JP2002252075A - 防曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置およびヒータ異常検出方法 - Google Patents

防曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置およびヒータ異常検出方法

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JP2002252075A
JP2002252075A JP2001050120A JP2001050120A JP2002252075A JP 2002252075 A JP2002252075 A JP 2002252075A JP 2001050120 A JP2001050120 A JP 2001050120A JP 2001050120 A JP2001050120 A JP 2001050120A JP 2002252075 A JP2002252075 A JP 2002252075A
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power supply
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transparent conductive
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正明 松下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウインドシールドにコーティングされた透明
導電性材料の傷や剥離等の異常を確実に検出することの
できる防曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置
およびヒータ異常検出方法を提供すること。 【解決手段】 ウインドシールド2にコーティングされ
た透明導電性材料3に通電するための線状電極7と電源
4との間に流れる電流の電流値を電流検出部15によっ
て検出し、予め設定されたヒータ異常検出判定値Igと
電流検出部15で検出された電流値Iとの大小関係を比
較し、電流値Iが判定値Igに満たない場合にヒータ異
常検出信号を出力して警報部12を作動させる。透明導
電性材料3の電気的な特性の変化を利用して異常を検出
するようにしているので、目視では検出が困難な透明導
電性材料3のコーティング状態の異常を容易かつ確実に
検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇用ヒータ付ヘ
ルメットのヒータ異常検出装置およびヒータ異常検出方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】バイク用等のヘルメットのウインドシー
ルドにコーティングされた透明導電性材料を通電して発
熱させることによってウインドシールドの曇りを防止す
る防曇用ヒータが、例えば、特開昭64−62156号
等に示されるように既に公知である。
【0003】その一例を図10(a)および図10
(b)に示す。図10(a)および図10(b)におい
て、符号1はヘルメット本体であり、ウインドシールド
2はヘルメット本体1に対し上下方向に開閉自在に装着
されている。そして、ウインドシールド2の表面(裏側
の表面)には、塗布あるいは蒸着などの手法によって薄
膜層からなる透明導電性材料3がコーティングされ、こ
の透明導電性材料3に電源4からの電圧を印加して発熱
させることにより、内外気の温度差や呼吸によって生じ
るウインドシールド2の曇りを防止するようになってい
る。
【0004】電源4としては、ヘルメット本体1に内蔵
された充電式のバッテリーを利用するか、あるいは、電
源ケーブルを引いてバイク側のバッテリーを利用するの
が一般的であるが、ヘルメット本体1の取り回しの容易
さの点から、専ら、ヘルメット本体1に充電式のバッテ
リーを内蔵する構造が好まれている。
【0005】ここで、ウインドシールド2の構造の要部
を模式化して図6に示す。図6に示されるように、ウイ
ンドシールド2の表面(裏側の表面)には略全域に亘っ
て透明導電性材料3がコーティングされ、その上端部と
下端部にはウインドシールド2の縁に沿って延びる線状
電極5,6が設けられ、これらの線状電極5,6に電源
4からの電力供給線7,8が接続されている。そして、
電力供給線7,8と線状電極5,6を介して電源4から
透明導電性材料3に電力を供給し、この透明導電性材料
3を発熱させることによってウインドシールド2の曇り
を防止するのである。
【0006】図6に示されるように、線状電極5,6
は、透明導電性材料3の上下の両端部において相互に略
平行するかたちで配備されているので、透明導電性材料
3を流れる電流の値はコーティング面のどの部分をとっ
ても略同一となり、透明導電性材料3の発熱作用によっ
て、ウインドシールド2の全域を均一に加熱して曇りの
発生を防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このウインド
シールド2はヘルメット本体1の外側に装着される外装
品であるため、ヘルメット本体1の取り扱い等によって
は、その表面(裏側の表面)に傷が付いたり、あるい
は、表面(裏側の表面)にコーティングされた透明導電
性材料3に部分的な剥離現象が生じたりする可能性があ
る。このような傷や剥離が微妙なものであれば大勢に影
響はないが、例えば、図7に示されるようにウインドシ
ールド2の左右方向に延びる傷9や剥離9が生じた場
合、この部分が絶縁されて電流が流れなくなるため、そ
の周辺部における透明導電性材料3の発熱作用、要する
に、ウインドシールド2の曇り防止作用が阻害されると
いった問題が生じる。
【0008】このような場合、早急に異常を検出してウ
インドシールド2を交換する必要があるが、透明導電性
材料3は使用者の視界を確保するために高度の透明性が
与えられており、目視によって透明導電性材料3の傷9
や剥離9を検出することは難しく、利用者がウインドシ
ールド2の異常に気付くのが遅くなるといった問題があ
った。
【0009】また、取り扱い上の不注意による損傷に比
べれば遥かに発生確率は低いが、ウインドシールド2の
