拡張治療した後は、バルーンを減圧収
縮させて体外へ抜去することでPTCAを終了する。
尚、本術例では、冠状動脈狭窄部におけるPTCAによ
る医療用バルーンカテーテルの使用例について述べた
が、医療用バルーンカテーテルは末梢等の他の血管内腔
や体腔における拡張治療にも広く適用されている。
【0004】こうした医療用バルーンカテーテルは、カ
テーテルシャフト1の先端にバルーン2が接合され、且
つ前記カテーテルシャフト1にバルーンの内圧調節用の
圧力流体を供給するハブ3が接合された構造を有してお
り、前記カテーテルシャフト1の構造により大きく2つ
に分類される。
【0005】1つは、ガイドワイヤルーメン4が医療用
バルーンカテーテルの基端側から先端側に渡って、すな
わち前記医療用バルーンカテーテルの全長に渡って設け
られ、ハブ3にガイドワイヤポート5が設けられている
オーバー・ザ・ワイヤ型(OTW型)である。(図1)
もう1つは前記ガイドワイヤルーメンが前記医療用バル
ーンカテーテルの先端側にのみ設けられ、ガイドワイヤ
ポート5がカテーテルシャフト1の途中に設けられてい
る高速交換型(RX型)である。(図2)医療用バルー
ンカテーテルに要求される性能は多岐に及ぶが、主たる
性能は狭窄部位の通過性(crossability)、屈曲血管へ
の追随性(trackability)、血管内へ医療用バルーンカ
テーテルを挿入する際の力の伝達性(pushability)の
3つに大別される。また、pushabilityと関連する性能
として耐キンク性(kink-resistance)も挙げられる。
【0006】カテーテルシャフトのプロファイル(太
さ)を小さくすることでcrossabilityは向上するが、pu
shabilityやkink-resistanceは低下する傾向にある。ま
た、カテーテルシャフトの剛性を高めることでpushabil
ityやkink-resistanceは向上するが、trackabilityは低
下する傾向にある。つまり、上記の各性能は相互に密接
な関連があり、すべての性能を向上させることは容易で
はない。従って、crossability、pushability、trackab
ilityを向上させ、かつkink-resistanceを向上させるた
めの種々の技術が開示されている。
【0007】特公平5-28634号公報(「カテーテル」)
では、高速交換型のバルーン拡張カテーテルで、中間部
分(本発明での先端側シャフト)と基部部分(本発明で
の基端側シャフト)との接合領域にガイドワイヤルーメ
ンの開口を有し、ガイドワイヤがガイドワイヤルーメン
に収容された時に、カテーテルが全長に渡って連続的な
長手方向の支持を受けるようになされたことを特徴とす
るバルーン拡張カテーテルが開示されている。
【0008】本先行技術ではガイドカテーテル内部で
の、つまりガイドワイヤが収容された状態でのkink-res
instanceを向上させることが可能であるが、ガイドワイ
ヤ挿入時には中間部分と基部部分の接合領域でカテーテ
ルが折れやすく、術者の操作性が極めて低い欠点があっ
た。
【0009】また、特許第2933389号公報(「遠位端側
にガイドワイヤ用の内腔を有するバルーンカテーテ
ル」)では、ガイドワイヤルーメンの近位内腔開口の遠
位側から第1シャフト部分(本発明での基端側シャフ
ト)の遠位端付近に延在する遷移部分が第1シャフト部
分の剛性と第2シャフト部分(本発明での先端側シャフ
ト)の剛性との間の剛性を有していることを特徴とする
バルーン拡張カテーテルが開示されている。
【0010】本先行技術では、kink-resistanceを向上
させたカテーテルシャフトが提供され、kink-resistanc
e向上は第2シャフトに変形防止構造としてコイル状の
部材を付与することで実現されている。該コイル状の部
材を付与することで、カテーテル製造時の工数が極めて
多くなると同時に組立方法が複雑になるため、製造コス
トが高くなる問題があった。さらに、本先行技術では変
形防止構造を外側スリーブの外側或いは内側、またはコ
アチューブの外側に取り付けられている。外側スリーブ
の外側に変形防止構造が取り付けられている場合には、
外側スリーブの外径増加によりcrossabilityが低下する
おそれがあり、外側スリーブの内側またはコアチューブ
の外側に変形防止構造が取り付けられている場合には、
インフレーションルーメンが局所的に狭くなりバルーン
の拡張或いは収縮挙動に悪影響を及ぼすおそれがあっ
た。
【0011】さらに、特表平6-507105号公報(「ガイド
ワイヤー基端内腔及び中間部材を備える血管内カテーテ
ル」)では、主軸(本発明での基端側シャフト)、バル
ーン、主軸とバルーンの間のプラスチック製軸部分(本
発明での先端側シャフト)、主軸に取り付けられ基端方
向にプラスチック製軸部分内に伸長し主軸部分より堅く
ない中間部材とガイドワイヤ内腔を備え、ガイドワイヤ
入口が主軸部分の基端から基端方向に離間されることを
特徴とする血管内カテーテルが開示されている。
【0012】本先行技術では、pushabilityやtrackabil
ityを向上させると同時にkink-resistanceを高めた血管
内カテーテルが提供されるが、ガイドワイヤに沿って血
管内カテーテルをガイドカテーテル内へ挿入する場合の
kink-resistanceが良好であるとは言い難い。kink-resi
stanceをさらに向上させるには、堅くない中間部材とし
て用いられているコアワイヤの径を増加させることが必
要になるが、有効なインフレーションルーメンを確保す
るためにはカテーテルシャフトのプロファイルの増加が
必要となり、crossabilityやtrackabilityの低下が懸念
される。
