JP2002252143A - 温度補償用薄膜コンデンサ及び電子機器 - Google Patents

温度補償用薄膜コンデンサ及び電子機器

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JP2002252143A JP2001254927A JP2001254927A JP2002252143A JP 2002252143 A JP2002252143 A JP 2002252143A JP 2001254927 A JP2001254927 A JP 2001254927A JP 2001254927 A JP2001254927 A JP 2001254927A JP 2002252143 A JP2002252143 A JP 2002252143A
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洋文 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電率が低く、静電容量の温度依存性を制御
できる誘電体材料を用いることで、加工精度の影響に起
因する静電容量のバラツキの問題を改善でき、小型化、
薄型化、軽量化が容易であって、温度補償が可能な薄膜
コンデンサを提供することを目的とする。 【解決手段】 比誘電率が4.0以下であり、かつ線熱
膨張係数が50ppm/℃以上である第1の誘電体薄膜
5と、容量温度係数の絶対値が50ppm/℃以下の第
2の誘電体薄膜4とが一対の電極間に介在されたことを
特徴とする温度補償用薄膜コンデンサ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子の接合容
量の温度依存性を補償してこれを使用した電子回路の温
度依存性を少なくした薄膜コンデンサ及びこの薄膜コン
デンサが備えられた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜コンデンサとは一般に、基板上に下
部電極、誘電体層、上部電極を積層してなる構造とさ
れ、場合によっては下部電極としての機能を有する半導
体基板の上に誘電体層と上部電極層を順次積層してなる
構造とされている。この種の薄膜コンデンサにおいて
は、誘電体層の比誘電率およびQが大きく、かつ、共振
周波数の温度係数においては0を中心として正または負
の任意の温度係数が得られることが望まれている。従
来、このような特性を有する誘電体組成物として、例え
ば、特開昭60−124033号公報に開示されたもの
が知られている。この特許公報に開示された誘電体組成
物は、BaO-TiO2系の誘電体に酸化サマリウム(S
23)、酸化ガドリウム(Gd23)、酸化ジスプロ
シウム(Dy23)、酸化ユーロピウム(Eu23)等
を添加して焼成してなるものであった。しかしながらこ
の種の従来の誘電体磁器組成物を得るための技術にあっ
ては、比誘電率εrは61〜72、温度係数τは−24
〜31ppm/℃の範囲内でしか制御することができな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から技
術開発が進められ、共振周波数の温度係数が正の値の第
1誘電体磁器組成物シートと共振周波数の温度係数が負
の値の第2誘電体磁器組成物シートを積層し接着して組
み合わせてなる構造の誘電体磁器組成物が特開昭63−
110618号において提供された。この特許公報に記
載された技術によれば、必要組成の原料を混合したもの
を直径16mm、厚さ9mmの円板状に成形し、この成
形体を1260〜1450℃の温度で数時間焼成するこ
とで第1の誘電体磁器組成物を得るとともに、上記と異
なる組成の原料を用いて成形と焼成処理を施し、同サイ
ズの第2の誘電体磁器組成物を製造し、両誘電体磁器組
成物を厚さ1mm程度の厚さのシート状に切り出し、こ
れらを積層することで積層型の誘電体磁器組成物を得る
ものであった。より具体的には、比誘電率が異なるか、
あるいは、等しい誘電体磁器組成物を積層し、両者の体
積組成比を調整することによって所望の比誘電率及び温
度係数を得ることができるというものである。
【0004】ところが、特開昭63−110618号に
開示の技術によれば、焼結法で製造した第1の誘電体磁
器組成物と第2の誘電体組成物の1mm程度の厚さの複
数枚のシートを積層する構成であるが為に、シート状の
積層型のコンデンサには対応できるものの、更なる小型
化、軽量化には限界を有していた。例えば、厚さ1mm
以下のコンデンサとすることができず、更なる薄膜化が
困難であった。また、特開昭63−110618号の技
術では、上記誘電体磁器組成物の材料として比誘電率が
30以上の高誘電体材料を用いているために高いQ値を
得るための制約が大きいという問題があった。また、上
記誘電体磁気組成物は高誘電率であるため、加工精度に
バラツキがあると容量に影響し易く、コンデンサの静電
容量にバラツキが生じてしまう。上記Q値は高周波特性
を示すもので、この値が大きい程、誘電損失が少なく、
高周波材料として優れるものである。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、比誘電率が低く、静電容量の温度依存性を制御でき
る誘電体材料を用いることで、加工精度の影響に起因す
る静電容量のバラツキの問題を改善でき、小型化、薄型
化、軽量化が容易であって、温度補償が可能な薄膜コン
デンサの提供を目的とする。また、本発明は先の特徴を
満たした上で1GHz以上の高周波帯域でのQ値が優れ
た薄膜コンデンサを提供することを目的とする。また、
本発明は、上記のような優れた特性を有する薄膜コンデ
ンサを備えることにより、温度安定性が優れた電子機器
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく、以下に述べるような種々の検討及び実験を重
ねた結果、誘電体材料の電子分極の密度の温度依存性
と、比誘電率の温度依存性とは相関があり、さらに容量
温度係数は比誘電率と線熱膨張係数の積に比例すること
から、線熱膨張係数が25ppm/℃程度以上の材料を
選択することにより、容量温度係数が負で、その絶対値
が200ppm/℃以上である薄膜コンデンサの提供が
可能であり、さらに、検討した結果、比誘電率が4.0
以下であり、かつ線熱膨張係数が25ppm/℃以上で
ある誘電体薄膜を用いることにより、加工精度の影響に
起因する静電容量のバラツキの問題を改善でき、小型
化、薄型化、軽量化が容易で、温度補償が可能であっ
て、しかも高周波帯域でのQ値が優れた薄膜コンデンサ
を提供できることを究明し、本発明を完成したのであ
る。
【0007】下記式(1)で示されるClausius-Mosotti
の式に基づく現象論的理論から誘電率の温度依存性を検
討した。
【0008】
【数1】
【0009】(式中、kは比誘電率、αm/Vは単位体
積当たりの分極率を表す。上記式(1)を温度Tで微分
し整理すると下記式(2)のようになる。
【0010】
【数2】
【0011】(式中、tanδは誘電正接、Kは線熱膨
張係数で、K≒104 (ppm/℃)である。)
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】
【数5】
【0015】図6に、式(2)を基にした比誘電率kと
容量温度係数の関係の概略図を示す。図6から低誘電率
領域と中間誘電率領域と高誘電率領域の3つの領域が存
在することが理解できる。図6の比誘電率が4以下の低
誘電率領域(〜1<k<〜4))では、分極の主な要因
は電子分極であり、これは温度依存性を示さない。しか
しこの電子分極の密度が温度変化することで比誘電率は
温度変化し、容量温度係数は比誘電率と線熱膨張係数の
積に比例することになる。従って、本発明者らは、線熱
膨張係数が数十から数百ppm/℃程度の材料を選択す
ることにより、容量温度係数の値はマイナス数百から数
千ppm/℃が得られるとの考えに至った。実際に、線
熱膨張係数が170〜210ppm/℃のアクリル系樹
脂(k=3.5)からなる誘電体薄膜をコンデンサに適
用した場合、容量温度係数−2000ppm/℃程度が
得られることを確認した。しかしながら、アクリル系樹
脂は高周波領域におけるQ値が低く、具体的には1GH
zでのQ値は30程度であるため、高周波領域で用いら
れる半導体接合容量を使用した電子回路等に適用できな
い。
【0016】そこで、本発明者らは高周波領域、特に、
1GHz以上の高周波領域におけるQ値が高い材料で、
しかも熱膨張係数が適切な材料について種々の検討及び
実験を重ねた結果、後述のパーフルオロジビニルエーテ
ルの環化体高分子等のフッ素系高分子材料や、ポリプロ
ピレンや、ベンゾシクロブテン系又はナフトシクロブテ
ン系高分子材料が好適であることを究明し、本発明を完
