JP2002252977A - 電源回路 - Google Patents
電源回路Info
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- JP2002252977A JP2002252977A JP2001050315A JP2001050315A JP2002252977A JP 2002252977 A JP2002252977 A JP 2002252977A JP 2001050315 A JP2001050315 A JP 2001050315A JP 2001050315 A JP2001050315 A JP 2001050315A JP 2002252977 A JP2002252977 A JP 2002252977A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スパッタリング用電源に求められる機能を、
複雑にならない主回路構成で達成する。 【解決手段】 イオン源に主電源を供給するための、グ
ロー放電を利用したスパッタリング装置用電源におい
て、放電負荷20に直流を供給するための、複数の2次
側整流器D3、D4と、該2次側整流器D3、D4のそ
れぞれに電力を供給するための、放電開始時は最大デュ
ーティで、定常運転時は50%デューティ、且つ、位相
差90°で、出力遮断時は0%デューティで動作するよ
うにされた、複数のデューティ制御用スイッチング素子
Q2、Q3と、該デューティ制御用スイッチング素子Q
2、Q3に供給される電力を制御することによって出力
を制御するための、オン時間及びオン抵抗を可変とされ
た出力制御用スイッチング素子Q1とを備える。
複雑にならない主回路構成で達成する。 【解決手段】 イオン源に主電源を供給するための、グ
ロー放電を利用したスパッタリング装置用電源におい
て、放電負荷20に直流を供給するための、複数の2次
側整流器D3、D4と、該2次側整流器D3、D4のそ
れぞれに電力を供給するための、放電開始時は最大デュ
ーティで、定常運転時は50%デューティ、且つ、位相
差90°で、出力遮断時は0%デューティで動作するよ
うにされた、複数のデューティ制御用スイッチング素子
Q2、Q3と、該デューティ制御用スイッチング素子Q
2、Q3に供給される電力を制御することによって出力
を制御するための、オン時間及びオン抵抗を可変とされ
た出力制御用スイッチング素子Q1とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング装
置用電源回路に係り、特に、真空の製膜装置内の放電負
荷に主電源を供給するためのスパッタリング装置用電源
に求められる様々な機能を、複雑にならない主回路構成
で達成することが可能な電源回路に関する。
置用電源回路に係り、特に、真空の製膜装置内の放電負
荷に主電源を供給するためのスパッタリング装置用電源
に求められる様々な機能を、複雑にならない主回路構成
で達成することが可能な電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】製膜装置に主電源を供給するための、グ
ロー放電を利用したスパッタリング装置用電源回路が知
られている。
ロー放電を利用したスパッタリング装置用電源回路が知
られている。
【0003】このスパッタリング装置用電源回路におい
て制御すべきグロー放電には、図1に示すように、前期
グロー、正規グロー、異常グローの形態がある。前期グ
ローは負性抵抗であるので、この領域で放電を制御する
ためには、図2に示すように、放電管10に電力を供給
する直流電源12と直列に高抵抗14を挿入する必要が
ある。抵抗値と出力電圧を適当に調整することで、放電
形態は、前期グローから正規グローに遷移する。正規グ
ローでは、電流を増加させても放電電圧が一定である。
更に電流を増加すると異常グローとなるが、この領域で
は、電流を増加させると放電電圧も増加する。放電を更
に増加させると、不安定な負性抵抗特性である遷移領域
を経て、アーク放電に移行する。
て制御すべきグロー放電には、図1に示すように、前期
グロー、正規グロー、異常グローの形態がある。前期グ
ローは負性抵抗であるので、この領域で放電を制御する
ためには、図2に示すように、放電管10に電力を供給
する直流電源12と直列に高抵抗14を挿入する必要が
ある。抵抗値と出力電圧を適当に調整することで、放電
形態は、前期グローから正規グローに遷移する。正規グ
ローでは、電流を増加させても放電電圧が一定である。
更に電流を増加すると異常グローとなるが、この領域で
は、電流を増加させると放電電圧も増加する。放電を更
に増加させると、不安定な負性抵抗特性である遷移領域
を経て、アーク放電に移行する。
