JP2002253297A - 微生物による光学活性体の製造法 - Google Patents

微生物による光学活性体の製造法

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JP2002253297A
JP2002253297A JP2001052056A JP2001052056A JP2002253297A JP 2002253297 A JP2002253297 A JP 2002253297A JP 2001052056 A JP2001052056 A JP 2001052056A JP 2001052056 A JP2001052056 A JP 2001052056A JP 2002253297 A JP2002253297 A JP 2002253297A
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JP2001052056A
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Naoki Tarui
直樹 樽井
Shigenori Ookawa
滋紀 大川
Mitsuru Kawada
満 川田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物による不斉加水分解により、睡眠障害
治療剤として有用なインダン誘導体の光学異性体を製造
するための合成中間体の製造法を提供する。 【解決手段】 式(I) 【化1】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、R
は水素原子または置換基を有していてもよいアシル
基、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸
素原子を含む複素環、B環は置換基を有していてもよい
ベンゼン環、nは1ないし4の整数をそれぞれ示す。〕
で表されるラセミ化合物またはその塩に、微生物の培養
物またはその処理物を接触させることを特徴とする式
(I)で表される化合物またはその塩の光学活性体の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物による光学
活性体の製造法、さらに詳しくは、インダン誘導体の光
学活性体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】インダン誘導体の光学活性体は医薬また
は医薬の合成原料として有用である。最近、その例とし
て優れたメラトニン受容体親和性を有する誘導体が見出
され、特許第2884153号明細書に種々の化合物が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの誘導体は1位
に不斉炭素を持つため、光学異性体を得るためには、B
INAP触媒を用いた合成法を用いる方法がある。しか
し、BINAP触媒を用いた方法は高圧下で行われるた
め、設備コストが高く、環境面での問題がある。そこ
で、より安全でかつ安価な光学分割法の確立が望まれて
いた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物酵
素の立体特異性を利用してインダン誘導体の光学分割を
検討したところ、微生物による不斉加水分解によって光
学活性体を効率的に得られることを見出し、さらに鋭意
努力した結果、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、式(I) (1)式(I)
【化3】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、R
は水素原子または置換基を有していてもよいアシル
基、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸
素原子を含む複素環、B環は置換基を有していてもよい
ベンゼン環、nは1ないし4の整数をそれぞれ示す。〕
で表されるラセミ化合物またはその塩に、微生物の培養
物またはその処理物を接触させることを特徴とする式
(I)で表される化合物またはその塩の光学活性体の製
造法、 (2)式(I’)
【化4】 〔式中、R2’は置換基を有していてもよいアシル基
を、その他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で
表されるラセミ化合物またはその塩に、微生物の培養物
またはその処理物を接触させることを特徴とする上記
(1)1記載の製造法; (3)微生物が化合物(I)を不斉加水分解する能力を
有する細菌である上記(1)記載の製造法; (4)細菌がバチルス属に属する微生物である上記
(3)記載の製造法; (5)バチルス属に属する微生物がバチルス・エスピー
SUI−12株である上記(4)記載の製造法; (6)細菌がコリネバクテリウム属に属する微生物であ
る上記(3)記載の製造法; (7)コリネバクテリウム属に属する微生物がコリネバ
クテリウム・アンモニアゲネスである上記(6)記載の
製造法; (8)コリネバクテリウム・アンモニアゲネスがコリネ
バクテリウム・アンモニアゲネスIFO 12612で
ある上記(7)記載の製造法; (9)mが2である上記(1)記載の製造法; (10)RがC1−6アルキル−カルボニルである上
記(1)記載の製造法;および (11)N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−
2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチ
ル]アセトアミドまたはその塩に、バチルス・エスピー
SUI−12株またはその処理物を接触させることを特
徴とする(R)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒ
ドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチル]アセトアミドと(S)−2−(1,6,7,
8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラ
ン−8−イル)エチルアミンまたはそれらの塩の製造法
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】化合物(I)は、式(Ia)
【化5】 〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される化
合物と、式(Ib)
【化6】 〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される化
合物との等量混合物(ラセミ体)であり、化合物(I
a)および化合物(Ib)はいずれも光学活性体であ
る。
【0006】本発明の製造法に従えば、化合物(Ia)
および化合物(Ib)を選択的に製造することが可能で
あるが、なかでも化合物(Ia)を製造することが望ま
しい。式(Ia)および(Ib)において、(S)はS
−絶対配置を、(R)はR−絶対配置を示す。
【0007】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」として
は、例えば、脂肪族炭化水素基、単環式飽和炭化水素基
および芳香族炭化水素基等が挙げられ、炭素数1ないし
16個のものが好ましい。具体的には、例えばアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基お
よびアリール基等が用いられる。「アルキル基」は、例
えば低級アルキル基等が好ましく、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等
のC1-6アルキル基等が汎用される。「アルケニル基」
は、例えば低級アルケニル基等が好ましく、例えばビニ
ル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニ
ルおよびイソブテニル等のC 2-6アルケニル基等が汎用
される。「アルキニル基」は、例えば低級アルキニル基
等が好ましく、例えばエチニル、プロパルギルおよび1
−プロピニル等のC2-6アルキニル基等が汎用される。
「シクロアルキル基」は、例えば低級シクロアルキル基
等が好ましく、例えばシクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチルおよびシクロヘキシル等のC3- 6シクロ
アルキル基等が汎用される。「アリール基」は、例えば
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル
および2−アンスリル等のC6-14アリール基等が好まし
く、例えばフェニル基等が汎用される。
【0008】「置換基を有していてもよい炭化水素基」
の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲ
ン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチ
ル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、
2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチ
ル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ペンチル、イ
ソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペ
ンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等
のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基等)、