【0013】また、特公平4-44553号公報(「拡張体付
カテーテル」)では、外管に軸方向に延びるとともに剛
性を付与する剛性付与体を有し、かつ該外管の先端には
剛性付与体を有していない部分を有する拡張体付カテー
テルが開示されている。
【0014】本先行技術では、trackabilityに富む外管
が剛性付与体を有することでkink-resistanceを向上さ
せているが、外管そのものが高いkink-resitanceを有す
る場合、あるいは外管の内腔に金属ワイヤ等の補強部材
を付与することで高いkink-resistanceを有する場合に
は、外管の剛性を部分的に向上させることになり、カテ
ーテルシャフト全体のkink-resistanceを向上させるこ
とは困難である。さらに付け加えるならば、本先行技術
ではワイヤーブレードを樹脂製の外管に埋め込む実施例
が呈示されており、製造工数の増加や製造コスト増大と
言った問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】そこで、以上の問題に
鑑み本発明が解決しようとするところは、カテーテルシ
ャフトのプロファイルをできるだけ小さく保ちcrossabi
lityやtrackabilityを維持したまま、カテーテルシャフ
トの剛性をカテーテルシャフトの長さ方向に渡って連続
的に変化させ、pushabilityやkink-resistanceを向上さ
せ、かつ組立が容易な医療用バルーンカテーテルを提供
する点にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、本発明は、先端側シャフトと基端
側シャフトから構成されるカテーテルシャフトを有し、
前記先端側シャフトの先端部にバルーンを有し、前記基
端側シャフトの基端に前記バルーンに圧力流体を供給す
るポートを備えたハブを有する医療用バルーンカテーテ
ルであって、前記先端側シャフトは内面にガイドワイヤ
ルーメンと前記バルーン拡張用のインフレーションルー
メンを有し、前記基端側シャフトは単一の部材から構成
されると同時に内面に前記インフレーションルーメンを
有し、前記基端側シャフトの先端部位は前記基端側シャ
フトの他の部位よりも剛性が低く、前記先端側シャフト
と前記基端側シャフトは前記基端側シャフトの先端部位
以外で接合されていることを特徴とするものであり、前
記基端側シャフト先端部位の一部が、前記ガイドワイヤ
ルーメンとオーバーラップしても良く、前記先端側シャ
フトは前記基端側シャフトの先端部位よりも剛性が低い
ことが好ましい。また、前記基端側シャフトの先端部位
の剛性は前記基端側シャフトの先端側に行くほど漸減し
てもよい。
【0017】前記基端側シャフトの先端部位には螺旋状
の切込みを有することが好ましく、前記螺旋状の切込み
において、前記螺旋のピッチは5mm以下であることが
好ましく、2mm以下であることがより好ましい。さら
に前記螺旋のピッチが前記基端側シャフトの先端側に行
くほど漸増してもよい。
【0018】また、前記螺旋状の切込みにおいて、前記
螺旋の幅は0.5mm以上10mm以下であることが好
ましく、0.5mm以上5mm以下であることがより好
ましい。さらに前記螺旋の幅は前記基端側シャフトの先
端側に行くほど漸減してもよい。
【0019】また、前記螺旋のピッチは前記基端側シャ
フトの先端側に行くほど漸増し、且つ前記螺旋の幅は前
記基端側シャフトの先端側に行くほど漸減してもよい。
【0020】さらに前記基端側シャフトの先端部位には
前期螺旋状の切込みの替わりにスリットが存在してもよ
く、前記スリットは前記基端側シャフトの軸方向或いは
円周方向の何れかに沿って存在することが可能である。
また、前記螺旋状の切込み或いは前記スリットの替わり
に溝が存在してもよく、前記溝は前記基端側シャフトの
軸方向或いは円周方向の何れかに沿って存在することが
可能である。さらに付け加えるならば、前記螺旋状の切
込み、前記スリット、前記溝の替わりに前記基端側シャ
フトには孔が存在しても良い。
【0021】また、前記基端側シャフトの先端部位の長
さは30mm以上であることが好ましく、50mm以上
であることがより好ましい。
【0022】前記基端側シャフトは金属管から構成され
てもよく、この場合、前記基端側シャフトはステンレス
から構成されることが好ましく、SUS316ステンレ
スから構成されることがより好ましい。
【0023】さらに付け加えるならば、前記カテーテル
シャフト内にコアワイヤを有しても良い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る医療用バルー
ンカテーテルの種々の実施形態を説明する。
【0025】本発明に係る医療用バルーンカテーテル
は、前記医療用バルーンカテーテルの先端側のみにガイ
ドワイヤルーメン4が配設される高速交換型カテーテル
に関するものである。この場合、先端側シャフト10に
はガイドワイヤルーメン4とインフレーションルーメン
6が設けられてさえいれば、その構造は制限されない。
つまり、先端側シャフトは同軸二重管状に内側チューブ
7と外側チューブ8が配設され、前記内側チューブの内
面によって画定されるガイドワイヤルーメン4及び前記
外側チューブの内面と前記内側チューブの外面によって
画定されるインフレーションルーメン6を有するコアキ
シャル(co-axial)型の構造でもよく、ガイドワイヤル
ーメン4とインフレーションルーメン6が平行に並んだ
バイアキシャル(bi-axial)型の構造でもよい。また、
それ以外の構造でも発明の効果を何ら制限するものでは
ない。
【0026】基端側シャフト11は単一の部材から構成
され、前記基端側シャフトの先端部位13は前記基端側
シャフトの他の部位よりも剛性が低いことが特徴となっ
