JP2002252131A - トランス定数の決定方法およびプログラム - Google Patents

トランス定数の決定方法およびプログラム

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JP2002252131A
JP2002252131A JP2001048173A JP2001048173A JP2002252131A JP 2002252131 A JP2002252131 A JP 2002252131A JP 2001048173 A JP2001048173 A JP 2001048173A JP 2001048173 A JP2001048173 A JP 2001048173A JP 2002252131 A JP2002252131 A JP 2002252131A
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primary
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flux density
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JP2001048173A
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Isao Fujihata
功 藤旗
Takeshi Morioka
武 森岡
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MEDIA TECHNOLOGY KK
Media Technology Corp
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MEDIA TECHNOLOGY KK
Media Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電源装置などに使用されるトラ
ンスの定数を経験と勘に頼ることなく迅速かつ一意的に
決定できるようにする。 【解決手段】 まず入出力仕様から決定される既定値パ
ラメータおよび仮定を行なうことにより決定される既定
値パラメータを求める。次に、コアを仮に選択し、該コ
アのカタログ値から決まる既定値パラメータを求める。
これらのパラメータに基づき、アンペール周回積分の法
則その他所定の法則、条件および近似を用いて1次側の
インダクタンスおよび巻線数を導出する。そして、飽和
条件として、コア内部のピーク磁束密度Bcが飽和磁束
密度Bs以下となるか否かを判定する。また、コアに1
次側の電流容量を満足するコイルが巻けるか否かを判定
する。これらの条件が満たされない場合は、コアを再選
択するか、一部のパラメータを調整して処理を反復す
る。前記条件を満たす場合は、2次巻線数を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライバック電源
トランス定数の決定方法に関し、特にスイッチング電源
装置などに使用されるフライバック電源トランスの定数
を一部のパラメータを仮定することにより迅速かつ一意
的に決定できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電源装置に使用される電源トランス、例
えばフライバック電源トランス、の設計は電源設計者の
豊富な経験と勘を頼りに行なわれている。これは、電源
トランスなどのトランスの定数を決定する上で用いられ
るパラメータの数が非常に多いこと、および1つのパラ
メータを表わす関係式も何通りもの形で導出されること
などによる。また、導出された関係式においては、式中
で使用されたパラメータに未知数、すなわちどのような
法則または定義から導かれたものか分からないパラメー
タ、が含まれていたりするために、何のパラメータを最
初に決定すればよいか、何が既知のパラメータで何が未
知のパラメータなのかが混乱してくるためと思われる。
【0003】従来、経験豊富な電源設計者の場合は、与
えられた仕様からトランスの巻き数に辺りをつけ、その
巻き数を基に理論式から他のパラメータを決定していく
手法を用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、経験の浅い電源設計者にとっては
トランスの巻き数をどの程度にすればよいか、なぜその
巻き数に仮定できるのか戸惑うことになる。このため、
従来では、所望の性能を備えた電源トランスを得るため
には、何度もカットアンドトライを繰り返す必要があ
り、電源トランスの設計に手間がかかる上に、設計コス
トも高くなる。このため、最終的には製品のコストが上
昇し、かつ製品の立上げ期間が長くなるという不都合が
あった。
【0005】本発明は、前述の従来例の方法における問
題点に鑑み、トランス定数の設計を一部の所定のパラメ
ータを仮定することにより、理論式および経験式を用い
て迅速かつ一意的に決定できるようにすることにある。
【0006】本発明の他の目的は、トランス定数を経験
と勘に頼ることなく、一意的に的確に決定できるように
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様では、ト
ランス定数の決定方法が提供され、該方法は、(a)入
力仕様から決定される規定値パラメータを求める段階、
(b)所定のパラメータを仮定し、この仮定を行なうこ
とによって決定される規定値パラメータを求める段階、
(c)コアを選択し、この選択を行なうことによって決
定される規定値パラメータを求める段階、(d)前記各
規定値パラメータの内所定のものを使用して一次側イン
ダクタンスを求める段階、(e)前記各規定値パラメー
タの内所定のものを使用して一次側コイルの巻線数を求
める段階、(f)前記一次側インダクタンスおよび一次
側コイルの巻線数にもとづき、前記コア内部のピーク磁