製造工程やメーカー内での管理工程でウインドシールド
2の透明導電性材料3に初期不良が生じる可能性も皆無
というわけではない。当然、ウインドシールド2の出荷
工程において最終的な検品作業が行われることになる
が、前述した通り、目視による異常検出が困難であるた
め、初期不良のあるウインドシールド2がそのまま出荷
されてしまう可能性があることを完全に否定することは
できない。
【0010】これまでのところ、ウインドシールド2に
コーティングされた透明導電性材料3の異常を確実に検
出するための具体的な装置および方法は提案されていな
い。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は前記従来技術の欠点を解
消し、ウインドシールドにコーティングされた透明導電
性材料の異常を確実に検出することのできる防曇用ヒー
タ付ヘルメットのヒータ異常検出装置およびヒータ異常
検出方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のヒータ異常検出
装置は、ヘルメット本体の前面をカバーするウインドシ
ールドの略全面に亘ってコーティングされた透明導電性
材料と、透明導電性材料の両端に接続された一対の線状
電極と、これらの線状電極を介して透明導電性材料に通
電する電源とを備えた防曇用ヒータ付ヘルメットのヒー
タ異常検出装置であって、前記目的を達成するため、特
に、線状電極と電源との間に流れる電流の電流値を検出
するための電流検出部と、予め設定されたヒータ異常検
出判定値と電流検出部で検出された電流値との大小関係
を比較し、前記検出された電流値がヒータ異常検出判定
値に満たない場合にヒータ異常検出信号を出力する演算
部と、演算部からのヒータ異常検出信号を受けて作動す
る警報部とを設けたことを特徴とする構成を有する。
【0013】電流検出部は線状電極と電源との間に流れ
る電流の電流値を検出し、その値を演算部に入力する。
ウインドシールドにコーティングされた透明導電性材料
に傷が付いたり剥離が生じたりすると、これらの損傷に
よって透明導電性材料の一部が絶縁され、透明導電性材
料全体としての電気抵抗が増大し、線状電極と電源との
間に流れる電流の電流値が正常な場合と比べて減少す
る。演算部は、予め設定されたヒータ異常検出判定値と
電流検出部で検出された電流値との大小関係を比較し、
検出された電流値がヒータ異常検出判定値に満たない場
合には、透明導電性材料に所定量以上の傷や剥離が生じ
ているものと見做してヒータ異常検出信号を出力する。
そして、このヒータ異常検出信号を受けると、警報部が
作動してヘルメットの着用者あるいはウインドシールド
の検査担当者等にヒータの異常を通知する。透明導電性
材料の異常検出が電気的に行われるので、目視では検出
が困難な透明導電性材料の異常を容易に検出することが
できるようになる。
【0014】また、前記各構成に加え、電源異常判定値
と電流検出部で検出された電流値との大小関係を比較し
て前記検出電流値が電源異常判定値に満たない場合に電
源異常検出信号を出力する機能を前記演算部に持たせる
と共に、この演算部からのヒータ異常検出信号および電
源異常検出信号を受けて信号の違いに応じて異なる態様
で作動するように前記警報部を構成することも可能であ
る。
【0015】このような構成を適用すると、検出電流値
が電源異常判定値を越えてヒータ異常検出判定値に満た
ない場合、つまり、透明導電性材料自体に異常が生じて
いる場合にはヒータ異常検出信号が出力され、また、検
出電流値が電源異常判定値に満たない場合、要するに、
電源電圧自体が降下している場合には電源異常検出信号
が出力される。そして、警報部は、ヒータ異常検出信号
を受けた場合と電源異常検出信号を受けた場合とで異な
る態様で作動するので、ヘルメットの着用者あるいはウ
インドシールドの検査担当者等は、透明導電性材料自体
に異常があるのか電源電圧の降下によって電流が流れに
くくなっているのかを確実に判定することができる。つ
まり、電源異常による電流値の低下を透明導電性材料の
異常として誤認識する問題が解消される。
【0016】更に、予め設定されたヒータ異常検出判定
値および電源異常判定値と前記電流検出部で検出された
電流値との大小関係を比較し、前記検出された電流値が
前記ヒータ異常検出判定値を越えた場合には完全動作保
証信号を出力する一方、前記検出された電流値が前記電
源異常判定値を越えて前記ヒータ異常検出判定値に満た
ない場合にはヒータ異常検出信号を出力し、また、前記
検出された電流値が前記電源異常判定値に満たない場合
には電源異常検出信号を出力するように前記演算部を構
成すると共に、この演算部からの完全動作保証信号およ
びヒータ異常検出信号と電源異常検出信号を受けて信号
の違いに応じて異なる態様で作動するように警報部を構
成することも可能である。
【0017】このような構成によれば、前述した透明導
電性材料自体に異常がある状態と透明導電性材料自体は
正常であるものの電源電圧の降下によって電流が流れに
くくなっている状態との識別に加え、更に、電源電圧お
よび透明導電性材料が共に正常である状態を的確に識別
できるようになる。なお、警報部の作動態様の違いは、
透明導電性材料自体に異常がある状態(ヒータ異常検出
信号)と、透明導電性材料自体は正常であるものの電源
電圧の降下によって電流が流れにくくなっている状態
(電源異常検出信号)と、電源電圧および透明導電性材
料が共に正常である状態(完全動作保証信号)とを識別
可能であればどのようなものでもよく、例えば、何れか
1つの信号に対応する警報部の作動態様が警報部の完全
作動停止であっても構わない。
【0018】また、線状電極と電源との間に、前記演算
部からのヒータ異常検出信号を受けて線状電極への電力
供給を停止させる電流開閉部を配備してもよい。
【0019】このような構成によれば、透明導電性材料
が損傷して十分な機能を果たさない状態で電力が無駄に
消費されるといった問題が解決される。
【0020】ここで、透明導電性材料を通電する電源が
前記演算部の駆動電源と前記警報部の駆動電源を兼ねる
ように構成されている場合には、演算部から出力される
電源異常検出信号によって前記警報部が完全停止の態様
をとるように構成することが望ましい。
【0021】電源電圧の降下を識別するための警報部の
