JP2002251211A - 母材の管理システム、母材の管理方法及び母材の管理プログラム - Google Patents

母材の管理システム、母材の管理方法及び母材の管理プログラム

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JP2002251211A JP2001048171A JP2001048171A JP2002251211A JP 2002251211 A JP2002251211 A JP 2002251211A JP 2001048171 A JP2001048171 A JP 2001048171A JP 2001048171 A JP2001048171 A JP 2001048171A JP 2002251211 A JP2002251211 A JP 2002251211A
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治 河野
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Akira Kichijima
章 吉島
Kazunobu Osumi
一暢 大隅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発注から納品までの納期を短縮できると共
に、母材の歩留率を向上させて、母材を最大限有効利用
することにより、材料、エネルギ、労力などの無駄を防
止し、もって低コスト化を図る。 【解決手段】 複数の鋼材の欠陥を位置と共に検出して
欠陥データとして記憶しておくと共に、鋼材の注文に係
る切断仕様データを記憶しておき、これらデータを用い
て歩留率を算出し、この歩留率を用いて複数の母材と複
数の注文の組を選択決定する。また、このときの歩留率
と、予め設定された歩留価格対応情報に基づいて鋼材の
価格を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、母材の管理システ
ム及び管理方法に関し、特に、欠陥が含まれる例えば鋼
材(コイル)など、お客の注文データ(切断使用デー
タ)に合わせて種々の形状に切り出されて使用される母
材の管理システムおよび管理方法並びに母材の管理プロ
グラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】母材の一例として、製鉄会社で製造され
る鋼材には、その圧延工程などにおいて疵などによる欠
陥が発生する。従来、このような鋼材から欠陥部を除去
するため、製鉄会社では、欠陥を検出すると共に、その
検出された欠陥を欠陥除去ライン(リコイリングライ
ン)において切断除去し、グレードの高い一級製品とし
た後、鋼材使用会社に配送している。鋼材使用会社では
製鉄会社から配送された鋼材を切断仕様データに従って
切断し、当該鋼材使用会社において使用するか、又はそ
の鋼材使用会社に注文したお客に納品している。
【0003】また、他の従来技術として、例えば特開平
9−89799号公報に示されるように、製鉄会社で
は、鋼材の疵の有無を検査し、鋼材の疵の分布と疵の有
害度に重み付けをし、その情報に基づいて製品の出荷判
定を行っている。この場合、鋼材全体の疵の発生量があ
る値を越えた場合には出荷は行われない。例えば図20
のように鋼材(コイル)について、その全長に対し、疵
の発生している部分の割合がある一定値(例えば2%)
を越えるものについては、当該コイルは検査不合格品と
して、目的の用途には使用されず、等級を下げて他の用
途に振り替えて使用したり、あるいは振り替え先がない
場合には屑鉄として処理するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術として前者の場合、リコイリングライン工程を鋼材
(コイル)製造から鋼材使用会社(コイルセンタ)への
配送までの間に設けると、リコイリングライン工程を経
るに相当な時間を要し、鋼材使用会社への配送が大幅に
遅れる。また、その間における鋼材と欠陥データの管理
を要し、管理が複雑となる。さらに、リコイリングライ
ン工程は、最終商品サイズである顧客からの注文データ
と別個独立に行われ、且つその工程結果で一級品とそう
でないものを選別して一級品のみ鋼材使用会社に出荷す
るようにしているため、歩留まりが悪くなり、結果とし
てコスト高の要因となっている。一方、お客の注文デー
タである切断仕様データによれば、欠陥部分を有効に削
除さえすれば、大部分が有効利用できる場合も多い。
【0005】また、従来技術として説明した後者の場合
も同様であり、例えば20〜30トンのコイルがわずか
数%の部位に疵があるため、格下げ、あるいは屑化され
たり、再度予定の鋼材を製造し直すこととなるが、やは
り鋼材全体の製造コストを引き上げるばかりでなく、そ
の鋼材の製造に要したエネルギ、労力が無駄になる。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
成されたものであり、発注から納品までの納期を短縮で
きると共に、母材の歩留率を向上させて、母材を最大限
有効利用することにより、材料、エネルギ、労力などの
無駄を防止し、もって低コスト化を図ることができる母
材の管理システム及びその方法並びに母材の管理プログ
ラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】母材に欠陥が合った場合
に、その欠陥のパターンと、お客の注文による切断仕様
データとによれば、母材の欠陥部分のほんの一部を削除
すれば残りは全て使えるような場合がある。本発明はか
かる点に着目し、そのような場合を欠陥データと切断仕
様データから見出して、歩留率を高めるような使い方、
すなわち母材の有効利用を図らんとするものである。
【0008】例えば、図1(a)(b)に示されるよう
な、欠陥D1のパターンがある場合に、図2(a)
(b)に示されるような切断仕様が与えられているとす
る。この場合、図1(a)の欠陥パターンを有する母材
を図2(a)に示される切断仕様に従って切断した場合
は、A1の部分のみ削除するれば、残りは有効に使え
る。しかしながら、図1(b)に示す欠陥D2のパター
ンを有する母材を図2(a)に示される切断仕様に従っ
