JP2002252034A - 固体電解質およびその製造方法、この固体電解質を備える固体電解質電池およびその製造方法 - Google Patents

固体電解質およびその製造方法、この固体電解質を備える固体電解質電池およびその製造方法

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JP2002252034A
JP2002252034A JP2001047305A JP2001047305A JP2002252034A JP 2002252034 A JP2002252034 A JP 2002252034A JP 2001047305 A JP2001047305 A JP 2001047305A JP 2001047305 A JP2001047305 A JP 2001047305A JP 2002252034 A JP2002252034 A JP 2002252034A
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monomer
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Masahiro Morooka
正浩 諸岡
Yuji Uchida
有治 内田
Koichiro Kezuka
浩一郎 毛塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、且つ、サイクル特性や負荷特
性、低温特性等の種々の電池特性に優れる非水電解質電
池を提供する。 【解決手段】 正極2と、当該正極2と対向して配され
る負極3と、当該正極2と当該負極3との間に配される
固体電解質4とを備える固体電解質電池1において、上
記固体電解質4は、モノマーと、1時間半減期温度が4
0℃以上、65℃未満である第1の重合開始剤と、1時
間半減期温度が65℃以上、120℃未満である第2の
重合開始剤とを含有するモノマー溶液が加熱され、当該
モノマーが重合されてなる高分子を含有することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノマーを含有す
るモノマー溶液を重合してゲル化あるいは固体化してな
る固体電解質およびその製造方法、この固体電解質を備
える固体電解質電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型ビデオテープレコー
ダや携帯電話、携帯型コンピュータ等のポータブル型電
子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。
そして、これらの電子機器の駆動用電源となる電池とし
て、くり返し充放電可能な二次電池、特にリチウムイオ
ン電池について、エネルギー密度を向上させるための研
究開発が、活発に進められている。
【0003】近年、正極と負極との間のイオン導電体と
して、固体電解質を用いてなるリチウムイオン電池が注
目されている。
【0004】固体電解質を用いてなるリチウムイオン電
池は、非水電解液を用いた電池のように内容物が漏出す
る虞が無く、パッケージの簡素化が可能であるという利
点を有しており、薄型化や軽量化も可能である。固体電
解質には、電解質塩や非水溶媒を含有する可塑剤および
高分子から構成されるゲル状電解質や、リチウム塩等の
電解質塩および高分子から構成される完全固体電解質が
ある。
【0005】ところで、ゲル状電解質は、高分子の架橋
点が例えば分子間力のような物理的相互作用である物理
ゲルと、化学結合である化学架橋ゲルとの、2つに分類
される。
【0006】物理ゲルの高分子マトリクスとしては、ポ
リフッ化ビニリデンやポリアクリロニトリル、ポリメタ
クリル酸メチル等が知られている。これら物理ゲルを用
いたゲル状電解質には、高温で液状化するという問題
や、ゲル化時に低沸点、低粘度溶媒を除去する必用があ
るため、イオン導電性が劣るという問題がある。さら
に、物理ゲルを用いたゲル状電解質を備える電池では、
負荷特性や低温特性が劣化するという問題がある。
【0007】一方、化学架橋ゲルを用いたゲル状電解質
は、高温で液状化せず、低沸点、低粘度溶媒を電解質の
成分として用いることができるため、高イオン導電性を
有している。したがって、化学架橋ゲルを用いたゲル状
電解質を備える電池は、負荷特性や低温特性に優れる。
【0008】特に、(メタ)アクリレート系の多官能モ
ノマーを含むモノマー溶液に、外部エネルギーとして紫
外線のような活性光線等を照射すること、あるいは加熱
することによりモノマーを重合し、モノマー溶液をゲル
化あるいは固体化して、ゲル状電解質あるいは完全固体
電解質を得る方法は簡便であり、多くの研究例がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなゲル状電
解質あるいは完全固体電解質を得る方法のうち、外部エ
ネルギーとして紫外線のような活性光線をモノマー溶液
に照射してモノマーを重合する方法は、フィルム状のゲ
ル状電解質を得る場合に好適である。
【0010】しかしながら、紫外線のような活性光線を
照射する方法では、正極および負極を備える電池素子を
外装材に収容し、さらに外装材中にモノマー溶液を注液
した後、電池内でモノマーの重合を進行させて固体電解
質を得る場合、活性光線が電池素子や外装材に遮断され
てしまうため重合反応を進行させることができない。
【0011】このような場合、外部エネルギーとして熱
を用い、モノマーを重合するラジカル熱重合法が好適で
ある。
【0012】ところで、ラジカル熱重合法によりモノマ
ーを重合し、モノマー溶液をゲル化あるいは固体化して
固体電解質を作製する場合、例えば100℃以上という
高温で重合すると、可塑剤の揮発や電解質塩の分解等が
生じてしまい、電池特性に悪影響を及ぼす虞がある。こ
のため、固体電解質を作製する際には、例えば60℃以
下という低温でラジカル熱重合反応を進行させる必用が
ある。
【0013】60℃以下という低温でラジカル熱重合反
応を進行させる場合、モノマー溶液には、1時間半減期
温度が40℃以上65℃未満である重合開始剤(以下、
低温作動型の重合開始剤と称する。)を含有させる。
【0014】ところで、半減期とは、重合開始剤の分解
速度を表す指標のことであり、例えば1時間半減期と
は、重合開始剤量が1/2になるまでに要する時間が、
1時間であることを意味する。ここで、1時間半減期温
度とは、1時間半減期を得る重合開始剤の分解温度のこ
とを意味する。
【0015】低温作動型の重合開始剤としては、例えば
アゾ系化合物が知られている。しかし、固体電解質を作
製する場合にアゾ系化合物の重合開始剤を用いると、遊
離ラジカルを発生する際に窒素ガスが発生し、ゲル状電
解質中に空孔が生じるため、ゲルおよび電池内インピー
ダンスが増加する虞がある。また、電解質塩の選択によ
っては、アゾ系化合物の分解生成物が電解質塩と反応
し、電池特性に悪影響を与える。このため、アゾ系化合
物の重合開始剤は、固体電解質を作製する場合には不適
である。
【0016】また、低温作動型の重合開始剤としては、
パーオキシジカーボネート系等の有機酸化物系の重合開
始剤もよく知られている。特に、パーオキシジカーボネ
ート系の重合開始剤を用いると、比較的高いイオン導電
性のゲル状電解質を得ることができる。しかし、パーオ
キシジカーボネート系の重合開始剤の分解生成物は電解
質塩と反応してしまうため、電池特性、特にサイクル特
性が著しく低下してしまう虞がある。
【0017】さらに、低温作動型のパーオキシエステル
系の重合開始剤も知られている。低温作動型のパーオキ
シエステル系の重合開始剤は、分解生成物が比較的安定