ている。前記基端側シャフトの先端部位の剛性を低下さ
せる手段は特に限定されず、螺旋状の切り込み14、ス
リット17、溝21、孔26の形成等で該先端部位の剛
性を低下させることが可能であり、目的とする医療用バ
ルーンカテーテルのプロファイルや用途、加工コスト等
の面から最適な剛性低下手段を選択実施可能である。
【0027】前記螺旋状の切り込み14、スリット1
7、溝21、孔26の形成方法は特に限定されないが、
加工精度の点からレーザーによる形成方法が好ましい。
使用するレーザーの種類は、前記基端側シャフトの材質
等を勘案して取捨選択可能である。
【0028】螺旋状の切込み14により前記基端側シャ
フトの先端部位13の剛性を低下させる場合、前記螺旋
のピッチ15は5mm以下が好ましい。但し、ここで言
う螺旋のピッチ15とは切込みのシャフト軸方向の幅を
意味する。前記螺旋のピッチ15が5mmより大きい場
合、前記基端側シャフト11は該先端部位13で急激に
剛性が低下することになり、本発明の目的とするところ
のpushability、kink-resistanceの向上を実現すること
が困難になる。
【0029】前記基端側シャフト11の剛性はプロファ
イルや材質によって決定されるため、前記医療用バルー
ンカテーテルの用途に合わせて、前記螺旋のピッチ15
を変化させることで前記基端側シャフト先端部位13の
剛性の最適化が可能である。特に、前記医療用バルーン
カテーテルがPTCA用である場合、前記基端側シャフ
ト11に要求されるプロファイルを考慮すると、前記螺
旋のピッチ15は2mm以下であることがより好まし
い。こうした剛性の最適化の際、基端側シャフト11の
先端の一部分をガイドワイヤ通過用内腔4とオーバーラ
ップさせても良い。
【0030】さらに前記基端側シャフトの先端部位13
の剛性を前記基端側シャフト11の先端方向に向かって
漸減させることでカテーテルシャフト全体の剛性の分布
を連続的にし、よりkink-resistanceに優れた医療用バ
ルーンカテーテルを実現するために、前記螺旋のピッチ
15を前記基端側シャフト11の先端側に行くほど漸増
させることも可能である。この場合、基端側シャフト1
1と先端側シャフト10のそれぞれの剛性を考慮に入
れ、前記螺旋のピッチ15の漸増度合を調整し、最適化
することができる。
【0031】また前記螺旋状の切り込みにより前記基端
側シャフトの先端部位13の剛性を低下させる場合、前
記螺旋の幅16は0.5mm以上10mm以下であるこ
とが好ましい。但し、ここで言う螺旋の幅16とは切込
みと切込みの間に挟まれた部分のシャフト軸方向の幅を
意味する。前記螺旋の幅16が0.5mm未満の場合、
前記基端側シャフトの先端部位13において急激に剛性
が低下し、kink-resistanceを向上させることが困難で
ある。また、前記螺旋の幅16が10mmより大きい場
合、前記基端側シャフト11よりも先端側で急激に剛性
が変化し、連続的な剛性の分布を実現することが困難に
なる。前記基端側シャフト11の剛性はプロファイルや
材質によって決定されるため、前記医療用バルーンカテ
ーテルの用途に合わせて、前記螺旋の幅16を変化させ
ることで前記基端側シャフトの先端部位13の剛性の最
適化が可能である。特に前記医療用バルーンカテーテル
がPTCA用である場合、前記基端側シャフト11に要
求されるプロファイルを考慮すると、前記螺旋の幅16
は0.5mm以上5mm以下であることがより好まし
い。こうした剛性の最適化の際、基端側シャフト11の
先端の一部分をガイドワイヤ通過用内腔4とオーバーラ
ップさせても良い。
【0032】さらに前記基端側シャフトの先端部位13
の剛性を前記基端側シャフト11の先端方向に向かって
漸減させることでカテーテルシャフト全体の剛性の分布
を連続的にし、よりkink-resistanceに優れた医療用バ
ルーンカテーテルを実現するために、前記螺旋の幅16
を前記基端側シャフト11の先端側に行くほど漸減させ
ることも可能である。この場合、基端側シャフト11と
先端側シャフト10のそれぞれの剛性を考慮に入れ、前
記螺旋の幅16の漸減具合を調整し、最適化することが
できる。また、前記螺旋のピッチ15を前期基端側シャ
フト11の先端側に行くほど漸増させ、同時に前記螺旋
の幅16を前記基端側シャフト11の先端側に行くほど
漸減させることで、前記基端側シャフトの先端部位13
の剛性を最適化しても良い。
【0033】スリット17により前記基端側シャフトの
先端部位13の剛性を低下させる場合、該スリット17
は前記基端側シャフトの軸方向或いは円周方向の何れに
沿って存在しても構わない。軸方向に沿って存在する場
合、該スリットの間隔18、幅19、長さ20を変化さ
せて、カテーテルシャフト全体の剛性の分布をより連続
的にすることが可能である。円周方向に沿って存在する
場合は、該スリットの間隔18、幅19を変化させて、
同様の効果を実現することができる。
【0034】また、溝21により前記基端側シャフトの
先端部位13の剛性を低下させる場合、該溝は前記基端
側シャフトの軸方向或いは円周方向の何れに沿って存在
しても構わなく、螺旋状でも構わない。溝の幅22、間
隔23、長さ24を変化させることで、スリット17の
場合と同じようにカテーテルシャフト全体の剛性の分布
をより連続的にすることが可能である。
【0035】孔26により前記基端側シャフトの先端部
位13の剛性を低下させる場合、該孔の形状、大きさ、
間隔を変化させることで、スリット17や溝21の場合
と同じようにカテーテルシャフト全体の剛性の分布をよ
り連続的にすることが可能である。
【0036】前記基端側シャフトの先端部位13の長さ
は、30mm以上であることが好ましい。30mm未満