態様を完全停止状態とすることにより、電源電圧の降下
で警報部の駆動が困難な状況下においても電源電圧の降
下による異常を確実に報知することができる。このよう
な構成を適用する場合には、当然、完全動作保証信号と
ヒータ異常検出信号に対応する警報部の作動態様は何等
かの形で警報部自体の動作を伴うものとして規定する。
【0022】更に、完全動作保証信号に対応させて何等
かの形で警報部を作動させる構成においては、前記演算
部に、完全動作保証信号の出力開始後所定時間経過後に
警報部の動作を完全停止させる信号を出力するリセット
機能を設けることが望ましい。
【0023】このような構成により正常動作時における
警報部の電力消費が抑制され、長時間に亘って安定した
防曇効果が保持される。
【0024】前述した警報部としては、例えば、小型ブ
ザー等の音声表示手段を利用することが可能である。
【0025】各信号に対応した警報部の作動態様の違い
は音声の調子や音声の繰り返しパターン等によって表現
が可能である。なお、音声表示手段の装着位置はヘルメ
ット本体の内側の左右の何れか一側または両側とするの
が適当である。
【0026】また、音声表示手段に換えてLEDや発光
ダイオード等の可視表示手段を警報部に適用してもよ
い。
【0027】この場合、各信号に対応した警報部の作動
態様の違いはLEDや発光ダイオード等の点灯や点滅あ
るいは点滅周期の変動等によって表現が可能である。更
に、LEDを利用した場合では文字や象徴的な図柄によ
る識別も可能である。なお、可視表示手段の装着位置は
ヘルメット本体の内側でヘルメットの着用者が視認可能
な位置、例えば、前面開口部の縁部等とするのが適当で
ある。
【0028】透明導電性材料を通電する電源としては、
ヘルメット本体に内蔵できる定電圧バッテリーが好適で
ある。
【0029】リチウム・イオン・バッテリー等を始めと
する出力電圧に変動の少ない定電圧バッテリー、より具
体的には、定電圧出力を所定時間維持したあと急速に出
力電圧が降下するバッテリーを利用することにより、透
明導電性材料自体に異常がある状態(検出電流がヒータ
異常検出判定値よりも僅かに低い状態)と、透明導電性
材料自体は正常であるものの電源電圧の降下によって電
流が流れにくくなっている状態(検出電流がヒータ異常
検出判定値よりも低い状態)とを的確に識別することが
できる。
【0030】また、本発明のヒータ異常検出方法は、ウ
インドシールドの略全面に亘ってコーティングされた透
明導電性材料を通電して発熱させることによってウイン
ドシールドの曇りを防止する防曇用ヒータ付ヘルメット
のヒータ異常検出方法であって、前記目的を達成するた
め、特に、ウインドシールドに適正にコーティングされ
た透明導電性材料に流れる電流の電流値を定電圧下にお
いて測定して基準値として記憶しておき、その後、前記
と同じ定電圧下で出荷対象となる他のウインドシールド
にコーティングされた透明導電性材料に流れる電流の電
流値を測定し、該測定された電流値と前記基準値との間
の偏差が所定値を超える場合にヒータに異常があるもの
と判定することを特徴とした構成を有する。
【0031】ウインドシールドにコーティングされた透
明導電性材料に傷が付いていたり剥離が生じていたりす
ると、これらの損傷によって透明導電性材料の一部が絶
縁され、透明導電性材料全体としての電気抵抗が増大
し、線状電極と電源との間に流れる電流の電流値が正常
な場合と比べて減少する。従って、まず、異常検出のた
めの前処理として、ウインドシールドに適正にコーティ
ングされた透明導電性材料に流れる電流の電流値を定電
圧下において測定して基準値として記憶しておく。次
に、出荷対象となる他のウインドシールドにコーティン
グされた透明導電性材料に流れる電流の電流値を前記と
同じ定電圧下で測定する。そして、測定された電流値と
基準値との間の偏差が所定値を超えるか否かを判定し、
偏差が所定値を超えた場合に、透明導電性材料に所定量
以上の傷や剥離が生じているものと見做す。透明導電性
材料の異常検出が電気的に行われるので、目視では検出
が困難な透明導電性材料の異常を容易に検出することが
できるようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1は本発明
を適用した一実施形態の防曇用ヒータ付ヘルメットのヒ
ータ異常検出装置10の主要部を示したブロック図であ
る。ヘルメット本体とウインドシールド側の構造に関し
ては図10(a)および図10(b)に示したヘルメッ
ト本体1や図6に示したウインドシールド2と同様であ
る。従って、ヘルメット本体およびウインドシールドに
関する構造的な説明は省略し、ここでは、ウインドシー
ルド2に実装された透明導電性材料3や線状電極5,6
および電力供給線7,8等の構成要素をブロック化して
示すにとどめる。
【0033】本実施形態のヒータ異常検出装置10の主
要部は、リチウム・イオン・バッテリー等を始めとする
定電圧バッテリーによって構成される電源4と電力供給
線7,8との間に介装された制御部11と、この制御部
11に併設された警報部12とによって構成される。制
御部11と警報部12は、電源4と共にヘルメット本体
に内蔵して取り付けられている。また、制御部11と電
源4との間には、制御部11への電力供給をON/OF
F制御するための電源スイッチ13が配備されている。
【0034】図8は、音声表示手段の一種である小型ブ
ザー(マイクロホン)を適用して警報部12を構成した
場合の例である。この場合、警報部12は、ヘルメット
本体1の内側の左右の何れか一側、つまり、ヘルメット
の着用者の耳が当たる部分の近傍に設置される。
【0035】また、図9は、可視表示手段の一種である
LEDを適用して警報部12を構成した場合の例であ
る。この場合、警報部12は、ヘルメット本体1の内側
でヘルメットの着用者が視認可能な位置、例えば、前面
開口部14の縁部等に設置される。なお、LEDに換え
て発光ダイオード等を利用してもよい。
【0036】次に、制御部11の機能の概略を図2に示
す。制御部11は、線状電極7と電源4との間に流れる
電流の電流値を検出するための電流検出部15と、予め
設定されたヒータ異常検出判定値Igおよび電源異常判
定値Ieと電流検出部15で検出された電流値Iとの大
小関係を比較し、その判定結果に応じて完全動作保証信