であるため、電解質塩と反応することなく、電池特性も
極めて良好であるという利点を有している。
【0018】しかしながら、多くの低温作動型の重合開
始剤は、保存温度が例えば−20℃程度と非常に低く、
室温に保存すると分解してしまう虞がある。また、低温
作動型の重合開始剤を用いて高温下でモノマーの重合を
行うと、爆発的に反応が進行する虞がり、安全性の面か
らも取り扱いが非常に難しい。このため、低温作動型の
重合開始剤を含有するモノマー溶液を加熱し、ゲル化あ
るいは固体化させる手法で固体電解質を作製する場合、
モノマー溶液の取り扱いが難しく、生産性が低いという
問題がある。
【0019】ところで、重合開始剤には、上述した低温
作動型の重合開始剤の他に、1時間半減期温度が65℃
以上、120℃未満である重合開始剤(以下、中高温作
動型の重合開始剤と称する。)もある。この中高温作動
型の重合開始剤は、保存温度が常温程度であり、低温作
動型の重合開始剤と比較して比較的容易に取り扱える。
【0020】中高温作動型の重合開始剤としては、ジア
シルパーオキサイド系の重合開始剤等が知られている。
また、中高温作動型のパーオキシエステル系の重合開始
剤も知られている。ジアシルパーオキサイド系の重合開
始剤やパーオキシエステル系の重合開始剤は、分解生成
物が比較的安定であるため、電解質塩と反応することな
く、電池特性も極めて良好であるという利点を有してい
る。
【0021】中高温作動型の重合開始剤を含有するモノ
マー溶液を加熱して、ラジカル熱重合反応によりモノマ
ーを重合させて固体化あるいはゲル化するためには、例
えば100℃以上という、ある程度高温で重合反応を進
行させる必用がある。しかしながら、100℃以上とい
う高温で重合反応を進行させると、可塑剤の揮発や電解
質塩の分解が生じてしまい、電池特性に悪影響を及ぼす
虞がある。
【0022】しかしながら、中高温作動型の重合開始剤
を用いつつ、例えば60℃以下という低温でモノマー溶
液を加熱してモノマーを重合させると、効率的に重合反
応が進行せず、固体電解質中に未反応のモノマーが不純
物として残存してしまい、電池特性が劣化する虞があ
る。また、重合反応に要する時間が長いため、生産性が
低いという問題がある。
【0023】このため、取り扱いが容易な中高温作動型
の重合開始剤を含有するモノマー溶液を、例えば60℃
以下という低温で加熱することにより、モノマーを重合
させた高分子を含有する固体電解質、およびこの固体電
解質を備える固体電解質電池は実現されていない。
【0024】本発明はこのような実状に鑑みて、中高温
作動型の重合開始剤を含有するモノマー溶液を、例えば
60℃以下という低温で加熱してモノマーを重合させて
も、不純物となる未反応モノマーの残存が少なく、種々
の電池特性に優れた固体電解質電池を実現するととも
に、生産性に優れた固体電解質電池を実現する固体電解
質およびその製造方法を提供する事を目的に、提案され
たものである。
【0025】また、本発明は、この固体電解質を備える
ことにより、生産性に優れ、且つ、サイクル特性や負荷
特性、低温特性等の種々の電池特性に優れる非水電解質
電池およびその製造方法を提供することを目的に、提案
されたものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る固体電解質は、モノマーと、1時間
半減期温度が40℃以上、65℃未満である第1の重合
開始剤と、1時間半減期温度が65℃以上、120℃未
満である第2の重合開始剤とを含有するモノマー溶液が
加熱され、当該モノマーが重合されてなる高分子を含有
することを特徴とする。
【0027】以上のように構成される本発明に係る固体
電解質では、モノマーが重合される際に、1時間半減期
温度が40℃以上、65℃未満である第1の重合開始剤
から遊離ラジカルが発生し、この遊離ラジカルが、1時
間半減期温度が65℃以上、120℃未満である第2の
重合開始剤を連鎖的に開裂させるので、例えば60℃以
下という比較的低温でモノマー溶液が加熱されても、モ
ノマーの重合反応が効率的に進行する。したがって、こ
の固体電解質は、1時間半減期温度が65℃以上、12
0℃未満である第2の重合開始剤を用いつつ、例えば6
0℃以下という比較的低温でモノマーが重合されている
が、不純物となる未反応モノマーの残存が少ない高分子
を含有している。その結果、この固体電解質によれば、
電池特性に優れた固体電解質電池が実現される。
【0028】また、この固体電解質を作製する際には、
低温で作動する第1の重合開始剤および中高温で作動す
る第2の重合開始剤が含有されているモノマー溶液を加
熱しているので、低温作動型の重合開始剤のみが含有さ
れているモノマー溶液を加熱してなる従来の固体電解質
と比較して、低温作動型の重合開始剤の使用量が低減さ
れるためモノマー溶液の取り扱いが容易になり、且つ、
中高温作動型の重合開始剤のみでモノマーの重合を行う
場合と比較して、重合反応に要する時間を短縮できるた
め生産性が向上している。
【0029】また、本発明に係る固体電解質の製造方法
は、モノマーと、1時間半減期温度40℃以上、65℃
未満である第1の重合開始剤と、1時間半減期温度が6
5℃以上、120℃未満である第2の重合開始剤と混合
してモノマー溶液を調製するモノマー溶液調製工程と、
上記モノマー溶液を加熱し、上記モノマーを重合させて
高分子とする重合工程とを備えることを特徴とする。
【0030】以上のように構成される本発明に係る固体
電解質の製造方法では、モノマーを重合する際に、1時
間半減期温度が40℃以上、65℃未満である第1の重
合開始剤から遊離ラジカルが発生し、この遊離ラジカル
が、1時間半減期温度が65℃以上、120℃未満であ
る第2の重合開始剤を連鎖的に開裂させるので、例えば
60℃以下という比較的低温でモノマー溶液を加熱して
も、モノマーを効率的に重合することができる。したが
って、この固体電解質の製造方法によれば、1時間半減
期温度が65℃以上、120℃未満である第2の重合開
始剤を用いつつ、例えば60℃以下という比較的低温で
モノマーを重合しても、不純物となる未反応モノマーの
残存が少ない高分子を得られる。その結果、この固体電
解質の製造方法によれば、電池特性に優れた固体電解質
電池を実現できる。
【0031】また、この固体電解質の製造方法は、低温
で作動する第1の重合開始剤および中高温で作動する第
2の重合開始剤が含有されているモノマー溶液を加熱す
るので、低温作動型の重合開始剤のみが含有されている
モノマー溶液を加熱する従来の固体電解質の製造方法と
比較して、低温作動型の重合開始剤の使用量が低減され
るためモノマー溶液の取り扱いが容易になり、且つ、中
高温作動型の重合開始剤のみでモノマーの重合を行う場
合と比較して、重合反応に要する時間を短縮できるため
生産性が向上している。
【0032】また、本発明に係る固体電解質電池は、正
極と、当該正極と対向して配される負極と、当該正極と
当該負極との間に配される固体電解質とを備える固体電
解質電池において、上記固体電解質は、モノマーと、1
時間半減期温度が40℃以上、65℃未満である第1の
重合開始剤と、1時間半減期温度が65℃以上、120
℃未満である第2の重合開始剤とを含有するモノマー溶
液が加熱され、当該モノマーが重合されてなる高分子を
含有することを特徴とする。
【0033】以上のように構成される本発明に係る固体
電解質電池において、固体電解質では、モノマーが重合
される際に、1時間半減期温度が40℃以上、65℃未
満である第1の重合開始剤から遊離ラジカルが発生し、
この遊離ラジカルが、1時間半減期温度が65℃以上、
120℃未満である第2の重合開始剤を連鎖的に開裂さ
せるので、例えば60℃以下という比較的低温でモノマ