の場合、前記基端側シャフトの先端部位13の剛性の変
化は急激になり十分なkink-resistanceを発現すること
が困難になる。これまで述べたように、前記基端側シャ
フト11の剛性はプロファイルや材質によって決定され
るため、前記医療用バルーンカテーテルの用途に合わせ
て、前記基端側シャフトの先端部位13の長さを変化さ
せることで前記基端側シャフトの先端部位13の剛性の
最適化が可能である。特に前記医療用バルーンカテーテ
ルがPTCA用である場合、前記基端側シャフト11に
要求されるプロファイルを考慮すると、前記基端側シャ
フトの先端部位13の長さは50mm以上であることが
より好ましい。
【0037】また、本発明は前記先端側シャフト10と
前記基端側シャフト11が前記基端側シャフトの先端部
位以外で接合されていることを特徴とするものである。
前記基端側シャフトの先端部位13は連続的な剛性変化
のため、螺旋状の切込み14、スリット17、溝21、
孔26等が設けられているが、特に螺旋状の切り込み1
4、スリット17、孔26のように前記基端側シャフト
11の壁面を貫通して付与される場合、前記基端側シャ
フトの先端部位13で前記先端側シャフト10を接合す
ると、前記医療用バルーンカテーテルのインフレーショ
ンルーメン6を液密な構造にすることが困難になり前記
バルーン2を膨張・収縮させることができない。
【0038】前記先端側シャフト10と前記基端側シャ
フト11の接合方法は特に限定されない。つまり、公知
の技術を応用することが可能であり、例を挙げると接着
剤による接着、前記先端側シャフト10と前記基端側シ
ャフト11が融着可能な場合は融着等の方法が使用可能
である。また、使用される接着剤の組成及び化学構造、
硬化形式は限定されない。つまり、組成及び化学構造の
点からは、ウレタン型、シリコーン型、エポキシ型、シ
アノアクリレート型等の接着剤が使用可能であり、硬化
形式の点からは、2液混合型、UV硬化型、吸水硬化
型、加熱硬化型、放射線硬化型等の接着剤が使用可能で
ある。前記先端側シャフト10と前記基端側シャフト1
1の接合部位12の剛性が該接着部位の前後で不連続に
変化しない程度の硬化後の硬度を有する接着剤が好まし
く、前記先端側シャフト10及び前記基端側シャフト1
1の剛性を考慮して選択することが可能である。
【0039】本発明において、前記先端側シャフト10
は前記基端側シャフトの先端部位13よりも剛性が低い
ことが好ましい。このことにより、前記医療用バルーン
カテーテルの長さ方向における剛性の分布は、前記医療
用バルーンカテーテルの先端方向ほど漸減することにな
り、kink-resistanceを高めると同時にtrackabilityの
向上に寄与することとなる。しかし、前記先端側シャフ
ト10が前記基端側シャフトの先端部位13よりも剛性
が低すぎる場合には、前記医療用バルーンカテーテルの
長さ方向における剛性の分布は漸減するものの、該漸減
の度合が大きくなり、結果としてkink-resistanceの低
下を引き起こすことがある。このような場合、前記先端
側シャフト10内にコアワイヤ27を配置し剛性を調整
することも可能である。但し、ここで言うコアワイヤと
は、基端側シャフト或いは先端側シャフト、もしくはハ
ブに取り付けられ、先端方向に先端側シャフト内に伸長
する部材を意味する。
【0040】前記先端側シャフト10が前記基端側シャ
フトの先端部位13よりも剛性が高い場合、前記医療用
バルーンカテーテルの剛性は前記基端側シャフトの先端
部分が最も低くなり、剛性の分布が不連続になる。こう
した不連続性はkink-resitanceを低下させるだけでな
く、pushability、trackabilityの低下をも引き起こ
し、医療用バルーンカテーテルの全体での性能低下をも
たらすものである。
【0041】前記先端側シャフト10のプロファイルは
小さければ小さいほどcrossabilityの点からは有利であ
るが、剛性、インフレーションルーメン6の断面積、ガ
イドワイヤルーメン4の断面積、使用するガイドワイヤ
の径等を考慮して決定する必要がある。該プロファイル
は前記医療用バルーンカテーテルの使用用途により変化
するが、外径0.75mm〜3.00mm、好ましくは
外径0.80mm〜2.50mmである。
【0042】同様に前記基端側シャフト11のプロファ
イルも小さければ小さいほどcrossabilityの点からは有
利であるが、剛性分布、インフレーションルーメン6の
断面積等を考慮して決定する必要がある。該プロファイ
ルは前記医療用バルーンカテーテルの使用用途により変
化するが、外径0.55mm〜2.00mm、好ましく
は外径0.60mm〜1.50mmである。
【0043】前記先端側シャフトの先端部に設けられた
内圧調節により膨張・収縮可能なバルーン2の製造方法
としては、ディッピング成形、ブロー成形等があり、前
記医療用バルーンカテーテルの使用用途に応じて適当な
方法を選択することができる。中でも、血管或いは体腔
の狭窄部を拡張治療する目的の医療用バルーンカテーテ
ルの場合は、十分な耐圧強度を得るためブロー成形が好
ましい。例を挙げると、まず、押出成形等により任意寸
法のチューブ状パリソンを成形する。このチューブ状パ
リソンを当該バルーン形状に一致する型を有する金型内
に配置し、二軸延伸工程により軸方向と径方向とに延伸
することにより、前記金型と同一形状のバルーンを成形
する。尚、前記二軸延伸工程は加熱条件下で行われても
良いし、複数回行われてもよい。また、軸方向の延伸に
ついては径方向の延伸と同時にもしくはその前後に行わ
れても良い。さらに、バルーンの形状や寸法を安定化さ
せるため、バルーンにアニーリング処理を施しても良
い。