号,ヒータ異常検出信号,電源異常検出信号の何れかを
出力する演算部16、ならびに、演算部16からのヒー
タ異常検出信号を受けて線状電極7への電力供給を停止
させる電流開閉部17とを備える。
【0037】電流検出部15は電流センサや抵抗器等に
よって構成することが可能であり、また、電流開閉部1
7はスイッチングトランジスタ等によって構成すること
ができる。
【0038】演算部16は、演算処理に必要とされるC
PUと、演算プログラムやヒータ異常検出判定値Igお
よび電源異常判定値Ie等を記憶したROM、ならび
に、演算データを一時記憶するためのRAM等によって
構成される。この演算部16は、更に、電流検出部15
で検出された電流値IをA/D変換するための変換回路
と、電流開閉部17を開閉制御するための駆動回路、お
よび、警報部12を作動させるための駆動回路を備え
る。
【0039】本実施形態では、透明導電性材料に通電す
るための電源4、つまり、電力供給線7,8に電力を供
給するための電源4が、演算部16のための駆動電源、
および、警報部12のための駆動電源として機能する。
演算部16のCPUは電源スイッチ13を手動で閉成し
た時点で直ちに起動されるが、電流開閉部17は、演算
部16からの閉成指令を受けない限りノーマリーオープ
ンの状態に保持されるようになっているので、電力供給
線7,8への電力の供給は、演算部16の内部処理によ
って電流開閉部17への閉成指令が出力されてから開始
される。
【0040】図3〜図5は演算部16のROMに記憶さ
れた演算プログラムに基いてCPUが実行する異常判定
処理の概要を示したフローチャートである。以下、図3
〜図5を参照して本実施形態のヒータ異常検出装置10
の全体的な処理動作を詳細に説明する。
【0041】ヘルメットの着用者あるいはウインドシー
ルドの検査担当者等が電源スイッチ13を閉成して演算
部16のCPUを起動すると、このCPUは、まず、R
AMの記憶領域を開放する等の初期化処理を行った後、
異常検出フラグFに初期値0をセットし、シグナル記憶
レジスタSgに初期値1をセットする(ステップs
1)。
【0042】次いで、演算部16のCPUは、電流開閉
部17に閉成指令を出力して電流開閉部17を閉成さ
せ、電力供給線7,8および線状電極5,6を介して透
明導電性材料3への通電を開始し(ステップS2)、線
状電極7と電源4との間に流れる電流の現在値を電流検
出部15を介して読み込んで、その値を電流値記憶レジ
スタIに一時記憶する(ステップs3)。
【0043】次いで、演算部16のCPUは、検出され
た電流値Iがヒータ異常検出判定値Igを越えているの
か(ステップs4)、電源異常判定値Ieを越えてヒー
タ異常検出判定値Igに満たない状態にあるのか、ある
いは、電源異常判定値Ieに満たない状態にあるのかを
判定する(ステップs5)。
【0044】電源異常判定値Ieとヒータ異常検出判定
値Igとの大小関係は、Ie<Igである。より具体的
には、ヒータ異常検出判定値Igの値は、適切にコーテ
ィングされた透明導電性材料3にリチウム・イオン・バ
ッテリー等から成る電源4の定電圧を印加したときに検
出される基準電流(測定値)に比べて僅かに低い値、ま
た、電源異常判定値Ieの値は、リチウム・イオン・バ
ッテリー等から成る電源4の消耗によって電源電圧が降
下したときに検出される電流の値であり、リチウム・イ
オン・バッテリー等の安定した電源4の場合にあって
は、実質的に0に近い正の値である。
【0045】ここで、ステップs4の判別結果が真とな
った場合、つまり、検出された電流値Iがヒータ異常検
出判定値Igを越えていると判定された場合には、透明
導電性材料3に傷や剥離等の損傷がなく透明導電性材料
3の電気抵抗が十分に小さく、かつ、電源4の電源電圧
も適正な範囲にあることを意味するので、演算部16の
CPUは、まず、異常検出フラグFに異常なしを示す値
1がセットされているか否か、つまり、この段階で既に
警報部12に対する完全動作保証信号の出力が開始され
ているか否かを判定する(ステップs6)。
【0046】異常検出フラグFに値1がセットされおら
ず、警報部12に対する完全動作保証信号の出力が開始
されていない場合、つまり、ステップs6の判別結果が
偽となった場合には、演算部16のCPUは、計測時間
記憶レジスタtに完全動作保証信号の継続出力時間を決
めるための値t1(設定値)をセットし(ステップs
7)、完全動作保証信号の出力開始後の経過時間を計測
するタイマTをリスタートさせて経過時間の計測を開始
すると共に、警報部12に対する完全動作保証信号の出
力を開始し(ステップs8,ステップs9)、異常検出
フラグFに異常なしを示す値1をセットすることによっ
て、完全動作保証信号の出力が開始されたことを内部的
に記憶する(ステップs10)。
【0047】ここで言う完全動作保証信号とは、実質的
には、警報部12を作動させるための信号である。
【0048】異常検出フラグFに異常なしを示す値1が
セットされる結果、次周期の異常判定処理では、電流値
Iの値が透明導電性材料3の損傷や電源4の消耗によっ
てヒータ異常検出判定値Igを下回らない限り、ステッ
プs3,ステップs4の処理が前記と同様に実行され、
その後、ステップs6の判別結果が真となって、タイマ
Tの計測時間が計測時間記憶レジスタtに設定された完
全動作保証信号の連続出力時間t1に達しているか否か
が判定されることになる(ステップs11)。
【0049】以下、次周期以降の異常判定処理では、電
流値Iの値が透明導電性材料3の損傷や電源4の消耗に
よってヒータ異常検出判定値Igを下回るか、あるい
は、タイマTの計測時間が計測時間記憶レジスタtに設
定された完全動作保証信号の継続出力時間t1に到達し
たことが確認される迄の間、ステップs3,ステップs
4,ステップs6,ステップs11の処理のみが繰り返
し実行され、この間、警報部12が継続して駆動され
る。
【0050】そして、最終的に、タイマTの計測時間が
計測時間記憶レジスタtに設定された完全動作保証信号
の継続出力時間t1に達したことがステップs11の判
別処理によって確認されると、演算部16のCPUは、
警報部12に対する完全動作保証信号の出力を停止する
(ステップs12)。これが、請求項6の記載に対応す
る本実施形態における演算部16の「リセット機能」であ
る。