ー溶液が加熱されても、モノマーの重合反応が効率的に
進行する。したがって、この固体電解質電池は、1時間
半減期温度が65℃以上、120℃未満である第2の重
合開始剤を用いつつ、例えば60℃以下という比較的低
温でモノマーが重合されているが、未反応モノマーの残
存が少ない高分子を含有してなる固体電解質を備えてお
り、種々の電池特性に優れる。
【0034】また、この固体電解質電池において、固体
電解質を作製する際に、低温で作動する第1の重合開始
剤および中高温で作動する第2の重合開始剤が含有され
ているモノマー溶液を加熱しているので、低温作動型の
重合開始剤のみが含有されているモノマー溶液を加熱し
てなる固体電解質を備える従来の固体電解質電池と比較
して、低温作動型の重合開始剤の使用量が低減されるた
めモノマー溶液の取り扱いが容易になり、且つ、中高温
作動型の重合開始剤のみでモノマーの重合を行う場合と
比較して、重合反応に要する時間を短縮できるため生産
性が向上している。
【0035】また、本発明に係る固体電解質電池の製造
方法では、正極と、当該正極と対向して配される負極
と、当該正極と当該負極との間に配される固体電解質と
を備える固体電解質電池の製造方法において、上記固体
電解質を製造するに際し、モノマーと、1時間半減期温
度が40℃以上、65℃未満である第1の重合開始剤
と、1時間半減期温度が65℃以上、120℃未満であ
る第2の重合開始剤と混合してモノマー溶液を調製する
モノマー溶液調製工程と、上記モノマー溶液を加熱し、
上記モノマーを重合させて高分子とする重合工程とを備
えることを特徴とする。
【0036】以上のように構成される本発明に係る固体
電解質電池の製造方法では、固体電解質の製造におい
て、モノマーを重合する際に、1時間半減期温度が40
℃以上、65℃未満である第1の重合開始剤から遊離ラ
ジカルが発生し、この遊離ラジカルが、1時間半減期温
度が65℃以上、120℃未満である第2の重合開始剤
を連鎖的に開裂させるので、例えば60℃以下という比
較的低温でモノマー溶液を加熱しても、モノマーを効率
的に重合することができる。したがって、この固体電解
質電池の製造方法によれば、1時間半減期温度が65℃
以上、120℃未満である第2の重合開始剤を用いつ
つ、例えば60℃以下という比較的低温でモノマーを重
合しても、不純物となる未反応モノマーの残存が少ない
高分子を含有する固体電解質を得ることができ、種々の
電池特性に優れた固体電解質電池を得られる。
【0037】また、この固体電解質電池の製造方法で
は、固体電解質を作製する際に、低温で作動する第1の
重合開始剤および中高温で作動する第2の重合開始剤が
含有されているモノマー溶液を加熱するので、低温作動
型の重合開始剤のみが含有されているモノマー溶液を加
熱する固体電解質を備える従来の固体電解質電池の製造
方法と比較して、低温作動型の重合開始剤の使用量が低
減されるためモノマー溶液の取り扱いが容易になり、且
つ、中高温作動型の重合開始剤のみでモノマーの重合を
行う場合と比較して、重合反応に要する時間を短縮でき
るため生産性が向上している。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る固体電解質お
よび固体電解質電池について、詳細に説明する。
【0039】本発明を適用した固体電解質電池1は、例
えば図1および図2に示すように、帯状の正極2と、帯
状の正極2と対向して配された帯状の負極3と、正極2
と負極3との間に配され、セパレータと一体化されてな
る固体電解質4とを備える。
【0040】そして、この固体電解質電池1は、図3に
示すように、正極2と負極3とが固体電解質4を介して
積層されるとともに長手方向に巻き回された電池素子5
が、絶縁材料からなる外装材6に覆われて密閉されてい
る。そして、正極2には正極端子7が、負極3には負極
端子8がそれぞれ接続されており、これらの正極端7子
と負極端子8とは、外装材6の周縁部である封口部に組
み込まれている。
【0041】固体電解質4としては、詳細は後述する
が、ゲル状電解質および完全固体電解質がある。
【0042】ゲル状電解質は、リチウム塩等の電解質塩
を含有する可塑剤およびモノマーが重合してなる高分子
(マトリクス高分子)から構成され、この可塑剤が高分
子によりゲル化されてなる。
【0043】ゲル状電解質に含有される高分子を構成す
るモノマーとしては、従来よりこの種のゲル状電解質を
構成するのに使用されているラジカル重合可能なモノマ
ーが何れも使用可能であり、例えば、(メタ)アクリル
酸エステル等の単官能モノマーや、ジ(メタ)アクリル
酸エステルやトリ(メタ)アクリル酸エステル等の、重
合性官能基を1分子中に2つ以上有する多官能モノマー
等を使用できる。機械的強度の点から、単官能モノマー
と多官能モノマーを混合、または、多官能モノマーを単
独、または、2種類以上を混合して用いることが好まし
い。
【0044】ゲル状電解質に含有される可塑剤は、リチ
ウム塩等の電解質塩と、この電解質塩を溶解する非水溶
媒とからなる。
【0045】可塑剤に含有される非水溶媒としては、エ
チレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の環状
カーボネート類、ジメチルカーボネートやジエチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート等の非環状カーボ
ネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメト
キシエタン等のグライム類、スルフォラン等の硫黄化合
物、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラ
ンや2−メチルテトラヒドロフラン等を使用できる。こ
らの非水溶媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を
混合して使用してもよい。
【0046】可塑剤に含有されるリチウム塩等の電解質
塩としては、例えば、LiPFやLiBF、LiA
sF、LiClO、LiCFSO、LiN(S
CF、LiC(SOCF、LiAl
Cl、LiSiF等を使用できる。これら電解質塩
のうち、特に酸化安定性の点から、LiPF、LiB
を使用することが好ましい。また、これら電解質塩
は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用
してもよい。なお、電解質塩濃度は、モノマー溶液に対
して0.1mol/l〜3.0mol/lであることが
好ましい。
【0047】このゲル状電解質において、高分子の含有
率は、3重量%〜50重量%であることが好ましい。ま
た、このゲル状電解質において、可塑剤の含有率は、5
0重量%〜95重量%であることが好ましい。エステル
類やエーテル類、炭酸エステル等を単独または可塑剤の
一成分として用い、可塑剤の含有率が高いほど、ゲル状
電解質のイオン導電率は向上するが、機械的強度は低下
する。一方、可塑剤の含有率が低すぎると、ゲル状電解
質の機械的強度は向上するが、イオン導電率は低下す
る。
【0048】また、完全固体電解質は、リチウム塩等の
電解質塩、およびモノマーが重合してなる高分子から構
成され、この電解質塩が高分子により溶解されてなる。
【0049】完全固体電解質に含有される高分子を構成
するモノマーとしては、上述したゲル状電解質に含有さ
れる高分子を構成するラジカル重合可能なモノマーを、
何れも同様に使用できる。
【0050】完全固体電解質に含有される電解質塩とし
ては、ゲル状電解質に含有される電解質塩と同様の材料
を使用できる。なお、完全固体電解質に含有される電解