【0044】前記バルーン2は直管部2aとその先端側
及び基端側に液密に接合を行うための接合部2bを有
し、直管部と接合部の間にテーパー部2cを有してい
る。前記バルーン2の寸法は、前記医療用バルーンカテ
ーテルの使用用途により決定されるが、内圧調節により
拡張されたときの直管部2aの外径が1.50〜35.
00mm、好ましくは1.50〜30.00mmであ
り、直管部2aの長さが10.00〜80.00mm、
好ましくは10.00〜60.00mmである。
【0045】前記チューブ状パリソンの樹脂材料は特に
限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン、ポ
リオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステ
ルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマ
ー、ポリウレタン及びポリウレタンエラストマーなどが
使用可能であり、これら樹脂材料の2種以上を混合した
ブレンド材料や2種以上の積層による多層構造を有して
いても構わない。
【0046】前記基端側シャフト11の材質は特に限定
されるものではなく、例えば、ポリオレフィン、ポリオ
レフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエ
ラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポ
リウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、
ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルエーテルケトン及び各種金属等が
使用可能である。しかしながら、前記医療用バルーンカ
テーテル全体の剛性の分布の連続性、pushability、tra
ckability等のバランスを考慮に入れた場合、金属管で
あることが好ましく、製造コスト面からは前記金属管が
ステンレス管であることがより好ましく、前記基端側シ
ャフト11そのものの剛性を考慮するとSUS316ス
テンレスであることがさらに好ましい。また、前記基端
側シャフト11として上記の樹脂材料を使用する場合、
前記医療用バルーンカテーテル全体の剛性の分布の連続
性を考慮に入れ、前記基端側シャフト11の内部又は前
記基端側シャフト11及び前記先端側シャフト10にコ
アワイヤを配置し、剛性を調整しても良い。
【0047】また、前記先端側シャフト10を構成する
チューブの材質も特に限定されない。前記先端側シャフ
ト10がコアキシャル構造である場合、内側チューブ7
として、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマ
ー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリア
ミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウ
レタンエラストマーなどが使用可能であるが、コアキシ
ャル構造の場合、前記内側チューブ7の内面によりガイ
ドワイヤルーメン4が画定されるため、ガイドワイヤの
摺動性を考慮するとポリエチレン、中でも高密度ポリエ
チレンであることが好ましい。また、内側チューブ7を
多層構造として、最内層を高密度ポリエチレン、最外層
を前記バルーンと接着可能或いは融着可能な材料とする
ことも可能である。さらに、ガイドワイヤの摺動性を高
めるために内側チューブ7の内面にシリコンやテフロン
(登録商標)等の潤滑性コーティングを施すことも可能
である。
【0048】外側チューブ8の材質も特に限定はされな
い。つまり、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラスト
マー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリ
アミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリ
ウレタンエラストマーなどが使用可能である。
【0049】また、前記先端側シャフト10がバイアキ
シャル構造或いはそれ以外の構造を有する場合でも、前
記内側チューブ7或いは前記外側チューブ8として使用
可能な材質を用いることができる。
【0050】ハブ3を構成する材質としては、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリサルホン、
ポリアリレート、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポ
リオレフィン等の樹脂が好適に使用できる。
【0051】尚、X線造影下でのバルーン2の視認性を
向上させ、且つ目的とする病変へのバルーンの位置決め
を容易に行うために、バルーンの内部に存在する先端側
シャフトの外面には造影環9を設けても良い。造影環9
はX線不透過性を有する材料であれば良く、金属や樹脂
などの材料の種類は問われない。また、位置、個数等も
問われず、医療用バルーンカテーテルの使用目的に応じ
て設定することが可能である。
【0052】また、医療用バルーンカテーテルの外面に
は、血管内あるいはガイドカテーテル内への挿入を容易
にする為に親水性のコーティングを施すことができる。
すなわち、先端側シャフト10の外面、基端側シャフト
11の外面、バルーン2の外面等、血液と接触する部位
に血液と接触時に潤滑性を呈する親水性コーティングを
施すことが好ましい。親水性のコーティングの種類は特
