JP2002253613A - 鉄道車両用車椅子乗降装置 - Google Patents

鉄道車両用車椅子乗降装置

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JP2002253613A
JP2002253613A JP2001398868A JP2001398868A JP2002253613A JP 2002253613 A JP2002253613 A JP 2002253613A JP 2001398868 A JP2001398868 A JP 2001398868A JP 2001398868 A JP2001398868 A JP 2001398868A JP 2002253613 A JP2002253613 A JP 2002253613A
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platform
entrance
plate
slope
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JP2001398868A
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English (en)
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Shiyuuji Fujisawa
周示 藤澤
Hisashi Kamiyabu
寿 神藪
Yoichi Shoji
陽一 小路
Hideo Tamamori
秀男 玉森
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Nabco Ltd
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Nabco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道車両の乗降口に適用が可能であって、鉄
道車両が傾斜した状態でもプラットホーム上にスロープ
板を展開でき、かつ、スロープ板の進出時に乗降口上の
レール等とも干渉しない鉄道車両用車椅子乗降装置を提
供する。 【解決手段】 乗降口6内側の「収納位置」と、乗降口
6とプラットホーム8とに跨る「進出位置」と、の間で
移動可能なスロープ板111と、このスロープ板111
を「収納位置」と「進出位置」との間で進退させる進退
駆動手段112と、「収納位置」から「進出位置」へ移
行する動作の際に、スロープ板111のプラットホーム
側の端部が乗降口6から外側へ突出する前の段階で、前
記スロープ板111の少なくとも該プラットホーム側の
端部を乗降口6の高さよりも高い位置とする、持上手段
168と、「収納位置」から「進出位置」へ移行する動
作の際に、スロープ板111のプラットホーム側の端部
が乗降口6から外側へ突出した後の段階で、前記スロー
プ板111のプラットホーム側の端部を下降させる、姿
勢制御手段と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の乗降口
に設けられ、乗降口を通じての車椅子による乗降を容易
にするためのスロープ板を備えた鉄道車両用車椅子乗降
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バス等の一般車両の乗降口に車椅子乗降
用のスロープ装置を設けることが提案されている。この
ようなスロープ装置として、床下の水平収納位置からス
ロープ板が車両の外方へ伸張する展開位置へと、床面と
平行を保ちながら移動するものが提案されている。しか
し、この構成では、縁石脇に車両を停車した場合に、ス
ロープ板を伸張しようとしてもその縁石が邪魔になっ
て、完全に伸長した位置とすることが困難な場合があ
る。
【0003】このような場合に対応するため、特許第2
931842号公報には、スロープ板の車両外側の端部
が上向きに持ち上げられた状態で進出して縁石などの障
害を回避して、進出が完了するとスロープ板の車両から
遠い側の端部が下がって縁石などの上に載せることがで
きるものが提案されている。
【0004】近年、バス等の一般車両に限らず、鉄道車
両の側面に設けられる乗降口にも、スロープ板を進退自
在に設けた鉄道車両用車椅子乗降装置が求められるよう
になった。鉄道車両は、カーブの駅に停車した場合や乗
降客が乗降口に殺到した場合に、プラットホーム側へ傾
斜する場合(鉄道車両の床面がプラットホーム側が下と
なるよう傾斜する場合)が考えられ、このときにスロー
プ板を車両床面と平行を保った状態で進出させると、進
出しているスロープ板の端部がプラットホームにぶつか
って、これ以上進出できない恐れがある。そこで、前述
した特許第2931842号公報に記載の車椅子乗降用
のスロープ装置を鉄道車両に適用することが考えられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉄道車
両はバス等と異なり、床面の下方に頑丈なフレームが存
在している。従って、乗降口下方に特別の開口を設けて
そこからスロープ板を出し入れする構成は、フレームの
構造を変更しない限り不可能であるが、車両強度の問題
からそれは困難である。
【0006】従って、乗降口を通じてスロープ板を出し
入れする構成が考えられるが、鉄道車両の乗降口の床面
側には、該乗降口を開閉する乗降扉を案内するためのレ
ールが、上に凸状に設けられていることが多い。また、
乗降口の床面側には更に、乗降扉を閉めた状態で車両が
走行する際に、特に車内が満員状態であるときに室内側
からの人の押圧力で扉が外側へ外れてしまうことを防止
すべく、乗降扉の下端を外側から押さえる振れ止めが凸
設されているのが一般である。従って、乗降口を通じて
スロープ板を出し入れする場合、前述した特許第293
1842号公報の構成をそのまま適用したのでは、スロ
ープ板を進出させようとしても、前記レールや振れ止め
にスロープ板が衝突してしまうことになる。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題を解
決し、鉄道車両の乗降口に適用が可能であって、鉄道車
両が傾斜等した状態でもプラットホーム上にスロープ板
を展開でき、更には、乗降口に開閉扉を案内するための
レール等が設けられていても、スロープ板をそれらに干
渉させないで進出させることができる鉄道車両用車椅子
乗降装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0009】即ち、請求項1においては、鉄道車両の乗
降口に設けられる車椅子乗降装置であって、乗降口内側
の「収納位置」と、乗降口とプラットホームとに跨る
「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板と、この
スロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」との
間で進退させる進退駆動手段と、前記「収納位置」から
前記「進出位置」へ移行する動作の際に、スロープ板の
プラットホーム側の端部が車両の乗降口から外側へ突出
する前の段階で、前記スロープ板の少なくとも該プラッ
トホーム側の端部を乗降口の高さよりも高い位置とす
る、持上手段と、前記「収納位置」から前記「進出位
置」へ移行する動作の際に、スロープ板のプラットホー
ム側の端部が車両の乗降口から外側へ突出した後の段階
で、前記スロープ板のプラットホーム側の端部を下降さ
せる、姿勢制御手段と、を備えてなるものである。
【0010】この構成により、乗降口に開閉扉を案内す
るためのレール等が設けられていても、進退駆動手段を
駆動させて「収納位置」から「進出位置」へ移行する際
には、スロープ板の少なくともプラットホーム側の端部
が、持上手段により乗降口の高さよりも高い位置へと持
ち上げられるので、スロープ板がレール等を乗り越える
あるいは飛び越える形となって、干渉しないで進出させ
ることができる。また、スロープ板は、その少なくとも
プラットホーム側の端部が乗降口の高さよりも高い位置
へいったん持ち上げられ、その高い位置からプラットホ
ームに向けて進出するため、車両がプラットホーム側に
傾斜していたとしても、スロープ板はプラットホームに
突き当たることなく進出することができる。
【0011】請求項2においては、前記持上手段は、前
記「進出位置」から前記「収納位置」へ移行する動作の
際に、前記スロープ板の反プラットホーム側の端部が車
両の乗降口から内側へ突出する前の段階で、前記スロー
プ板の反プラットホーム側の端部を乗降口の高さよりも
高い位置とするものである。
【0012】この構成により、進退駆動手段を駆動させ
て「進出位置」から「収納位置」へ移行する際には、ス
ロープ板の少なくともプラットホーム側の端部が、持上
手段により乗降口の高さよりも高い位置へと持ち上げら
れるので、スロープ板がレール等を乗り越えるあるいは
飛び越える形となって、干渉しないでスロープ板を収納
させることができる。
【0013】請求項3においては、前記持上手段は、前
記スロープ板の全体を上昇させるものである。
【0014】この構成により、スロープ板を上昇させる
構成を簡素化できる。
【0015】請求項4においては、乗降口の両脇に位置
する車両内側の側壁に伸縮自在のアームの基端を枢支し
て、このアームの先端に前記スロープ板を支持し、前記
進退駆動手段は前記アームを回動駆動するように構成
し、前記持上手段は該アームを縮退駆動するように構成
したものである。
【0016】この構成により、アームの回動により乗降
口を通じたスロープ板の進出(または収納)を行わせ、
その際のスロープ板の持上げはアームの縮退駆動により
行う合理的な構成とでき、装置の簡素化・コンパクト化
を図ることができる。また、進退駆動手段や持上手段を
アーム等の車両床上の部材に設けることができるので、
それらの手段を床下に設ける構成に比して、車両床下の
大幅な改造の必要がないから、既存の鉄道車両に適用す
ることも容易である。
【0017】請求項5においては、前記スロープ板は、
その反プラットホーム側の端部を乗降口に乗せた状態で
前記アームを伸張することにより、該スロープ板のプラ
ットホーム側の端部を下降させて前記「進出位置」とす
るものである。
【0018】この構成により、乗降口とプラットホーム
との高低差や、鉄道車両のプラットホーム側(あるいは
反プラットホーム側)への傾斜の度合いが様々に異なっ
ても、それに応じてスロープ板の「進出位置」における
傾斜の度合いを様々に変更することで柔軟に対応するこ
とができる。
【0019】請求項6においては、前記スロープ板は、
該スロープ板の姿勢を弾性的に保持するカム機構を介し
て、前記アームに支持されているものである。
【0020】この構成により、スロープ板の姿勢を独立
のシリンダ等によって駆動制御する構成に比して、簡素
