JP2002253244A - 超耐熱性エステラーゼ - Google Patents
超耐熱性エステラーゼInfo
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Abstract
解、またその逆反応であるペプチド及びエステルの酵素
的合成、及びラセミ体のペプチド及びエステルの光学分
割を可能にするための手段を提供する。 【解決手段】 アエロパイラム属細菌等に由来する、3
0〜100℃の温度範囲においてぺプチダーゼ活性及び
エステラーゼ活性を有する超耐熱性エステラーゼを提供
する。
Description
ーゼ、それをコードするポリヌクレオチド、その製造方
法、及びその使用方法に関する。詳しくは、本発明は、
30〜100℃の範囲においてぺプチダーゼ活性及びエ
ステラーゼ活性を共に有する超耐熱性エステラーゼに関
する。
解、合成、交換あるいはラセミ体エステルの光学分割に
用いられる。しかし、従来の酵素は常温菌が生産したも
のが多く、70℃以上になるとほとんど失活してしまっ
ていた。70〜100℃の温度範囲では、室温において
固体状であるほとんどの油脂が液体状になるため、この
範囲において活性を有するエステラーゼが得られれば、
新規な利用法が開発されるものと思われる。しかし、7
0℃以上で生育する好熱菌は一般にエーテル脂質を膜脂
質とする古細菌に属し、エステルに作用するエステラー
ゼ、及びペプチドの分解、合成等に用いられるぺプチダ
ーゼ活性を有する耐熱性酵素は得られていない。
熱性ペプチダーゼおよびエステラーゼは、100℃近い
高温下では不安定であるため、反応は比較的低温(40
〜60℃)で行う必要があった。しかしながら、従来酵
素的分解が低温でしか行えないことから、上記の室温に
おいて固体状で反応する方法しか利用することができな
かった。そのため、反応速度が遅いという問題点があっ
た。100℃近い高温下で上記の反応を行うと、基質の
液化、基質濃度の増加、反応効率の向上、混入微生物の
除去等、多くの利点が考えられる。そこで、100℃近
い高温下で働き、さらに、その条件下で安定な酵素が渇
望されている。
な課題を解決すべく、90〜100℃で生育する超好熱
性菌に着目し、種々検討を行った。まず、超好熱菌の膜
脂質はエーテル脂質であるため、エステラーゼ遺伝子を
見い出すことは、困難であることが予想された。そこ
で、脂質分解酵素であるリパーゼがエステラーゼ活性も
もつことが知られているので、リパーゼモチーフ(GXSX
GグリシンXアミノ酸セリンXアミノ酸グリシン)遺伝子
をスクリーニングすることとした。すなわち、超好熱性
菌の遺伝子配列から、本酵素活性を示すと推測されるリ
パーゼモチーフ遺伝子との相同性検索を行い、アエロパ
イラム属菌においてリパーゼモチーフを持つ遺伝子を見
出すことに成功した。
ーフを持つ遺伝子を大腸菌に導入し、85℃で30分間加
熱する等の活性な状態で目的の酵素を生産する条件を研
究後、酵素タンパク質を生産し、この酵素が高温(90
〜95℃)で安定で、かつ、30〜100℃の範囲にお
いて超耐熱性エステラーゼ活性及びぺプチダーゼ活性を
共に有する2機能性の酵素活性を示すことを確認し、本
発明を完成するに至った。さらに、ここで得られた遺伝
子を、他の微生物に組み込み、本酵素を多量に分泌生産
することもできる。
0)を提供する。 (1) 30〜100℃の温度範囲においてぺプチダー
ゼ活性及びエステラーゼ活性を有する超耐熱性エステラ
ーゼ。 (2) アエロパイラム属由来である、上記(1)記載
の超耐熱性エステラーゼ。 (3) 下記の(i)又は(ii)のポリヌクレオチド。 (i)配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリ
ヌクレオチド (ii)配列番号1に示すヌクレオチド配列において1若
しくは複数個のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加
されたポリヌクレオチドであって、30〜100℃の温
度範囲においてぺプチダーゼ活性及びエステラーゼ活性
を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド (4) 下記の(iii)又は(iv)のポリペプチド。 (iii)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペ
プチド (iv)配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しく
は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたポ
