JP2002252178A - エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法

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JP2002252178A
JP2002252178A JP2001049732A JP2001049732A JP2002252178A JP 2002252178 A JP2002252178 A JP 2002252178A JP 2001049732 A JP2001049732 A JP 2001049732A JP 2001049732 A JP2001049732 A JP 2001049732A JP 2002252178 A JP2002252178 A JP 2002252178A
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wafer
epitaxial
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single crystal
atoms
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Koji Sueoka
浩治 末岡
Naoki Ikeda
直紀 池田
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Sumco Corp
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Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Bを高濃度に含むサブウェーハを用いるエピタ
キシャルウェーハにおいて、エピタキシャル膜の欠陥が
極めて少ないウェーハとその製造方法の提供。 【解決手段】ボロンの濃度が4×1018〜2×1019atom
s/cmで、錫の濃度が1×1018〜2×1019atoms/cm
であるシリコン単結晶によるサブウェーハ上に、エピタ
キシャル膜が形成されているエピタキシャルシリコンウ
ェーハ。および育成速度をV(cm/min)引き上げ軸方向
の温度勾配をG(K/cm)とするとき、V/Gが1.34×10
−3cm/(min・K)を超える条件で育成した単結晶から
サブウェーハを採取し、これにエピタキシャル膜を形成
させる上記ウェーハの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、LSI等の半導体
集積回路素子の基板として用いられるエピタキシャルウ
ェーハに関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンを基板とする、半導体集積回路
素子(デバイス)の集積の高密度化は急速に進行してお
り、基板となるシリコンウェーハに対する特性向上の要
求はますます厳しくなっている。
【0003】従来、デバイスの製造に用いる基板とし
て、チョクラルスキー(CZ)法により育成された、シ
リコン単結晶から切り出されたシリコンウェーハが広く
用いられている。このようなウエーハに対し、MOSト
ランジスタを主とするデバイスを対象として、表面のデ
バイスが形成される活性化領域には結晶欠陥が極めて少
なく、中心部には製造プロセスにおいて避けがたい重金
属汚染に対するゲッタリング作用を有する内部欠陥を含
むなど、すぐれた性能を有するウェーハを得るための様
々な工夫がなされてきた。
【0004】しかしながら、集積の高密度化とともにウ
ェーハに対する要求や製造プロセスは次第に変化し、た
とえば、処理温度が低下してきたため酸素の外方拡散に
よる欠陥発生抑止効果が減退し、これまでのウェーハで
は表面層に無欠陥領域を形成しにくくなってきた。ま
た、デバイスを形成させる表面部分と内部とで抵抗値が
異なることが好ましいが、通常のウェーハではこれは変
えられず、さらには欠陥存在に対する要求の厳しさも増
してきている。このようなことから、MOSデバイス、
とくにCMOSに対して、エピタキシャルシリコンウェ
ーハが多く用いられるようになってきた。エピタキシャ
ルウェーハは、表面に高純度で欠陥の極めて少ないシリ
コン層を有することから、これまでダイオードやバイポ
ーラデバイスなどに多く使用されていたものである。
【0005】表層にエピタキシャル膜を形成させる基板
のシリコンウェーハ(以下サブウェーハという)には、
通常B(ボロン)を高濃度に添加したシリコン単結晶ウ
ェーハが用いられる。これは、高純度極低欠陥のエピタ