に限定されず、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート)、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等
の親水性ポリマーが好適に使用でき、コーティング方法
も限定されない。
【0053】医療用バルーンカテーテルの使用目的によ
っては、バルーン2の拡張時に病変部においてスリッピ
ングを起こさないように、バルーン2の外面に疎水性の
コーティングを施すことができる。疎水性のコーティン
グの種類は特に限定されず、シリコン等の疎水性ポリマ
ーが好適に使用できる。
【0054】
【実施例】以下に本発明に係るより具体的な実施例及び
比較例について詳説するが、本発明はこれにより限定さ
れるものではない。
【0055】(実施例1)ポリアミドエラストマー(商
品名:PEBAX7233SA01;elf atoc
hem社製)を用いて押出成形法によりチューブ状パリ
ソン(内径0.43mm、外径0.89mm)を作製
し、次いで、このパリソンを用いて二軸延伸ブロー成形
法により直管部の外径3.0mmのバルーンを作製し
た。
【0056】内側チューブ(内径0.42mm;外径
0.56mm)及び外側チューブ(内径0.71mm;
外径0.88mm)はポリアミドエラストマー(商品
名:PEBAX7233SA01;elf atoch
em社製)を用いて押出成形により作製された。バルー
ンと外側チューブを熱溶着により接合した後、内側チュ
ーブと外側チューブを同軸二重管状に配設し、バルーン
と内側チューブを熱溶着により接合した。外側チューブ
の一部に円周方向に半周分の長さの切込みを入れ、そこ
から内側チューブを外側チューブの外面に露出させた状
態で熱溶着し、ガイドワイヤポートを作製したものを先
端側シャフト−バルーン組立体とした。バルーン外面は
ポリビニルピロリドン水溶液によりコーティングを行っ
た。
【0057】基端側シャフト(内径0.50mm;外径
0.66mm)はSUS316ステンレスから作製さ
れ、先端部位の長さ60mmにレーザー加工により螺旋
の幅2mm、螺旋のピッチ0.5mmの螺旋状の切込み
を作製した。基端側シャフトと先端側シャフト−バルー
ン組立体を図7のように配置し、2液混合型ウレタン系
接着剤(商品名「UR0531」;H.B.Fulle
r社製)で接着した。ハブはポリカーボネート(商品名
「Makloron2658」;Bayer社製)を用
いて射出成形法により作製された。2液混合型ウレタン
系接着剤(商品名「UR0531」;H.B.Full
er社製)を用いてハブと基端側シャフトを接着した
後、バルーンをラッピングし、EOG滅菌処理を行っ
た。
【0058】(実施例2)図12に示すように基端側シ
ャフトの先端部位の長さ50mmにレーザー加工によ
り、幅0.3mm、間隔2mmのスリットを円周方向の
半周分の長さに渡って作製した以外は実施例1と同様に
作製した。
【0059】(実施例3)図19に示すように基端側シ
ャフトの先端部位の長さ40mmにレーザー加工によ
り、同一円周上に直径0.4mmの円形の孔を4個等間
隔に作製し、軸方向の間隔を0.5mmとした以外は実
施例1と同様に作製した。
【0060】(実施例4)実施例1の基端側シャフトの
先端部位を延伸し、螺旋の幅2mm、螺旋のピッチ1.
6mmに加工した。延伸後、基端側シャフトの先端部位
の長さを60mmに切断した以外は実施例1と同様に作
製した。
【0061】(実施例5)図20に示すように基端側シ
ャフトを熱硬化性ポリイミドで作製し、基端側シャフト
の先端部位の長さ70mmにレーザー加工により幅0.
1mm、深さ0.1mm、間隔5mmの溝を作製し、基
端側シャフト内部から先端側シャフト基端側にかけて直
径0.25mmのSUS314製コアワイヤを配設し、
内側チューブの外周面にコアワイヤを2液混合型ウレタ
ン系接着剤(商品名「UR0531」;H.B.Ful
ler社製)で接着固定する以外は実施例1と同様に作
製した。
【0062】(比較例1)実施例1の基端側シャフトの
先端部位に螺旋状の切込みを設けない以外は実施例1と
同様に作製した。
【0063】(比較例2)実施例5の基端側シャフトの
先端部位に溝を設けない以外は実施例5と同様に作製し
た。
【0064】実施例1から5及び比較例1、2を以下の
方法で評価した。
【0065】(評価1) 37℃の生理食塩水を満たし
た水槽28中に、模擬大動脈29及びガイドカテーテル
31を配置し、ヘモスタックバルブ32をガイドカテー
テルに固定した。ガイドカテーテルの先端は冠状動脈を
模擬した屈曲プレート33に接続し、ガイドカテーテル
の内部には0.014”のガイドワイヤ30を予め挿通
した。屈曲プレート33にはポリエチレン管34を配置
した。ポリエチレン管34は直線部36と屈曲部35か
ら構成され、直線部36の長さは80mm、屈曲部35
の曲率半径は15mmであり、ポリエチレン管34の外
径37は5mm、内径38は3mmである。ガイドワイ
ヤ30の終端は屈曲プレートの終端から50mmに配置
した。水槽外部からヘモスタックバルブを通して医療用
バルーンカテーテルをガイドカテーテル内のガイドワイ
ヤに沿って挿入した時の操作性を評価した。評価結果を
表1に示す。
【0066】(評価2) 評価1終了後、医療用バルー
ンカテーテルをガイドカテーテル先端に接続された屈曲
プレート終端部までスライドテーブルを用いて10mm
/secで押し進め、発生する最大荷重をデジタルフォ
ースゲージで測定した。評価結果を表1に示す。
【0067】評価1は、体外から体内への医療用バルー
ンカテーテル挿入時のkink-resistanceの評価である。
また、評価2は主にtrackabilityを評価するものであ
る。従って、両方の評価とも良好であることが本発明の