束密度が前記コア内の飽和磁束密度以下であるという飽
和条件を満たすか否かを判定する段階、および(g)前
記コアが前記飽和条件を満たさなければ前記仮定を行な
うことによって決定される規定値パラメータを変更して
または前記コアを再選択して前記段階(d)以後を、前
記飽和条件を満たすまで反復する段階、を具備すること
を特徴とする。
【0008】さらに、前記飽和条件を満たす場合は、一
次側実効電流値を求め、前記コアにこの電流値を流しう
る線径の線材を前記一次側コイルの巻線数だけ巻回でき
るか否かを判定し、巻回できない場合は前記コアを再選
択して前記段階(d)以後を反復する段階を具備すると
好都合である。
【0009】さらに、前記飽和条件を満たしかつ前記コ
アに前記一次側実効電流値を流しうる線径の線材を前記
一次側コイルの巻線数だけ巻回できる場合は、二次側コ
イルの巻線数および二次側実効電流値を求め、前記コア
にこの二次側実効電流値を流しうる線径の線材を前記二
次側コイルの巻線数だけ巻回できるか否かの判定を含む
製作条件を満たすか否かを判定し、該製作条件を満たさ
ない場合は前記コアを再選択して前記段階(d)以後を
反復する段階を設けることもできる。
【0010】前記一次側インダクタンス(Lp)は、次
の式、
【数5】 Lp=(Vi・Ton)/(2・Pi・T) によって求め、ここで、Viは一次側入力電圧であり、
Tonは一次側入力電流のスイッチングのオン時間であ
り、Piは一次側供給電力であり、Tは一次側電流のス
イッチング周期とすることができる。
【0011】前記一次側巻線数(Np)は、次の式、
【数6】Np=|Lp|・(le/μa+lg)/
(Ae・μ0) によって求め、ここで、Lpは一次側インダクタンスで
あり、leはコアの有効磁路長であり、μaは比透磁率
であり、lgはコアのギャップ長であり、Aeはコアの
有効断面積であり、μ0は真空透磁率とすることができ
る。
【0012】前記入力仕様から決定される規定値パラメ
ータは、(1)1次側供給電圧Vi、(2)2次側出力
電圧Vo、(3)2次側出力平均電流Io、および
(4)2次側出力電力Po、を含むものとすることがで
きる。
【0013】前記仮定を行なうことによって決定される
規定値パラメータは、(5)入出力変換効率[%]
η、(6)1次側供給電力[W] Pi、(7)スイッ
チング周波数[kHz] f、(8)スイッチング周期
[μs] T、(9)スイッチングのオン時間[μs]
Ton、(10)スイッチングのオフ時間[μs]
Toff、および(11)コアのギャップ長[mm]
lg、を含むものとすることができる。
【0014】前記コアの選択を行なうことによって決定
される規定値パラメータは、(12)コア実効断面積
「m2」 Ae、(13)コア有効磁路長「m」 l
e、(14)比(振幅)透磁率 μa、および(15)
飽和磁束密度(T) Bs、を含むものとすることがで
きる。
【0015】前記コア内部のピーク磁束密度が前記コア
内の飽和磁束密度よりも所定値以上小さい場合は、前記
仮定を行なうことによって決定される規定値パラメータ
を変更してまたは前記コアを再選択して前記段階(d)
以後を、前記コア内部のピーク磁束密度と前記コア内の
飽和磁束密度との差が予め定めた値以下となるまで反復
すると好都合である。
【0016】本発明の別の態様では、トランス定数を決
定するためのプログラムが提供され、該プログラムは、
(a)入力仕様から決定される規定値パラメータを受け
入れる処理、(b)所定のパラメータを仮定し、この仮
定を行なうことによって決定される規定値パラメータを
受け入れる処理、(c)コアを選択し、この選択を行な
うことによって決定される規定値パラメータを受け入れ
る処理、(d)前記各規定値パラメータの内所定のもの
を使用して一次側インダクタンスを求める処理、(e)
前記各規定値パラメータの内所定のものを使用して一次
側コイルの巻線数を求める処理、(f)前記一次側イン
ダクタンスおよび一次側コイルの巻線数にもとづき、前
記コア内部のピーク磁束密度が前記コア内の飽和磁束密
度以下であるという飽和条件を満たすか否かを判定する
処理、および(g)前記コアが前記飽和条件を満たさな
ければ、前記仮定を行なうことによって決定される規定
値パラメータを変更してまたは前記コアを再選択して前
記処理(d)以後を、前記飽和条件を満たすまで反復す
る処理、を含む処理をコンピュータに実行させることを
特徴とする。
【0017】さらに、前記飽和条件を満たす場合は、一
次側実効電流値を求め、前記コアにこの電流値を流しう
る線径の線材を前記一次側コイルの巻線数だけ巻回でき
るか否かを判定し、巻回できない場合は前記コアを再選
択して前記処理(d)以後を反復する処理をコンピュー
タに実行させると好都合である。
【0018】さらに、前記飽和条件を満たしかつ前記コ
アに前記一次側実効電流値を流しうる線径の線材を前記
一次側コイルの巻線数だけ巻回できる場合は、二次側コ
イルの巻線数および二次側実効電流値を求め、前記コア
にこの二次側実効電流値を流しうる線径の線材を前記二
次側コイルの巻線数だけ巻回できるか否かの判定を含む
製作条件を満たすか否かを判定し、該製作条件を満たさ
ない場合は前記コアを再選択して前記処理(d)以後を
反復する処理をコンピュータに実行させることもでき
る。
【0019】前記一次側インダクタンス(Lp)は、次
の式、
【数7】 Lp=(Vi・Ton)/(2・Pi・T) によって求め、ここで、Viは一次側入力電圧であり、
Tonは一次側入力電流のスイッチングのオン時間であ
り、Piは一次側供給電力であり、Tは一次側電流のス
イッチング周期とすることができる。
【0020】前記一次側巻線数(Np)は、次の式、
【数8】Np=|Lp|・(le/μa+lg)/
(Ae・μ0) によって求め、ここで、Lpは一次側インダクタンスで
あり、leはコアの有効磁路長であり、μaは比透磁率