成したのである。上記環化体高分子は、比誘電率2.1
であり、線熱膨張係数が70〜100ppm/℃であ
り、この高分子膜から構成した誘電体薄膜を電極間に介
在させてコンデンサを作製すると、容量温度係数が−6
00〜−700ppm/℃得られることが分かった。上
記ベンゾシクロブテン系又はナフトシクロブテン系高分
子材料は、比誘電率2.7であり、線熱膨張係数が50
〜70ppm/℃であり、この高分子膜から構成した誘
電体薄膜を電極間に介在させてコンデンサを作製する
と、容量温度係数が−350ppm/℃〜−400pp
m/℃得られることが分かった。
【0017】一方、図6の中間誘電率領域(〜4<k<
〜30)では、分極の主な要因は電子分極から原子分極
への遷移領域に相当する。原子振動ポテンシャルの非線
形性に起因する原子の固有振動数の低下による比誘電率
の正の温度依存性と上記密度変化による負の温度依存性
が競合し、この領域では容量温度係数は正にも負にもな
り得る。本願発明者らは、SiNxの例としてSi34
と、SiOx の例としてSiO2の容量温度係数を調べ
たところ、Si34で0ppm/℃、SiO2で−12
0ppm/℃程度の値が得られた。これらSiNx又は
SiOxからなる誘電体薄膜を単独で電極間に挟んだコ
ンデンサでは、容量温度係数が負になるに従ってQ値が
低くなるため、単独で電極間に介在させても目的とする
特性を有したコンデンサの提供が困難である。しかし、
このような中間誘電率領域にある誘電体材料から構成し
た誘電体薄膜は、上記のパーフルオロジビニルエーテル
の環化体高分子等のフッ素系高分子材料から構成した誘
電体薄膜と組み合わせて用い、これら誘電体薄膜の膜厚
比等を調整することで、容量温度係数が負で、その絶対
値が0乃至700ppm/℃の範囲内の所望の値に制御
できるとの結論に至った。
【0018】次に、本発明において誘電体薄膜として、
線熱膨張係数が25ppm/℃以上のものを用いた理由
について述べる。半導体接合容量を使用した電子回路で
は、通常、この半導体接合容量の容量温度係数が正(+
200〜+500ppm/℃)であるために、この半導
体接合容量の温度特性をうち消すために、この電子回路
に備える温度補償用薄膜コンデンサには、容量温度係数
が負で、その絶対値が200ppm/℃以上であること
が要望されている。
【0019】容量温度係数と線熱膨張係数と比誘電率
は、下記式(3) Tcc=−a・αt・k (3) (式中、Tcc は容量温度係数、−a=4、αtは線熱
膨張係数(ppm/℃)、kは比誘電率を示す。)で示
される関係で示すことができ、誘電体薄膜の比誘電率が
4以下のとき、容量温度係数を−200ppm/℃以下
にできる線熱膨張係数の範囲は式(3)からαt=1
2.5ppm/℃以上であるが、本発明では特に誘電体
薄膜の比誘電率が4以下で、線熱膨張係数が25ppm
/℃以上のものを本発明の範囲とした。
【0020】図7に、誘電体薄膜の比誘電率と線熱膨張
係数との関係を示した。斜線領域は、比誘電率kが4以
下のときに容量温度係数を−200ppm/℃以下(容
量温度係数が負で、その絶対値が200ppm/℃以
上)にできる領域(図7の斜線領域)である。本発明の
範囲(比誘電率が4以下で、線熱膨張係数が25ppm
/℃以上)は、図7の斜線が重なった領域である。
【0021】上記課題を解決するために本発明の温度補
償用薄膜コンデンサは、比誘電率が4.0以下であり、
かつ線熱膨張係数が25ppm/℃以上である誘電体薄
膜が一対の電極間に介在されたことを特徴とする。上記
誘電体薄膜の比誘電率は、1.5以上4.0以下である
ことが好ましく、安定な電子分極の領域安定的に負の容
量温度係数を示すことができる点で比誘電率は1.5以
上2.5以下であることがさらに好ましい。かかる構成
の温度補償用薄膜コンデンサでは、誘電体薄膜として線
熱膨張係数が25ppm/℃以上のものを用いることに
より、容量温度係数(静電容量の温度係数)を負に制御
でき、また、誘電体薄膜として比誘電率が4.0以下の
ものを用いることにより、加工精度の影響を受けにくく
なり、静電容量のバラツキの問題を改善でき、温度補償
が可能である。また、かかる構成の温度補償用薄膜コン
デンサによれば、小型化、薄型化、軽量化された薄膜コ
ンデンサが得られる。本発明において上記誘電体薄膜の
線熱膨張係数を25ppm/℃以上としたのは、半導体
接合容量を使用した電子回路では、上記半導体接合容量
が正の温度係数を有しているために、この半導体接合容
量の温度係数をうち消すために、温度補償用コンデンサ
の容量温度係数(静電容量の温度係数)を負にするこ
と、特に−200ppm/℃から−500ppm/℃の
範囲内の値にすることが要望されるが、上記誘電体薄膜
の線熱膨張係数が25ppm/℃未満であると、コンデ
ンサの容量温度係数を上記の範囲にするのが困難になっ
てしまうからである。
【0022】本発明の前述の構造において周波数1GH
z以上のQ値が100以上であることを特徴とする。ま
た、本発明の前述の構造において周波数1GHz以上の
Q値が300以上であることが好ましい。かかる構成の
温度補償用薄膜コンデンサでは、誘電体薄膜として比誘
電率が4.0以下であり、かつ線熱膨張係数が25pp
m/℃以上であるうえ、コンデンサに備えたときに周波
数1GHz以上のQ値が100以上とすることができる
ものを用いることにより、1GHz以上の高周波領域で
の誘電損失が小さくなり、周波数1GHz以上の高周波
回路に適した薄膜コンデンサが得られる。
【0023】本発明の前述の構成において容量温度係数
が負であることを特徴とする。上記容量温度係数の絶対
値は、200ppm/℃以上であることが好ましい。半
導体接合容量を使用した電子回路では、上記半導体接合
容量が正の温度係数を有しているために、温度補償用コ
ンデンサの容量温度係数(静電容量の温度係数)が負
で、特に温度係数の絶対値が200ppm/℃以上であ
ると、半導体接合容量の正の温度係数をうち消すことが
できる。
【0024】本発明の前述の構成において上記誘電体薄
膜は、フッ素系高分子材料を主成分として含むことを特
徴とする。フッ素系高分子材料としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)等の結晶質で、パーフルオロ系
のフッ素系ポリマー、あるいは、パーフルオロジビニル
エーテルの環化体高分子等の非晶質で、パーフルオロ系
のフッ素系ポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン−エ
チレン共重合体(ECTFE)等のフッ素系ポリマー等
を用いることができる。上記のフッ素系高分子材料が誘
電体薄膜中に主成分として含まれていると、比誘電率が
4.0以下であり、かつ線熱膨張係数が25ppm/℃
以上の誘電体薄膜が得られる。また、用いるフッ素系高
分子材料によっては薄膜コンデンサの周波数1GHz以
上のQ値を100以上、好ましくは300以上とするこ
とができる。
【0025】上記のフッ素系高分子材料でも特にパーフ
ルオロジビニルエーテルの環化体高分子を用いると、該
高分子材料は溶媒としてのパーフルオロトリブチルアミ
ン(TFPA)に溶解して用いることでスピンコート法
により誘電体薄膜を容易に形成できるため、製造工程の
簡略化が可能で、有利である。本発明の前述の構成にお
いて上記誘電体薄膜としては、上記フッ素系高分子材料
を主成分として含むもの以外に、ポリプロピレン(P
P)を主成分として含むもの、あるいはポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)を主成分として含むもの、あ
るいはシンジオタクチックポリスチレン(SPS)を主
成分として含むものであってもよい。
【0026】本発明の前述の構成において上記誘電体薄
膜がパーフルオロジビニルエーテルの環化体高分子等の
フッ素系高分子材料を主成分として含むものである場
合、この誘電体薄膜の上側に該誘電体薄膜を被覆する保
護膜(キャップ材)が積層されていることが好ましい。
それは、上記パーフルオロジビニルエーテルの環化体高
分子等のフッ素系高分子材料は電極形成時に用いられる
レジスト現像液やレジスト剥離液に腐食され易いため、
誘電体薄膜がパーフルオロジビニルエーテルの環化体高
分子等のフッ素系高分子材料を主成分として含むもので
ある場合に、この誘電体薄膜を覆う保護膜が形成されて
いれば、上記誘電体薄膜の腐食を防止できる。上記保護
膜の材料としては、Si34等のSiNx、SiO2等の
SiOx 、非晶質SiOxy、Ti等のうちから選択し
て用いられる。
【0027】また、本発明の前述の構成において上記誘
電体薄膜は、分子内に単環式炭化水素を含む縮合多環式
炭化水素基と、不飽和結合とを有する高分子材料を主成
分として含むものであってもよい。上記分子内に単環式
炭化水素を含む縮合多環式炭化水素基と、不飽和結合を