目的とする効果である。
【0068】評価1において、実施例1から5は良好な
挿入操作性を示し、ヘモスタックバルブを通過する際に
カテーテルシャフトの如何なる部分においてもキンクは
発生しなかった。
【0069】一方、比較例1、2においては、ヘモスタ
ックバルブを通過する際に基端側シャフトの最先端部で
カテーテルシャフトにキンクが発生した。基端側シャフ
トの最先端部を把持しながら、極めてゆっくりとした速
度で挿入する場合にはキンクの発生は防止できたが、医
療用バルーンカテーテルを操作する術者の負担は大き
く、操作性が良好であるとは言い難い。
【0070】評価2において、実施例1から5は大動脈
弓29aや屈曲プレート通過時にキンクは発生せず、生
じた最大荷重値も0.54Nから0.71N程度であ
り、良好なtrackabilityを示した。
【0071】比較例1、2においては基端側シャフトの
最先端部が大動脈弓29a近傍まで到達した時点で、基
端側シャフトの最先端部においてキンクが発生し、大動
脈弓より遠位側に医療用バルーンカテーテルを挿入する
ことが困難だった。従って、比較例1、2におけるtrac
kabilityは極めて低いと判断される。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】以上の如く、本発明の医療用バルーンカ
テーテルによれば、先端側シャフトと基端側シャフトか
ら構成されるカテーテルシャフトを有し、前記先端側シ
ャフトの先端部に内圧調節により膨張・収縮可能なバル
ーンを有し、前記基端側シャフトの基端に前記バルーン
の内圧調節用の圧力流体を供給するポートを備えたハブ
を有する医療用バルーンカテーテルであって、前記先端
側シャフトは内面にガイドワイヤ通過用内腔と前記バル
ーン拡張用内腔を有し、前記基端側シャフトは単一の部
材から構成されると同時に内面に前記バルーン拡張用内
腔を有し、前記基端側シャフトの先端部位は前記基端側
シャフトの他の部位よりも剛性が低く、前記先端側シャ
フトと前記基端側シャフトは前記基端側シャフトの先端
部位以外で接合されているため、カテーテルシャフトの
プロファイルをできるだけ小さく保ちcrossabilityやtr
ackabilityを維持したまま、カテーテルシャフトの剛性
をカテーテルシャフトの長さ方向に渡って連続的に変化
させ、pushabilityやkink-resistanceを向上させた医療
用バルーンカテーテルを容易に提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なPTCA用バルーンカテーテルのう
ち、オーバー・ザ・ワイヤ型の概略斜視図である。
【図2】一般的なPTCA用バルーンカテーテルのう
ち、高速交換型の概略斜視図である。
【図3】一般的なPTCA用バルーンカテーテルで高速
交換型のうち、コアキシャル構造の先端側シャフトの断
面を示す概略側面図である。
【図4】図3のA−A’断面図である。
【図5】一般的なPTCA用バルーンカテーテルで高速
交換型のうち、バイアキシャル構造の先端側シャフトの
断面を示す概略側面図である。
【図6】図5のB−B’断面図である。
【図7】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、基
端側シャフト先端部に螺旋状の切込みが存在する場合の
概略側面図である。
【図8】図7の螺旋状の切込み部の拡大概略側面図であ
る。
【図9】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、基
端側シャフト先端部の一部とガイドワイヤ通過用内腔が
オーバーラップしている場合の概略側面図である。
【図10】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に軸方向にスリットが存在する場
合の概略側面図である。
【図11】図10のスリット部の拡大概略側面図であ
る。
【図12】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に円周方向にスリットが存在する
場合の概略側面図である。
【図13】図12のスリット部の拡大概略側面図であ
る。
【図14】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に軸方向に溝が存在する場合の概
略側面図である。
【図15】図14のC−C’断面図である。
【図16】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に円周方向に溝が存在する場合の
概略側面図である。
【図17】図16のD−D’断面図である。
【図18】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に螺旋状に溝が存在する場合の概
略側面図である。
【図19】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に孔が存在する場合の概略側面図
である。
【図20】本発明に係る医療用バルーンカテーテルで、
基端側シャフト先端部に円周方向に溝が存在し、かつコ
アワイヤを備えた場合の概略側面図である。
【図21】医療用バルーンカテーテルの評価系を示す概
略図である。
【図22】図20の屈曲プレートの拡大図である。
【符号の説明】