リペプチドであって、30〜100℃の温度範囲におい
てぺプチダーゼ活性及びエステラーゼ活性を有するポリ
ペプチド
チドを含有する組換えベクター。 (6) 上記(5)に記載の組換えベクターを含有する
形質転換体。 (7) アエロパイラム属に属する超耐熱性エステラー
ゼ生産菌を培地中で培養し、培養物から超耐熱性エステ
ラーゼを採取することを特徴とする、上記(2)に記載
の超耐熱性エステラーゼの製造方法。 (8) 上記(6)に記載の形質転換体を培地中で培養
し、培養物から超耐熱性エステラーゼを採取することを
特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の超耐熱性エ
ステラーゼの製造方法。 (9) 70℃以上の温度におけるペプチド、エステ
ル、及び/又は脂質の分解、合成、交換あるいはラセミ
体エステルの光学分割のための、上記(1)又は(2)
に記載の超耐熱性エステラーゼの使用方法。 (10) 上記ペプチド、エステル、及び/又は脂質が
室温において固体状である場合、有機溶媒を添加するこ
とを特徴とする、上記(9)に記載の分解方法。
る。本発明においてペプチダーゼ活性とは、ペプチドを
分解する活性のことをいう。また、本発明においてエス
テラーゼ活性とは、エステルを分解する活性のことをい
う。
は、アエロパイラム属に属する好気性好熱性古細菌 ア
エロパイラム ぺルニクス(登録番号JCM9820)
である。これら超好熱性細菌の遺伝子配列から本酵素活
性を示すと思われる遺伝子を探した。具体的には、超好
熱菌の膜脂質はエーテル脂質であるためにエステラーゼ
遺伝子を見出すことは困難であることが予想された。一
方、リパーゼは、エステラーゼ活性をももっている場合
があることから、超好熱性菌の遺伝子配列から本酵素活
性を示すと推測されるリパーゼモチーフ(GXSXGグリシ
ンXアミノ酸セリンXアミノ酸グリシン)遺伝子との相同
性検索を行い、上記超好熱菌においてリパーゼモチーフ
を持つ遺伝子を見出した。得られた遺伝子をPCR反応で
増幅し、抽出した後、タンパク質発現プラスミドpET 11
a(Novagen社製)に挿入、そのプラスミドを大腸菌に組
み込み、本酵素の生産を行った。但し、本発明において
使用できるベクターはプラスミドに限定されるものでは
なく、宿主も大腸菌に限定されるものではない。いずれ
も当分野において通常使用されるもの、例えばpAUR101
等のベクター、酵母菌、枯草菌等の宿主細胞を適宜選択
して使用することができる。生産された酵素は、界面活
性剤を入れて抽出し、加熱処理およびカラムクロマトグ
ラムで単離精製する。
エステラーゼ活性を有する超耐熱性エステラーゼであ
り、そのタンパク質をコードする遺伝子は例えば配列番
号1のごとくであり、その遺伝子から推定されるアミノ
酸配列は例えば配列番号2のようである。大腸菌によっ
て生産されるタンパク質は、2.5%のトリトンX100を
加えて抽出し、抽出したタンパク質は、加熱処理により
大腸菌タンパク質を沈澱させ、硫安塩析、陰イオン交換
樹脂(ハイトラップQセファロース)、疎水性クロマト
グラフで精製したタンパク質のゲルろ過より求めた分子
量も58-69kDであったので、1量体で存在していた。精
製したタンパク質は、分子量約63,000のタンパク質で、
各種のジペプチド、アシルアミノペプチド、パラニトロ
フェノールエステル、トリブチリンを分解した。反応pH
は7〜9で活性が高く至適pHは、8附近にあった。至適
温度は50℃であったが、90℃でも50℃の40%の
活性があった。
アエロパイラム属に属する超耐熱性エステラーゼ生産菌
を培地中で培養し、培養物から超耐熱性エステラーゼを
採取することにより得ることができる。具体的な培養条
件等は下記実施例に記載するが、当業者であればこれら
の記載に基づいて培地等の培養条件の選択を適宜改変す
ることができる。
た、(i)配列番号1に示すヌクレオチド配列からなる
ポリヌクレオチド、又は(ii)配列番号1に示すヌクレ
オチド配列において1若しくは複数個のヌクレオチドが
欠失、置換若しくは付加されたポリヌクレオチドであっ
て、30〜100℃の温度範囲においてぺプチダーゼ活
性及びエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードす
るポリヌクレオチドから得ることができる。すなわち、
これらのポリヌクレオチドを含有する組換えベクターを
作製し、適当な宿主に導入して形質転換体を得、この形
質転換体を培地中で培養し、培養物から超耐熱性エステ
ラーゼを採取することにより得ることができる。ここ