【0051】このように、透明導電性材料3に傷や剥離
等の損傷がなく、かつ、電源4の電源電圧も適正な範囲
にある状況下においては、警報部12を構成するブザー
あるいはLED等が電源投入後の設定時間t1だけ継続
的に作動し、更に、この設定時間t1が経過した時点で
警報部12の作動が自動的に停止されることになる。つ
まり、この実施形態の場合、完全動作保証信号に対応し
た警報部12の「作動態様」は、設定時間t1に亘る警報
部12の継続的な作動である。
【0052】ヘルメットの着用者あるいはウインドシー
ルドの検査担当者等は、電源スイッチ13を閉成し、そ
の後、設定時間t1に亘って警報部12が継続的に作動
するか否かを確認することにより、透明導電性材料3お
よび電源4が完全な状態にあるか否かを容易に判定する
ことができる。
【0053】また、警報部12の継続作動時間は設定値
t1によって例えば2秒程度に制限されているので、異
常の有無の判定のために過剰な電力が消費されるといっ
た心配はなく、長時間に亘って電源4から安定した電力
を取り出すことができるようになる。
【0054】なお、透明導電性材料3および電源4が完
全な状態で通電が開始された場合であっても、その使用
過程で透明導電性材料3に損傷が生じたり、あるいは、
電源4に電圧降下が生じたりする可能性はあるが、その
ような場合の処理は、通電開始時点で最初から透明導電
性材料3に損傷が生じていた場合、あるいは、最初から
電源4に電圧降下が生じていた場合の処理と同様である
ので説明を省略する。
【0055】一方、通電開始直後に実行されるステップ
s4およびステップs5の判別処理で、ステップs4お
よびステップs5の判別結果が共に偽となった場合、つ
まり、検出された電流値Iが電源異常判定値Ieを越え
てヒータ異常検出判定値Igに満たない状態にあると判
定された場合には、透明導電性材料3の傷や剥離等の影
響で透明導電性材料3の電気抵抗は大きくなってはいる
が電源4の電源電圧自体は適正な範囲にあることを意味
するので、CPUは、まず、異常検出フラグFにヒータ
異常ありを示す値2がセットされているか否か、つま
り、この段階で既に警報部12に対するヒータ異常検出
信号の出力が開始されているか否かを判定する(ステッ
プs13)。
【0056】異常検出フラグFに値2がセットされおら
ず、警報部12に対するヒータ異常検出信号の出力が開
始されていない場合、つまり、ステップs13の判別結
果が偽となった場合には、CPUは、電流開閉部17に
開成指令を出力して電流開閉部17を開成させ、透明導
電性材料3への通電を停止することによって、透明導電
性材料3が損傷して十分な機能を果たさない状態で電力
が無駄に消費されるといった事態を未然に防止した後
(ステップS14)、異常検出フラグFにヒータ異常あ
りを示す値2をセットしてヒータ異常の検出を内部的に
記憶し(ステップs15)、計測時間記憶レジスタtに
ヒータ異常検出信号の出力時間を決めるための値t2を
セットして(ステップs16)、ヒータ異常検出信号の
出力開始後の経過時間を計測するタイマTをリスタート
させて経過時間の計測を開始する(ステップs17)。
【0057】次いで、CPUは、シグナル記憶レジスタ
Sgの値を判定し(ステップs18)、その値が初期値
1に保持されている場合には、警報部12に対するヒー
タ異常検出信号の出力を開始する(ステップs19)。
当然、電源投入直後の現段階ではシグナル記憶レジスタ
Sgの値は1であるから、警報部12へのヒータ異常検
出信号の出力が開始されることになる。
【0058】ここで言うヒータ異常検出信号とは、実質
的には、警報部12を作動させるための信号である。つ
まり、このヒータ異常検出信号と前述した完全動作保証
信号とは実質的に同じ信号であるが、本実施形態では、
タイマ制御を利用して警報部12の作動態様を変化させ
ることでヒータ異常の有無をヘルメットの着用者あるい
はウインドシールドの検査担当者等に識別させるように
しているので、同一の信号(警報部12に対する単なる
ON/OFF信号)によってヒータ異常検出信号と完全
動作保証信号を構成することには何らの不都合もない。
【0059】そして、次周期以降の異常判定処理では、
ステップs21の判別処理が繰り返し実行され、その
後、ステップs21の判別結果が真となって、タイマT
の計測時間が計測時間記憶レジスタtに設定されたヒー
タ異常検出信号の出力時間t2に達したことが確認され
る迄の間、警報部12が継続して駆動される。
【0060】そして、最終的に、タイマTの計測時間が
計測時間記憶レジスタtに設定されたヒータ異常検出信
号の出力時間t2に達したことがステップs21の判別
処理によって確認されると、演算部16のCPUはシグ
ナル記憶レジスタSgの符号を反転し(ステップs2
2)、前記と同様にして、ヒータ異常検出信号の出力停
止後の経過時間を計測するタイマTをリスタートさせて
経過時間の計測を開始し(ステップs17)、シグナル
記憶レジスタSgの値を判定する(ステップs18)。
【0061】この場合、シグナル記憶レジスタSgの値
は符号が反転されて−1となっているので、ステップs
18の判別結果は偽となり、CPUは、警報部12に対
するヒータ異常検出信号の出力を停止することになる
(ステップs20)。
【0062】以下、次周期以降の異常判定処理では、前
記と同様にしてステップs21の判別処理が繰り返し実
行され、ステップs21の判別結果が真となって、タイ
マTの計測時間が計測時間記憶レジスタtに設定された
ヒータ異常検出信号の出力時間t2に達したことが確認
される迄の間、警報部12の作動停止状態が継続して保
持される。
【0063】そして、最終的に、タイマTの計測時間が
計測時間記憶レジスタtに設定されたヒータ異常検出信
号の出力停止時間t2に達したことがステップs21の
判別処理によって確認されるされると、演算部16のC
PUは、シグナル記憶レジスタSgの符号を再び反転し
(ステップs22)、前記と同様の処理を繰り返し実行
する。
【0064】この結果、警報部12を構成するブザーあ
るいはLED等が設定時間t2例えば0.5秒毎にON
/OFF制御され、警報部12が一定のパターンで点滅
作動することになる。つまり、この実施形態の場合、ヒ
ータ異常検出信号に対応した警報部12の「作動態様」
は、設定時間t2の周期で繰り返し実行される警報部1