有する高分子材料としては、例えば、ベンゾシクロブテ
ン系高分子材料またはナフトシクロブテン系高分子材料
を主成分として含むものであってもよい。ベンゾシクロ
ブテン系またはナフトシクロブテン系高分子材料として
は、例えば、分子内にベンゾシクロブテン基又はナフト
シクロブテン基と、エチレン基とを有する高分子材料
や、分子内にベンゾシクロブテン基又はナフトシクロブ
テン基と、エチレン基と、シロキサン結合とを有する高
分子材料が用いられる。
【0028】上記のベンゾシクロブテン系またはナフト
シクロブテン系高分子材料が誘電体薄膜中に主成分とし
て含まれていると、比誘電率が4.0以下であり、かつ
線熱膨張係数が25ppm/℃以上の誘電体薄膜が得ら
れる。また、用いるベンゾシクロブテン系またはナフト
シクロブテン系高分子材料によっては薄膜コンデンサの
周波数1GHz以上のQ値を100以上、好ましくは3
00以上とすることができる。上記誘電体薄膜を上記の
ようなベンゾシクロブテン系またはナフトシクロブテン
系高分子材料から構成する場合、これら高分子材料は電
極形成時に用いられるレジスト現像液やレジスト剥離液
に腐食され難いために上記のような保護膜(キャップ
材)を設けなくてもよく、有利である。
【0029】上記課題を解決するために本発明の温度補
償用薄膜コンデンサは、比誘電率が4.0以下であり、
かつ線熱膨張係数が50ppm/℃以上である第1の誘
電体薄膜と、容量温度係数の絶対値が50ppm/℃以
下の第2の誘電体薄膜とが一対の電極間に介在されたこ
とを特徴とする。かかる構成の温度補償用薄膜コンデン
サによれば、上記第1の誘電体薄膜と上記第2の誘電体
薄膜の膜厚比や体積比を変更することで、容量温度係数
が負で、その絶対値が0乃至700ppm/℃の範囲内
にはいるように制御することができる。このように本発
明の温度補償用薄膜コンデンサは、容量温度係数の絶対
値が0乃至700ppm/℃の範囲内の所望の値に制御
できるので、携帯型電子機器、マイクロ波用通信機器等
の温度に対応して補償する必要がある電子機器回路に応
じた容量温度係数を有することができ、従って、適用で
きる電子回路が制限されにくい。また、第1の誘電体薄
膜と第2の誘電体薄膜の積層により構成されているの
で、従来のシート状の誘電体磁器組成物の積層構造とは
異なり、薄型化、小型化に有利である。
【0030】上記第1の誘電体薄膜としては、フッ素系
高分子材料を主成分として含むものを用いてもよい。ま
た、第1の誘電体薄膜としては、上記フッ素系高分子材
料を主成分として含むもの以外に、ポリプロピレン(P
P)を主成分として含むもの、あるいはポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)を主成分として含むもの、あ
るいはシンジオタクチックポリスチレン(SPS)を主
成分として含むものであってもよい。
【0031】上記第1の誘電体薄膜がパーフルオロジビ
ニルエーテルの環化体高分子等のフッ素系高分子材料を
主成分として含むものである場合に、上記第2の誘電体
薄膜は、上記第1の誘電体薄膜の上側に積層されている
ことが好ましい。それは、上記フッ素系高分子材料は先
に述べたように電極形成時に用いられるレジスト現像液
やレジスト剥離液に腐食され易いため、第1の誘電体薄
膜がフッ素系高分子材料を主成分として含むものである
場合に、この第1の誘電体薄膜を覆うように第2の誘電
体薄膜が形成されていれば、上記第1の誘電体薄膜の腐
食を防止できる。上記第2の誘電体薄膜としては、Si
34等のSiNx、SiO2等のSiOx、非晶質SiOx
y等のうちから選択して用いることができる。
【0032】また、上記第1の誘電体薄膜がパーフルオ
ロジビニルエーテルの環化体高分子等のフッ素系高分子
材料を主成分として含むものであり、しかも該第1の誘
電体薄膜が上記第2の誘電体薄膜の上側に積層されてい
る場合に、上記第1の誘電体薄膜の上側には該第1の誘
電体薄膜を被覆する保護膜が積層されていることが好ま
しい。それは、上記フッ素系高分子材料は先に述べたよ
うに電極形成時に用いられるレジスト現像液やレジスト
剥離液に腐食され易いため、第1の誘電体薄膜がフッ素
系高分子材料を主成分として含むものであり、しかも該
第1の誘電体薄膜が上記第2の誘電体薄膜の上側に積層
されている場合に、この第1の誘電体薄膜の上側に該第
1の誘電体薄膜を被覆する保護膜(キャップ材)が形成
されていれば、上記第1の誘電体薄膜の腐食を防止でき
る。上記保護膜としては、電極形成の際に用いるレジス
ト現像液やレジスト剥離液に対して耐食性が優れたもの
が用いられ、例えば、Si34等のSiNx、SiO2
のSiOx 、非晶質SiO xy、Ti等のうちから選択
して用いることができる。
【0033】また、上記第1の誘電体薄膜は、ベンゾシ
クロブテン系又はナフトシクロブテン系高分子材料を主
成分として含むものであってもよい。上記第1の誘電体
薄膜を上記のようなベンゾシクロブテン系またはナフト
シクロブテン系高分子材料から構成する場合、これら高
分子材料は電極形成時に用いられるレジスト現像液やレ
ジスト剥離液に腐食され難いために上記のような保護膜
を設けなくてもよい。
【0034】上記課題を解決するために本発明の電子機
器は、上記のいずれかの構成の本発明の温度補償用薄膜
コンデンサが備えられたことを特徴とする。かかる構成
の電子機器によれば、半導体接合容量を使用した電子回
路等のように温度に対応して補償する必要がある電子回
路に上記のいずれかの構成の本発明の温度補償用薄膜コ
ンデンサを備えることにより、上記電子回路を有する携
帯型電子機器、マイクロ波用通信機器の電子機器の温度
安定性を優れさせることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施形態に
限定されるものではない。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態の温
度補償用薄膜コンデンサを示すもので、この実施形態の
薄膜コンデンサ1は、平面視矩形状の基板2の一面に、
薄膜状の第1の電極層(下部電極)3と薄膜状の第2の
誘電体薄膜4と薄膜状の第1の誘電体薄膜5と薄膜状の
第2の電極層(上部電極)7とが積層されて構成されて
いる。
【0036】上記基板2は、その材質等を特に限定する
ものではないが、コンデンサ全体に適度な剛性を付与す
るために充分な厚さを有するとともに、各々薄膜状の第
1の電極層3と第2の誘電体薄膜4と第1の誘電体薄膜
5と第2の電極層7を成膜法により基板2上に形成する
際に成膜処理温度に耐えるものであれば良い。以上のよ
うな条件を満たすものの例として、表面がケイ素で覆わ
れた部材例えばシリコンウェハ、あるいは、SiO2
Al23などを例示することができる。
【0037】上記第1の電極層3と第2の電極層7は、
Cu、Ag、Au、Pt等の単一金属からなる単層構造
でも良いし、複数の金属層からなる積層型であっても良
い。積層型の場合、ケイ素酸化物、Cr、Ni、クロム
酸化物、ニッケル酸化物、Pt等からなる層をあるいは
これらの層を2層以上積層して構成することができる。
【0038】上記第2の誘電体薄膜4は、後述する第1
の誘電体薄膜5よりも高耐圧で高いQ値を有し、低い温
度変化率のものを用いることが好ましい。
【0039】より具体的に第2の誘電体薄膜4は、容量
温度係数(静電容量の温度係数)の絶対値が50ppm
/℃以下のものを用いるのが好ましく、より好ましくは
容量温度係数の絶対値が50ppm/℃以下、比誘電率
が10以下、耐電界強度が、5MV/cm以上、より好
ましくは8MV/cm以上、無負荷Q値が200以上、
より好ましくは500以上(周波数1GHz以上におい
て)、誘電緩和時間が1秒以上のものを用いることが好
ましい。第2の誘電体薄膜4としての厚さは、1μm
(1×10-6m)以下が好ましく、500〜5000Å
(0.05〜0.5μm)程度の範囲がより好ましい。こ
れは、耐電圧を確保し、かつ、薄型化、高生産性を実現
するためである。また、これらの条件を満たし得る材料
として例えば、SiNx層、SiOx層、非晶質SiOx
y層を例示することができる。このSiNx層は、例え
ば、PECVD法等の成膜法で作成することができる。
また、非晶質SiOxy層は、例えばスパッタ法もしく
はPECVD法等の成膜法で作成することができる。第
2の誘電体薄膜4の膜厚は、50nm(500Å)〜5
00nm(5000Å)程度の範囲とされる。
【0040】上記第1の誘電体薄膜5は、耐圧の面では
先の第2の誘電体薄膜4よりも多少劣っても良いが、第
2の誘電体薄膜4よりも高い温度変化率を示すものを用
いることが好ましい。第1の誘電体薄膜5としてより具
体的には、比誘電率が4.0以下であり、かつ線熱膨張
係数が50ppm/℃以上、好ましくは比誘電率が4.