キシャル膜が高抵抗であることにより生じる幾つかの悪
影響を、サブウェーハを低抵抗にして減少させるためで
ある。
【0006】上記の悪影響には、ラッチアップ現象、雑
音電流、あるいはα線傷害などがある。ラッチアップ現
象は、デバイス使用時に生じた浮遊電荷が寄生トランジ
スタを作動させ、回路を誤動作させるばかりでなくデバ
イス破壊にまで至るおそれのあるもので、サブウェーハ
を低抵抗とすることにより寄生トランジスタの作動を抑
止できる。また、雑音電流は発生しても低抵抗のサブウ
ェーハに逃がすことができ、α線傷害に対しては発生し
たキャリヤをサブウェーハの高濃度部で消滅させ低減す
ることができる。
【0007】エピタキシャル膜はデバイスが形成される
ため、欠陥の存在はできるだけ少なくなければならな
い。エピタキシャル膜の欠陥としては、転位や積層欠陥
が問題となるが、サブウェーハ表面の欠陥が原因になっ
て発生成長する場合が多く、その欠陥の存在は極力低減
する必要がある。このサブウェエーハのB添加量は、通
常1019atoms/cm前後で、抵抗率は5〜20mΩcm程度に
調整されるが、Bの高濃度添加は、結晶の有転位化やエ
ピタキシャル膜を成膜する際、膜のミスフィット転位発
生の原因になりやすい。
【0008】CZ法によるシリコン単結晶ウェーハは、
酸化生雰囲気中で高温熱処理されたとき、酸化誘起積層
欠陥(OSF:Oxidation-induced Stacking Fault)の
集積したものが、ウェーハ面に同心円状に現れることが
ある。このOSF群(以下リング状OSFという)はデ
バイスの特性を劣化させ、さらにリング状OSFの外側
部分は、転位クラスタなど有害な欠陥の発生しやすい傾
向がある。
【0009】このため、通常のシリコン単結晶の育成
は、デバイスがこれらの欠陥に影響されないよう、リン
グ状OSFが潜在的に存在する領域やその外側の領域
が、ウェーハの外周部ないしはそれより大きくなる条件
で実施される。このリング状OSFの直径は、単結晶の
引き上げ速度を大きくすると大きくなる。また、引き上
げ直後の冷却条件によっても影響をうけ、同じ引き上げ
速度でも、凝固直後の引き上げ軸方向の温度勾配が小さ
いほど大きくなる。
【0010】たとえば、一般的に用いられる抵抗率1〜1
0Ωcmのシリコンウェーハを製造する場合、単結晶の引
上げ速度をV(cm/min)、凝固から1300℃までの引き上
げ軸方向の温度勾配をG(K/cm)とするとき、V/Gを
1.34×10−3cm/(min・K)以上に制御すると、リング
状OSFはウェーハの最外周、ないしはそれより外側に
位置させることができる(T.shinno他,J.Electrochem.S
oc.,145:303,1998)。サブウェーハにあるOSFを生じ
させる酸素析出核や転移クラスタ欠陥は、エピタキシャ
ル膜の欠陥の原因となるので、欠陥のきわめて少ないエ
ピタキシャルウェーハを得るためには、上記同様な単結
晶の製造条件管理が重要である。
【0011】ところが、Bを高濃度に添加すると、リン
グ状OSFの発生位置が縮小し、通常のB添加では十分
外周部ないしはそれ以上の位置にあるはずの引上げ条件
で、リング状OSFが内部に位置してしまう。このた
め、リング状OSFを内部に含まないサブウェーハは容
易には得られず、エピタキシャル膜に欠陥ない、高品質
のエピタキシャルウェーハの製造を困難にしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Bを
高濃度に含むサブウェーハによる、エピタキシャル膜の
欠陥が極めて少ないエピタキシャルシリコンウェーハお
よびその製造方法の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抵抗率が
5〜20mΩcmとなるよう、高濃度のBを添加したシリコン
単結晶によるサブウェーハを用いた場合の、エピタキシ
ャルウェーハのエピタキシャル膜に生じる欠陥を低減す
るための検討をおこなった。
【0014】まず、エピタキシャル膜の欠陥発生状況を
調査の結果、そのほとんどは膜を形成させるサブウェー
ハに起因し、とくにそのリング状OSFが発生する位置
の近傍に多く生じる傾向があることがわかった。通常の
抵抗率が1〜10Ωcm程度のp型シリコン単結晶の場合、
リング状OSFは単結晶の外周近傍ないしはその外側に
位置するため、実質的にウェーハには現れない。しかし
高濃度のBを添加した場合、これが内側に移動し、ウェ
ーハ内に位置してくる。
【0015】そこで、引き上げ速度や冷却条件を種々変
えて単結晶を育成してみたが、健全な単結晶を得るため
の上限の、V/Gが5×10−3cm/(min・K)を超える条