て切断した場合は、図3(a)に示すようにどの部分も
使いものにならず、歩留率は前者の場合に比べ大変低い
ものとなる。
【0009】一方、図1(b)に示す欠陥パターンを有
する母材でも図2(b)に示される切断仕様に従って切
断する場合は、図3(b)に示すように4部材B1〜B
4のみを削除すれば、残りは有効に使えることとなり、
同じ母材の歩留率を大幅に高めることができる。
【0010】このように、本発明は、同じ母材又は同じ
切断パターンであっても、その組合せを変えることによ
り、歩留率を向上させることができることに着目し、ま
ず、母材の欠陥パターンと切断パターンとから歩留率を
求め、求められた歩留率を用いて母材を有効利用しよう
とするものである。
【0011】上述した課題を解決するため、本発明に係
る母材の管理システムは、切断されて複数の個別商品を
得る母材の管理システムであって、前記母材の欠陥デー
タを前記母材の位置に対応させて記憶した欠陥データ記
憶手段と、前記母材を注文に従って切断するための切断
仕様データを記憶した切断仕様データ記憶手段と、前記
欠陥データと前記切断仕様データとに基づいて、前記母
材の歩留率を算出する歩留率算出手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0012】このような構成によれば、母材の欠陥デー
タと注文データである切断仕様データとにより、その母
材の注文に対する歩留率を得ることができる。従って、
例えばこの歩留率に基づいてその母材をその注文に対し
て引き当てるか否か、あるいは他の注文に引き当てた方
がより歩留率を高めることができるか否か等の判断が容
易に行えるようになり、もって、母材の歩留率を高める
ことができる基本的構成を提供し得る。なお、ここで言
う「切断」とは、アーク切断、プレス切断など、母材から
断片を取るための全ての動作を含む。また、欠陥が全く
ない母材についても、「欠陥データ」なしとして、本発明
の範囲に含められることは言うまでもない。
【0013】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいて、前記欠陥データには、母材を製造する際に生じ
る疵情報またはプロセス情報のいずれか一方、または双
方を含むことを特徴とするものである。
【0014】このような構成によれば、表面に存在する
疵のみならず、プロセス条件等に基づいて母材内に発生
しているような疵をも欠陥として扱うことができ、信頼
性の高い歩留率を得ることができると共に、製品として
の信頼性を高めることができる。なお、従来、出荷時の
表面疵検査においては、疵が発見されないが、欠陥の要
因が内在していたため、下工程で加工して、初めて欠陥
が露呈されることもあった。このような欠陥は、一つの
要因として、製造プロセスの作業条件に起因する場合が
考えられ、このため、従来はスラブ単位で良否の判定を
行い、その結果例え一部分の欠陥であっても、スラブ一
枚を格落ちまたは屑化していた。従って、本発明によれ
ば、このようなプロセス条件も欠陥データとして使用す
ることにより、信頼性の高い歩留率を得ることができ、
結果として母材の有効利用を図ることができる。
【0015】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいて、前記歩留率算出手段による歩留率の算出は、前
記切断仕様データ記憶手段に記憶された注文毎の切断仕
様データと前記欠陥データ記憶手段に記憶された欠陥デ
ータを母材形状上に重ね合わせて母材全体に対する切断
後の材料の有効な総量比を算出することにより行われる
ことを特徴とするものである。
【0016】このような構成によれば、歩留率を精度良
く且つ容易に求めることができる。なお、ここで「総量
比」には、重量比の他、面積比などが含まれる。
【0017】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいては、前記歩留率算出手段による歩留率の算出を母
材及び注文における複数の組合せのそれぞれについて行
わせ、得られた複数の歩留率に基づいて所定の母材と注
文の組を選択する組合せ選択手段を備えたことを特徴と
するものである。
【0018】このような構成によれば、複数の母材と複
数の注文とからなる複数の組合せそれぞれについて各母
材の歩留率を得ると共に、それらの歩留率に基づいて、
母材と注文の組を定めることができるので、例えば、複
数の母材の全体で歩留率が最も高くなる組合せを選択す
るようにしたり、一つの母材について、最も高い歩留率
が得られるような組合せを選択するようにしたり、最も
低い歩留率が所定値以下とならないような組合せを選択
するようにすることができ、要望に沿った歩留率の組合
せを得ることができる。
【0019】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいて、前記組合せ選択手段は、一つの注文に対して、
前記組合せにおいて、最も歩留率が高くなる母材を選択
することを特徴とするものである。
【0020】このような構成によれば、ある注文につい
て、最も高い歩留率が得られるような母材を選択するこ
とができ、高い歩留率を有する母材の注文についても応
じることができる。
【0021】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいて、前記組合せ選択手段は、複数の注文と複数の母
材に対して、全ての組合せにおいて歩留率の合計値が最
も大きくなる組合せを選択することを特徴とするもので
ある。
【0022】このような構成によれば、複数の母材全体
についての歩留率を最も高める組合せを選択することが
でき、母材全体として最も有効な利用を図ることができ
る。
【0023】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいては、前記組合せ選択手段により選択された母材と
注文の組において、選択された組の母材をその欠陥デー
タと切断仕様データとに基づいて切断する切断装置を備
えたことを特徴とするものである。
【0024】このような構成によれば、組合せ選択手段
で選択された母材の歩留率が所望値となるように、自動
的に母材を切断することができ、母材の切断労力の軽
減、削減を図ることができると共に、その作業効率を高