な構成とでき、コンパクト化を図ることができる。
【0021】請求項7においては、鉄道車両の乗降口に
設けられる車椅子乗降装置であって、乗降口内側の床面
以下の「収納位置」と、乗降口とプラットホームとに跨
る「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板と、こ
のスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」と
の間で進退させる進退駆動手段と、前記「収納位置」か
ら前記「進出位置」への初期段階で、前記スロープ板の
プラットホーム側の端部が前記乗降口を乗り越えるよう
に、前記スロープ板のプラットホーム側の端部を持ち上
げる先端持上手段と、前記「収納位置」から前記「進出
位置」への初期から終期の段階で、前記スロープ板のプ
ラットホーム側の端部が持ち上がった状態を維持した
後、プラットホーム側の端部を下げる先端位置制御手段
と、前記「収納位置」から前記「進出位置」への終期段
階で、前記スロープ板の反プラットホーム側の端部を前
記乗降口上の位置で保持する後端保持手段と、を備えて
なるものである。
【0022】この構成によると、スロープ板の進出初期
に、スロープ板のプラットホーム側の端部が持ち上げら
れるので、乗降口にあるレール等を乗り越えることがで
きる。スロープ板は乗降口を乗り越えた後もプラットホ
ーム側の端部が持ち上がった姿勢を維持して進出するた
め、鉄道車両がプラットホーム側に傾斜していても、ス
ロープ板はプラットホームに突き当たることなく進出す
ることができる。スロープ板の進出終期には、スロープ
板のプラットホーム側の端部がプラットホームに載り、
スロープ板の反プラットホーム側の端部が乗降口の上に
保持されてスロープ板の進出状態が安定する。
【0023】請求項8においては、鉄道車両の乗降口に
設けられる車椅子乗降装置であって、乗降口内側の床面
以下の「収納位置」と、乗降口とプラットホームとに跨
る「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板と、こ
のスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」と
の間で進退させる進退駆動手段と、このスロープ板の反
プラットホーム側の端部を上昇位置又は下降位置に切換
可能に前記進退駆動手段に接続するリンク機構と、前記
スロープ板のプラットホーム側の端部に係合し、プラッ
トホーム側の端部を床面から持ち上げる傾斜板と、を備
え、前記リンク機構は、前記スロープ板の前記「収納位
置」からの進出に応じて、当該スロープ板のプラットホ
ーム側の端部が前記傾斜板に当たると、前記スロープ板
を乗降口上の略水平姿勢とし、前記スロープ板の重心が
乗降口を越えると、スロープ板の自重でプラットホーム
側の端部が下がり、前記スロープ板の反プラットホーム
側の端部が乗降口に至ると、この反プラットホーム側の
端部を乗降口上に乗せるように屈曲するように構成され
ているものである。
【0024】この構成によると、リンク機構が、スロー
プ板のプラットホーム側の端部が前記傾斜板に当たる
と、前記スロープ板を乗降口上の略水平姿勢とし、前記
スロープ板の重心が乗降口を越えると、スロープ板の自
重でプラットホーム側の端部が下がり、前記スロープ板
の反プラットホーム側の端部が乗降口に至ると、この反
プラットホーム側の端部を乗降口上に載せるように屈曲
する。そのため、収納位置から進出位置への初期段階
で、スロープ板のプラットホーム側の端部が前記乗降口
を乗り越えるように、スロープ板のプラットホーム側の
端部を持ち上げ、収納位置から進出位置への初期から終
期の段階で、スロープ板のプラットホーム側の端部が持
ち上がった状態を維持した後、プラットホーム側の端部
を下げ、収納位置から進出位置への終期段階で、スロー
プ板の反プラットホーム側の端部を前記乗降口上の位置
で保持する。
【0025】請求項9においては、鉄道車両の乗降口に
設けられる車椅子乗降装置であって、乗降口の床面以下
の「収納位置」と、乗降口とプラットホームとに跨る
「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板と、この
スロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」との
間で進退させる進退駆動手段と、このスロープ板の反プ
ラットホーム側の端部を上昇位置又は下降位置に切換可
能に前記進退駆動手段に接続するレバー機構と、前記乗
降口の上に設けられ、前記スロープ板の姿勢を上げるガ
イド手段と、前記スロープ板のプラットホーム側の端部
を乗り上げさせて床面から持ち上げ、前記ガイド手段に
受け渡す傾斜板と、を備え、前記レバー機構は、前記ス
ロープ板の前記「収納位置」からの進出に応じて、当該
スロープ板のプラットホーム側の端部が前記傾斜板に当
たると、前記スロープ板を乗降口上で斜め上向き姿勢と
し、前記スロープ板のプラットホーム側の端部が前記ガ
イド手段でガイドされ、前記スロープ板の反プラットホ
ーム側の端部が乗降口に至るまで、前記スロープ板の斜
め上向き姿勢を保ち、前記スロープ板の反プラットホー
ム側の端部が乗降口に至ると、前記スロープ板の反プラ
ットホーム側の端部が前記案内手段の上に乗るととも
に、前記スロープ板の姿勢を下向きに変えるように設け
られているものである。
【0026】この構成によると、レバー機構が、スロー
プ板のプラットホーム側の端部が傾斜板に当たると、ス
ロープ板を乗降口上で斜め上向き姿勢とし、スロープ板
のプラットホーム側の端部がガイド手段でガイドされ、
スロープ板の反プラットホーム側の端部が乗降口に至る
まで、スロープ板の斜め上向き姿勢を保ち、スロープ板
の反プラットホーム側の端部が乗降口に至ると、スロー
プ板の反プラットホーム側の端部が前記案内手段の上に
乗るとともに、スロープ板の姿勢を下向きに変える。そ
のため、収納位置から進出位置への初期段階で、スロー
プ板のプラットホーム側の端部が前記乗降口を乗り越え
るように、スロープ板のプラットホーム側の端部を持ち
上げ、収納位置から進出位置への初期から終期の段階
で、スロープ板のプラットホーム側の端部が持ち上がっ
た状態を維持した後、プラットホーム側の端部を下げ、
収納位置から進出位置への終期段階で、スロープ板の反
プラットホーム側の端部を前記乗降口上の位置で保持す
る。
【0027】請求項10においては、前記スロープ板
は、乗降口内側の揺動自在な床面下に収容されているも
のである。
【0028】この構成によると、スロープ板が進出した
後に、床面が残る。そのため、床面とスロープ板との間
に段差が生じない。
【0029】請求項11においては、鉄道車両の乗降口
に設けられる車椅子乗降装置であって、乗降口の床面以
下の「収納位置」と、乗降口とプラットホームとに跨る
「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板と、この
スロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」との
間で進退させる進退駆動手段と、このスロープ板のサイ
ドを案内し、反プラットホーム側の端部が床面に対して
揺動自在に支持されたガイド手段と、前記スロープ板に
設けられたカムと、このカムを作動させるローラとから
なるカム機構と、を備え、前記カム機構は、前記スロー
プ板の前記「収納位置」からの進出当初には、前記ガイ
ド手段と共に前記スロープ板のプラットホーム側の端部
を持ち上げる状態と、該持ち上げた状態を前記スロープ
板の進出途中まで保つ状態と、前記スロープ板の進出途
中から前記ガイド手段と共に前記スロープ板を下げて、
前記スロープ板が乗降口に乗る状態と、に変換可能であ
り、前記ガイド手段は、前記スロープ板が進出状態の終
期になると、前記スロープ板のプラットホーム側の端部
がプラットホームに向けて下降可能に案内するものであ
る。
【0030】この構成によると、カム機構は、スロープ
板の前記収納位置からの進出当初には、ガイド手段と共
にスロープ板のプラットホーム側の端部を持ち上げる状
態と、スロープ板の進出途中まで持ち上げ状態を保つ状
態と、スロープ板の進出途中から前記ガイド手段と共に
前記スロープ板を下げて、スロープ板が乗降口に乗る状
態とに変換可能であり、ガイド手段は、スロープ板が進
出状態の終期になると、スロープ板のプラットホーム側
の端部がプラットホームに向けて下降可能に案内する。
そのため、収納位置から進出位置への初期段階で、スロ
ープ板のプラットホーム側の端部が前記乗降口を乗り越
えるように、スロープ板のプラットホーム側の端部を持
ち上げ、収納位置から進出位置への初期から終期の段階
で、スロープ板のプラットホーム側の端部が持ち上がっ
た状態を維持した後、プラットホーム側の端部を下げ、
収納位置から進出位置への終期段階で、スロープ板の反
プラットホーム側の端部を前記乗降口上の位置で保持す
る。
【0031】請求項12においては、鉄道車両の乗降口
に設けられる車椅子乗降装置であって、乗降口の床面以
下の「収納位置」と、乗降口とプラットホームとに跨る
「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板と、この
スロープ板をアームの端に揺動自在に保持するととも
に、このアームを回動させることにより、前記スロープ
板を前記「収納位置」と前記「進出位置」との間で進退
させる進退駆動手段と、前記乗降口の上に設けられ、前
記スロープ板の姿勢を上げるガイド手段と、前記ガイド
手段で案内されるスロープ板に係合し、プラットホーム
側の端部を持ち上げる回動自在なレバーと、前記スロー
プ板の反プラットホーム側の端部が乗降口に至ると、前
記スロープ板の反プラットホーム側の端部を前記ガイド
手段の上に乗るとともに、前記スロープ板の姿勢を下向
きに変える引掛け部と、を備えるものである。
【0032】この構成によると、乗降口の上に設けら
れ、スロープ板の姿勢を上げるガイド手段と、ガイド手
段で案内されるスロープ板に係合し、プラットホーム側
の端部を持ち上げる回動自在なレバーと、スロープ板の
反プラットホーム側の端部が乗降口に至ると、スロープ
板の反プラットホーム側の端部をガイド手段の上に乗る
とともに、スロープ板の姿勢を下向きに変える引っ掛け
部とを備えるため、収納位置から進出位置への初期段階
で、スロープ板のプラットホーム側の端部が前記乗降口
を乗り越えるように、スロープ板のプラットホーム側の
端部を持ち上げ、収納位置から進出位置への初期から終
期の段階で、スロープ板のプラットホーム側の端部が持
ち上がった状態を維持した後、プラットホーム側の端部
を下げ、収納位置から進出位置への終期段階で、スロー
プ板の反プラットホーム側の端部を前記乗降口上の位置
で保持する。
【0033】請求項13においては、前記スロープ板は
移動自在な床面で形成されているものである。
【0034】この構成によると、スロープ板と床面が兼