件でも、リング状OSFをウェーハ外に移動させること
はできなかった。
【0016】このリング状OSFの発生理由については
必ずしも明らかではないが、リング状OSFの内側部分
では空孔が過剰に存在し、外側部分には結晶格子間シリ
コン原子が過剰に存在するとされている。このことから
リング状OSFは、空孔濃度が増加するような単結晶引
き上げ条件ではウェーハ外側に移動し、格子間原子が増
加するような条件では内側に移動すると推定される。
【0017】Bを高濃度に添加すると、同じ条件での引
き上げでリング状OSFが小さくなって内側に移動する
ことは、Bの添加が格子間シリコン原子を過剰に存在さ
せたのと同じ状態をもたらしていると考えられる。シリ
コン結晶中にドーブされたB原子は、どのような形態で
存在するのか明らかではないが、物性関係の便覧等で調
べると、Bの原子半径はSiに比べかなり小さい。この
ことは、原子半径の小さな元素の添加は、格子間原子を
過剰に存在させた場合と同じ効果があるのではないかと
推測された。そうすると、原子半径の大きい元素を添加
すれば逆の効果が現れる可能性があり、Bを高濃度とす
る場合に、同時に原子半径が大きい元素を含有させれ
ば、B原子の影響を相殺できるのではないかと考えられ
る。
【0018】Siよりも大きい原子半径を持つ元素は数
多くあるが、添加することによりウェーハの電気特性に
影響をおよぼすものは好ましくない。このような点か
ら、外殻電子の状態がSiと同じ元素、すなわちGe、
SnおよびPbについてその添加の効果を検討してみ
た。その結果、Geは添加による効果がほとんど現れ
ず、Pbは安定して添加できないことや単結晶育成中に
多結晶化しやすい点で好ましくない。ところがSnの添
加は、Bを高濃度に添加した場合、リング状OSFをウ
ェーハを外周ないしはそれより外へ移動させるのに、大
きな効果があることを見出したのである。
【0019】このようにして、Bを高濃度とし、Snを
添加したシリコン単結晶からサブウェーハを採取して、
エピタキシャル膜を形成させた結果、ほぼ完全な無欠陥
のエピタキシャル膜を有する、エピタキシャルシリコン
ウェーハが得られることが明らかになった。
【0020】そこで、Snの必要添加量の限界、エピタ
キシャル膜の欠陥発生状況、さらに得られたエピタキシ
ャルウェーハの電気特性等におよぼす影響、等を種々検
討し本発明を完成させた。本発明の要旨は次のとおりで
ある。
【0021】(1)Bを4×1018〜2×1019atoms/cm
およびSnを1×1018〜2×10 atoms/cm含むシ
リコン単結晶によるサブウェーハ上に、エピタキシャル
膜が形成されていることを特徴とするエピタキシャルシ
リコンウェーハ。
【0022】(2)Bの濃度が4×1018〜2×1019at
oms/cm、Snの濃度が1×1018〜2×1019atoms/cm
であるシリコン融液から、育成速度をV(cm/min)、
引き上げ軸方向の温度勾配をG(K/cm)とするとき、V
/Gが1.34×10−3cm/(min・K)を超える条件で単結晶
の育成をおこない、得られた単結晶から採取したサブウ
ェーハ上にエピタキシャル膜を形成させることを特徴と
するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のエピタキシャルシリコン
ウェーハの、エピタキシャル膜を形成させるサブウェー
ハは、Bを4×1018〜2×1019atoms/cmの濃度範囲
でBを含有することとする。これは、十分な性能を発揮
させるサブウェーハの抵抗値としては、20mΩcm以下に
する必要があり、そのためにはBを4×1018atoms/cm
以上含有させなければならず、他方、Bの含有を増し
て2×1019atoms/cmを超える量にすると、単結晶育
成中に多結晶化するおそれがあるからである。
【0024】上記範囲のBを含有させた場合、Snの含
有はリング状OSFの発生位置をウェーハ外周側に移動
させる効果がある。その含有範囲は1×1018〜2×10
19atoms/cmとするが、これは、通常の低B量添加の
p型シリコン単結晶育成の場合と同様な条件で引き上げ
ても、リング状OSFの位置をウェーハ外周近傍ないし
はそれより外側にすることができるからである。
【0025】B濃度を高くして育成した単結晶から採取
した、ウェーハ上に観察されるリング状OSFは、Sn
が1×1018atoms/cm未満ではウェーハの内側に多く
見られるようになり、その上に形成させたエピタキシャ
ル膜の欠陥多発の原因となる。また、2×1019atoms/c
mを超えて含有させると、多結晶化を生じやすくな
る。
【0026】このBを高濃度としてSnを添加した単結