低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基
等)、アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例え
ば、メチルアミノ、エチルアミノ等のモノ−C1-6アル
キルアミノ基等)、ジ−低級アルキルアミノ基(例え
ば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ−C1-6
ルキルアミノ基等)、カルボキシル基、低級アルキルカ
ルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル等のC
1-6アルキル−カルボニル基等)、低級アルコキシカル
ボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等
のC1-6アルコキシ−カルボニル基等)、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、モノ−低級アルキルカルバモ
イル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモ
イル等のモノ−C1-6アルキル−カルバモイル基等)、
ジ−低級アルキルカルバモイル基(例えば、ジメチルカ
ルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ−C1-6アル
キル−カルバモイル基等)、アリールカルバモイル基
(例えば、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイ
ル等のC6-10アリール−カルバモイル基等)、アリール
基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基
等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナ
フチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、ハロゲ
ン化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ基
(例えば、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミ
ノ等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カ
ルボニルアミノ基等)、オキソ基等が用いられる。該
「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素
基」は、上記の置換基を、炭化水素基の置換可能な位置
に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していても
よく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一また
は異なっていてもよい。
【0009】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例
えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子
から選ばれた1種または2種の1ないし4個(好ましく
は1ないし3個)のヘテロ原子を含む5ないし14員
(好ましくは5ないし10員)の(単環式ないし3環
式、好ましくは単環式または2環式)複素環基等が挙げ
られる。例えば2−または3−チエニル、2−または3
−フリル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−
または3−ピロリジニル、2−、4−または5−オキサ
ゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2
−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−
イソチアゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2
−、3−または4−ピラゾリジニル、2−、4−または
5−イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4
−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリル等の
炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から
選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基、例え
ば2−、3−または4−ピリジル、N−オキシド−2
−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−ピ
リミジニル、N−オキシド−2−、4−または5−ピリ
ミジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、ピペリジ
ノ、2−、3−または4−ピペリジル、チオピラニル、
1,4−オキサジニル、1,4−チアジニル、1,3−チ
アジニル、ピペラジニル、トリアジニル、3−または4
−ピリダジニル、ピラジニル、N−オキシド−3−また
は4−ピリダジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄
原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし
4個含む6員環基、例えばインドリル、ベンゾフリル、
ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダ
ゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キナ
ゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジ
ニル、1,8−ナフチリジニル、ジベンゾフラニル、カ
ルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロ
マニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭素
原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ば
れたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性
縮合環基(好ましくは、上記の5ないし6員環が炭素原
子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれ
るヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし
6員環基1ないし2個と縮合して形成される基)等が用
いられる。中でも、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子
および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個
含む5ないし7員(好ましくは5または6員)の複素環
基が好ましい。
【0010】該「置換基を有していてもよい複素環基」
の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例
えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6
ルキル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等のC3-6シクロアルキル基等)、低級アルキニル基
(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等の
2-6アルキニル基等)、低級アルケニル基(例えば、
ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテ
ニル等のC2-6アルケニル基等)、アラルキル基(例え
ばベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル等のC
7-11アラルキル基等)、アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル等のC6-10アリール基等、好ましくはフェ
ニル基等)、低級アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコ
キシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等
のC6-10アリールオキシ基等)、低級アルカノイル基
(例えば、ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニル基
等)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル基、ナ
フトイル基等のC6-10アリール−カルボニル基等)、低
級アルカノイルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ;ア
セチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、
イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオ
キシ基等)、アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベ
ンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール
−カルボニルオキシ基等)、カルボキシル基、低級アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカ
ルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキ
シ−カルボニル基等)、アラルキルオキシカルボニル
(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-11アラル
キルオキシカルボニル基等)、カルバモイル基、モノ
−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−低級アルキル基(例え
ば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ−、ジ−ま
たはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基等)、オキソ
基、アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モノ−低級アル
キルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、
プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等
のモノ−C 1-4アルキルアミノ基等)、ジ−低級アルキ
ルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチ
ルアミノ、メチルエチルアミノ等のジ−C1-4アルキル
アミノ基等)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原
子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を
1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミ
ノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジ
ニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ジ
ヒドロピリジル、ピリジル、N-メチルピペラジニル、N-
エチルピペラジニル等の3ないし6員の環状アミノ基
等)、アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキ
シ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基
等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト
基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、スルファモ
イル基、モノアルキルスルファモイル基(例えば、N-メ
チルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロ
ピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、
N-ブチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスル
ファモイル基等)、ジアルキルスルファモイル基(例え
ば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルフ
ァモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチ
ルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイ
ル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチ
オ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキ
ルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチ
オ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、低級
アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニ
ル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチ
ルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基
等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスル
フィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールス
ルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例え
ば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルス
ルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホ
ニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニル
スルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールス
ルホニル基等)等が用いられる。該「置換基を有してい
てもよい複素環基」の「複素環基」は、上記の置換基
を、複素環基の置換可能な位置に1ないし5個、好まし
くは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以
上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0011】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよいアミノ基」は、置換基として例えば上記
「置換基を有していてもよい炭化水素基」等を1または
2個有していてもよいアミノ基等が挙げられる。この
「アミノ基」が有していてもよい置換基の好ましいもの
としては、例えば置換基を有していてもよいC1-6アル
キル基、置換基を有していてもよいC6-10アリール基等
である。該「C1-6アルキル基」、「C6-10アリール
基」が有していてもよい置換基としては、上記「炭化水
素基」が有していてもよい置換基と同様のものが用いら
れる。
【0012】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル基」
は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル
等のC1-6アルキル基等を示し、置換基として、例えば
上記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1な
いし3個有していてもよい。
【0013】本明細書中で用いられる用語「置換基を有
していてもよい低級アルコキシ基」の「低級アルコキシ
基」は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ
およびtert−ブトキシ等のC1 -6アルコキシ基等を示
し、置換基として、例えば上記「炭化水素基」が有して
いてもよい置換基等を1ないし3個有していてもよい。
本明細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよ
いベンゼン環」としては、例えばハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基を有して
いてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミ
ノ基、アミド基(例えば、ホルムアミド、アセトアミド
等のC1-3アシルアミノ基等)、置換基を有していても
よい低級アルコキシ基、低級アルキレンジオキシ基(例
えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3
アルキレンジオキシ基等)等から選ばれる1ないし2個
の置換基を置換可能な位置に有していてもよいベンゼン
環を示す。これらの「置換基を有していてもよい炭化水
素基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」および
「置換基を有していてもよい低級アルコキシ基」として
は、例えば上記で詳述したものと同様のものが用いられ
る。これらの「炭化水素基」、「アミノ基」および「低
級アルコキシ基」が有する置換基の数が2個以上の場
合、各置換基は同一または異なっていてもよい。該「置
換基を有していてもよいベンゼン環」は、例えばハロゲ
ン原子(例えば、フッ素、塩素等)、C1-6アルキル基
(例えば、メチル、エチル等)、およびモノ−C1-6
ルキルアミノ基から選ばれた1ないし2個の置換基で置
換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。
【0014】上記式中、Rは水素原子または置換基を
有していてもよいアシル基を、R は置換基を有して
いてもよいアシル基を示す。該「置換基を有していても
よいアシル基」としては、式―CO−R(式中、R
は置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有し
ていてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい
複素環基を示す。)で表される基が用いられる。R
示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の
「炭化水素基」の好ましいものは、例えばアルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等
のC1-6アルキル基等)、アルケニル基(例えば、ビニ
ル等のC2-6アルケニル基等)、アルキニル基(例え
ば、エチニル等のC2-6アルキニル基等)、シクロアル
キル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル
基等)およびアリール基(例えば、フェニル等のC6-14
アリール基等)等、特にアルキル基(例えば、メチル等
のC 1-6アルキル基等)およびシクロアルキル基(例え
ば、シクロプロピル等のC3-6シクロプロピル等)等が
汎用される。該「アルキル基」、「アルケニル基」、
「アルキニル基」、「シクロアルキル基」、「アリール
基」は、例えば上記「炭化水素基」が有していてもよい
置換基(好ましくは、フッ素等のハロゲン原子等)等を
1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよ
い。
【0015】Rで示される「置換基を有していてもよ
いアミノ基」の置換基の好ましいものとしては、例えば
置換基を有していてもよい低級アルキル基および置換基
を有していてもよいアリール基等が1または2個用いら
れ、特に置換基を有していてもよい低級アルキル基等が
1個用いられる。該「低級アルキル基」は、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチルおよびtert−ブチル等のC1-6アルキ
ル基等が用いられる。該「低級アルキル基」は、例えば
上記「炭化水素基」が有していてもよい置換基等を1な
いし3個有していてもよい。該「アリール基」は、例え
ばフェニル基等のC6-10アリール基等が用いられる。該
「アリール基」は、例えば上記「炭化水素基」が有して
いてもよい置換基(好ましくは、フッ素、塩素等のハロ
ゲン原子、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ基
等)を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有してい
てもよい。該「置換基を有していてもよいアミノ基」と
しては、例えば1ないし3個の低級アルコキシ基(例、
メトキシ等のC1-4アルコキシ基等)で置換されたフェ
ニルアミノ基、または低級アルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、tert-ブチル等のC1-4アルキ
ル基等)で置換されたモノアルキルアミノ基等が汎用さ
れる。
【0016】Rで示される「置換基を有していてもよ
い複素環基」の「複素環基」の好ましいものとしては、
例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原
子から選ばれた1ないし3個のヘテロ原子を含む5また
は6員複素環基等が用いられる。具体的には、例えば1
−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミ
ダゾリニル、2−、3−または4−ピラゾリジニル、ピ
ペリジノ、2−、3−または4−ピペリジル、1−また
は2−ピペラジニル、モルホリニル、2−または3−チ
エニル、2−、3−または4−ピリジル、2−フリルま
たは3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−
ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3
−イソオキサゾリル等が挙げられる。特に好ましくは、
6員含窒素複素環基(例、ピリジル等)等が用いられ
る。
【0017】Rで示される「置換基を有していてもよ
い複素環基」の置換基の好ましいものとしては、例えば
ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素等)、C1-6アルキ
ル基(例えばメチル、エチル等)、C1-6アルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ等)、アラルキルオキシカ
ルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル等のC
7-12アラルキルオキシ−カルボニル等)等が用いられ
る。
【0018】Rは、例えば(i)置換基を有していて
もよい低級アルキル基、(ii)置換基を有していてもよ
い低級シクロアルキル基、(iii)置換基を有していても
よい低級アルケニル基、(iv)置換基を有していてもよ
いアリール基、(v)置換基を有していてもよいモノまた
はジ低級アルキルアミノ基、(vi)置換基を有していて
もよいアリールアミノ基または(vii)置換基を有してい
てもよい5または6員含窒素複素環基等が好ましい。
【0019】上記「低級アルキル基」は、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等が好ましい。「低
級シクロアルキル基」は、例えばシクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6
シクロアルキル基等が好ましい。「低級アルケニル基」
は、例えばビニル、1−プロペニル、ブテニル等のC
2-6アルケニル基等が好ましい。「アリール基」は、例
えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC 6-10
アリール基等が好ましい。「低級アルキルアミノ基」
は、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、tert-ブチル
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチ
ルアミノ等のモノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基
等が好ましい。「アリールアミノ基」は、例えばフェニ
ルアミノ等のC6-10アリールアミノ基等が好ましい。
「5または6員含窒素複素環基」は、例えば2−、3−
または4−ピリジル等の5または6員含窒素複素環基等
が好ましい。これらの基が有していてもよい置換基とし
ては、例えば上記「炭化水素基」が有していてもよい置
換基等が1ないし5個用いられる。
【0020】Rのさらに好ましい例は、i)ハロゲン
またはC1-6アルコキシ基でそれぞれ1ないし4個置換
されていてもよいC1-6アルキル基、ii)C3-6シクロア
ルキル基、iii)C2-6アルケニル基、iv)C1-6アルコ
キシ、ニトロ、ハロゲノC1-6アルキル−カルボニルア
ミノまたはハロゲン原子でそれぞれ1ないし4個置換さ
れていてもよいC6-10アリール基、v)モノ−またはジ
−C1-6アルキルアミノ基、vi)1ないし3個のC1-6
ルコキシ基で置換されていてもよいC6-10アリールアミ
ノ基またはvii)C7-11アラルキルオキシカルボニル基
で1ないし2個置換されていてもよい6員含窒素複素環
基等である。特に、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルキル基(例えば、メチル、クロロメチル、ジフルオ
ロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エ
チル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチ
ル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリ
フルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、4,4,4−トリフル
オロブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6
−トリフルオロヘキシル等)、C3-6シクロアルキル基
(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル等)またはモノ−C1-6アルキル
アミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロ
ピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、tert
-ブチルアミノ等)等が汎用され、中でも、ハロゲン化
されていてもよいC1-6アルキル基またはモノ−C1-6
ルキルアミノ基、特にハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル基、とりわけC1-3アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル等)が好ましい。
【0021】上記式中、Rは水素原子、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよ
い複素環基を示す。Rで示される「置換基を有してい
てもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の好ましいもの
としては、例えばアルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル等のC1-6アルキル基
等)、アルケニル基(例えば、ビニル等のC2-6アルケ
ニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル等のC