で、上記(ii)に示すポリヌクレオチドは、例えば部位
特異的突然変異誘発等の当分野において通常使用される
手段により得ることができ、また自然界から得ることも
できる。タンパク質をコードするポリヌクレオチドにお
いては、コドンの縮重や、コードされるタンパク質にお
けるアミノ酸の保存的置換等により、ヌクレオチド配列
が異なる場合であってもそのコードするタンパク質の機
能が同じか、類似することは周知である。また、種々の
機能的に影響のない数十個程度の欠失体が存在すること
も良く知られており、当業者であれば、本明細書の記載
に基づいて、酵素の機能を著しく損なうことなくこうし
た欠失体、置換体若しくは付加体を得ることができる。
従って、本明細書において「複数個」とは、数十個、好
ましくは数個を意味する。
アミノ酸配列からなるポリペプチド、又は(iv)配列番
号2に示すアミノ酸配列において1若しくは複数個のア
ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたポリペプチドで
あって、30〜100℃の温度範囲においてぺプチダー
ゼ活性及びエステラーゼ活性を有するポリペプチドを提
供する。ここで、上記(iv)に示すポリペプチドは、例
えば部位特異的突然変異誘発等の当分野において通常使
用される手段により得ることができ、また自然界から得
ることもできる。上記したように、タンパク質において
は、アミノ酸の保存的置換を始めとする欠失、置換若し
くは付加により、機能が類似するタンパク質が得られる
ことは周知である。また、例えばN末端またはC末端等
で、種々の機能的に影響のない数十個程度の欠失体が存
在することも良く知られており、当業者であれば、本明
細書の記載に基づいて、酵素の機能領域を特定し、その
機能を著しく損なうことなくこうした欠失体、置換体若
しくは付加体を得ることができる。従って、本明細書に
おいて「複数個」とは、数十個、好ましくは数個を意味
する。
70℃以上の温度におけるペプチド、エステル、及び/
又は脂質の分解、合成、交換あるいはラセミ体エステル
の光学分割のために使用することができる。上記ペプチ
ド、エステル、及び/又は脂質は、特に限定されるもの
ではないが、室温において固体状であるものが本発明に
おいて、例えばphe-Ala、Ala-Phe、Trp-Ala等のペプチ
ドを基質として挙げることができる。固体状の基質を高
濃度で反応する場合、ヘキサン、イソオクタン等の疎水
性の有機溶媒を添加することにより反応速度を更に上げ
ることができる。
ムDNAからの酵素遺伝子のクローニング DNAデータベース(製品評価センターホームページhttp:
//www.mild.nite.go.jp/)からアエロパイラム・ペルニ
クス(APE1547)の情報を得、酵素遺伝子と推定される
配列を選択した。具体的には、リパーゼモチーフ(GXSX
GグリシンXアミノ酸セリンXアミノ酸グリシン)遺伝子
を探した。すなわち、超好熱性菌の遺伝子配列から本酵
素活性を示すと推測されるリパーゼモチーフ遺伝子との
相同性検索を行ってリパーゼモチーフ遺伝子を見出し
た。
イマー(5'CTTACGACTATCTCAGCGCATTATAATGCCTGT3'(配
列番号3))及びロアプライマー(5'TTGGAGCCTCCCGGCG
GTGGATCCCTATCTCCT3'(配列番号4))を設計した。ア
エロパイラム ぺルニクス(JCM9820)から常法
によって抽出精製したゲノムを鋳型とし、上記アパープ
ライマー及びロアプライマーを用いてPCR増幅反応を実
施した。
ゼバッファー10μl、dNTP mix(25mM)1.5μl、
鋳型DNA溶液4μl、アパープライマー(100μM)1
μl、ロアプライマー(100μM)1μl、蒸留水81.5
μlを混合し、PCR反応を行った。反応条件は、変性を9
4℃で1分、アニーリングを48℃で2分、伸長を70
℃で3分とし、35サイクルで行った。
合液2μl、TEバッファー5μl、及びHバッファー1μ
lの計10μlを混合し、0.7%アガロースゲル上で電気
泳動させ、UVイルミネーターによる可視化(30分間)
によって行った。目的とするバンドをマーカーとの比較
によって決定した。
on Kit(Quiagen)を用いて精製した。目的のバンドを
含有するゲルを透明なチューブに入れ、重量を測定後、
3容量のBuffer QGを添加し、2〜3分毎に攪拌しなが
ら50℃で10分間インキュベートした。全てのゲルが
溶解した後、溶媒の色を確認した。溶媒が黄色を示した
場合は、1ゲル容量のイソプロパノールを添加して混合
した。QIAquickスピンカラムを2mlのチューブに入