であり、lgはコアのギャップ長であり、Aeはコアの
有効断面積であり、μ0は真空透磁率とすることができ
る。
【0021】前記入力仕様から決定される規定値パラメ
ータは、(1)1次側供給電圧Vi、(2)2次側出力
電圧Vo、(3)2次側出力平均電流Io、および
(4)2次側出力電力Po、を含むものとすることがで
きる。
【0022】前記仮定を行なうことによって決定される
規定値パラメータは、(5)入出力変換効率[%]
η、(6)1次側供給電力[W] Pi、(7)スイッ
チング周波数[kHz] f、(8)スイッチング周期
[μs] T、(9)スイッチングのオン時間[μs]
Ton、(10)スイッチングのオフ時間[μs]
Toff、および(11)コアのギャップ長[mm]
lg、を含むものとすることができる。
【0023】前記コアの選択を行なうことによって決定
される規定値パラメータは、(12)コア実効断面積
「m2」 Ae、(13)コア有効磁路長「m」 l
e、(14)比(振幅)透磁率 μa、および(15)
飽和磁束密度(T) Bs、を含むものとすることがで
きる。
【0024】前記コア内部のピーク磁束密度が前記コア
内の飽和磁束密度よりも所定値以上小さい場合は、前記
仮定を行なうことによって決定される規定値パラメータ
を変更してまたは前記コアを再選択して前記処理(d)
以後を、前記コア内部のピーク磁束密度と前記コア内の
飽和磁束密度との差が予め定めた値以下となるまで反復
すると好都合である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明では、仕様から決定される
パラメータと仮定が必要なパラメータを明確にし、これ
らのパラメータを既知のパラメータとして電磁気学の理
論式や経験式または近似式を用いて、ノウハウに関係な
く一意的にトランスのパラメータを決定できるようにす
る。本発明はまたコンピュータにこのような方法でトラ
ンスのパラメータを決定するための処理を実行させるプ
ログラムをも提供し、トランスのパラメータを効率よく
決定できるようにする。
【0026】このようなプログラムを動作させるために
使用するコンピュータは、汎用のパーソナルコンピュー
タなどでよい。該コンピュータは、例えば、規定値パラ
メータなどを入力するためのキーボードその他の入力装
置、中央処理装置(CPU)、プログラムおよび各パラ
メータなどを記憶するための記憶装置、および決定され
た定数などを表示出力するための表示装置およびプリン
タなどを備えたものとされる。
【0027】図1は、本発明に係わる方法およびプログ
ラムによって定数が決定されるトランスが使用される装
置の一例としてのスイッチング電源装置の構成を模式的
に示す。
【0028】同図のスイッチング電源装置は、コア3に
1次巻線5および2次巻線7が巻かれたトランス1を備
えている。この電源装置の入力端子19a,19bの間
には、入力側平滑コンデンサ9が接続されている。入力
端子19aは1次巻線5の一端に接続され、他の入力端
子19bはスイッチ19を介して1次巻線5の他端に接
続されている。スイッチ19はFETのようなトランジ
スタによって構成される電子スイッチである。また、ト
ランス1の2次巻線7の一端は整流用のダイオード15
を介して本電源装置の出力端子21aに接続されてい
る。2次巻線7の他端は本電源装置の他の出力端子21
bに接続されている。出力端子21aと21bとの間に
は出力側平滑用コンデンサ17が接続されている。
【0029】このようなスイッチング電源装置において
は、入力端子19a,19bに直流または脈流の1次側
供給電圧Viが供給される。この1次側入力電圧は、例
えば、商業用の交流電源を整流したもの、あるいはバッ
テリなどから供給される。この1次側供給電圧は、所定
の周波数fでオン−オフ制御されるスイッチ13を介し
て1次側巻線5に供給される。これによってコア3内に
対応する磁束が発生され、2次コイル7に所定の電圧の
交流電圧が発生する。この交流電圧がダイオード15に
よって整流され、かつ平滑コンデンサ17によって平滑
されて、2次側出力電圧Voとして出力端子21a,2
1bから出力される。
【0030】なお、図1においては、スイッチング電源
装置各部のパラメータを概略的に記号で示している。ま
た、同図において3aはコア3のギャップ部分を示して
おり、該ギャップ部分3aにおいては磁力線が膨らむこ
とが模式的に示されている。
【0031】図2は、本発明の一実施形態に係わるトラ
ンス定数の決定方法またはプログラムの概略を示すフロ
ーチャートである。以下、これらの図を参照しつつ本発
明の一実施形態に係わるトランス定数の決定方法または
プログラムにつき詳細に説明する。
【0032】<<規定値となるパラメータ>>まず、図
2のステップ201,202および203に示されるよ
うに、トランス定数を決定する上で用いられるパラメー
タを準備する。これらのパラメータとしては、入出力の
仕様から決定される既定値パラメータ、仮定を行うこと
により決定される規定値パラメータ、および仮決定した
コアのカタログ値から決まる規定値パラメータがある。
【0033】<1> 入出力の仕様から決定される既定
値のパラメータとしては次のものが挙げられる。 (1)1次側供給電圧[V] Vi (2)2次側出力電圧[U] Vo (3)2次側出力平均電流[A] Io (4)2次側出力電力[W] Po
【0034】これらのパラメータの内、1次側供給電圧
Viは、例えばAC入力電圧を整流してコンデンサによ
り平滑した電圧である場合は、AC入力電圧の最小値の
ルート2倍の値の約85%程度の値を用いることができ
る。これは、1次側の電圧入力が最小の場合においても
出力仕様を確保するためのトランスパラメータを導出す
るためであり、この値はAC最小入力電圧のピーク値か
らリップル電圧成分を減じた値となる。リップル電圧に
ついては、入力平滑コンデンサの容量値によって異なる
ため、例えば15%程度の電圧低下を仮定しておくこと