2-6アルキニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)およびアリー
ル基(例えば、フェニル等のC6-14アリール基等)等、
特にアルキル基(例えば、メチル等のC1-6アルキル基
等)およびアリール基(例えば、フェニル等のC6-14
リール基等)等が汎用される。該「アルキル基」、「ア
ルケニル基」、「アルキニル基」、「シクロアルキル
基」、「アリール基」は、例えば上記「炭化水素基」が
有していてもよい置換基(好ましくは、フッ素等のハロ
ゲン原子等)等を1ないし5個、好ましくは1ないし3
個有していてもよい。
【0022】Rで示される「置換基を有していてもよ
い複素環基」の「複素環基」の好ましいものとしては、
例えば炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原
子から選ばれた1ないし3個のヘテロ原子を含む5また
は6員複素環基等が用いられる。具体的には、例えば1
−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミ
ダゾリニル、2−、3−または4−ピラゾリジニル、ピ
ペリジノ、2−、3−または4−ピペリジル、1−また
は2−ピペラジニル、モルホリニル、2−または3−チ
エニル、2−、3−または4−ピリジル、2−または3
−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリ
ル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソ
オキサゾリル等が挙げられる。特に好ましくは、6員含
窒素複素環基(例、ピリジル等)等が用いられる。
【0023】Rで示される「置換基を有していてもよ
い複素環基」の置換基の好ましいものとしては、例えば
ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素等)、C1-6アルキ
ル基(例えばメチル、エチル等)、C1-6アルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ等)、アラルキルオキシカ
ルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル等のC
7-12アラルキルオキシ−カルボニル等)、アミノ基、モ
ノ−C1-6アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エ
チルアミノ等)、ジ−C1-6アルキルアミノ基(例えば
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)等が用いられる。
【0024】Rは、例えば(i)水素原子、(ii)置換
基を有していてもよい低級アルキル基、(iii)置換基を
有していてもよいアリール基、(iv)置換基を有してい
てもよい5または6員複素環基等が好ましく、さらに例
えば(i)水素原子、(ii)低級アルキル基、(iii)置換
基を有していてもよいC6-10アリール基、(iv)置換基
を有していてもよい6員含窒素複素環基等が好ましい。
該置換基としてはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1-6アルキルアミ
ノ基、ジ−C1-6アルキルアミノ基等が挙げられる。さ
らに好ましくは、Rは水素原子、フェニル基、2−、
3−または4−ピリジル基である。特に好ましくは水素
原子である。
【0025】上記式中、nは1ないし4の整数を示す。
nは1が好ましい。上記式中、mは1ないし4の整数を
示す。mは2が好ましい。
【0026】上記式中、A環は置換基を有していてもよ
い5ないし7員の酸素原子を含む複素環を示す。該「5
ないし7員の酸素原子を含む複素環」とは、炭素原子お
よび酸素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子
から選ばれた1種または2種を1ないし3個(好ましく
は1または2個)含んでいてもよい5ないし7員(好ま
しくは5または6員)の複素環等が挙げられる。該環と
しては、式
【化7】 〔式中、Eは(i)CH2CH2、(ii)CH=CH、(i
ii)CH2O、(iv)OCH2、(v)CH2S(O)q'
(q'は0ないし2の整数)、(vi)S(O)q'CH2
(q'は上記と同意義)、(vii)CH2NH、(viii)
NHCH2、(ix)N=N、(x)CH=N、(xi)N=
CHまたは(xii)CONH を示し、n'は0ないし2
の整数を示す。〕で表わされる環が好ましい。Eは
(i)CH2CH2、(ii)CH=CH、(iii)CH
2O、(iv)OCH2、(v)CH2NH、(vi)NHCH
2、(vii)N=N、(viii)CH=Nまたは(ix)N=
CHが好ましく、特に(i)CH2CH2または(ii)C
H=CHが好ましい。具体的には、例えば2,3−ジヒ
ドロフラン、フラン、1,3−ジオキソール、オキサゾ
リン、イソオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾー
ル、オキサゾール等の酸素原子を含む5員複素環、例え
ば2H−3,4−ジヒドロピラン、2H−ピラン、2,3
−デヒドロ−1,4−ジオキサン、2,3−デヒドロモル
ホリン等の酸素原子を含む6員複素環等が好ましい。さ
らに好ましくは、式
【化8】 〔式中、n’’は0ないし2の整数を示し、---- は単
結合または二重結合を示す。〕で表わされる環である。
具体的には、例えば、2,3−ジヒドロフラン、フラ
ン、2H−3,4−ジヒドロピラン、2H−ピランが汎
用される。
【0027】A環の置換基としては、例えばハロゲン原
子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、置換基
を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有してい
てもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい
低級アルキニル基、置換基を有していてもよい低級アル
ケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、低級
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブ
トキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等)、ア
リールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリー
ルオキシ基等)、低級アルカノイル基(例えば、ホルミ
ル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル
等のC1-6アルキル−カルボニル基等)、アリールカル
ボニル基(例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等のC
6-10アリール−カルボニル基等)、低級アルカノイルオ
キシ基(例えば、ホルミルオキシ;アセチルオキシ、プ
ロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシ基等)、アリ
ールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、
ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキ
シ基等)、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、te
rt-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニ
ル基等)、アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベン
ジルオキシカルボニル等のC7-11アラルキルオキシ−カ
ルボニル基等)、カルバモイル基、チオカルバモイル
基、モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−低級アルキル
基(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフル
オロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ
−、ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基
等)、オキソ基、アミジノ基、イミノ基、アミノ基、モ
ノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エ
チルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブ
チルアミノ等のモノ−C1-4アルキルアミノ基等)、ジ
−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミ
ノ、ジブチルアミノ、メチルエチルアミノ等のジ−C
1-4アルキルアミノ基等)、炭素原子と1個の窒素原子
以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれた
ヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6
員の環状アミノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニ
ル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モル
ホリニル、ジヒドロピリジル、ピリジル、N-メチルピペ
ラジニル、N-エチルピペラジニル等の3ないし6員の環