【0004】従って、運転に際しては、正常時は、放電
を開始する、いわゆる着火運転を前記グロー領域或いは
正規グロー領域で行い、正規グローと異常グローの境界
点、あるいは少し異常グローに入ったところで着火運転
から定常運転への運転モード切替を行い、更に、定電
圧、定電流、定電力のいずれかで、放電域が異常グロー
領域の定常運転を行う。
を開始する、いわゆる着火運転を前記グロー領域或いは
正規グロー領域で行い、正規グローと異常グローの境界
点、あるいは少し異常グローに入ったところで着火運転
から定常運転への運転モード切替を行い、更に、定電
圧、定電流、定電力のいずれかで、放電域が異常グロー
領域の定常運転を行う。
【0005】一方、定常運転時に出力電圧(電力又は電
流)の不安定動作が検出された異常時には、出力を即時
遮断する。
流)の不安定動作が検出された異常時には、出力を即時
遮断する。
【0006】このようなグロー放電を用いたスパッタリ
ング用電源においては、次のような機能が要求される。
ング用電源においては、次のような機能が要求される。
【0007】(1)放電開始時は、定常運転時の最大電
圧の2倍程度を出力でき、その時の出力インピーダンス
は大であること。
圧の2倍程度を出力でき、その時の出力インピーダンス
は大であること。
【0008】(2)電源の効率を考えると、定常運転時
の出力インピーダンスは極力小さいこと。
の出力インピーダンスは極力小さいこと。
【0009】(3)異常時(例えば負荷アーク時)の放
出エネルギーを極力小さくすること。
出エネルギーを極力小さくすること。
【0010】このように、安定にグロー放電を制御する
ためには、直流電源12には、電圧値と出力抵抗値の両
方を制御する機能が要求され、特に、放電開始時は出力
インピーダンスが大、通常運転時は出力インピーダンス
が小であることが要求される。
ためには、直流電源12には、電圧値と出力抵抗値の両
方を制御する機能が要求され、特に、放電開始時は出力
インピーダンスが大、通常運転時は出力インピーダンス
が小であることが要求される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スパッタリング装置用電源においては、出力電圧の可変
機能はあるが、出力抵抗の可変機能は有していなかっ
た。
スパッタリング装置用電源においては、出力電圧の可変
機能はあるが、出力抵抗の可変機能は有していなかっ
た。
【0012】一方、異常放電時に放出するエネルギー
は、スイッチング電源の2次側にあるLCフィルタに蓄
えられるエネルギー(1/2LI2と1/2CV2を足し
合わせたもの)に等しい。蓄積エネルギーの観点から、
LC積を極力小さくしたいが、出力リップル(電圧、電
流、電力)を小さくする目的から、LC積を余り小さく
できない。そのため、蓄えられているエネルギーを、負
荷以外の道に逃す別の方法を採らなければならず、例え
ば、出力端子間に短絡スイッチを設けることが行われて
いるが、構成が複雑化するという問題点を有する。
は、スイッチング電源の2次側にあるLCフィルタに蓄
えられるエネルギー(1/2LI2と1/2CV2を足し
合わせたもの)に等しい。蓄積エネルギーの観点から、
LC積を極力小さくしたいが、出力リップル(電圧、電
流、電力)を小さくする目的から、LC積を余り小さく
できない。そのため、蓄えられているエネルギーを、負
荷以外の道に逃す別の方法を採らなければならず、例え
ば、出力端子間に短絡スイッチを設けることが行われて
いるが、構成が複雑化するという問題点を有する。
【0013】又、例えば、特許第2733454号に
は、負荷における異常放電の発生時に、負荷に逆極性電
圧パルスを印加して、異常放電状態のプラズマ自身の蓄
積エネルギーと、直流電源から供給されるエネルギーを
短時間で放出して、異常放電初期に発生した少数派アー
クが多数派アークに成長する以前に、異常放電を抑制す
ることが記載されている。
は、負荷における異常放電の発生時に、負荷に逆極性電
圧パルスを印加して、異常放電状態のプラズマ自身の蓄
積エネルギーと、直流電源から供給されるエネルギーを
短時間で放出して、異常放電初期に発生した少数派アー
クが多数派アークに成長する以前に、異常放電を抑制す
ることが記載されている。
【0014】又、特開平8−167500には、負荷に
供給される高周波電力の反射電力を検出し、その検出信
号を微分し、微分信号強度に基づいてアーク放電の発生
を検出し、アーク放電が発生した場合、パルス信号を発
生させ、このパルス信号に基づくパルス高周波電力を負
荷に供給して、アーク放電の発生後にアーク放電を速や
かに抑制し、アーク放電の消去後は、直ちにプラズマ装
置の運転を可能とすることが記載されている。
供給される高周波電力の反射電力を検出し、その検出信