めることができる。
【0025】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいては、前記母材における歩留率と価格の関係を定め
た歩留価格対応情報を記憶した価格記憶手段を備え、前
記歩留価格対応情報を用いて、前記組合せ選択手段によ
り選択された母材の価格を、該組合せにおいて算出され
た歩留率から得る価格演算手段を備えたことを特徴とす
るものである。
【0026】このような構成によれば、注文に対する母
材の歩留率に基づいて、母材の価格を定めることができ
るので、売手も買手も満足し得る母材の売買を行うこと
ができる。
【0027】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいては、前記欠陥データ記憶手段に記憶された複数の
欠陥データのそれぞれについて、前記歩留率算出手段に
おける歩留率の算出用のパラメータとして用いられるか
否かを判断する有効欠陥判断手段を備えたことを特徴と
するものである。
【0028】このような構成によれば、お客が許容する
ような欠陥については、欠陥データとして扱わない取扱
とすることができ、さらに歩留率の向上を図ることがで
きる。
【0029】また、本発明に係る母材の管理システム
は、切断されて複数の個別商品を得る母材の管理システ
ムであって、前記母材の欠陥データを前記母材の位置に
対応させて記憶した欠陥データ記憶手段と、前記個別商
品の注文サイズデータを記憶する注文サイズデータ記憶
手段と、前記欠陥データと前記注文サイズデータとから
前記母材の切断経路としての切断仕様データを決定する
支援のため、前記欠陥データと前記注文サイズデータを
用いて前記母材の形状上に前記欠陥及び注文サイズ形状
を重ねて表示すると共に、前記注文サイズ形状の表示位
置または角度を変更可能に表示する表示手段とを備えて
なることを特徴とするものである。
【0030】このような構成によれば、一つの母材に対
する複数の注文サイズから、例えば歩留率の高い切断仕
様データを決定することが容易となる。
【0031】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいては、切断仕様データに従って前記母材を切断する
切断装置を備えたことを特徴とするものである。
【0032】このような構成によれば、切断仕様データ
を満たすように母材を切断することができ、母材の切断
労力の軽減、削減、作業効率の向上化を図ることができ
ると共に、母材の歩留率を高めて母材の有効利用を図る
ことができる。
【0033】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいては、前記切断装置により切断された切断結果デー
タを記憶する切断結果データ記憶手段を備えたことを特
徴とするものである。
【0034】このような構成によれば、母材を切断して
なる複数の部材が欠陥を含まず、且つ注文に係る仕様を
満たすか否かを容易に判定することができ、商品として
の信頼性を高めることができる。
【0035】また、本発明に係る母材の管理システムに
おいて、前記母材は鋼材であることを特徴とするもので
ある。
【0036】鋼材には、機械的な疵やプロセス条件の変
動などで生じる組織的な疵を欠陥としてランダムに含
み、また、鋼材は帯状として製造されて、お客の注文デ
ータである切断仕様データに従って切断される。従っ
て、本発明に係る母材の管理システムを適用することに
より、その歩留率を極めて有効に向上させることがで
き、その適用の効果が多大である。なお、母材として
は、鋼材の他、例えばフィルムや紙、アルミ箔等、欠陥
を有し且つ切断仕様データにより切断されて使用される
もの全てが対象となり得る。
【0037】また、本発明は、切断されて複数の個別商
品を得る母材の管理方法であって、複数の母材を製造す
る過程において、それぞれの母材に生じる欠陥を位置と
共に検出する欠陥検出ステップと、母材及び注文におけ
る複数の組合せのそれぞれについて、前記欠陥データと
切断仕様データに基づいて歩留率を算出する歩留率算出
ステップと、算出された歩留率に基づいて前記母材及び
注文の組合せを選択する組合せ選択ステップとを備えた
ことを特徴とするものである。
【0038】このような構成によれば、母材の欠陥デー
タと注文データである切断仕様データとにより、その母
材の注文に対する歩留率を得ることができる。従って、
例えばこの歩留率に基づいてその母材をその注文に対し
て引き当てるか否か、あるいは他の注文に引き当てた方
がより歩留率を高めることができるか否か等の判断が容
易に行えるようになり、もって、母材の歩留率を高める
ことができる。
【0039】また、本発明に係る母材の管理方法におい
ては、さらに選択された組合せにおいて、母材を注文に
係る切断仕様データに基づいて切断するステップとを備
えたことを特徴とするものである。
【0040】このような構成によれば、組合せ選択手段
で選択された母材の歩留率が所望値となるように、母材
を切断することができ、切断労力の軽減、削減を図るこ
とができると共に、その作業効率を高めることができ
る。
【0041】また、本発明に係る母材の管理方法におい
て、前記欠陥検出ステップは母材の製造会社において行
われ、少なくとも前記歩留率算出ステップは母材の使用
会社で行われることを特徴とするものである。
【0042】切断仕様データは母材の使用会社において
得られるものであり、このような構成によれば、使用会
社の切断仕様データを使って、使用会社で歩留率を算出
できることとなる。また、それに続く加工工程をも使用
会社で行うようにすれば、母材の製造会社において行わ
れる加工工程、例えば母材が鋼材の場合は、従来のリコ
イリングライン工程が不要となって、鋼材の鋼材使用会
社への供給が遅れることなく、迅速に行えると共に、歩
留率を向上させることができる。
【0043】また、本発明に係る母材の管理方法におい
て、前記欠陥検出ステップと前記組合せ選択ステップと
の間には、前記欠陥検出ステップにより検出された欠陥
データを、前記母材に付されたIDと共に前記母材の製
造会社から通信回線を介して前記母材の使用会社に送信
するステップが備えられることを特徴とするものであ
る。