用である。そのため、特別の床面を設ける必要がない。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。
【0036】〔第1実施形態〕図1に示す第1実施形態
の車椅子乗降装置1は、鉄道車両の側部に開口された乗
降口6に設けられるものである。この乗降口6は、通例
のごとく矩形状に開口されて、開閉のための図示しない
乗降扉を有している。乗降扉は両開き式に構成されて、
この乗降扉を案内するために、乗降口6の床面側にはレ
ール9が上方に向けて凸設されている。また、乗降口6
の床面側においては、その幅方向中央箇所に、乗降扉の
外面を押さえる振れ止め10が上方に向けて凸設されて
いる。この振れ止め10は、レール9と互いに作用し合
うことで、車内が満員時に室内側からの人の押圧力で扉
が外側に外れてしまうような危険を防止するものであ
る。
【0037】車両内側の側壁には、乗降口6のすぐ両脇
の適宜高さの位置に駆動ケース130・130が付設さ
れて、それぞれの駆動ケース130にはスイングアーム
120が支持されている。各スイングアーム120は、
駆動ケース130に回動自在に枢支されながら乗降口6
の幅方向中央へ向かって伸びる水平部121と、該水平
部121から垂直に折れ曲がって下方へ向かう垂直部1
22と、を有している。垂直部122の下端には、スロ
ープ板111の乗降口6幅方向の端部を支持している。
【0038】図2に示すように、スイングアーム120
の水平部121には、駆動ケース130内部においてア
ーム123が突設されて、このアーム123の先端に、
空気圧式の回動シリンダ112(進退駆動手段)の伸縮
可動部を枢結している。従って、この構成で前記回動シ
リンダ112が伸張すると、図2の時計回り方向(プラ
ットホーム側)にスイングアーム120が回動し、逆に
前記回動シリンダ112が縮退すると、図2の反時計回
り方向(反プラットホーム側)にスイングアーム120
が回動する。
【0039】前記スイングアーム120の垂直部122
には持上シリンダ168(持上手段)が設けられてい
て、スイングアーム120の垂直部122の長さを変更
することができるようになっている。これによりスイン
グアーム120が伸縮自在とされる。
【0040】この持上シリンダ168の具体的な構成を
説明する。前記垂直部122には図1・図2に示すよう
にシリンダケース160を備えており、このシリンダケ
ース160は図3に示すように中空円筒状とされてい
る。スイングアーム120はパイプ状に構成して内部を
中空とするとともに、その内部に空気配管161を通し
てある。この空気配管161には連絡パイプ162が接
続されてシリンダケース160内の空間を下方へ延出
し、該連絡パイプ162の下端にはキャップ163が固
着されている。
【0041】シリンダケース160の内周面には、同じ
く中空円筒状の可動部164を摺動自在に嵌合してあ
り、この可動部164の内周面には、前記キャップ16
3が気密的に嵌合される。このキャップ163より上方
の位置において、前記可動部164の内周面にリング状
のピストン体165が固着され、このピストン体165
が、連絡パイプ162の外周面に対して気密的に嵌合さ
れて、キャップ163とピストン体165との間で円筒
状の圧力室Rを形成し、この圧力室Rが、前記連絡パイ
プ162に形成した孔166を通じて、前記空気配管1
61に連通している。ピストン体165より上方の位置
でシリンダケース160には孔167が形成されてお
り、従って、シリンダケース160内でピストン体16
5より上方の空間は、大気に常に連通されている。前記
空気配管161はスイングアーム120内部を通って、
前述の駆動ケース130内部の図示しない圧縮空気配管
に、バルブを介して接続されている。
【0042】この構成で、空気配管161に圧縮空気を
送り込むと、前記圧力室R内の圧力が増大してピストン
体165を上方に押し上げ、該ピストン体165に固定
される可動部164が上方へ変位して、スイングアーム
120の垂直部122が縮退駆動することになる。一
方、この空気配管161を大気圧に連通して圧力室R内
の圧縮空気をドレンするに伴い、可動部164はその自
重によって下方へ降下するので、スイングアーム120
の垂直部122は伸張する。
【0043】次に、スイングアーム120の遊端側にス
ロープ板111を取り付ける構成を説明する。スイング
アーム120は、前述のようにその垂直部122に持上
シリンダ168を配設して伸縮自在としているが、その
持上シリンダ168の可動部164の下端に、スロープ
板111を支持させるための支持部材170を設けてい
る。スロープ板111の上には図4に示すように、枢支
部材171が螺子173によって固定されている。この
枢支部材171の取付位置は、図1に示すように乗降口
6の幅方向両端とされ、かつ、図2に示すように、該ス
ロープ板111の重心よりもややプラットホーム側寄り
の位置とされている。該枢支部材171には図4に示す
ように支軸172が支架されており、該支軸172が、
支持部材170に設けた孔に嵌合されている。この結
果、スイングアーム120の先端にスロープ板111を
回動自在に支持する構成となっている。なお、枢支部材
171の取付位置を該スロープ板111の重心よりもや
やプラットホーム側寄りの位置としたのは、仮にスロー
プ板111の重心位置や反プラットホーム寄りの位置に
取り付けると、スロープ板111を車両内部に収納した
図2の状態(後述する「収納位置」)としたときにスイ
ングアーム120が車両内部に突出し過ぎて、車両内部
の乗客にとって邪魔になるという配慮からである。
【0044】さらに図2に示すように、各枢支部材17
1に対応させて付勢機構180が設けられている。この
付勢機構180は、枢支部材171のプラットホーム側
に隣接させてスロープ板111上に固設されるケーシン
グ181を有する。ケーシング181には図4に示すよ
うに孔が形成されて、この孔の内部に摺動軸182が摺
動自在に設けられる。摺動軸182にはピストン185
が固設され、更にその先端には、ローラ183が遊転自
在に軸支される。前記ピストン185と、孔に螺着され
るバネ受け186との間には、前記ローラ183を支持
部材170に向けて弾発付勢するための板バネ184が
配置されている。この板バネ184のバネ力は、バネ受
け186を回転させてネジ移動させることにより調整す
ることができる。
【0045】支持部材170にはカム174が形成され
ており、このカム174に前記ローラ183を当接させ
ている。このカム174とローラ183とによりカム機
構が構成され、スロープ板111はこのカム機構を介し
て、前記スイングアーム120に支持される関係とな
る。このカム機構は後述のとおり、スロープ板111の
姿勢を弾性的に保持するためのものである。カム174
の輪郭線は図5に示すように、支持部材170の上側か
ら、大径部A1→小径部B1→大径部A2→小径部B2
→大径部A3となるように形成されている。そして、ス
ロープ板111が支軸172まわりに支持部材170に
対して回動するのに伴い、この輪郭線の大径部A1から
大径部A3までの範囲を、ローラ183が当接しながら
転がるようになっている。なお、ローラ183をカム1
74に向けてバネ付勢する前記板バネ184の作用によ
り、ローラ183には常時、大径部から小径部へと移行
しようとする力が働いている。このカム174と前述し
た付勢機構180とにより、スロープ板111の姿勢を
適切に変更する姿勢制御手段が構成されている。この動
作は後に詳述する。
【0046】以上の構成の車椅子乗降装置において、ス
ロープ板111を「収納位置」から「進出位置」に移行
させる様子を説明する。図6から図9までには装置の動
作が時間の経過に伴ってと示され、そ
の際のカム174に対するローラ183の相対位置の変
遷が、対応する丸付き数字を伴って、図10に示されて
いる。以下、これらの図を参照して説明する。
【0047】鉄道車両の走行中は、乗降口6が開閉扉に
よって閉じられており、このときスロープ板111は、
図2や図6()に示すように、乗降口6内部の「収納
位置」とされている。本実施形態においては、スロープ
板111は「収納位置」のときは車両の床面7上に載置
されており、スロープ板111の上面は、スロープ板1
11の厚みの分だけ車両の床面7より上方に位置する。
しかしながら、「収納位置」においてスロープ板111
を乗せる床面7の部分を該スロープ板111の厚みだけ
削り込むことで、「収納位置」にあるスロープ板111
の上面を、車両の床面7と一致させるようにすることも
できる。
【0048】そして、スロープ板111が図6のに示
す「収納位置」にあるとき、ローラ183は図10の
に示すように、前記板バネ184の付勢力によって、小
径部B1の部分に係入している。この状態からまず、駆
動ケース130から圧縮空気がスイングアーム120内
の持上シリンダ168に送られて、持上シリンダ168
が縮退駆動される。従って、スロープ板111は床面7
から離間して持ち上げられ、図6のの状態になる。
【0049】ここで、前記スイングアーム120は前述
したとおり、前記スロープ板111の重心よりややプラ
ットホーム寄りの位置に取り付けられているので、スロ
ープ板111を図6ののように持ち上げた状態では、
スロープ板111はその自重により、反プラットホーム
側の端部を下げる方向に回動しようとする。しかし、ス
ロープ板111がそのように回動するには、スロープ板
111に取り付けられた前記ローラ183が、図10に
示すカム174の輪郭線上を、前記小径部B1から上方
へ移動しなければならない。ここで前述したとおり、小
径部B1より上方は大径部A1に向かう斜面とされてい
るから、ローラ183を付勢している板バネ184の弾
発力が、該ローラ183の上方への移動に抗する。この
結果、ローラ183の位置は小径部B1に係入した状態
を保つ。即ち、前記板バネ184の弾発力がスロープ板
111の回転に抗するので、図6のに示すように、ス
ロープ板111はその姿勢(床面7に平行な姿勢)を保
ったまま床面7から持ち上げられるのである。こうし
て、スロープ板111は、そのプラットホーム側の端部
が乗降口6から突出する前の段階で、その全体が持上シ
リンダ168によって持ち上げられ上昇する。
【0050】このようにスロープ板111が持ち上げら
れた図6のの状態で、持上シリンダ168に空気配管
161(図3)を介して接続されている図示しないバル
ブが閉じられる。この結果、持上シリンダ168の圧力
室R内の圧力が保持されて、スロープ板111はその上
昇した状態を保持する。
【0051】次に、駆動ケース130内の回動シリンダ
112(図2)が伸張駆動されて、図7の→→と
いうように、スイングアーム120がプラットホーム側
に回動され振り出される。なお、スロープ板111は、
の段階(即ち、スロープ板111のプラットホーム側
の端部が乗降口6からプラットホーム8の方へ突出せ