号を微分し、微分信号強度に基づいてアーク放電の発生
を検出し、アーク放電が発生した場合、パルス信号を発
生させ、このパルス信号に基づくパルス高周波電力を負
荷に供給して、アーク放電の発生後にアーク放電を速や
かに抑制し、アーク放電の消去後は、直ちにプラズマ装
置の運転を可能とすることが記載されている。
【0015】又、特開平8−277468には、異常放
電時の出力電圧の変化を検出したとき、あるいは、負荷
電流が予め設定された過電流検出レベルを超えたとき、
それに応答して出力を急速に絞ることにより、真空装置
の一時的な異常放電の場合でも、長時間の遮断がなく、
真空装置のスパッタリング又はエッチングなどの動作
を、殆ど無駄時間なしに行えるようにすることが記載さ
れている。
電時の出力電圧の変化を検出したとき、あるいは、負荷
電流が予め設定された過電流検出レベルを超えたとき、
それに応答して出力を急速に絞ることにより、真空装置
の一時的な異常放電の場合でも、長時間の遮断がなく、
真空装置のスパッタリング又はエッチングなどの動作
を、殆ど無駄時間なしに行えるようにすることが記載さ
れている。
【0016】しかしながら、いずれにしても、構成が複
雑化するという問題点を有していた。
雑化するという問題点を有していた。
【0017】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、スパッタリング装置用電源に求めら
れる様々な機能を、複雑にならない主回路構成で達成す
ることを課題とする。
くなされたもので、スパッタリング装置用電源に求めら
れる様々な機能を、複雑にならない主回路構成で達成す
ることを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、スパッタリン
グ装置に主電源を供給するための、グロー放電を利用し
た電源回路において、負荷に直流を供給するための、複
数の2次側整流器と、該2次側整流器のそれぞれに電力
を供給するための、放電開始時は最大デューティで、通
常運転時は50%デューティ、且つ、位相差90°で、
出力遮断時は0%デューティで動作するようにされた、
複数のデューティ制御用スイッチング素子と、該デュー
ティ制御用スイッチング素子に供給される電力を制御す
ることによって出力を制御するための、オン時間及びオ
ン抵抗が可変とされた出力制御用スイッチング素子とを
備えることにより、前記課題を解決したものである。
グ装置に主電源を供給するための、グロー放電を利用し
た電源回路において、負荷に直流を供給するための、複
数の2次側整流器と、該2次側整流器のそれぞれに電力
を供給するための、放電開始時は最大デューティで、通
常運転時は50%デューティ、且つ、位相差90°で、
出力遮断時は0%デューティで動作するようにされた、
複数のデューティ制御用スイッチング素子と、該デュー
ティ制御用スイッチング素子に供給される電力を制御す
ることによって出力を制御するための、オン時間及びオ
ン抵抗が可変とされた出力制御用スイッチング素子とを
備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0019】又、前記出力制御用スイッチング素子を電
界効果型トランジスタ又は絶縁ゲートバイポーラトラン
ジスタにより構成し、放電開始時は、そのゲートソース
電圧を小さくすることによって、そのオン抵抗を大きく
して、電源の出力インピーダンスを高抵抗とするように
したものである。更に、デューティ制御用スイッチング
素子のオン抵抗も同時に制御可能である。
界効果型トランジスタ又は絶縁ゲートバイポーラトラン
ジスタにより構成し、放電開始時は、そのゲートソース
電圧を小さくすることによって、そのオン抵抗を大きく
して、電源の出力インピーダンスを高抵抗とするように
したものである。更に、デューティ制御用スイッチング
素子のオン抵抗も同時に制御可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
実施形態を詳細に説明する。
【0021】本実施形態は、図3に示す如く、例えばス
パッタリング用製膜装置である放電負荷20に主電源を
供給するための、グロー放電を利用したスパッタリング
装置用直流電源回路18において、放電負荷20に供給
される電力の出力リップルを小さくするための2次側イ
ンダクタンスL2及びコイルC2と、該2次側インダク
タンスL2及びコイルC2に直流を供給するための、複
数(図では2組)の2次側整流器D3、D4と、トラン
スT1、T2を介して、該2次側整流器D3、D4のそ
れぞれに電力を供給するための、放電開始時は最大デュ
ーティで、定常運転時は50%デューティ、且つ、位相
差90°で、出力遮断時は0%デューティで動作するよ