ができる。
【0035】<2> 次に、以下のようなパラメータの
値を仮定し、仮定を行なうことにより決定される既定値
パラメータとする。 (5)入出力変換効率[%] η (6)1次側供給電力[W] Pi (7)スイッチング周波数[kHz] f (8)スイッチング周期[μs] T (9)スイッチングのオン時間[μs] Ton (10)スイッチングのオフ時間[μs] Toff (11)コアのギャップ長[mm] lg
【0036】これらの仮定により決定されるパラメータ
の内、入出力変換効率ηは、一般的なスイッチング電源
の場合で70%〜80%であるから、ここでは一例とし
て75%前後の値を仮定しておく。この仮定した値ηと
前に述べた既定値パラメータである2次側出力電力Po
から上記1次側供給電力PiがPi=Po/ηと導出さ
れる。
【0037】上記スイッチング周波数fはスイッチング
電源のスイッチ、例えば図1のスイッチ13、の制御に
使用する駆動用ICその他の条件から決定し、このスイ
ッチング周波数fに応じて上記スイッチング周期Tも一
意的に決まる。
【0038】また、上記スイッチングのオン時間Ton
は、好ましくは、入力電圧、すなわち1次側供給電圧V
i、が最小値の場合であってもトランスへのエネルギ供
給時間、すなわちトランス1次側巻線のオン時間、に余
裕がもてるようにするため、デューティサイクル50%
と仮定すると好都合である。これによって、上記スイッ
チングのオフ時間Toffも決まる。
【0039】コアのギャップ長lgについては、コアの
カタログには、Al−エアギャップの関係が、エアギャ
ップが0.1mm〜1.0mm程度の範囲で記載されて
いる。したがって、この範囲内でいずれかの値、例えば
0.5mm程度の値、を仮定し、後述のトランスパラメ
ータの導出過程における判定条件の結果をフィードバッ
クして変更を加えることにより最終的に決定する。
【0040】なお、上述のAlは、インダクション係数
であり、単位面積かつ単位長の磁心に単位巻数のコイル
を設けた場合に発生するインダクタンスを表わす。そし
て、コアのギャップ長lgが0、巻線数がNの場合のイ
ンダクタンスLは下記の式で表わされる。
【0041】
【数9】 L=Al・N=(μa・μ0・Ae/le)・N なお、この式の導出、およびギャップ長lgが0でない
場合については、後の数式19およびその導出過程を参
照することにより明らかになる。また、μ0は真空透磁
率である。
【0042】<3> 以上のようにして、仮決定したコ
アのカタログ値から決まる既定値パラメータとしては次
のものが挙げられる。 (12)コア実効断面積「m」 Ae (13)コア有効磁路長「m」 le (14)比(振幅)透磁率 μa (15)飽和磁束密度(T) Bs
【0043】これらのパラメータは、2次側出力電力P
oを基にカタログ上に記載されている出力電力とコアサ
イズを目安として使用するコアを仮決定し、そのデータ
を採用することによって決定できる。なお、後に述べる
パラメータ導出過程において判定条件を満たすか否かに
よって、ここで仮に決定したコアを使用するか、あるい
は再度選択を行なうか否かの判断を行なう。
【0044】また、上記比透磁率は、カタログによって
は「振幅透磁率」と記載されている場合もある。さら
に、上記飽和磁束密度Bsは温度変化による変動が大き
いため、カタログに記載されている最高温度時のデータ
に対しマージンをもたせ、最高温度時のデータに対し1
5%〜20%程度減じた値を使用すると好都合である。
【0045】<<トランス定数の導出に用いる法則、条
件および近似>>本発明では、以上のようにして仮決定
した既定値パラメータから種々の法則、条件、近似を用
いて所望のパラメータを導出する。そこで、まずこのよ
うなパラメータの導出に用いる法則、条件および近似方
法などにつき説明する。
【0046】これらの法則などとしては次のものが挙げ
られる。なお、ここで記号Iapは1次側供給平均電
流、Ispは2次側ピーク電流(効率=η)、Isp1
は2次側ピーク電流(効率=1)を表わす。
【0047】(1)アンペール周回積分の法則 ∫Hcdl+∫Hgdl=N・I 1次側:Np・Ip=Hc・le+Hg・lg
【0048】(2)ファラデーの電磁誘導の法則 ∫Edl=−N・dΦ/dt
【0049】(3)1次−2次間電圧/巻数の関係 Vi・Ns=Vo1・Np
【0050】(4)1次−2次電力関係式
【0051】(5)エネルギー保存則 効率=1 (1/2)・Vi・Ipp・Ton =(1/2)・Vo1・Isp1・Toff (1/2)・Lp・Ipp =(1/2)・Ls・Isp1 (1/2)・(Vi・Ton)/Lp =(1/2)・(Vo1・Toff)/Ls 効率=η η・Pi=η・Po1=Poより η・(1/2)・Vi・Ipp・Ton =(1/2)・Vo・Isp・Toff η・(1/2)・Lp・Ipp =(1/2)・Ls・Isp η・(1/2)・(Vi・Ton)/Lp =(1/2)・(Vo・Toff)/Ls
【0052】(6)アンペアターン一定の法則 Np・Ipp=Ns・Isp1
【0053】(7)1次−2次間のインダクタンス関係
式 (Ns/Np)・Lp=Ls
【0054】(8)キルヒホッフ電圧則 1次側:Vi=Lp・dIp/dt Ip=(Vi/Lp)・t Ipp=(Vi/Lp)・Ton 2次側:効率=1 Vo1=Ls・dIs1/dt Is=Isp1−(Vo1/Ls)・t Isp1=(Vo1/Ls)・Toff 効率=η Vo=Ls・dIs/dt Is=Isp−(Vo/Ls)・t Isp=(Vo/Ls)・Toff
【0055】(9)磁界/磁束密度/磁束関係式 Φc=Bc・Ae=Φg=Bg・Ag Hc=Bc/(μa・μ0)、Hg=Bg/μ0
【0056】(10)ギャップが小さい場合、 コア実効断面積Ae≒ギャップ磁束断面積Ag したがって、 コア内磁束密度Bc≒ギャップ内磁束密度Bg