晶の育成は、育成速度をV(cm/min)引き上げ軸方向の
温度勾配をG(K/cm)とするとき、V/Gが1.34×10
−3cm /(min・K)を超える条件でおこなえば、リング
状OSFの発生位置がウェーハの外周ないしはそれより
外側になり、ウェーハ内には生じない。ただしV/Gは
大きくしすぎると、多結晶化を生じたり空孔などの欠陥
が大きくなったりしてくるので、 5×10−3cm/(min
・K)程度までとするのが望ましい。
【0027】上述のようにして得られた単結晶をスライ
スし表面を研磨した、サブウェーハの表面にエピタキシ
ャル膜を形成させる。このエピタキシャル膜の形成は、
通常用いられる方法を適用すればよく、たとえばSiC
、SiHCl、SiH ClなどのSiを含ん
だ原料ガスによるCVD法により所要の厚さとする。
【0028】
【実施例】抵抗率15mΩcmを目標にBを7×1018atoms/
cm添加し、これにSnを4×10 18atoms/cm添加し
た直径200mmのシリコン単結晶を、引上げ速度1.3mm/mi
n、凝固から1250℃までの温度勾配が3.71K/mmとなるホ
ットゾーンを用いて引き上げ育成した。V/Gは3.5×10
−3cm/(min・K)である。また、比較のため、Bを同
じ量添加し、Snの添加をおこなわなかったシリコン単
結晶を、同一条件で育成した。
【0029】これらの単結晶はスライスして表面を研磨
し、サブウェーハを作製した。サブウェーハは、ランプ
加熱方式の横型CVDエピタキシャル装置にて、水素雰
囲気中1150℃で80秒間ベーキングをおこなった後、Si
HClを原料ガスとし1080℃にて厚さ4μmのエピタキ
シャル膜を成膜し、エピタキシャルウェーハとした。得
られたウェーハについて、表面における欠陥をパーティ
クルカウンターによる光散乱測定法を用いて検出し、そ
の密度を求めた。
【0030】ウェーハの中心から周方向へ向けての位置
における、エピタキシャル膜表面にて検出された欠陥の
密度を図1に示す。これから明らかなように、Snの添
加をおこなわない場合、中心から約40mmの位置で、欠陥
が高密度で見出される。これに対し、本発明のSnを添
加したサブウェーハによるエピタキシャルシリコンウェ
ーハでは、中心から外周まで全く欠陥が見出されていな
い。
【0031】また、各単結晶から採取したサブウェーハ
について、1100℃にて16時間の酸化熱処理後、ライト液
によるエッチングをおこなってリング状OSFの位置を
調べたところ、Snを添加しなかった単結晶では、中心
から約40mmの位置に存在していた。これに対しSnを添
加した単結晶によるサブウェーハでは、リング状OSF
の存在は認められなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明のエピタキシャルウェーハは、高
濃度にBを含有した低抵抗のサブウェーハを用いた、そ
の上に形成されたエピタキシャル膜の欠陥が極めて少な
いものである。このエピタキシャルウェーハは、従来の
用途ばかりでなく、高集積度化するMOSあるいはCM
OSデバイスに用いて、良品を高歩留まりで製造するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高濃度のBを含むサブウェーハ上に形成された
エピタキシャル膜の、ウェーハ半径方向における欠陥密
度の分布を示した図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボロン(B)を4×1018〜2×1019atom
    s/cmおよび錫(Sn)を1×10 〜2×1019atoms/
    cm含むシリコン単結晶によるサブウェーハ上に、エピ
    タキシャル膜が形成されていることを特徴とするエピタ
    キシャルシリコンウェーハ。
  2. 【請求項2】ボロン(B)の濃度が4×1018〜2×10
    19atoms/cm、錫(Sn)の濃度が1×1018〜2×10
    19atoms/cmであるシリコン融液から、育成速度をV
    (cm/min)、引き上げ軸方向の温度勾配をG(K/cm)と
    するとき、V/Gが1.34×10 cm/(min・K)を超える
    条件で単結晶の育成をおこない、得られた単結晶から採
    取したサブウェーハ上にエピタキシャル膜を形成させる
    ことを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製
    造方法。
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