質塩の濃度は、モノマーに対して0.1mol/l〜
3.0mol/lであることが好ましい。
【0051】ところで、固体電解質4は、完全固体電解
質、ゲル状電解質の何れの形態であっても、高分子を構
成要素の一つとして含有している。
【0052】本発明の固体電解質4は、すなわち、ゲル
状電解質あるいは完全固体電解質は、モノマーと、1時
間半減期温度が40℃以上、65℃未満である第1の重
合開始剤(以下、単に第1の重合開始剤と称する。)
と、1時間半減期温度が65℃以上、120℃未満であ
る第2の重合開始剤(以下、単に第2の重合開始剤と称
する。)とを含有するモノマー溶液が加熱され、当該モ
ノマーが重合されてなる高分子を含有することを特徴と
する。
【0053】この固体電解質4では、モノマーが重合さ
れる際に、第1の重合開始剤から遊離ラジカルが発生
し、この遊離ラジカルが、第2の重合開始剤を連鎖的に
開裂させるので、例えば60℃以下という比較的低温で
モノマー溶液が加熱されても、モノマーの重合反応が効
率的に進行する。したがって、この固体電解質4に含有
される高分子は、1時間半減期温度が65℃以上、12
0℃未満である第2の重合開始剤を用いつつ、例えば6
0℃以下という比較的低温でモノマーが重合されたもの
であるが、不純物となる未反応モノマーの残存が少な
い。その結果、この固体電解質4によれば、サイクル特
性や負荷特性、低温特性等の種々の電池特性に優れた固
体電解質電池1が実現される。
【0054】また、この固体電解質4を作製する際に
は、低温で作動する第1の重合開始剤および中高温で作
動する第2の重合開始剤が含有されているモノマー溶液
を加熱しているので、低温作動型の重合開始剤のみが含
有されているモノマー溶液を加熱してなる従来の固体電
解質と比較して、低温作動型の重合開始剤の使用量が低
減されるためモノマー溶液の取り扱いが容易となってい
る。また、中高温作動型の重合開始剤のみでモノマーの
重合を行う場合と比較して、重合反応に要する時間を短
縮できる。したがって、この固体電解質4およびこれを
備える固体電解質電池1の生産性は、従来の固体電解質
電池の生産性と比較して、格段に向上している。
【0055】モノマー溶液に含有される第1の重合開始
剤としては、1時間半減期温度が40℃以上、65℃未
満であるパーオキシジカーボネート系重合開始剤または
パーオキシエステル系重合開始剤のうち、少なくとも1
種以上を使用する。
【0056】1時間半減期温度が40℃以上、65℃未
満であるパーオキシジカーボネート系重合開始剤として
は、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートや、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t
−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−
3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s
ec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチ
ル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等
を使用できる。
【0057】なお、これらの、1時間半減期温度が40
℃以上、65℃未満であるパーオキシジカーボネート系
重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合
して使用してもよい。
【0058】モノマー溶液に含有される1時間半減期温
度が40℃以上、65℃未満であるパーオキシエステル
系重合開始剤としては、α,α’−ビス(ネオデカノイ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンや、クミルパー
オキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメ
チルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘ
キシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート等を使用できる。
【0059】なお、これらの、1時間半減期温度が40
℃以上、65℃未満であるパーオキシエステル系重合開
始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0060】第2の重合開始剤としては、1時間半減期
温度が65℃以上、120℃未満であるパーオキシエス
テル系重合開始剤またはジアシルパーオキサイド系重合
開始剤のうち、少なくとも1種以上を使用する。
【0061】モノマー溶液に含有される1時間半減期温
度が65℃以上、120℃未満であるパーオキシエステ
ル系重合開始剤としては、t−ヘキシルパーオキシピバ
レートや、t−ブチルパーオキシピバレート1,1,
3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−
ヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシ
ル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等を使用で
きる。
【0062】なお、これらの、1時間半減期温度が65
℃以上、120℃未満であるパーオキシエステル系重合
開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して
使用してもよい。
【0063】モノマー溶液に含有される1時間半減期温
度が65℃以上、120℃未満であるジアシルパーオキ
サイド系重合開始剤としては、イソブチリルパーオキサ
イドや、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニッ
ク酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド等を使用できる。
【0064】なお、これらの、1時間半減期温度が65
℃以上、120℃未満であるジアシルパーオキサイド系
重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合
して使用してもよい。
【0065】また、固体電解質4における第1重合開始
剤の含有量をa(mol)とし、第2の重合開始剤の含
有量をb(mol)とするとき、モノマー溶液の加熱を
60℃以下という低温で行う場合には、a>bとする事
が好ましく、65℃以上という中高温で行う場合には。
b>aとすることが好ましい。
【0066】また、固体電解質4における第1の重合開
始剤および第2の重合開始剤の含有量は、モノマー1m
olに対して0.0001mol〜1molであること
が好ましく、0.001mol〜0.1molであるこ
とがより好ましい。
【0067】正極2は、目的とする電池の種類に応じ
て、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子等を正
極活物質として含有する。
【0068】たとえば、リチウムイオン電池を構成する
場合、正極活物質として、TiSやMoS、NbS
、V等の、リチウムを含有しない金属硫化物
また金属酸化物、LiMO(但し、式中Mは1種類
以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって
異なり、0.05以上、1.10以下の範囲である。)
を主体とするリチウム複合酸化物等を使用できる。
【0069】リチウム複合酸化物を構成する遷移金属M