【0044】このような構成によれば、母材と欠陥デー
タの管理が極めて容易になる。
【0045】また、本発明に係る母材の管理方法におい
ては、前記歩留率算出ステップにより算出された母材の
歩留率を母材のIDと共に前記母材の製造会社に送信す
るステップが備えられることを特徴とするものである。
【0046】このような構成によれば、母材の使用会社
から、当該会社で使用しようとする母材の指定とその歩
留率が製造会社に知らされ、例えば、母材の使用者によ
り使用希望され得る母材のみを出荷するようにすること
ができる。また、その歩留率も取得できるので、価格等
の設定をその歩留率に基づいて行うようにすることもで
きる。さらには、予め複数の母材の使用会社のそれぞれ
の需要数よりも多くの母材について、そのIDと共に欠
陥データを各母材使用会社に送信しておき、複数の母材
使用会社から寄せられる歩留率から、製造会社では、全
体として歩留率が最も高くなるような母材を各母材使用
会社に配送するようにすることもでき、全体として母
材、エネルギ、資源、労力を最大限有効利用するように
することもできる。
【0047】さらに、本発明に係る母材の管理方法にお
いては、前記母材の製造会社において、前記母材の使用
会社から送信されたIDが付された母材の価格を該ID
と共に送信された歩留率に基づいて決定するステップが
備えられていることを特徴とするものである。
【0048】このような構成によれば、例えば母材使用
者が希望する母材について、その歩留率に基づいた価格
を決定することができる。
【0049】さらに、本発明に係る母材の管理方法にお
いては、前記母材の製造会社において、前記母材の使用
会社から送信されたIDが付された母材を前記母材の使
用会社に配送する手続を行うステップが備えられている
ことを特徴とするものである。
【0050】このような構成によれば、例えば母材使用
者が希望する母材のみを出荷することができる。また、
この場合に出荷に伴う伝票作成手続等も自動的に行うこ
とができ、その労力を大幅に軽減できると共に、作業効
率の向上を図ることができる。
【0051】また、本発明に係る母材の管理プログラム
は、切断されて複数の個別商品を得る母材の管理をコン
ピュータに実行させるための母材の管理プログラムであ
って、複数の母材それぞれに存在する欠陥を位置と共に
示した欠陥データと、注文に係る母材の切断仕様を示し
た切断仕様データとから、複数の母材に対する複数の注
文の組合せのそれぞれについて、母材の歩留率を算出
し、算出された歩留率に基づいて母材及び注文の組合せ
を選択する処理をコンピュータに実行させることを特徴
とするものである。
【0052】このようなプログラムによれば、母材の歩
留率を向上させて、母材を最大限有効利用することによ
り、材料、エネルギ、労力などの無駄を防止し、もって
低コスト化を図るための処理をコンピュータに実行させ
ることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を母材
として鋼材に例をとって図面を参照しつつ説明する。 実施の形態1.図4は、本発明の実施の形態1に係る鋼
材の管理システムを示す全体ブロック図である。管理シ
ステムは、板状の鋼材が有する欠陥データを鋼材の形状
位置に対応させて記憶した欠陥データ記憶部1と、鋼材
を注文に従って切断し、最終的な使用形態とするための
切断仕様データを記憶した切断仕様データ記憶部2と、
これら記憶部1,2に記憶された欠陥データと切断仕様
データとに基づいて、鋼材の歩留率を算出する歩留率算
出部3とを備えている。
【0054】また、この管理システムは、歩留率算出部
3による歩留率の算出を鋼材及び注文における複数の組
合せのそれぞれについて行わせ、得られた複数の歩留率
に基づいて所定の鋼材と注文の組を選択する組合せ選択
部4を備えている。さらに、鋼材における歩留率と価格
の関係を定めた歩留価格対応情報を記憶した歩留価格対
応情報記憶部5を備え、歩留価格対応情報を用いて、組
合せ選択部4により選択された鋼材の価格を、該組合せ
において算出された歩留率から得る価格演算部6を備え
ている。
【0055】以上の構成において、欠陥データ記憶部1
に記憶される欠陥データは、鋼材を製造する際に生じる
疵情報またはプロセス情報のいずれか一方または双方を
含み、歩留率算出部3は、欠陥データと切断仕様データ
と共に前記プロセス情報に基づいて鋼材の歩留率を算出
する。
【0056】図5は欠陥データ記憶部1に欠陥データと
して記憶される疵情報を疵情報テーブルとして示した図
である。疵情報テーブルには、鋼材のID(鋼No)
と、各鋼材における材質、複数の疵情報欄が設けられて
いる。疵情報には、その位置と共に疵の大きさが分かる
データ、および疵の種類を表すデータが掲載されてい
る。
【0057】図6は欠陥データ記憶部1にプロセス欠陥
情報として記憶されるプロセス情報をプロセス情報テー
ブルとして示した図である。プロセス情報テーブルに
は、鋼材のID(鋼No)と、各鋼材における材質、複
数のプロセス情報欄が設けられている。プロセス情報に
も、疵情報と同様に、そのプロセス条件が施された鋼材
の位置とその大きさが分かるデータ、およびプロセスの
種類を表すデータが掲載されている。
【0058】図7は切断仕様データ記憶部2に記憶され
た注文に対応する切断仕様データを切断仕様テーブルと
して示した図である。切断仕様テーブルには、注文のI
D(注文No)と、各注文に係る鋼材の材質、切断仕様
(長さ、幅、重量、枚数など)が設けられている。
【0059】歩留率算出部3は、これらのデータを鋼材
形状上に重ね合わせて鋼材全体に対する切断後の有効な
総量比を算出することにより、歩留率を算出する。すな
わち、例えば図3に示したように、切断された部材内に
欠陥を有する場合は、その部材をNGとして、有効な部
分の総量(総面積又は総重量)を算出し、全体の総量に
対する有効な部分の総量の比を算出して歩留率を算出す
る。
【0060】組合せ選択部4は、歩留率算出部3により
算出された歩留率を用いて設定された所定の鋼材と注文
の組合せを選択する。例えば、一つの注文に対して、複
数の鋼材とで歩留率を算出し、その中で最も歩留率が高
くなる鋼材を選択するようにすることもできるし、ある
いは、複数の注文と複数の母材に対して、全ての組合せ