0以下であり、かつ線熱膨張係数が50ppm/℃以上
で、容量温度係数が負であるものを用いることが好まし
く、さらに好ましくは比誘電率が4.0以下であり、か
つ線熱膨張係数が50ppm/℃以上で、容量温度係数
が負で、該容量温度係数の絶対値が200ppm/℃以
上の用いることがさらに好ましい。また、第1の誘電体
薄膜5としては、第1と第2の電極層3、7のような電
極間に介在したときのQ値が1GHz以上において10
0以上、好ましくは300以上のものが用いられる。更
に、第1の誘電体薄膜5の比誘電率は、1.5以上4.
0以下がより好ましく、さらに好ましくは1.5以上
2.5以下である。
【0041】また、上記誘電体薄膜5の材質としては、
例えばフッ素系高分子材料を主成分として含むもの、あ
るいは、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケト
ン、シンジオタクチックポリスチレンのうちから選択さ
れる一種以上を主成分として含むものを例示することが
できる。上記フッ素系高分子材料としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の結晶
質で、パーフルオロ系のフッ素系ポリマー、あるいは、
パーフルオロジビニルエーテルの環化体高分子等の非晶
質で、パーフルオロ系のフッ素系ポリマー、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチ
レン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ECTFE)等のフッ素系ポリ
マー等を用いることができる。これらのフッ素系ポリマ
ーのなかでもパーフルオロジビニルエーテルの環化体高
分子を用いるのが、スピンコート法、スプレー法、ディ
ップ法(浸漬法)等の塗布法により第1の誘電体薄膜を
容易に形成できる点及び1GHz以上におけるQ値が1
00以上得られる点で好ましい。
【0042】また、上記誘電体薄膜5の材質としては、
ベンゾシクロブテン系高分子材料またはナフトシクロブ
テン系高分子材料を主成分として含むものであってもよ
い。ベンゾシクロブテン系またはナフトシクロブテン系
高分子材料としては、例えば、分子内にベンゾシクロブ
テン基又はナフトシクロブテン基と、エチレン基とを有
する高分子材料や、分子内にベンゾシクロブテン基又は
ナフトシクロブテン基と、エチレン基と、シロキサン結
合とを有する高分子材料が用いられる。誘電体薄膜5を
上記ベンゾシクロブテン系またはナフトシクロブテン系
高分子材料から形成する場合の成膜方法としては、例え
ば、上記第1の電極層3が形成された基板2の表面(第
1の電極層3の表面)に下記構造式(I)で示されるモ
ノマーを溶媒に溶解した溶液をスピンコート法、スプレ
ー法、ディップ法(浸漬法)等の塗布法により塗布した
後、ホットプレート上でキュアリングを行うことによ
り、上記溶媒をとばして上記モノマーを重合させると、
ベンゾシクロブテン系高分子材料またはナフトシクロブ
テン系高分子膜からなる誘電体薄膜5を形成できる。
【0043】
【化1】
【0044】第1の誘電体薄膜5の膜厚は、50nm
(500Å)〜500nm(5000Å)程度の範囲と
される。
【0045】第1の実施形態の薄膜コンデンサ1では、
第1の誘電体薄膜5として線熱膨張係数が50ppm/
℃以上のものを用いたことにより、容量温度係数(静電
容量の温度係数)を負に制御でき、また、この第1の誘
電体薄膜5は比誘電率が4.0以下のものであるので、
加工精度の影響を受けにくくなり、静電容量のバラツキ
の問題を改善でき、温度補償が可能である。そして、こ
のような容量温度係数が負で、その絶対値が200pp
m/℃以上の第1の誘電体薄膜5は、先の第2の誘電体
薄膜4の容量温度係数を調整する目的で設けられる。ま
た、第1の誘電体薄膜5と第2の誘電体薄膜4との膜
厚、組成比を調整することでコンデンサとしてのQ値、
耐電圧、容量温度係数を調整することができ、使用環境
において温度差が大きくても温度安定性を優れさせるこ
とができる。更に、第1の誘電体薄膜5と第2の誘電体
薄膜4との積層により構成されているので、従来のシー
ト状の誘電体磁器組成物の積層構造とは異なり、薄型
化、小型化に有利であり、厚さ5μm(5×10-6m)
程度以下のものを容易に得ることができる。また、第1
の誘電体薄膜5を上記のようなベンゾシクロブテン系ま
たはナフトシクロブテン系高分子材料から構成した場
合、これら高分子材料は電極形成時に用いられるレジス
ト現像液やレジスト剥離液に腐食され難いため、後述の
第3の実施形態で示すような保護膜8を設けなくて済
み、有利である。
【0046】以上のことから図1に示す構成の薄膜コン
デンサ1は、携帯電話等の携帯型電子機器、マイクロ波
用通信機器等の温度に対応して補償する必要がある電子
機器回路に有用である。例えば、電圧で発振周波数を制
御する素子、バラクタダイオードと組み合わせて使用す
ることができる。なお、上記実施形態においては、第1
と第2の電極層3,7間に第1と第2の誘電体薄膜5,
4を設けた場合について説明したが、図8に示すように
第1と第2の電極層3,7間に第1の誘電体薄膜5のみ
を設けた薄膜コンデンサ1aであってもよい。なお、図
8中、符号2は基板である。
【0047】図3は、本発明に係る薄膜コンデンサ1か
らなる薄膜コンデンサC1を実用的な電気回路に組み込
んだ構成例を示すもので、この回路では、コイルLに対
してコンデンサC0とバラクタダイオードDcを並列接
続し、上記バラクタダイオードDcに先の実施形態の薄
膜コンデンサC1を並列接続し、薄膜コンデンサC1の
上部電極7と下部電極3に入出力端子1、12を接続
し、入出力端子12と薄膜コンデンサC1の一方の電極
との間に抵抗Rを組み込んでなる構造としたものであ
る。
【0048】図3に示す回路において、バラクタダイオ
ードDcとは電圧によってキャパシタンスが変化するも
ので、このバラクタダイオードDcの温度係数が正の所
定の値を有するので、このバラクタダイオードDcの温
度係数を薄膜コンデンサC1で打ち消して、温度安定性
の優れた共振回路を提供できるものである。図4にそれ
らの温度係数分布を示すが、バラクタダイオードDcの
温度係数が+200〜+500ppm/℃の範囲である
とすると、薄膜コンデンサC1の温度係数分布を−20
0〜−500ppm/℃の範囲とするならば、両者の温
度係数を調整して温度安定性を向上させることができ
る。なお、先に記述した従来の特許によるコンデンサで
はこのような−200〜−500ppm/℃の広い範囲
で温度係数を調整できるものは得られなかった。
【0049】このような薄膜コンデンサは、バラクタダ
イオードの温度補償回路の適用等、温度補償用として広
く適用することが可能である。
【0050】(第2の実施形態)図9は本発明の第2の
実施形態の温度補償用薄膜コンデンサを示す断面図で、
この実施形態の薄膜コンデンサ21が図1乃至図2に示
した薄膜コンデンサ1と異なるところは、第1の誘電体
薄膜5と第2の誘電体薄膜4の積層順が逆であること、
すなわち、第2の誘電体薄膜4は第1の誘電体薄膜5の
上側に積層されている点である。なお、第1の実施形態
と同一の構成部分は、同一符号を付して説明を略す。第
2の誘電体薄膜4の材質としては、第1の実施形態で用
いたものと同様のSiNx層、SiOx層、非晶質SiO
xy層等から選択して用いられる。
【0051】第1の誘電体薄膜5の材質としては、第1
の実施形態で用いたものと同様のフッ素系高分子材料を