ず、まだ車両内部にある段階)で、その全体が持上シリ
ンダ168によって一旦持ち上げられ、スロープ板11
1が乗降口6の高さ(原則、乗降口6部分の床面の高さ
を言うが、本実施形態のようにレール9や振れ止め10
が上方に突出して設けられているときは、その突出して
いる高さをいう。以下同じ。)よりも高い位置とされて
いるので、スイングアーム120が→→と振り出
される際には、スロープ板111のプラットホーム側の
端部が、乗降口6の床面側に上に向けて突設されている
レール9や振れ止め10の上方を飛び越える形となる。
この結果、スロープ板111を、レール9あるいは振れ
止め10との間で干渉することなくスムーズに進出させ
ることができる。
【0052】スイングアーム120が図7のからの
状態に至るまでは、前記ローラ183は前記板バネ18
4によってカム174の小径部B1に係入しており(図
10の)、スロープ板111のスイングアーム12
0に対する相対姿勢は前述と同様に一定に保持される。
結局、スロープ板111はスイングアーム120の回動
に伴って徐々に下降し、かつ、反プラットホーム側の端
部が下がった傾斜姿勢となる。次に、図7のの時点
で、スロープ板111の反プラットホーム側の端部が床
面7に接触する。この状態()から更にプラットホー
ム側へ移動するの状態に至るまでにおいては、この反
プラットホーム側の端部が、床面7を引き摺りながらそ
の床面7によって上方に押される。この結果、スロープ
板111のスイングアーム120に対する相対姿勢が変
更され、スロープ板111に取り付けられている前記ロ
ーラ183は、図10の→に示すように、小径部B
1から外れてカム174の輪郭線を下方へ移動する。な
お、ローラ183が小径部B1から大径部A2へ移行す
るのに対しては前記板バネ184が抗することになる
が、この板バネ184のバネ力を上回る力をもって前記
回動シリンダ112が駆動され、スイングアーム120
が回動されるということになる。
【0053】図7のの状態は、図10のに示すよう
に、カム174の輪郭線上を下方へ移行するローラ18
3が大径部A2を乗り越える直前の状態である。この直
後にローラ183は大径部A2を乗り越えて、ローラ1
83は前記板バネ184の付勢力を得て更に下方へ向か
い、小径部B2へ移動する(図10の→)。言い換
えれば、この板バネ184の力がスロープ板111の反
プラットホーム側の端部を引き上げて床面7から離間さ
せるので、スロープ板111の姿勢は、そのプラットホ
ーム側の端部が下となるように傾斜した姿勢へ、シーソ
ーの如く変更される(図7の→)。なお、スロープ
板111の姿勢変更が行われる図7の→の段階で
は、既に、スロープ板111のプラットホーム側の端部
がレール9や振れ止め10を飛び越えた状態であり、か
つ、スロープ板111の回動支点である前記支軸172
の位置が、前記乗降口6からプラットホーム側に出た位
置となっている。従って、→の如きスロープ板11
1の姿勢変更が行われても、スロープ板111のプラッ
トホーム側の端部が乗降口6床面側のレール9や振れ止
め10に衝突することはない。
【0054】このようにスロープ板111の姿勢が変更
された後も、駆動ケース130内の回動シリンダ112
(図2)の伸張駆動が継続され、スイングアーム120
は図8の→と示すように、スロープ板111の大部
分が乗降口6から突出した状態となるまで、プラットホ
ーム側に向けて回動される。このとき、ローラ183は
小径部B2に係入した状態を保持しており(図10の
)、従って、スロープ板111のスイングアーム12
0に対する相対姿勢は変更されない。
【0055】スイングアーム120の回動後は、スイン
グアーム120内の前記持上シリンダ168の圧力室R
(図3)内の空気を、空気配管161に接続された図示
しないバルブを開くことでドレンし、圧力室R内の圧力
を下げる。この結果、持上シリンダ168の持上げ力が
失われて、図9の→と示すように、シリンダ可動部
164やスロープ板111は、その自重によって自然に
降下する。なお図示しないが、持上シリンダ168の圧
力室Rの空気を抜く経路には絞りが設けられていて、ス
ロープ板111がゆっくりと降下するように配慮されて
いる。このとき、ローラ183は小径部B2に係入した
状態を保持しており(図10の)、従って、スロー
プ板111のスイングアーム120に対する相対姿勢は
変更されない。この降下に伴って、スロープ板111は
図9のに示すように、その反プラットホーム側の端部
が乗降口6に乗った状態になる。逆にいえば、スロープ
板111を降下させたときに反プラットホーム側の端部
が乗降口6の床面側に乗るように、前記スイングアーム
120の回動角度が調整されている。
【0056】図9のの状態に至った後は、スロープ板
111は、その反プラットホーム側の端部が乗降口6に
乗った状態を維持しながら、反対側(プラットホーム
側)の端部をプラットホーム8上に乗るまで降下させ
る。この結果、スロープ板111は、図9のに示すよ
うに、乗降口6とプラットホーム8とに跨った「進出位
置」となるのである。なお、このからへ移行する際
は、スイングアーム120に対するスロープ板111の
相対姿勢が変更されることになるので、それに伴って、
カム174の小径部B1に係入していたローラ183は
下方の大径部A3側へ移動することになる(図10の
→)。しかしながら、シリンダの可動部164の自重
にスロープ板111のプラットホーム側の端部側の自重
を加えた全自重が、ローラ183を小径部B1に留まら
せようとする板バネ184の付勢力を上回るので、→
というようなスロープ板111の姿勢の変更が可能と
されているのである。
【0057】このの「進出位置」では、本実施形態に
おいては、スロープ板111の反プラットホーム側の端
部は、前記レール9よりもプラットホーム側寄りの端部
上に乗っている。なお、スロープ板111がレール9の
上に乗り上げるようにしても構わないが、本実施形態の
構成とした方が、スロープ板111との間で無用な段差
が形成されない点で優れている。なお、図1に示すよう
に、スロープ板111の反プラットホーム側の端縁の中
央部には切欠111aが形成されており、図9のや
の状態においては乗降口6に設けられる振れ止め10が
前記切欠111aの内部に入って、干渉が回避される構
成となっている。
【0058】ここで、鉄道車両においては、停車駅によ
って乗降口6とプラットホーム8との高低差が様々に異
なるのが通常である。また、カーブ部分に停車駅が構成
されている場合など、車両がプラットホーム側あるいは
反プラットホーム側に傾斜しているような場合があっ
て、その傾斜の度合いも様々である。しかしながら、ス
ロープ板111が前記→の動作で、その反プラット
ホーム側の端部を乗降口6上に乗せながら、プラットホ
ーム側端部をプラットホーム8上に乗るまで降下させる
という形態をとることで、「進出位置」において上述の
ような高低差や傾斜に応じてスロープ板111の傾斜が
適切に変更され、どんな場合でも、プラットホーム8か
ら乗降口6にかけてのスロープが、スロープ板111に
よって、確実に形成されることとなる。
【0059】なお、前記持上シリンダ168を復動式に
構成し、→→の段階で持上シリンダ168を積極
的に伸張駆動するように構成しても差し支えない。ただ
し、プラットホーム8の端に乗客がいるような場合は、
その足の上にスロープ板111が降りてきて挟まれるよ
うなことも考えられるので、本実施例ではそのような場
合に配慮して、持上シリンダ168を単動式とし、圧力
室Rの空気を絞りながらドレンすることで、スロープ板
111の自重の大部分をサポートしながら徐々に緩やか
に降下させるようにしている。
【0060】以上説明したように、スロープ板111
は、乗降口6内部の「収納位置」()から、→→
→→→という過程を経て、乗降口6とプラット
ホーム8とに跨る「進出位置」()へと移行する。こ
れが進出動作である。
【0061】次に、逆の動作、即ち、「進出位置」から
「収納位置」へ移行する動作(収納動作)を説明する。
この収納動作は、中間の過程を除いて、前述の進出動作
をまったく逆に踏むことによって行われる。図11には
収納動作の過程の一部が示され、また、図12には、収
納動作の際のカム174に対するローラ183の相対位
置の変遷が、対応する丸付き数字を伴って示されてい
る。
【0062】収納動作を以下に説明する。図9のは前
述したとおりスロープ板111の「進出位置」である
が、このの状態から、前記持上シリンダ168に空気
圧が供給されることによって、持上シリンダ168が縮
退して可動部164が上昇し、スロープ板111が持ち
上げられる。なお、このとき、前記ローラ183の小径
部B2へ移行しようとし、それに伴って、スロープ板1
11には、その反プラットホーム側の端部を下げようと
する作用が働く。この結果、スロープ板111は、反プ
ラットホーム側の端部を乗降口6へ乗せた状態を保った
まま、プラットホーム側の端部を上昇させる(図9の
→)。
【0063】ローラ183が小径部B2へ完全に移行し
た図9のの状態では、スロープ板111は、そのプラ
ットホーム側の端部が若干下がった姿勢となる。この後
も持上シリンダ168の縮退駆動は継続され、この結
果、スロープ板111はその姿勢を保ったまま全体が持
ち上げられて、反プラットホーム側の端部は乗降口6と
の接触を解除する(図9の→)。こうしてスロープ
板111は図9の→→と、前記進出動作と全く逆
の動作を辿って、の状態へ戻る。このように、スロー
プ板111の反プラットホーム側の端部が、未だ乗降口
6から車両内側へ突出していない段階()で、に向
けてスロープ板111が持ち上げられて、乗降口6の高
さよりも高い位置とされるのである。この結果、後述す
るスロープ板111の車両内部への引き込み動作の際
に、該スロープ板111の反プラットホーム側の端部と
レール9や振れ止め10との干渉が回避され、スムーズ
にスロープ板111を収納することができる。
【0064】このの状態となった後は、図2に示す回
動シリンダ112が縮退駆動され、スイングアーム12
0が反プラットホーム側へ向けて回動される。なお、こ
の際は、スロープ板111は、前述の進出動作(図7の
場合)の挙動と全く逆の挙動を呈するわけではなく、図
11に図示する如く移動することになる。
【0065】即ち、図11に示すの状態から、スロー
プ板111は、そのプラットホーム側がの端部が下とな
るように徐々に傾斜しながら、乗降口6から車両内側へ
引き込まれる(→’→’)。なお、スロープ板1
11は、前述のの段階で既に一旦持ち上げられている
ので、反プラットホーム側の端部がレール9や振れ止め
10の上方を飛び越える形となって、スロープ板111
の反プラットホーム側の端部とレール9や振れ止め10
との干渉は回避されている。
【0066】スロープ板111は、乗降口6に突設され
た振れ止め10に図11の’に示すように接触して
(振れ止め10に限らず、レール9、あるいは、乗降口
6の端縁に接触するようにしても良い)、この状態から