【0057】(11)使用コアの判定条件 ピーク電流Ippにおいてコア内磁束密度Bcが飽和磁
束密度Bs以下となること。
【0058】上記(3)における、1次−2次間電圧/
巻数の関係は、上記(2)に示されるファラデーの電磁
誘導の法則において1次側と2次側で巻線を鎖交する磁
束(コア内の磁束)は共通となることから導出される。
この関係と上記(5)におけるエネルギ保存則から、上
記(6)におけるアンペアターン一定の法則が導出され
る。この(3)の1次−2次間電圧/巻数の関係と
(6)のアンペアターン一定の法則とを用いて、(5)
のエネルギ保存則の関係式から、上記(7)における1
次−2次間のインダクタンスの関係式が得られる。
【0059】次に、前記(9)における磁界/磁束密度
/磁束関係式に関して説明する。図1に示されるよう
に、コア3を周回する磁束はギャップ部分3aを含めて
一定であるから、コア3内部の磁束Φcとギャップ3a
における磁束Φgは等しくなるる。しかしながら、図1
に示されるように、ギャップ部分3aにおける磁力線は
膨らむため、磁束密度に関しては、厳密にいえば、コア
内部の磁束密度Bcおよびコア実効断面積Aeと、ギャ
ップ内の磁束密度Bgおよびギャップ磁束通過断面積A
gは異なる。ただし、ギャップ長lgが小さい場合は、
磁力線の膨らみは小さいので断面積AeとAgがほぼ等
しいものとして近似することができる。これによって、
前記(9)の関係式から、コア内の磁束密度Bcとギャ
ップ内磁束密度Bgも等しいと近似でき、前記(10)
で示される近似式が得られる。
【0060】さらに、前記(11)における使用コアの
判定条件は、コアが磁気飽和を起こすとトランスの役割
を果たさなくなるため、1次側ピーク電流Ippにおい
ても使用コアが磁気飽和を起こさないことが使用条件で
あることを示している。すなわち、ピーク電流Ippに
おいてコア内磁束密度Bcが飽和磁束密度Bs以下とな
ることが必要とされる。
【0061】<<トランスの1次側の定数の導出>> <1> 上述のようにして、入出力の仕様から決定され
る既定値パラメータ、仮定を行なうことにより決定され
る既定値パラメータ、および仮決定したコアのカタログ
値から決まる既定値パラメータが求められると、次に、
図2のステップ204で示されるように、1次側インダ
クタンスLpの導出に入る。
【0062】これは、前記(8)のキルヒホッフの電圧
則における1次側ピーク電流Ippの式Ipp=(Vi
/Lp)・Tonを前記(4)で示された1次側電力式
【数10】 Pi=(1/2)・Vi・Ipp・Ton/T に代入してIppを消去することによって下記の式のよ
うに求めることができる。
【数11】 Lp=(Vi・Ton)/(2・Pi・T)
【0063】なお、このようにして求めた1次側インダ
クタンスLpを前記Ippの式に代入して1次側ピーク
電流Ippを求めることができる。
【0064】<2> 次に、図2のステップ205に示
される1次側巻線数Npの導出について説明する。
【0065】前記(10)において近似したコア内磁束
密度Bcとギャップ内磁束密度Bgの関係Bc≒Bgを
用いて、前記(9)における磁界/磁束密度/磁束関係
式におけるコア内の磁界Hcとギャップの磁界Hgをコ
ア内磁束密度Bcで表わされる式に変換する。そして、
このHcおよびHgの式を前記(1)のアンペールの周
回積分の法則に適用すると下記のようになる。
【数12】 Np・Ip=(Bc/μ0)・(le/μa+lg)
【0066】この式をBcについて解くと次の式が得ら
れる。
【数13】 Bc=Np・Ip・μ0/(le/μa+lg)
【0067】上記数式13で表わされるBcを前記
(2)に示されるファラデーの電磁誘導の法則に代入す
ると次のようになる。
【数14】Vi=−Np・Ae・μ0/(le/μa
+lg)・dIp/dt
【0068】この式と、前記(8)におけるキルヒホッ
フの電圧則の内の1次側の式
【数15】Vi=Lp・dIp/dt とを比較することにより、1次側巻数Npは次のように
求められる。
【数16】Np=|Lp|・(le/μa+lg)/
(Ae・μ0)
【0069】<3> 次に、上述のようにして求められ
たトランスのパラメータである、1次側インダクタンス
Lpおよび1次側巻線数Npを基に、図2のステップ2
06〜209に示されるように、前記(11)おける使
用コアの条件判定を行なう。この条件判定としては、本
実施形態においては、使用コアの飽和条件の判定と、線
径条件などの製作条件を満たすか否かを検討して使用す
るコアを決定する。
【0070】まず、前記(11)で述べた使用コアの判
定条件である飽和条件を検討する。このため、前記数式
1のLpの値を用いて、前記(8)のキルヒホッフの電
圧則から1次側ピーク電流Ippを求める。このピーク
電流Ippと前記数式3で求まる1次側巻線数Npを用
いて、前記数式13からコア内部に発生するピークとな
る磁束密度Bcを求める。そして、この磁束密度Bcが
前記(11)の判定条件である飽和磁束密度Bs以下と
なるか否か、すなわち次の式を満足するか否かを判定す
る。
【数17】Bs≧Np・Ipp・μ0/(lc/μc+
lg) すなわち、この数式を満足するかどうかにより、図2の
ステップ206で示される、コアの飽和条件を判定す
る。
【0071】次に、前述のようにして求めた1次側ピー
ク電流Ippを基に次の計算式から実効電流Irmsを
算出する。
【数18】Irms=(1/T)・∫{(Ipp/T
on)・t}dt [積分は0→Ton]
【0072】そして、この実効電流Irmsの電流容量
を満足する線径の線材を使用した場合、前に導出した1
次側巻線数Npを確保できるか否かを確認する。すなわ
ち、この電流容量を満足する線形の線材を前記1次側巻
線数Npだけ巻くことができるスペースがコアにあるか
否かの電流容量条件を判定する。電流容量条件が満たさ
れない場合は通常コアの再選択を行なう。なお、線径と