主成分として含むものや、ベンゾシクロブテン系又はナ
フトシクロブテン系高分子材料を主成分として含むもの
等から選択して用いられるが、本実施形態では特にパー
フルオロジビニルエーテルの環化体高分子等のフッ素系
高分子材料を主成分として含むものである場合に、第2
の誘電体薄膜4を第1の誘電体薄膜5の上側に積層した
効果が得られる点で好ましい。それは、上記フッ素系高
分子材料は電極形成時に用いられるレジスト現像液やレ
ジスト剥離液に腐食され易いため、フッ素系高分子材料
を主成分として含む第1の誘電体薄膜5を覆うように第
2の誘電体薄膜4が形成されていれば、第1の誘電体薄
膜5の腐食を防止でき、有利である。
【0052】第2の実施形態の薄膜コンデンサ21で
は、上記の構成としたことにより、第1の実施実施形態
の薄膜コンデンサ1と同様の作用効果がある。また、第
2の誘電体薄膜4が第1の誘電体薄膜5の上側に積層さ
れているので、この第1の誘電体薄膜5がパーフルオロ
ジビニルエーテルの環化体高分子等のフッ素系高分子材
料を主成分として含むものから構成されている場合に、
電極形成時に用いられるレジスト現像液やレジスト剥離
液により第1の誘電体薄膜5が腐食するのを防止でき、
有利である。
【0053】(第3の実施形態)図10は本発明の第3
の実施形態の温度補償用薄膜コンデンサを示す断面図
で、この実施形態の薄膜コンデンサ31が図1乃至図2
に示した薄膜コンデンサ1と異なるところは、第2の誘
電体薄膜4の上側に積層された第1の誘電体薄膜5がフ
ッ素系高分子材料を主成分として含むものであり、さら
に該第1の誘電体薄膜5の上側に第1の誘電体薄膜5を
被覆する保護膜(キャップ材)8が積層されている点で
ある。なお、第1の実施形態と同一の構成部分は、同一
符号を付して説明を略す。
【0054】保護膜8の材料としては電極形成の際に用
いるレジスト現像液やレジスト剥離液に対して耐食性が
優れたものが用いられ、例えば、Si34等のSi
x、SiO2等のSiOx 、非晶質SiOxy、Ti等
のうちから選択して用いられる。第3の実施形態の薄膜
コンデンサ31では、上記の構成としたことにより、第
1の実施実施形態の薄膜コンデンサ1と同様の作用効果
がある。また、フッ素系高分子材料を主成分として含ん
でなる第1の誘電体薄膜5の上側に第1の誘電体薄膜5
を被覆する保護膜8が形成されているので、電極形成時
に用いられるレジスト現像液やレジスト剥離液により第
1の誘電体薄膜5が腐食するのを防止でき、有利であ
る。
【0055】なお、上記実施形態においては、第1と第
2の電極層3,7間に第2と第1の誘電体薄膜4,5
と、保護膜8を設けた場合について説明したが、図11
に示すように第1と第2の電極層3,7間に第1の誘電
体薄膜5とこれの上側に形成された保護膜8とを設けた
薄膜コンデンサ31aであってもよい。なお、図11
中、符号2は基板である。
【0056】
【実施例】(実験例1)アルミナ又はガラスからなる基
板上に成膜したCuからなる上部と下部電極層間に成膜
する誘電体薄膜の材質を下記表1に示すものに変更した
ときの各種の薄膜コンデンサ(サンプルNo.1〜1
2)のQ値について調べた。上部と下部電極層の厚み
は、それぞれ膜厚1500nm(15000Å)とし
た。上記誘電体薄膜の厚みは、2000nm(2000
0Å)とした。また、薄膜コンデンサのシート容量設定
値は10pFと一定とするため、上部電極層の縦横の寸
法は50〜1000μmの範囲で変更した。Q値の測定
結果及び評価結果を表1に示す。また、各誘電体薄膜の
比誘電率及び線熱膨張係数とその評価結果を表1に示
す。
【0057】
【表1】
【0058】表1中、PTFEはポリテトラフルオロエ
チレン、PFAはテトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、FEPはテトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
PCTFEはポリクロロトリフルオロエチレン、ETF
Eはテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、EC
TFEはクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合
体、PPはポリプロピレン、PMMAはポリメタクリル
酸メチル、PEIはポリエーテルイミド、PPSはポリ
フェニレンサルファイド、SPSはシンジオタクチック
ポリスチレン、PEEKはポリエーテルエーテルケトン
を示す。表1の比誘電率の欄で○は比誘電率が4.0以
下のを示し、×は比誘電率が4.0を越えるものを示
し、線熱膨張係数の欄で○は線熱膨張係数が25ppm
/℃以上のものを示し、×は線熱膨張係数が25ppm
/℃未満のものを示す。
【0059】表1の結果からサンプルNo.9〜10の
誘電体薄膜は、線熱膨張係数が25ppm/℃未満であ
ることから、容量温度係数を負に制御するのが困難であ
る。これに対してサンプルNo.1〜8、11、12の
誘電体薄膜は、比誘電率および線熱膨張係数は要求され
る条件を満たしていることから、容量温度係数(静電容
量の温度係数)を負に制御でき、また、加工精度の影響
を受けにくく、静電容量のバラツキの問題もない。ま
た、Q値は周波数が高くなると低下する傾向があるが、
サンプルNo.1〜4、8、11、12のコンデンサは
1GHz以上の領域でQ値が100以上であることか
ら、高周波特性が優れていることがわかる。
【0060】(実験例2)以下のようにして作製した積
層型の薄膜コンデンサの電極層間の第1と第2の誘電体
薄膜のうち第1の誘電体薄膜の膜厚を50nm〜300
nm(500Å〜3000Å)の範囲で変更したときの
容量温度係数と、1GHzにおけるQ値と、耐電圧性に
ついて調べた。ここでの容量温度係数は、雰囲気温度を
20℃から120℃に昇温したときの温度(℃)と静電
容量(pF)との関係を示した図5のグラフの傾きから
それぞれ求めたものであり、第1と第2の誘電体薄膜の
膜厚と、容量温度係数の結果を下記表2に示す。アルミ
ナ又はガラスからなる基板上にCuからなる膜厚150
0nm(15000Å)の下部電極層をスパッタ法によ
り室温成膜した。次に、この下部電極層の上にSiNx
からなる膜厚300nm(3000Å)の第2の誘電体
薄膜をPECVD法により成膜した。
【0061】続いて、この第2の誘電体薄膜の表面にパ
ーフルオロジビニルエーテルの環化体高分子を溶媒とし
てのパーフルオロトリブチルアミン(TFPA)に溶解
したしたものをスピンコート法で塗布した後、上記溶媒
をとばすためにホットプレート上で50℃で2分、
110℃で2分、好ましくは250℃で10分の順で
3ステップのキュアリングを行い、パーフルオロジビニ
ルエーテルの環化体高分子膜を得た。この後、ドライエ
ッチャーを用いて上記高分子膜からなる第1の誘電体薄
膜の最表面をArプラズマで20nm(200Å)エッ
チングし、その上にフォトレジストコート、プリベー
ク、露光、現像、ポストベークを行ってレジストパター
ンを形成し、SF6又はCF4プラズマにて上記第1と第
2の誘電体薄膜を連続的にドライエッチングした後、フ
ォトレジストを剥離した。最後にこの第2の誘電体薄膜
上にCuからなる膜厚1500nm(15000Å)の
上部電極層をスパッタ法により室温成膜し、積層型の薄
膜コンデンサを得た。また、薄膜コンデンサの容量設定
値は10pFと一定とするため、上部電極層の縦横の寸
法は50〜1000μmの範囲で変更した。このように
して得られた積層型の薄膜コンデンサの1GHzにおけ