更にスイングアーム120を乗降口6内側へと回動させ
ることによって、スロープ板111が振れ止め10によ
って上方に押される形となり、スイングアーム120に
対するスロープ板111の相対姿勢が変更される。この
結果、図12の’→’というように、カム174の
小径部B2に係入していたローラ183は該係入を解除
して上方の大径部A2に向かい、この大径部A2を乗り
越えて更に上方の小径部B1に移行する。結局、スロー
プ板は、その反プラットホーム側の端部が下となる傾斜
姿勢となるようシーソーの如く傾動する(’→
’)。
【0067】図11の’の状態となった後もスイング
アーム120の回動は継続されて、の状態に至ったと
ころで停止する。このの状態では図12のに示すよ
うに、ローラ183は小径部B1に係入しており、従っ
て、スロープ板111は床面7と平行な状態となる。こ
のの状態で持上シリンダ168の圧搾空気をドレンす
ることで、スロープ板111が図6の→の如く自重
で降下し、床面7上に載置される。このの状態が「収
納位置」である。
【0068】以上説明したように、スロープ板111
は、乗降口6とプラットホーム8とに跨る「進出位置」
()から、→→’→’→’→という過程
を経て、乗降口6内部の「収納位置」()へと移行す
る。これが収納動作である。
【0069】なお、図1・図2に示すように、駆動ケー
ス130の上部には回転灯151が、下部には反射式の
センサ152が、それぞれ設けられており、上述したス
ロープ板111の進出動作/収納動作の前にセンサ15
2によって乗降口6付近に乗客がいないかを検出し、乗
客がいるようであればスロープ板111の動作は行われ
ないようにしてある。また、進出動作/収納動作の際に
は前記回転灯151が点灯して、乗客に注意を促すよう
になっている。
【0070】以上に示した車椅子乗降装置は、車両の床
面7の下方の空間に装置を設置する必要がないので、既
存の鉄道車両に適用が容易で、更にメンテナンス作業も
容易であるという利点を有する。
【0071】〔第2実施形態〕図13は、本発明の第2
実施形態の車椅子乗降装置であって、スロープ板が進出
位置にある斜視図、図14は、スロープ板の進出位置の
側面図である。図15及び図16は、スロープ板の収納
位置から進出位置に向かう状態を示す作動図である。
【0072】図13において、車椅子乗降装置2は、乗
降口6内側の床面7以下の「収納位置」と、乗降口とプ
ラットホームとに跨る「進出位置」と、の間で移動可能
なスロープ板11と、このスロープ板11を「収納位
置」と「進出位置」との間で進退させる進退駆動手段1
2と、このスロープ板11の反プラットホーム側の端部
を上昇位置又は下降位置に切換可能に前記進退駆動手段
12に接続するリンク機構13を備えている。また、乗
降口6の幅方向両端においては、図14に示すような、
前記スロープ板11の先端を床面から持ち上げるよう案
内する傾斜板14を床面7上に備えている。
【0073】図13に示すように、乗降口6の床面7に
は、該乗降口6の幅とほぼ等しい幅(スロープ板11の
幅より若干大きい幅)を有する蓋16が設けられてい
る。この蓋16は反プラットホーム側が枢支されて揺動
自在とされており、スロープ板11が前記「収納位置」
にあるときは、この蓋16の下方に収容されるようにな
っている。蓋16の乗降口6の幅方向両端には、揺動自
在な小蓋17が取り付けられている。
【0074】前記進退駆動手段12は、駆動モータ18
とローラチェーン19(図13)とからなる。乗降口6
の床面7の下方には、その軸線方向を乗降口6の幅方向
と平行とした軸15が支持されて、この軸15が前記駆
動モータ18により駆動される。軸15の両端にはスプ
ロケット20が取り付けられ、それぞれのスプロケット
20にローラチェーン19が巻きかけられている。この
一対のローラチェーン19・19にスロープ板11の反
プラットホーム側の端部が連結されている。この構成
で、駆動モータ18によりローラチェーン19が図14
に示す矢印方向に駆動されると、スロープ板11が図1
3・図14に示す「進出位置」となる。ローラチェーン
19を矢印方向と反対方向に駆動すると、スロープ板1
1が床面7下(蓋16下方)の「収納位置」となる。
【0075】リンク機構13は図14に示すように、第
1リンク21と、第2リンク22と、中間リンク23と
からなる。第1リンク21の一端はローラチェーン19
に、他端は第2リンク22の一端に、回動自在に連結さ
れている。第2リンク22の他端はスロープ板11に回
動自在に連結されている。中間リンク23は、第1リン
ク21の中途部に回動自在に連結されるとともに、第2
リンク22の途中に回動自在かつスライド自在に連結さ
れている。このリンク機構13は、第1リンク21と第
2リンク22とが山折り又は谷折りに変形できるように
なっている。
【0076】傾斜板14は図14に示すように、プラッ
トホーム側に向けて緩やかに立ち上がる傾斜面141
と、この傾斜面141の端部に連続する水平面142と
を有している。
【0077】この傾斜板14の作用とあいまって、前記
リンク機構13はスロープ板11の進出動作の際、以下
に説明する動作を行う。図15(a)にはスロープ板1
1が「収納位置」にある状態が示される。この状態から
前記駆動モータ18によりチェーン19を図15(a)
の矢印方向へ駆動させると、チェーン19に連結される
リンク機構13が、第1リンク21と第2リンク22と
が一直線の状態のままでスロープ板11の反プラットホ
ーム側の端部を押動して、スロープ板11をプラットホ
ーム側へ移動させる。そして、スロープ板11のプラッ
トホーム側の端部が前記傾斜板14の傾斜面141に乗
り上げ、前記蓋16を少量持ち上げながら水平面142
上に乗る。この図15(b)のときにスロープ板11が
位置する高さは、乗降口6の開閉扉の案内のためのレー
ル9や、該開閉扉の振れ止め10よりも高い高さとな
る。従って、スロープ板11は進出動作の際、レール9
や振れ止め10を乗り越えることができる。
【0078】スロープ板11の重心が傾斜板14(即
ち、乗降口6)を越えると、図15(c)に示すよう
に、スロープ板11のプラットホーム側が自重で降下す
る。これに応じて第2リンク22が立ち上がり、スロー
プ板11の反プラットホーム側の端部が小蓋17を押し
上げる。なお、このときは、前記蓋16は自重で閉じら
れている。更にスロープ板11が進出して、図16
(a)のように第1リンク21が傾斜板14の傾斜面1
41に乗り上げると、第2リンク22が倒れ、更にスロ
ープ板11が押し出される(図16(b))。スロープ
板11の反プラットホーム側の端部が乗降口6のレール
9を越えるとほぼ同時に、図16(c)に示すように、
第1リンク21が傾斜板14の傾斜面141に当たって
押されて上向き姿勢になり、第1リンク21・第2リン
ク22がレール9を跨ぐような状態となって、スロープ
板11の反プラットホーム側の端部を、乗降口6の上
の、レール9よりもプラットホーム側の部分に位置させ
る。これによりスロープ板11を安定させるとともに、
レール9よりも一段低くなっているプラットホーム側の
端部にスロープ板11の端部を位置させることで、無用
な段差が形成されないようになっている。この図16
(c)の状態が「進出位置」である。なお、乗降口6に
おいて、レール9よりもプラットホーム側の部分におい
ては、乗降口6の幅方向中央の床面上に開閉扉の振れ止
め10が凸設されているが、図13に示すように、スロ
ープ板11の反プラットホーム側の端部にはこの振れ止
め10に対応して凹部11aが欠成されているために、
前記「進出位置」においてスロープ板11が振れ止め1
0上に乗り上げないようになっている。
【0079】以上に示すように、前記リンク機構13と
傾斜板14は、スロープ板11の「収納位置」から「進
出位置」への初期段階で、スロープ板11のプラットホ
ーム側の端部が乗降口6を乗り越えるように、スロープ
板11のプラットホーム側の端部を持ち上げる先端持上
手段と、「収納位置」から「進出位置」への初期から終
期の段階で、スロープ板11のプラットホーム側の端部
が持ち上がった状態を維持した後、その端部を下げる先
端位置制御手段と、「収納位置」から「進出位置」への
終期段階で、スロープ板11の反プラットホーム側の端
部を乗降口6の上の位置で保持する後端保持手段と、を
構成している。
【0080】この機能により、スロープ板11の先端
は、床面7の下の「収納位置」から起き上がるように進
出し、乗降口6のレール9や振れ止め10を乗り越え、
しかも、スロープ板11のプラットホーム側の端部が上
がった傾斜姿勢のまま進出し、ある程度進出すると、ス
ロープ板11の先端が下向きになって、プラットホーム
8の高さの大小にかかわらず、そのプラットホームと乗
降口とに跨る「進出位置」でセットされる。この「進出
位置」では、スロープ板11の反プラットホーム側の端
部は乗降口6の上に載って、安定した姿勢が保持され
る。また、スロープ板11が「進出位置」にある図16
(c)の状態では、蓋16が閉まっており、小蓋17が
開いているだけであるため、車椅子の乗降に支障がな
い。また、スロープ板11が「収納位置」にある図15
(a)の状態では、スロープ板11がリンク機構13を
含めて床面7の下に格納された状態になる。
【0081】〔第3実施形態〕図17は、本発明の第3
実施形態の車椅子乗降装置であって、スロープ板が進出
位置にある斜視図であり、図18は、スロープ板の進出
位置の側面図である。図19及び図20は、スロープ板
が収納位置から進出位置に向かう状態を示す作動図であ
る。
【0082】図17及び図18において、車椅子乗降装
置3は、乗降口6の床面7以下の「収納位置」と乗降口
とプラットホームとに跨る「進出位置」との間で移動可
能なスロープ板31と、このスロープ板31を「収納位
置」と「進出位置」との間で進退させる進退駆動手段3
2と、このスロープ板31の反プラットホーム側の端部
を上昇位置又は下降位置に切換可能に前記進退駆動手段
に接続するレバー機構33と、乗降口6の上に設けら
れ、スロープ板31の姿勢を上げるガイド手段34と、
スロープ板31のプラットホーム側の端部を乗り上げさ
せることで床面から持ち上げる傾斜板35と、を備えて
なる。
【0083】スロープ板31は、床面7の乗降口6側に
設けられた、揺動自在な蓋36の下に収容可能である。
スロープ板31の進退駆動手段32は、駆動モータ38
とローラチェーン39とからなる。駆動モータ38の出
力軸に大スプロケット381が取り付けられ、この大ス
プロケット381により駆動される小スプロケット39
1に、ローラチェーン39が巻きかけられている。この
ローラチェーン39に、スロープ板31の反プラットホ
ーム側の端部が、レバー機構33を介して連結されてい
る。この構成で、ローラチェーン39が図18に示す矢
印方向に駆動されると、スロープ板31が図17・図1
8のように「進出位置」となる。ローラチェーン39を