としては、CoやNi、Mn、Fe等が好ましい。この
ようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCo
やLiNiO、LiNiCo1−y(式
中、0<y<1である。)、LiMn、LiFe
PO等を使用できる。これらリチウム複合酸化物は、
高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物
質となる。
【0070】正極2には、これらの正極活物質を単独で
使用してよく、複数種を併用することも可能である。ま
た、これらの正極活物質を使用して正極2を形成するに
際し、正極2には、従来公知の導電剤や結着剤等を添加
することが可能である。
【0071】負極3は、目的とする電池の種類に応じ
て、リチウム金属やリチウム合金、リチウムをドープ/
脱ドープ可能な材料等の負極活物質を含有する。
【0072】負極活物質としては、例えば、難黒鉛化炭
素系材料や、黒鉛系材料等の炭素材料を使用できる。具
体的には、熱分解炭素類、ピッチコークスやニードルコ
ークス、石油コークス等のコークス類、黒鉛類、ガラス
状炭素類、フェノール樹脂やフラン樹脂等を適当な温度
で焼成して炭素化した有機高分子化合物焼成体、炭素繊
維、および活性炭素等の炭素材料を使用できる。また、
リチウムをドープ/脱ドープ可能な材料としては、ポリ
アセチレンやポリピロール等の高分子、SnO 等の酸
化物等を使用できる。
【0073】これらの負極活物質を使用して負極3を形
成するに際し、負極3には、従来公知の結着剤等を添加
することが可能である。
【0074】上述のように構成される固体電解質電池1
は、固体電解質4として例えば完全固体電解質を備える
場合、以下のようにして製造される。
【0075】まず、正極活物質と結着剤とを含有する正
極合剤を、帯状の正極集電体上に均一に塗布する。つい
で、正極合剤の塗膜を乾燥させ、正極集電体上に正極合
剤層を備える帯状の正極2を作製する。
【0076】ついで、負極活物質と結着剤とを含有する
負極合剤を、帯状の負極集電体上に均一に塗布する。つ
いで、負極合剤の塗膜を乾燥させ、負極集電体上に負極
合剤層を備える帯状の負極3を作製する。
【0077】ついで、帯状の正極2と帯状の負極3とを
セパレータを介して積層し、長手方向に巻き回して電池
素子5を形成する。
【0078】ついで、電池素子5を袋状の外装材6に挿
入する。
【0079】ついで、モノマーと、1時間半減期温度が
40℃以上、65℃未満である第1の重合開始剤と、1
時間半減期温度が65℃以上、120℃未満である第2
の重合開始剤と混合し、さらに電解質塩を添加してなる
モノマー溶液を調製する。
【0080】ついで、このモノマー溶液を、電池素子5
が挿入された袋状の外装材6中に注液する。
【0081】ついで、袋状の外装材6の開口部を封止
し、減圧下でモノマー溶液を電池素子5に含浸させる。
【0082】ついで、外装材6中に挿入され、モノマー
溶液が含浸した電池素子5を加熱し、モノマーを重合さ
せて高分子とし、モノマー溶液を固体化する。
【0083】以上のようにして、正極2と負極3との間
にセパレータと一体化してなる完全固体電解質が形成さ
れた固体電解質電池1が製造される。
【0084】なお、固体電解質電池1が、固体電解質4
として例えばゲル状電解質を備える場合、上述した完全
固体電解質を備える固体電解質電池1の製造方法と同様
にして、正極および負極を作製し、電池素子5を袋状の
外装材6に挿入する。
【0085】ついで、モノマーと、1時間半減期温度が
40℃以上、65℃未満である第1の重合開始剤と、1
時間半減期温度が65℃以上、120℃未満である第2
の重合開始剤と混合し、さらに、電解質塩および非水溶
媒からなる可塑剤を混合してモノマー溶液を調製する。
【0086】ついで、このモノマー溶液を、電池素子5
が挿入された袋状の外装材6中に注液する。
【0087】ついで、袋状の外装材6の開口部を封止
し、減圧下でモノマー溶液を電池素子5に含浸させる。
【0088】ついで、外装材6中に挿入され、モノマー
溶液が含浸した電池素子5を加熱し、モノマーを重合さ
せて高分子とし、モノマー溶液をゲル化する。
【0089】以上のようにして、正極2と負極3との間
にセパレータと一体化してなるゲル状電解質が形成され
た固体電解質電池1が製造される。
【0090】このようにして製造される固体電解質電池
1は、1時間半減期温度が65℃以上、120℃未満で
ある第2の重合開始剤を用いつつ、例えば60℃以下と
いう比較的低温でモノマーが重合されているが、未反応
モノマーの残存が少ない高分子を含有してなる固体電解
質4を備えているので、サイクル特性や負荷特性、低温
特性等の種々の電池特性に優れる。
【0091】また、この固体電解質電池1は、固体電解
質4を作製する際に、1時間半減期温度が40℃以上、
60℃未満である第1の重合開始剤および1時間半減期
温度が65℃以上、120℃未満である第2の重合開始
剤を含有するモノマー溶液を加熱しているので、低温作
動型の重合開始剤のみを含有するモノマー溶液を加熱し
て固体電解質を作製する従来の手法と比較して、低温作
動型の重合開始剤の使用量が低減されるためモノマー溶
液の取り扱いが容易になり、且つ、中高温作動型の重合
開始剤のみでモノマーの重合を行う場合と比較して、重
合反応に要する時間を短縮できる。その結果、この固体
電解質4およびこれを備える固体電解質電池1の生産性
は、従来の固体電解質電池の生産性よりも格段に向上し
ている。
【0092】なお、外装材中に挿入する電池素子の形状
は、上述した電池素子5の形状に限定されず、固体電解
質を挟んで正極、負極を交互に積層した積み重ね型、正
極及び負極に固体電解質を挟んで重ね合わせ、これを交
互に折り畳んだ折り畳み型等とすることが可能である。
【0093】また、固体電解質の製造方法は上述した手
法に限定されず、モノマー溶液を正極および負極へ直接
塗布し、不活性ガス中で加熱重合を行うことにより、正
極および負極上に固体電解質を形成してもよい。
【0094】また、本発明に係る固体電解質電池は一次
電池であってもよいし、二次電池であってもよい。ま
た、円筒型、角形、コイン型、ボタン型等、その形状に
ついては特に限定されず、薄型、大型等、任意のサイズ
とすることができる。
【0095】
【実施例】以下、本発明に係る固体電解質およびこれを
用いた固体電解質電池について、具体的な実験結果に基
づいて詳細に説明する。
【0096】<実験1>ゲル状電解質を備える固体電解
質電池、すなわちゲル状電解質電池を作製した。
【0097】実施例1 〔正極の作製〕まず、炭酸リチウムと炭酸コバルトと
を、0.5mol:1molの比率で混合した。つい
で、この混合物を900℃の空気中で5時間焼成し、L
iCoOを得た。
【0098】ついで、正極活物質としてLiCoO
85重量%と、導電剤として黒鉛を5重量%と、結着剤
としてポリ(ビニリデンフルオライド)を10重量%と
を混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチ
ル−2−ピロリドン中に分散させて、スラリー状の正極
合剤とした。ついで、スラリー状の正極合剤を、正極集
電体として用いる厚み20μmのアルミニウム箔の両面
に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形す
ることで、正極を得た。
【0099】〔負極の作製〕まず、負極活物質として粉
砕した黒鉛粉末を90重量%と、結着剤としてポリビニ
リデンフルオロライドを10重量%とを混合して負極合
剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリド
ン中に分散させて、スラリー状の負極合剤とした。つい
で、スラリー状の負極合剤を、負極集電体として用いる
厚み15μmの銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、ロ
ールプレス機で圧縮成形することで、負極を得た。
【0100】〔ゲル状電解質モノマー溶液の調製〕モノ
マーとして、メトキシジエチレングリコールメタクリレ
ートを5重量%およびポリエチレングリコールジメタク
リレートを5重量%と、非水溶媒として、プロピレンカ
ーボネートを20重量%、エチレンカーボネートを20
重量%、および、ジエチルカーボネートを50重量%と
を混合した混合溶媒中に、電解質塩としてLiPF
1.3mol/l、およびLiBFを0.2mol/
lを溶解させてなる溶液を調製した。
【0101】ついで、第1の重合開始剤として、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート(日本油脂(株)社製)と、第2の重合開始剤と
して、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト(日本油脂(株)社製)とをモル比で1:1の割合で
混合し、モノマー1molに対してこの混合物を0.0
3molの割合として、上記溶液中に溶解させて、ゲル
状電解質モノマー溶液を調製した。
【0102】以上のようにして作製した正極および負極
を、厚み25μmの微孔性ポリエチレンフィルムからな
るセパレータを介して密着させた後、長手方向に巻き回
して電池素子を形成した。
【0103】ついで、この電池素子にゲル状電解質モノ
マー溶液を注入し、減圧下で電池素子を外装した。そし
て、60℃環境下で60分間加熱して、モノマーを重合
することにより、モノマー溶液がゲル化されてなるゲル
状電解質電池を得た。
【0104】実施例2〜実施例16 表1に示す第1の重合開始剤、および第2の重合開始剤
を用いること以外は実施例1と同様にして、ゲル状電解
質電池を作製した。
【0105】比較例1 ゲル状電解質モノマー溶液に重合開始剤を添加しないこ
と以外は実施例1と同様にして、ゲル状電解質電池を作
製した。
【0106】比較例2〜比較例9 表1に示す重合開始剤を用いること以外は実施例1と同
様にして、ゲル状電解質電池を作製した。
【0107】ここで、各ゲル状電解質電池内に含有され
る重合開始剤を表1に示す。なお、表1において、T
は、第1の重合開始剤における1時間半減期温度を示
し、T は、第2の重合開始剤における1時間半減期温
度を示す。
【0108】
【表1】
【0109】以上のようにして作製した実施例1〜実施
例16、および比較例1〜比較例9のゲル状電解質電池
について、ゲル状電解質中に残存しているモノマー量を
測定した。まず、加熱処理後のゲル状電解質を各ゲル状
電解質電池内から取り出し、赤外分光計により、163
6cm−1の炭素不飽和結合の存在を示すスペクトルの
強度から残存モノマーの濃度を定量した。そして、ラジ
カル重合前のモノマー濃度を100とするとき、ラジカ
ル重合後における残存モノマー濃度の、ラジカル重合前
のモノマー濃度に対する比を求めた。
【0110】また、実施例1〜実施例16、および比較
例1〜比較例9のゲル状電解質電池に対して、下記に示
す充放電試験を行い、負荷特性、低温特性およびサイク
ル特性を評価した。
【0111】〔負荷特性〕23℃環境下において、理論
容量の5時間率(0.2C)で定電流定電圧充電を上限
4.2Vまで10時間行い、5時間率(0.2C)、1
/3時間率(3C)定電流放電を終止電圧3V間で行っ
た。そして、100×3C放電容量の0.2C放電容量
に対する比を容量維持率(単位:%)として求め、この
容量維持率の値により負荷特性を評価した。
【0112】〔低温特性〕23℃環境下において、理論
容量の5時間率(0.2C)で定電流定電圧充電を上限
4.2Vまで10時間行い、23℃環境下で2時間率
(0.5C)定電流放電、−20℃環境下で0.5C定
電流放電を、終止電圧3V間で行った。そして、100
×0.5C放電容量(−20℃)の0.5C放電容量
(23℃)に対する比を容量維持率(単位:%)として
求め、この容量維持率の値により低温特性を評価した。
【0113】〔サイクル特性〕23℃環境下において、
1時間率(1C)の定電流定電圧充電を上限4.2V間
で2時間おこない、次に、1時間率(1C)放電を終止
電圧3.0V間で行った。この充放電を500サイクル
行い、100×500サイクル目放電容量の1サイクル
目放電容量に対する比を放電容量維持率(単位:%)を
求め、この容量維持率の値によりサイクル特性を評価し
た。
【0114】以上の測定結果を、表2に示す。
【0115】
【表2】
【0116】表2から、実施例1〜実施例16のゲル状
電解質電池は、ゲル状電解質中における残存している未
反応モノマーが1%未満と非常に少なく、負荷特性や低
温特性、サイクル特性に優れることが判る。
【0117】これに対し、重合開始剤を含有しないモノ
マー溶液を加熱した比較例1のゲル状電解質電池では、
モノマーの重合反応が進行せず、負荷特性、低温特性お
よびサイクル特性の全てが悪い。
【0118】また、1時間半減期温度が40℃以上、6
5℃未満である第1の重合開始剤のみを含有するモノマ
ー溶液を加熱してゲル化してなる固体電解質を備える比
較例2〜比較例5のゲル状電解質電池は、残存している
未反応モノマーが1%未満と非常に少ないものの、低温
特性およびサイクル特性が低いため、実用上好ましくな
い。
【0119】また、1時間半減期温度が65℃以上、1
20℃未満である第2の重合開始剤のみを含有するモノ
マー溶液を加熱してゲル化してなる固体電解質を備える
比較例6〜比較例9のゲル状電解質電池は、残存してい
る未反応モノマーが多く、低温特性およびサイクル特性
が低いため、実用上好ましくない。
【0120】したがって、ゲル状電解質電池は、第1の
重合開始剤および第2の重合開始剤を含有するモノマー
溶液を加熱し、モノマーを重合させることによりモノマ
ー溶液をゲル化してなるゲル状電解質を備えることによ
り、負荷特性、低温特性およびサイクル特性に優れるこ
とがわかる。
【0121】<実験2>完全固体電解質を備える固体電
解質電池、すなわち完全固体電解質電池を作製した。
【0122】実施例17 正極および負極は、実施例1と同様にして作製した。
【0123】〔完全固体電解質ポリマー溶液の調製〕メ
トキシジエチレングリコールメタクリレートを50重量
%と、ポリエチレングリコールジメタクリレートを50
重量%とを混合したモノマー中に、電解質塩としてLi
PFを0.9mol/l、およびLiBFを0.1
mol/lを溶解させてなる溶液を調製した。
【0124】ついで、第1の重合開始剤として、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート(日本油脂(株)社製)と、第2の重合開始剤と
して、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト(日本油脂(株)社製)とをモル比で1:1の割合で
混合し、重量モノマー1molに対してこの混合物を
0.03molの割合として上記溶液中に溶解させ、完
全固体電解質モノマー溶液を調製した。
【0125】以上のようにして作製した正極および負極
を、厚み25μmの微孔性ポリエチレンフィルムからな
るセパレータを介して密着させた後、長手方向に巻き回
して電池素子を形成した。
【0126】ついで、この電池素子に完全固体電解質モ
ノマー溶液を注入し、減圧下で電池素子を外装した。そ
して、60℃温度環境下で60分間加熱してモノマーを