るQ値は210〜290の範囲であり、耐電圧は200
V以上を示し、これらQ値や耐電圧は第1の誘電体薄膜
の厚みによって異なる値を示した。
【0062】なお、ここでのSiNxからなる第2の誘
電体薄膜は、線熱膨張係数が3ppm/℃、比誘電率が
7.0であり、電極層間に第2の誘電体薄膜のみ形成し
たとき(第1の誘電体薄膜の厚みが0のとき)1GHz
でのQ値が200であった。また、パーフルオロジビニ
ルエーテルの環化体高分子からなる第1の誘電体薄膜
は、線熱膨張係数が74ppm/℃、比誘電率が2.1
であり、電極層間に第1の誘電体薄膜のみ形成したとき
(第2の誘電体薄膜の厚みが0のとき)の容量温度係数
は−677ppm/℃、1GHzでのQ値が300であ
った。
【0063】
【表2】
【0064】上記図5と表2の結果に示すように電極層
間に第2の誘電体薄膜(SiNx膜)とパーフルオロジ
ビニルエーテルの環化体高分子からなる第1の誘電体薄
膜(高分子膜)を設けた薄膜コンデンサにおいては、線
熱膨張係数が74ppm/℃、比誘電率が2.1である
第1の誘電体薄膜の厚みが50nmから300nmの範
囲で調整することにより、第1と第2の誘電体薄膜の膜
厚比を調整し、これにより容量温度係数を−240〜−
512ppm/℃の範囲で調整することができることが
判明した。よってこの例の薄膜コンデンサであるなら
ば、容量温度係数を−240〜−512ppm/℃の範
囲で調整することができるので、バラクタダイオード等
の温度係数が正の電子機器の温度補償用に好適である。
また、電極間に第2の誘電体薄膜のみ設けたものの1G
HzにおけるQ値は200であるが、電極層間にSiN
xからなる第2の誘電体薄膜以外にパーフルオロジビニ
ルエーテルの環化体高分子からなる第1の誘電体薄膜を
設けた本例の薄膜コンデンサは、1GHzのQ値が21
0以上と大きくできることがわかる。
【0065】(実験例3)Cuからなる上部と下部電極
層間に介在させる誘電体薄膜の誘電率を変更したときの
薄膜コンデンサの加工ズレと容量(Cs)のバラツキに
ついて調べた。ここでの薄膜コンデンサの目標シート容
量設定値は10pF とした。容量は以下の式(4)に
より計算したものである。 Cs=ε0 ×ε(S/d) (4) (式中、ε0=8.854×10-14 (Fcm-1)、S
は電極面積、dは電極間距離、εは比誘電率を表す)
【0066】表3に上記薄膜コンデンサに設けた誘電体
薄膜として比誘電率が2.5のもの(ECTFEからな
るもの)を用いたときの加工ズレと容量のバラツキを示
す。なお、ここでは電極の長さL=0.4mm、電極間
距離d=0.3μmとした。表4に上記薄膜コンデンサ
に設けた誘電体薄膜として比誘電率が4のもの(PPS
からなるもの )を用いたときの加工ズレと容量のバラ
ツキを示す。なお、ここでは電極の長さL=0.3m
m、電極間距離d=0.3μmとした。また、ここで用
いたPPS(ポリフェニレンサルファイド)は、表1に
示したように比誘電率については本発明の範囲である
が、線熱膨張係数は本発明の範囲外のものであり、従っ
て、この実験例でPPSは、比誘電率の値が、加工ズレ
による容量のバラツキに及ぼす影響のみについて調べる
ために用いたものである。表5 に上記薄膜コンデンサ
に設けた誘電体薄膜として比誘電率が1000のもの
(BaTiO3系からなるもの)で、電極間距離が比誘
電率が2.5や4のものを用いたものと同じ距離にした
ときの加工ズレと容量のバラツキを示す。なお、ここで
は電極の長さL=0.02mm、電極間距離d=0.3
μmとした。表6 に上記薄膜コンデンサに設けた誘電
体薄膜として比誘電率が1000のもの(BaTiO3
系からなるもの)で、電極面積が比誘電率が4のものと
同じ面積にしたときの加工ズレと容量のバラツキを示
す。なお、ここでは電極の長さL=0.3mm、電極間
距離d=80μmとした。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】上記表3〜表6の結果から比誘電率が2.
5や4の誘電体薄膜を用いたものと電極間距離が同じ
で、比誘電率が1000の誘電体薄膜を用いたコンデン
サは、加工ズレが1μm以上あると容量のバラツキが許
容範囲(10pFの±5%の範囲)外に大きくずれてし
まうことがわかる。また、比誘電率が4の誘電体薄膜を
用いたものと電極面積が同じで、比誘電率が1000の
誘電体薄膜を用いたコンデンサは、加工ズレが5μm以
下であれば容量のバラツキが許容範囲(10pFの±5
%の範囲)とできるが、電極間距離が80μmと厚くな
ってしまうため、薄型化が困難になってしまう。これに
対して比誘電率が2.5や4の誘電体薄膜を用いたコン
デンサでは、加工ズレが5μm以下であれば容量のバラ
ツキが許容範囲(10pFの±5%の範囲)にできるこ
とがわかる。比誘電率が4の誘電体薄膜を用いたコンデ
ンサでは、比誘電率が1000の誘電体薄膜を用いたコ
ンデンサと電極面積を同じにした場合、電極間距離を約
1/27とすることができることがわかる。従って、誘
電体薄膜の比誘電率が4以下であると、加工ズレに起因
する容量のバラツキを少なくできるうえ、コンデンサの
薄型化、小型化できることがわかる。
【0072】(実験例4)以下のようにして作製した第
1と第2の誘電体薄膜が電極間に介在された積層型の薄
膜コンデンサの電極層間の容量温度係数と、1GHzに
おけるQ値と、耐電圧性について調べた。ここでの容量
温度係数は、雰囲気温度を20℃から100℃に昇温し
たときの温度(℃)と静電容量(pF)との関係を示し
た図12のグラフの傾きからそれぞれ求めたものであ
る。アルミナ又はガラスからなる基板上にCuからなる
膜厚1500nm(15000Å)の下部電極層をスパ
ッタ法により室温成膜した。次に、この下部電極層の上
にSiNxからなる膜厚150nm(1500Å)の第
2の誘電体薄膜をPECVD法により成膜した。
【0073】続いて、この第2の誘電体薄膜の表面に下
記構造式(II)で示す構造のジビニルシロキサン−ビ
ス−ベンゾシクロブタンを含む溶液(溶媒はメシチレ
ン)をスピンコート法で塗布した後、上記溶媒をとばす
ためにホットプレート上で50℃で2分、110℃
で2分、好ましくは250℃で10分の順で3ステッ
プのキュアリングを行い、膜厚150nm(1500
Å)のベンゾシクロブテン系高分子膜を得た。
【0074】
【化2】
【0075】この後、上記高分子膜からなる第1の誘電
体薄膜の表面にフォトレジストコート、プリベーク、露
光、現像、ポストベークを行ってレジストパターンを形
成し、SF6又はCF4プラズマにて上記第1と第2の誘
電体薄膜を連続的にドライエッチングした後、フォトレ
ジストを剥離した。最後にこの第2の誘電体薄膜上にC
uからなる膜厚1500nm(15000Å)の上部電
極層をスパッタ法により室温成膜し、積層型の薄膜コン
デンサを得た。このようにして得られた積層型の薄膜コ
ンデンサの1GHzにおけるQ値は100であり、耐電
圧は150V以上を示し、容量温度係数は−261pp
m/℃を示した。
【0076】なお、ここでのSiNxからなる第2の誘
電体薄膜は、線熱膨張係数が3ppm/℃、比誘電率が
7.0であり、電極層間に第2の誘電体薄膜のみ形成し
たとき(第1の誘電体薄膜の厚みが0のとき)1GHz
でのQ値が200であった。また、ベンゾシクロブテン
系高分子からなる第1の誘電体薄膜は、線熱膨張係数が
52ppm/℃、比誘電率が2.7であり、電極層間に
第1の誘電体薄膜のみ形成したとき(第2の誘電体薄膜
の厚みが0のとき)の容量温度係数は−380ppm/