状アミノ基等)、アルキレンジオキシ基(例えば、メチ
レンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレン
ジオキシ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、
メルカプト基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ基、
スルファモイル基、モノアルキルスルファモイル基(例
えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイ
ル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルフ
ァモイル、N-ブチルスルファモイル等のモノ−C1-6
ルキルスルファモイル基等)、ジアルキルスルファモイ
ル基(例えば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエ
チルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、
N,N-ジブチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルス
ルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチル
チオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、
ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC
1-6アルキルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基
等)、低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルス
ルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニ
ル、ブチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニ
ル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニル
スルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリー
ルスルフィニル基等)、低級アルキルスルホニル基(例
えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピル
スルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスル
ホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニ
ルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリール
スルホニル基等)等が用いられる。
【0028】該「低級アルキル基」、「低級アルケニル
基」、「低級アルキニル基」、「低級シクロアルキル
基」、「アリール基」は、例えば、上記「炭化水素基」
が有していてもよい置換基等を1ないし5個、好ましく
は1ないし3個有していてもよい。A環の置換基として
好ましくは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい
1-6アルキル基、置換基を有していてもよいC1-6アル
コキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有し
ていてもよいアミノ基、オキソ基等が挙げられる。該
「置換基を有していてもよいC1-6アルキル基」、「置
換基を有していてもよいC1-6アルコキシ基」、「置換
基を有していてもよいアミノ基」の「置換基」は例え
ば、上記「炭化水素基」が有していてもよい置換基を示
す。該A環は、上記の置換基を、環の大きさに応じて、
置換可能な位置に1ないし4個、好ましくは1ないし2
個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置
換基は同一または異なっていてもよい。
【0029】A環としては、例えば、
【化9】 〔n’’は上記と同意義を示し、R5は水素原子または
上記「A環の好ましい置換基」で表された置換基1また
は2個を示す。〕等が挙げられる。中でも、R5が水素
原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であ
るもの、特にR5が水素原子であるもの(無置換A環)
が汎用される。上記式中、B環は置換基を有していても
よいベンゼン環を示す。B環の置換基としては、例えば
上記「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換
基」が挙げられる。中でも、ハロゲン原子または置換基
を有していてもよい低級(C1-6)アルキル基が好まし
く、特にハロゲン原子または低級(C1-6)アルキル基
(好ましくはメチル)が汎用される。該「置換基を有し
ていてもよい低級(C1-6)アルキル基」の「置換基」
は例えば、上記「炭化水素基」が有していてもよい置換
基を示す。B環は該置換基を置換可能な位置に1または
2個、好ましくは1個有していてもよく、置換基数が2
個の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
B環としては、例えば、
【0030】
【化10】 〔R6は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していて
もよい低級(C1-6)アルキル基または置換基を有して
いてもよい低級(C1-6)アルコキシ基を示す。〕等が
好ましい。R6は、例えば水素原子、ハロゲン原子また
は低級(C1-6)アルキル基(好ましくはメチル)が好
ましい。さらに好ましくは水素原子である。上記式中、
mは1ないし4の整数を示す。mは1ないし3の整数が
好ましい。さらに、mは2または3が好ましく、特に、
mは2のときが好ましい。上記式中、n’’は0ないし
2の整数を示す。n’’は0または1の整数が好まし
い。特に、n’’は0のときが好ましい。
【0031】化合物(I)の好ましい例としては、R
が(i)置換基を有していてもよい低級アルキル基、(i
i)置換基を有していてもよい低級シクロアルキル基、
(iii)置換基を有していてもよい低級アルケニル基、(i
v)置換基を有していてもよいアリール基、(v)置換基
を有していてもよいモノまたはジ低級アルキルアミノ
基、(vi)置換基を有していてもよいアリールアミノ基
または(vii)置換基を有していてもよい5または6員含
窒素複素環基、Rが(i)水素原子、(ii)置換基を有
していてもよい低級アルキル基または(iii)置換基を有
していてもよいアリール基、A環が置換基を有していて
もよい5ないし7員の酸素原子を含む複素環、B環が置
換基を有していてもよいベンゼン環、nが1、およびm
が1または2である化合物等が挙げられる。
【0032】さらに好ましくは、Rが i)ハロゲン
またはC1-6アルコキシ基でそれぞれ1ないし4個置換
されていてもよいC1-6アルキル基、ii)C3-6シクロア
ルキル基、iii)C2-6アルケニル基、iv)C1-6アルコ
キシ、ニトロ、ハロゲノC1-6アルキル−カルボニルア
ミノまたはハロゲン原子でそれぞれ1ないし4個置換さ
れていてもよいC6-10アリール基、v)モノ−またはジ
−C1-6アルキルアミノ基、vi)1ないし3個のC 1-6
ルコキシ基で置換されていてもよいC6-10アリールアミ
ノ基またはvii)C 7-11アラルキルオキシ−カルボニル
基で1ないし2個置換されていてもよい6員含窒素複素
環基、Rが、(i)水素原子、(ii)低級(C1-6)ア
ルキル基または(iii)C6-14アリール基、A環が
【化11】 〔各記号は上記と同意義を示す。〕 B環が
【化12】 〔R6aは水素原子、ハロゲン原子または低級(C1-6
アルキル基を示す。〕、nが1、およびmが1または2
である化合物等が挙げられる。
【0033】化合物(I)または(I’)としては、と
りわけ、mが2で、RおよびR がC1−6アルキ
ル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル等)
である化合物が好ましい。化合物(I)の光学活性体と
しては、式
【化13】 〔式中、RはC1-6アルキル基(メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を示す。〕
で表される化合物がとりわけ好ましく、具体的には、
(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−
2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチ
ル]プロピオンアミド(以下、化合物Aという)または
(S)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−
2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチ
ル]アセトアミド(以下、化合物Bという)が最も好ま
しい。
【0034】化合物(I)の塩としては、例えば薬理学
的に許容される塩等が用いられる。例えば、無機塩基と
の塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、
塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機
塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネ
シウム塩等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム
塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の
好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が
挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば
塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げ
られる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミ
ノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リ
ジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グル
タミン酸等との塩が挙げられる。中でも薬学的に許容可
能な塩が好ましく、その例としては、化合物(I)内に
塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、例えば酢酸、
フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、
コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸との塩が挙げられ、酸性官能基を有する場合
には、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。また、化合物
(I)は、水和物であっても、非水和物であってもよ
い。化合物(I)は、例えば日本特許第2884153
号に記載の方法またはこれに準じた方法等により得るこ
とができる。
【0035】本発明に用いる微生物としては、化合物
(I)を不斉加水分解する能力を有するものであればい
ずれでもよく、細菌などが挙げられる。細菌としてはバ
チルス(Bacillus)属、コリネバクテリウム(Corynebac
terium)属に属する微生物が挙げられる。コリネバクテ
リウム属に属する微生物としてはコリネバクテリウム・
アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)など
が、より具体的にはコリネバクテリウム・アンモニアゲ
ネシス IFO12612などが挙げられる。バチルス
属に属する微生物としては化合物(I)の不斉加水分解
能を有する微生物であればいずれのものでもよい。その
例としては、大分県の土壌から新たに分離された細菌の
一菌株SUI−12株があげられる。SUI−12株に
ついての記載の方法に準じて検討した分類学的性質は下
記のとおりである。 (a)形 態 (1)桿菌。細胞の大きさは0.7〜0.9×1.45〜
2.2μm。 (2) グラム陽性。 (3)好気的に増殖する。 (4)運動性を有し、周鞭毛を有する。 (5)内生胞子を形成する。 (6)胞子の形状は長楕円形である。 (7)形成部位は細胞の端部、胞子嚢の膨張は認められな
い。 (b)化学分類学的性状 (1)DNAのグアニン+シトシン含量は36.1モル
%。 (2)キノンはメナキノン−7(MK−7)。 (3)ジアミノ酸はメソ−ジアミノピメリン酸(meso-DA
P)。 (4)主要菌体脂肪酸はイソC:15およびイソC:1
7。 (c)生理学的性質 (1)デンプンを加水分解する。 (2)オキシダーゼは陽性。 (3)カタラーゼは陽性。
【0036】以上の土壌分離株の分類学的諸性質を、バ
ージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バク
テリオロジー(Bergey's manual of Systematic Bact
eriology)第2巻(1986年)に照合してみると、SU
I−12株は、グラム陽性で内生胞子を作ること、周鞭
毛を有する運動性桿菌で好気性、オキシダーゼ、カタラ
ーゼが陽性であること、デンプンを資化することからバ
チルス(Bacillus)属細菌種と考えられる。DNAのグア
ニンとシトシンとの総含量が36.1モル%であるこ
と、主要菌体脂肪酸としてイソC:15およびイソC:
17を有することからバチルス・レンタス(Bacillus le
ntus)に類似した細菌と考えられたが、その帰属種を明
らかにするためには更に詳細な性状調査が必要であっ
た。したがって本菌株はバチルス(Bacillus)属に属す
ることが明らかであり、バチルスエスピ−・SUI−1
2(Bacillus sp.SUI-12)と称することができる。本菌株
は、平成13年2月8日に財団法人発酵研究所(IF
O)に受託番号IFO 16559として、また、平成
13年2月22日に工業技術院生命工業技術研究所(N
IBH)に、受託番号FERM BP−7464として
それぞれ寄託されている。
【0037】化合物(I)の光学活性体は、メラトニン
受容体に対して高い親和性を示し、特にML受容体に
対する選択性が高い。また、代謝安定性、脳内移行性に
も優れている。さらに毒性が低く、かつ、副作用も少な
いため、医薬品として有用である。したがって、化合物
(I)の光学活性体は、哺乳動物(例えば、マウス、ラ
ット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツ
ジ、サル、ヒト等)に対して、メラトニンアゴニストま
たはアンタゴニストとして作用し、メラトニン受容体親
和性組成物、特にメラトニン受容体作動組成物として有
用であり、生体リズム調節障害などのメラトニンにより
影響される可能性のある疾患、例えば、睡眠障害〔例、
原発性不眠、概日リズム障害(例、三交替勤務による体
調の変調、時間帯域変化症候群(時差ボケ)等〕、季節
鬱病、生殖機能障害、内分泌疾患、老人性痴呆、アルツ
ハイマー病、老化に伴う各種障害、脳循環障害(例、脳
卒中等)、頭部外傷、脊髄損傷、てんかん、不安、鬱
病、精神分裂病、アルコール依存症、パーキンソン病、
高血圧、動脈硬化、不整脈、月経前緊張症候群、緑内
障、癌、エイズ、糖尿病等の予防および/または治療を
安全に行なうことができる。また老化防止、免疫調節、
排卵調整(例、避妊等)等にも有効に使用することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 実施例1 試験管に入れた5mlのトリプチケース・ソイ・ブロス
(Trypticase Soy Broth)(Becton Dickenson and Com
pany,アメリカ)に細菌を接種し、28℃で1日間振と
う下で培養した。得られた培養液を2mlポロプロピレ
ンチューブに2ml取り、遠心分離を行う。得られた菌
体にトリス−塩酸緩衝液(pH7)(500μl)および
2%N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H
−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]
アセトアミドを含むメタノール溶液(25μl)を加え、
28℃で6時間振とう下で反応を行った。この反応液に
500μlのメタノールを加えて遠心分離し、その上清
を、カラムとして ULTORON ES-OVM(信和化工)を用い
る高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、
基質でなるアセチル体および加水分解物であるフリー体
を定量した。〔表〕に各菌株による不斉加水分解の変換
率および光学純度を示す。
【表1】 光学純度(%) 菌株 変換率(%) フリー体 アセチル体 A 46.0 (S)92.1 (R)84.4B 58.0 (S)74.0 (R)>99 A:バチルス・エスピーSUI−12 B:コリネバクテリウム・アンモニアゲネス IFO 12612 フリー体:(S)−2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5, 4−b]フラン−8−イル)エチルアミン アセチル体:(R)−N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデ ノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミド (S):S−絶体配置 (R):R−絶体配置 以上の結果から、上記の微生物はN−[2−(1,6,
7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]
フラン−8−イル)エチル]アセトアミドを不斉加水分
解し、光学活性体を与えることが明らかになった。
【0039】実施例2 バチルス・エスピー(Bacillus sp.)SUI−12を2
00ml容エーレンマイヤー(Erlenmeyer)フラスコ中の
40mlのトリプチケース・ソイ・ブロス(Trypticase S
oy Broth)(BBL社)に接種し、28℃で1日間振と
う下で培養し、得られた培養液を500mlのトリプチケ
ース・ソイ・ブロスを含む2l容坂口フラスコ2本に2
0mlずつ移し、28℃で1日間振とう下で培養を行い、
種培養液を得た。200l容発酵槽中の80lのトリプ
チケース・ソイ・ブロスに上記の種培養液を移し、28
℃で1日間、通気撹拌培養を行い、主培養液を得た。得
られた培養液15lをセラミック濾過器により2.1l
に濃縮した後、トリス−塩酸緩衝液(pH7)5lで洗
浄し、2.1lの洗浄菌体濃縮液を得た。N−[2−
(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセトアミ
ド(2.1g)をメタノール(105ml)に溶解し、そ
のメタノール溶液を100mlの洗浄菌体濃縮液を含む2