重合させることにより、完全固体電解質電池を得た。
【0127】実施例18〜実施例32 表3に示す第1の重合開始剤、および第2の重合開始剤
を用いること以外は実施例17と同様にして、完全固体
電解質電池を作製した。
【0128】比較例10 完全固体電解質モノマー溶液に重合開始剤を添加しない
こと以外は実施例17と同様にして、完全固体電解質電
池を作製した。
【0129】比較例11〜比較例18 表3に示す重合開始剤を用いること以外は実施例17と
同様にして、完全固体電解質電池を作製した。
【0130】ここで、各完全固体電解質電池内に含有さ
れる重合開始剤を表3に示す。なお、表3において、T
は、第1の重合開始剤における1時間半減期温度を示
し、Tは、第2の重合開始剤における1時間半減期温
度を示す。
【0131】
【表3】
【0132】以上のようにして作製した実施例17〜実
施例32、および比較例10〜比較例18の完全固体電
解質電池について、完全固体電解質中に残存しているモ
ノマー量を測定した。まず、加熱処理後の完全固体電解
質を各完全固体電解質電池内から取り出し、赤外分光計
により、1636cm−1の炭素不飽和結合の存在を示
すスペクトルの強度から残存モノマーの濃度を定量し
た。そして、ラジカル重合前のモノマー濃度を100と
するとき、ラジカル重合後における残存モノマー濃度
の、ラジカル重合前のモノマー濃度に対する比を求め
た。
【0133】また、実施例17〜実施例32、および比
較例10〜比較例18の完全固体電解質電池に対して、
下記に示す充放電試験を行い、負荷特性、低温特性およ
びサイクル特性を評価した。
【0134】〔負荷特性〕23℃環境下において、理論
容量の5時間率(0.2C)で定電流定電圧充電を上限
4.2Vまで10時間行い、5時間率(0.2C)、1
時間率(1C)定電流放電を終止電圧3V間で行った。
そして、100×1C放電容量の0.2C放電容量に対
する比を容量維持率(単位:%)として求め、この容量
維持率の値により負荷特性を評価した。
【0135】〔低温特性〕23℃環境下において、理論
容量の5時間率(0.2C)で定電流定電圧充電を上限
4.2Vまで10時間行い、23℃環境下で2時間率
(0.5C)定電流放電、0℃環境下で0.5C定電流
放電を、終止電圧3V間で行った。そして、100×
0.5C放電容量(0℃)の0.5C放電容量(23
℃)に対する比を容量維持率(単位:%)として求め、
この容量維持率の値により低温特性を評価した。
【0136】〔サイクル特性〕23℃環境下において、
2時間率(0.5C)の定電流定電圧充電を上限4.2
V間で2時間行い、ついで、2時間率(0.5C)放電
を終止電圧3.0V間で行った。この充放電を500サ
イクル行い、100×500サイクル目放電容量の1サ
イクル目放電容量に対する比を放電容量維持率(単位:
%)を求め、この容量維持率の値によりサイクル特性を
評価した。
【0137】以上の測定結果を、表4に示す。
【0138】
【表4】
【0139】表4から、実施例17〜実施例32の完全
固体電解質電池は、完全固体電解質中における残存して
いる未反応モノマーが1%未満と非常に少なく、負荷特
性や低温特性、サイクル特性に優れることが判る。
【0140】これに対し、重合開始剤を含有しないモノ
マー溶液を加熱した比較例10の完全固体電解質電池で
は、モノマーの重合反応が進行せず、負荷特性、低温特
性およびサイクル特性の全てが悪い。
【0141】また、1時間半減期温度が40℃以上、6
5℃未満である第1の重合開始剤のみを含有するモノマ
ー溶液を加熱して固体化してなる固体電解質を備える比
較例11〜比較例14の完全固体電解質電池は、残存し
ている未反応モノマーが1%未満と非常に少ないもの
の、低温特性およびサイクル特性が低いため、実用上好
ましくない。
【0142】また、1時間半減期温度が65℃以上、1
20℃未満である第2の重合開始剤のみを含有するモノ
マー溶液を加熱して固体化してなる固体電解質を備える
比較例6〜比較例9の完全固体電解質電池は、残存して
いる未反応モノマーが多く、低温特性およびサイクル特
性が低いため、実用上好ましくない。
【0143】したがって、完全固体電解質電池は、第1
の重合開始剤および第2の重合開始剤を含有するモノマ
ー溶液を加熱し、モノマーを重合することによりモノマ
ー溶液を固体化してなる完全固体電解質を備えることに
より、負荷特性、低温特性およびサイクル特性に優れる
ことがわかる。
【0144】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る固体電解質およびその製造方法によれば、1時
間半減期温度が65℃以上、120℃未満である第2の
重合開始剤を含有するモノマー溶液を、例えば60℃以
下という低温で加熱してモノマーを重合させても、不純
物となる未反応モノマーの残存が少ない高分子を含有す
る固体電解質が製造される。したがって、サイクル特
性、負荷特性および低温特性等の電池特性に優れる固体
電解質電池が実現される。
【0145】また、低温で作動する第1の重合開始剤お
よび中高温で作動する第2の重合開始剤が含有されてい
るモノマー溶液を加熱しているので、低温作動型の重合
開始剤のみが含有されているモノマー溶液を加熱してな
る従来の固体電解質と比較して、低温作動型の重合開始
剤の使用量が低減されるためモノマー溶液の取り扱いが
容易になり、且つ、中高温作動型の重合開始剤のみでモ
ノマーの重合を行う場合と比較して、重合反応に要する
時間を短縮できるため生産性が向上している。
【0146】本発明に係る固体電解質電池およびその製
造方法によれば、1時間半減期温度が65℃以上、12
0℃未満である第2の重合開始剤を含有するモノマー溶
液を、例えば60℃以下という低温で加熱してモノマー
を重合させても、不純物となる未反応モノマーの残存が
少ない高分子を含有する固体電解質を備える固体電解質
電池が製造される。したがって、サイクル特性、負荷特
性および低温特性等の電池特性に優れる固体電解質電池
を得られる。
【0147】また、固体電解質を作製する際に、低温で
作動する第1の重合開始剤および中高温で作動する第2
の重合開始剤が含有されているモノマー溶液を加熱して
いるので、低温作動型の重合開始剤のみが含有されてい
るモノマー溶液を加熱してなる従来の固体電解質電池と
比較して、低温作動型の重合開始剤の使用量が低減され
るためモノマー溶液の取り扱いが容易になり、且つ、中
高温作動型の重合開始剤のみでモノマーの重合を行う場
合と比較して、重合反応に要する時間を短縮できるため
生産性が向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体電解質電池の一構成例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1中、線分A−A’における断面図である。
【図3】電池素子の一構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 固体電解質電池、2 正極、3 負極、4 セパレ
ータ、5 電池素子、6 外装材、7 正極端子、8
負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/00 H01B 13/00 Z (72)発明者 毛塚 浩一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4J011 PA04 PB27 PC02 4J015 BA06 BA07 BA08 5G301 CA16 CA30 CD01 5H029 AJ02 AJ05 AJ06 AJ14 AJ15 AK02 AK03 AK05 AL06 AL07 AL08 AL12 AL16 AM00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 BJ14 CJ02 CJ08 CJ11 EJ11 EJ12 HJ14