うにされた、複数のデューティ制御用スイッチング素子
としてのH型ブリッジQ2、Q3と、該H型ブリッジQ
2、Q3の入側に設けられた、1次側インダクタンスL
1及び1次側コイルC1と、該1次側インダクタンスL
1及びコイルC1の入側に設けられた整流器D2と、該
整流器D2の入側に設けられた、前記H型ブリッジQ
2、Q3に供給される電力を制御することによって出力
を制御するための、オン時間及びオン抵抗を可変とされ
た出力制御用スイッチング素子としての電界効果型トラ
ンジスタ(FET)Q1と、該出力制御用スイッチング
素子Q1の入側に設けられた1次側整流器D1と、該1
次側整流器D1に交流電力を供給する交流電源16とを
備えたものである。なお、スイッチング素子Q1として
は、FETの代わりに、MOS FETとバイポーラト
ランジスタを組合せて1チップとした絶縁ゲートバイポ
ーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transi
stor:IGBT)を用いても良い。
パッタリング用製膜装置である放電負荷20に主電源を
供給するための、グロー放電を利用したスパッタリング
装置用直流電源回路18において、放電負荷20に供給
される電力の出力リップルを小さくするための2次側イ
ンダクタンスL2及びコイルC2と、該2次側インダク
タンスL2及びコイルC2に直流を供給するための、複
数(図では2組)の2次側整流器D3、D4と、トラン
スT1、T2を介して、該2次側整流器D3、D4のそ
れぞれに電力を供給するための、放電開始時は最大デュ
ーティで、定常運転時は50%デューティ、且つ、位相
差90°で、出力遮断時は0%デューティで動作するよ
うにされた、複数のデューティ制御用スイッチング素子
としてのH型ブリッジQ2、Q3と、該H型ブリッジQ
2、Q3の入側に設けられた、1次側インダクタンスL
1及び1次側コイルC1と、該1次側インダクタンスL
1及びコイルC1の入側に設けられた整流器D2と、該
整流器D2の入側に設けられた、前記H型ブリッジQ
2、Q3に供給される電力を制御することによって出力
を制御するための、オン時間及びオン抵抗を可変とされ
た出力制御用スイッチング素子としての電界効果型トラ
ンジスタ(FET)Q1と、該出力制御用スイッチング
素子Q1の入側に設けられた1次側整流器D1と、該1
次側整流器D1に交流電力を供給する交流電源16とを
備えたものである。なお、スイッチング素子Q1として
は、FETの代わりに、MOS FETとバイポーラト
ランジスタを組合せて1チップとした絶縁ゲートバイポ
ーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transi
stor:IGBT)を用いても良い。
【0022】ここで、前記2次側整流器D3、D4の下
流側の直流にリップル成分がないときは、2次側インダ
クタンスL2及びコイルC2は共に不要であり、蓄積エ
ネルギーは零となる。
流側の直流にリップル成分がないときは、2次側インダ
クタンスL2及びコイルC2は共に不要であり、蓄積エ
ネルギーは零となる。
【0023】一般の電源のように、デューティ制御用ス
イッチング素子Q2、Q3をパルス幅変調(PWM)で
運転し、且つ、それぞれ位相に90°の差を設けた場合
には、デューティが50%の時に限って、上記条件が成
立する。従って、本実施形態では、定常運転時は、常に
この状態とする。そして、出力の制御は、デューティ制
御用スイッチング素子Q2、Q3ではなく、上流側の出
力制御用スイッチング素子Q1で行う。このことで、理
論的には、2次側インダクタンスL2及びコイルC2が
不要となる。
イッチング素子Q2、Q3をパルス幅変調(PWM)で
運転し、且つ、それぞれ位相に90°の差を設けた場合
には、デューティが50%の時に限って、上記条件が成
立する。従って、本実施形態では、定常運転時は、常に
この状態とする。そして、出力の制御は、デューティ制
御用スイッチング素子Q2、Q3ではなく、上流側の出
力制御用スイッチング素子Q1で行う。このことで、理
論的には、2次側インダクタンスL2及びコイルC2が
不要となる。
【0024】スイッチング素子Q2、Q3のデューティ
が50%と異なるのは、デューティを最大にして出力を
高電圧にし、放電を開始する場合と、0%として、出力
を遮断する場合である。これにより、異常放電時の放出
エネルギーを小さくすることができる。
が50%と異なるのは、デューティを最大にして出力を
高電圧にし、放電を開始する場合と、0%として、出力
を遮断する場合である。これにより、異常放電時の放出
エネルギーを小さくすることができる。
【0025】一方、出刀制御用スイッチング素子Q1の
役割りは、オン時間を可変にすることで、スイッチング