矢印方向と反対方向に駆動すると、スロープ板31が図
示の位置から床面7下の「収納位置」となる。
【0084】レバー機構33は、スロープ板31の反プ
ラットホーム側の端部とローラチェーン39とに回動自
在に連結されたレバーで構成されている。ガイド手段3
4は、乗降口6の幅方向の両側に遊転自在に設けられた
ガイドローラ34で構成されている。傾斜板35は、乗
降口6の幅方向の両側の床面7上に設けられ、プラット
ホーム側へ向けて立ち上がる傾斜面351を有してい
る。
【0085】レバー機構33は、ガイドローラ34と傾
斜板35との関係で、スロープ板31の進出動作の際に
以下の動作を行う。スロープ板31の「収納位置」が図
19(a)に示され、この状態からローラチェーン39
を矢印方向に駆動すると、該チェーン39に連結された
レバーが水平な姿勢を保ったままスロープ板31の反プ
ラットホーム側の端部を押動して、スロープ板31をプ
ラットホーム8側へ移動させる。スロープ板31が移動
するに伴い、図19(b)に示すように、そのプラット
ホーム側の端部は、傾斜板35の傾斜面351へ乗り上
げる。従って、スロープ板31は乗降口6の上で斜め上
向き姿勢になる。なお、このとき、蓋36はスロープ板
31によって持ち上げられる。前記スロープ板31のプ
ラットホーム側の端部は、傾斜板35の傾斜面351を
乗り越えた後、図19(c)に示すようにガイドローラ
34上に乗る。スロープ板31の進出に伴ってガイドロ
ーラ34は接触しながら回転し、進出動作の際の摩擦を
低減している。なお、このとき、レバー33は水平な姿
勢を維持して、突っ張った状態でスロープ板31を押し
ている。また、図19(c)や図20(a)に示すよう
に、蓋36は、スロープ板31の先端が持ち上がって乗
降口6を越えるまで、持ち上げられた状態とされてい
る。
【0086】進出するスロープ板31の重心がガイドロ
ーラ34よりプラットホーム側に来ると、スロープ板3
1のプラットホーム側の端部が自重で下がろうとし、そ
れに対応してレバー33が図20(b)のように起き上
がる。スロープ板31は更に押し出されるが、図20
(c)のようにその反プラットホーム側の端部がガイド
ローラ34の部分に至ると、スロープ板31とレバー3
3との連結部の箇所が山折り状に折れ曲がって、スロー
プ板31のプラットホーム側の端部が下降して、プラッ
トホーム8上に乗る。この図20(c)の状態が「進出
位置」である。
【0087】このように、レバー機構33とガイドロー
ラ(ガイド手段)34と傾斜板35は、スロープ板31
の「収納位置」から「進出位置」への初期段階で、スロ
ープ板31のプラットホーム側の端部が乗降口6を乗り
越えるように、スロープ板31のプラットホーム側の端
部を持ち上げる先端持ち上げ手段と、「収納位置」から
「進出位置」への初期から終期の段階で、スロープ板3
1のプラットホーム側の端部が持ち上がった状態を維持
した後、プラットホーム側の端部を下げる先端位置制御
手段と、「収納位置」から「進出位置」への終期段階
で、スロープ板31の反プラットホーム側の端部を乗降
口6の上の位置で保持する後端保持手段と、を構成して
いる。
【0088】この機能により、スロープ板31のプラッ
トホーム側の端部は、床面7の下の「収納位置」から起
き上がるように進出し、乗降口6のレール9や振れ止め
10を乗り越え、しかも、スロープ板31のプラットホ
ーム側の端部が上がった姿勢のまま進出し、進出の最終
段階になって、スロープ板31のプラットホーム側の端
部が下降してプラットホーム8に乗る結果、プラットホ
ーム8の高さの大小にかかわらず、プラットホームと乗
降口とに跨る「進出位置」にセットされる。また、この
「進出位置」においては、スロープ板31の反プラット
ホーム側の端部がガイドローラ34の上に載って、安定
した姿勢を保持する。また、スロープ板31が「進出位
置」にある図18あるいは図20(c)の状態では、蓋
36がスロープ板31の端に乗ったままであるため、車
椅子の乗降に段差がなく、乗降口6のレール9や振れ止
め10は隠れたままである。スロープ板31が「収納位
置」にある図19(a)の状態では、スロープ板31が
レバー機構33を含めて床面7の下に格納された状態に
なる。
【0089】〔第4実施形態〕図21は、本発明の第4
実施形態の車椅子乗降装置であって、スロープ板が進出
位置にある斜視図であり、図22は、スロープ板の進出
位置の側面図である。図23は、駆動手段の詳細を示す
正面図であり、図24及び図25は、スロープ板が収納
位置から進出位置に向かう状態を示す作動図である。
【0090】図21及び図22において、車椅子乗降装
置4は、乗降口6の床面7以下の「収納位置」と乗降口
からプラットホーム8に至る「進出位置」との間で移動
可能なスロープ板51と、このスロープ板51を「収納
位置」と「進出位置」との間で進退させる進退駆動手段
52と、このスロープ板51のサイドを案内し、反プラ
ットホーム側の端部が床面7に対して揺動自在に支持さ
れたガイド手段53と、を備えている。更にはこの車椅
子乗降装置4は、スロープ板51に設けられたカム54
と、このカム54を作動させるローラ55とからなるカ
ム機構56と、を備えている。
【0091】スロープ板51は、「収納位置」ではその
上面が露出されて、車両の床面7の一部分としての役割
を果たす。スロープ板51の乗降口の幅方向の両端縁
は、ガイド手段53のサイドガイド531(図22)に
よって案内されている。図22に示すように、スロープ
板51の反プラットホーム側の端部には、スロープ補助
板511が揺動自在に取り付けられている。
【0092】図22・図23に示すように、進退駆動手
段52は、駆動モータ58と、2列のベルト駆動系5
9,60と、繰出ローラ61と、を備えてなる。繰出ロ
ーラ61は、乗降口6の幅方向の両端に配置され、両ロ
ーラ61は連結軸611で連結されて一体的に回転す
る。連結軸611は、ガイド手段53のサイドガイド5
31の側面に軸支されている。スロープ板51は、サイ
ドガイド531の上面と繰出ローラ61とに挟持された
状態で保持されている。
【0093】図22に示すように、ガイド手段53は、
後端がピン532で車体に対して揺動自在に支持された
サイドガイド531を有している。また、サイドガイド
531の先端には、進退駆動手段52を構成する繰出ロ
ーラ61を上下動可能に支持している。この構成で、サ
イドガイド531の先端が上下動しても、第1ベルト駆
動系59が駆動モータ58のまわりで上下動するため、
駆動モータ58からの動力伝達に支障がない。
【0094】カム機構56は図24(a)に示すよう
に、スロープ板51の下面に取り付けられたカム54
と、車体側に遊転可能に支持されるローラ55とからな
る。カム54は、下方に向けて緩やかに突出する第1斜
面541と、第1斜面541に連続する平行部542
と、平行部542に連続しその下方への突出量を徐々に
減少させる第2斜面543とを有する。スロープ板51
の進出とともに、ローラ55に対して乗り上げるカム5
4の部分が第1斜面541→平行部542→第2斜面5
43と変わることで、サイドガイド531で支持された
スロープ板51の姿勢が変更される。
【0095】以上の構成で、カム機構56は、以下に説
明する動作を行う。図24(a)には、スロープ板51
が「収納位置」にある様子が示され、このとき、スロー
プ板51の上面の高さは床面7の高さと一致している。
この状態から駆動モータ58が駆動して繰出ローラ61
を回転させることにより、スロープ板51がプラットホ
ーム側へ向けて繰り出される。その後は図24(b)に
示すように、スロープ板31下面に形成されたカム54
の第1斜面541が、ローラ55上に乗り上げて、スロ
ープ板51のプラットホーム側の端部が持ち上げられ
る。なお、このとき、スロープ板51を案内するサイド
ガイド531が、前記ピン532まわりに上方に回動す
る。このように、スロープ板51のプラットホーム側の
端部側が持ち上げられるために、進出するスロープ板5
1がレール9や振れ止め10を乗り越えることができ
る。
【0096】スロープ板51が更に進出すると、図24
(c)に示すように、カム54の平行部542がローラ
55上に乗った状態となるので、スロープ板51は、そ
のプラットホーム側の端部が持ち上がった状態を維持し
ながら、進出を続ける。図25(a)に示すようにスロ
ープ板51が更に進出すると、カム54の第2斜面54
3がローラ55に乗るので、スロープ板51を案内する
サイドガイド531の上方回動の程度が弱まり、従っ
て、スロープ板51のプラットホーム側の端部がやや下
がることになる。しかしながら、スロープ板51は、乗
降口6の高さよりは依然として若干高い高さを保って、
進出が続けられる。
【0097】図25(c)に示す位置までスロープ板5
1が進出すると、スロープ板51の反プラットホーム側
の端部が繰出ローラ61の部分に位置し、かつ、スロー
プ板51はサイドガイド531による規制から開放され
るので、スロープ板51のプラットホーム側の端部が下
降し、プラットホーム8に乗って、スロープ板51のカ
ム54が乗降口6のレール9に乗る状態になる。このと
き、スロープ板51の反プラットホーム側の端部に枢支
されるスロープ補助板511は、図25(c)に示すよ
うに、その反プラットホーム側の端部が垂れ下がって下
板62上に乗り、下板62とスロープ板51とに連続す
る傾斜面を形成する。
【0098】このように、カム機構56は、スロープ板
51の「収納位置」から「進出位置」への初期段階で、
スロープ板51のプラットホーム側の端部が乗降口6を
乗り越えるように、スロープ板51のプラットホーム側
の端部を持ち上げる先端持ち上げ手段と、「収納位置」
から「進出位置」への初期から終期の段階で、スロープ
板51のプラットホーム側の端部が持ち上がった状態を
維持した後、プラットホーム側の端部を下げる先端位置
制御手段と、「収納位置」から「進出位置」への終期段
階で、スロープ板51の反プラットホーム側の端部を乗
降口6の上の位置で保持する後端保持手段とを構成して
いる。
【0099】この機能により、スロープ板51の先端
は、床面7の下の「収納位置」から起き上がるように進
出し、乗降口6のレール9や振れ止め10を乗り越え、
しかも、スロープ板51のプラットホーム側の端部が上
がった姿勢のまま進出し、進出の最終段階になって、ス
ロープ板51のプラットホーム側の端部が下降してプラ
ットホーム8上に乗り、このプラットホームの高さの大
小に係わらず、「進出位置」へ適切にセットされる。更
に、この「進出位置」では、スロープ板51の反プラッ
トホーム側の端部がレール9の上に載って、安定した姿
勢を保持する。また、スロープ板51の「進出位置」
(図22の状態)では、下板62が露出し、スロープ板
51のスロープ補助板511と下板62が連続し、車椅
子の乗降に支障がなく、乗降口6のレール9や振れ止め
10は隠れたままである。更には、スロープ板51が