℃、1GHzでのQ値が250であった。
【0077】上記の結果から電極層間に第2の誘電体薄
膜(SiNx膜)とベンゾシクロブテン系高分子からな
る第1の誘電体薄膜(高分子膜)を設けた薄膜コンデン
サにおいては、容量温度係数が−261ppm/℃のも
のが得られることが判明した。よってこの例の薄膜コン
デンサであるならば、容量温度係数が負のものが得られ
ているので、バラクタダイオード等の温度係数が正の電
子機器の温度補償用に好適である。また、電極層間にS
iNxからなる第2の誘電体薄膜以外にベンゾシクロブ
テン系高分子からなる第1の誘電体薄膜を設けた本例の
薄膜コンデンサは、1GHzのQ値が100以上と大き
くできることがわかる。
【0078】(実験例5)以下のようにして作製した第
1と第2の誘電体薄膜が電極間に介在された積層型の薄
膜コンデンサの電極層間の容量温度係数と、1GHzに
おけるQ値と、耐電圧性について調べた。ここでの容量
温度係数は、雰囲気温度を20℃から100℃に昇温し
たときの温度(℃)と静電容量(pF)との関係を示し
た図13のグラフの傾きからそれぞれ求めたものであ
る。アルミナ又はガラスからなる基板上にCuからなる
膜厚1500nm(15000Å)の下部電極層をスパ
ッタ法により室温成膜した。次に、この下部電極層の上
にSiNxからなる膜厚150nm(1500Å)の第
2の誘電体薄膜をPECVD法により成膜した。
【0079】続いて、この第2の誘電体薄膜の表面に下
記構造式(III)で示す構造のジビニルエチル−ビス
−ナフトシクロブタンを含む溶液(溶媒はメシチレン)
をスピンコート法で塗布した後、上記溶媒をとばすため
にホットプレート上で50℃で2分、110℃で2
分、好ましくは250℃で10分の順で3ステップの
キュアリングを行い、膜厚150nm(1500Å)の
ナフトシクロブテン系高分子膜を得た。
【0080】
【化3】
【0081】この後、上記高分子膜からなる第1の誘電
体薄膜の表面にフォトレジストコート、プリベーク、露
光、現像、ポストベークを行ってレジストパターンを形
成し、SF6又はCF4プラズマにて上記第1と第2の誘
電体薄膜を連続的にドライエッチングした後、フォトレ
ジストを剥離した。最後にこの第2の誘電体薄膜上にC
uからなる膜厚1500nm(15000Å)の上部電
極層をスパッタ法により室温成膜し、積層型の薄膜コン
デンサを得た。このようにして得られた積層型の薄膜コ
ンデンサの1GHzにおけるQ値は100であり、耐電
圧は150V以上を示し、容量温度係数は−238pp
m/℃を示した。
【0082】なお、ここでのSiNxからなる第2の誘
電体薄膜は、線熱膨張係数が3ppm/℃、比誘電率が
7.0であり、電極層間に第2の誘電体薄膜のみ形成し
たとき(第1の誘電体薄膜の厚みが0のとき)1GHz
でのQ値が200であった。また、ナフトシクロブテン
系高分子からなる第1の誘電体薄膜は、線熱膨張係数が
50ppm/℃、比誘電率が2.75であり、電極層間
に第1の誘電体薄膜のみ形成したとき(第2の誘電体薄
膜の厚みが0のとき)の容量温度係数は−370ppm
/℃、1GHzでのQ値が240であった。
【0083】上記の結果から電極層間に第2の誘電体薄
膜(SiNx膜)とナフトシクロブテン系高分子からな
る第1の誘電体薄膜(高分子膜)を設けた薄膜コンデン
サにおいては、容量温度係数が−238ppm/℃のも
のが得られることが判明した。よってこの例の薄膜コン
デンサであるならば、容量温度係数が負のものが得られ
ているので、バラクタダイオード等の温度係数が正の電
子機器の温度補償用に好適である。また、電極層間にS
iNxからなる第2の誘電体薄膜以外にナフトシクロブ
テン系高分子からなる第1の誘電体薄膜を設けた本例の
薄膜コンデンサは、1GHzのQ値が100以上と大き
くできることがわかる。
【0084】(実験例6)以下のようにして作製した第
1と第2の誘電体薄膜が電極間に介在された積層型の薄
膜コンデンサの電極層間の容量温度係数と、1GHzに
おけるQ値と、耐電圧性について調べた。ここでの容量
温度係数は、雰囲気温度を20℃から100℃に昇温し
たときの温度(℃)と静電容量(pF)との関係を示し
た図14のグラフの傾きからそれぞれ求めたものであ
る。アルミナ又はガラスからなる基板上にCuからなる
膜厚1500nm(15000Å)の下部電極層をスパ
ッタ法により室温成膜した。次に、この下部電極層の上
にSiNxからなる膜厚150nm(1500Å)の第
2の誘電体薄膜をPECVD法により成膜した。
【0085】続いて、この第2の誘電体薄膜の表面に下
記構造式(IV)で示す構造のジビニルシロキサン−ビ
ス−ナフトシクロブタンを含む溶液(溶媒はメシチレ
ン)をスピンコート法で塗布した後、上記溶媒をとばす
ためにホットプレート上で50℃で2分、110℃
で2分、好ましくは250℃で10分の順で3ステッ
プのキュアリングを行い、膜厚150nm(1500
Å)のナフトシクロブテン系高分子膜を得た。
【0086】
【化4】
【0087】この後、上記高分子膜からなる第1の誘電
体薄膜の表面にフォトレジストコート、プリベーク、露
光、現像、ポストベークを行ってレジストパターンを形
成し、SF6又はCF4プラズマにて上記第1と第2の誘
電体薄膜を連続的にドライエッチングした後、フォトレ
ジストを剥離した。最後にこの第2の誘電体薄膜上にC
uからなる膜厚1500nm(15000Å)の上部電
極層をスパッタ法により室温成膜し、積層型の薄膜コン
デンサを得た。このようにして得られた積層型の薄膜コ
ンデンサの1GHzにおけるQ値は100であり、耐電
圧は150V以上を示し、容量温度係数は−243pp
m/℃を示した。
【0088】なお、ここでのSiNxからなる第2の誘
電体薄膜は、線熱膨張係数が3ppm/℃、比誘電率が
7.0であり、電極層間に第2の誘電体薄膜のみ形成し
たとき(第1の誘電体薄膜の厚みが0のとき)1GHz
でのQ値が200であった。また、ここでのナフトシク
ロブテン系高分子からなる第1の誘電体薄膜は、線熱膨
張係数が50ppm/℃、比誘電率が2.8であり、電
極層間に第1の誘電体薄膜のみ形成したとき(第2の誘
電体薄膜の厚みが0のとき)の容量温度係数は−373
ppm/℃、1GHzでのQ値が230であった。
【0089】上記の結果から電極層間に第2の誘電体薄
膜(SiNx膜)とナフトシクロブテン系高分子からな
る第1の誘電体薄膜(高分子膜)を設けた薄膜コンデン
サにおいては、容量温度係数が−243ppm/℃のも
のが得られることが判明した。よってこの例の薄膜コン
デンサであるならば、容量温度係数が負のものが得られ
ているので、バラクタダイオード等の温度係数が正の電
子機器の温度補償用に好適である。また、電極層間にS
iNxからなる第2の誘電体薄膜以外にナフトシクロブ
テン系高分子からなる第1の誘電体薄膜を設けた本例の
薄膜コンデンサは、1GHzのQ値が100以上と大き
くできることがわかる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明の温度補償用
薄膜コンデンサによれば、比誘電率が4.0以下であ
り、かつ線熱膨張係数が25ppm/℃以上である誘電
体薄膜を一対の電極間に介在したことにより、容量温度
係数(静電容量の温度係数)を負に制御でき、また、加
工精度の影響を受けにくくなり、静電容量のバラツキの
問題を改善でき、これによって小型化、薄型化、軽量化
でき、温度補償が可能となる。本発明において、周波数
1GHz以上のQ値が100以上としたものにあって
は、1GHz以上の高周波領域での誘電損失が小さくな