において歩留率の合計値が最も大きくなる組合せを選択
するようにすることもできる。
【0061】たとえば、所定の材質を有する鋼材の注文
に対して、図8は各注文それぞれに対して歩留率が最も
高い鋼材が選択できたような場合を示しているが、通
常、全ての注文に対して最も高い鋼材が選択できること
は希である。また、例えば図9に示すように、各注文に
対して、図10に示すようにランダムに選択したり(△
で示す)、あるいは注文ナンバの小さい順に歩留率の高
い鋼材を選択したり(○で示す)するような場合は、そ
れぞれ歩留率の合計が449,459となる。一方、全
ての組合せに対して歩留率の合計値が最大となるように
選択すると図10に示すような組合せが得られ、その場
合の歩留率の合計は477となって大幅に歩留率が改善
されることが理解できる。すなわち、組合せ選択部4は
このように歩留率の合計値が最大となるような組合せを
選択することもできる。
【0062】価格演算部6は、歩留価格対応情報記憶部
5に記憶された、図11に示すような歩留価格対応情報
に対し、組合せ選択部4で選択された鋼材に対し、歩留
率算出部3により算出された歩留率を用いて、その鋼材
の価格を演算し、決定する。こうして注文に対して選択
された鋼材は、その歩留率に応じて価格も自動的に決定
され、例えば鋼材使用会社に出荷されることとなる。こ
のシステムによれば、歩留率を高くでき、鋼材を有効利
用できるので、鋼材価格を引き下げることが可能とな
る。
【0063】なお、上述した説明において、欠陥データ
記憶部1に記憶される欠陥データは鋼材の製造過程にお
いて検出される場合は、それが自動的に記憶されるよう
にしても良いし、別途記憶媒体を介して入力されるよう
にしても良い。また、切断仕様データ記憶部2に記憶さ
れる切断仕様データは、お客である鋼材使用会社から得
られる注文データに基づいて手入力したり、記憶媒体を
介して入力するようにしても良い。さらには、鋼材使用
会社からインターネット等の通信回線を介して入力され
るようにしても良い。
【0064】実施の形態2.実施の形態1において説明
した欠陥データ記憶部1には、例えば製鉄会社におい
て、鋼材の製造過程において生じた全ての欠陥が含まれ
る。しかしながら、お客の注文に係る鋼材の使用態様に
よっては、欠陥の程度によっては、欠陥として取り扱う
必要がない場合もある。このような場合にも、製造過程
で生じた欠陥の全てを欠陥として処理するようにしたの
では、やはり鋼材の有効利用がなされない。実施の形態
2では、このように製造過程において欠陥として検出さ
れても、注文に係る用途(お客の使用態様)によって
は、欠陥として取り扱わなくて良いシステムについて説
明する。
【0065】図12は実施の形態2における鋼材の管理
システムを示すブロック図である。図12において、図
4と符号が同一のものは、それらと同一又は相当物を示
しており、ここでの説明は省略する。図12に示される
システムでは、図4に示されたシステムに対し、新たに
用途/欠陥対応テーブルと、欠陥判断部が設けられてい
る。用途/欠陥対応テーブル記憶部7は、図13に示す
ように種々の用途に対して、種々の欠陥、例えば疵種を
それぞれ欠陥として扱うか否かを規定したテーブルを記
憶している。また、この場合、切断仕様データ記憶部2
Aに記憶される注文データには、図14に示すように切
断仕様データや材質と共に、用途が書き込まれている。
【0066】欠陥判断部8はこの用途/欠陥対応テーブ
ル記憶部7に記憶された用途/欠陥対応テーブルと欠陥
データ記憶部1に記憶された疵種に基づいて、欠陥デー
タ記憶部1から疵情報として出力される欠陥データを歩
留率算出用のパラメータ(欠陥データ)として用いるか
否かを判断する。そして欠陥データとして用いないと判
断した場合は、その欠陥データがその鋼材の位置から除
去されて歩留率が算出される。これにより、歩留率はさ
らに向上し、鋼材の更なる有効利用がなされることとな
る。こうして、本実施の形態においては、用途/欠陥対
応テーブル記憶部7及び欠陥判断部8が本発明の有効欠
陥判断手段を構成している。
【0067】実施の形態3.実施の形態3は、本発明に
係るシステムを例えば、コイルセンタ等の中間鋼材使用
会社もしくは自動車メーカ等の最終鋼材使用会社に適用
した場合の例を説明するものである。図15において、
図4と符号が同一のものは、それらと同一又は相当物を
示しており、ここでの説明は省略する。実施の形態3に
係るシステムでは、組合せ選択部4により選択された鋼
材と注文の組における欠陥データと切断仕様データとを
記憶する切断データ記憶部9を備え、この切断データ記
憶部9から出力される切断仕様データに基づいて、鋼材
を切断する切断装置10を備えると共に、切断装置10
により切断された結果としての切断結果データを記憶す
る切断結果データ記憶部11を備えている。なお、実施
の形態2と同様に、用途/欠陥対応テーブル情報記憶部
7および欠陥判断部8を備えるようにしても良いことは
明らかである。
【0068】切断装置10は、切断データ記憶部9に記
憶された切断仕様データに従って、例えば所定位置に設
定された鋼材に対して、切断を実行する。切断結果デー
タ記憶部11は、こうして切断装置10により切断され
た切断軌跡を切断結果データとして記憶し、納品に際し
て、もしくは最終使用においてその切断結果を参照でき
るようにしたものである。
【0069】実施の形態4.実施の形態4は上述した本
発明に係るシステムの利用態様について説明するもので
ある。実施の形態4において、本システムは製鉄会社側
と鋼材使用会社とに分担されて設けられ、それらのデー
タ伝送をインターネットを介して行うようにしたもので
ある。図16で示されるシステムでは、製鉄会社側シス
テム100として、欠陥データ記憶部1Aと、そのデー
タを送出する送信部31と、インターネット20を介し
てデータを受信する受信部32と、受信部32からのデ
ータ(鋼材ID)を受ける配送(出荷)手続システム3
3と、受信部32からのデータ(歩留率およびID)を
受け、歩留価格対応情報記憶部5からの情報を用いて価
格を演算する価格演算部6とを備えている。
【0070】一方、鋼材使用会社側システム200で
は、インターネット20を介してデータ(欠陥データ)
を受信する受信部41と、受信部41で受けたデータを