れ、これに0.5mlのQGバッファーを添加して、4000rpm
で1分間遠心分離した。次いで0.75mlのPEバッファー
を加えて再度4000rpmで1分間遠心分離し、フロースル
ーを捨て、カラムを更に13000rpmで1分間遠心分離し
た。その後QIAquickカラムを1.5mlのチューブに入れ
て50mlの蒸留水を添加し、DNAを溶出させた。電気
泳動で結果を確認した。
転換 上記実施例1 で増幅した遺伝子を制限酵素(NdeI及び
BamHI)で消化し、同じ制限酵素で切断したベクターpET
11a中に挿入した。まず、増幅したPCR産物5μl、BamHI
1μl、NdeI1μl、バッファーK1μl、蒸留水2μlを
混合し、37℃で1時間インキュベートし、次いでNdeI
0.5μlを添加し、37℃で30分間インキュベートし
た。分解反応を電気泳動で確認した。
い、純粋なセグメントを得、サンプルをTEバッファー3
0μl中に懸濁した。標的DNA5μl、Pub11a1μl、liga
tion solution I mix60μlを混合し、16℃で一晩静
置した。得られたプラスミドを用い、大腸菌XL2コンピ
テント細胞を形質転換した。
を氷上に置き、液状になったところで100μlを氷冷
したファルコンチューブにとり、1.7μlのメルカプトエ
タノールを添加した。軽く攪拌した後、時々攪拌しなが
ら10分間氷上に置いた。次にligation mixを添加し、
氷上に30分間置いた。42℃で30秒間の加熱後にす
ばやく氷上に戻し、そのまま2分間置いた。次いで90
0μlのSOC培地を添加し、振とうしながら37℃で1時
間培養した。培養した細胞を、アンピシリン(500
×)20μlを添加したプレート上にまき、各プレート
250μlをクリーンベンチで風乾し、37℃で一晩培
養した。
l)を含有する2YT培地(1%酵母抽出物、1.6%トリ
プトン、0.5%NaCl含有)で37℃で増殖させた。Plasm
id Mini Purification Kit(Quiagen)を用いて形質転
換細胞からプラスミドを得た。
2000rpmで15分間遠心分離した。上清を捨て、細菌ペ
レットを0.3mlのP1バッファーに再懸濁し、0.3mlの
P2バッファーを添加して混合し、室温で5分間インキュ
ベートした。次いでP3バッファーを添加して速やかに混
合し、氷上で5分間インキュベートした後、1300rp
mで10分間遠心分離した。上清をとり、1mlQBTバッ
ファーによって平衡化し、重力による流出によって空に
したQIAGEN-tip 20にのせ、重力によって樹脂内に侵入
させた後、QCバッファーで洗浄し、次いで0.8QFバッフ
ァーでDNAを溶出させた。室温のイソプロパノール0.7容
量でDNAを沈降させ、13000rpmで30分間の遠心分離を
行い、注意深く上清をとった。DNAを1mlの70%エ
タノールで洗浄し、5分間風乾した後、30μlのTEバ
ッファーに溶解させた。
出した。目的の遺伝子を含有するプラスミド1μl、Bam
HI1μl、NdeI1μl、Kバッファー1μl、蒸留水6μl
を混合し、37℃で1時間インキュベートし、dye mix
3μlを添加し、確認のために電気泳動を行った。この
結果、形質転換体に目的の遺伝子が含まれていることが
確認された。
10mlのYT培地中にまき、アンピシリン(500×)
20μlを添加して攪拌しながら37℃で一晩予備培養
した。培養物1mlをYT培地100mlにアンピシリン
(500×)20μlと共に入れ、攪拌しながら37℃
でA600が0.6から1.0になるまで培養した。次いでIPTG
100mMを培地1ml当たり10μlの濃度で添加
し、攪拌しながら約9時間培養を継続した。4500rpmで
20分間の遠心分離を行い、上清を除去して細胞を回収
した。これを−20℃で30分間保存した後に室温で融
解した。この細胞を、10mM Tris-HClバッファー
(pH8.0)300μlに懸濁し、1mgのDNaseIを添加
して37℃で30分間加熱した。超音波処理を20分間行
った後にTritonX-100を添加(最終濃度2.5%)し、85
℃で30分間加熱した。
清を回収した(粗酵素)。この上清4μlをとり、SDSバ
ッファー4μlを添加した混合物から1μlをとって5分
間沸騰させた。Phast System装置(アマシャム ファル
マシア バイオテク社)及びPhastGel 10-15(アマシャ
ム ファルマシア バイオテク社)を用いてSDS-PAGEを
行った。
認 実施例4で得られた粗酵素液を用い、酵素活性の確認を
行った。基質としてAla-Ala-Ala(40mM)50μl、