許容電流との関係として、例えば銅線の場合2.5A/
mmの電流密度を目安として線径を決定することがで
きる。
【0073】<4> 以上のような飽和磁束密度条件と
電流容量条件などの製作条件とを満たす場合は、前に仮
決定したこのコアを本決定されたものとして使用する。
少なくとも前記いずれかの条件を満たさない場合は、図
2のステップ207に示すように、コアを変更するかあ
るいはパラメータを変更する。すなわち、コアを変更し
ない場合は、例えばコアギャップ長lgをスペーサなど
により調整して、再び前記ステップ204からの計算を
繰り返す。あるいは、コアを再選択して前記ステップ2
04からの計算を繰り返す。
【0074】この場合、前記数式17の右辺で示される
計算結果が飽和磁束密度Bsを超えた場合、この数式1
7から分かるように、1次側巻線数Npまたは1次側ピ
ーク電流Ippを小さくするか、lc/μcまたはコア
ギャップ長lgを大きくすることができる。
【0075】この場合、前記数式11で1次側インダク
タンスLpを求めるパラメータVi,Ton,Pi,T
は仕様や仮定から全て既定値として与えられるのでLp
は変化させないことが条件となる。これにより、前記
(8)のキルヒホッフの電圧則から求まる1次側ピーク
電流Ippも固定値となるため変更パラメータから除外
するのが好ましい。
【0076】また、lc/μcはμcの値が3000〜
4000と大きな値であるから、有効磁路長lcの大き
なコアを選択しても計算結果を小さくするための効果は
ほとんど得られないのでこれも除外する。
【0077】残る変更パラメータは、1次側巻線数Np
とコアギャップ長lgということになる。Npを小さく
する場合、前記1次側インダクタンスLpを変化させな
いことが条件であるため、前記数式3からLpについて
導出した次の式、
【数19】|Lp|=Np・(Ae・μ0)/(lc
/μc+lg) からLpを変化させないでNpを小さくするためには有
効断面積Aeの大きなコアを再選定する必要がある。ま
た、lgを大きくする場合も前記数式17および数式1
9を見比べて、1次側インダクタンスLpの値を変化さ
せないでコア内磁束密度Bcを小さくできるコアギャッ
プ長lgと1次側巻線数Npの組み合わせに変更する必
要がある。
【0078】<<トランス2次側の定数の導出>> <1> このようにして、コアの条件判定が満たされた
後に、図2のステップ210で示されるように、2次側
巻線数Nsを導出する。まず、前記(5)のエネルギ保
存則で、効率=1の場合の1次側と2次側のエネルギ関
係を示した式の内、1次側供給電圧Viおよび2次側出
力電圧Volならびに1次側/2次側インダクタンスL
pおよびLsを用いた式に、前記(7)の1次−2次間
のインダクタンス関係式のLsを代入して2次側巻線数
Nsについて導出すると次式が得られる。
【数20】 Ns=Np・(Vol・Toff)/(Vi・Ton)
【0079】また、前記(8)のキルヒホッフの電圧則
から、数式20のViを1次側ピーク電流Ippを用い
て表わすと次の式が得られる。
【数21】 Ns=Np・(Vol・Toff)/(Lp・Ipp)
【0080】<2> 次に、効率=1の場合の2次側電
圧Vol/ピーク電流Isplと効率=ηの場合の2次
側電圧Vo/ピーク電流Ispの関係を求める。
【0081】効率が1からηに変化した場合、コアの形
状や材質およびトランスの巻線数が変化するわけではな
いので、1次側および2次側のインダクタンスLp,L
sは変化しない。したがって、前記(5)のエネルギ保
存則における効率=1の場合と効率=ηの場合を比較す
ることで、効率が変化した場合の電圧の関係と電流の関
係が次のように与えられる。
【数22】Vo=[ルート(η)]・Vol
【数23】Isp=[ルート(η)]・Ispl
【0082】<3> さらに、2次側巻線数Nsを既定
値に基づき求める。すなわち、上述の数式6および数式
7で求められる、2次側巻線数Nsは効率=1の場合に
発生する2次側出力電圧Volと1次側供給電圧Viま
たは1次側ピーク電流Ippで表わされる。上記2次側
出力電圧Volを前述の数式22から求まりかつ既定値
パラメータである2次側電圧Voを用いて表現すること
により、2次側巻線数Nsは次の式で表わされる。
【数24】Ns=Np・(Vo・Toff)/(Vim
n・Ton)/[ルート(η)]
【数25】Ns=Np・(Vo・Toff)/(Lp・
Ipp)/[ルート(η)]
【0083】また、2次側実効電流Isrを次式のよう
に求める。
【数26】Isr=(1/T)・∫Isdt [積分は0→Toff]
【0084】このようにして求めた2次側実効電流Is
rの電流容量を満足する線径の線材を使用した場合に、
2次側巻線数Nsを確保できるか否かをの電流容量条件
を判定する。また、この場合、前述の1次側巻線のため
のスペースをも併せて考慮する必要がある。このような
二次側の電流容量条件が満たされないなどの製作条件が
満たされない場合は(ステップ211)、コアの再選択
を行なう。
【0085】<<最終確認>>以上のようにして導出し
たトランスの3つのパラメータ、すなわち、 (1)1次側インダクタンス Lp (2)1次側巻線数 Np (3)2次側巻線数 Ns が決定できればトランスは設計可能である。したがっ
て、後はこれらのパラメータに従って試作を行ない、出
力電圧や電流、温度上昇など実機上での最終的な確認を
行なうことになる。
【0086】そして、試作によって、不具合の点が見出
された場合は、フィードバックして再設計を行なうこと
になる。しかしながら、本発明によれば、再設計を行な
う場合でも、上記各パラメータは暗中模索の状態で決定
したわけではなく、各数式などを使用して論理的に各パ
ラメータを決定している。したがって、要求仕様を満た
すために何のパラメータをどのように変更すればよいか
の判断の目安がつけやすくなる。したがって、初心者で
あってもトランス設計上のフィードバックの回数を削減