記憶する欠陥データ記憶部1と、切断仕様データを記憶
する切断仕様データ記憶部2と、欠陥データと切断仕様
データとに基づいて歩留率を算出する歩留率算出部3
と、歩留率と欠陥データと切断仕様データとに基づいて
組み合わせを選択決定する組合せ選択部4と、組合せ選
択部4により選択決定された注文および鋼材に係る鋼材
IDとその歩留率とを出荷指示データとして出力する出
荷指示データ出力部43と、インターネット20への出
力部である送信部42とを備えている。
【0071】実施の形態4のシステムによれば、鋼材使
用会社は、自己の有する切断仕様データに対し、製鉄会
社から送られる鋼材の欠陥データを受信するのみで、鋼
材使用会社が使用しようとする鋼材の歩留率を得ること
ができ、希望の鋼材を選ぶことができる。また、製鉄会
社においては、欠陥データを送出するのみでお客(鋼材
使用会社)が希望する鋼材のIDを知り得、これと例え
ば、お客が送出した歩留率により、価格を決定し、配送
(出荷)手続システムにより出荷までの手続が自動的
に、且つ迅速に行えることとなる。
【0072】実施の形態5.実施の形態5は鋼材使用会
社として、コイルセンタ等の中間鋼材使用会社(母材加
工会社)と、この中間鋼材使用会社で加工された鋼材を
購入して使用する最終鋼材使用会社とが存在する場合
に、それらのシステムをインターネットを介して接続す
るようにした例を説明するものである。
【0073】図17において、製鉄会社側システムにお
いては、欠陥データ記憶部1Aと、配送(出荷)手続シ
ステム33と、データの送受信を行う送受信部30とを
備えている。また、中間鋼材使用会社側システム200
Aでは、受信部41と、欠陥データ記憶部1と、切断仕
様データ記憶部2と、歩留率算出部3と、組合せ選択部
4と、出荷指示データ出力部43と、送信部42とを備
えている。さらに、最終鋼材使用会社側システム200
Bでは、送受信部50と、切断仕様データ記憶部2B
と、発注データ(納品予定データ記憶部)51とを備え
ている。
【0074】以上の構成において、中間鋼材使用会社側
システム200Aの受信部41では、製鉄会社側システ
ム100Aから送られる欠陥データを欠陥データ記憶部
1に記憶させると共に、最終鋼材使用会社側システム2
00Bから送られる切断仕様データを切断仕様データ記
憶部2に記憶させる。
【0075】中間鋼材使用会社側システム200Aの発
注データ出力部は、最終鋼材使用会社の注文に応じた鋼
材IDをその歩留率と共に、製鉄会社側システムに送信
するためのデータを形成し、送信部42を介して送出す
る。製鉄会社側システム100Aでは、このデータを受
信し、必要に応じて価格を決定すると共に、配送手続シ
ステム33により出荷手続を開始する。なお、図17に
おいて、図16に示した価格演算部6等は省略してい
る。また、最終鋼材使用会社側システム200Bでは、
発注データを受信し、それが納品予定データとして発注
データ記憶部51に記憶する。
【0076】このように実施の形態5によれば、三者が
共に手続を自動化、簡略化し得、鋼材の管理が極めて容
易となり、労力の軽減が図れると共に、鋼材の有効利用
がなされる。なお、図17においては、最終鋼材使用会
社を一つのみ示しているが、これが複数あり、それら全
ての仕様データを有効に利用するようにすれば、中間鋼
材使用会社における鋼材の歩留まりを極めて向上させる
ことができることは言うまでもない。
【0077】実施の形態6.図18、図19は、実施の
形態6として、お客からの注文サイズデータに対して、
切断仕様データを定める場合の一つの例を示したもので
あり、一つの鋼材を切断して複数の個別鋼材を得る際
に、歩留率が良くなるように、切断経路としての切断仕
様データを定める場合の支援装置としての管理システム
を示すものである。この実施の形態においては、鋼材の
欠陥データを鋼材の位置に対応させて記憶した欠陥デー
タ記憶部61と、鋼材の注文サイズデータを記憶する注
文サイズデータ記憶部62と、注文サイズ形状の位置、
角度を変更して表示する指示を行う注文サイズ表示変更
部63と、欠陥データと注文サイズデータを用いて鋼材
の形状上に欠陥及び注文サイズ形状を重ねて表示すると
共に、注文サイズ形状変更部63からの指示により、注
文サイズ形状の表示位置または角度を変更可能に表示す
る画像データを形成する画像データ形成部64と、画像
データ形成部64により形成された画像データを表示す
る表示部65と、この表示部65を人が視認して、切断
経路として歩留率が良く、切断経路として好ましいと判
断された状態の注文サイズ形状の位置及び角度に対し
て、そのときのサイズ形状(縁)を切断仕様データとし
て記憶するための指示を出すための切断経路候補決定指
示部66と、この指示により切断仕様データを記憶する
切断仕様データ記憶部67とを備えている。
【0078】この動作について図19を用いて説明す
る。図19は表示部65に表示された鋼材及びサイズ形
状の一部を示す図であり、(a)に示すように、鋼材に
対して長さL、幅W4のサイズの注文がある場合、鋼材
70の形状上にこの注文サイズ形状は、(a)または
(b)、あるいは(c)のように重ねて表示することが
できる。この表示は、人が鋼材形状と注文サイズ形状を
表示部65を視認しながら、例えば手操作により行うこ
とができる。この場合に、(b)や(c)に示すような
欠陥Dがある場合、幅W4を欠陥位置に当てずに、
(c)のように板取りすることが歩留率を向上させる上
で好ましいことは容易に判断できる。そこで、(c)に
示される注文サイズ形状状態における形状(縁B)を切
断仕様データとして切断仕様データ記憶部67に取り込
むべく、切断経路候補決定指示部66により指示を出
す。
【0079】こうして、本発明の実施の形態6では、例
えば一つの母材に対して、欠陥データと注文サイズデー
タから、歩留率を高めることができる切断仕様データを
容易に決定することができる。
【0080】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、発注
から納品までの納期を短縮できると共に、母材の歩留率
を向上させて、母材を最大限有効利用することにより、
材料、エネルギ、労力などの無駄を防止し、もって低コ