粗酵素液50μl、Tris-HClバッファー(pH8.0)90
0μlを混合し、85℃で1時間加熱した後、混合液か
ら120μlをとり、900μlのニンヒドリン溶液を添
加し、再度85℃で5分間加熱した。分解産物の検出の
ためにA505を検出した結果、酵素活性が確認された。
実施例4と同じ条件下で酵素を抽出した。粗酵素の溶液
に(NH4)2SO4を添加してタンパク質を塩析し、7000rpmで
20分間遠心分離して上清を回収し、蒸留水を添加して
タンパク質を溶解し、これを10mMのTris-HClバッフ
ァーを用い、4℃で一晩した。翌日バッファーを1回交
換し、4℃で8時間静置した。
沈殿を除いた後、HiTrap Q Sepharoseの5mlのカラム
にのせた。カラムに以下のバッファーを2ml/分の流
速で40分間流した。バッファーA:50mM Tris-HC
l、バッファーB:1M NaClを含有する50mM Tris-
HCl。得られた6mlずつの各フラクションをSDS-PAGE
にかけると共に酵素活性を確認し、活性の認められたフ
ラクションを合わせて次の工程に進んだ。
16/10カラムにのせ、以下のバッファーを1.5ml/分
の流速で流した。バッファーA:1.8M (NH4)2SO4を含
有する100mM Na2HPO4、バッファーB:50mM N
a2HPO4。得られた6mlずつの各フラクションをSDS-PA
GEにかけると共に酵素活性を確認し、活性の認められた
フラクションを合わせて次の工程に進んだ。選択したフ
ラクションをHiload superdex 26/60カラムにのせ、1.5
ml/分の流速でバッファー(1Mの食塩を含む100mM Tr
is-HCl (pH8))を流した。得られた6mlずつの各フラ
クションをSDS-PAGEにかけると共に酵素活性を確認し
た。酵素活性を有したフラクションを用いてHPLC(Macr
o-Prep se1000/40)にかけ、分子量を測定した。上記手
順によって精製された酵素は69kDと58kDの間にあ
り、分子量約63,000のタンパク質であることが確認され
た。
ッファー900μl、40mMの下記表1に記載の各種の
ジペプチド若しくはトリペプチド溶液50μlを混合
し、85℃で1時間反応させた。その後、反応混合液か
ら120μlをとり、ニンヒドリン液900μlを加えて
85℃で5分間加熱し、分解産物の検出のために、505n
mの吸光度を測定した。
ペプチドにおいても分解反応が観察されたが、アルギニ
ン−フェニルアラニン(Ala-Phe)のジペプチドが最も
良く反応した。Glu-Ala及びAsp-Alaも良く反応したが、
これらは反応中の自己分解が見られ、酵素的分解のみの
結果は得られなかった。
ファーに懸濁した1mMの各種のエステル950μlを混
合し、85℃で1時間反応させた。分解産物であるp-ニ
トロフェノールの検出のために、403nmの吸光度を測定
した。
エステルにおいても分解反応が観察されたが、p−ニト
ロフェニルカプリン酸エステル、及びp−ニトロフェニ
ルラウリン酸エステルが最も良い基質であった。リパー
ゼ活性検出のためには、p−ニトロフェニルカプリン酸
エステルが最も良い基質となり得ることが示された。
ッファー900μl、40mMの各種のペプチド溶液50
μlを混合し、85℃で1時間反応させ、分解産物であ
るp-ニトロアニリドの検出のために、406nmの吸光度を
測定した。
PNAにおいても分解反応が観察されたが、N-アセチル−
フェニルアラニン−パラニトロアニリド及びN-アセチル
−ロイシン−パラニトロアニリドが最も良い基質であっ
た。
00μlを85℃で16時間反応させた。反応液をクロ
マトグラフにかけると脂肪酸及びグリセリドのピークが
検出された。そのため、本酵素にはリパーゼ活性もある
ことが解った。
ェニルカプリン酸エステルを用いた。該基質溶液(1m
M、pH7.0)950μl及び実施例4で作製した酵素液
50μlを混合した計1mlのサンプル7個を用意し、
30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、及
び90℃でそれぞれ5分間加熱した後、分解産物である
p-ニトロフェノールの検出のために、403nmの吸光度を
検出した。結果を図1に示す。図1の結果から明らかな
ように、本発明の酵素は40〜60℃の範囲で高い分解
活性を示し、50℃近辺に至適温度を有しているが、調
べた30〜90℃の範囲のいずれにおいても分解活性を
有していた。
に基質としてp−ニトロフェニルカプリン酸エステルを
用いた。該基質溶液(1mM、pH7.0)950μl及び