することができる。
【0087】
【発明の効果】すなわち、本発明によれば、トランス定
数を経験と勘に頼ることなく、一意的に迅速かつ的確に
決定することが可能になる。したがって、所望の性能を
備えた電源トランスを得るためにカットアンドトライを
多数回繰り返す必要がなくなり、電源トランスの設計が
容易になり、設計コストが低減できる。このため、最終
的には製品のコストが低減でき、かつ製品の立上げ期間
が短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って定数が決定されるトランスを含
むスイッチング電源装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるトランス定数の決
定方法の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電源トランス 3 コア 3a ギャップ部分 5 1次側巻線 7 2次側巻線 9 入力側平滑コンデンサ 13 スイッチ 15 ダイオード 17 出力側平滑コンデンサ 19a,19b 入力端子 21a,21b 出力端子

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランス定数の決定方法であって、 (a)入力仕様から決定される規定値パラメータを求め
    る段階、 (b)所定のパラメータを仮定し、この仮定を行なうこ
    とによって決定される規定値パラメータを求める段階、 (c)コアを選択し、この選択を行なうことによって決
    定される規定値パラメータを求める段階、 (d)前記各規定値パラメータの内所定のものを使用し
    て一次側インダクタンスを求める段階、 (e)前記各規定値パラメータの内所定のものを使用し
    て一次側コイルの巻線数を求める段階、 (f)前記一次側インダクタンスおよび一次側コイルの
    巻線数にもとづき、前記コア内部のピーク磁束密度が前
    記コア内の飽和磁束密度以下であるという飽和条件を満
    たすか否かを判定する段階、および (g)前記コアが前記飽和条件を満たさなければ前記仮
    定を行なうことによって決定される規定値パラメータを
    変更してまたは前記コアを再選択して前記段階(d)以
    後を、前記飽和条件を満たすまで反復する段階、 を具備することを特徴とするトランス定数の決定方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記飽和条件を満たす場合は、
    一次側実効電流値を求め、前記コアにこの電流値を流し
    うる線径の線材を前記一次側コイルの巻線数だけ巻回で
    きるか否かを判定し、巻回できない場合は前記コアを再
    選択して前記段階(d)以後を反復する段階を具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載のトランス定数の決定
    方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記飽和条件を満たしかつ前記
    コアに前記一次側実効電流値を流しうる線径の線材を前
    記一次側コイルの巻線数だけ巻回できる場合は、二次側
    コイルの巻線数および二次側実効電流値を求め、前記コ
    アにこの二次側実効電流値を流しうる線径の線材を前記
    二次側コイルの巻線数だけ巻回できるか否かの判定を含
    む製作条件を満たすか否かを判定し、該製作条件を満た
    さない場合は前記コアを再選択して前記段階(d)以後
    を反復する段階を具備することを特徴とする請求項2に
    記載のトランス定数の決定方法。
  4. 【請求項4】 前記一次側インダクタンス(Lp)は、
    次の式、 【数1】 Lp=(Vi・Ton)/(2・Pi・T) によって求め、ここで、Viは一次側入力電圧であり、
    Tonは一次側入力電流のスイッチングのオン時間であ
    り、Piは一次側供給電力であり、Tは一次側電流のス
    イッチング周期であることを特徴とする請求項1に記載
    のトランス定数の決定方法。
  5. 【請求項5】 前記一次側巻線数(Np)は、次の式、 【数2】Np=|Lp|・(le/μa+lg)/
    (Ae・μ0) によって求め、ここで、Lpは一次側インダクタンスで
    あり、leはコアの有効磁路長であり、μaは比透磁率
    であり、lgはコアのギャップ長であり、Aeはコアの
    有効断面積であり、μ0は真空透磁率であることを特徴
    とする請求項1に記載のトランス定数の決定方法。
  6. 【請求項6】 前記入力仕様から決定される規定値パラ
    メータは、 (1)1次側供給電圧Vi、 (2)2次側出力電圧Vo、 (3)2次側出力平均電流Io、および (4)2次側出力電力Po、 を含むことを特徴とする請求項1に記載のトランス定数
    の決定方法。
  7. 【請求項7】 前記仮定を行なうことによって決定され
    る規定値パラメータは、 (5)入出力変換効率[%] η、 (6)1次側供給電力[W] Pi、 (7)スイッチング周波数[kHz] f、 (8)スイッチング周期[μs] T、 (9)スイッチングのオン時間[μs] Ton、 (10)スイッチングのオフ時間[μs] Toff、
    および (11)コアのギャップ長[mm] lg、 を含むことを特徴とする請求項1に記載のトランス定数
    の決定方法。
  8. 【請求項8】 前記コアの選択を行なうことによって決
    定される規定値パラメータは、 (12)コア実効断面積「m2」 Ae、 (13)コア有効磁路長「m」 le、 (14)比(振幅)透磁率 μa、および (15)飽和磁束密度(T) Bs、 を含むことを特徴とする請求項1に記載のトランス定数
    の決定方法。