2の点滅作動である。
【0065】このように、透明導電性材料3に傷や剥離
等の損傷があって電源4の電源電圧が適正な範囲にある
状況下においては、警報部12を構成するブザーあるい
はLED等が電源投入後に一定のパターンで休みなく点
滅作動を繰り返すので、ヘルメットの着用者あるいはウ
インドシールドの検査担当者等は、電源スイッチ13を
閉成し、警報部12が連続的に点滅作動を繰り返すか否
かを確認することにより、透明導電性材料3に異常があ
るか否かを容易に判定することができる。
【0066】前述した通り、透明導電性材料3に全く異
常がない場合には警報部12を構成するブザーあるいは
LED等が電源投入後の設定時間t1だけ継続的に作動
するようになっているので、警報部12に対するON/
OFF制御を行うだけの簡単な構成であっても、警報部
12の作動態様の違いによって、透明導電性材料3に異
常がある場合と異常がない場合との識別を容易に行うこ
とができる。
【0067】なお、透明導電性材料3や電源4が完全な
状態で通電が開始され、その使用過程で透明導電性材料
3に損傷が生じたような場合には、前述した説明からも
明らかなように、通電開始の初期段階で、警報部12を
構成するブザーあるいはLED等が設定時間t1だけ継
続的に作動し、その後、警報部12の動作が完全に停止
した状態が続き、更に、透明導電性材料3に損傷が生じ
た段階で、改めて、設定時間t2を周期とする警報部1
2の連続的な点滅作動が開始されることになる。
【0068】これに対し、通電開始直後に実行されるス
テップs4およびステップs5の判別処理で、ステップ
s4の判別結果が偽、かつ、ステップs5の判別結果が
真となった場合、つまり、検出された電流値Iが電源異
常判定値Ieに満たない状態にあると判定された場合に
は、電源4の電源電圧自体が降下していることを意味す
るので、演算部16のCPUは、完全動作保証信号の出
力もヒータ異常検出信号の出力も実行することなく、ス
テップs3〜ステップss5の処理のみを繰り返し実行
することになる。つまり、本実施形態における「電源異
常検出信号」とは、警報部12を作動させるための信号
を全く出力しない状態を示すものであり、この電源異常
検出信号に対応する警報部12の「作動態様」とは、要す
るに、警報部12の完全な非作動である。
【0069】このように、電源4の電源電圧自体が降下
している場合には、警報部12を構成するブザーあるい
はLED等が完全な非作動状態となるので、ヘルメット
の着用者は、電源スイッチ13を閉成し、警報部12が
完全な非作動状態となっているか否かを確認することに
より、電源4の電源電圧に異常があるか否かを容易に判
定することができる。
【0070】前述した通り、透明導電性材料3および電
源4に全く異常がない場合には警報部12を構成するブ
ザーあるいはLED等が電源投入後の設定時間t1に亘
って継続的に作動し、また、透明導電性材料3のみに異
常がある場合には警報部12を構成するブザーあるいは
LED等が設定時間t2のON/OFF周期で連続的に
点滅し、更に、電源4の電源電圧自体が降下している場
合には警報部12を構成するブザーあるいはLED等が
完全な非作動状態となるので、透明導電性材料3および
電源4共に異常がない場合と、透明導電性材料3のみに
異常がある場合、および、電源4の電源電圧に異常があ
る場合の識別は、ヘルメットの着用者あるいはウインド
シールドの検査担当者等にとって極めて容易であり、電
源異常による電流値の低下を透明導電性材料3の異常と
して誤認識するといった問題も発生しない。
【0071】特に、電源4の電源電圧に異常がある場合
には、警報部12を構成するブザーあるいはLED等を
完全非作動の状態とすることで電源電圧の異常を報知す
るようにしているので、仮に、電源4が著しく消耗して
演算部16のCPUの起動が困難なような場合であって
も、電源4の異常を確実に報知することができるといっ
たメリットがある。
【0072】以上、透明導電性材料3に通電するための
電源4を流用して演算部16および警報部12の駆動電
源として利用する場合について述べたが、演算部16お
よび警報部12の駆動電源を電源4と独立させて配備す
ることもできる。その場合は、電源4の電源電圧が著し
く降下した場合であっても演算部16および警報部12
を駆動することが可能となるので、警報部12を更に別
のパターンで点滅させるなどして電源4の異常を報知す
ることができる。警報部12を点滅させるための処理に
ついては図5に示した通りであり、ステップs4および
ステップs5の判別処理で、ステップs4の判別結果が
偽、かつ、ステップs5の判別結果が真となった場合、
つまり、電源4の異常を検出した場合には、これと同等
の処理を実行することによって警報部12を点滅させる
ことが可能である。但し、その場合は、タイマTの設定
時間を変更し、透明導電性材料3のみに異常がある場合
の点滅作動との識別ができるように構成する必要があ
る。
【0073】無論、点灯および点滅作動の他にも、警報
部12を構成するブザーの音の調子を変えたり、警報部
12を構成するLEDに様々な文字や象徴的な図柄を表
示して異常の種別を報知するように構成することがで
き、これらの構成も、決して、本発明の要旨を逸脱する
ものではない。
【0074】次に、本発明を適用した防曇用ヒータ付ヘ
ルメットのヒータ異常検出方法について簡単に説明す
る。
【0075】このヒータ異常検出方法によって透明導電
性材料3のコーティング状態の適否を検出する場合に必
要とされる回路構成は、基本的に、図2に示されるよう
なものと同様である。但し、工場出荷時の製品チェック
等の場合においては、電源4として交流を元電源とする
安定化電源を利用することが可能であるので、節電のた
めの電流開閉部17は不要である。
【0076】なお、最も簡単な方法としては、適正にコ
ーティングされた透明導電性材料3に流れる電流の電流
値を定電圧下において電流計で測定し、基準値としてメ
モしておき、その後、前記と同じ定電圧下で出荷対象と
なる他のウインドシールドにコーティングされた透明導
電性材料3に流れる電流の電流値を電流計で測定し、測
定された電流値と基準値との間の偏差が所定値を超える
場合に透明導電性材料3に異常があるものとしてオペレ
ータが判定するようにすればよい。