スト化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本思想を説明するための図であり、
鋼材とその欠陥を示す斜視図である。
【図2】本発明の基本思想を説明するための図であり、
鋼材とその切断仕様を示す斜視図である。
【図3】本発明の基本思想を説明するための図であり、
鋼材の欠陥と切断仕様を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1を示すブロック図であ
る。
【図5】疵情報テーブルを示す図である。
【図6】プロセス情報テーブルを示す図である。
【図7】切断仕様テーブルを示す図である。
【図8】注文と鋼材の組合せとその歩留率を示すテーブ
ルである。
【図9】注文と鋼材の組合せとその歩留率を示す他のテ
ーブルである。
【図10】注文と鋼材の組合せにおいて、歩留率の合計
値が最大となるように組合せを選択した場合を示すテー
ブルである。
【図11】歩留価格対応情報を示す図である。
【図12】実施の形態2を示すブロック図である。
【図13】用途/欠陥対応テーブルを示す図である。
【図14】実施の形態2における切断仕様テーブルを示
す図である。
【図15】実施の形態3を示すブロック図である。
【図16】実施の形態4を示すブロック図である。
【図17】実施の形態5を示すブロック図である。
【図18】実施の形態6を示すブロック図である。
【図19】実施の形態6の動作を示す説明図である。
【図20】従来の価格指数と歩留を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,61 欠陥データ記憶部、2,2A、2B,
67 切断仕様データ記憶部、3 歩留率算出部、 4
組合せ選択部、5 歩留価格対応情報記憶部、6 価
格演算部、7 用途/欠陥対応テーブル記憶部、8 欠
陥判断部、9切断データ記憶部、10 切断装置、11
切断結果データ記憶部、20 インターネット、3
0,50 送受信部、31,42 送信部、32,41
受信部、43 出荷指示データ出力部、51 発注デ
ータ記憶部、62 注文サイズデータ記憶部、63 注
文サイズ形状表示変更部、64 画像データ形成部、6
5表示部、66 切断経路候補決定指示部、100、1
00A 製鉄会社側システム、200A 中間鋼材使用
会社側システム、200 鋼材使用会社側システム、2
00B 最終鋼材使用会社側システム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 治 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 大崎 和男 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 吉島 章 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 大隅 一暢 東京都千代田区丸の内二丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 (72)発明者 日高 智明 東京都千代田区丸の内二丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 (72)発明者 白髪 裕子 東京都千代田区丸の内二丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 Fターム(参考) 3C100 AA29 AA52 BB27

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断されて複数の個別商品を得る母材の
    管理システムであって、 前記母材の欠陥データを前記母材の位置に対応させて記
    憶した欠陥データ記憶手段と、 前記母材を注文に従って切断するための切断仕様データ
    を記憶した切断仕様データ記憶手段と、 前記欠陥データと前記切断仕様データとに基づいて、前
    記母材の歩留率を算出する歩留率算出手段とを備えたこ
    とを特徴とする母材の管理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の母材の管理システムに
    おいて、 前記欠陥データには、母材を製造する際に生じる疵情報
    またはプロセス情報のいずれか一方、または双方を含む
    ことを特徴とする母材の管理システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の母材の管理システムに
    おいて、 前記歩留率算出手段による歩留率の算出は、前記切断仕
    様データ記憶手段に記憶された注文毎の切断仕様データ
    と前記欠陥データ記憶手段に記憶された欠陥データを母
    材形状上に重ね合わせて母材全体に対する切断後の有効
    な材料の総量比を算出することにより行われることを特
    徴とする母材の管理システム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の母材の管理システムにおいて、 前記歩留率算出手段による歩留率の算出を母材及び注文
    における複数の組合せのそれぞれについて行わせ、得ら
    れた複数の歩留率に基づいて所定の母材と注文の組を選
    択する組合せ選択手段を備えたことを特徴とする母材の
    管理システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の母材の管理システムに
    おいて、 前記組合せ選択手段は、一つの注文に対して、前記組合
    せにおいて、最も歩留率が高くなる母材を選択すること
    を特徴とする母材の管理システム。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の母材の管理システムに
    おいて、 前記組合せ選択手段は、複数の注文と複数の母材に対し
    て、全ての組合せにおいて歩留率の合計値が最も大きく
    なる組合せを選択することを特徴とする母材の管理シス
    テム。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載
    の母材の管理システムにおいて、 前記組合せ選択手段により選択された母材と注文の組に