00ml容エーレンマイヤーフラスコ21本に5mlずつ分
注し、28℃で1日間振とうして反応を行った。反応液
を回収後、約100mlの水でフラスコを洗浄し、反応
液と混合した。 得られた反応液2.3lにメタノール
2.3lを加え、ろ過補助剤(ラジオライト600)を
用いてろ過し、ろ液6.7lを得た。得られたろ液を減
圧下で500mlまで濃縮した後、水500mlを加
え、炭酸ナトリウム水溶液でpH10に調整後、イソブ
チルアルコール1lで2回抽出し、イソブチルアルコー
ル層を得た。得られたイソブチルアルコール層を水40
0mlで2回洗浄後、減圧下で濃縮し、水80mlに懸
濁させた。この水懸濁液を塩酸でpHを3に調整した
後、メタノール20mlを加えた後、ダイヤイオン(登
録商標)HP−20、100mlのカラムクロマトグラ
フィーに付し、20%メタノール水400ml、続いて
80%メタノール水400mlで溶出し、100mlづ
つ分画した。(S)−2−(1,6,7,8−テトラヒド
ロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)
エチルアミン含有区分を減圧下で濃縮し、油状物(1.48
g)を得た。油状物にアセトン(10ミリリットル)を加
え、冷却晶出して(S)−2−(1,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
ル)エチルアミン塩酸塩の結晶1.02g(収率49
%)を得た。 元素分析値:C1318NOClとして計算値:C、
65.13;H、7.57;N、5.84;Cl、1
4.79。 実測値:C、65.07;H、7.61;N、5.9
1;Cl、14.75。
【0040】参考例1 (S)−2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−
インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチルアミ
ン塩酸塩 ハステロイオートクレーブ(200mL)に、(E)−
2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イリデン)エチルアミン
(1.00g、5.00mmol)、Ru2Cl
4[(R)−BINAP] 2NEt3(21.0mg)、
メタノール(10mL)を窒素雰囲気下で挿入し、つい
で水素ガスを100気圧まで圧入した。50℃で20時
間加熱撹拌した後、反応液を常圧に戻し、反応転化率と
生成物((S)−2−(1,6,7,8−テトラヒドロ
−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エ
チルアミン)の光学純度を高速液体クロマトグラフィー
にて測定したところ、反応転化率100%、光学純度8
8.8%e.e.であった。減圧濃縮を行なって得られた残
留物(1.02g)にトルエン(10mL)を加え、氷
浴にて冷却、撹拌しながら2%塩酸(10mL)を加え
た。この反応液を30分撹拌した後、減圧濃縮を行なっ
て残留物(1.21g)を得た。この残留物をメタノー
ル(5mL)に溶解し、得られた溶液にアセトン(10
mL)を加え、0℃に冷却した後に濾過して表題化合物
(0.64g)を得た。さらに濾液を減圧濃縮して得ら
れた残渣(0.34g)をメタノール(1.5mL)お
よびアセトン(3.0mL)の混合溶媒から再結晶して
表題化合物(0.17g、総収量0.81g、収率68
%)を得た。この塩酸塩を5%水酸化ナトリウム水溶液
で処理し、得られた(S)−2−(1,6,7,8−テ
トラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8
−イル)エチルアミンの光学純度を高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて測定したところ100%e.e.であっ
た。
【0041】参考例2 N−[2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−イ
ンデノ[5,4−b]フラン−8−イル)エチル]アセ
トアミド 2−(1,6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ
[5,4−b]フラン−8−イル)エチルアミン臭化水
素酸塩(0.10g、0.352mmol)のテトラヒ
ドロフラン(1.5mL)溶液に1N水酸化ナトリウム
水溶液(1.5mL)および無水酢酸(0.050m
L、0.528mmol)を加え、混合物を室温で30
分間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出
した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。残渣をイソプロ
ピルエーテル/ヘキサンから再結晶して、表題化合物
(収量0.057g、収率66%)を得た。 融点78−79℃ NMR(CDCl3 )δ:1.53-2.12(3H,m),1.96(3
H,s),2.20-2.38(1H,m),2.70-2.96(2H,m),3.02-
3.40(5H,m),4.45-4.68(2H,m),5.46(1H,brs),
6.62(1H,d,J=8.0Hz),6.96(1H,d,J=8.0Hz)。 元素分析値:C1519NO2として計算値:C,73.44;
H,7.81;N,5.71。 実測値:C,73.55;H,7.90;N,5.60。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、微生物による不
斉加水分解により、式(I)で表されるインダン誘導体
またはその塩の光学活性体を効率よく製造することがで
きる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
    化水素基または置換基を有していてもよい複素環基、R
    は水素原子または置換基を有していてもよいアシル
    基、A環は置換基を有していてもよい5ないし7員の酸
    素原子を含む複素環、B環は置換基を有していてもよい
    ベンゼン環、nは1ないし4の整数をそれぞれ示す。〕
    で表されるラセミ化合物またはその塩に、微生物の培養
    物またはその処理物を接触させることを特徴とする式
    (I)で表される化合物またはその塩の光学活性体の製
    造法。
  2. 【請求項2】 式(I’) 【化2】 〔式中、R2’は置換基を有していてもよいアシル基
    を、その他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で
    表されるラセミ化合物またはその塩に、微生物の培養物
    またはその処理物を接触させることを特徴とする請求項
    1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 微生物が化合物(I)を不斉加水分解す
    る能力を有する細菌である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 細菌がバチルス属に属する微生物である
    請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 バチルス属に属する微生物がバチルス・
    エスピーSUI−12株である請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 細菌がコリネバクテリウム属に属する微
    生物である請求項3記載の製造法。
  7. 【請求項7】 コリネバクテリウム属に属する微生物が
    コリネバクテリウム・アンモニアゲネスである請求項6
    記載の製造法。
  8. 【請求項8】 コリネバクテリウム・アンモニアゲネス
    がコリネバクテリウム・アンモニアゲネスIFO 12
    612である請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 mが2である請求項1記載の製造法。
  10. 【請求項10】 RがC1−6アルキル−カルボニル
    である請求項1記載の製造法。
  11. 【請求項11】 N−[2−(1,6,7,8−テトラ
    ヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−8−イ
    ル)エチル]アセトアミドまたはその塩に、バチルス・
    エスピーSUI−12株またはその処理物を接触させる
    ことを特徴とする(R)−N−[2−(1,6,7,8−
    テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−b]フラン−
    8−イル)エチル]アセトアミドと(S)−2−(1,
    6,7,8−テトラヒドロ−2H−インデノ[5,4−
    b]フラン−8−イル)エチルアミンまたはそれらの塩
    の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8084630B2 (en) 2007-05-31 2011-12-27 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Process for the synthesis of ramelteon and its intermediates
JP5450056B2 (ja) * 2007-03-19 2014-03-26 武田薬品工業株式会社 アリルアミン不斉水素化法
CN107868092A (zh) * 2016-09-27 2018-04-03 广西久福生物科技有限公司 一种新型化合物及其制备方法

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