【0077】
【発明の効果】本発明による防曇用ヒータ付ヘルメット
のヒータ異常検出装置は、ウインドシールドにコーティ
ングされた透明導電性材料に通電するための線状電極と
電源との間に流れる電流の電流値を電流検出部によって
検出し、予め設定されたヒータ異常検出判定値と電流検
出部で検出された電流値との大小関係を比較し、検出さ
れた電流値がヒータ異常検出判定値に満たない場合にヒ
ータ異常検出信号を出力して警報部を作動させることで
透明導電性材料の傷や剥離等の異常を検出するようにし
ているので、目視では検出が困難な透明導電性材料のコ
ーティング状態の異常を容易かつ確実に検出することが
できる。
【0078】更に、電源異常判定値と電流検出部で検出
された電流値との大小関係を比較し、検出電流値が電源
異常判定値に満たない場合には電源異常検出信号を出力
して警報部を別の態様で作動させることによって電源電
圧自体の降下を報知するようにしているので、透明導電
性材料自体に異常があるのか電源電圧の降下によって電
流が流れにくくなっているのかも確実に判定することが
でき、電源異常による電流値の低下と透明導電性材料自
体の異常による電流値の低下とを混同するといった判定
ミスも解消することができる。
【0079】また、透明導電性材料および電源ともに異
常がない場合には、完全動作保証信号を出力し、警報部
を更に別の態様で作動させることによって透明導電性材
料および電源が共に正常であることを報知するようにし
ているため、防曇用ヒータ付ヘルメットを安心して利用
することができる。
【0080】しかも、線状電極と電源との間には、演算
部からのヒータ異常検出信号を受けて線状電極への電力
供給を停止する電流開閉部が設けられているので、透明
導電性材料が損傷して十分な機能を果たさない状態で無
駄な電力が消費されるといったエネルギーの無駄も解消
することができる。
【0081】特に、透明導電性材料を通電する電源によ
って演算部や警報部の駆動電源を兼ねさせるように構成
した場合には、演算部から出力される電源異常検出信号
によって警報部が完全停止の態様をとるようにし、この
完全停止の状態によって電源異常を報知するようにして
いるので、電源電圧の降下で警報部の駆動が困難な状況
下であっても、電源電圧の降下による異常を確実に報知
することができる。
【0082】また、完全動作保証信号の出力開始後所定
時間経過後に警報部の動作を完全停止させる信号を出力
するリセット機能を演算部に設けているので、正常動作
時における警報部の電力消費が抑制され、長時間に亘っ
て安定した防曇効果を保持することができる。
【0083】更に、警報部の作動態様を変化させること
によって異常の種別を判定できるようにしているので、
ブザーやLED,発光ダイオード等を始めとする単純な
構造のデバイスを警報部として利用することができ、製
造コストを低く抑えることが可能である。
【0084】また、透明導電性材料を通電する電源とし
ては、ヘルメット本体に内蔵できる定電圧バッテリー、
例えば、リチウム・イオン・バッテリー等を用いるよう
にしているので、ヒータ異常検出判定値,電源異常判定
値と電流検出部で検出された電流値との大小関係を比較
するといった単純な判別処理によって、高い確度で、透
明導電性材料自体に異常がある状態と電源電圧の降下に
よって電流が流れにくくなっている状態とを識別するこ
とができる。
【0085】本発明による防曇用ヒータ付ヘルメットの
ヒータ異常検出方法は、ウインドシールドに適正にコー
ティングされた透明導電性材料に流れる電流の電流値を
定電圧下において測定して基準値として記憶しておき、
その後、同じ定電圧下で出荷対象となる他のウインドシ
ールドにコーティングされた透明導電性材料に流れる電
流の電流値を測定して、この電流値と基準値との間の偏
差が所定値を超える場合にヒータに異常があるものと判
定するようにしているので、目視では検出が困難な透明
導電性材料の異常を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の防曇用ヒータ付
ヘルメットのヒータ異常検出装置の主要部を示したブロ
ック図である。
【図2】同実施形態の異常検出装置の制御部の機能の概
略を示したブロック図である。
【図3】制御部の演算部を構成するCPUによって実行
される異常判定処理の概要を示したフローチャートであ
る。
【図4】異常判定処理の概要を示したフローチャートの
続きである。
【図5】異常判定処理の概要を示したフローチャートの
続きである。
【図6】ウインドシールドの構造の要部を模式化して正
常時の電流の流れを示した図である。
【図7】ウインドシールドの構造の要部を模式化して表
面に損傷が生じた場合の電流の流れを示した図である。
【図8】音声表示手段の一種である小型ブザーを適用し
て警報部を構成した場合の例である。
【図9】可視表示手段の一種であるLEDを適用して警
報部を構成した場合の例である。
【図10】図10(a)は防曇用ヒータ付ヘルメットの
従来例を簡略化して示した正面図、図10(b)は側面
図である。
【符号の説明】
1 ヘルメット本体 2 ウインドシールド 3 透明導電性材料 4 電源 5 線状電極 6 線状電極 7 電力供給線 8 電力供給線 9 傷や剥離 10 防曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置 11 制御部 12 警報部 13 電源スイッチ 14 前面開口部 15 電流検出部 16 演算部 17 電流開閉部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルメット本体の前面をカバーするウイ
    ンドシールドの略全面に亘ってコーティングされた透明
    導電性材料と、前記透明導電性材料の両端に接続された
    一対の線状電極と、これらの線状電極を介して前記透明
    導電性材料に通電する電源とを備えた防曇用ヒータ付ヘ
    ルメットのヒータ異常検出装置であって、 前記線状電極と前記電源との間に流れる電流の電流値を
    検出するための電流検出部と、 予め設定されたヒータ異常検出判定値と前記電流検出部
    で検出された電流値との大小関係を比較し、前記検出さ
    れた電流値が前記ヒータ異常検出判定値に満たない場合