1 カテーテルシャフト 2 バルーン 3 ハブ 4 ガイドワイヤルーメン 5 ガイドワイヤポート 6 インフレーションルーメン 7 内側チューブ 8 外側チューブ 9 造影環 10 先端側シャフト 11 基端側シャフト 12 先端側シャフトと基端側シャフトの接合部位 13 基端側シャフトの先端部位 14 螺旋状の切込み 15 螺旋のピッチ 16 螺旋の幅 17 スリット 18 スリットの間隔 19 スリットの幅 20 スリットの長さ 21 溝 22 溝の幅 23 溝の間隔 24 溝の長さ 25 溝の深さ 26 孔 27 コアワイヤ 28 水槽 29 模擬大動脈 29a 大動脈弓 30 ガイドワイヤ 31 ガイドカテーテル 32 ヘモスタックバルブ 33 屈曲プレート 34 ポリエチレン管 35 屈曲部 36 直線部 37 ポリエチレン管の外径 38 ポリエチレン管の内径

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端側シャフトと基端側シャフトから構
    成されるカテーテルシャフトを有し、前記先端側シャフ
    トの先端部にバルーンを有し、前記基端側シャフトの基
    端に前記バルーンに圧力流体を供給するポートを備えた
    ハブを有する医療用バルーンカテーテルであって、前記
    先端側シャフトは内面にガイドワイヤルーメンと前記バ
    ルーン拡張用のインフレーションルーメンを有し、前記
    基端側シャフトは単一の部材から構成されると同時に内
    面に前記インフレーションルーメンを有し、前記基端側
    シャフトの先端部位は前記基端側シャフトの他の部位よ
    りも剛性が低く、前記先端側シャフトと前記基端側シャ
    フトは前記基端側シャフトの先端部位以外で接合されて
    いることを特徴とする医療用バルーンカテーテル。
  2. 【請求項2】 前記基端側シャフト先端部位の一部が、
    前記ガイドワイヤルーメンとオーバーラップしている請
    求項1記載の医療用バルーンカテーテル。
  3. 【請求項3】 前記基端側シャフトの先端部位の剛性は
    前記基端側シャフトの先端側に行くほど漸減する請求項
    1記載の医療用バルーンカテーテル。
  4. 【請求項4】 前記先端側シャフトが前記基端側シャフ
    トの先端部位よりも剛性が低い請求項1記載の医療用バ
    ルーンカテーテル。
  5. 【請求項5】 前記基端側シャフトの先端部位に螺旋状
    の切込みを有する請求項1から4の何れかに記載の医療
    用バルーンカテーテル。
  6. 【請求項6】 前記螺旋のピッチが5mm以下である請
    求項5記載の医療用バルーンカテーテル。
  7. 【請求項7】 前記螺旋のピッチが2mm以下である請
    求項5記載の医療用バルーンカテーテル。
  8. 【請求項8】 前記螺旋のピッチが前記基端側シャフト
    の先端側に行くほど漸増する請求項5から7の何れかに
    記載の医療用バルーンカテーテル。
  9. 【請求項9】 前記螺旋の幅が0.5mm以上10mm
    以下である請求項5記載の医療用バルーンカテーテル。
  10. 【請求項10】 前記螺旋の幅が0.5mm以上5mm
    以下である請求項5記載の医療用バルーンカテーテル。
  11. 【請求項11】 前記螺旋の幅が前記基端側シャフトの
    先端側に行くほど漸減する請求項5、9、10の何れか
    に記載の医療用バルーンカテーテル。
  12. 【請求項12】 前記螺旋のピッチが前記基端側シャフ
    トの先端側に行くほど漸増し、且つ前記螺旋の幅が前記
    基端側シャフトの先端側に行くほど漸減する請求項5記
    載の医療用バルーンカテーテル。
  13. 【請求項13】 前記基端側シャフトの先端部位にスリ
    ットを有する請求項1から4の何れかに記載の医療用バ
    ルーンカテーテル。
  14. 【請求項14】 前記スリットが前記基端側シャフトの
    軸方向に沿って存在する請求項13記載の医療用バルー
    ンカテーテル。
  15. 【請求項15】 前記スリットが前記基端側シャフトの
    円周方向に沿って存在する請求項13記載の医療用バル
    ーンカテーテル。
  16. 【請求項16】 前記基端側シャフトの先端部位に溝を
    有する請求項1から4の何れかに記載の医療用バルーン
    カテーテル。
  17. 【請求項17】 前記溝が前記基端側シャフトの軸方向
    に沿って存在する請求項16記載の医療用バルーンカテ
    ーテル。
  18. 【請求項18】 前記溝が前記基端側シャフトの円周方
    向に沿って存在する請求項16記載の医療用バルーンカ
    テーテル。
  19. 【請求項19】 前記基端側シャフトの先端部位に孔を
    有する請求項1から4の何れかに記載の医療用バルーン
    カテーテル。
  20. 【請求項20】 前記基端側シャフトの先端部位の長さ
    が30mm以上である請求項1から19の何れかに記載
    の医療用バルーンカテーテル。
  21. 【請求項21】 前記基端側シャフトの先端部位の長さ
    が50mm以上である請求項1から19の何れかに記載
    の医療用バルーンカテーテル。
  22. 【請求項22】 前記基端側シャフトが金属管から構成
    される請求項1から21の何れかに記載の医療用バルー
    ンカテーテル。
  23. 【請求項23】 前記基端側シャフトがステンレスから
    構成される請求項1から21の何れかに記載の医療用バ
    ルーンカテーテル。
  24. 【請求項24】 前記基端側シャフトがSUS316ス
    テンレスから構成される請求項1から23の何れかに記
    載の医療用バルーンカテーテル。
  25. 【請求項25】 前記カテーテルシャフト内にコアワイ
    ヤを有する請求項1から24の何れかに記載の医療用バ
    ルーンカテーテル。
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