  9. 【請求項9】 前記コア内部のピーク磁束密度が前記コ
    ア内の飽和磁束密度よりも所定値以上小さい場合は、前
    記仮定を行なうことによって決定される規定値パラメー
    タを変更してまたは前記コアを再選択して前記段階
    (d)以後を、前記コア内部のピーク磁束密度と前記コ
    ア内の飽和磁束密度との差が予め定めた値以下となるま
    で反復することを特徴とする請求項1に記載のトランス
    定数の決定方法。
  10. 【請求項10】 トランス定数を決定するためのプログ
    ラムであって、 (a)入力仕様から決定される規定値パラメータを受け
    入れる処理、 (b)所定のパラメータを仮定し、この仮定を行なうこ
    とによって決定される規定値パラメータを受け入れる処
    理、 (c)コアを選択し、この選択を行なうことによって決
    定される規定値パラメータを受け入れる処理、 (d)前記各規定値パラメータの内所定のものを使用し
    て一次側インダクタンスを求める処理、 (e)前記各規定値パラメータの内所定のものを使用し
    て一次側コイルの巻線数を求める処理、 (f)前記一次側インダクタンスおよび一次側コイルの
    巻線数にもとづき、前記コア内部のピーク磁束密度が前
    記コア内の飽和磁束密度以下であるという飽和条件を満
    たすか否かを判定する処理、および (g)前記コアが前記飽和条件を満たさなければ、前記
    仮定を行なうことによって決定される規定値パラメータ
    を変更してまたは前記コアを再選択して前記処理(d)
    以後を、前記飽和条件を満たすまで反復する処理、 を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とす
    るトランス定数を決定するためのプログラム。
  11. 【請求項11】 さらに、前記飽和条件を満たす場合
    は、一次側実効電流値を求め、前記コアにこの電流値を
    流しうる線径の線材を前記一次側コイルの巻線数だけ巻
    回できるか否かを判定し、巻回できない場合は前記コア
    を再選択して前記処理(d)以後を反復する処理をコン
    ピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記
    載のプログラム。
  12. 【請求項12】 さらに、前記飽和条件を満たしかつ前
    記コアに前記一次側実効電流値を流しうる線径の線材を
    前記一次側コイルの巻線数だけ巻回できる場合は、二次
    側コイルの巻線数および二次側実効電流値を求め、前記
    コアにこの二次側実効電流値を流しうる線径の線材を前
    記二次側コイルの巻線数だけ巻回できるか否かの判定を
    含む製作条件を満たすか否かを判定し、該製作条件を満
    たさない場合は前記コアを再選択して前記処理(d)以
    後を反復する処理をコンピュータに実行させることを特
    徴とする請求項11に記載のプログラム。
  13. 【請求項13】 前記一次側インダクタンス(Lp)
    は、次の式、 【数3】 Lp=(Vi・Ton)/(2・Pi・T) によって求め、ここで、Viは一次側入力電圧であり、
    Tonは一次側入力電流のスイッチングのオン時間であ
    り、Piは一次側供給電力であり、Tは一次側電流のス
    イッチング周期であることを特徴とする請求項10に記
    載のプログラム。
  14. 【請求項14】 前記一次側巻線数(Np)は、次の
    式、 【数4】Np=|Lp|・(le/μa+lg)/
    (Ae・μ0) によって求め、ここで、Lpは一次側インダクタンスで
    あり、leはコアの有効磁路長であり、μaは比透磁率
    であり、lgはコアのギャップ長であり、Aeはコアの
    有効断面積であり、μ0は真空透磁率であることを特徴
    とする請求項10に記載のプログラム。
  15. 【請求項15】 前記入力仕様から決定される規定値パ
    ラメータは、 (1)1次側供給電圧Vi、 (2)2次側出力電圧Vo、 (3)2次側出力平均電流Io、および (4)2次側出力電力Po、 を含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラ
    ム。
  16. 【請求項16】 前記仮定を行なうことによって決定さ
    れる規定値パラメータは、 (5)入出力変換効率[%] η、 (6)1次側供給電力[W] Pi、 (7)スイッチング周波数[kHz] f、 (8)スイッチング周期[μs] T、 (9)スイッチングのオン時間[μs] Ton、 (10)スイッチングのオフ時間[μs] Toff、
    および (11)コアのギャップ長[mm] lg、 を含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラ
    ム。
  17. 【請求項17】 前記コアの選択を行なうことによって
    決定される規定値パラメータは、 (12)コア実効断面積「m2」 Ae、 (13)コア有効磁路長「m」 le、 (14)比(振幅)透磁率 μa、および (15)飽和磁束密度(T) Bs、 を含むことを特徴とする請求項10に記載のプログラ
    ム。
  18. 【請求項18】 前記コア内部のピーク磁束密度が前記
    コア内の飽和磁束密度よりも所定値以上小さい場合は、
    前記仮定を行なうことによって決定される規定値パラメ
    ータを変更してまたは前記コアを再選択して前記処理
    (d)以後を、前記コア内部のピーク磁束密度と前記コ
    ア内の飽和磁束密度との差が予め定めた値以下となるま
    で反復することを特徴とする請求項10に記載のプログ
    ラム。
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