り、周波数1GHz以上の高周波回路に適した薄膜コン
デンサが得られる。また、上記誘電体薄膜は、フッ素系
高分子材料が主成分として含まれるものであると、比誘
電率が4.0以下であり、かつ線熱膨張係数が25pp
m/℃以上の誘電体薄膜が得られ、また、誘電体薄膜に
用いるフッ素系高分子材料によってはこの誘電体薄膜を
電極間に介在させた薄膜コンデンサの周波数1GHz以
上のQ値を100以上とすることが可能である。
【0091】また、上記誘電体薄膜は、ベンゾシクロブ
テン系またはナフトシクロブテン系高分子材料が主成分
として含まれるものであると、比誘電率が4.0以下で
あり、かつ線熱膨張係数が25ppm/℃以上の誘電体
薄膜が得られ、また、誘電体薄膜に用いるベンゾシクロ
ブテン系またはナフトシクロブテン系高分子材料によっ
てはこの誘電体薄膜を電極間に介在させた薄膜コンデン
サの周波数1GHz以上のQ値を100以上とすること
が可能である。このように上誘電体薄膜を上記ベンゾシ
クロブテン系またはナフトシクロブテン系高分子材料か
ら構成する場合、これら高分子材料は電極形成時に用い
られるレジスト現像液やレジスト剥離液に腐食され難い
ために有利である。また、本発明の電子機器によれば、
温度に対応して補償する必要がある電子回路に本発明の
温度補償用薄膜コンデンサを備えるようにしたことによ
り、上記電子回路を有する携帯型電子機器、マイクロ波
用通信機器等の電子機器の温度安定性を優れさせること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る温度補償用薄膜コンデン
サの第1実施形態の断面構造を示す図である。
【図2】 図2は図1に示す薄膜コンデンサの平面図で
ある。
【図3】 図3は本発明に係る薄膜コンデンサを備えた
電気回路の一例を示す回路図である。
【図4】 図4は本発明に係わる薄膜コンデンサの温度
係数とバラクタダイオードの温度係数とを比較して示す
図である。
【図5】 図5は本発明の薄膜コンデンサの第1の誘電
体薄膜の膜厚を変更したときの温度特性を示す図であ
る。
【図6】 Clausius-Mosottiの式を温度で微分して得ら
れた式を基にした比誘電率と容量温度係数の関係を示す
概略図である。
【図7】 誘電体薄膜の比誘電率と線熱膨張係数との関
係を示す図である。
【図8】 本発明に係る温度補償用薄膜コンデンサのそ
の他の実施形態の断面構造を示す図である。
【図9】 本発明に係る温度補償用薄膜コンデンサの第
2の実施形態の断面構造を示す図である。
【図10】 本発明に係る温度補償用薄膜コンデンサの
第3の実施形態の断面構造を示す図である。
【図11】 本発明に係る温度補償用薄膜コンデンサの
その他の実施形態の断面構造を示す図である。
【図12】 実験例4で作製した薄膜コンデンサの温度
と静電容量との関係を示す図である。
【図13】 実験例5で作製した薄膜コンデンサの温度
と静電容量との関係を示す図である。
【図14】 実験例6で作製した薄膜コンデンサの温度
と静電容量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、21、31、31a・・・薄膜コンデンサ、2・
・・基板、3・・・第1の電極層(電極)、4・・・第2の誘電
体薄膜、5・・・第1の誘電体薄膜、7・・・第2の電極層
(電極)、8・・・保護膜(キャップ材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 均 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 福井 洋文 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5E082 BC15 EE23 FF05 FG03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比誘電率が4.0以下であり、かつ線熱
    膨張係数が25ppm/℃以上である誘電体薄膜が一対
    の電極間に介在されたことを特徴とする温度補償用薄膜
    コンデンサ。
  2. 【請求項2】 周波数1GHz以上のQ値が100以上
    であることを特徴とする請求項1記載の温度補償用薄膜
    コンデンサ。
  3. 【請求項3】 容量温度係数が負であることを特徴とす
    る請求項1記載の温度補償用薄膜コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記容量温度係数の絶対値が200pp
    m/℃以上であることを特徴とする請求項3記載の温度
    補償用薄膜コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記誘電体薄膜はフッ素系高分子材料を
    主成分として含むことを特徴とする請求項1記載の温度
    補償用薄膜コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記誘電体薄膜の上側に該誘電体薄膜を
    被覆する保護膜が積層されていることを特徴とする請求
    項5記載の温度補償用薄膜コンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記誘電体薄膜はベンゾシクロブテン系
    またはナフトシクロブテン系高分子材料を主成分として
    含むことを特徴とする請求項1記載の温度補償用薄膜コ
    ンデンサ。
  8. 【請求項8】 前記高分子材料は、分子内にベンゾシク
    ロブテン基又はナフトシクロブテン基と、エチレン基と
    を有することを特徴とする請求項7記載の温度補償用薄
    膜コンデンサ。
  9. 【請求項9】 前記高分子材料は、分子内にベンゾシク
    ロブテン基又はナフトシクロブテン基と、エチレン基
    と、シロキサン結合とを有することを特徴とする請求項
    7記載の温度補償用薄膜コンデンサ。
  10. 【請求項10】 比誘電率が4.0以下であり、かつ線
    熱膨張係数が50ppm/℃以上である第1の誘電体薄
    膜と、容量温度係数の絶対値が50ppm/℃以下の第
    2の誘電体薄膜とが一対の電極間に介在されたことを特
    徴とする温度補償用薄膜コンデンサ。
  11. 【請求項11】 前記第1の誘電体薄膜は、フッ素系高
    分子材料を主成分として含むものであることを特徴とす
    る請求項10記載の温度補償用薄膜コンデンサ。
  12. 【請求項12】 前記第2の誘電体薄膜は、前記第1の
    誘電体薄膜の上側に積層されていることを特徴とする請
    求項11記載の温度補償用薄膜コンデンサ。
  13. 【請求項13】 前記第1の誘電体薄膜は前記第2の誘
    電体薄膜の上側に積層され、さらに前記第1の誘電体薄
    膜の上側に該第1の誘電体薄膜を被覆する保護膜が積層
    されていることを特徴とする請求項11記載の温度補償
    用薄膜コンデンサ。
  14. 【請求項14】 前記第1の誘電体薄膜は、ベンゾシク
    ロブテン系又はナフトシクロブテン系高分子材料を主成
    分として含むものであることを特徴とする請求項10記
    載の温度補償用薄膜コンデンサ。
  15. 【請求項15】 請求項1又は10記載の温度補償用薄
    膜コンデンサが備えられたことを特徴とする電子機器。
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