実施例4で作製した酵素液50μlを混合した計1ml
のサンプル12個を用意し、図2に示すpHにそれぞれ
調製し、50℃でそれぞれ5分間加熱した後、分解産物
であるp-ニトロフェノールの検出のために、403nmの吸
光度を検出した。結果を図2に示す。図2の結果から明
らかなように、本発明の酵素はpH約6〜9の範囲にお
いて高い分解活性を示し、8.0近辺に至適pHを有して
いた。
適温度は50℃であるが、90℃でも高活性である耐熱
性ペプチダーゼ及びエステラーゼが提供される。さら
に、酵素分子が安定であるという事から耐有機溶媒性の
向上も期待できる。本発明の酵素により、高温下での、
ペプチド及びエステルの加水分解また、その逆反応であ
るペプチド及びエステルの合成も可能になる。また、ラ
セミ体のペプチド及びエステルの光学分割も可能にな
り、従来不可能であった高温下におけるこれらの酵素的
反応が可能となる。
ー 配列番号4:PCR用プライマー
性との関係を示す。
性との関係を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 30〜100℃の温度範囲においてぺプ
チダーゼ活性及びエステラーゼ活性を有する超耐熱性エ
ステラーゼ。 - 【請求項2】 アエロパイラム属由来である、請求項1
記載の超耐熱性エステラーゼ。 - 【請求項3】 下記の(1)又は(2)のポリヌクレオ
チド。 (1)配列番号1に示すヌクレオチド配列からなるポリ
ヌクレオチド (2)配列番号1に示すヌクレオチド配列において1若
しくは複数個のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加
されたポリヌクレオチドであって、30〜100℃の温
度範囲においてぺプチダーゼ活性及びエステラーゼ活性
を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド - 【請求項4】 下記の(3)又は(4)のポリペプチ
ド。 (3)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプ
チド (4)配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しく
は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたポ
リペプチドであって、30〜100℃の温度範囲におい
てぺプチダーゼ活性及びエステラーゼ活性を有するポリ
ペプチド - 【請求項5】 請求項3に記載のポリヌクレオチドを含
有する組換えベクター。 - 【請求項6】 請求項5に記載の組換えベクターを含有
する形質転換体。 - 【請求項7】 アエロパイラム属に属する超耐熱性エス
テラーゼ生産菌を培地中で培養し、培養物から超耐熱性
エステラーゼを採取することを特徴とする、請求項2に
記載の超耐熱性エステラーゼの製造方法。 - 【請求項8】 請求項6に記載の形質転換体を培地中で
培養し、培養物から超耐熱性エステラーゼを採取するこ
とを特徴とする、請求項1又は2に記載の超耐熱性エス
テラーゼの製造方法。 - 【請求項9】 70℃以上の温度におけるペプチド、エ
ステル、及び/又は脂質の分解、合成、交換あるいはラ
セミ体エステルの光学分割のための、請求項1又は2に
記載の超耐熱性エステラーゼの使用方法。 - 【請求項10】 上記ペプチド、エステル、及び/又は
脂質が室温において固体状である場合、有機溶媒を添加
することを特徴とする、請求項9に記載の使用方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001054949A JP3994150B2 (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 超耐熱性エステラーゼ |
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JP2001054949A JP3994150B2 (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 超耐熱性エステラーゼ |
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2001
- 2001-02-28 JP JP2001054949A patent/JP3994150B2/ja not_active Expired - Lifetime
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