    おいて、選択された組の母材をその欠陥データと切断仕
    様データとに基づいて切断する切断装置を備えたことを
    特徴とする母材の管理システム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の母材の管理システムにおいて、 前記母材における歩留率と価格の関係を定めた歩留価格
    対応情報を記憶した価格記憶手段を備え、 前記歩留価格対応情報を用いて、前記組合せ選択手段に
    より選択された母材の価格を、該組合せにおいて算出さ
    れた歩留率から得る価格演算手段を備えたことを特徴と
    する母材の管理システム。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の母材の管理システムにおいて、 前記欠陥データ記憶手段に記憶された複数の欠陥データ
    のそれぞれについて、前記歩留率算出手段における歩留
    率の算出用のパラメータとして用いられるか否かを判断
    する有効欠陥判断手段を備えたことを特徴とする母材の
    管理システム。
  10. 【請求項10】 切断されて複数の個別商品を得る母材
    の管理システムであって、 前記母材の欠陥データを前記母材の位置に対応させて記
    憶した欠陥データ記憶手段と、 前記個別商品の注文サイズデータを記憶する注文サイズ
    データ記憶手段と、 前記欠陥データと前記注文サイズデータとから前記母材
    の切断経路としての切断仕様データを決定する支援のた
    め、前記欠陥データと前記注文サイズデータを用いて前
    記母材の形状上に前記欠陥及び注文サイズ形状を重ねて
    表示すると共に、前記注文サイズ形状の表示位置または
    角度を変更可能に表示する表示手段とを備えてなること
    を特徴とする母材の管理システム。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載の母材の管理システムであって、 前記切断仕様データに従って前記母材を切断する切断装
    置を備えたことを特徴とする母材の管理システム。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の母材の管理システ
    ムにおいて、 前記切断装置により切断された切断結果データを記憶す
    る切断結果データ記憶手段を備えたことを特徴とする母
    材の管理システム。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項12のいずれかに
    記載の母材の管理システムにおいて、 前記母材は鋼材であることを特徴とする母材の管理シス
    テム。
  14. 【請求項14】 切断されて複数の個別商品を得る母材
    の管理方法であって、 複数の母材を製造する過程において、それぞれの母材に
    生じる欠陥を位置と共に検出する欠陥検出ステップと、 母材及び注文における複数の組合せのそれぞれについ
    て、前記欠陥データと切断仕様データに基づいて歩留率
    を算出する歩留率算出ステップと、 算出された歩留率に基づいて前記母材及び注文の組合せ
    を選択する組合せ選択ステップとを備えたことを特徴と
    する母材の管理方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の母材の管理方法に
    おいて、 さらに選択された組合せにおいて、母材を注文に係る切
    断仕様データに基づいて切断するステップとを備えたこ
    とを特徴とする母材の管理方法。
  16. 【請求項16】 請求項14又は請求項15に記載の母
    材の管理方法において、 前記欠陥検出ステップは母材の製造会社において行わ
    れ、少なくとも前記歩留率算出ステップは、母材の使用
    会社で行われることを特徴とする母材の管理方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の母材の管理方法に
    おいて、 前記欠陥検出ステップと前記歩留率算出ステップとの間
    には、前記欠陥検出ステップにより検出された欠陥デー
    タを、前記母材に付されたIDと共に前記母材の製造会
    社から通信回線を介して前記母材の使用会社に送信する
    ステップが備えられることを特徴とする母材の管理方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の母材の管理方法に
    おいて、 前記歩留率算出ステップにより算出された母材の歩留率
    を母材のIDと共に前記母材の製造会社に送信するステ
    ップが備えられることを特徴とする母材の管理方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の母材の管理方法に
    おいて、 前記母材の製造会社において、前記母材の使用会社から
    送信されたIDが付された母材の価格を該IDと共に送
    信された歩留率に基づいて決定するステップが備えられ
    ていることを特徴とする母材の管理方法。
  20. 【請求項20】 請求項18または請求項19に記載の
    母材の管理方法において、 前記母材の製造会社において、前記母材の使用会社から
    送信されたIDが付された母材を前記母材の使用会社に
    配送する手続を行うステップが備えられていることを特
    徴とする母材の管理方法。
  21. 【請求項21】 切断されて複数の個別商品を得る母材
    の管理をコンピュータに実行させるための母材の管理プ
    ログラムであって、 複数の母材それぞれに存在する欠陥を位置と共に示した
    欠陥データと、注文に係る母材の切断仕様を示した切断
    仕様データとから、複数の母材に対する複数の注文の組
    合せのそれぞれについて、母材の歩留率を算出し、算出
    された歩留率に基づいて母材及び注文の組合せを選択す
    る処理をコンピュータに実行させることを特徴とする母
    材の管理プログラム。
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