「収納位置」とされた図24(a)の状態では、スロー
プ板51がカム機構56を含めて床面7の下に格納され
た状態になる。
【0100】〔第5実施形態〕図26は、本発明の第5
実施形態の車椅子乗降装置であって、スロープ板が進出
位置にある斜視図であり、図27は、スロープ板の収納
位置の側面図である。図28乃至図30は、スロープ板
が収納位置から進出位置に向かう状態を示す作動図であ
る。
【0101】図26及び図27において、車椅子乗降装
置5は、乗降口6の床面7以下の「収納位置」と乗降口
6からプラットホーム8に至る「進出位置」との間で移
動可能なスロープ板71と、スロープ板71をアーム7
9の端に揺動自在に保持するとともに、このアーム79
を回動させることにより、スロープ板71を「収納位
置」と「進出位置」との間で進退させる進退駆動手段7
2と、乗降口6の上に設けられ、スロープ板71の姿勢
を上げるガイド手段73と、ガイド手段73で案内され
るスロープ板71に係合し、そのプラットホーム側の端
部を持ち上げる回動自在なレバー74と、スロープ板7
1の反プラットホーム側の端部が乗降口6に至ると、ス
ロープ板71の反プラットホーム側の端部をガイド手段
73の上に乗るとともに、スロープ板71の姿勢を下向
きに変える引掛け部75と、を備えてなる。
【0102】スロープ板71を「収納位置」とした状態
が図27に示され、この図に示すように、「収納位置」
におけるスロープ板71の上面の高さは床面7の高さと
一致するように構成され、この「収納位置」ではスロー
プ板71は床面7の一部を形成する。スロープ板71の
重心位置に相当する部分の両側が、進退駆動手段72に
対し、揺動自在に連結されている。スロープ板71の反
プラットホーム側の端部には、薄板状のスロープ補助板
711が、接続部712を介して回動自在に連結されて
いる。
【0103】図26において、進退駆動手段72は、ロ
ータリーアクチュエータ78と、一端がロータリーアク
チュエータ78の出力軸に連結され、他端がスロープ板
71を揺動可能に支持するアーム79と、このアーム7
9の途中に設けられた伸縮アーム80と、を備えてな
る。アーム79は乗降口6の幅方向両側の手すり兼用と
され、スロープ板71が「収納位置」にあるときは、図
27に示すようにアーム79は垂直下向きになってい
る。伸縮アーム80は、図示されないバネ及びダンパー
をその内部に備えている。このバネはスロープ板71の
重量よりも若干弱い引張りバネであって、スロープ板7
1の持上げ時には伸びるようになっている。また、ダン
パーは、バネが伸びるときにタイムラグを持たせるため
のものである。
【0104】図27において、前記ガイド手段73は、
乗降口6の真下であって、乗降扉のレール9より反プラ
ットホーム側のすぐ近くの床面7に露出するように設け
られている、断面が台形の板部材であり、傾斜面731
と、水平面732と、後述するレバー74の先端に対す
る係合溝733とを有する。
【0105】図27において、レバー74は、スロープ
板71の下側であって、スロープ板71の重心より若干
前の位置に、軸741を中心にして回動自在に取り付け
られている。レバー74には付勢バネ742が取り付け
られ、これによりレバー74は、常時その先端がガイド
手段73に向かう姿勢となっている。
【0106】図27において、引掛け部75は、スロー
プ板71の下側であって、スロープ板71の反プラット
ホーム側の端部(スロープ補助板711の部分)に固定
されている。引掛け部75の先端はガイド手段73に向
かう姿勢となっている。
【0107】以上のガイド手段73、レバー74及び引
掛け部75は、スロープ板71の進退時に以下の動作を
行う。図27の「収納位置」からスロープ板71を進出
させるためにロータリーアクチュエータ78が図27の
時計回り方向に回転すると、アーム79が揺動し、スロ
ープ板71のプラットホーム側の端部が、ガイド手段7
3の傾斜面731に突き当たって乗り上げる。これによ
ってスロープ板71のプラットホーム側の端部が持ち上
げられて、該スロープ板71が乗降口6のレール9や振
れ止め10の上方を越える形で進出する。
【0108】スロープ板71の進出が進むと、図28に
示すように、レバー74の先端がガイド手段73の係合
溝733に突き当たり、レバー74が、軸741を中心
にし、付勢バネ742に抗して反時計まわりに回転して
起立する。その結果、スロープ板71のプラットホーム
側の端部が、図28の→→というようにせり上が
る。これにより、プラットホーム8との段差が少ない場
合でも、スロープ板71はプラットホーム8に突き当た
ることなく進出することができ、また、レール9や振れ
止め10を乗り越えることができる。
【0109】スロープ板71の進出が更に進むと、図2
9に示すように、レバー74がガイド手段73の係合溝
733から外れ、付勢バネ742により元の姿勢に戻
る。スロープ板71はガイド手段73の水平面732上
に乗って、水平姿勢となる。
【0110】スロープ板71の進出が更に進むと、図3
0のように、スロープ板71の先端が自重で下がるとと
もに、スロープ板71のスロープ補助板711がガイド
手段73の水平面732の上に載り、引掛け部75がガ
イド手段73の係合溝733に引っ掛けられ、スロープ
補助板711がガイド手段73の水平面732に乗った
「進出状態」になる。
【0111】このように、ガイド手段73、レバー74
及び引掛け部75は、スロープ板71の「収納位置」か
ら「進出位置」への初期段階で、スロープ板71のプラ
ットホーム側の端部が乗降口6を乗り越えるように、ス
ロープ板71のプラットホーム側の端部を持ち上げる先
端持ち上げ手段と、「収納位置」から「進出位置」への
初期から終期の段階で、スロープ板71のプラットホー
ム側の端部が持ち上がった状態を維持した後、プラット
ホーム側の端部を下げる先端位置制御手段と、「収納位
置」から「進出位置」への終期段階で、スロープ板71
の反プラットホーム側の端部を乗降口6の上の位置で保
持する後端保持手段とを構成している。
【0112】この機能により、スロープ板71の先端
は、床面7の下の「収納位置」から起き上がるように進
出し、乗降口6のレール9や振れ止め10を乗り越え、
しかも、スロープ板71のプラットホーム側の端部が上
がった姿勢のまま進出し、進出の最終段階になって、ス
ロープ板71のプラットホーム側の端部が下向きになっ
て、プラットホーム8の高さの大小にかかわらず適切な
「進出位置」でセットされる。更に、この「進出位置」
では、スロープ板71のスロープ補助板711がレール
9及びガイド手段73の水平面732の上に載って、安
定した姿勢を保持する。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜13の
発明によると、鉄道車両の乗降口を開閉する乗降扉を案
内するレール等が乗降口に設けられていても、スロープ
板のプラットホーム側の端部が該レール等とぶつかって
干渉することなく、乗り越えあるいは飛び越えることが
できる。また、車両がプラットホーム側に傾斜していた
としても、スロープ板はプラットホームに突き当たるこ
となく進出することができる。更には、乗降口とプラッ
トホームとの高低差が様々に異なる場合でも、スロープ
板を適切に「収納位置」とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車椅子乗降装置であっ
て、スロープ板が「収納位置」にある様子を示した、車
両内部側からみた斜視図。
【図2】同じく乗降口側方から見た図。
【図3】持上シリンダの構成を示した要部拡大図。
【図4】スロープ板をスイングアームの先端に支持する
構成を示した要部拡大図。
【図5】カムの輪郭線を示した拡大図。
【図6】スロープ板の進出動作の初期段階で、スロープ
板が「収納位置」から上昇する様子を示した図。
【図7】図6の上昇した状態から、スロープ板がプラッ
トホーム側に移動し、その姿勢が変更される様子を示し
た図。
【図8】図7の状態からスロープ板が更にプラットホー
ム側に移動する様子を示した図。
【図9】図8の状態からスロープ板が下降し、「進出位
置」へ至る様子を示した図。
【図10】図6〜図9のスロープ板の進出動作におい
て、カムに対するローラの相対位置を示した拡大図。
【図11】スロープ板の収納動作において、上昇したス
ロープ板が車両内部に引き込まれる様子を示した図。
【図12】スロープ板の収納動作において、カムに対す
るローラの相対位置を示した拡大図。
【図13】本発明の第2実施形態の車椅子乗降装置であ
って、スロープ板が「進出位置」にある様子を示した斜
視図。
【図14】同じく側面図。
【図15】スロープ板が「収納位置」から「進出位置」
に移行する様子を示す作動図。
【図16】図15に続いてスロープ板が「収納位置」か
ら「進出位置」に移行する様子を示す作動図。
【図17】本発明の第3実施形態の車椅子乗降装置であ
って、スロープ板が「進出位置」にある様子を示した斜
視図。
【図18】同じく側面図。
【図19】スロープ板が「収納位置」から「進出位置」
に移行する様子を示す作動図。
【図20】図19に続いてスロープ板が「収納位置」か
ら「進出位置」に移行する様子を示す作動図。
【図21】本発明の第4実施形態の車椅子乗降装置であ
って、スロープ板が「進出位置」にある様子を示した斜
視図。
【図22】同じく側面図。
【図23】駆動手段の詳細を示す、プラットホーム側か
ら見た図である。
【図24】スロープ板が「収納位置」から「進出位置」
に移行する様子を示す作動図。
【図25】図24に続いてスロープ板が「収納位置」か
ら「進出位置」に移行する様子を示す作動図。
【図26】本発明の第5実施形態の車椅子乗降装置であ
って、スロープ板が「進出位置」にある様子を示した斜
視図。
【図27】同じく側面図。
【図28】スロープ板が「収納位置」から「進出位置」
に移行する様子を示す作動図。
【図29】図28に続いて、スロープ板が「収納位置」
から「進出位置」に移行する様子を示す作動図。
【図30】図29に続いて、スロープ板が「収納位置」
から「進出位置」に移行する様子を示す作動図。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 車椅子乗降装置 6 乗降口 7 床面 9 乗降扉の案内レール 10 振れ止め 111 スロープ板 112 回動シリンダ(進退駆動手段) 168 持上シリンダ(持上手段) 180 カム機構
フロントページの続き (72)発明者 小路 陽一 兵庫県神戸市西区高塚台7丁目3番3号 株式会社ナブコ総合技術センター内 (72)発明者 玉森 秀男 兵庫県神戸市西区高塚台7丁目3番3号 株式会社ナブコ総合技術センター内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両の乗降口に設けられる車椅子乗
    降装置であって、 乗降口内側の「収納位置」と、乗降口とプラットホーム
    とに跨る「進出位置」と、の間で移動可能なスロープ板