素子Q2、Q3にかかる電圧を可変にし、スイッチング
素子Q2、Q3に接続されたトランスの出力電圧を可変
にして電源出力を可変にすることと、オン抵抗を制御
し、電源の出力インピーダンスを制御することである。
役割りは、オン時間を可変にすることで、スイッチング
素子Q2、Q3にかかる電圧を可変にし、スイッチング
素子Q2、Q3に接続されたトランスの出力電圧を可変
にして電源出力を可変にすることと、オン抵抗を制御
し、電源の出力インピーダンスを制御することである。
【0026】前記スイッチング素子Q1として用いるF
ETの出力特性の一例を図4に示す。該スイッチング素
子Q1の動作点は、この実線上のどこか一点にある。図
の左上ほど電流が大きく、電圧は小さいので、オン抵抗
が小さい領域となる。逆に右下に向かうほど、オン抵抗
が大きくなる領域である。放電開始時は、この右下の領
域とし、ゲートソース電圧を小さくしてやる。このよう
にゲート電圧を小さくすると、電源の出力インピーダン
スは大きい領域で動作させることとなるが、放電開始前
は、その出力インピーダンスと比較して放電負荷20の
インピーダンスが桁違いに大きいので、出力電圧はスイ
ッチング素子Q1のオン時間(デューティ)にのみ依存
する。従って、電源を高電圧、高抵抗の状態とすること
ができる。
ETの出力特性の一例を図4に示す。該スイッチング素
子Q1の動作点は、この実線上のどこか一点にある。図
の左上ほど電流が大きく、電圧は小さいので、オン抵抗
が小さい領域となる。逆に右下に向かうほど、オン抵抗
が大きくなる領域である。放電開始時は、この右下の領
域とし、ゲートソース電圧を小さくしてやる。このよう
にゲート電圧を小さくすると、電源の出力インピーダン
スは大きい領域で動作させることとなるが、放電開始前
は、その出力インピーダンスと比較して放電負荷20の
インピーダンスが桁違いに大きいので、出力電圧はスイ
ッチング素子Q1のオン時間(デューティ)にのみ依存
する。従って、電源を高電圧、高抵抗の状態とすること
ができる。
【0027】以下、本実施形態の運転手順を説明する。
【0028】先ず、正常時の着火時は、インピーダンス
を大きくするために、スイッチング素子Q1のFETゲ
ート電圧を小さくし、電圧は定常運転より高くするた
め、スイッチング素子Q2、Q3を最大デューティで動
作させ、例えば出力電圧1600V、出力インピーダン
ス20kΩで放電を開始する。すると、放電は、例えば
1600V、0Aと、0V、80mAを結ぶ直線上で落
ち着く。仮に放電電圧300Vであると、出力電流は6
5mAであり、出力電力は19.5Wである。この時、
放電域は正規グロー領域(又は前期グロー領域)であ
る。
を大きくするために、スイッチング素子Q1のFETゲ
ート電圧を小さくし、電圧は定常運転より高くするた
め、スイッチング素子Q2、Q3を最大デューティで動
作させ、例えば出力電圧1600V、出力インピーダン
ス20kΩで放電を開始する。すると、放電は、例えば
1600V、0Aと、0V、80mAを結ぶ直線上で落
ち着く。仮に放電電圧300Vであると、出力電流は6
5mAであり、出力電力は19.5Wである。この時、
放電域は正規グロー領域(又は前期グロー領域)であ
る。
【0029】次いで、スイッチング素子Q1のFETゲ
ート電圧を大きくして、インピーダンスを下げると共
に、スイッチング素子Q2、Q3を、50%デューテ
ィ、上下スイッチング素子(H型ブリッジ)の位相差を
90°とし、出力電圧300V、出力インピーダンスを
最小な状態に切り換えて、運転モードを着火運転から定
常運転モードに切り換える。この時、放電域は、正規グ
ローと異常グローの境界、あるいは、少し異常グローに
入ったところになる。
ート電圧を大きくして、インピーダンスを下げると共
に、スイッチング素子Q2、Q3を、50%デューテ
ィ、上下スイッチング素子(H型ブリッジ)の位相差を
90°とし、出力電圧300V、出力インピーダンスを
最小な状態に切り換えて、運転モードを着火運転から定
常運転モードに切り換える。この時、放電域は、正規グ
ローと異常グローの境界、あるいは、少し異常グローに
入ったところになる。
【0030】次いで、定電圧、定電流、定電力のいずれ
かで定常運転する。この時、放電域は異常グロー領域と
なる。
かで定常運転する。この時、放電域は異常グロー領域と
なる。
【0031】一方、定常運転時に出力電圧(電力又は電
流)の不安定動作が検出された異常時には、スイッチン
グ素子Q2、Q3のデューティを0%として、出力を即
時遮断する。
流)の不安定動作が検出された異常時には、スイッチン
グ素子Q2、Q3のデューティを0%として、出力を即
時遮断する。
【0032】なお、前記実施形態においては、出力制御