    にヒータ異常検出信号を出力する演算部と、 前記演算部からのヒータ異常検出信号を受けて作動する
    警報部とを設けたことを特徴とする防曇用ヒータ付ヘル
    メットのヒータ異常検出装置。
  2. 【請求項2】 ヘルメット本体の前面をカバーするウイ
    ンドシールドの略全面に亘ってコーティングされた透明
    導電性材料と、前記透明導電性材料の両端に接続された
    一対の線状電極と、これらの線状電極を介して前記透明
    導電性材料に通電する電源とを備えた防曇用ヒータ付ヘ
    ルメットのヒータ異常検出装置であって、 前記線状電極と前記電源との間に流れる電流の電流値を
    検出するための電流検出部と、 予め設定されたヒータ異常検出判定値および電源異常判
    定値と前記電流検出部で検出された電流値との大小関係
    を比較し、前記検出された電流値が前記電源異常判定値
    を越えて前記ヒータ異常検出判定値に満たない場合には
    ヒータ異常検出信号を出力する一方、前記検出された電
    流値が前記電源異常判定値に満たない場合には電源異常
    検出信号を出力する演算部と、 前記演算部からのヒータ異常検出信号および電源異常検
    出信号を受けて信号の違いに応じて異なる態様で作動す
    る警報部とを設けたことを特徴とする防曇用ヒータ付ヘ
    ルメットのヒータ異常検出装置。
  3. 【請求項3】 ヘルメット本体の前面をカバーするウイ
    ンドシールドの略全面に亘ってコーティングされた透明
    導電性材料と、前記透明導電性材料の両端に接続された
    一対の線状電極と、これらの線状電極を介して前記透明
    導電性材料に通電する電源とを備えた防曇用ヒータ付ヘ
    ルメットのヒータ異常検出装置であって、 前記線状電極と前記電源との間に流れる電流の電流値を
    検出するための電流検出部と、 予め設定されたヒータ異常検出判定値および電源異常判
    定値と前記電流検出部で検出された電流値との大小関係
    を比較し、前記検出された電流値が前記ヒータ異常検出
    判定値を越えた場合には完全動作保証信号を出力する一
    方、前記検出された電流値が前記電源異常判定値を越え
    て前記ヒータ異常検出判定値に満たない場合にはヒータ
    異常検出信号を出力し、また、前記検出された電流値が
    前記電源異常判定値に満たない場合には電源異常検出信
    号を出力する演算部と、 前記演算部からの完全動作保証信号およびヒータ異常検
    出信号と電源異常検出信号を受けて信号の違いに応じて
    異なる態様で作動する警報部とを設けたことを特徴とす
    る防曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置。
  4. 【請求項4】 前記線状電極と前記電源との間に、前記
    演算部からのヒータ異常検出信号を受けて前記線状電極
    への電力供給を停止させる電流開閉部を配備したことを
    特徴とする請求項1,請求項2または請求項3記載の防
    曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置。
  5. 【請求項5】 前記透明導電性材料を通電する電源が前
    記演算部の駆動電源と前記警報部の駆動電源を兼ね、前
    記演算部から出力される電源異常検出信号が前記警報部
    を完全停止させる信号によって構成されると共に、前記
    完全動作保証信号とヒータ異常検出信号は、相異なる態
    様で前記警報部を作動させる信号によって構成されてい
    ることを特徴とする請求項3記載の防曇用ヒータ付ヘル
    メットのヒータ異常検出装置。
  6. 【請求項6】 前記演算部には、前記完全動作保証信号
    の出力開始後所定時間経過後に前記警報部の動作を完全
    停止させる信号を出力するリセット機能が設けられてい
    ることを特徴とする請求項3記載の防曇用ヒータ付ヘル
    メットのヒータ異常検出装置。
  7. 【請求項7】 前記警報部が音声表示手段によって構成
    されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求
    項3,請求項4,請求項5または請求項6記載の防曇用
    ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置。
  8. 【請求項8】 前記警報部が可視表示手段によって構成
    されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求
    項3,請求項4,請求項5または請求項6記載の防曇用
    ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出装置。
  9. 【請求項9】 前記電源がヘルメット本体内蔵の定電圧
    バッテリーによって構成されていることを特徴とする請
    求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請
    求項6,請求項7または請求項8記載の防曇用ヒータ付
    ヘルメットのヒータ異常検出装置。
  10. 【請求項10】 ウインドシールドの略全面に亘ってコ
    ーティングされた透明導電性材料を通電して発熱させる
    ことによって前記ウインドシールドの曇りを防止する防
    曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異常検出方法であっ
    て、 ウインドシールドに適正にコーティングされた透明導電
    性材料に流れる電流の電流値を定電圧下において測定し
    て基準値として記憶しておき、その後、前記と同じ定電
    圧下で出荷対象となる他のウインドシールドにコーティ
    ングされた透明導電性材料に流れる電流の電流値を測定
    し、該測定された電流値と前記基準値との間の偏差が所
    定値を超える場合にヒータに異常があるものと判定する
    ことを特徴とした防曇用ヒータ付ヘルメットのヒータ異
    常検出方法。
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