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマーと、1時間半減期温度が40℃
    以上、65℃未満である第1の重合開始剤と、1時間半
    減期温度が65℃以上、120℃未満である第2の重合
    開始剤とを含有するモノマー溶液が加熱され、当該モノ
    マーが重合されてなる高分子を含有することを特徴とす
    る固体電解質。
  2. 【請求項2】 上記第1の重合開始剤は、1時間半減期
    温度が40℃以上、65℃未満であるパーオキシジカー
    ボネート系重合開始剤またはパーオキシエステル系重合
    開始剤のうち、少なくとも1種以上から選ばれることを
    特徴とする請求項1記載の固体電解質。
  3. 【請求項3】 上記第2の重合開始剤は、1時間半減期
    温度が65℃以上、120℃未満であるパーオキシエス
    テル系重合開始剤またはジアシルパーオキサイド系重合
    開始剤のうち、少なくとも1種以上から選ばれることを
    特徴とする請求項1記載の固体電解質。
  4. 【請求項4】 完全固体電解質であることを特徴とする
    請求項1記載の固体電解質。
  5. 【請求項5】 ゲル状電解質であることを特徴とする請
    求項1記載の固体電解質。
  6. 【請求項6】 モノマーと、1時間半減期温度が40℃
    以上、65℃未満である第1の重合開始剤と、1時間半
    減期温度が65℃以上、120℃未満である第2の重合
    開始剤と混合してモノマー溶液を調製するモノマー溶液
    調製工程と、上記モノマー溶液を加熱し、上記モノマー
    を重合させて高分子とする重合工程とを備えることを特
    徴とする固体電解質の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1の重合開始剤としては、1時間
    半減期温度が40℃以上、65℃未満であるパーオキシ
    ジカーボネート系重合開始剤またはパーオキシエステル
    系重合開始剤のうち、少なくとも1種以上を用いること
    を特徴とする請求項6記載の固体電解質の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記第2の重合開始剤としては、1時間
    半減期温度が65℃以上、120℃未満であるパーオキ
    シエステル系重合開始剤またはジアシルパーオキサイド
    系重合開始剤のうち、少なくとも1種以上を用いること
    を特徴とする請求項6記載の固体電解質の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記モノマー溶液が電解質塩を含有し、
    当該モノマー溶液を加熱して固体化することを特徴とす
    る請求項6記載の固体電解質の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記モノマー溶液が電解質塩および非
    水溶媒からなる非水電解液を含有し、当該モノマー溶液
    を加熱してゲル化することを特徴とする請求項6記載の
    固体電解質の製造方法。
  11. 【請求項11】 正極と、当該正極と対向して配される
    負極と、当該正極と当該負極との間に配される固体電解
    質とを備える固体電解質電池において、上記固体電解質
    は、モノマーと、1時間半減期温度が40℃以上、65
    ℃未満である第1の重合開始剤と、1時間半減期温度が
    65℃以上、120℃未満である第2の重合開始剤とを
    含有するモノマー溶液が加熱され、当該モノマーが重合
    されてなる高分子を含有することを特徴とする固体電解
    質電池。
  12. 【請求項12】 上記第1の重合開始剤は、1時間半減
    期温度が40℃以上、65℃未満であるパーオキシジカ
    ーボネート系重合開始剤またはパーオキシエステル系重
    合開始剤のうち、少なくとも1種以上から選ばれること
    を特徴とする請求項11記載の固体電解質電池。
  13. 【請求項13】 上記第2の重合開始剤は、1時間半減
    期温度が65℃以上、120℃未満であるパーオキシエ
    ステル系重合開始剤またはジアシルパーオキサイド系重
    合開始剤のうち、少なくとも1種以上から選ばれること
    を特徴とする請求項11記載の固体電解質電池。
  14. 【請求項14】 上記固体電解質が、完全固体電解質で
    あることを特徴とする請求項11記載の固体電解質電
    池。
  15. 【請求項15】 上記固体電解質が、ゲル状電解質であ
    ることを特徴とする請求項11記載の固体電解質電池。
  16. 【請求項16】 正極と、当該正極と対向して配される
    負極と、当該正極と当該負極との間に配される固体電解
    質とを備える固体電解質電池の製造方法において、 上記固体電解質を製造するに際し、モノマーと、1時間
    半減期温度が40℃以上、65℃未満である第1の重合
    開始剤と、1時間半減期温度が65℃以上、120℃未
    満である第2の重合開始剤と混合してモノマー溶液を調
    製するモノマー溶液調製工程と、 上記モノマー溶液を加熱し、上記モノマーを重合させて
    高分子とする重合工程とを備えることを特徴とする固体
    電解質電池の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記第1の重合開始剤としては、1時
    間半減期温度が40℃以上、65℃未満であるパーオキ
    シジカーボネート系重合開始剤またはパーオキシエステ
    ル系重合開始剤のうち、少なくとも1種以上を用いるこ
    とを特徴とする請求項16記載の固体電解質電池の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 上記第2の重合開始剤としては、1時
    間半減期温度が65℃以上、120℃未満であるパーオ
    キシエステル系重合開始剤またはジアシルパーオキサイ
    ド系重合開始剤のうち、少なくとも1種以上を用いるこ
    とを特徴とする請求項16記載の固体電解質電池の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 上記モノマー溶液が電解質塩を含有
    し、当該モノマー溶液を加熱して固体化することを特徴
    とする請求項16記載の固体電解質電池の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記モノマー溶液が電解質塩および非
    水溶媒からなる非水電解液を含有し、当該モノマー溶液
    を加熱してゲル化することを特徴とする請求項16記載
    の固体電解質電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002313426A (ja) * 2001-04-13 2002-10-25 Sharp Corp ポリマー二次電池
WO2017047379A1 (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 日本ゼオン株式会社 全固体二次電池用バインダーおよび全固体二次電池

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