用スイッチング素子Q1がFETとされ、デューティ制
御用スイッチング素子Q2、Q3がH型ブリッジとされ
ていたが、これらの構成は、これに限定されない。
用スイッチング素子Q1がFETとされ、デューティ制
御用スイッチング素子Q2、Q3がH型ブリッジとされ
ていたが、これらの構成は、これに限定されない。
【0033】又、前記実施形態においては、本発明が、
製膜装置に主電源を供給するためのスパッタリング装置
用電源に適用されていたが、本発明の適用対象は、これ
に限定されず、他のイオン源用電源にも同様に適用でき
ることは明らかである。
製膜装置に主電源を供給するためのスパッタリング装置
用電源に適用されていたが、本発明の適用対象は、これ
に限定されず、他のイオン源用電源にも同様に適用でき
ることは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、スパッタリング装置用
電源に求められる機能を、複雑にならない主回路構成で
達成させることが可能となる。
電源に求められる機能を、複雑にならない主回路構成で
達成させることが可能となる。
【図1】本発明の原理を説明するための、グロー放電の
電圧−電流特性の一例を示す線図
電圧−電流特性の一例を示す線図
【図2】同じく、グロー放電の特性を示す線図
【図3】本発明に係るスパッタリング装置用電源回路の
実施形態の構成を示す回路図
実施形態の構成を示す回路図
【図4】前記実施形態で出力制御用スイッチング素子と
して用いられている電界効果型トランジスタの出力特性
の例を示す線図
して用いられている電界効果型トランジスタの出力特性
の例を示す線図
16…交流電源 18…スパッタリング装置用直流電源 20…放電負荷 D1、D2、D3、D4…整流器 L1、L2…インダクタンス C1、C2…コイル Q1…電界効果型トランジスタ(出力制御用スイッチン
グ素子) Q2、Q3…Hブリッジ(デューティ制御用スイッチン
グ素子)
グ素子) Q2、Q3…Hブリッジ(デューティ制御用スイッチン
グ素子)
Claims (2)
- 【請求項1】スパッタリング装置に主電源を供給するた
めの、グロー放電を利用した電源回路において、 負荷に直流を供給するための、複数の2次側整流器と、 該2次側整流器のそれぞれに電力を供給するための、放
電開始時は最大デューティで、通常運転時は50%デュ
ーティ、且つ、位相差90°で、出力遮断時は0%デュ
ーティで動作するようにされた、複数のデューティ制御
用スイッチング素子と、 該デューティ制御用スイッチング素子に供給される電力
を制御することによって出力を制御するための、オン時
間及びオン抵抗が可変とされた出力制御用スイッチング
素子と、 を備えたことを特徴とする電源回路。 - 【請求項2】前記出力制御用スイッチング素子が電界効
果型トランジスタ又は絶縁ゲートバイポーラトランジス
タによって構成され、放電開始時は、そのゲートソース
電圧を小さくすることによって、そのオン抵抗を大きく
して、電源の出力インピーダンスを高抵抗とすることを
特徴とする請求項1に記載の電源回路。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007116881A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Nippon Reliance Kk | 交流電源装置およびその装置におけるアーク抑制方法 |
JP2007143338A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-07 | Nippon Reliance Kk | 交流電源装置およびその装置におけるアーク抑制方法 |
JP2010193631A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Canon Inc | 電源装置及び画像形成装置 |
KR101095387B1 (ko) * | 2009-05-14 | 2011-12-16 | 주식회사 다원시스 | 화학 기상 증착 장치용 전원 장치 |
CN106230304A (zh) * | 2016-09-20 | 2016-12-14 | 中国工程物理研究院流体物理研究所 | 一种用于可移动环境的高压电源及产生方法 |
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2001
- 2001-02-26 JP JP2001050315A patent/JP3505514B2/ja not_active Expired - Fee Related
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