    と、 このスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」
    との間で進退させる進退駆動手段と、 前記「収納位置」から前記「進出位置」へ移行する動作
    の際に、スロープ板のプラットホーム側の端部が車両の
    乗降口から外側へ突出する前の段階で、前記スロープ板
    の少なくとも該プラットホーム側の端部を乗降口の高さ
    よりも高い位置とする、持上手段と、 前記「収納位置」から前記「進出位置」へ移行する動作
    の際に、スロープ板のプラットホーム側の端部が車両の
    乗降口から外側へ突出した後の段階で、前記スロープ板
    のプラットホーム側の端部を下降させる、姿勢制御手段
    と、 を備えてなる、鉄道車両用車椅子乗降装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鉄道車両用車椅子乗降
    装置であって、 前記持上手段は、前記「進出位置」から前記「収納位
    置」へ移行する動作の際に、前記スロープ板の反プラッ
    トホーム側の端部が車両の乗降口から内側へ突出する前
    の段階で、前記スロープ板の反プラットホーム側の端部
    を乗降口の高さよりも高い位置とすることを特徴とす
    る、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の鉄道車
    両用車椅子乗降装置であって、 前記持上手段は、前記スロープ板の全体を上昇させるこ
    とを特徴とする、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか一
    項に記載の鉄道車両用車椅子乗降装置であって、 乗降口の両脇に位置する車両内側の側壁に伸縮自在のア
    ームの基端を枢支して、このアームの先端に前記スロー
    プ板を支持し、 前記進退駆動手段は前記アームを回動駆動するように構
    成し、 前記持上手段は該アームを縮退駆動するように構成した
    ことを特徴とする、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の鉄道車両用車椅子乗降
    装置であって、 前記スロープ板は、その反プラットホーム側の端部を乗
    降口に乗せた状態で前記アームを伸張することにより、
    該スロープ板のプラットホーム側の端部を下降させて前
    記「進出位置」とすることを特徴とする、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の鉄道車両用車椅子乗降
    装置であって、 前記スロープ板は、該スロープ板の姿勢を弾性的に保持
    するカム機構を介して、前記アームに支持されているこ
    とを特徴とする、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  7. 【請求項7】 鉄道車両の乗降口に設けられる車椅子乗
    降装置であって、 乗降口内側の床面以下の「収納位置」と、乗降口とプラ
    ットホームとに跨る「進出位置」と、の間で移動可能な
    スロープ板と、 このスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」
    との間で進退させる進退駆動手段と、 前記「収納位置」から前記「進出位置」への初期段階
    で、前記スロープ板のプラットホーム側の端部が前記乗
    降口を乗り越えるように、前記スロープ板のプラットホ
    ーム側の端部を持ち上げる先端持上手段と、 前記「収納位置」から前記「進出位置」への初期から終
    期の段階で、前記スロープ板のプラットホーム側の端部
    が持ち上がった状態を維持した後、プラットホーム側の
    端部を下げる先端位置制御手段と、 前記「収納位置」から前記「進出位置」への終期段階
    で、前記スロープ板の反プラットホーム側の端部を前記
    乗降口上の位置で保持する後端保持手段と、 を備えてなる、鉄道車両用車椅子乗降装置。
  8. 【請求項8】 鉄道車両の乗降口に設けられる車椅子乗
    降装置であって、 乗降口内側の床面以下の「収納位置」と、乗降口とプラ
    ットホームとに跨る「進出位置」と、の間で移動可能な
    スロープ板と、 このスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」
    との間で進退させる進退駆動手段と、 このスロープ板の反プラットホーム側の端部を上昇位置
    又は下降位置に切換可能に前記進退駆動手段に接続する
    リンク機構と、 前記スロープ板のプラットホーム側の端部に係合し、プ
    ラットホーム側の端部を床面から持ち上げる傾斜板と、
    を備え、 前記リンク機構は、前記スロープ板の前記「収納位置」
    からの進出に応じて、当該スロープ板のプラットホーム
    側の端部が前記傾斜板に当たると、前記スロープ板を乗
    降口上の略水平姿勢とし、前記スロープ板の重心が乗降
    口を越えると、スロープ板の自重でプラットホーム側の
    端部が下がり、前記スロープ板の反プラットホーム側の
    端部が乗降口に至ると、この反プラットホーム側の端部
    を乗降口上に乗せるように屈曲するように構成されてい
    る、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  9. 【請求項9】 鉄道車両の乗降口に設けられる車椅子乗
    降装置であって、 乗降口の床面以下の「収納位置」と、乗降口とプラット
    ホームとに跨る「進出位置」と、の間で移動可能なスロ
    ープ板と、 このスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」
    との間で進退させる進退駆動手段と、 このスロープ板の反プラットホーム側の端部を上昇位置
    又は下降位置に切換可能に前記進退駆動手段に接続する
    レバー機構と、 前記乗降口の上に設けられ、前記スロープ板の姿勢を上
    げるガイド手段と、 前記スロープ板のプラットホーム側の端部を乗り上げさ
    せて床面から持ち上げ、前記ガイド手段に受け渡す傾斜
    板と、を備え、 前記レバー機構は、前記スロープ板の前記「収納位置」
    からの進出に応じて、当該スロープ板のプラットホーム
    側の端部が前記傾斜板に当たると、前記スロープ板を乗
    降口上で斜め上向き姿勢とし、前記スロープ板のプラッ
    トホーム側の端部が前記ガイド手段でガイドされ、前記
    スロープ板の反プラットホーム側の端部が乗降口に至る
    まで、前記スロープ板の斜め上向き姿勢を保ち、前記ス
    ロープ板の反プラットホーム側の端部が乗降口に至る
    と、前記スロープ板の反プラットホーム側の端部が前記
    案内手段の上に乗るとともに、前記スロープ板の姿勢を
    下向きに変えるように設けられている、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載の鉄道車
    両用車椅子乗降装置であって、 前記スロープ板は、乗降口内側の揺動自在な床面下に収
    容されていることを特徴とする、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  11. 【請求項11】 鉄道車両の乗降口に設けられる車椅子
    乗降装置であって、 乗降口の床面以下の「収納位置」と、乗降口とプラット
    ホームとに跨る「進出位置」と、の間で移動可能なスロ
    ープ板と、 このスロープ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」
    との間で進退させる進退駆動手段と、 このスロープ板のサイドを案内し、反プラットホーム側
    の端部が床面に対して揺動自在に支持されたガイド手段
    と、 前記スロープ板に設けられたカムと、このカムを作動さ
    せるローラとからなるカム機構と、を備え、 前記カム機構は、前記スロープ板の前記「収納位置」か
    らの進出当初には、前記ガイド手段と共に前記スロープ
    板のプラットホーム側の端部を持ち上げる状態と、該持
    ち上げた状態を前記スロープ板の進出途中まで保つ状態
    と、前記スロープ板の進出途中から前記ガイド手段と共
    に前記スロープ板を下げて、前記スロープ板が乗降口に
    乗る状態と、に変換可能であり、 前記ガイド手段は、前記スロープ板が進出状態の終期に
    なると、前記スロープ板のプラットホーム側の端部がプ
    ラットホームに向けて下降可能に案内するものである、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
  12. 【請求項12】 鉄道車両の乗降口に設けられる車椅子
    乗降装置であって、 乗降口の床面以下の「収納位置」と、乗降口とプラット
    ホームとに跨る「進出位置」と、の間で移動可能なスロ
    ープ板と、 このスロープ板をアームの端に揺動自在に保持するとと
    もに、このアームを回動させることにより、前記スロー
    プ板を前記「収納位置」と前記「進出位置」との間で進
    退させる進退駆動手段と、 前記乗降口の上に設けられ、前記スロープ板の姿勢を上
    げるガイド手段と、 前記ガイド手段で案内されるスロープ板に係合し、プラ
    ットホーム側の端部を持ち上げる回動自在なレバーと、 前記スロープ板の反プラットホーム側の端部が乗降口に
    至ると、前記スロープ板の反プラットホーム側の端部を
    前記ガイド手段の上に乗るとともに、前記スロープ板の
    姿勢を下向きに変える引掛け部と、 を備える、鉄道車両用車椅子乗降装置。
  13. 【請求項13】 請求項11又は請求項12に記載の鉄
    道車両用車椅子乗降装置であって、前記スロープ板は移
    動自在な床面で形成されていることを特徴とする、 鉄道車両用車椅子乗降装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009227205A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Autech Japan Inc 車両用手摺り

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JP2009227205A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Autech Japan Inc 車両用手摺り

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